(第一実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る塗布装置CTの構成を示す斜視図である。図2は塗布装置CTの側面図、図3は塗布装置CTの平面図、図4は塗布装置CTの正面図である。
以下、塗布装置CTの構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、図中の方向を、XYZ座標系を用いて説明する。当該XYZ座標系においては、床面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において、基板搬送部101の長手方向であって基板の搬送方向をX方向と表記する。XY平面上でX方向に直交する方向をY方向と表記する。XY平面に垂直な方向をZ方向と表記する。尚、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
尚、図1〜図4において、符号D1は二つのノズルNZ1,NZ2(第一ノズルNZ1,第二ノズルNZ2)が並ぶ方向である第一方向(Y方向)、符号D2は、二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板Sの移動方向である第二方向(X方向)である。
図1に示すように、塗布装置CTは、基板搬送部101と、塗布部102と、管理部103と、制御装置104と、を備えている。本実施形態では、塗布部102にノズルNZが二つ設けられた構成になっている。
塗布装置CTでは、制御装置104の制御により、基板搬送部101において基板Sが浮上した状態で搬送され、塗布部102において基板S上に液状体が塗布され、管理部103において塗布部102の状態が管理されるようになっている。
(基板搬送部)
まず、基板搬送部101の構成を説明する。
図2〜図4に示すように、基板搬送部101は、フレーム111と、ステージ112と、搬送機構117と、を有している。基板搬送部101では、搬送機構117によって複数(例えば本実施形態では二つ)の基板Sがステージ112上をX方向に搬送されるようになっている。
本実施形態では、図1に示すように、二つの基板Sのうち第一方向D1(Y方向)に隣り合う一方側(+Y方向側)の基板を第一基板S1とし、他方側(−Y方向側)の基板を第二基板S2とする。基板搬送部101は、第一基板S1を第二方向D2に搬送する第一搬送系TL1と、第一搬送系TL1と並行して設けられ、第二基板S2を第二方向D2に搬送する第二搬送系TL2と、を有する。
以下の説明において、二枚の基板S1,S2を基板Sと総称することがある。
図2〜図4に示すように、フレーム111は、床面FLに載置されると共にステージ112及び搬送機構117を支持する。図3に示すように、フレーム111は3つの部分に分割されており、当該3つの部分はY方向上に配列されている。
フレーム中央部111aは、分割された3つの部分のうちY方向の中央に配置される部分であり、ステージ112を支持している。
フレーム側部111bは、フレーム中央部111aの+Y方向側に配置されており、搬送機構117を支持している。フレーム側部111bとフレーム中央部111aとの間には隙間が設けられている。
フレーム側部111cは、フレーム中央部111aの−Y方向側に配置されており、搬送機構117を支持している。フレーム側部111cとフレーム中央部111aとの間には隙間が設けられている。フレーム中央部111a、フレーム側部111b及びフレーム側部111cはX方向に長手になっており、各部のX方向の寸法はほぼ同一になっている。
図2に示すように、ステージ112は、処理ステージ114と、第一搬送ステージ113と、第二搬送ステージ115と、を有している。各ステージの配置は、基板搬送方向(X方向)の上流側(−X方向側)から下流側(+X方向側)にかけて、処理ステージ114、第一搬送ステージ113及び第二搬送ステージ115の順に配置されている。
図2及び図3に示すように、処理ステージ114は、ステージ表面114cが例えば硬質アルマイトを主成分とする矩形の板状部材である。処理ステージ114は、Y方向が長手になっている。処理ステージ114のY方向の寸法は、第一搬送ステージ113のY方向の寸法とほぼ同一になっている。本実施形態では、処理ステージ114上の領域が、液状体の塗布が行われる塗布処理領域114Sである。塗布処理領域114Sには、装置外部から搬送されてきた基板Sが搬入される。
処理ステージ114には、ステージ表面114c上にエアを噴出する複数のエア噴出孔114aと、ステージ表面114c上のエアを吸引する複数のエア吸引孔114bとが設けられている。これらエア噴出孔114a及びエア吸引孔114bは、処理ステージ114を貫通するように設けられている。
処理ステージ114では、他のステージに比べて基板の浮上量を高精度で調節できるようになっている。処理ステージ114では、基板の浮上量が例えば100μm以下、好ましくは50μm以下となるように制御することが可能になっている。
図3に示すように、処理ステージ114のうちY方向の両端部には、アライメント装置113dが一つずつ設けられている。アライメント装置113dは、処理ステージ114に搬入された基板Sの位置を合わせる装置である。+Y方向側のアライメント装置113dは、基板S1の位置を合わせ、−Y方向側のアライメント装置113dは、基板S2の位置を合わせる。各アライメント装置113dは長孔と当該長孔内に設けられた位置合わせ部材とを有しており、処理ステージ114に搬入される基板を両側から機械的に挟持することで基板の位置を合わせるようになっている。
尚、アライメント装置113dについては、上記構成に限られず、例えば処理ステージ114のうちY方向の両端部に二つ以上ずつ配置する構成であっても構わないし、処理ステージ114のX方向の両端部に配置する構成であっても構わない。
また、処理ステージ114上には、不図示の基板センサが設けられている。当該基板センサにより、処理ステージ114上に基板Sがあるかどうかを検出できるようになっている。
第一搬送ステージ113は、処理ステージ114に対して+X方向側に設けられている。第一搬送ステージ113は、例えばステンレス鋼などからなり、平面視矩形の板状部材である。本実施形態では、第一搬送ステージ113上の領域が第一搬送領域113Sとなる。第一搬送領域113Sは、液状体の塗布された基板Sを第二搬送ステージ115へ搬送する領域である。
第一搬送ステージ113には、エア噴出孔113aと、昇降ピン出没孔113bとがそれぞれ複数設けられている。エア噴出孔113a及び昇降ピン出没孔113bは、それぞれ第一搬送ステージ113を貫通するように設けられている。
エア噴出孔113aは、第一搬送ステージ113のステージ表面113c上にエアを噴出する孔であり、平面視でマトリクス状に配置されている。エア噴出孔113aには図示しないエア供給源が接続されている。第一搬送ステージ113では、エア噴出孔113aから噴出されるエアによって基板Sを+Z方向に浮上させることができるようになっている。
昇降ピン出没孔113bは、第一搬送ステージ113の基板搬入位置に設けられている。昇降ピン出没孔113bは、エア噴出孔113aを避ける位置に配置されており、ステージ表面113cに供給されたエアが漏れ出さない構成になっている。
図2に示すように、第一搬送ステージ113の−Z方向側、すなわち、第一搬送ステージ113の裏面側には、リフト機構116が設けられている。リフト機構116は、第一搬送ステージ113の基板搬入位置に平面視で重なるように設けられている。
リフト機構116は、昇降部材116aと、複数の昇降ピン116bとを有している。昇降部材116aは、図示しない駆動機構に接続されており、当該駆動機構の駆動によって昇降部材116aがZ方向に移動するようになっている。複数の昇降ピン116bは、昇降部材116aの上面から第一搬送ステージ113へ向けて立設されている。各昇降ピン116bは、それぞれ上記の昇降ピン出没孔113bに平面視で重なる位置に配置されている。昇降部材116aがZ方向に移動することで、各昇降ピン116bが昇降ピン出没孔113bからステージ表面113c上に出没するようになっている。各昇降ピン116bの+Z方向の端部はそれぞれZ方向上の位置が揃うように設けられており、処理ステージ114から搬送されてきた基板Sを水平な状態で保持することができるようになっている。
また、第一搬送ステージ113上には、不図示の基板センサが設けられている。当該基板センサにより、第一搬送ステージ113上に基板Sがあるかどうかを検出できるようになっている。
第二搬送ステージ115は、第一搬送ステージ113に対して+X方向側に設けられている。第二搬送ステージ115は、第一搬送領域113Sに設けられた第一搬送ステージ113とほぼ同様の材質、寸法で構成されている。本実施形態では、第二搬送ステージ115上の領域が第二搬送領域115Sである。第二搬送領域115Sは、液状体の塗布された基板Sを次工程(例えば、液状体が塗布された基板Sを加熱して塗布膜を形成する加熱部)又は装置外部へ搬出する第二搬送領域115Sである。
第二搬送ステージ115には、エア噴出孔115a及び昇降ピン出没孔115bが設けられている。第二搬送ステージ115の−Z方向側、すなわち、第二搬送ステージ115の裏面側には、リフト機構116が設けられている。リフト機構116は、第二搬送ステージ115の基板搬出位置に平面視で重なるように設けられている。リフト機構116は、第一搬送ステージ113に設けられたリフト機構116と同様の構成になっている。このリフト機構116は、第二搬送ステージ115上の基板Sを次工程又は装置外部へと搬出する際に、基板Sの受け渡しのため昇降ピン116bによって基板Sを持ち上げることができるようになっている。
また、第二搬送ステージ115上には、不図示の基板センサが設けられている。当該基板センサにより、第二搬送ステージ115上に基板Sがあるかどうかを検出できるようになっている。
図3に示すように、搬送機構117は、基板Sを保持してX方向に搬送する機構を有している。搬送機構117は、フレーム側部111b及びフレーム側部111c上に一対設けられている。+Y方向側の搬送機構117は、フレーム側部111bに接続され、基板S1をレール117cに沿って第二方向D2に移動させる。−Y方向側の搬送機構117は、フレーム側部111cに接続され、基板S2をレール117cに沿って第二方向D2に移動させる。搬送機構117は、二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板S1,S2とが第二方向D2に相対的に移動するように二つの基板S1,S2を移動させる駆動部としての機能を有する。
一対の搬送機構117は、ステージ112のY方向中央に対して線対称の構成になっており、当該線対称である点を除いては同一の構成となっている。以下においては、フレーム側部111bに設けられる搬送機構117を例に挙げて説明する。
搬送機構117は、搬送機117aと、基板保持部117bと、レール117cとを有している。搬送機117aは内部に例えばリニアモータが設けられた構成になっており、当該リニアモータが駆動することによって、搬送機117aがレール117c上を移動可能になっている。
基板保持部117bは、二つの基板S1,S2のうち+Y方向側の基板S1を保持する。基板保持部117bは、搬送機117aの−Y方向側の面上にX方向に沿って例えば3つ設けられており、当該搬送機117aに取り付けられている。各基板保持部117bには吸着パッドが設けられており、当該吸着パッドによって基板S1を吸着して保持するようになっている。
レール117cは、フレーム側部111b上に設けられており、処理ステージ114、第一搬送ステージ113及び第二搬送ステージ115の側方に各ステージに跨って延在している。当該レール117cを移動することで搬送機117aが当該各ステージに沿って移動できるようになっている。
フレーム側部111bに設けられた各搬送機構117は、独立して基板S1を搬送できるようになっている。一方、フレーム側部111cに設けられた搬送機構117も、独立して基板S2を搬送できるようになっている。フレーム側部111bに設けられた搬送機構117と、フレーム側部111cに設けられた搬送機構117とで一枚ずつ基板Sを保持することができるようになっている。
本実施形態では、二つの搬送機構117で基板Sを一枚ずつ保持し、これら二つの搬送機構117をX方向に並進させることによって、二枚の基板S1,S2を同時に搬送させるようになっている。すなわち、二つの基板保持部117bで、二つのノズルNZ1,NZ2のそれぞれに対応する位置で基板Sを保持するようになっている。
以下の説明において、二つのノズルNZ1,NZ2をノズルNZと総称することがある。
尚、本実施形態では、二枚の基板S1,S2を同時に搬送させるようになっているが、これに限らない。例えば、二枚の基板S1,S2を交互に搬送させるようになっていてもよい。二枚の基板S1,S2の搬送形態は種々の構成を採用することができ、二つのノズルNZ1,NZ2のそれぞれに対応する位置で基板Sを保持する構成となっていればよい。
(塗布部)
次に、塗布部102の構成を説明する。
塗布部102は、処理ステージ114に平面視で重なる位置に配置されている。塗布部102は、塗布処理領域114Sに配置されている。塗布部102は、基板S上に液状体を塗布する機能を有する。塗布部102は、門型のフレーム121と、ノズルNZとを有している。塗布部102には、二つのノズルNZ1,NZ2が第一方向D1に並んだ状態で一体に設けられた構成となっている。
ノズルNZ1,NZ2は、例えば液状体を吐出する。図4に示すように、ノズルNZ1,NZ2は、接続配管(不図示)などを介して、それぞれ液状体供給部125に接続されている。ノズルNZ1,NZ2は、内部に液状体を保持する保持部を有している。尚、上記保持部に保持された液状体の温度を調整する温調部が配置されていても構わない。
図3及び図4に示すように、フレーム121は、支柱部材121aと、架橋部材121bとを有しており、処理ステージ114をY方向に跨ぐように設けられている。支柱部材121aは処理ステージ114をY方向に挟むように一つずつ設けられている。各支柱部材121aは、それぞれフレーム側部111b及びフレーム側部111cに支持されている。各支柱部材121aは、上端部の高さ位置が揃うように設けられている。
架橋部材121bには、二つのノズルNZ1,NZ2が一体に保持されている。架橋部材121bは、各支柱部材121aの上端部の間に架橋されており、不図示の昇降機構により、当該支柱部材121aに対して昇降可能となっている。
このフレーム121は移動機構122(駆動部)に接続されている。移動機構122は、レール部材123及び駆動機構124(駆動源)を有している。レール部材123はフレーム側部111b及びフレーム側部111cの溝111d内に例えば1本ずつ設けられており、それぞれX方向に延在している。駆動機構124は、フレーム121に接続され、塗布部102をレール部材123に沿って第二方向D2に移動させる。駆動機構124は、二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板Sとが第二方向D2に相対的に移動するように二つのノズルNZ1,NZ2を移動させる駆動部としての機能を有する。
各ノズルNZ1,NZ2は、Y方向が長手の長尺状に構成されており、フレーム121の架橋部材121bの−Z方向側の面に設けられている。ノズルNZ1は、架橋部材121bの+Y方向側の部分に設けられており、ノズルNZ2は、架橋部材121bの−Y方向側の部分に設けられている。
各ノズルNZ1,NZ2の−Z方向の先端には、自身の長手方向に沿ってスリット状の開口部120a1,120a2が設けられており、当該開口部120a1,120a2から液状体が吐出されるようになっている。各ノズルNZ1,NZ2は、開口部120a1,120a2の長手方向がY方向に平行になると共に、当該開口部120a1,120a2が処理ステージ114に対向するように配置されている。
各開口部120a1,120a2の長手方向の寸法は基板SのY方向の寸法よりも小さくなっており、基板Sの周辺領域に液状体が塗布されないようになっている。各ノズルNZ1,NZ2の内部には液状体を開口部120a1,120a2に流通させる図示しない
流通路が設けられており、この流通路には液状体供給部125が接続されている。
液状体供給部125は、二つのノズルNZ1,NZ2に対して個別に液状体を供給する。液状体供給部125は、それぞれのノズルNZ1,NZ2に対して異なる種類の液状体を供給する二つの供給源125a,125bを有する。液状体供給部125(供給源125a,125b)は例えば図示しないポンプを有しており、当該ポンプで液状体を各開口部120a1,120a2へと押し出すことで各開口部120a1,120a2から液状体が吐出されるようになっている。
開口部120a1の流通路には供給源125aが接続されており、開口部120a2の流通路には供給源125bが接続されている。各供給源125a,125bは、塗布部102に設けられる各ノズルNZ1,NZ2についてそれぞれ別個に設けられており、各ノズルNZ1,NZ2にはそれぞれ独立して液状体が供給されるようになっている。
架橋部材121bには不図示の移動機構が設けられており、当該移動機構によって各ノズルNZ1,NZ2が架橋部材121bに対してZ方向に移動可能になっている。フレーム121の架橋部材121bの下面には、ノズルNZ1の開口部120a1及びノズルNZ2の開口部120a2、すなわち、ノズルNZのノズル先端120cと当該ノズル先端120cに対向する対向面との間のZ方向上の距離を測定するセンサ126が取り付けられている。このセンサ126はY方向に沿って例えば3つ設けられている。各センサ126は、ノズルNZ1の+Y方向側の端部、ノズルNZ1とのノズルNZ2との間、ノズルNZ2の−Y方向側の端部にそれぞれ設けられている。
(管理部)
次に、管理部103の構成を説明する。
管理部103は、基板Sに吐出される液状体の吐出量が一定になるようにノズルNZを管理する。図2〜図4に示すように、管理部103は、塗布部102に対して基板搬送方向の下流側(+X方向側)に設けられており、塗布部102に設けられるノズルNZを管理する。管理部103は、予備吐出機構131と、ディップ槽132と、ノズル洗浄装置133と、これらを収容する収容部134と、当該収容部134を保持する保持部材135と、を有している。
予備吐出機構131、ディップ槽132及びノズル洗浄装置133は、+X方向側へこの順で配列されている。予備吐出機構131は、液状体を予備的に吐出する機構である。予備吐出機構131は塗布部102が塗布処理領域114S上に配置されている状態でノズルNZに最も近くなる位置に設けられている。
予備吐出機構131は、二つのノズルNZ1,NZ2に対して個別に液状体を予備的に吐出させる。本実施形態において、予備吐出機構131aは、ノズルNZ1に対応する位置に設けられ、予備吐出機構131bは、ノズルNZ2に対応する位置に設けられる。予備吐出機構131aは、ノズルNZ1のみに対して液状体を予備的に吐出させ、予備吐出機構131bは、ノズルNZ2のみに対して液状体を予備的に吐出させる。
ディップ槽132は、内部にシンナーなどの溶剤が貯留された液体槽である。ディップ槽132は、ノズルNZのノズル先端120cが乾燥しないように、二つのノズルNZ1,NZ2を個別に浸漬させる。本実施形態において、ディップ槽132aは、ノズルNZ1に対応する位置に設けられ、ディップ槽132bは、ノズルNZ2に対応する位置に設けられる。ディップ槽132aは、ノズルNZ1のみを溶剤に浸漬させ、ディップ槽132bは、ノズルNZ2のみを溶剤に浸漬させる。
ノズル洗浄装置133は、ノズルNZの開口部120a1,120a2近傍をリンス洗浄する装置である。ノズル洗浄装置133は、Y方向に移動する図示しない洗浄機構と、当該洗浄機構を移動させる図示しない移動機構とを有している。
ノズル洗浄装置133は、二つのノズルNZ1,NZ2を個別に洗浄する。本実施形態において、ノズル洗浄装置133a(ノズル洗浄部)は、ノズルNZ1に対応する位置に設けられ、ノズル洗浄装置133b(ノズル洗浄部)は、ノズルNZ2に対応する位置に設けられる。ノズル洗浄装置133aは、ノズルNZ1のみを洗浄し、ノズル洗浄装置133bは、ノズルNZ2のみを洗浄する。
尚、予備吐出機構131、ディップ槽132、ノズル洗浄装置133の配置については、本実施形態の配置に限られず、他の配置であっても構わない。
収容部134のY方向の寸法は上記フレーム121の支柱部材121a間の距離よりも小さくなっており、上記フレーム121が収容部134を超えてX方向に移動できるようになっている。また、フレーム121は、収容部134内に設けられる予備吐出機構131、ディップ槽132及びノズル洗浄装置133について、これらの各部を跨ぐようにアクセスできるようになっている。
図4に示すように、保持部材135は、管理部移動機構136に接続されている。管理部移動機構136は、レール部材137及び駆動機構138を有している。レール部材137は、フレーム側部111b及びフレーム側部111cの溝111e内にそれぞれ設けられており、それぞれX方向に延在している。各レール部材137は、塗布部102のフレーム121に接続されるレール部材123の間に配置されている。各レール部材137の−X方向の端部は、例えばフレーム側部111b及びフレーム側部111cの−X方向の端部まで設けられている。駆動機構138は、保持部材135に接続され、管理部103をレール部材137上に沿って移動させる。
(塗布方法)
次に、本実施形態に係る塗布方法を説明する。本実施形態では、上記のように構成された塗布装置CTを用いて基板S上に、金属を含む塗布膜を形成する。塗布装置CTの各部で行われる動作は、制御装置104によって制御される。
制御装置104は、まず、外部から塗布処理領域114Sに基板Sを搬入させる。基板Sを塗布処理領域114Sに搬入する前に、塗布装置CTをスタンバイさせておく。具体的には、処理ステージ114の塗布処理領域114Sに搬送機117aを配置させ、吸着パッドの高さ位置を基板Sの浮上高さ位置に合わせておく。この場合、図3における二つの搬送機117aをスタンバイさせておく。また、処理ステージ114のエア噴出孔114a、エア吸引孔114b、第一搬送ステージ113のエア噴出孔113a及び第二搬送ステージ115のエア噴出孔115aからそれぞれエアを噴出又は吸引し、ステージ112の表面に基板Sが浮上する程度にエアが供給された状態にしておく。
塗布装置CTが上記のようにスタンバイされた後、例えば図示しない搬送アームなどによって外部から基板搬入位置に基板Sが搬送されてきたら、搬送機117aや昇降部材116aの動作により、基板Sの受け取りが行われる。また、アライメント装置113dの長孔から位置合わせ部材をステージ表面113cに突出させておく。
このとき、ステージ表面113cにはエアの層が形成されているため、基板Sは当該エアによりステージ表面113cに対して浮上した状態で保持される。基板Sがエア層の表面に到達した際、アライメント装置113dの位置合わせ部材によって基板Sの位置合わせが行われる。位置合わせの後、基板搬入位置に配置された各基板保持部117bの吸着パッドを基板Sの裏面に吸着させて基板を保持し、当該基板の搬入が完了する。基板Sの搬入後、搬送機117aをレール117cに沿って移動させ、基板Sを定位置に配置させる。
次に、本実施形態に係る塗布処理の過程を図5〜図7を用いて説明する。図5〜図7は、塗布処理の過程を示す平面図である。
(塗布方法)
本実施形態では、液状体を吐出し第一方向D1に並んだ状態で一体に設けられた二つのノズルNZ1,NZ2と、二つのノズルNZ1,NZ2のそれぞれに対応する位置で保持された基板S1,S2とが、第一方向D1に交差する第二方向D2に相対的に移動するように二つノズルNZ1,NZ2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出する(吐出ステップ)。
尚、本実施形態では、二つの基板S1,S2を定位置に配置し、且つ、二つのノズルNZ1,NZ2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出する例を挙げて説明するが、これに限らない。例えば、二つのノズルNZ1,NZ2を定位置に配置し、二つの基板S1,S2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出してもよい。すなわち、二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板S1,S2とが第二方向D2に相対的に移動するように二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板S1,S2のうち少なくとも一方を移動させる構成であればよい。
図5に示すように、二つの基板S1,S2を処理ステージ114の定位置に配置した状態で、二つのノズルNZ1,NZ2を、処理ステージ114の第二方向D2における一端部(−X方向側の端部)に配置する。尚、図5では、二つのノズルNZ1,NZ2の配置位置は、これに限らない。例えば、二つのノズルNZ1,NZ2を、処理ステージ114の第二方向D2における他端部(+X方向側の端部)に配置してもよい。
次に、図6に示すように、二つのノズルNZ1,NZ2を第二方向D2に沿って+X方向側へ移動させる。各ノズルNZ1,NZ2の開口部120a1,120a2(図4参照)の位置が、処理ステージ114に設けられた二つの基板S1,S2の一端部(−X方向側の端部)にそれぞれ到達したら、各ノズルNZ1,NZ2の開口部120a1,120a2から各基板S1,S2へ向けて液状体Qを吐出する。液状体Qの吐出は、各基板S1,S2の位置を固定させ、各ノズルNZ1,NZ2を同時に搬送させながら行う。各ノズルNZ1,NZ2の移動に伴い、各基板S1,S2上に液状体Qの塗布膜が形成されていく。各ノズルNZ1,NZ2がそれぞれの開口部120a1,120a2から液状体Qを吐出しつつ各基板S1,S2の上を通過することにより、各基板S1,S2の所定の領域に液状体Qの塗布膜が形成される。これにより、図7に示すように、二つの基板S1,S2に対して一括して液状体Qの塗布膜Fが形成される。
尚、基板表面に複数回液状体を塗布する場合は、塗布膜Fが形成された基板Sを、そのまま処理ステージ114の定位置に配置する。
例えば、基板表面に二層目の塗布膜を形成する場合は、一回目の塗布膜Fが形成された二つの基板を処理ステージ114の定位置に配置した状態で、二つのノズルNZ1,NZ2を、処理ステージ114の第二方向D2における他端部(+X方向側の端部)に配置する。
次に、二つのノズルNZ1,NZ2を第二方向D2に沿って−X方向側へ移動させる。各ノズルNZ1,NZ2の開口部120a1,120a2(図4参照)の位置が、処理ステージ114に設けられた二つの基板Sの他端部(+X方向側の端部)にそれぞれ到達したら、各ノズルNZ1,NZ2の開口部120a1,120a2から各基板S1,S2へ向けて液状体を吐出する。液状体の吐出は、各基板S1,S2の位置を固定させ、各ノズルNZ1,NZ2を同時に搬送させながら行う。各ノズルNZ1,NZ2の移動に伴い、各基板S1,S2上に二層目の塗布膜が形成されていく。各ノズルNZ1,NZ2がそれぞれの開口部120a1,120a2から液状体を吐出しつつ各基板S1,S2の上を通過することにより、各基板S1,S2の所定の領域に二層目の塗布膜が形成される。これにより、二つの基板S1,S2に対して一括して二層目の塗布膜が形成される。
尚、基板表面に三層目以上の塗布膜を形成する場合には、上記塗布処理を同様に行うことができる。これにより、二つの基板S1,S2に対して一括して三層目以上の塗布膜を形成することができる。
(ノズル管理動作)
塗布部102では、ノズルNZの吐出状態を保持するための予備吐出を行う。塗布部102に設けられるノズルNZのノズル管理動作は、管理部103において行う。ノズル管理動作を行う場合、塗布部102のフレーム121(図4参照)を、移動機構122によって、管理部103の位置まで+X方向へ移動させる。
管理部103の位置までフレーム121を移動させた後、フレーム121の位置を調整してノズルNZの先端をノズル洗浄装置133にアクセスさせ、当該ノズル洗浄装置133によってノズル先端120cを洗浄する。
ノズル先端120cの洗浄後、当該ノズルNZを予備吐出機構131にアクセスさせる。予備吐出機構131では、開口部120aと予備吐出面との間の距離を測定しながらノズルNZの先端の開口部120aをZ方向上の所定の位置に移動させ、ノズルNZを−X方向又は+X方向へ移動させながら開口部120aからレジストを予備吐出する。
予備吐出動作を行った後、フレーム121を元の位置に戻す。フレーム側部21c上に設けられた搬送機構117によって次の基板Sが搬送されてきたら、ノズルNZをZ方向上の所定の位置に移動させる。このように、基板Sに液状体を塗布する塗布動作と予備吐出動作とを繰り返し行わせることで、基板Sには良質な液状体の塗布膜が形成される。
尚、必要に応じて、例えば管理部103に所定の回数アクセスする毎に、当該ノズルNZをディップ槽132内にアクセスさせても良い。ディップ槽132では、ノズルNZの開口部120aをディップ槽132に貯留された溶剤(シンナー)の蒸気雰囲気に曝すことでノズルNZの乾燥を防止する。
本実施形態では、二つのノズルNZ1,NZ2、二つの予備吐出機構131a,131b、二つのディップ槽132a,132b、二つのノズル洗浄装置133a,133bを備える構成であるため、二つのノズルNZ1,NZ2に対する予備吐出、洗浄、ディップの各々の管理動作を一括して行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、二つのノズルNZ1,NZ2を並べて一体に移動させることができるため、二つの基板Sに対して液状体Qを一括して塗布することができる。そのため、二つの基板Sに液状体Qを塗布する場合であっても、基板の搬送経路が長くなることを抑制することができる。よって、省スペース化を図ることができる。
また、塗布部102が、二つのノズルNZが一体に保持されたフレーム121を有し、移動機構122が、フレーム121を第二方向D2に移動させる駆動機構124を有することで、必要に応じて塗布部102の配置位置を調整することができる。
また、二つのノズルNZ1,NZ2に対して個別に液状体を供給する液状体供給部125を備えることで、各ノズルNZ1,NZ2を効率的にメンテナンスすることができる。
また、液状体供給部125が、それぞれのノズルNZ1,NZ2に対して異なる種類の液状体を供給する二つの供給源125a,125bを有することで、複数種類の液状体を使い分けることが容易となる。
また、二つのノズルNZ1,NZ2を個別に洗浄するノズル洗浄装置133a,133bを備えることで、各ノズルNZ1,NZ2を効率的に洗浄することができる。
また、基板保持部117bに保持された基板Sを第二方向D2に搬送する基板搬送部101を備えることで、必要に応じて基板Sの配置位置を調整することができる。
また、基板搬送部101が、第一基板S1を第二方向D2に搬送する第一搬送系TL1と、第一搬送系TL1と並行して設けられ、第一基板S1に対して第一方向D1に隣り合う第二基板S2を第二方向D2に搬送する第二搬送系TL2とを有することで、第一基板S1及び第二基板S2を並行して搬送させることができるため、塗布処理を待機させることなくスムーズな処理が可能となる。よって、省スペース化を図ると共にタクトの短縮化を実現することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図8〜図15を用いて説明する。
図8は、本発明の第二実施形態に係る基板処理装置CTRを模式的に示す平面図である。第二実施形態では、第一実施形態に対して、複数(本実施形態では二つ)の塗布部102A,102Bを備える点で特に異なる。図8において、第一実施形態と同一構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、基板処理装置CTRは、二つの基板保持部211,212、二つの塗布部102A,102B、基板搬送部201、加熱部203、循環搬送部202及び制御部CONTを備えている。
基板保持部211は、基板搬送部201に対して−X方向側に設けられている。基板保持部211には、塗布部102A及び駆動機構124Aが設けられている。駆動機構124Aは、塗布部102Aに接続され、塗布部102Aを第二方向D2に移動させる。基板保持部211は、塗布部102Aにより基板S1,S2に対して液状体の塗布が行われる処理ステージである。
基板保持部212は、基板搬送部201に対して+X方向側に設けられている。基板保持部212には、塗布部102B及び駆動機構124Bが設けられている。駆動機構124Bは、塗布部102Bに接続され、塗布部102Bを第二方向D2に移動させる。基板保持部212は、塗布部102Bにより液状体の塗布が行われる処理ステージである。
基板搬送部201は、複数のローラーを有する。ローラーは、Y方向に一対配置されており、当該一対のローラーがX方向に複数並んでいる。複数のローラーは、基板保持部211から搬送された基板Sを支持し、X方向に搬送する。尚、基板搬送部201としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
基板搬送部201は、第一搬送系TL1と、第二搬送系TL2と、を有する。
第一搬送系TL1は、第一基板S1を第二方向D2に搬送する。第二搬送系TL2は、第一搬送系TL1の−Y方向側において第一搬送系TL1と並行して配置される。第二搬送系TL2は、第一基板S1に対して第一方向D1に隣り合う第二基板S2を第二方向D2に搬送する。
二つの塗布部102A,102Bは、第二方向D2に間隔を空けて配置されている。第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2は、第二方向D2において塗布部102Aと塗布部102Bとの間に配置されている。
尚、二つの塗布部102A,102Bは、同一の液状体を吐出してもよいし、異なる液状体を吐出してもよい。本実施形態では、二つの塗布部102A,102Bは、同一の液状体を吐出する。
基板搬送部201には、加熱部203が設けられている。以下、加熱部203の構成について図9を用いて説明する。
図9は、加熱部203を模式的に示す側面図である。
図9に示すように、加熱部203は、基板搬送部230及び赤外線装置231(加熱源)を備えている。
基板搬送部230は、複数のローラーを有する。ローラーは、Y方向に一対配置されており、当該一対のローラーがX方向に複数並んでいる。複数のローラーは、加熱部203に配置された基板Sを支持し、X方向に搬送する。尚、基板搬送部230としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
赤外線装置231は、基板Sの表面側(液状体の塗布膜が形成された側)に配置されている。赤外線装置231の温度は、室温〜800℃程度に調整可能である。赤外線装置231により、基板Sの塗布膜から溶媒成分が蒸発すると共に、塗布膜に含まれる気泡などが除去される。
尚、赤外線装置231の配置構成にこれに限らない。例えば、赤外線装置231が基板Sの裏面側(液状体の塗布膜が形成された側とは反対側)に配置されていてもよい。
また、加熱部203が加熱源としてさらにホットプレートを備え、赤外線装置231が基板Sの表面側に配置され且つホットプレートが基板Sの裏面側に配置されていてもよいし、赤外線装置231及びホットプレートのうち一方のみが基板Sの表面側又は裏面側に配置されていてもよい。すなわち、加熱源が基板Sの表面側及び裏面側のうち少なくとも一方に配置されていればよい。但し、簡素な装置構成で基板Sを効率的に加熱する観点からは、赤外線装置231が基板Sの表面側にのみ配置されることが好ましい。
このような焼成処理を経た後、制御部CONTは、基板Sを+X方向へ搬送させる。具体的には、基板Sを、基板搬送部230を経て加熱部203から搬出させ、図8に示す基板保持部212に送り出す。
循環搬送部202は、基板搬送部201によって搬送された基板Sを基板保持部211に循環させる。図8に示すように、循環搬送部202は、第一循環部221、第二循環部222及び第三循環部223を備えている。第一循環部221、第二循環部222及び第三循環部223は、+X方向側から−X方向側に向けてこの順に配置されている。
第一循環部221は、基板保持部212の−Y方向側に配置されている。第一循環部221は、複数のローラーを有する。複数のローラーは、基板保持部212から搬送された基板Sを支持し、第二循環部222に搬送する。尚、第一循環部221としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
第二循環部222は、基板搬送部201(加熱部203)の−Y方向側に配置されている。第二循環部222は、複数のローラーを有する。ローラーは、Y方向に一対配置されており、当該一対のローラーがX方向に複数並んでいる。複数のローラーは、第一循環部221から搬送された基板Sを支持し、X方向に沿って第三循環部223に向けて搬送する。尚、第二循環部222としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
第三循環部223は、基板保持部211の−Y方向側に配置されている。第三循環部223は、複数のローラーを有する。複数のローラーは、第二循環部222から搬送された基板Sを支持し、基板保持部211に搬送する。尚、第三循環部223としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
第三循環部223には、基板センサ225が設けられている。基板センサ225は複数(例えば本実施形態では二つ)設けられている。基板センサ225により、第三循環部223上に基板Sがあるかどうかを検出できるようになっている。
循環搬送部202は、第三搬送系TL3と、第四搬送系TL4と、を有する。
第三搬送系TL3は、二つのノズルNZ1,NZ2のうちノズルNZ1によって液状体が塗布された基板S1を、ノズルNZ2に対応する位置に配置させる。第四搬送系TL4は、第三搬送系TL3と並行して配置される。第四搬送系TL4は、ノズルNZ2によって液状体が塗布された基板S1を、ノズルNZ1に対応する位置に配置させる。
本実施形態において、基板保持部212は、塗布膜が形成された基板Sのうち所定の基板を搬出させる搬出部として機能する。例えば、基板保持部212は、複数のローラーを有する。ローラーは、X方向に一対配置されており、当該一対のローラーがY方向に複数並んでいる。複数のローラーは、基板搬送部201から搬送された所定の基板を支持し、+Y方向の次工程(図示略)に向けて搬出する。尚、基板保持部212(搬出部)としては、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
ここで、所定の基板は、塗布膜が複数層形成された基板Sである。例えば、塗布膜が四層形成された基板を次工程で用いる場合には、塗布部102A,102A及び加熱部203をそれぞれ四回循環させた基板Sを所定の基板とする。
尚、本実施形態では、基板保持部212が搬出部として機能するが、これに限らない。例えば、基板保持部212とは別個独立に、塗布膜が形成された基板Sのうち所定の基板を搬出させる搬出部を設けてもよい。
図示はしないが、基板保持部211と基板搬送部201との間、基板搬送部201と基板保持部212との間、基板保持部212と第一循環部221との間、第一循環部221と第二循環部222との間、第二循環部222と第三循環部223との間には、ゲートバルブが設けられている。ゲートバルブは、不図示の駆動部によってZ方向に移動可能に設けられている。ゲートバルブをZ方向に移動させることで、各装置の間が開放又は閉塞される。各装置の間が同時に開放されると、これらの間で基板Sの移動が可能となる。
(基板処理方法)
次に、本実施形態に係る基板処理方法を説明する。本実施形態では、上記のように構成された基板処理装置CTRを用いて基板S上に、複数層の塗布膜を形成する。基板処理装置CTRの各部で行われる動作は、制御部CONTによって制御される。
本実施形態に係る基板処理方法は、液状体を吐出し第一方向D1に並んだ状態で一体に設けられた二つのノズルNZ1,NZ2と、二つのノズルNZ1,NZ2のそれぞれに対応する位置で保持された基板S1,S2とが、第一方向D1に交差する第二方向D2に相対的に移動するように二つノズルNZ1,NZ2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出する吐出ステップと、液状体が塗布された基板Sを加熱して塗布膜を形成する加熱ステップと、を含む。
図10〜図15は、基板処理の過程を示す平面図である。図10〜図15は、図8の平面図に対応する。
本実施形態では、塗布部102A,102Bのそれぞれにおいて、液状体を吐出し第一方向D1に並んだ状態で一体に設けられた二つのノズルNZ1,NZ2と、二つのノズルNZ1,NZ2のそれぞれに対応する位置で保持された基板S1,S2とが、第一方向D1に交差する第二方向D2に相対的に移動するように二つノズルNZ1,NZ2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出させる(吐出ステップ)。
尚、本実施形態では、塗布部102A,102Bのそれぞれにおいて、二つの基板S1,S2を定位置に配置し、且つ、二つのノズルNZ1,NZ2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出する例を挙げて説明するが、これに限らない。例えば、二つのノズルNZ1,NZ2を定位置に配置し、二つの基板S1,S2を移動させながら、二つのノズルNZ1,NZ2から二つの基板S1,S2に対して液状体を吐出してもよい。すなわち、二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板S1,S2とが第二方向D2に相対的に移動するように二つのノズルNZ1,NZ2と二つの基板S1,S2のうち少なくとも一方を移動させる構成であればよい。
先ず、図10に示すように、二つの基板S1,S2を第三循環部223に搬入する。本実施形態では、基板S1及び基板S2を+Y方向側からこの順に搬入する。基板センサ225により、第三循環部223上に基板S1,S2があるかどうかが検出される。
次に、図11に示すように、二つの基板S1,S2を基板保持部211の定位置に配置する。次に、この状態で、塗布部102Aにおける二つのノズルNZ1,NZ2を、基板保持部211の第二方向D2における一端部(−X方向側の端部)に配置する。尚、図11では、二つのノズルNZ1,NZ2の配置位置は、これに限らない。例えば、二つのノズルNZ1,NZ2を、基板保持部211の第二方向D2における他端部(+X方向側の端部)に配置してもよい。
次に、図12に示すように、塗布部102Aにおける二つのノズルNZ1,NZ2を第二方向D2に沿って+X方向側へ移動させる。各ノズルNZ1,NZ2の開口部の位置が、基板保持部211に設けられた二つの基板S1,S2の一端部(−X方向側の端部)にそれぞれ到達したら、各ノズルNZ1,NZ2の開口部から各基板S1,S2へ向けて液状体Qを吐出する。液状体Qの吐出は、各基板S1,S2の位置を固定させ、各ノズルNZ1,NZ2を同時に搬送させながら行う。各ノズルNZ1,NZ2が液状体Qを吐出しつつ各基板S1,S2の上を通過することにより、各基板S1,S2の所定の領域に液状体Qの塗布膜が形成される。これにより、二つの基板S1,S2に対して一括して液状体Qの塗布膜Fが形成される。
尚、二つの基板S1,S2を基板保持部211の定位置に配置した後、次の処理対象となる二つの基板S1,S2を第三循環部223に搬入する。
塗布部102Aによる塗布処理が行われた後、図13に示すように、制御部CONTは、二つの基板S1,S2を基板保持部211から加熱部203へと搬送させる。制御部CONTは、加熱部203を用いて二つの基板S1,S2上の塗布膜Fを低酸素下で加熱する(加熱ステップ)。この動作により、二つの基板S1,S2上の塗布膜Fに含まれる溶媒の蒸発が促進されると共に、塗布膜Fの強度が高められる。尚、加熱部203を低酸素下にすることに限らず、塗布部102A,102Bも低酸素下にしてもよい。
尚、二つの基板S1,S2を加熱部203に搬送した後、次の処理対象となる二つの基板S1,S2を基板保持部211の定位置に配置すると共に、二つの基板S1,S2を第三循環部223に搬入する。
加熱処理が行われた後、図14に示すように、制御部CONTは、塗布膜Fが形成された二つの基板S1,S2を加熱部203から基板保持部212へと搬送させる。
次に、二つの基板S1,S2を基板保持部212の定位置に配置する。次に、この状態で、塗布部102Bにおける二つのノズルNZ1,NZ2を、基板保持部212の第二方向D2における一端部(+X方向側の端部)に配置する。尚、図14では、二つのノズルNZ1,NZ2の配置位置は、これに限らない。例えば、二つのノズルNZ1,NZ2を、基板保持部212の第二方向D2における他端部(−X方向側の端部)に配置してもよい。
尚、二つの基板S1,S2を基板保持部212に搬送した後、次の処理対象となる二つの基板S1,S2を加熱部203に搬送すると共に、基板保持部211の定位置に配置する。
次に、図15に示すように、塗布部102Bにおける二つのノズルNZ1,NZ2を第二方向D2に沿って−X方向側へ移動させる。各ノズルNZ1,NZ2の開口部の位置が、基板保持部211に設けられた二つの基板S1,S2の一端部(+X方向側の端部)にそれぞれ到達したら、各ノズルNZ1,NZ2の開口部から各基板S1,S2へ向けて液状体Q’を吐出する。液状体Q’の吐出は、各基板S1,S2の位置を固定させ、各ノズルNZ1,NZ2を同時に搬送させながら行う。各ノズルNZ1,NZ2が液状体Q’を吐出しつつ各基板S1,S2の上を通過することにより、各基板S1,S2の所定の領域に液状体Q’の塗布膜が形成される。これにより、二つの基板S1,S2に対して一括して液状体Q’の塗布膜F’(二層目の塗布膜)が形成される。
尚、基板表面に更に液状体を塗布する場合は、塗布膜F’が形成された二つの基板S1,S2を、循環搬送部202により、基板保持部211に循環させる。この場合、塗布膜F’が形成された二つの基板S1,S2は、第一循環部221、第二循環部222及び第三循環部223を経由し、基板保持部211の定位置に配置される。
基板保持部211の定位置に配置された二つの基板S1,S2は、上述した塗布部102Aによる塗布処理、加熱部203による加熱処理を経て、基板保持部212に搬送され、必要に応じて塗布部102Bによる塗布処理、循環搬送部202による循環搬送がなされる。これにより、二つの基板S1,S2に対して複数層の塗布膜を形成することができる。
また、上述した塗布部102Aによる塗布処理、加熱部203による加熱処理を経た二つの基板S1,S2のうち所定の基板を、次工程(図示略)に向けて搬出してもよい。例えば、塗布膜が四層形成された基板を次工程で用いる場合には、塗布部102A,102A及び加熱部203をそれぞれ四回循環させた基板Sを所定の基板とする。
尚、次工程に搬出する基板は、基板S1のみでもよいし、基板S2のみでもよいし、二つの基板S1,S2でもよい。次工程に搬出する基板は、必要に応じて、適宜決定することができる。
以上のように、本実施形態によれば、加熱部203が第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2によって搬送される基板S1,S2を加熱する赤外線装置231を有することで、赤外線装置231が第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2の一部に配置される。そのため、赤外線装置231が第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2の外部に配置される場合に比べて、省スペース化を図ることができる。
また、赤外線装置231が基板Sの表面側にのみ配置されることで、簡素な装置構成で基板Sを効率的に加熱することができる。
また、二つの塗布部102A,102Bが、第二方向D2に間隔を空けるように配置され、第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2が、第二方向D2について塗布部102Aと塗布部102Bの間に配置されるため、同じ塗布部を二つ配置することで、汎用性を高めることができる。また、二つの塗布部102A,102Bが配置される場合であっても、二つの塗布部102A,102Bの間に第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2が配置されることで、省スペース化を図ることができる。
また、基板搬送部201によって搬送された基板Sを、基板保持部211に循環させる循環搬送部202を更に備えるため、基板Sを循環させることで、複数種類の液状体を使い分けたり、基板Sの表面に液状体を複数回塗布したりすることが容易となる。
また、循環搬送部202が、二つのノズルNZ1のうちノズルNZ1によって液状体が塗布された基板S1を、ノズルNZ2に対応する位置に配置させる第三搬送系TL3を有することで、ノズルNZ1によって液状体が塗布された基板S1に対し、ノズルNZ2によって液状体を塗布することが容易となる。
また、塗布膜Fが形成された基板Sのうち所定の基板を搬出させる搬出部として基板保持部212を備えることで、必要に応じて塗布膜Fが形成された基板Sを搬出することができる。
また、所定の基板が、塗布膜Fが複数層形成された基板Sであることで、必要に応じて塗布膜Fが複数層形成された基板Sを搬出することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について、図16を用いて説明する。
図16は、本発明の第三実施形態に係る基板処理装置CTR1を模式的に示す平面図である。第三実施形態では、二つの塗布部102A,102Bが設けられる第二実施形態に対して、一つの塗布部102Aのみが設けられる点で特に異なる。図16において、第二実施形態と同一構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16に示すように、基板処理装置CTR1は、二つの基板保持部211,212、一つの塗布部102A、基板搬送部201、加熱部203、循環搬送部202及び制御部CONTを備えている。
本実施形態において、基板保持部212には、塗布部102B及び駆動機構124Bが設けられていない。すなわち、本実施形態に係る基板保持部212は、液状体の塗布が行われる処理ステージとしては機能せず、塗布膜が形成された基板Sのうち所定の基板を搬出させる搬出部としてのみ機能する。
本実施形態に係る基板処理方法は、塗布部102Aにおいてのみ二つの基板S1,S2に対する塗布処理が行われる。塗布部102Aによる塗布処理が行われた後、加熱部203において二つの基板S1,S2に対する加熱処理が行われる。加熱部203による加熱処理が行われた二つの基板S1,S2は、基板処理部212に搬送される。基板処理部212では、塗布処理は行われない。基板表面に更に液状体を塗布する場合は、基板処理部212に搬送された二つの基板S1,S2は、循環搬送部202に搬送され、基板保持部211に循環される。
以上のように、本実施形態によれば、一つの塗布部102Aのみで塗布処理が行われるので、二つの塗布部を設ける構成に比べて、装置の低コスト化を図ることができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について、図17を用いて説明する。
図17は、本発明の第四実施形態に係る基板処理装置CTR2を模式的に示す平面図である。第四実施形態では、第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2のそれぞれに跨る加熱部203が設けられる第三実施形態に対して、一つの搬送系TL10にのみ加熱部303が設けられる点で特に異なる。図17において、第三実施形態と同一構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示すように、基板処理装置CTR2は、二つの基板保持部211,312、一つの塗布部102A、基板搬送部301、加熱部303、循環搬送部302及び制御部CONTを備えている。
本実施形態において、第三実施形態における第一搬送系TL1に相当する部分には加熱部303が設けられていない。本実施形態に係る基板搬送部301及び基板保持部312には、一つの搬送系TL10のみが設けられている。本実施形態に係る加熱部303は、一つの搬送系TL10に沿って搬送される基板S1,基板S2に対して加熱処理を行う加熱部として機能する。
循環搬送部302は、第一循環部321、第二循環部322、第三循環部323及びストック部324を備えている。第一循環部321及び第二循環部322においても一つの搬送系のみが設けられている。
ストック部324は、第三循環部323の−Y方向側に配置されている。ストック部324は、第三循環部323から搬送される基板S1,基板S2をストックする。尚、循環搬送部302は、ストック部324を備えていなくてもよい。
本実施形態に係る基板処理方法は、塗布部102Aによる塗布処理が行われた後、加熱部303において搬送系TL10に沿って搬送される基板S1,S2に対して加熱処理が行われる。そのため、第一基板S1は、塗布処理後、第二基板S2の位置(塗布部102Aにおける第二基板S2の定位置)まで搬送された後、第二基板S2の位置から搬送系TL10に沿って搬送され、加熱部303にて処理が行われる。一方、第二基板2は、塗布処理後、第二基板S2の位置から搬送系TL10に沿って搬送され、加熱部303によって処理が行われる。加熱部303による加熱処理が行われた基板S1,S2は、基板処理部312に搬送される。尚、基板表面に更に液状体を塗布する場合、基板処理部312に搬送された基板S1,S2は、循環搬送部302に搬送され、基板保持部211に循環される。尚、基板S1,S2は、基板保持部211に循環させる途中で、必要に応じて、ストック部324にストックされる。
以上のように、本実施形態によれば、一つの搬送系TL10にのみ加熱部303が設けられることで、加熱部が第一搬送系TL1及び第二搬送系TL2のそれぞれに跨る構成に比べて、第一搬送系TL1に相当する搬送系及び当該搬送系に設けられる加熱部が無くなるので、装置の低コスト化を図ることができる。
尚、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、上記実施形態においては、塗布装置CTの構成として、スリット型のノズルNZを用いた構成としたが、これに限られることは無く、例えば中央滴下型の塗布部を用いても構わないし、インクジェット型の塗布部を用いても構わない。また、例えば基板S上に配置される液状体をスキージなどを用いて拡散させて塗布する構成であっても構わない。
また、塗布対象の液状体は、特に限定されず、種々の液状体を採用することができる。
尚、上記において実施形態として記載した各構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができるし、また、組み合わされた複数の構成要素のうち一部の構成要素を適宜用いないようにすることもできる。