JP5237176B2 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトリソグラフィ工程において被処理基板に所定の膜を成膜する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
例えばFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の製造においては、被処理基板であるLCD基板に所定の膜を成膜した後、処理液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成する。
従来、このような処理においては、各処理を行う処理ユニットが、搬送路の両側に処理順を意識した形態で配置されている。そして、各処理ユニットへのLCD基板の搬入出は、搬送路を走行可能な中央搬送装置により行われている。このような処理システムは、基本的にランダムアクセスであるから処理の自由度が極めて高い。
このような処理システムにおいて、LCD基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成する方法として、レジスト液を帯状に塗布するレジスト供給ノズルとLCD基板とを、ノズル吐出口の長手方向と直交する方向に相対的に移動させて塗布する方法がある。
この方法を用いた従来のレジスト塗布装置について、図9を用いて簡単に説明する。図9に示すレジスト塗布装置は、基板Gを載置するステージ200と、このステージ200の上方に配設されるレジスト供給ノズル201と、このノズル201を移動させるノズル移動手段202とを具備している。
レジスト供給ノズル201には、基板の幅方向に延びる微小隙間を有するスリット状吐出口201aが設けられ、レジスト液供給源203から供給されたレジスト液Rを吐出口から吐出するようになされている。また、ノズル長手方向の両側には、吸引ポンプ204、205が設けられ、スリット状の吐出口201aから均一にレジスト液Rを吐出するために、吐出圧が制御されるよう構成されている。
また、スリット状の吐出口201aは、微小な隙間により形成されているため、待機中においてノズル先端のメンテナンス処理を施さなければ、レジスト液の乾燥等により目詰まりが生じ、吐出口201aから均一にレジスト液Rを吐出できない虞がある。このため、ステージ200に隣接して、ノズル201の待機時に、ノズル先端に付着したレジスト液Rを均一化する(プライミング処理と呼ぶ)ための回転自在なプライミングローラ206を備えた待機部207が設けられている。
この構成において、ノズル51をノズル移動手段52によって水平移動させながら、スリット状吐出口からレジスト液Rを基板の表面全体に帯状に吐出することにより、レジスト液の塗布処理がなされる。
この構成を用いた方法によれば、基板一辺から他辺にわたってレジスト液を帯状に吐出(供給)するため、レジスト液を無駄にすることなく、角型の基板の全面にレジスト膜を形成することができる。
なお、このようなレジスト液等の塗布膜形成方法を採用した塗布膜形成装置については特許文献1に開示されている。
特開平10−156255号公報
ところで、前記したように、ノズル201の待機時においては、ノズル201は、待機部207においてプライミングローラ206によるプライミング処理を受ける(図11のタイミング図参照)。そして、基板Gへの塗布処理開始時において、図10の矢印に示すように、塗布処理のための水平移動M1を行い、塗布処理後は、垂直上昇移動M2、待機部上方への水平移動M3、プライミングローラ206への垂直下降移動M4により、再び待機状態となる。
尚、この例では、待機部206からの移動開始後、すぐさま塗布処理を実施する構成を示したが、矢印M4からM1まで反対の方向にノズルを移動させて塗布処理を実施する構成もあり得る。
しかしながら、このような構成により連続的に複数の基板Gを処理する場合、図10に矢印M1で示す塗布処理時以外のノズル移動動作(M2、M3、M4)に大きく時間を要するため(図11の符号t1期間)、図11に示すように塗布処理終了後から次の基板Gの塗布処理開始までの期間T1が大きくなる。
その結果、塗布処理前に複数の基板が滞留し、フォトリソグラフィ工程における生産性が大きく低下するという課題があった。
また、生産性向上のために、図9に示した装置の数を増加させると、設備コスト、フットプリントが増加するという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、被処理基板に処理液を塗布し膜形成する際に、フォトリソグラフィ工程における生産性を向上させると共に、フットプリント及びコストの増大を抑制することのできる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る基板処理装置は、被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理装置において、前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送する搬送手段と、前記搬送路の途中に設けられ、前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージと、前記搬送手段により前記処理ステージ上を移動する基板に対し、前記処理液を塗布する第1のノズル及び第2のノズルと、前記搬送手段及び前記ノズルの動作制御を行う制御手段と、前記第1のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施する第1のノズル待機部と、前記第2のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施する第2のノズル待機部と、前記第1のノズル待機部と前記基板への塗布処理位置との間において前記第1のノズルを移動させる第1のノズル移動手段と、前記第2のノズル待機部と前記基板への塗布処置位置との間において前記第2のノズルを移動させる第2のノズル移動手段と、を備え、前記第1のノズル移動手段及び第2のノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、かつ前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字形であり、前記制御手段が第1のノズル移動手段及び第2のノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記第1のノズル移動手段または第2のノズル移動手段のいずれか一方により、塗布処理に用いる一方のノズルを、対応する前記ノズル待機部から前記塗布処理位置に向けて移動を開始した後、他方のノズル移動手段により、塗布処理が終了した他方のノズルを前記塗布処理位置から対応する前記ノズル待機部に移動を開始させ、基板への塗布処理を、第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させることを特徴としている。
このように構成することにより、順次連続して搬送される基板を塗布処理前に滞留させることなく連続的に塗布処理することができるため、塗布処理のスループットが上昇し、生産性を向上することができる。
また、このように構成することにより、順次連続して搬送される基板を塗布処理前に滞留させることなく連続的に塗布処理することができ、且つ、ノズル移動時間を短縮することができるため、ノズル吐出口のメンテナンス処理も十分に行うことができる。
また、前記処理ステージの搬送方向における長さ寸法は、被処理基板の搬送方向の長さ寸法よりも短く形成されていることが望ましい。
即ち、搬送されている基板に対しノズルから処理液を吐出するため、塗布処理時にはノズル位置を固定する構成とすることができる。したがって、基板への処理液の着液時に必要となる高精度ステージ(処理ステージ)の面積を小さくすることができ、フットプリント縮小及び低コスト化を図ることができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る基板処理方法は、前記基板処理装置を用いた、被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理方法であって、前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送するステップと、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記第1のノズルと第2のノズルとをそれぞれ移動制御し、塗布処理に用いる一方のノズルを対応するノズル待機部から塗布処理位置に向けて移動を開始させた後、塗布処理を終了した他方のノズルを前記塗布処理位置から対応するノズル待機部に移動を開始させ、前記搬送路上に設けられた処理ステージ上を順次搬送される基板への塗布処理を、前記第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させるステップを実行することを特徴としている。
このような方法によれば、順次連続して搬送される基板を塗布処理前に滞留させることなく連続的に塗布処理することができるため、塗布処理のスループットが上昇し、生産性を向上することができる。
特に、前記処理ステージ上で前記被処理基板への塗布処理を実施させるステップにおいて、前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、塗布処理に用いる一方のノズルを対応するノズル待機部から塗布処理位置に向けて移動を開始させた後、塗布処理を終了した他方のノズルを前記塗布処理位置から対応するノズル待機部に移動を開始させるため、順次搬送される基板を塗布処理前に滞留させることなく連続的に塗布処理することができ、且つ、ノズル移動時間を短縮することができるため、ノズル吐出口のメンテナンス処理も十分に行うことができる。
本発明によれば、被処理基板に処理液を塗布し膜形成する際に、フォトリソグラフィ工程における生産性を向上させると共に、フットプリント及びコストの増大を抑制することのできる基板処理装置及び基板処理方法を得ることができる。
図1は、本発明に係る基板処理装置を適用できる塗布現像処理システムの平面図である。 図2は、図1の塗布現像処理システムの基板処理の流れを示すフローである。 図3は、図1の塗布現像処理システムが有するレジスト塗布ユニットの一実施の形態を示す斜視図である。 図4は、図3のレジスト塗布ユニットが有するノズル移動手段の概略構成図である。 図5は、図3のレジスト塗布ユニットが有する2つのレジスト供給ノズルの夫々の移動動作の対応関係を示す図である。 図6は、図5の動作に対応したタイミング図である。 図7は、図1の塗布現像処理システムが有するレジスト塗布ユニットの他の形態を示す斜視図である。 図8は、図7のレジスト塗布ユニットが有する2つのレジスト供給ノズルの夫々の移動動作の対応関係を示す図である。 図9は、従来のレジスト塗布装置の概略構成を示す斜視図である。 図10は、図9のレジスト塗布装置におけるノズル移動動作を示す図である。 図11は、図9のレジスト塗布装置における動作タイミング図である。
以下、本発明にかかる実施の形態につき、図に基づいて説明する。図1は、本発明に係る基板処理装置を適用できる塗布現像処理システムの平面図である。
この塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD用のガラス基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の一連の処理を行うものである。露光処理は、このシステムに隣接して設置される外部の露光装置12で行われる。
塗布現像処理システム10は、中心部に横長のプロセスステーション(P/S)16を配置し、その長手方向(X方向)両端部にカセットステーション(C/S)14とインタフェースステーション(I/F)18とを配置している。
カセットステーション(C/S)14は、基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容したカセットCを搬入出するポートであり、水平な一方向(Y方向)に4個まで並べて載置可能なカセットステージ20と、このステージ20上のカセットCに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構22とを備えている。搬送機構22は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム22aを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するプロセスステーション(P/S)16側と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
プロセスステーション(P/S)16は、水平なシステム長手方向(X方向)に延在する平行かつ逆向きの一対のラインA,Bに各処理部をプロセスフローまたは工程の順に配置している。
より詳細には、カセットステーション(C/S)14側からインタフェースステーション(I/F)18側へ向う上流部のプロセスラインAには、洗浄プロセス部24、第1の熱的処理部26、塗布プロセス部28および第2の熱的処理部30を一列に配置している。ここで、洗浄プロセス部24は、第1の平流し搬送路32に沿って上流側から順にエキシマUV照射ユニット(e−UV)34および、スクラバ洗浄ユニット(SCR)36を設けている。第1の熱的処理部26は、第1の平流し搬送路32に沿って上流側から順にアドヒージョンユニット(AD)40および冷却ユニット(COL)42が設けられている。
塗布プロセス部28は、第2の平流し搬送路45に沿って、上流側から順に、本発明が適用されるレジスト塗布ユニット(CT)44及び、減圧乾燥ユニット(VD)46が設けられている。
また、第2の熱的処理部30は、第3の平流し搬送路48に沿って上流側から順にプリベークユニット(PREBAKE)50および冷却ユニット(COL)52が設けられている。
一方、インタフェースステーション(I/F)18側からカセットステーション(C/S)14側へ向う下流部のプロセスラインBには、現像ユニット(DEV)54、i線UV照射ユニット(i−UV)56、ポストベークユニット(POBAKE)58、冷却ユニット(COL)60および検査ユニット(AP)62を一列に配置している。これらのユニット54、56、58、60、62は第4の平流し搬送路64に沿って上流側からこの順序で設けられている。
なお、ポストベークユニット(POBAKE)58および冷却ユニット(COL)60は第3の熱的処理部59を構成する。
両プロセスラインA,Bの間には補助搬送空間66が設けられており、基板Gを1枚単位で水平に載置可能なシャトル68が図示しない駆動機構によってプロセスライン方向(X方向)で双方向に移動できるようになっている。
インタフェースステーション(I/F)18は、前記第2および第3の平流し搬送路48、64と基板Gのやりとりを行うための搬送装置70と、隣接する露光装置12と基板Gのやりとりを行うための搬送装置72とを有し、それらの周囲にバッファ・ステージ(BUF)74、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76および周辺装置78を配置している。
バッファ・ステージ(BUF)74には定置型のバッファカセット(図示せず)が置かれる。エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76は、冷却機能を備えた基板受け渡し用のステージであり、両搬送装置70,72の問で基板Gをやりとりする際に用いられる。周辺装置78は、たとえばタイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とを上下に積み重ねた構成であってよい。各搬送装置70,72は、基板Gを保持できる搬送アーム70a,72aを有し、基板Gの受け渡しのために隣接する各部にアクセスできるようになっている。
図2に、この塗布現像処理システム10における1枚の基板Gに対する処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上のいずれか1つのカセットCから基板Gを一枚取り出し、その取り出した基板Gをプロセスステーション(P/S)16のプロセスラインA側の搬入部つまり第1の平流し搬送路32の始点に仰向けの姿勢(基板の被処理面を上にして)で搬入する(図2のステップS1)。
こうして、基板Gは、第1の平流し搬送路32上を仰向けの姿勢でプロセスラインAの下流側へ向けて搬送される。初段の洗浄プロセス部24において、基板Gは、エキシマUV照射ユニット(e−UV)34およびスクラバ洗浄ユニット(SCR)36により紫外線洗浄処理およびスクラビング洗浄処理を順次施される(ステップS2、S3)。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)36では、平流し搬送路32上を移動する基板Gに対して、ブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより基板表面から粒子状の汚れ(異物)を除去し、その後にリンス処理を施し、最後にエアナイフ等を用いて基板Gを乾燥させる。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)36における一連の洗浄処理を終えると、基板Gはそのまま第1の平流し搬送路32を下って第1の熱的処理部26を通過する。
第1の熱的処理部26において、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)40に搬入されると先ず加熱の脱水ベーク処理を受け、水分を取り除かれる。次に、基板Gは、蒸気状のHMDSを用いるアドヒージョン処理を施され、被処理面を疎水化される(ステップS4)。このアドヒージョン処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)42で所定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。この後、基板Gは第1の平流し搬送路32の終点(搬出部)から塗布プロセス部28内の平流し搬送路45へ渡される。
塗布プロセス部28では、最初にレジスト塗布ユニット(CT)44において、搬送路45上を水平方向に流れる基板Gは基板上面(被処理面)に対しレジスト液が塗布され、レジスト膜の形成処理がなされる。
尚、このレジスト塗布ユニット(CT)44において、本発明を好適に用いることができるため、その構成及び作用効果については詳細に後述する。
また、レジスト塗布ユニット(CT)44においてレジスト膜が形成された基板Gは、直後に下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)46で減圧による乾燥処理を受ける(ステップS6)。
この後、基板Gは、塗布プロセス部28の平流し搬送部45から第3の平流し搬送路48の始点(搬入部)へ転送される。基板Gは、第3の平流し搬送路48上でも仰向けの姿勢でプロセスラインAの下流側へ搬送され、第2の熱的処理部30を通過する。
第2の熱的処理部30において、基板Gは、最初にプリベークユニット(PREBAKE)50でレジスト塗布後の熱処理または露光前の熱処理としてプリベーキングを受ける(ステップS7)。このプリベーキングによって、基板G上のレジスト膜中に残留していた溶剤が蒸発除去し、基板に対するレジスト膜の密着性も強化される。
次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)52で所定の基板温度まで冷却される(ステップS8)。しかる後、基板Gは、第3の平流し搬送路48の終点(搬出部)からインタフェースステーション(I/F)18の搬送装置70に引き取られる。
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76から周辺装置78の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS9)。
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると、先ず周辺装置78のタイトラー(TITLER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS10)。
しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置70、72によって行われる。最後に、基板Gは、搬送装置72よりプロセスステーション(P/S)16のプロセスラインB側に敷設されている第4の平流し搬送路64の始点(搬入部)に搬入される。
こうして、基板Gは、今度は第4の平流し搬送路64上を仰向けの姿勢でプロセスラインBの下流側に向けて搬送される。最初の現像ユニット(DEV)54において、基板Gは、平流しで搬送される間に現像、リンス、乾燥の一連の現像処理を施される(ステップS11)。
現像ユニット(DEV)54で一連の現像処理を終えた基板Gは、そのまま第4の平流し搬送路64に載せられたまま下流側隣のi線照射ユニット(i−UV)56を通り、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS12)。その後も、基板Gは第4の平流し搬送路64に載せられたまま第3の熱的処理部59および検査ユニット(AP)62を順次通過する。
第3の熱的処理部59において、基板Gは、最初にポストベークユニット(POBAKE)58で現像処理後の熱処理としてポストベーキングを受ける(ステップS13)。このポストベーキングによって、基板G上のレジスト膜に残留していた現像液や洗浄液が蒸発除去し、基板に対するレジストパターンの密着性も強化される。
次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)60で所定の基板温度に冷却される(ステップS14)。検査ユニット(AP)62では、基板G上のレジストパターンについて非接触の線幅検査や膜質・膜厚検査等が行われる(ステップS15)。
そしてカセットステーション(C/S)14側では、搬送機構22が、第4の平流し搬送路64の終点(鍛出部)から塗布現像処理の全工程を終えた基板Gを受け取り、受け取った基板Gをいずれか1つ(通常は元)のカセットCに収容する(ステップS1に戻る)。
この塗布現像処理システム10においては、前記したように、塗布プロセス部28に設けられたレジスト塗布ユニット(CT)44に本発明を適用することができる。
以下、図3に基づき、本発明の一実施の形態におけるレジスト塗布ユニット(CT)44の構成について説明する。図3は、レジスト塗布ユニット(CT)44の概略構成を示す斜視図である。
図3に示すように、レジスト塗布ユニット(CT)44は、水平方向(X方向)に延びる第2の平流し搬送路45に沿って、上流側から順に第1のサブユニット101A、第2のサブユニット101Bが設けられている。
各サブユニット101A、101Bには、基板Gにレジスト液を吐出し供給するためのレジスト供給ノズル104(第1のノズル)、111(第2のノズル)が搬送路45の上方に配設されている。各ノズル104、111は、基板Gの幅方向に延びるスリット状の吐出口104a、111aと、これら吐出口104a、111aに連通するレジスト液収容室(図示せず)とを有しており、このレジスト液収容室に接続するレジスト液供給チューブ105、112を介してレジスト液供給源135が接続されている。
また、ノズル吐出口104a、111aの長手方向の両側には、この吐出口から吐出されるレジスト液Rの吐出圧を低減する膜厚制御手段106、113が夫々設けられている。この膜厚制御手段106、113は、吐出口104a、111aの長手方向の両側に連通する連通路107、114に夫々接続する吸引管108、115と、吸引管108、115に設けられた例えばダイヤフラムポンプのような吸引ポンプ109、116とで構成されており、吸引ポンプ109、116の駆動によって吐出口104a、111aの両側の吐出圧が低減されるようになされている。
尚、吸引管108、115における吸引ポンプ109、116の吸引側、即ちノズル104、111側には、開閉弁110、117が夫々介設されている。
また、レジスト塗布ユニット(CT)44における搬送路45は、基板Gを仰向けの状態で搬送方向Aに沿って搬送する例えば搬送ベルト45a、45b、45c(搬送手段)が順に敷設されている。搬送ベルト45a、45bの間にはサブユニット101Aに対応する高精度ステージ102(第1のステージ)が設けられ、搬送ベルト45b、45cの間にはサブユニット101Bに対応する高精度ステージ103(第2のステージ)が設けられている。即ち、搬送路45の途中に高精度ステージ102、103が所定間隔を空けて設けられている。
尚、図示するように高精度ステージ102、103の搬送方向の長さ寸法L1は、基板長さ寸法L2よりも短く形成されている。
したがって、第1の熱的処理部26からレジスト塗布ユニット(CT)44に搬送されてきた基板Gは、搬送ベルト45a、45bによる搬送により高精度ステージ102上を通過し、搬送ベルト45b、45cによる搬送により高精度ステージ103上を通過するようになされている。
高精度ステージ102、103は、その上面が平坦精度において高精度を要している。また、この高精度ステージ上で塗布される基板がステージから20〜100μmの設定距離と±20μm内の精度で、数ミリ反った1.1mm厚以下の基板も矯正保持される。そのために、一例として、基板を浮上させるためのエアー噴出し孔と、基板を吸着させるための真空引き孔をステージ内に有し、この両者の噴出しと吸引バランスの調整で、上記精度を達成する構造である。
基板Gへの塗布処理は、これら高精度ステージ102、103上で行われる。即ち、ノズル104により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル104はステージ102の直上部に配置され、ノズル111により基板Gへの塗布処理を行う際には、ノズル111はステージ103の直上部に配置される。そして、各ノズルにおいては、ステージ上に搬送されてきた基板Gに対し着液し、塗布処理を行うように構成されている。
より具体的には、第2の搬送路45およびノズルの動作制御を行う制御手段としてのコントローラ(図示せず)が、順次搬送される複数の基板Gをステージ102とステージ103とに交互に割り当て、ノズル104、111により夫々対応する基板Gへの塗布処理を実行させるようになされている。
また、各サブユニット101A、101Bにおいて、搬送路45の上方には、各レジスト供給ノズル104、111に対し吐出口のメンテナンス処理を行うノズル待機部120(第1のノズル待機部)、ノズル待機部125(第2のノズル待機部)が設けられている。これらノズル待機部120、125は、待機時にノズル104、111の先端に付着したレジスト液Rを均一化するための回転自在なプライミングローラ121、126と、これらローラ121、126を洗浄するためシンナーに浸漬する容器127、128とを備える。尚、図示しないが、この他に、ノズル先端の乾燥を抑制するための保湿部を設けるのがより好ましい。
また、レジスト供給ノズル104、111には、夫々ノズル移動手段136、137が接続されており、基板GへのレジストRの吐出位置とノズル待機部120、125との間で移動制御がなされるよう構成されている。
続いて、このノズル移動手段136、137を用いたノズル移動制御について図4、図5に基づき説明する。
図4は、ノズル移動手段136、137の概略構成図、図5は、レジスト供給ノズル104、111の夫々の移動動作の対応関係を示す図である。
図4に示すように、ノズル104,111は、直線状に傾斜したガイド部材130に沿って移動するよう構成されている。
このガイド部材130は、ノズル104、111がガイド部材130に沿って最下端まで降下移動した際のノズル位置が、夫々高精度ステージ102、103の直上部となり、ガイド部材130に沿って最上端まで上昇移動した際のノズル位置がノズル待機部120、125の位置となるよう配されている。
即ち、各ノズル104、111の移動経路(夫々対応するガイド部材130)は夫々、そのノズルのノズル待機部と、そのノズルの塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成されている。したがって、従来のように水平移動及び垂直移動の組み合わせで移動制御を行うよりも、ノズル移動時間が短縮される。
ガイド部材130は、ボールねじ構造のボールねじ軸として形成され、ノズル104、111の側部に設けられた可動支持部材131がボールねじ構造のナットとしてガイド部材130に螺合している。
また、ガイド部材130の上端には、ノズル移動制御に従い駆動する例えばステッピングモータからなる駆動部132が接続されており、このガイド部材130を軸周りに回転させるよう構成されている。尚、駆動部132はガイド部材130の回転方向を変更することが可能であり、これにより可動支持部材131の上下動動作が制御される。
即ち、ノズル104、111の上下移動は、ガイド部材130の回転方向を駆動部132によって制御することでなされる。
この構成において、各ノズル104、111の移動制御を含めたレジスト液Rの塗布処理は、図5のノズル移動関係図、及び図6のタイミング図に従ってなされる。
即ち、ノズル104が高精度ステージ102上で塗布処理中の間は、ノズル111がノズル待機部125に位置するよう移動制御がなされ、ノズル111が高精度ステージ103上で塗布処理中の間は、ノズル104がノズル待機部120に位置するよう移動制御がなされる。
また、前記したように、各ノズル104、111の移動経路は夫々、そのノズルのノズル待機部と、そのノズルの塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成されているため、図6のタイミング図に示すように、ノズル移動時間t2、t3は従来よりも大きく短縮される。
これにより、搬送路45上を順次流れる基板Gを滞留させることがなく、連続的に塗布処理を行うことができ、図11のタイミング図に示したように、従来必要としていた塗布処理終了後から次の基板の塗布処理開始までの期間T1を、図6に示すように、より短い時間間隔T2とすることができる。その結果、従来よりも大幅にスループットが向上する。
以上のように本発明の基板処理装置に係る実施の形態によれば、平流し搬送路上を仰向けの状態で順次搬送される複数の基板Gに対し、交互に処理ステージ(高精度ステージ102、103)が割り当てられ、各処理ステージにおいて塗布処理が行われる。
また、ノズル吐出口のメンテナンス処理を行うノズル待機部120、125と、基板Gへのレジスト液Rを吐出する塗布処理位置との間に形成されるノズル移動経路(ガイド部材130)は、その両位置を結ぶ直線状に設けられ、ノズル移動時間が従来よりも短縮される。そして、一方のノズルが塗布処理位置にあるときは、他方のノズルはノズル待機部に位置するよう制御がなされる。
これにより、順次連続して搬送される基板Gを塗布処理前に滞留させることなく連続的に塗布処理することができ、且つ、ノズル吐出口のメンテナンス処理も十分に行うことができる。したがって、塗布処理のスループットが上昇し、生産性を向上することができる。
また、ノズル移動経路となるガイド部材130は、図5に示したように直線状に傾斜して設けられているため、サブユニット101Bの高精度ステージ103の直上部付近にサブユニット101Aのノズル待機部120が配置されていてもよく、これによって塗布処理機構を2台設けることによるフットプリント増大を抑制することができる。
また、従来は、図9に示したように基板面積よりも大きい高精度ステージを用いて塗布処理を行っていたが、塗布処理位置を固定することにより、高精度ステージの面積を小さくすることができ、フットプリント縮小及び低コスト化を図ることができる。
尚、前記実施の形態においては、ノズル104、111に夫々対応する2つのノズル待機部120、125を設けた構成としたが、これに限らず、1つのノズル待機部で2つのノズル104、111に対応させる構成としてもよい。
また、前記実施の形態において図3乃至図6を用いて説明したレジスト塗布ユニット(CT)44の構成においては、2つのノズルと、各ノズルに対応する高精度ステージを夫々設けた構成例を示したが、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。
例えば、図7の斜視図に示すように、2つのノズルに対し、1つの高精度ステージを対応させる構成としてもよい。
この場合、図8に示すように、一方のノズル(第1のノズル)が高精度ステージ103上で塗布処理を行っているとき(図示ではノズル111)、他方のノズル(第2のノズル)はノズル待機部120で待機している状態となる(図示ではノズル104)。即ち、2つのノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字型となる。
このように構成することによって、図3の構成の場合と同様の効果を得ることができ、さらには、図3に示した構成よりも装置構成、フットプリント等を縮小し、さらにコストを低減することができる。
また、本発明における被処理基板はLCD基板に限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
本発明は、LCD基板等に対し洗浄処理を施す基板処理装置に適用でき、半導体製造業界、電子デバイス製造業界等において好適に用いることができる。
10 塗布現像処理システム(基板処理装置)
44 レジスト塗布ユニット
45 第2の平流し搬送路(搬送路)
45a、45b、45c 搬送ベルト(搬送手段)
101a 第1のサブユニット
101b 第2のサブユニット
102 高精度ステージ(第1の処理ステージ)
103 高精度ステージ(第2の処理ステージ)
104 レジスト塗布ノズル(第1のノズル)
111 レジスト塗布ノズル(第2のノズル)
120、125 ノズル待機部
130 ガイド部材
131 可動支持部
132 駆動部
135 レジスト液供給源
136、137 ノズル移動手段
G LCD基板(被処理基板)
R レジスト液

Claims (3)

  1. 被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理装置において、
    前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送路の途中に設けられ、前記基板に対し前記処理液の塗布処理を行うための処理ステージと、
    前記搬送手段により前記処理ステージ上を移動する基板に対し、前記処理液を塗布する第1のノズル及び第2のノズルと、
    前記搬送手段及び前記ノズルの動作制御を行う制御手段と、
    前記第1のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施する第1のノズル待機部と、
    前記第2のノズルの吐出口に対しメンテナンス処理を実施する第2のノズル待機部と、
    前記第1のノズル待機部と前記基板への塗布処理位置との間において前記第1のノズルを移動させる第1のノズル移動手段と、
    前記第2のノズル待機部と前記基板への塗布処置位置との間において前記第2のノズルを移動させる第2のノズル移動手段と、を備え、
    前記第1のノズル移動手段及び第2のノズル移動手段により移動制御がなされる前記第1のノズル及び第2のノズルの移動経路は夫々、前記ノズル待機部と前記塗布処理位置とを結ぶ直線状に形成され、かつ前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの塗布処理位置は同一位置であって、前記第1のノズルの塗布処理位置と前記第2のノズルの直線状の移動によって描かれる軌跡は全体としてV字形であり、
    前記制御手段が第1のノズル移動手段及び第2のノズル移動手段を制御することにより、前記第1のノズルと第2のノズルとを夫々制御し、
    前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記第1のノズル移動手段または第2のノズル移動手段のいずれか一方により、塗布処理に用いる一方のノズルを、対応する前記ノズル待機部から前記塗布処理位置に向けて移動を開始した後、他方のノズル移動手段により、塗布処理が終了した他方のノズルを前記塗布処理位置から対応する前記ノズル待機部に移動を開始させ、
    基板への塗布処理を、第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記処理ステージの搬送方向における長さ寸法は、被処理基板の搬送方向の長さ寸法よりも短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載された基板処理装置。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載した基板処理装置を用いた、被処理基板の表面に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する基板処理方法であって、
    前記被処理基板を搬送路上で仰向けの姿勢とし、所定方向に搬送するステップと、
    前記第1のノズルと第2のノズルのうち、一方のノズルを用いた塗布処理を行う際、前記第1のノズルと第2のノズルとをそれぞれ移動制御し、
    塗布処理に用いる一方のノズルを対応するノズル待機部から塗布処理位置に向けて移動を開始させた後、塗布処理を終了した他方のノズルを前記塗布処理位置から対応するノズル待機部に移動を開始させ、
    前記搬送路上に設けられた処理ステージ上を順次搬送される基板への塗布処理を、前記第1のノズルと第2のノズルとに交互に実施させるステップを実行することを特徴とする基板処理方法。
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