JP5229979B2 - 遊技演出体 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技演出体、遊技機及び遊技演出方法に係り、特に図柄表示装置等の映像表示装置の前方で新規な演出動作を行うことにより、遊技演出の迫力増大及び遊技者の興趣向上を図ることのできる遊技演出体等に関する。
パチンコ機等の遊技機では、弾球された球が遊技盤面上を流下して、その流下の過程で球が遊技盤面上のゲージ(釘ともいう。)や羽根車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技盤面上に配置された各種入賞口に球が入賞すれば所定の景品球払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に球が流入すれば景品球払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は球の流下における偶然性を利用しつつ球の入賞及び景品球払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
このようなパチンコ機において、最近では遊技盤面上に図柄表示装置や変動入賞装置等の役物が配置されたものがある。
変動入賞装置は、例えば遊技演出用のキャラクター人形等の役物と複数種類の入賞口とを有し、変動入賞装置内に流入した球が、キャラクター人形等の動作に影響されていずれの種類の入賞口に入賞するかを楽しめるように構成されているものである。球が入賞した入賞口の種類に応じて、払い出される景品球数が異なったり、異なる種類の別遊技が開始されたりする。
また、図柄表示装置は、その表示画面に表示された図柄等が変動し特定の表示態様となったときに、遊技者に多量の景品球を獲得させるいわゆる「当り」を構成するためのものである。遊技機にこの図柄変動装置が配されることにより、遊技盤面の入賞口に球が入賞して所定個数の景品球払出しがされる場合のみならず、図柄変動の結果によっても多量の景品球が払い出されるので、遊技者は図柄の表示の態様に大きく注目することとなる。
この図柄表示装置は一般に遊技盤面の略中央に位置し、遊技者の注意を惹き付け易いことから、図柄表示装置の近傍に遊技を演出する役物を配置すれば、それによる興趣向上は高い効果を発揮する。例えば、特許文献1には、図柄表示装置の前側を長尺な棒状部材が上下方向又は左右方向に移動可能な構成が開示されている。
特開2005−34631号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成においては、長尺な棒状部材が図柄表示装置の前側を単に上下又は左右方向に移動するだけなので、演出の面白みに欠けるという問題がある。図柄表示装置の近傍で役物が意外性のある動作を行えば、遊技者の興味を強く惹き付けることができるが、遊技者の想定を超えない遊技演出動作であれば、すぐに飽きられてしまう。
また、近年は図柄表示装置が大型化する傾向にあり、その前方には大きなスペースが生じている。したがって、このスペースを利用すれば、大型の役物を使用したり役物の動作を大きくすることができて遊技演出の迫力を顕著に増大させることができる。その上、その役物が意外な動作を行えば、遊技者の興趣は向上し、そのような遊技機の人気が高まり、需要も増大する。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、大きな役物動作を行うことが可能な映像表示装置の前方位置において、遊技者の想定を超える意外な動作を行うことにより、遊技者の興味を強く惹き付け、興趣を多大に向上させることのできる遊技演出体、遊技機及び遊技演出方法を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての遊技演出体は、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技装置体の表面側から視認可能に設けられ、遊技を演出する映像を表示可能な映像表示面を有する映像表示装置の前方に配置される遊技演出体であって、映像表示装置の前方に配置された平板状の移動演出体を有し、移動演出体が折り畳み動作及び展開動作可能であり、その折り畳み状態で映像表示装置の前方を遊技装置体の表面に平行な面内で上下方向又は左右方向に移動可能であることを特徴とする。
折り畳み状態の遊技演出体が、映像表示装置の前方で上下方向又は左右方向に移動可能である上に、その折り畳み状態の遊技演出体が展開可能であるので、その多様な動作によって遊技者の注意を惹き付け、興趣を向上させることができる。映像表示装置の前方スペースを利用して上下・左右移動や折り畳み・展開動作を行うので、スペースを有効利用しつつ大きな動作が可能となり、迫力の大きな演出を行うことができる。
遊技演出体が映像表示装置の前方で移動するので、遊技者にとって映像表示装置の映像表示面が全体的に見えるようにしたり、部分的に見えないようにしたり、殆ど見えないようにしたりすることができる。また、その見える部分の位置を様々に変更することもできる。映像表示面上に表示される映像の視認態様を様々に変化させることができるので、遊技者に新たな興味や興趣を付与することができる。
また、遊技演出体を折り畳んだり展開したりすることにより、遊技者が遊技演出体を認識する形状(すなわち、遊技者方向への投影形状。)を様々に変化させることができる。折り畳んで薄く見せたり、展開して大きく見せたりすることができるので、多彩な演出が可能となる。また、遊技演出体の様々な側面を遊技者に呈示することができるので、例えば各側面にそれぞれ異なる模様や色彩等を付加しておくことにより、多彩な遊技演出態様の呈示が可能となる。
ここで例えば、遊技媒体はパチンコ機等の遊技機に用いられる球であり、遊技装置体はその球が流下するための遊技盤である。そして例えば、遊技装置体の表面は遊技盤面であり、映像表示装置は遊技盤面に配置される図柄表示装置である。前方とは遊技装置体から遊技者に向かう方向、すなわち遊技盤裏面から表面に向かう方向であり、後方向とはその反対に遊技盤表面から裏面に向かう方向である。
移動演出体が、折り畳み状態においてその平板面の略中央部を折り畳み中心軸として2つ折りとされ、平板面を上下方向又は左右方向に向けると共にその折り畳み中心軸を前方に向けてもよい。
これにより、簡単な構造で折り畳み動作と上下又は左右の移動動作とを実現することができる。もちろん、設計配置上の都合によっては、折り畳み中心軸を後方に向けるように折り畳み状態を構成するものであってもよい。
展開状態において、移動演出体が映像表示装置の映像表示面の略全体を覆うことにより表面側から映像表示面を略不可視としてもよい。
映像表示装置の前面スペースを大きく利用して遊技演出体による動作を行うことができ、迫力のある演出が可能となる。移動演出体を、展開状態において前面スペース一杯に広がるほど大きなものとすることができ、また、その上下又は左右への移動動作や展開動作を迫力のある大きなアクションとすることができる。展開状態において映像表示面を略不可視とすることにより、遊技者が映像を充分に見られるようにしたり殆ど見られないようにしたりすることができるので、意外性のある遊技演出によって遊技者の興味を惹き付けることができる。
折り畳み中心軸近傍及び平板面に遊技を演出するための演出表示部が設けられていてもよい。折り畳み状態で前方に向く折り畳み中心軸近傍に演出表示部が設けられているので、移動演出体の上下又は左右への移動時、すなわち移動演出体の折り畳み状態時にも、その演出表示部を遊技者に呈示することができる。例えば、その演出表示部に装飾的な色彩や造形が施されていれば、移動演出体の折り畳み状態時にも遊技者の興味をその演出表示部に惹き付けることができる。
また、平板面にも演出表示が設けられているので、折り畳み状態時のみならず、展開時にも遊技者に対して演出表示部を呈示することができる。しかも、折り畳み状態時と展開時とで異なる演出表示を行うこともできる。折り畳み状態においては折り畳み中心軸近傍の演出表示と表示画面上の映像とを遊技者に向けて呈示し、展開状態においては映像とは異なる平板内面の演出表示を遊技者に向けて呈示するので、遊技者は多彩な遊技演出による迫力や意外性を楽しむことができる。折り畳み状態においては、遊技者から見えない平板面に演出表示部が設けられ、展開時にそれが突然遊技者に向けて呈示されるので、意外性のある遊技演出を行うことができる。
ここで、折り畳み状態で折り畳み中心軸が前方に向く構成の場合であっても、折り畳み中心軸が後方に向く場合であっても、展開時に遊技者側(前方)に向く平板面側に演出表示部が設けられていることがもちろん望ましい。
折り畳み状態において折り畳み中心軸近傍から光を放出する光源を更に有してもよい。折り畳み状態において光源からの光を折り畳み中心軸近傍から放出するので、その光による演出によって遊技者の興味を惹き付けることができる。折り畳み中心軸近傍に設けられた演出表示部が平板面に設けられた演出表示部よりも小面積であり迫力に乏しい場合であっても、この放出光によって遊技者の興味を強く惹き付けることができる。
本発明の他の例示的側面としての遊技機は、遊技機の周囲を囲む筐体枠と、遊技装置体と、上記の遊技演出体と、遊技装置体を保持して筐体枠に対して前面開閉可能に揺動支持された機枠と、遊技装置体に対して一定距離以上離間して配置された前面透明板と、遊技装置体の周囲を囲んで装飾する装飾部材を保持し、機枠に対して前面開閉可能に揺動支持された装飾枠と、遊技媒体を遊技装置体の上部に向けて発射する発射ユニットとを有することを特徴とする。
この遊技機は上記の遊技演出体を有しているので、映像表示装置近傍において遊技者の想定を超えて意外性のある遊技演出を行うことが可能である。したがって、遊技者は飽きることなく強い興味を持ち続けて楽しく遊技を行うことができる。
本発明の更に他の例示的側面としての遊技演出方法は、上記の遊技機において行われる遊技演出方法であって、第1の遊技状態において映像表示面の上方又は下方に位置する折り畳み状態の移動演出体を、第1の遊技状態と異なる第2の遊技状態となったときに折り畳み状態のまま映像表示面の上下方向略中央の位置まで移動するステップと、第1の遊技状態とも第2の遊技状態とも異なる第3の遊技状態となったときに映像表示面の上下方向略中央に位置する折り畳み状態の移動演出体を展開させるステップとを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、映像表示装置の前方スペースを有効に利用して遊技者の想定を超えて迫力と意外性のある遊技演出を行うことができる。したがって、遊技者は飽きることなく強い興味を持ち続けて楽しく遊技を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのパチンコ機2の外観を示す外観斜視図である。このパチンコ機2は、筐体枠4、遊技盤(遊技装置体)6、開閉役物(遊技演出体)8、機枠9、前面ガラス(前面透明板)10、装飾枠12、上皿(球皿)14、球発射ユニット(図示せず。)を有している。
その遊技盤6の遊技盤面(表面)6aには、遊技媒体としての球20が流下する遊技領域6bを画定するレール飾り26が取り付けられ、その遊技領域6b内に、ゲージ27、普通入賞口28、特別入賞口28a、始動入賞口29、大入賞口29a、アウト口30とともに、図柄表示装置(映像表示装置)7と上記の開閉役物8とが配置されている。
パチンコ機2は、組合せ式パチンコ機、封入循環式パチンコ機、雀球機等を含む。また、遊技機としてはパチンコ機の他に、各種ゲーム機やアーケードマシン等を概念することができ、要するに、図柄表示装置7を有するあらゆる遊技機に本発明を適用可能である。
筐体枠4は、このパチンコ機2の周囲を囲むための枠体であり、平面視略長方形に構成されている。材料としては、木材・樹脂・金属等が適用可能であり、本実施の形態においてはアルミニウムが用いられている。筐体枠4は、パチンコ機2の上下面及び左右側面を囲み、前方から見て左側面側には機枠9及び装飾枠12を揺動支持するためのヒンジ部(揺動支持部)22が設けられている。
遊技盤6は、このパチンコ機2において、遊技媒体としての球20の流下による遊技を実現するための遊技装置体である。図2に、この遊技盤6を正面から見た正面図を示す。遊技盤6の遊技盤面6aには、略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられ、このレール飾り26の内側面26aが遊技盤面6aに対して立設して遊技領域6bを画定している。
その遊技領域6b内の略中央部には図柄表示装置7が設けられている。そしてその図柄表示装置7の周囲に多数のゲージ27、普通入賞口28、特別入賞口28a、始動入賞口29、大入賞口29a、アウト口30、その他の各種役物(例えば羽根車等。)が配置されている。
図示しない球発射装置により球20が遊技領域6b内の上部に向けて発射されると、球20がゲージ27に衝突してその流下方向を変えつつ遊技領域6b内を流下するようになっている。その流下の途中で、あるものは普通入賞口28に入賞して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものは特別入賞口28aに入賞して普通入賞口28への入賞時よりも多数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口30からパチンコ機2の外部へと排出される。
図柄表示装置7は、例えば液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技盤面6a側から視認可能に設けられ、その表示画面(映像表示面)7a上に映像表示を行うものである。この表示画面7a上には、例えば、3桁の数字又は文字等より構成される表示図柄7bが回転又は停止するように映像として表示される。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像7cも表示画面7a上に表示されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、表示画面7aは遊技盤面6aの後方に奥まって配置されており、その前方に移動演出体11等の開閉役物8が配置されている(図3(a),(b)参照)。
球20が始動入賞口29に入賞すると、表示画面7a上の表示図柄7bが回転表示を開始し、徐々に速度を落として停止表示するようになっている。その停止表示の際の表示図柄7bが所定の態様(例えば、「7・7・7」。)であれば「大当たり」となり、大入賞口29aが開放して多量の球20を入賞可能とする。大入賞口29aに多量の球20が入賞すれば、それに伴い多量の球20が景品球として払い出され、遊技者は大きな利益を得ることになる。一方、停止表示の際の表示図柄7bが所定の態様以外である場合には、「外れ」となり、大入賞口29aは開放せず、遊技者は景品球を獲得することができない。
このように、図柄表示装置7の表示画面7a上に表示される表示図柄7bの停止態様は、遊技者にとって大きな利益が得られるかどうかを決定するものであるので、遊技者は遊技中に遊技盤面6aの中央部分、すなわちこの図柄表示装置7の近傍に強い興味を惹かれている。
開閉役物8は、図柄表示装置7の表示画面7aの前方に配置される遊技演出用の役物である。図3(a),(b)はこの開閉役物8の概略構成を示す構成図である。開閉役物8は、移動演出体11、ボールネジ13、従動シャフト13a、ボールネジ駆動用の第1モータ16、折り畳み及び展開動作用の第2モータ17を有して大略構成されている。図柄表示装置7の表示画面7aは遊技盤面6aから後方に奥まって配置されており、その表示画面7aの前方に形成される略直方体形状の空間部に移動演出体11が配置され、遊技盤面6a側に形成された略長方形状の開口から移動演出体11が視認可能に構成されている。
本実施の形態においては、これら各構成部品はすべて遊技盤面6a側に配置されている。そして、移動演出体11を除く機構部品は、図示しない装飾カバー部品等によりカバーされ、直接遊技者の目に触れないようになっている。もちろん、移動演出体11のみを図柄表示装置7の前方に配置し、その他の機構部品を遊技盤6の裏面側に配置しても構わない。
移動演出体11は平板部材11aを有して構成される役物部品であって、図に示すように、ボールネジ13及び従動シャフト13aに支持されて図柄表示装置7の前方に配置されている。その平板部材11aの略中央部に位置する蝶番部11dを折り畳み中心として平板部材11aの上側部11bと下側部11cとが蝶番部11dを前方に向けた2つ折り状態で折り畳み及び展開可能とされている。
その蝶番部11d近傍の平板部材11aの分割面には、演出表示を行うための小演出部材(演出表示部)11eが設けられている。この小演出部材11eは、平板部材11aが折り畳み状態となると遊技者に向けて呈示される演出部材であり(図2及び図3(a)を参照。)、例えば色彩や模様が付された造形体で構成される。
平板部材11a内部には多数のLED(光源)11fが、その照射面を小演出部材11eに向けて配置されている。そして、そのLEDを点灯又は点滅させることにより、小演出部材11eの背後から遊技者に向けて遊技演出に寄与する装飾光を照射することができるようになっている。このとき、平板部材11aの分割面及び小演出部材11eが透光性を有していれば、LED11fからの光が小演出部材11eを透過して遊技者に向けて照射されるので、演出効果は更に増大する。
平板部材11aの平板面にも、演出表示を行うための大演出部材(演出表示部)11gが設けられている。この大演出部材11gは、平板部材11aが展開状態となると遊技者に向けて呈示される演出部材であり(図3(b)及び図4を参照。)、やはり例えば色彩や模様が付された造形体で構成される。
上側部11b及び下側部11cの蝶番部11d近傍の側面には、それぞれギア11h,11jが配置され、互いに歯合している。その一方のギア11jは第2モータ17のモータ軸に取り付けられており、この第2モータ17の回転駆動によって、上側部11bと下側部11cとが蝶番部11dを中心として図3(b)中矢印X方向に開くように回転し、平板部材11aの展開動作が行われるようになっている。
展開動作によって上側部11bと下側部11cとが90°回転し、略立設状態となったとき、大演出部材11gが遊技者に向けて呈示される。上側部11bと下側部11cとは、一枚の板部材として立設し、後方の表示画面7a全体を覆うようになっている(図4参照)。このとき、上側部11b側の小演出部材11eと下側部11c側の小演出部材とは互いに向き合うように内方に格納され、遊技者から視認できないようになっている。
第2モータ17は、ブラケットを介してボールネジ13に螺合されている。そして、反対側の側面において蝶番部11dがブラケットを介して従動シャフト13aに嵌合支持されている。ボールネジ13は第1モータ16の回転駆動によって回転するように構成されており、このボールネジ13の回転によって、第2モータ17とともに平板部材11aが表示画面7aの前方を図3(a)中矢印Y方向に上下移動するようになっている。
機枠9は、遊技盤6を保持するための枠体であり、その中央近傍に遊技盤6を取り付けるための取付け開口が形成されている。取付け開口の周囲に遊技盤6を着脱可能に取り付けるための取付け部を有し、機枠9は遊技盤6の周囲を囲むように構成されている。その機枠9は、筐体枠4の前方に配置されてヒンジ部22において筐体枠4に揺動支持され、筐体枠4に対して前面開閉可能に揺動支持されている。
前面ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。前面ガラス10は透明平板ガラスで形成され、遊技盤6との間に球20が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
前面透明板としてはガラス素材の前面ガラス10の他に、もちろん透明アクリル等の樹脂材料が使用されてもよい。また、本実施の形態においては、前面ガラス10が装飾枠12に保持されるが、前面ガラス10が遊技盤6の前面に取り付けられて、遊技盤6とともに機枠9に保持されるように構成されていてもよい。
装飾枠12は、前面ガラス10又はその周囲を囲む装飾部材32を保持するための枠体である。本実施の形態においては、装飾枠12は、前面ガラス10及び装飾部材32の両方を保持している。その装飾枠12は、機枠9の前面側に配置されてヒンジ部22において機枠9とともに筐体枠4に揺動支持され、機枠9に対して前面開閉可能に揺動支持されている。
装飾枠12は樹脂又は金属によって形成され、その中央部に遊技者が遊技盤6を視認するための透視孔が形成されており、その透視孔を覆うように前面ガラス10が取り付けられている。その前面ガラス10の周囲には、パチンコ機2を装飾するための造形・色彩・ランプが付された装飾部材32が取り付けられ、パチンコ機2の遊技演出に寄与している。
上皿14は、球20を発射ユニットに導くべく貯留するためのもので、下皿14aとともに遊技者の持ち球を貯留する機能を有する。上皿14は、パチンコ機2の前面であって遊技盤6の下方、すなわち装飾枠12の下方部分に配置され、下皿14aは、その上皿14の更に下方に配置されている。本実施の形態においては、上皿14と下皿14aとを別々に構成しているが、もちろん上皿14と下皿14aとが一体となって1つの球皿が構成されていてもよい。
上皿14は、景品球としてパチンコ機2から払い出された球20を受け取る機能や、その球20を球供給装置(図示せず。)を介して発射ユニットに導くべく貯留する機能を有している。遊技終了時には、遊技者が球排出ボタン14bを操作することにより、球20を上皿14から下皿14aへと排出することができるようになっている。
発射ユニットは、球供給装置によって上皿14から発射位置に送り出された球20を遊技領域6bの上部に向けて発射(弾球)するためのものである。球発射装置は、例えば発射位置の球20を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球のための力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられているが、詳細は省略する。
次に、このパチンコ機2における開閉役物の動作について説明する。
遊技者が、このパチンコ機2で発射ハンドル15を操作することにより遊技を開始すると、球20が遊技領域6bの上部に発射されて流下する。ここで球20が普通入賞口28や特別入賞口28aに入賞したり入賞口に入賞せずにアウト口30に流入したりするものの始動入賞口29に入賞しない通常遊技状態(第1の遊技状態)においては、移動演出体11は折り畳み状態で表示画面7aの上方の位置Pに位置している(図2参照)。
このとき、図柄表示装置7の表示画面7aには、停止表示状態の表示図柄7bと通常遊技状態に係る演出映像7cが表示されている。そして、移動演出体11が表示画面7aよりも上方に位置するので、遊技者は移動演出体11によって遮られることなく表示画面7a上の表示図柄7bや演出映像7cを視認することができ、高い興趣を得ることができる。また、移動演出体11の小演出部材11eが前方に向いているので、この小演出部材11eによっても更に遊技者の興趣が向上する。
一方、球20が始動入賞口29に入賞すると、表示図柄7bが回転表示を開始する。そして、演出映像7cも通常遊技状態に係るものと異なるものが表示画面7aに表示される。このとき、移動演出体11は、折り畳み状態で位置Pに停止したままの状態であるが、内部のLED11rが点滅表示する。したがって、小演出部材11eが明るく点滅して遊技者の図柄回転表示に対する期待感が向上する。
そして、3桁の表示図柄7bのうち2桁が「7」で停止表示していわゆるリーチ遊技状態(第2の遊技状態)になると、この移動演出体11は第1モータの駆動により下降してきて表示画面7aの略中央の位置Qで停止する。そのとき、図柄表示装置7の表示画面7aは遊技者にとって移動演出体11の小演出部材11eによって上下に分断されるように見えるが、その表示画面7aの上半分にはリーチ遊技状態に係る演出映像7cが表示され、下半分にはリーチ遊技状態の表示図柄7bが表示される。したがって、上半分のリーチ演出映像7c、下半分の表示図柄7b、及び中央で明るく点滅する小演出部材11eによって、遊技者の興趣は一層大きく向上する。
続いて、最後の1桁の表示図柄7bも「7」で停止して大当り遊技状態(第3の遊技状態)になると、この移動演出体11は第2モータの駆動により展開して、その大演出部材11gを前方に向ける。それにより、第1及び第2の遊技状態では見ることのできなかった大演出部材11gを見ることができるようになるので、遊技者の興趣は益々向上することとなる(図4参照)。
この移動演出体11が展開すると、大演出部材11gが表示画面7a全体を覆って遊技者が表示画面7aを見ることができなくなる。しかし、この大当り遊技状態において、第2モータ17を繰り返し反転駆動して、移動演出体11の展開及び折り畳みを繰り返すようにすれば、遊技者は交互に現れる大演出部材11gと表示画面7a上の映像とによって強く興味を惹きつけられることとなる。
なお、これらの移動演出体11の上下移動及び折り畳み・展開動作は、図示しない制御回路からの指令に基づき、第1モータ16及び第2モータ17が自動的に駆動制御されることによって実現される。その制御回路は、例えばこのパチンコ機2全体の動作制御を実行する図示しない主基板(遊技制御回路基板)上に統合的に実装されていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、上記実施の形態においては、平板部材11aが折り畳み状態で蝶番部11dを前方に向けているが、もちろん折り畳み状態で蝶番部11dが後方に向くように構成してもよい。それにより、展開時に前方呈示される大演出部材11gが折り畳み状態において折り畳みの内方に格納されるように構成することができるので、折り畳み状態で遊技者が大演出部材11gを視認することが殆どなくなり、展開時の意外性をより一層向上させることができる。
また、上記の実施の形態においては、制御回路からの指示に基づき、遊技状態に応じて自動的に第1モータ16及び第2モータ17が自動的に駆動制御される場合について説明したが、パチンコ機2が備える演出ボタン31a,31bを遊技者が操作することにより、第1モータ16及び第2モータ17が駆動制御されるようになっていてもよい。
例えば、遊技者が演出ボタン31aを押し続けている間は第1モータ16が往復回転駆動されて平板部材11aが表示画面7aの前方をX方向に上下移動し、遊技者が所望のタイミングで演出ボタン31aから手を離せば所望の位置で停止することができるように構成されていてもよい。そして、遊技者が演出ボタン31bを押すごとに第2モータ17が回転駆動されて平板部材11aが折り畳み動作又は展開動作を行うように構成されていてもよい。
本発明の実施の形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤を正面から見た正面図であって平板部材が折り畳み状態である場合を示す図である。 図1に示すパチンコ機の開閉役物の概略構成を示す構成図であって、(a)は平板部材の折り畳み状態を示し、(b)は平板部材の展開途中の状態を示す。 図1に示すパチンコ機の遊技盤を正面から見た正面図であって平板部材が展開状態である場合を示す図である。
符号の説明
P,Q:位置
X,Y:矢印
2:パチンコ機(遊技機)
4:筐体枠
6:遊技盤(遊技装置体)
6a:遊技盤面(表面)
6b:遊技領域
7:図柄表示装置(映像表示装置)
7a:表示画面(映像表示面)
7b:表示図柄
7c:演出映像
8:開閉役物(遊技演出体)
9:機枠
10:前面ガラス(前面透明板)
11:移動演出体
11a:平板部材(移動演出体の一部)
11b:上側部
11c:下側部
11d:蝶番部(折り畳み中心軸)
11e:小演出部材(演出表示部)
11f:LED(光源)
11g:大演出部材(演出表示部)
11h,11j:ギア
12:装飾枠
13:ボールネジ
13a:従動シャフト
14:上皿(球皿)
14a:下皿
14b:球排出ボタン
15:発射ハンドル
16:第1モータ
17:第2モータ
20:球(遊技媒体)
22:ヒンジ部(揺動支持部)
26:レール飾り
26a:内側面
27:ゲージ
28:普通入賞口
28a:特別入賞口
29:始動入賞口
29a:大入賞口
30:アウト口
31a,31b:演出ボタン
32:装飾部材

Claims (1)

  1. 遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技装置体の表面側から視認可能に設けられ、前記遊技を演出する映像を表示可能な映像表示面を有する映像表示装置の前方に配置される遊技演出体であって、
    前記映像表示装置の前方に配置された平板状の移動演出体を有し、
    該移動演出体が、小演出部材にて演出表示可能な第一の状態から大演出部材にて演出表示可能な第二の状態に展開可能に構成されており、かつ、前記第一の状態でも前記第二の状態でも平板状に構成され、
    前記移動演出体は、前記第一の状態では前記小演出部材の内部に設けられた光源による演出を可能とし、前記第二の状態では前記第一状態とは異なる演出表示を可能とする遊技演出体。
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