JP4339241B2 - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリル系樹脂用減粘剤、並びに粘度安定性や耐ブリード性に優れたアクリル系樹脂組成物に関する。
現在、工業的に広く利用されているペーストレジンはポリ塩化ビニルパウダーと充填剤を可塑剤に分散させた塩ビゾル組成物であり、さらに安定剤、顔料、発泡剤、希釈剤等を添加した物が使用されている。この塩ビゾル組成物は自動車用、カーペット用、壁紙用等のコーティング剤、コーキング剤等として種々の目的で多くの分野に使用されている。
一方、この塩ビゾルは近年の地球環境問題で塩化水素ガスを発生させるため環境破壊などの問題点を有している。この様な塩ビゾルに替わるペースト樹脂組成物としてアクリルゾルが特許文献1、特許文献2等に開示されている。このようなアクリルゾルは環境問題は解決されているが、ゾル製造直後から徐々に粘度が変化するなど粘度安定性等は未だ十分に満足できるものではない。
一般にアクリル系樹脂は乳化重合や懸濁重合で合成され、その時の乳化剤として、脂肪酸、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルエーテルリン酸エステルのカリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられているが、これらを乳化剤としたアクリル系樹脂ではペーストゾルの減粘効果や粘度変化抑制は期待出来ない。
一方、特許文献1、特許文献2、特許文献3等にはジアルキルスルホコハク酸Naをアクリルモノマーの乳化剤として用いることが開示されているが、これらをペースト樹脂の減粘剤として用いることは記載されていない。
また、塩ビゾルではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のノニオン系活性剤を添加してゾル粘度を低下させる技術が慣用されている。しかしながらアクリルゾルではこのような減粘剤が知られておらず、使用可能な可塑剤が少ないなど配合の自由度が小さく、用途も限定されている。このためアクリルゾルの粘度を大きく低下させ、且つ経時粘度変化が少ないアクリル系樹脂用減粘剤が求められていた。
特開平7−233303号公報 特開平9−77950号公報 特開2001−187835号公報
本発明の課題は、アクリル系樹脂の粘度を大きく低下させることができる減粘剤、並びに粘度安定性や耐ブリード性に優れたアクリル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、アニオン性界面活性剤(以下(a)成分という)を含有するアクリル系樹脂用減粘剤、更に可塑剤及び融点−10℃以下で沸点190℃以上のアルコールから選ばれる少なくとも1種(以下(b)成分という)を含有するアクリル系樹脂用減粘剤、並びにアクリル系樹脂と、この減粘剤とを含有するアクリル系樹脂組成物を提供する。
本発明の減粘剤を用いることにより、アクリル系樹脂の粘度を大きく低下させることができ、また、粘度安定性及び耐ブリード性に優れたアクリル系樹脂組成物を得ることができる。
[減粘剤]
本発明に用いられる(a)成分のアニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、ジ(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル)スルホコハク酸ナトリウム等のジポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム等の脂肪酸塩等が挙げられる。
この中でポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩や一般式(I)で表される化合物が好ましく、一般式(I)で表される化合物が更に好ましい。
Figure 0004339241
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、あるいは−(C24O)n−R3で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル基(ここで、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す2〜10の数、R3は炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基)を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、あるいは−(C24O)n−R3で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル基を示すが、炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖アルキル基、あるいは−(C24O)n−R3で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル基で、nが2〜8の数、R3が炭素数8〜13の直鎖又は分岐鎖アルキル基であるものが更に好ましく、炭素数8〜13の直鎖又は分岐鎖アルキル基が特に好ましい。Mはアルカリ金属原子を示すが、ナトリウム又はカリウムが好ましい。
一般式(I)で表される化合物の中では、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジPOE(2)2−エチルヘキシルエーテルスルホコハク酸ナトリウムが特に好ましい。
尚、本明細書において、POE(n)とは、オキシエチレン基が平均nモル付加したポリオキシエチレン基を意味する。
一般式(I)で表される化合物の製造法としては、例えば、無水マレイン酸と炭素数6〜20のアルコール又は式(II)
3O−(C24O)n−H (II)
(式中、R3及びnは前記の意味を示す。)
で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルを反応させてマレイン酸ジエステルを合成し、その後イソプロパノール及び水の存在下で亜硫酸水素ナトリウム水溶液を滴下し、反応させる方法が挙げられる。
炭素数6〜20のアルコールとしては、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、イソノニルアルコール、i−デカノール、n−デカノール、i−トリデカノール、ヘキシルデカノール等が挙げられる。
式(II)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、POE(2)2−エチルヘキシルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(5)C12,13混合アルキルエーテル等が挙げられる。
上記製造法により得られる一般式(I)で表される化合物にはイソプロパノールや水が含まれるが、これらはペーストゾルに気泡発生やVOC(Volatile Organic Compound)が多くなり悪影響を及ぼすため、これらを留去することが好ましい。但し、これらを留去することにより固いペースト状になり、計量時など作業性が悪くなるので、これらを防止するため、更に本発明の減粘剤は、(b)成分である可塑剤(以下(b1)成分という)及び融点−10℃以下で沸点190℃以上のアルコール(以下(b2)成分という)から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。(b)成分を含有させて、イソプロパノール/水を置換する事により液状とし、これら作業性の問題を解決することが出来る。また、(b2)成分は耐加水分解性の観点からも含有することが好ましい。
本発明に用いられる(b1)成分としては、例えばジ2−エチルヘキシルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル、トリ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリn−オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中では、(a)成分との相溶性の観点から、ジ2−エチルヘキシルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステルが好ましい。
本発明に用いられる(b2)成分は、冬季に減粘剤が固化し、作業性が低下することを防止するために融点は−10℃以下であり、また、揮発成分、即ちVOCを抑制する観点から沸点は190℃以上である。
本発明に用いられる(b2)成分としては、例えば、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、オクチルオクタノール等の分岐アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルグリコール、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルグリコール等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。これらの中では、(a)成分との相溶性の観点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノールが好ましい。
本発明の減粘剤中の(a)成分の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。本発明の減粘剤には、(a)成分以外に、(b)成分や、(a)成分の製造における未反応分が含有されていても良い。
本発明の減粘剤中の(a)成分と(b)成分の重量比率は、減粘剤の粘度上昇を抑えて良好な作業性を得、また良好な減粘効果を得る観点、及びコスト面から、(a)/(b)=90/10〜50/50が好ましく、80/20〜60/40がさらに好ましい。
[アクリル系樹脂]
本発明に係るアクリル系樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、樹脂の透明性及び可塑剤との相溶性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルと共重合しうるモノマーとしては、酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル等が挙げられる。
尚、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明に係るアクリル系樹脂の重量平均分子量は、樹脂の機械的強度の観点から、10万以上が好ましく、20〜200万がさらに好ましい。
重量平均分子量は、アクリル系樹脂の0.50gを100mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して(不溶成分が2重量%以下であれば除去して測定する)ミックスゲルカラムを用いて、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にかけ、標準ポリスチレン換算により測定する。
[アクリル系樹脂組成物]
本発明のアクリル系樹脂組成物は、上記のような減粘剤を含有するアクリル系樹脂粒子を分散したプラスチゾル組成物である。アクリル系樹脂粒子の平均粒径は、粘度安定性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜50μmが更に好ましい。尚、アクリル系樹脂粒子の平均粒径は、重合後のラテックスを用い、レーザー回折の散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製LA700型)にて測定した単一粒子径分布のメジアン径を平均粒径とした。粘度安定性とは、アクリル系樹脂組成物の初期粘度が低く、また、粘度変化が少なく、成形加工性に優れた粘性を有していることを表す。初期粘度は、4500mPa・s以下であることが好ましく、更に4000mPa・s以下であることが好ましく、特に3500mPa・s以下であることが好ましい。粘度は25℃において、B型粘度計でローターNo.4を用い、60r/minの条件で測定したプラスチゾルの粘度である。
本発明組成物中の本発明に係わる減粘剤の含有量は、アクリル系樹脂100重量部に対し、粘度安定性、耐ブリード性及び経済性の観点から、1.5〜7重量部が好ましく、2〜5重量部が更に好ましい。
尚、本発明組成物中の減粘剤の含有量は、このアクリル系樹脂を製造する際に、本発明に係る減粘剤と同様の剤が乳化剤として使用されている場合は、それらの総和を意味する。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、更に可塑剤を含有することが好ましい。本発明のアクリル系樹脂組成物に含有される可塑剤としては、本発明の減粘剤中に含有することができる上記(b1)成分と同様のものがあげられる。本発明のアクリル系樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、アクリル系樹脂100重量部に対し、粘度安定性、耐ブリード性及び経済性の観点から、30〜150重量部が好ましく、50〜100重量部が更に好ましく、70〜100重量部が特に好ましい。
本発明のアクリル系樹脂組成物には、更に必要に応じて、充填剤、本発明の減粘剤以外の界面活性剤、難燃剤、顔料等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明の組成物に配合しうる充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、シリカ、チタン白、硫酸バリウム等が挙げられる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂、減粘剤、可塑剤及びその他の成分を、らいかい機等の混合機を用いて均一に混合すれば、プラスチゾルとして得られる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、塗料、インキ、接着剤、シーリング剤等に応用でき、雑貨、玩具、工業用品、自動車用途、電気部品、壁紙、放水シートなどに広く用いることができる。
例中の「部」及び「%」は特記しない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」である。
製造例1:樹脂Aの製造
ステンレス製攪拌機付き容器に、イオン交換水150部及び乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部、分散剤としてセチルアルコール0.6部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド0.3部と連鎖移動剤t−ドデシルメルカプタン0.5部を仕込み、さらにメチルメタクリレート85部とn−ブチルアクリレート15部を添加し、室温下で30分間攪拌混合した後、ホモミキサーの高剪断下で均質化し、ステンレス製重合容器に移送して油相の粒子径が0.1〜4μmの微細懸濁液を調製した。
続いて重合温度65℃で5時間攪拌下にて重合を行い、サンプリングした反応液の固形分濃度により重合率95%以上を確認してから反応を終了させ、水酸化カリウム水溶液で中和処理してラテックスを得た。このラテックスを真空凍結乾燥機(TF10−50ATNNN:(株)宝製作所製)にて真空度1.0×10-2Pa、−35℃で凍結後、2.5℃/時間で25℃まで昇温し約24時間かけて乾燥させた。このようにして得られたアクリル系樹脂(以下樹脂Aという)の平均粒子径は2.0μmであった。
製造例2:樹脂Bの製造
ステンレス製攪拌機付き容器に、イオン交換水150部及び乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、ペレックスOTP)1.0部、分散剤としてセチルアルコール0.6部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド0.3部と連鎖移動剤t−ドデシルメルカプタン0.5部を仕込み、さらにメチルメタクリレート85部とn−ブチルアクリレート15部を添加し、製造例1と同様の条件で重合、乾燥して平均粒子径1.8μmのアクリル系樹脂(以下樹脂Bという)を得た。
合成例1
1000ミリリットルの四つ口フラスコに2−エチルヘキサノール286g(2.2モル)と無水マレイン酸98g(1.0モル)、触媒としてジブチルスズオキシド0.19g(0.05%)を秤取り、窒素吹き込み下、200℃でエステル化反応を行った後、過剰の2−エチルヘキサノールを真空下で留去し、2−エチルヘキシルマレエートを得た。さらにこれを室温にまで冷却し、イソプロパノール40gとイオン交換水46gを添加し、70〜80℃まで昇温した。この温度でイオン交換水104gに溶解した亜硫酸ナトリウム104gを滴下した。75〜80℃で反応熟成を8時間行い、ジ2−エチルへキシルスルホコハク酸ナトリウムの70%品(以下ベースアニオン1という)を得た。
実施例1
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例1で得られたベースアニオン1を200gと可塑剤ジイソノニルフタレート60gを秤取り、0.4〜0.7kPaの真空下、80〜90℃でベースアニオン1に含まれるイソプロパノールと水を留去してジ2−エチルへキシルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤1という)を得た。
実施例2
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例1で得られたベースアニオン1を200gとトリエチレングリコールモノメチルエーテル60gを秤取り、実施例1と同様の条件でジ2−エチルへキシルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤2という)を得た。
合成例2
1000ミリリットルの四つ口フラスコにイソトリデカノール396g(2.0モル)と無水マレイン酸88.2g(0.9モル)、触媒としてジブチルスズオキシド0.24g(0.05%)を秤取り、合成例1と同様の条件でイソトリデシルマレエートを得た。さらにこれを室温にまで冷却し、イソプロパノール66gとイオン交換水66gを添加し、70〜80℃まで昇温した。この温度でイオン交換水94gに溶解した亜硫酸ナトリウム93.6gを滴下した。75〜80℃で反応熟成を8時間行い、ジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウムの70%品(以下ベースアニオン2という)を得た。
実施例3
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例2で得られたベースアニオン2を200gと可塑剤ジイソノニルフタレート60gを秤取り、0.4〜0.7kPaの真空下、80〜90℃でベースアニオン2に含まれるイソプロパノールと水を留去してジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤3という)を得た。
実施例4
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例2で得られたベースアニオン2を200gとプロピレングリコール60gを秤取り、実施例3と同様の条件でジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤4という)を得た。
合成例3
1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル383.7g(1.76モル)と無水マレイン酸78.4g(0.8モル)、触媒としてジブチルスズオキシド0.23g(0.05%)を秤取り、合成例1と同様の条件でジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルマレエートを得た。さらにこれを室温にまで冷却し、イソプロパノール65gとイオン交換水65gを添加し、70〜80℃まで昇温した。この温度でイオン交換水83gに溶解した亜硫酸ナトリウム83.2gを滴下した。75〜80℃で反応熟成を8時間行い、ジPOE(2)2−エチルヘキシルエーテルスルホコハク酸ナトリウムの70%品(以下ベースアニオン3という)を得た。
実施例5
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例3で得られたベースアニオン3を200gと可塑剤ジイソノニルフタレート60gを秤取り、0.4〜0.7kPaの真空下、80〜90℃でベースアニオン3に含まれるイソプロパノールと水を留去してジPOE(2)2−エチルヘキシルエーテルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤5という)を得た。
実施例6
500ミリリットル四つ口フラスコに、合成例3で得られたベースアニオン3を200gとプロピレングリコール60gを秤取り、実施例5と同様の条件でジPOE(2)2−エチルヘキシルエーテルスルホコハク酸ナトリウム濃度70%の減粘剤(以下減粘剤6という)を得た。
処方例1〜6及び比較処方例1〜2
表1に示す減粘剤を用い、下記配合成分をホモミキサーにて2000r/min、1.5分間混合を行い、その後真空にて20分間脱泡を行ってペーストゾルを調製した。得られたペーストゾルについて初期粘度及び粘度変化率を測定した。また、下記方法で耐ブリード性を評価した。結果を表1に示す。
<配合組成>
製造例1で得られた樹脂A 100.0部
ジイソノニルフタレート 100.0部
重質炭酸カルシウム 100.0部
(ホワイトンH:東洋ファインケミカル(株)製)
シェルゾールTM(シェルケミカル製) 20.0部
減粘剤 2.0部
<初期粘度及び粘度変化率の測定法>
得られたペーストゾルを25℃でB型粘度計(ローターNo.4)にて60r/minでの粘度を測定し、初期粘度とした。このペーストゾルをさらに室温で1日放置し、手で軽く再攪拌し、B型粘度計で同様の条件で粘度を測定した。また、3日後の粘度も同様の条件で測定し、以下の式で粘度変化率を算出した。粘度変化率は100に近いほど、粘度変化が少なく良好である。
粘度変化率(%)=(3日後粘度/1日後粘度)×100
<耐ブリード性の評価法>
ペーストゾルをガラス板上に0.5mmの厚さに塗布し、200℃で5分間処理をして造膜、テストシートを作製した。このシートをガラス板から外し、40℃の恒温室に48時間保管してその表面状態を肉眼観察した。評価基準は以下に示す。
○:テストシート表面にブリードが見られない。
△:テストシート表面に若干のブリードが見られる。
×:テストシート表面のブリードが激しい。
Figure 0004339241
処方例7〜12及び比較処方例3〜4
表2に示す減粘剤を用い、樹脂Aの代わりに製造例2で得られた樹脂Bを用いる以外は処方例1と同様にしてペーストゾルを調製した。得られたペーストゾルについて同様に初期粘度及び粘度変化率を測定し、耐ブリード性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004339241

Claims (1)

  1. 一般式(I)で表されるアニオン性界面活性剤(以下(a)成分という)と、フタル酸エステル可塑剤及び融点−10℃以下で沸点190℃以上のアルコールから選ばれる少なくとも1種(以下(b)成分という)を、(a)成分/(b)成分(重量比)=80/20〜60/40にて含有するアクリル系樹脂用減粘剤。
    Figure 0004339241
    [式中、R 1 及びR 2 はそれぞれ独立に、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、あるいは−(C 2 4 O) n −R 3 で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル基(ここで、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す2〜10の数、R 3 は炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基)を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。]
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