JP5261903B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ペースト加工用塩化ビニル樹脂に関するものである。さらに詳しくは、ペースト加工に際しプレートアウトが抑制され、さらには、発泡加工におけるエンボス加工性が改善されるペースト加工用塩化ビニル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂に可塑剤、充填剤、安定剤等を配合したペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物を成形加工するに際して、色相が改善された成形体に関するものである。
ペースト塩化ビニル系樹脂は、充填剤やその他の配合剤とともに可塑剤を主成分とした液状成分中に分散することによりプラスチゾルを形成する。ペースト加工は、そのプラスチゾルをコーティング、スプレー、浸漬、回転、スラッシュなどの方法により成形した後、加熱溶融することで目的とする成形品を得る加工法であり、その加工の容易さや自由度の高さから、現在でも根強い需要を誇っている。特に、壁装材においては、加工性の容易さ、意匠性の豊富さ、施工性の容易さから、その大部分がペースト加工によるビニル壁紙によって占められており、今後もその需要は底堅いと見られている。
ペースト加工によるビニル壁紙の製造は、まずペースト加工用塩化ビニル樹脂に可塑剤、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及び安定剤を配合しプラスチゾルとした後、これをコーターにより基材となる紙上に塗布し、オーブンで発泡剤が分解しない温度で樹脂がセミゲル化された原反を作製する。この原反に、意匠性を付与するための印刷あるいは機能性を付与するための表面処理剤を塗布した後、オーブンにおいて発泡剤が分解する温度まで加熱し発泡体を形成させる。その上で、さらに高度の意匠性を付与するため、加熱状態の発泡体にエンボスロールを押し当て、その表面に凹凸面を形成させることで、最終製品として仕上げている。
この壁紙用途に用いられるペースト加工用塩化ビニル系樹脂としては、通常アルキルベンゼンスルホン酸塩を主成分とする乳化剤が広く用いられている(例えば、非特許文献1)。この乳化剤は、低粘度のプラスチゾルを与え緻密な気泡構造を持つ発泡体を与えるという点で、壁紙加工用に適した乳化剤とされている。しかしながら、一方でアルキルベンゼンスルホン酸塩は、アニオン性乳化剤の中では可塑剤中に溶解しやすい特性を有しており、このため樹脂表面と接触する冷却ロール等の金属表面に可塑剤や充填剤等の成分とともに移行し析出するプレートアウト現象が発生しやすいという欠点があった。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩類は独泡率の高いセル構造を形成しやすい傾向を有するため、エンボス加工時に押し潰されたセル内のガスが集合化し破裂するパンク現象が発生しやすいという欠点を有していた。このパンク現象は、製品の表面に波状の皺を残し、壁紙の製品価値を著しく損ねるものであった。
ポリマーダイジェスト、90−101,1,1998
アルキルベンゼンスルホン酸塩類を主成分とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、加工時にプレートアウトが発生しやすいため、冷却ロールの掃除などによるライン停止が必要となり生産性が低下する。また、発泡エンボス加工では、その独泡性の強さからパンク現象を発生しやすく製品外観を損なう恐れが高い。
以上から、ペースト加工におけるプレートアウトが抑制され、さらには、発泡エンボス加工におけるパンク現象が抑制されたペースト加工用塩化ビニル系樹脂が切望されていた。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含まれるアニオン乳化剤、及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含有するペースト加工用塩化ビニル系樹脂を発泡エンボス加工用として用いることにより、上記課題の解決が図られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。また、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物が炭素数10〜18の高級アルコールを含有することにより、当該ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物を成形した成形体の色相が改善されることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤、及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含有することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、及び炭素数10〜18の高級アルコールを含有することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂、並びに、当該ペースト加工用塩化ビニル系樹脂に対し、可塑剤及び充填剤等が配合されていることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物である。
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤を含有するものである。アニオン性乳化剤におけるアルキルベンゼンスルホン酸塩が50重量%未満の場合には、粘度上昇または発泡セルの粗大化の問題が生じる。より緻密な発泡セルを得るためには、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、70重量%以上であることが好ましい。
ここに、アルキルベンゼンスルホン酸塩は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、パルミチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等があげられる。これらのうち、品質の安定性や取り扱い性の容易さのため、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
アニオン性乳化剤は、有機酸とアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンから構成される塩であれば特に限定するものではなく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、高級脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、高級アルコールリン酸エステル塩等があげられる。
本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂に含有されるアニオン性乳化剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩を100重量%含むものであっても良いが、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含んだうえで、アルキルベンゼンスルホン酸塩以外のアニオン性乳化剤を50重量%未満含んでいても良い。
アニオン性乳化剤の含有量としては特に制限はないが、ペースト粘度の上昇を抑えて、コスト面で有利にし、さらに、重合安定性及びラテックスの機械的安定性を維持するため、アニオン性乳化剤の含有量としては塩化ビニル樹脂に対し0.5〜2.5重量部であることが好ましく、0.5〜2.0重量部であることがさらに好ましい。
さらに、本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含有するものである。ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含有することにより、ペースト加工に際してのプレートアウト抑制や発泡エンボス加工におけるパンク現象抑制の効果が生じる。
ここに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二カリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二アンモニウム塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩の含有量は、特に限定するものでないが、プレートアウト及びパンク現象について大幅な改善が図られ、かつ、発泡色相も良好に維持できるため、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂に対して0.5重量部以下であることが好ましい。
また、本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂は可塑剤、充填剤等を配合したペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物を成形加工するに際して、その成形体の色相をより改善するためには、炭素数10〜18の高級アルコールを含有することが好ましい。ここに、炭素数10〜18の高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール(炭素数:12)、ミスチルアルコール(炭素数:14)、セチルアルコール(炭素数:16)、ステアリルアルコール(炭素数:18)等があげられ、1種又はこれらを2種以上含んでいるものでもかまわない。
炭素数10〜18の高級アルコールの含有量については特に制限はないが、粘度上昇を防ぐために、塩化ビニル樹脂に対して1.0重量部以下であることが好ましく、0.8重量部以下がさらに好ましい。
本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造法について以下に説明する。
一般的に、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂は、乳化重合、微細懸濁重合またはシード重合のいずれかによって製造されており、本発明においてはそのいずれを用いても良い。これらの重合法に用いられる重合開始剤については特に限定されるものではなく、乳化重合またはシード乳化重合であれば、通常これらの重合に用いられる過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤を用いることができ、微細懸濁重合またはシード懸濁重合であればアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ラウロイル、t−ブチル過酸化ピバレートに代表されるアゾ化合物、過酸化ジアシル、過酸化エステル、過酸化ジカーボネート等の油溶性開始剤を用いることができる。
重合に用いる単量体としては、塩化ビニル単量体を主成分とし、これと共重合可能な単量体を適量混合して用いても良い。塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、塩化ビニリデン、スチレン等通常のビニル化合物、エチレン、プロピレン、n−ブテンのようなオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチル酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル、ステアリン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸のような不飽和酸またはそれらのアルキルエステル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのようなビニルエーテル、マレイン酸、フマル酸、あるいはこれらの無水物またはエステル、芳香族ビニル、不飽和ニトリル等の単量体があげられる。塩化ビニルに共重合可能な単量体は、これらに限定されるものではないが、その共重合比率は20重量%以下が好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
重合を安定に進行させ、かつ、得られたラテックスを安定化させるためにはアニオン性乳化剤が重合前、重合中及び重合後に添加されるが、本発明ではアルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤が用いられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩以外のアニオン性乳化剤としては、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ラウリン酸のような高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸エステルのような高級アルコール硫酸エステル、高級脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、高級アルコールリン酸エステル塩等があげられる。これらはアルキルベンゼンスルホン酸塩も含めて相互に混合して添加しても良いし、また別々に添加しても良い。アニオン性乳化剤の添加量としては特に制限はないが、ペースト粘度の上昇を抑えて、コスト面で有利にし、さらに、重合安定性及びラテックスの機械的安定性を維持するため、塩化ビニル樹脂に対し0.1〜5重量部であることが好ましく、0.5〜2.5重量部であることがさらに好ましい。
また、プラスチゾル粘度低下などの物性改質剤としてノニオン系の界面活性剤も必要に応じて併用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体などを挙げることができる。これらは単独に添加するだけでなく、互いに混合して添加してもよい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩の添加量について特に制限はないが、プレートアウト及びパンク現象について大幅な改善が図られ、かつ、発泡色相も良好に維持できるため、塩化ビニル樹脂に対して1.0重量部以下であることが好ましく、塩化ビニル樹脂に対して0.5重量部以下であることがさらに好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩の添加方法については、特に制限はない。重合前及び重合後に単独で添加してもよいし、重合中に他の乳化剤と混合して添加してもよい。
炭素数10〜18の高級アルコールの添加方法については、特に制限はない。ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を重合する際、重合前及び重合後に添加してもよいし、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上とポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含むペースト加工用塩化ビニル系樹脂に可塑剤、充填剤、発泡剤、安定剤、顔料等を配合する際に同時に配合してもよい。
このようにして得られたアルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含む塩化ビニル系樹脂ラテックスや、アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩と炭素数10〜18の高級アルコールを含む塩化ビニル系樹脂ラテックスは、噴霧乾燥などにより粉体化することで、ペースト加工用として好適な塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
このペースト加工用塩化ビニル樹脂は、可塑剤、充填剤、発泡剤、安定剤、顔料などを適量配合することで、プレートアウトが抑制され、かつエンボス加工時のパンク現象が抑制された壁紙加工用として好適な樹脂組成物(プラスチゾル)を形成することができる。ここに、可塑剤としては、例えば、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート等があげられ、充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ケイソウ土、炭酸マグネシウム等があげられ、発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等があげられ、安定剤としては、例えば、Ba−Zn系液状安定剤、Ca−Zn系液状安定剤等があげられ、顔料としては、例えば、酸化チタン等があげられる。
本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂組成物を成形することにより成形体を得ることができる。ここに、成形は、主に基材や支持体の上にペースト加工用塩化ビニル樹脂組成物を塗布し、加熱冷却する、型の内部に樹脂組成物を注入し、加熱冷却する、型の外部に樹脂組成物を塗布し、加熱冷却することなどにより行う。この成形体は主に、ビニル壁紙、クッションフロア、タイルカーペットなどとして使用できる。この成形体は、加工時のプレートアウト特性とパンク特性が改善されており、さらに、色相も改善されている。
本発明により、プレートアウト及びパンク現象の発生が抑制されることで、意匠性に優れたビニル壁紙を高い生産性で製造することが可能となり、さらに、本発明のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物をビニル壁紙加工に供すると、加工時のプレートアウト特性とパンク特性が改善されながらも、色相の悪化がほとんど観察されないビニル壁紙を安定に得ることができる。
以下に、本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限するものではない。
なお、実施例中の各特性は、以下の方法により評価されたものである。
<プレートアウト特性>
ペースト加工用塩化ビニル樹脂(それぞれの実施例及び比較例に記載)100重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)60重量部、Ba−Zn系液状安定剤(旭電化(株)製FL103N)3重量部をステンレス製容器に計量し、JIS K7383に準じディゾルバーミキサーにより混練してプラスチゾルを調製した。調製したプラスチゾルは、難燃紙上に0.2mmの厚さに塗布し、スモールオーブン(マチス社製)にて190℃で8秒間加熱することでシート状に成形した。得られたシートは2cm×4cmの短冊状に切り取り、6cm×15cmのフェロ板上に樹脂面がフェロ板面と均一に接触するように貼り付けた。これに上から2.8Kgの荷重をかけ、ギヤオーブンにより120℃で5分間加熱した。
加熱終了後、直ちに荷重を外し、ゴムロールによりフェロ板と樹脂シートを20秒間圧着させた。冷却後、フェロ板から樹脂シートを剥がし、接触面における汚染状態を目視により10点法(汚染度増に従い得点増)で評価した。
<パンク特性>
ペースト加工用塩化ビニル樹脂(それぞれの実施例及び比較例に記載)100重量部、ジイソノニルフタレート(DINP)50重量部、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル(株)製ホワイトンH)100重量部、酸化チタン(R650)14重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製AZH25)4重量部、Ba−Zn系液状安定剤(旭電化(株)製FL103N)3重量部、エクソールD40(エクソンモービル化学(株)製)10重量部をステンレス製容器に計量し、JIS K7383に準じディゾルバーミキサーにより混練してプラスチゾルを調製した。調製したプラスチゾルを難燃紙上に0.16mmの厚みで塗布しスモールオーブン(マチス社製)にて180℃で10秒間加熱することで原反シートを作製した。この原反をスモールオーブン(マチス社製)にて230℃で40秒間加熱することにより、発泡倍率が約6倍の発泡体を得た。この発泡体を再度スモールオーブンにより210℃で10秒間加熱軟化後、7秒を経過した時点で、クリアランスを難燃紙の厚みに調整した無地のエンボスロールを発泡体上を通過させることにより発泡面を押し潰した。
押し潰された発泡体表面には、排除しきれなかった発泡体内のガスが集合化し破裂したパンクによる皺が発生するので、50cm中に観察されるパンクの数により以下のようにパンク性を評価した。
パンク性:無 :パンク皺なし
極微少:1〜5個
微少 :6〜10個
少 :11〜30個
中 :31〜50個
多 :51個以上
<色相>
ペースト加工用塩化ビニル樹脂(それぞれの実施例及び比較例に記載)100重量部、ジイソノニルフタレート(DINP)50重量部、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル(株)製ホワイトンH)100重量部、酸化チタン(R650)14重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製AZH25)4重量部、Ba−Zn系液状安定剤(旭電化(株)製FL103N)3重量部、エクソールD40(エクソンモービル化学(株)製)10重量部をステンレス容器に計量し、JIS K7383に準じディゾルバーミキサーにより混練してプラスチゾルを調製した。調製したプラスチゾルを難燃紙上に0.16mmの厚みで塗布しスモールオーブン(マチス社製)にて180℃で10秒間加熱することで原反シートを作製した。この原反をスモールオーブンにて230℃で40秒間加熱することにより、発泡倍率が約6倍の発泡体を得た。得られた発泡体は、色差計(日本電色工業(株)SE2000)にてY.I値を測定した。
また、実施例中で用いるシード粒子は以下の合成例に従って調製した。
合成例1
2.5L重合缶内に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体700g、過酸化ラウロイル13.3g及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液100gを仕込み、該重合液をホモミキサーにて75分間均質化処理後、温度を45℃に上げて重合を進めた。圧力が0.4MPaに低下した後、未反応塩化ビニル単量体を回収することによりシード粒子1を調製した。得られたシード粒子1は過酸化ラウロイルを2重量%含有しており、JIS K7367によるK値は77であった。また、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製 LA−700)により屈折率1.3の条件下において粒径分布を測定した結果、平均粒径は0.55μmであった。
合成例2
2.5L重合缶内に脱イオン水800g、塩化ビニル単量体600g、5重量%ラウリン酸カリウム水溶液60g及び過硫酸カリウム0.16gを仕込み、温度を56℃に上げ重合を開始した。重合開始150分後より5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を1時間当たり17mlの速度で添加し、480分後にその添加を停止した。重合缶内の圧力が0.5MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収しシード粒子2を得た。得られたシード粒子2を前述のシード粒子1と同じ方法により測定した結果、K値が68.8で平均粒径は0.15μmであった。
実施例1
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液8gを仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液56gを1時間当たり10mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.8重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの1種)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4g(塩化ビニル樹脂に対して0.2重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥しペースト加工用塩化ビニル樹脂(a)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(a)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観察されず、2点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微少に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.7であった。
表1に、アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量、その他のアニオン性乳化剤の含有量、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩の含有量、プレートアウト特性値(P.O)、パンク特性、及び、色相値を示す。
Figure 0005261903
実施例2
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)3.2g(塩化ビニル樹脂に対して0.1重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(b)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(b)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は若干観察されたが全体的に薄く、3点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は微少に観察される程度であった。発泡体の色相はY.I値で12.5であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表1にあわせて示す。
実施例3
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)9.6g(塩化ビニル樹脂に対して0.3重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(c)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(c)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観察されず1点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微少に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.9であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表1にあわせて示す。
実施例4
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液8gを仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液32g及び10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液24gの混合液を1時間当たり10mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.8重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4g(塩化ビニル樹脂に対して0.2重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(d)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(d)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観察されず1点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微少に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.3であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表1にあわせて示す。
実施例5
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)3.2g(塩化ビニル樹脂に対して0.1重量部)を仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液64gを1時間当たり10mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.8重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40gを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(e)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(e)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は若干観測されたが全体的に薄く、3点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は微少に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.4であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表1にあわせて示す。
実施例6
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液8gを仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)コハクールL400)19.2g(塩化ビニル樹脂に対して0.6重量部)を1時間当たり3.2mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.1重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40gを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(f)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(f)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観測されず、0.5点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺もまったく観察されなかった。発泡体の色相はY.I値で13.7であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表1にあわせて示す。
実施例7
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの1種)水溶液40g、25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4g(塩化ビニル樹脂に対して0.2重量部)及び高級アルコール(花王(株)製カルコール2450,炭素数:10〜18)2.4g(塩化ビニル樹脂に対して0.3重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(g)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(g)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観測されず、2点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微小に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.4であった。
表2に、アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量、その他のアニオン性乳化剤の含有量、アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有重量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩の含有量、高級アルコール含有量、プレートアウト特性値(P.O)、パンク特性、及び、色相値を示す。
Figure 0005261903
実施例8
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4g(塩化ビニル樹脂に対して0.2重量部)及び高級アルコール(花王(株)製カルコール2450,炭素数:10〜18)4.0g(塩化ビニル樹脂に対して0.5重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥しペースト加工用塩化ビニル樹脂(h)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(h)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観測されず、2点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微小に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.2であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。
実施例9
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)9.6g(塩化ビニル樹脂に対して0.3重量部)及び高級アルコール(花王(株)製カルコール2450,炭素数:10〜18)4.0g(塩化ビニル樹脂に対して0.5重量部)を添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥しペースト加工用塩化ビニル樹脂(i)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(i)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観測されず、1点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微小に観察される程度であった。なお、発泡体の色相はY.I値で12.4であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。
実施例10
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4gを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥しペースト加工用塩化ビニル樹脂(j)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(j)100重量部、ジイソノニルフタレート(DINP)50重量部、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル(株)製ホワイトンH)100重量部、酸化チタン(R650)14重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製AZH25)4重量部、Ba−Zn系液状安定剤(旭電化(株)製FL103N)3重量部、エクソールD40(エクソンモービル化学(株)製)10重量部、及び高級アルコール(花王(株)製カルコール2450,炭素数:10〜18)0.3重量部をステンレス容器に計量し、JIS K7383にこの組成物のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観察されず、2点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微少に観察される程度であった。発泡体の色相はY.I値で12.3であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。
実施例11
実施例1と同様に重合を行いラテックスを得た。このラテックスに10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40g及び25重量%ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸二ナトリウム液(東邦化学工業(株)製コハクールL400)6.4gを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(k)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(k)100重量部、ジイソノニルフタレート(DINP)50重量部、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル(株)製ホワイトンH)100重量部、酸化チタン(R650)14重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学(株)製AZH25)4重量部、Ba−Zn系液状安定剤(旭電化(株)製FL103N)3重量部、エクソールD40(エクソンモービル化学(株)製)10重量部、及び高級アルコール(花王(株)製カルコール2450,炭素数:10〜18)0.5重量部をステンレス容器に計量し、JIS K7383にこの組成物のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は殆ど観察されず、2点と評価された。また、エンボス加工によるパンク皺は極微少に観察される程度であった。発泡体の色相はY.I値で12.1であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。
比較例1
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液8gを仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液56gを1時間当たり10mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.8重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40ggを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(l)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(l)のプレートアウト特性を評価したところ、フェロ板面の汚染は極めて高く9点と評価された。またエンボス加工によるパンク皺も明瞭に数多く発生した。発泡体の色相(Y.I値)は12.2であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。
比較例2
2.5L重合缶内に脱イオン水500g、塩化ビニル単量体800g、合成例1より得られたシード粒子1を30g、合成例2より得られたシード粒子2を40g、及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液8gを仕込み、温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始60分後より10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液56gを1時間当たり10mlの速度で添加した。重合缶内の圧力が0.7MPaまで低下したところで、未反応の塩化ビニル単量体を回収し重合を終了した(アニオン性乳化剤の添加量は合わせて塩化ビニル樹脂に対して0.8重量部)。得られたラテックスには、10重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製エマルゲン108)水溶液40gを添加し、回転円盤式噴霧乾燥機によって乾燥し、ペースト加工用塩化ビニル樹脂(m)を得た。
得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂(m)のプレートアウト特性が優れており、2点と評価されたものの、エンボス加工によるパンクは、数は少ないものの明瞭な大きな皴が発生した。得られた発泡体の断面は、他の実施例、比較例による発泡体に比べると、セルの大きさが粗大化していることが確認された。なお発泡体の色相(Y.I値)は11.9であった。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の含有量等を表2にあわせて示す。

Claims (5)

  1. アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤、及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩を含有し、平均粒子径が1.7μm以下であることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
  2. アルキルベンゼンスルホン酸塩を50重量%以上含むアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、及び炭素数10〜18の高級アルコールを含有し、平均粒子径が1.7μm以下であることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
  3. 請求項1又は請求項2記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂に対し、可塑剤及び充填剤が配合されていることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 請求項1記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂に対し、炭素数10〜18の高級アルコールを含有し、かつ、可塑剤及び充填剤が配合されていることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 請求項3又は請求項4記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形体。
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