JP5241978B2 - 漢方ゼリー医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は漢方ゼリー医薬組成物に関し、詳しくは、漢方製剤の粉末状または顆粒状製剤が服用し難い患者に服用し易いゼリー状である経口医薬組成物、特に離漿しにくく、外観、pHの維持、有効成分の分散性、含量維持について医薬品レベルの保存安定性が確保された、服用しやすい硬さで、喉ごし良く服用できる漢方ゼリー医薬組成物に関する。
漢方製剤の医療用医薬品では、粉末または顆粒剤が多く、一般用医薬品では散剤、顆粒剤に加え、錠剤、液剤等がある。漢方原薬は一回の服用量が数百ミリグラムから数千ミリグラムを含有するため、剤型としては粉末や顆粒剤に製されているが、服用しづらく、また口中に広がりむせたり、また口中に漢方特有の苦味が残り、服用後の口中内に違和感が残りやすかった。また錠剤などは、一回量が大きくなるため、小さい錠剤を複数服用することから、服用誤飲が懸念された。また、液剤では、漢方特有の味を和らげるために、一回量が20mL以上の服用量が設定されているが、ガラス瓶入りであることから携帯性に不便であり、このように漢方製剤の服用上の問題が解決できる製剤技術が望まれていた。
漢方製剤のゼリー製剤として、ゼラチンを用いて漢方原薬をゼリー製剤化したものが知られている(特公平7−116049(易服用性漢方製剤組成物))。このゼリー製剤は、ゼラチンを用いているために保存安定性が低く、冷所(冷蔵庫内で4℃程度)での保存が必要である。また、医薬品としての長期安定性試験(室温3年)または、加速安定性試験(40℃、75%RH、6ヶ月)にはとても耐え得る組成物ではない。すなわち、ゼラチンは物理化学的安定性が低いゲル化剤であり、これを用いたお菓子用のゼリーが冷所で短期の保存期間内の賞味期限を設定しているのは、これらの理由も含まれている。従って、医薬品の流通を考えるとゼラチンを用いたゼリーは、医薬品レベルの安定性に問題がある。
発明が解決しようとする課題
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ゼリー状経口医薬組成物として、カラギーナン、ローカストビーンガム、及びポリアクリル酸又はその部分中和物もしくは塩とを含有し、加速安定性(40℃、75%RH、6箇月)及び長期安定性(室温3年間)を有するゼリー経口医薬組成物を開発している(特願平8−4288号、特平8−4289号)。本発明者らは、このゼリー状経口医薬組成物に関する技術を漢方原薬に応用した研究を進めた結果、漢方原薬の特異的性質(例えばBrixが高い)により、上記技術では、漢方原薬をゼリー化するには、漢方原薬の含有量を薄めなくてはならず、一回服用量が15g以上になってしまうことを見い出した。そして、コンパクトにまとめる包装形態や医薬品としての品位にも問題が発生することから、漢方原薬に適したゼリー製剤化の新技術開発が必要になった。
本発明は、上記観点からなされたものであり、漢方原薬に適したゼリー医薬組成物であって、医薬レベルの保存安定性に優れ、好ましくは外観、pH、有効成分の含量維持や有効成分の分散性が、室温保存で3年間または40℃、75%RHで6ヶ月の加速試験に耐え、さらに、服用し易い硬さで喉ごしの良い、漢方ゼリー医薬組成物を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、漢方医薬組成物に、基剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガムとリン酸塩の緩衝剤を配合することで、保存安定性に優れた漢方ゼリー経口医薬組成物が得られることを見い出し、本発明を完成させた。本発明の好ましい形態の経口医薬組成物は、離漿しにくく、外観、pHの維持、有効成分の分散性、含量維持について、医薬レベルの保存安定性を確保することができ、また、服用しやすい硬さを有しており、喉ごしに優れている。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)漢方原薬を含むゼリー状の経口医薬組成物であって、カラギーナン、ローカストビーンカム、キサンタンガム及びリン酸塩の緩衝剤を含む医薬組成物。
(2)カラギーナンが、κカラギーナン及びιカラギーナンの両方である(1)の医薬組成物。
(3)溶融固形成分をさらに含む(1)又は(2)の経口医薬組成物。
(4)前記溶融固形成分が、糖、糖アルコール又は多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上である(3)の経口医薬組成物。
(5)カラギーナンを医薬組成物全量に対して0.05〜1.0重量%含有する前記(1)〜(4)のいずれかの経口医薬組成物。
(6)ローカストビーンガムを医薬組成物全量に対して0.01〜1.0重量%含有する(1)〜(5)のいずれかの経口医薬組成物。
(7)キサンタンガムを医薬組成物全量に対して0.01〜1.0重量%含有する(1)〜(6)のいずれかの経口医薬組成物。
(5)リン酸塩の緩衝剤を医薬組成物全量に対して0.1〜2.5重量%含有する(1)〜(7)のいずれかの経口医薬組成物。
(9)一回服用量単位毎に小分けされたことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの経口医薬組成物。
本発明の医薬組成物は、本発明を逸脱しない限り、特に制限されるものではない。ゼリー組成物は通常、その基剤からなる固相の骨組み間隙に基剤の分散媒が保持された構造を有するが、本発明の漢方ゼリー医薬組成物においては、漢方原薬が前記分散媒中に、溶解、分散、懸濁等の状態で含まれるものである。
本発明の漢方ゼリー医薬組成物に用いられる基剤としては、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びリン酸塩の緩衝剤を用いる。
本発明において、漢方ゼリー医薬組成物の基剤として用いるカラギーナンは、すでにゼリーの基剤としては、すでに公知の基剤である。カラギーナンには、κ(カッパ)、ι(イオタ)、λ(ラムダ)タイプがあり、いずれもすでに公知であが、本発明で用いるものは、κ(カッパ)タイプとι(イオタ)タイプが好ましい。これらは、単独で使用してもよく、混合物として使用してもよいが、κカラギーナンとιカラギーナンを併用することが特に好ましい。本発明のゼリー状経口医薬組成物におけるカラギーナンの含有量であるが、カラギーナンの合計量として、医薬組成物全重量に対して0.05〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.7重量%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%である。
本発明において、漢方ゼリー医薬組成物の基剤として用いるローカストビーンガムは、ゼリーの基剤としては、すでに公知の基剤である。本発明のゼリー状経口医薬組成物におけるローカストビーンガムの含有量であるが、具体的には、ローカストビーンガムが医薬組成物全重量に対して0.01〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.7重量%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%である。
本発明において、漢方ゼリー状医薬組成物の基剤として用いるキサンタンガムは、すでに公知のものである。本発明のゼリー状経口医薬組成物におけるキサンタンガムの含有量であるが、具体的には、キサンタンガムが医薬組成物全重量に対して0.01〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.7重量%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%である。
また、本発明において、漢方ゼリー医薬組成物のpH緩衝剤として用いるリン酸塩緩衝剤は、すでに公知のものである。本発明のゼリー状経口医薬組成物におけるpH緩衝剤の含有量であるが、個々の漢方原薬にもよるが、具体的には、リン酸塩緩衝剤が医薬組成物全重量に対して0.1〜2.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0重量%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。リン酸塩緩衝剤としては、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等、公知のリン酸塩緩衝剤を用いることができる。pH緩衝剤により維持されるpH範囲としては、4〜8が好ましく、より好ましくは4.5〜7、さらに好ましくは5〜6である。
本発明の漢方ゼリー医薬組成物は、さらに溶融固形成分を含んでいてもよい。溶融固形成分とは、単体では固形物であって、医薬組成物中で溶融するものをいう。溶融固形成分として具体的には、糖、糖アルコール又は多価アルコールが、より具体的にはショ糖、果糖、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。本発明のゼリー状経口医薬組成物における溶融固形成分の含有量であるが、具体的には、リン酸塩緩衝剤との合計量が医薬組成物全重量に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。溶融固形成分は、単独でも、任意の混合物としても使用することができる。
さらに、本発明の漢方ゼリー医薬組成物は、上記成分に加えて、基剤中にゼリー組成物の基剤として従来公知の物質を含有することも可能である。
また、本発明の漢方ゼリー医薬組成物がその基剤からなる固相の骨組みの間隙に保持する形で含有する基剤の分散媒としては適当な温度で基剤を分散させることが可能であり、通常、医薬品の添加物として許容され、かつ経口投与可能な液体を用いることが可能である。このような液体としては、通常蒸留水又は脱イオン水等の精製水が用いられる。この基剤の固相の骨組みの間隙に保持される分散媒には、上述の漢方原薬の他に任意の成分を溶解、分散、懸濁等の状態で含有させることが可能である。
本発明の漢方ゼリー医薬組成物は、上記成分を配合し、ゼリー状とする以外は、従来公知の漢方医薬組成物の調製法あるいはゼリー状医薬組成物と同様の方法に従って、例えば、ゼリー組成物の基剤を適当な温度で分散媒に分散させ、温度を調節しながらこれに漢方原薬を溶解、分散あるいは懸濁させ、その後、冷却してゲル化させる等によって調製することが可能である。調製に用いる装置とてしは、撹拌機や真空撹拌機等で、加温可能な機種であれば、特に使用機器は限定しない。任意成分は基剤に分散させる際、あるいはこの分散液に漢方原薬を添加する際等、本発明の漢方ゼリー医薬組成物をゲル化させる以前に随時添加することができる。また、漢方ゼリー医薬組成物をゲル化させる際には、一回の投与量毎に分けてゲル化させれば服用の際便利である。
本発明の漢方ゼリー医薬組成物の漢方原薬成分は特に制限されるものではない。通常公知の粉末エキス、軟エキス及び流エキスを用いることが出来る。本発明においては、服用量が多く、Brixの高い漢方原薬であっても用いることができる。また漢方原薬成分の含有量は、それぞれの原薬の形態等により、その配合量を決定させ、特に制限されるものではないが、好ましくは、漢方ゼリー医薬組成物全重量の0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜25重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。
本発明の漢方ゼリー医薬組成物の充填量は、特に限定されないが、例えば服用しやすいスティック又はカップ等に1包当たり1〜15gを充填し、一回当たりの投与量と同量を充填封入しておけば、服用者は一回の投与量を間違えることなく、正しく服用される。
本発明のゼリー状医薬組成物は、服用し易いように例えば、医薬品の添加物に許容され、かつ経口投与可能な、安定剤、甘味剤、乳化剤、芳香剤、防腐剤などを所望に応じて添加することができるが、特に制限されるものではない。
安定剤としては、アスコルビン酸、トコフェロールなどを挙げることができる。甘味剤としては、ステビア、サッカリンナトリウムなどを挙げることができる。乳化剤としては、ポリソルベート80、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。芳香剤としては、医薬品に添加可能なフレーバー系やエッセンス系などを挙げることができる。分散剤として、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性高分子類を挙げることができる。防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどを挙げることができる。
本発明品は、漢方製剤の服用上の問題点を最大に考慮した剤形で、喉につかえることなく服用し易い形にゼリー化したものであり、コンプライアンスの向上にも大いに貢献できる製剤が提供できる。
以下に本発明の実施例と比較例および対照例を挙げて説明するが、本発明は実施例に決して限定されるものではない。
実施例1、2及び比較例1、2
八味地黄丸ゼリー
表1のB成分を秤取し、80℃に加温溶解し、これにA成分を加えて懸濁液とした。これを80〜90℃に1時間保温殺菌後、70〜60℃にて保温しながら5gずつ容器に充填した。
【表1】
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
配合量(重量%)
成 分 ―――――――――――――――――――――
実施例1 実施例2 比較例1 比較例2
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
A八味地黄丸乾燥エキス 15.4 19.3 15.4 19.3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Bι-カラギーナン 0.4 0.4 0.4 0.4
κ-カラギーナン 0.1 0.1 0.1 0.1
ローカストビーンガム 0.4 0.5 0.4 0.5
キサンタンガム 0.3 0.3 − −
クエン酸ナトリウム 0.5 0.4 0.5 0.4
水酸化ナトリウム − − − 0.5
リン酸水素二ナトリウム 0.6 0.6 − −
D-ソルビトール 7.0 5.0 7.0 5.0
プロピルパラベン 0.02 0.02 0.02 0.02
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
精製水を加えて100gとする
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例3、比較例3
葛根湯ゼリー
表2のB成分を秤取し、80℃に加温溶解し、これにA成分を加えて懸濁液とした。これを80〜90℃に1時間保温殺菌後、70〜60℃にて保温しながら5gずつ容器に充填した。
【表2】
表2
―――――――――――――――――――――――――
配合量(重量%)
成 分 ―――――――――――
実施例3 比較例3
―――――――――――――――――――――――――
A葛根湯乾燥エキス 15.2 15.2
―――――――――――――――――――――――――
Bι-カラギーナン 0.4 0.4
κ-カラギーナン 0.1 0.1
ローカストビーンガム 0.5 0.5
キサンタンガム 0.3 −
クエン酸ナトリウム − 0.4
水酸化ナトリウム − 0.2
リン酸水素二ナトリウム 0.6 −
D-ソルビトール 12.0 12.0
プロピルパラベン 0.02 0.02
―――――――――――――――――――――――――
精製水を加えて100gとする
―――――――――――――――――――――――――
実施例4、比較例4
葛根湯ゼリー
表2のB成分を秤取し、80℃に加温溶解し、これにA成分を加えて懸濁液とした。これを80〜90℃に1時間保温殺菌後、70〜60℃にて保温しながら5gずつ容器に充填した。
【表3】
表3
―――――――――――――――――――――――――
配合量(重量%)
成 分 ―――――――――――
実施例4 比較例4
―――――――――――――――――――――――――
A葛根湯軟エキス 27.6 27.6
―――――――――――――――――――――――――
Bι-カラギーナン 0.3 0.3
κ-カラギーナン 0.2 0.2
ローカストビーンガム 0.4 0.4
キサンタンガム 0.2 −
リン酸水素二ナトリウム 0.6 0.6
D-ソルビトール 5.0 5.0
プロピルパラベン 0.02 0.02
―――――――――――――――――――――――――
精製水を加えて100gとする
―――――――――――――――――――――――――
実施例5、比較例5
五苓散ゼリー
表2のB成分を秤取し、80℃に加温溶解し、これにA成分を加えて懸濁液とした。これを80〜90℃に1時間保温殺菌後、70〜60℃にて保温しながら5gずつ容器に充填した。
【表4】
表4
―――――――――――――――――――――――――
配合量(重量%)
成 分 ―――――――――――
実施例5 比較例5
―――――――――――――――――――――――――
A五苓散乾燥エキス 11.2 11.2
―――――――――――――――――――――――――
Bι-カラギーナン 0.4 0.4
κ-カラギーナン 0.15 0.15
ローカストビーンガム 0.3 0.3
キサンタンガム 0.2 −
リン酸水素二ナトリウム 0.6 −
クエン酸ナトリウム 0.7
D-ソルビトール 15.0 15.0
プロピルパラベン 0.02 0.02
―――――――――――――――――――――――――
精製水を加えて100gとする
―――――――――――――――――――――――――
参考例1、2
ブランクゼリー(漢方原薬を除いたゼリー)
表2のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを80〜90℃に1時間保温殺菌後、70〜60℃にて保温しながら5gずつ容器に充填した。
【表5】
表5
――――――――――――――――――――――――――
配合量(重量%)
成 分 ――――――――――――
参考例1 参考例2
――――――――――――――――――――――――――
A − − −
――――――――――――――――――――――――――
Bι-カラギーナン 0.3 0.3
κ-カラギーナン 0.2 0.25
ローカストビーンガム 0.4 0.4
キサンタンガム 0.2 −
リン酸水素二ナトリウム 0.6 −
クエン酸ナトリウム 0.7
D-ソルビトール 30.0 30.0
プロピルパラベン 0.02 0.02
――――――――――――――――――――――――――
精製水を加えて100gとする
――――――――――――――――――――――――――
<本発明の漢方ゼリー医薬組成物の評価>
上記実施例、比較例及び参考例で得られた漢方ゼリー医薬組成物について、加熱安定性、保存安定性について試験した。
(1)加熱安定性試験
実施例1〜5、比較例1〜5及び参考例1〜2で作製した各種ゼリーについて、80℃における経時的ゼリー強度を試験した。
実施例は各種漢方成分を含み、本発明に従った処方である。比較例は、本発明の効果を見るために、キサンタンガムやリン酸塩緩衝液を除くか、あるいは別のものに置き換えた処方である。参考例は実施例の漢方成分を除いた、いわゆるブランク処方である。
この様にして得られた試験検体のゼリー強度を測定した。試験方法は、レオメーターCR200D(株式会社サン科学製)を用いて、経時的加熱検体を測定台に乗せ、ゼリー強度試験用感圧軸をゼリー表面から20mm侵入したところまでの最大荷重を測定し、その最大荷重値をゼリー強度とした。
試験結果を表6に示す。実施例においては、いずれも熱的影響は受けなく、安定したゼリー強度が示された。比較例では、いずれも加熱の影響によりゼリー強度の低下傾向が示された。また、参考例では、いずれも熱的影響は受けなかった。
これらの結果から、漢方原薬はゼリー強度を加熱経時的に低下させることが明らかであるが、実施例のカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、リン酸塩緩衝剤を配合した処方はいずれもゼリー強度の安定性が非常に良いことが明らかであり、本発明は漢方原薬の影響を受けいない安定した漢方ゼリー医薬組成物であることがわかる。
【表6】
表6
―――――――――――――――――――――――――――
80℃加熱時間
―――――――――――――――――――――
1hr 3hr 5hr
―――――――――――――――――――――――――――
実施例1 71g 72g 70g
実施例2 65g 65g 64g
実施例3 92g 88g 96g
実施例4 99g 99g 90g
実施例5 83g 84g 80g
―――――――――――――――――――――――――――
比較例1 60g 50g 31g
比較例2 50g 42g 31g
比較例3 60g 57g 25g
比較例4 53g 49g 40g
比較例5 70g 49g 34g
参考例1 99g 98g 99g
参考例2 94g 94g 93g
―――――――――――――――――――――――――――
(2)漢方ゼリー医薬組成物の安定性試験
実施例1〜5で得られた試料について、40℃、75%RHの条件下で6ヶ月間放置した。その後、これらの試料について、外観(形状や離漿)の変化を調べた。その結果、実施例1〜5の試料において、形状の変化や離漿は認められなかつた。
これらの結果から、基剤を特定な組成にした本発明の漢方ゼリー医薬組成物は、漢方原薬の影響を受けず、医薬レベルの試験において保存安定性が確保されていることがわかる。
発明の効果
本発明の漢方ゼリー医薬組成物は、服用しづらかったこれまでの漢方製剤を医薬レベルの保存安定性に優れ、喉ごしの良いゼリー製剤として提供できることから、漢方を服用する患者などのコンプライアンスの向上が大変期待できる。

Claims (5)

  1. 八味地黄丸、葛根湯、及び五苓散から選択される漢方原薬を含む、前記漢方原薬の一回服用量単位毎に1〜15gに小分けされたことを特徴とする、ゼリー状の経口医薬組成物であって、カラギーナンを前記経口医薬組成物全量に対して0.05〜1.0重量%、ローカストビーンを前記経口医薬組成物全量に対して0.01〜1.0重量%、キサンタンガムを前記経口医薬組成物全量に対して0.01〜1.0重量%、及びリン酸塩の緩衝剤を含む医薬組成物。
  2. カラギーナンが、κカラギーナン及びιカラギーナンから選択されるものであることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  3. 溶融固形成分をさらに含む請求項1又は2に記載の経口医薬組成物。
  4. 前記溶融固形成分が、糖、糖アルコール又は多価アルコールから選ばれる1種又は2種以上である請求項3記載の経口医薬組成物。
  5. リン酸塩の緩衝剤を医薬組成物全量に対して0.1〜2.5重量%含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
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