JP5226692B2 - マイクロカプセル、その使用およびその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル、その使用およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーシェルで囲まれたコアを有するマイクロカプセルであって、コアは疎水性液体または疎水性ワックスを含有する、マイクロカプセルに関する。シェルは、疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー、多官能エチレン性不飽和モノマー、および場合により他のモノマーから形成される。本発明では、コアは、活性成分、例えば紫外線(UV)吸収剤、難燃剤または相変化物質(phase change substances)を含むことができる。望ましくは、粒状組成物を、容易に、種々の製品、例えばコーティング、日焼け止め剤、または種々の織物製品に組み込むことができる。
コア材料を囲むシェルを含むカプセルを提供することが望まれている場合が多くある。例えばコアは、ゆっくり放出される活性成分、例えば香料、農薬、薬剤などを含み得る。他の場合には、シェル内に封入されたコア材料が、恒久的に、または少なくとも適切なトリガーがコアに放出を起こさせるまで、実質的に損なわれないままであることが望まれる。コア材料がカプセルから放出されないということが重要である場合がある。これは、例えば、日焼け止め剤および衣料品に用いる封入された紫外線吸収剤が含まれる。
別の重要な用途として、熱エネルギー貯蔵製品として用い得る、封入された相変化材料がある。このような製品として、ファブリック、特に衣類がある。例えば、相変化炭化水素材料を含むマイクロカプセルが特に価値が高く、これを紡糸液と組み合わせ、次にこれを押出してフィラメントを形成し、これを硬化させ、次いで回収する。紡糸プロセスは、通常、押出されたドープを、多くの場合およそ150または200℃を超え、350℃以上でさえあり得る温度環境に通す必要があるので、コア材料の実質的に全てがシェル中に保持されることが望ましい。ファイバー、例えばナイロンおよびポリエステルファイバーは、溶融紡糸プロセスにより製造され、これは通常、例えば300または350℃を超える極めて高い温度を包含する。しかし、紡糸プロセス中、有害な影響を被ることなく、ファイバーに組み込むことができる不透質で耐久性のあるシェル壁を与える適当な化学を見出すことは難しい。
カプセルを作るための種々の方法が、文献に提案されている。例えば、疎水性液体を、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を含有する水性媒体に分散させ、次にpHを下げて、疎水性液体を囲む不透質アミノプラスト樹脂シェル壁をもたらすことにより疎水性液体を封入することがが公知である。この種のプロセスのバリエーションが、GB-A-2073132、AU-A-27028/88およびGB-A-1507739に記載されており、その中で、感圧性カーボンレスコピーペーパーに用いるために封入されたインクを提供するために、カプセルを好ましく使用している。
しかし、メラミンホルムアルデヒド樹脂をベースとするカプセルは、不透質で耐久性があるが、高温での不透性がより低いという欠点を被りがちである。さらに、ホルムアルデヒドが放出される危険性もある。
国際出願公開第99/24525号には、コアとして、−20〜120℃で相転移する親油性潜在性蓄熱材を含有する、マイクロカプセルが記載されている。このカプセルは、(メタ)アクリル酸のC1-24アルキルエステル30〜100wt%、ジ−もしくは多官能モノマー80重量%以下、および他のモノマー40重量%以下を重合することにより形成される。このマイクロカプセルは、無機成形品で使用するということである。しかし、記載された特定のポリマー組成物は、高温にさらすのに適切でなく、それは親油性相変化材料が極めて迅速に失われるからである。さらに、特定のポリマー組成物のどれもが、高圧に耐えるほど十分に強くない。
米国特許第2003/118822号には、コア材料として親油性物質1種以上、およびポリマーのカプセルシェルを含むマイクロカプセルが記載されている。親油性物質は、平均直径が45〜1000nmの固体無機粒子を含む。このマイクロカプセルは、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C24アルキルエステル30〜100重量%、水にやや溶けにくい2官能もしくは多官能モノマー80重量%以下、および他のモノマー40%以下を含むモノマーの、水中油型乳化重合により得られる。無機粒子は、反応中の安定化において、保護コロイドの役割を果たすということである。
国際公開公報第2005/002719号には、ミニ乳化重合を用いて、サイズおよび形状が均一なマイクロカプセルを製造する方法が記載されている。この方法は、モノマー、乳化剤、超疎水性物質、低粘性疎水性材料、および脱イオン水を混合することによるミニエマルションの形成を使用する。超疎水性物質が存在すると、浸透圧によりモノマー液滴を安定させるということである。可能な超疎水性物質の長い一覧表は、C12〜C20脂肪族炭化水素、C12〜C20脂肪族アルコール、C12〜C20アルキルアクリル酸エステル、C12〜C20アルキルメルカプタン、有機染料、フッ素化アルカン、シリコーンオイル化合物、天然オイル、合成オイル、分子量が1000〜500,000のオリゴマー、および分子量が1000〜500,000のポリマーが挙げられることを示している。広範囲におよぶ例のリストを用いて、全てがモノマー物質である典型的な超疎水性物質を説明している。
Ni K.F. et al, Macromolecules, 39, 2529-2535 (2006)には、スチレンおよびγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランのミニエマルション(共)重合による、ハイブリッドナノカプセルの合成が記載されている。このプロセスは、水溶液中でスチレンモノマーおよびシランモノマーのエマルションを形成することを包含する。シランモノマーを高レベルで使用して、共重合プロセスの間に加水分解および重縮合が起こり、アルコキシシランモノマーの架橋を招く。ミセル核生成の存在を回避するために界面活性剤濃度が低い必要があり、そして著者は、共安定剤セチルアルコールが均質な核生成を促進するということによりこれを用いないようアドバイスすると述べている。
高圧(一般に、200psiを超える)、特に高温での条件下で疎水性材料を保持する、実質的に不透質なシェル壁を含むマイクロカプセルが必要とされてきた。ファブリックをコーティングする厳しい条件の間およびコーティングされたファブリックの処理後、疎水性コア材料を放出しないマイクロカプセルを提供することが望まれている。厳しい条件、例えば、ファイバーの紡糸中の高い温度にさらされる時でさえ、コア材料を放出しない別のマイクロカプセルを提供する特定の要求もある。これらの目的の全てを達成し、しかしホルムアルデヒド縮合物の使用は回避する必要もある。
国際出願公開第01/54809号は、紡糸プロセス中に、活性コア材料の消失を被らずにファイバーに容易に組み込むことができるカプセルを提供する。カプセルは、A)メタクリル酸30〜90重量%、B)ガラス転移温度60℃を超えるホモポリマーを形成することができる(メタ)アクリル酸のアルキルエステル10〜70重量%、およびC)他のエチレン性不飽和モノマー0〜40重量%を含むモノマーブレンドから形成されるポリマーシェルを含有する。
コア保持の有意な改良が得られるが、ファイバーの紡糸中の高い温度を含む極めて厳しい条件にさらされる時にコア材料を放出しない、別のマイクロカプセルを提供することが望まれる。特に、マイクロカプセルを高圧に付すときに、これを達成することが望ましい。
適切な放出トリガーとなる(例えばpH)までコア材料を放出しないマイクロカプセルに対する要求もある。それでもやはり、コア材料はトリガー無しに放出されない。
これを達成しても、同時にホルムアルデヒド縮合物の使用を回避することが望まれる。
国際公開公報第2005/105291号には、ポリマーシェル内にコア材料を含む粒子を含む組成物が記載されており、このコア材料は疎水性物質を含む。ポリマーシェルが粒子の合計重量の少なくとも8%を構成する必要があり、そしてポリマーシェルは、エチレン性不飽和水溶性モノマー5〜90重量%、多官能モノマー5〜90重量%、および他のモノマー0〜55重量%を含み、これらのモノマーの割合は、粒子が少なくとも350℃の半値(Half hight)を示すように選択されるモノマーブレンドから形成されるという、特徴の特別の組み合わせを用いることにより、前述の目的は達成される。
しかし、特に高温下および特に高圧下で、改良されたコア材料の保持も示すマイクロカプセルを提供することが望まれている。本発明の目的はまた、より良いモノマーの選択を用いてこれを達成することである。
したがって、本発明によれば、本発明者らは、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含む、マイクロカプセルを提供する。
本発明者らは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマー、およびシランモノマー成分が存在すると、マイクロカプセルの強度を改良し、さらにシェルの不透性を改良する傾向があり、したがってコア材料のより良い保持を導くことを見出した。粒子の製造中に安定剤として働く親水性ポリマーは、シランモノマーと反応することにより共有結合すると考えられる。
疎水性液体には、25℃で液体である疎水性物質が含まれる。
本発明者らは、本発明のマイクロカプセルが、親水性ポリマーおよびシランモノマー成分を含まないマイクロカプセルに比べて、予想外に、強いカプセルシェルであることを見出した。このようなシェル弾力は、例えばマイクロカプセルの加工における、または物品の形成への適用における、ならびに形成された物品のあらゆる厳しい処理における、耐圧縮の点から有利である。
疎水性液体またはワックスを含有するコアおよびポリマーシェルを含むマイクロカプセルの製造方法であって、工程:
1)i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
を、含むモノマーブレンドを用意し(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)、
2)モノマー混合物と疎水性液体または溶融疎水性ワックスとを組み合わせて、モノマー溶液を形成し、
3)シラン化合物と反応性である親水性ポリマーを含む水性相を形成し、
4)モノマー溶液を水性相に均質化してエマルションを形成し、
5)エマルションを重合条件に付し、次いで
6)モノマーを重合して、水性相にマイクロカプセルの分散系を形成すること
を含む、マイクロカプセルの製造方法も本発明に含まれる。
本方法では、親水性ポリマーは、望ましくは、安定剤として働き、例えば両親媒性のポリマーの安定剤とすることができる。親水性ポリマーは、水溶性であるのが好ましい。ヒドロキシ含有ポリマー、例えばポリビニルアルコールまたはヒドロキシエチルセルロースも好ましい。通常、ポリ酢酸ビニルから誘導され、酢酸ビニル基の85〜95%、好ましくは90%がビニルアルコール単位に加水分解されたポリビニルアルコールを用いるのが好ましい。他の安定化ポリマーをさらに用いてもよい。
本方法は、乳化系の一部として、さらなる材料、例えば乳化剤、他の界面活性剤および/または他の重合安定剤を用いて、安定性を促進してもよい。通常、安定剤または乳化剤は、高いHLB(Hydrophilic Lipophilic Balance:親水性親油性バランス)を有するべきであり、モノマー溶液の乳化に先立って水に溶解させる。あるいはまた、モノマー溶液を、中に溶解させた重合安定剤を有する水に乳化させてもよい。
本方法で用いることができる他の安定化物質は、好ましくは、安定化ポリマーのほかにイオン性モノマーがある。典型的なカチオンモノマーとして、ジアルキルアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレート(第四級アンモニウムまたは酸付加塩を含む)およびジアルキルアミノアルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミド(第四級アンモニウムまたは酸付加塩を含む)がある。
典型的なアニオンモノマーには、エチレン性不飽和のカルボン酸またはスルホン酸モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、特にアルカリ金属またはアンモニウム塩がある。特に好ましいアニオンモノマーは、エチレン性不飽和スルホン酸およびその塩、特に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびその塩である。
重合工程は、モノマー水溶液を任意の従来の重合条件に付すことによって行うことができる。通常、重合は、適切な開始剤化合物の使用により行う。望ましくは、これはレドックス開始剤および/または熱開始剤の使用により達成することができる。典型的には、レドックス開始剤として、還元剤、例えば亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、および酸化化合物、例えば過硫酸アンモニウム、または適切なペルオキシ化合物、例えば第三級ブチルヒドロペルオキシドなどが挙げられる。レドックス開始を、1000ppm以下、典型的には1〜100ppmの範囲、通常4〜50ppmの範囲で使用できる。
好ましくは、重合工程は、熱開始剤を単独、または他の開始剤系、例えばレドックス開始剤と組み合わせて使用することによって行う。熱開始剤として、ラジカルを高温で放出する任意の適切な開始剤化合物、例えばアゾ化合物またはペルオキシド、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AZDN)、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、t−ブチルぺルピバラートまたはラウロイルペルオキシドが挙げられる。典型的には、熱開始剤を、モノマーの重量に基づいて50,000ppm以下の量で用いる。しかし、ほとんどの場合、熱開始剤は5,000〜15,000ppmの範囲、好ましくは約10,000ppmで用いる。好ましくは、適切な熱開始剤を乳化および重合より前のモノマーとともに、エマルションを適切な温度、例えば50または60℃以上に加熱に付す。
本発明のマイクロカプセルは、望ましくは、平均粒子径(average particle size diameter)は10ミクロン未満でよい。通常、平均粒子径は、極めて小さい傾向があり、多くの場合2ミクロン未満、典型的には平均粒径200nm〜2ミクロンである。好ましくは、平均粒子径は、500nm〜1.5ミクロンの範囲、通常約1ミクロンである。平均粒子サイズは、文献に十分報告されている標準的手順にしたがって、Sympatec粒子サイズアナライザーで測定した。
一般に、シェルは、マイクロカプセルの合計重量に基づいて、少なくとも5重量%を構成するべきである。好ましくは、マイクロカプセルは、疎水性オイルまたはワックスの形を45〜95重量%の量、およびシェルを5〜65重量%の量含む(百分率は全てマイクロカプセルの合計重量に基づく)。
より好ましくは疎水性液体またはワックスの量は、マイクロカプセルの60〜92重量%、特に好ましくは70〜92%、特に80〜90%の量で含まれる。
好ましくは、シェルは、マイクロカプセルの8〜20重量%、特に9〜15%を構成する。
少なくとも1種の多官能エチレン性不飽和モノマーが存在する点から、マイクロカプセルシェルは架橋されているはずである。通常、このような架橋はポリマーシェルを不溶性にするが、ポリマーシェルが溶解しないならば、ポリマーシェルは特定の液体溶剤を吸収し得る可能性がある。
好ましくは、疎水性一官能エチレン性不飽和モノマーが、モノマー混合物中に、モノマー混合物の20〜70重量%の量で含まれる。このような疎水性モノマーを、疎水性モノマーを合わせた合計が好ましくはこの範囲内にあるように、2種以上用いることができる。他の一官能エチレン性不飽和モノマーなしに、疎水性一官能エチレン性不飽和モノマーを用いる場合、多くの場合30〜50%用いるのが望ましい。
好ましくは、多官能エチレン性不飽和モノマーまたはモノマーは、モノマー混合物の20〜70重量%、特に30〜60%の量で含まれる。
任意の他の一官能モノマーが含まれることは必須ではないが、これが含まれる場合には、好ましくは、モノマー混合物の40重量%以下、より好ましくは5〜20重量%の量で含まれる。望ましくは、疎水性一官能モノマーと他の一官能モノマーと組み合わせた量は、70重量%以下、例えば30〜50重量%である。
場合によっては、各成分から1種超のモノマーを含むのが望ましい可能性がある。例えば疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー2種以上および/または多官能エチレン性不飽和モノマー2種以上および/または他の一官能モノマー2種以上を含むことが望ましい可能性がある。
疎水性一官能エチレン性不飽和モノマーは、1個のエチレン性基を担持し、水への溶解性が25℃で水100ml当り5g未満、しかし通常は100cc当り2または1g未満であるような任意の適切なモノマーでよい。望ましくは、疎水性モノマーは、スチレンまたはスチレン誘導体、モノエチレン性不飽和カルボン酸のエステル1種以上を含む。好ましくは、疎水性モノマーは、メタクリル酸またはアクリル酸のアルキルエステルを含む。より好ましくは、疎水性モノマーは、アクリルまたはメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルである。このような疎水性モノマーは、ガラス転移温度(Tg)が少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃であるホモポリマーを形成することができる、例えばアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルが挙げられる。これらのモノマー具体例として、スチレン、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびイソボルニルメタクリレートが挙げられる。
ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、Encyclopaedia of Chemical Technology, Volume 19, fourth edition, page 891に、(1)分子全体の遷移運動(transitional motion)と、(2)40〜50個の炭素原子セグメント鎖のコイリングおよび非コイリングとの両方が凍結されるより低い温度と定義されている。したがって、そのTgより下では、ポリマーは流動性またはゴム弾性を示さないであろう。ポリマーのTgは、示差走査熱測定(DSC)を用いて測定することができる。
多官能エチレン性不飽和モノマーは、任意のモノマーとすることができ、重合中に架橋を引き起こす。好ましくは、それはジエチレン性不飽和またはポリエチレン性不飽和のモノマー、すなわちエチレン性不飽和基を2個以上担持する。あるいはまた、多官能エチレン性不飽和モノマーは、エチレン性不飽和基少なくとも1個と、モノマー成分のいずれかにおける他の官能基と反応することができる反応性基少なくとも1個とを含有することができる。好ましくは、多官能モノマーは水に不溶性であるか、または少なくとも低水溶性、例えば25℃で5g/100cc未満であるが、通常2もしくは1g/100cc未満である。さらに多官能モノマーは、コア材料の炭化水素物質と可溶性または少なくとも混和性であるべきである。適切な多官能モノマーとして、ジビニルベンゼン、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびアルカンジオールジアクリレート、例えば1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられるが、1,4−ブタンジオールジアクリレートが好ましい。
他の一官能モノマーは、1個の重合性基を有する任意のモノマーであってよい。好ましくは、任意のエチレン性不飽和モノマーである。典型的には、これらの他のモノマーは、エチレン性不飽和カルボン酸およびその塩、エチレン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステルまたはその塩、アクリルアミドまたはメタクリルアミドのN−(アミノアルキル)誘導体またはその塩、アクリルアミドを含む他の水溶性アクリルモノマー、エチレン性不飽和カルボン酸のエステル、水溶性のスチレン誘導体、メタクリル酸または塩、アクリル酸または塩、ビニルスルホン酸または塩、アリルスルホン酸または塩、イタコン酸または塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または塩、アクリルアミドおよび酢酸ビニルよりなる群から選択されるエステルを含む。
重合性シラン化合物は、望ましくは、エチレン性不飽和部分を少なくとも1つ、および酸素原子を介してケイ素原子に結合された基を少なくとも1個含む。この基は、例えば置換もしくは非置換アルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキルでよい。好ましくは、重合性シラン化合物は、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも1個含む。
好ましいシラン化合物は、式I:
Figure 0005226692
(式中、R1は、エチレン性不飽和部分を含有し、R2は、アルコキシ基であり、そしてR3およびR4は、それぞれ独立に、R1、R2と同じであるか、または非置換もしくは置換アルキル、アルコキシ、アリール、アルカリールまたはアラルキルである)によって定義される。一般にエチレン性不飽和部分は、炭素ケイ素共有結合を介して、ケイ素原子に直接に結合する。
エチレン性不飽和部分は、任意の適切な重合性基の一部であってよい。好ましくは、それは、アリルまたはアクリル部分を含有する。適切な基には、ビニル、アリル、メタリル、アクリロイルアルキル、メタクリロイルオキシ、アクリルアミドアルキル、およびメタクリルアミドアルキルがある。R1が、特にアルキル基が炭素原子数2〜4、特にプロピルであるメタクリルアミドアルキルが特に好ましい。
好ましくは、R2、R3およびR4は、低級アルキルオキシ基であり、特に、これらはそれぞれ独立に、C1〜5アルコキシ基から選択される、特にメトキシ基である。
適切なシラン化合物は、例えばDow Corningまたは中国のPowder Chemical Companyから市販されている。適切なエチレン性不飽和シラン化合物には、Dow Corningから市販されているZ-6030がある。エチレン性不飽和シラン、例えばビニルシランまたはアクリルシランは、ハロゲン化シラン化合物とハロゲン化エチレン性不飽和化合物とを、非プロトン性溶媒中、例えば国際公開公報第2006/064628号に記載されているように反応させることにより製造することができる。典型的なアクリロイルシランおよび他のエチレン性不飽和シラン化合物は、また、国際公開公報第03/078486号に記載されている。エチレン性不飽和シラン化合物は、また、米国特許第4368297号または米国特許第4518726号に記載されているように、アセチレン、アリルアクリレート、アリルメタクリレートまたはジアリルフタレートと、メチルジメトキシシラン、メチルジクロロシラン、トリメトキシランまたはトリクロロシランとを、VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させることにより合成することができる。
親水性ポリマーは、任意の適切な手段により、マイクロカプセルに共有結合させることができる。一つの場合には、親水性ポリマーは、マイクロカプセルの表面で適切な基と反応されている官能基を有する。親水性ポリマーは、好都合に、モノマー成分の一つの官能基と反応されていてもよい。好ましくは、親水性ポリマーは、得られたマイクロカプセルが、シランと反応されている親水性ポリマーを含有し、したがって親水性ポリマーがマイクロカプセルにシラン成分を介して共有結合するような、シラン化合物と反応性であるポリマーである。
モノマーブレンドを水に乳化させるマイクロカプセルの製造方法において、シランモノマー成分は、好ましくは、加水分解により水と反応する傾向があり、その結果1個以上のアルコキシ基、R2および場合によりR3および/またはR4が、加水分解してヒドロキシ基および脱離基として対応するアルコールを形成する。シランがアルコキシ基を2個以上含有する場合には、それらは通常対応する数のケイ素原子に結合されたヒドロキシ基を生じさせる。シランの加水分解生成物がヒドロキシ基2個以上を含有する場合には、これらの加水分解生成物の間でいくらか縮合があり、2種以上のモノマー単位の結合がもたらされ得る。しかし、一般に、加水分解されたシランモノマーの少なくとも一部が個々のモノマー単位として残る。この加水分解されたシランモノマー、またはその縮合物は、親水性ポリマーと反応するのが好ましい。好ましくは、親水性ポリマーはヒドロキシ基を含有し、そして、親水性ポリマーが、加水分解されたシランモノマー成分と共有結合するように、それぞれのヒドロキシ基を介して縮合によって反応する。
通常、親水性ポリマーは、安定性を得るためにマイクロカプセルの合成で用いる安定化ポリマーである。マイクロカプセルを形成する間、この親水性ポリマーの少なくとも一部は、分散された疎水性相と連続的な水性相との界面に留まる傾向がある。このため、シランモノマー成分と反応するのが望ましい親水性ポリマーが、マイクロカプセルと共有結合する。したがって、親水性ポリマーは、マイクロカプセルの外面に共有結合する傾向がある。典型的には、親水性ポリマーは、マイクロカプセルの外面上に少なくとも部分的なコーティングを形成する。場合によっては、このコーティングは、マイクロカプセルの外面上のコヒーレント層であってよく、完全なコーティングを形成するのでもよい。
典型的には、親水性ポリマーの量は、通常、マイクロカプセルの重量に基づいて少なくとも0.2%であり、しばしば、より高く、例えば40%以下またはそれ以上である。多くの場合、親水性ポリマーは、ポリマーシェル成分の少なくとも5重量%の量で含まれ、通常これよりもはるかに高く、例えば50%以下である。好ましくは、親水性ポリマーの量は、10および45重量%、通常20〜40重量%の範囲内である。
包含され得る、マイクロカプセルの外面に位置し得る他の安定化物質には、上述した水溶性アニオンおよび水溶性カチオンモノマー1種以上のポリマーがある。
本発明のマイクロカプセルは、ポリマーシェル内にコアを含み、コアはコア材料の少なくとも一部として疎水性液体またはワックスを含む。他の材料、例えば、疎水性液体またはワックスの特性を変性する添加剤がコアに包含されてもよい。コア材料中に含まれる他の材料は、親水性であり、疎水性液体またはワックスに懸濁する、例えば無機塩水和物でよい。あるいはまた、他の添加剤は、疎水性物質に混和性または可溶性であるポリマー添加剤とすることができる。通常、コア中に包含する場合は、これらの他の材料は、コア材料の合計の10重量%以下を構成する。多くの場合、他の材料は、コアの5%未満、通常2%未満、例えば0.5〜1.5%を構成する。したがってコアは、通常、疎水性液体またはワックスを少なくとも90%を含む。好ましくは、コア中に含まれる疎水性液体またはワックスの量は、95重量%より多く、より好ましくは98%より多く、特に98.5〜99.5%、100%であってもよい。
コア材料は、UV吸収剤、UVレフレクター、難燃剤、アクティブ・ダイ・トレーサー・マテリアル、顔料、染料、着色剤、酵素、洗剤ビルダーおよび香料よりなる群から選択される活性成分を含むことができる。通常、本発明の文脈の中で、活性成分が放出されることは不必要であろう。顔料が放出されないことが重要な場合には、例えば封入された顔料を、顔料着色物品、例えばセラミックに用いることができる。封入された着色剤、すなわち染料および顔料の多くの他の用途、例えば織物製品の製造への適用もある。したがって、顔料または染料を含むマイクロカプセルは、ファイバーまたは織物物品に組み込むか、付着させることができる。色はマイクロカプセルにより保持され、色浸出の危険性がない。あるいはまた、封入された着色剤は、パッケージ材料、例えば食品パッケージに適用することができる。したがって、食品パッケージに用いる陰影付きの紙またはボードを、封入された顔料または染料を製紙プロセスに含めることにより製造することができる。典型的には、着色剤は、国際出願公開第00/61689号に記載されているように、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントレッド177とすることができる。
封入された顔料の代替の用途として、例えば米国特許第5,382,433号、米国特許第5,320,835号または国際出願公開第98/50002号に記載されているような化粧品がある。典型的には、着色剤は、マイカ、タルク、D&C Red 7 Calcium Lake、D&C Red 6 Barium Lake、Iron Oxide Red、Iron Oxide Yellow、D&C Red 6 Barium Lake、Timiron MP-1001、Mineral(Carnation White)、Helindon Pink、Red 218、Japan Blue No.1 Al lake、ポリシロキサン処理チタンマイカとすることができる。
通常、コアに含まれる疎水性液体またはワックスは、有機材料でよい。例えば、疎水性液体は、オイルまたは溶融ワックスでよい。好ましくは、疎水性物質は、非ポリマー材料である。より好ましくは、疎水性液体またはワックスは、炭化水素である。オイルまたはワックスは、活性材料、例えばUV吸収剤、UVレフレクター、または難燃剤を、その中に分散または溶解して含有することができる。したがってコア材料は、均質でも、あるいはまた、固体活性材料が疎水性物質の連続的なコア媒体全体にわたって分散された分散系を含んでもよい。コア材料が相変化材料を含む場合、通常、相変化材料は、温度−30℃〜150℃で液体であるオイルまたはワックスである。
本発明に適切な難燃剤の代表的な例として、米国特許第5728760号に記載されているブロモベンゾエート、および米国特許第3912792号に示されるハロゲン化ホスフェート、チオホスフェートまたはチオホスホリルクロリドが挙げられる。
本発明の適切な紫外線吸収剤として、例えば米国特許第5508025号で挙げられるナフタレン−メチレンマロン酸ジエステル、または、米国特許第5498345号により特許請求されるベンゾトリアゾール類と2−ヒドロキシベンゾフェノン類との混合物を含む組成物が挙げられる。
コア材料が相変化物質である場合、それは例えば、−30〜150℃の温度で溶融する任意の公知の炭化水素とすることができる。通常、この物質は、ワックスまたはオイルであり、好ましくは融点が20〜80℃で、多くの場合約40℃である。望ましくは相変化物質は、C8-40アルカンでも、またはシクロアルカンでもよい。適切な相変化材料は、これらのアルカンまたはシクロアルカンの全ての異性体である。さらに、望ましくは、これらのアルカンまたはシクロアルカンの混合物を用いることができる。相変化材料は、例えば、n−オクタデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン並びにこれらの異性体および/またはこれらの混合物から選択される任意の化合物であってよい。
本発明の好ましい形態では、コアは、本質的に、例えば少なくとも90%、疎水性物質からなり、これは非ポリマー材料、例えばオイルまたはワックス、特に相変化材料である。好ましい疎水性物質は、本質的に非ポリマーの相変化材料であるが、より少量のポリマー添加剤が相変化非ポリマー材料内に含まれることは本発明の範囲に入る。通常これは、コアの合計重量で10%未満の量であり、多くの場合5重量%未満、例えば0.5〜1.5重量%または2重量%である。特に望ましいポリマー添加剤は、相変化材料の特性を変性する物質である。例えば、相変化材料が熱を吸収すると溶融する温度は、熱を失ったときに凝固する温度と有意に異なる可能性があることは公知である。したがって、特に望ましいポリマー添加剤は、融点および凝固点を近づける物質である。相変化材料の融点/凍結点の変化のこの最小化が、種々の家庭内用途において、または衣類用に重要であリ得る。
あるいはまた、コアに含まれる相変化材料は、炭化水素以外の物質であってもよい。
相変化材料は、液化および凝固相転移の間に潜熱を吸収および放出する無機物質とすることができる。無機物質は、溶解/結晶化転移の間に熱を放出または吸収する化合物とすることができる。このような無機化合物として、例えば、硫酸ナトリウム十水和物または塩化カルシウム六水和物が挙げられる。したがって、無機相変化材料は、特定の温度での転移の間に、熱エネルギーを吸収または放出することができる任意の無機物質でよい。無機相変化材料は、疎水性物質を含むコアマトリックス全体にわたって分散されている微細に分散された結晶の形態とすることができる。一つの形では、無機相変化材料は、固体疎水性物質、例えばワックス全体にわたって分散されている。
あるいはまた、コアに含まれる疎水性物質は実質的に液体のままであり、この液体全体にわたって分散された無機相変化材料の結晶を含有する。好ましくは、疎水性液体は、炭化水素である。相変化の間、結晶は、液体全体にわたって分散された液滴になる。液体の分散された液滴の融合を防ぐために、適切な界面活性剤、例えば油中水型乳化剤を疎水性液体中にを含むのが有利なことがある。好ましくは、無機相変化材料は、ワックスまたはオイルである炭化水素相変化材料のマトリックス全体にわたって分散される。この好ましい態様では、炭化水素および無機材料は、両方、熱を吸収または放出することができる。あるいはまた、炭化水素相は、必ずしも相変化材料でないキャリヤオイルであってよい。この場合、キャリヤオイルは、加工助剤とすることができる。
疎水性液体またはワックスが蓄熱に用いる相変化材料である場合、例えば米国特許第5456852号、または例えば国際特許出願PCT/EP2006/066934(Internal Attorney Docket No 22375、本明細書の出願日には未発表)に記載されているように、過冷却を防ぐために適切な核剤と共に用いることができる。
本発明のマイクロカプセルは、織物(例えば、ファイバー本体内、あるいはまたファイバーまたは織物のコーティング)、自動車用途(循環冷却液または内部デザイン内冷却液での使用を含む)、建設業(例えば、受動または強制換気システムにおいて)、または熱媒液(変性熱媒液内のカプセルとして)を含む種々の用途に用いることができる。本発明のマイクロカプセルを、任意の適切な物品、例えばファイバー、織物製品、セラミック、コーティングなどに組み込むことが可能である。したがって本発明のさらなる局面は、本発明者らは、マイクロカプセルを含む物品を提供する。したがって、本発明によれば、封入された難燃剤、UV吸収剤、アクティブ・ダイ・トレーサー・マテリアル、または相変化材料を含む物品を提供することができる。封入された難燃剤の場合、任意の加工工程、例えばファイバー形成の間、難燃剤が保持されることが望まれている。
したがって、本発明の別の局面では、本発明者らは、マイクロカプセルを含む物品であって、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含むマイクロカプセルを含む、物品を提供する。
物品は、織物製品、または紙もしくはボードパッケージ材料、または無機造形品とすることができる。さらに、封入された難燃剤、UV吸収剤、アクティブ・ダイ・トレーサー・マテリアル、または相変化材料を含む物品を提供することが可能である。封入された難燃剤の場合、難燃剤が、例えば150℃〜約350℃におよぶ温度の任意の加工工程、例えばファイバー形成の間は保持されるが、次におよそ400または500℃を超える過度の温度にさらされたときに放出されることが望まれる。本発明の好適な態様では、マイクロカプセルは、ワックスまたはオイルである相変化材料、およびその中に分散されたか溶解された難燃物質両方を含有するコア材料を含む。したがって、本発明の一つの好ましい形態では、カプセル中に難燃剤が存在すると、過度の温度の下で放出されるならば、相変化材料の発火の危険性は防止または低減される。
本発明の別の態様では、本発明者らは、マイクロカプセルを含むコーティング組成物であって、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含むマイクロカプセルを含む、コーティング組成物を提供する。
コーティング組成物は、任意の適切な基材、例えば紙、木材、金属、プラスチック、セラミックなどに用いることができる。好ましくは、組成物は、織物のコーティング用であり、例えばポリウレタンまたはポリアクリルの織物コーティング組成物とすることができる。典型的には、本発明のコーティング組成物は、本発明の粒状組成物と、従来の量で用いる従来の成分を含む従来のコーティング組成物(例えばアクリルまたはポリウレタン織物コーティング組成物)を合わせることにより調製する。コーティング組成物は、望ましくは、本発明の乾燥粒状マイクロカプセル30〜90重量%、および従来のポリウレタンまたはポリアクリル織物コーティング組成物10〜70重量%を混合することにより調製される配合物である。好ましくは、コーティング配合物は、乾燥マイクロカプセル60〜80重量%、および従来のポリウレタンまたはポリアクリルの織物コーティング組成物20〜40重量%を含む。特に好ましいコーティング配合物は、乾燥カプセル70%、およびポリウレタンまたはポリアクリルの織物コーティング30%を含有するように調製される。
本発明者らは、ファブリックをコーティングする方法であって、工程:
A)織物コーティング組成物を用意し、
B)ファブリックの表面にコーティング組成物を適用し、次いで
C)コーティングを乾燥してコーティングされたファブリックを得ること
を含み、
ここでコーティング組成物は、マイクロカプセルを含む粒状組成物を含み、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含み、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含む、方法も提供する。
典型的には、本発明の乾燥マイクロカプセル、および例えば上述した従来の織物コーティングを含む組成物を調製し、状況によってはマイクロカプセルをコーティング組成物全体にわたって分散させるのに十分な時間、例えば10分攪拌し、次に、実質的に即座にファブリック上にコーティングする。ファブリックは、織布とすることができ、あるいはまた不織布であってもよい。通常、ファブリックに適用するコーティングは、少なくとも50g/mであり、約180g/mでよい。一般に、塗布量80〜120g/m、特に約100g/mが通常望ましい。通常、実験室では、コーティングは、業界で用いられる多数の種々の周知方法を用いて適用することができる。コーティングは、kバーを用いて適用することができる。コーティングされたファブリックは、次に適切な乾燥装置中で乾燥することができ、例えば100℃〜200℃の温度で10分以下乾燥して、コーティングを乾燥および硬化させる。通常コーティングされたファブリックは、200psiを超える圧力(例えば250psi)を用いて、カレンダー仕上げすることができる。
活性材料が、コーティングされたファブリック中のカプセル内に保持されることを示すために、マイクロカプセルを織物コーティング配合物に組み込み、ファブリックにコーティングし、次に200psiを超える圧力(例えば250psi)を用いてカレンダー仕上げし、次にワックスの融点より高温およびそれ未満の温度の連続加熱および冷却(熱サイクル)(例えばオクタデカンの場合、これは10℃から60℃に50回とすることができる)に付すことができる。このコーティングされたファブリックは、次に炭化水素溶剤、例えばヘキサンを用いて洗浄でき、そしてコーティングされたマイクロカプセルのエンタルピーを、示差走査熱測定を用いて測定する。これを、カレンダー仕上げ並びに連続的な加熱および冷却を行う前の元のコーティングされたカプセルのエンタルピーと比べる。
本発明によるさらなる物品は、ファイバーおよび該ファイバーから形成されるファブリックを含み、ファイバーは、それぞれが疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含む、マイクロカプセルを含む。
本発明のこの態様では、ファイバーは、ファイバーのマトリックス内に分散された該マイクロカプセルを含む。通常、マイクロカプセルの直径は、ファイバーの断面直径の半分未満であるべきである。一般に、マイクロカプセルがずっと大きい場合、このような大きなカプセルがファイバー中に存在すると、マイクロカプセルの位置で壊れる傾向があるファイバーをもたらすおそれがあるという危険性がある。典型的には、マイクロカプセルの粒子サイズ直径は、ファイバー直径の30%未満、好ましくは10%未満である。
本発明のマイクロカプセルを含むファイバーは、マイクロカプセルを紡糸液に配合することにより製造できる。次に、紡糸液を、例えば欧州特許出願公開第269393号に記載されているような、標準的な紡糸方法により紡糸することができる。通常、紡糸液は、次にオリフィスを通り抜けて加熱雰囲気へ入り、ここで押出されたドープが硬化してファイバーを形成し、次にこれを集める。
本発明の組成物に含まれるマイクロカプセルは、任意のファイバー、例えばアクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンに配合するのに適切である。
本発明のこの態様によれば、本発明者らは、マイクロカプセルを含有するファイバーを形成する方法であって、工程:
1)該マイクロカプセルと液状紡糸液を組み合わせ、
2)紡糸液を押出し、
3)押出されたドープを少なくとも150℃の温度雰囲気に通し、次いで
4)形成されたファイバーを集めること
を含み、ここでマイクロカプセルは、それぞれが、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含み、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含む、方法を提供する。
望ましくは、ポリマーマイクロカプセルは、ファイバーの形成中に高温度条件が疎水性液体またはワックスの有意な消失を全くもたらさないように、コアに含有される疎水性物質に対して十分に不透性である。本発明者らは、驚くべきことには、ポリマーマイクロカプセルが150℃を超える紡糸温度にさらされるときでさえ、コア材料はほとんどまたは全てのコア材料を保持することができることを見出した。これはまた、紡糸温度が、はるかに高い、例えば200℃を超える場合でさえ見出された。したがって本発明者らは、紡糸プロセスを通したときに、マイクロカプセルが少なくとも98重量%、好ましくは99%の疎水性物質を保持することを見出した。
本発明の特に重要な用途は、ファイバーへのカプセルの組み込みに関するものであり、このマイクロカプセルは相変化物質をコア材料としてを含有する。相変化材料に対するポリマーシェルの耐久性および不透性は、相変化材料の有意な消失を全く伴わずに、マイクロカプセルがファイバーに組み込まれるのを可能にする。相変化材料を含有する含浸ファイバーは、さらに、織物製品に織り込まれることができる。織物製品には、衣類および他のファブリックの品目が含まれ得る。
以下に実施例を示す。
実施例
疎水性オイル(添加シランモノマー含有)マイクロカプセル化:ポリ(ビニルアルコール)安定化
油相を、スチレン4.94g、メタクリル酸2.3g、シラン(γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、Dow Corning Z-6030)2g、およびブタンジオールジアクリレート7.89gを混合することにより調製した。Alperox LP(ELF Atochem)1.4gを加え、その後疎水性液体152gを加えた。
水性相を、ポリ(ビニルアルコール)(Gohsenol GH20R、Nippon Gohseii)5.4g、水169g、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩(50%活性、Lubrizol、France)0.64gを混合することにより調製した。
水性相および油相を40℃に温め、Silverson L4R 実験室ホモジナイザを用いて一緒に乳化させた。10分後、安定なエマルションを得た。
得られたエマルションを、重合用に装備した反応容器に注ぎ、75℃の水浴中に置いた。この温度を3時間維持し、過硫酸アンモニウム水溶液(水10g中0.6g)を加えた。重合マスを80℃に加熱し、この温度で2時間攪拌した後、室温に冷まして最終生成物を得た。最終生成物は、平均粒子サイズが2.5ミクロンの、疎水性コアのポリマーシェルを持つマイクロカプセルの水中分散系である。
疎水性オイル(添加シランモノマー含有せず)マイクロカプセル化:ポリ(ビニルアルコール)安定化
油相を、スチレン4.94g、メタクリル酸2.3g、およびブタンジオールジアクリレート7.89gを混合することにより調製した。Alperox LP(ELF Atochem)1.4gを加え、その後疎水性液体152gを加えた。
水性相を、ポリ(ビニルアルコール)(Gohsenol GH20R、Nippon Gohseii)5.4g、水169g、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩(50%活性、Lubrizol、France)0.64gを混合することにより調製した。
水性相および油相を40℃に温め、Silverson L4R 実験室ホモジナイザを用いて一緒に乳化させた。10分後、安定なエマルションを得た。
得られたエマルションを、重合用に装備した反応容器に注ぎ、75℃の水浴中に置いた。この温度を3時間維持し、過硫酸アンモニウム水溶液(水10g中0.6g)を加えた。重合マスを80℃に加熱し、この温度で2時間攪拌した後、室温に冷まして最終生成物を得た。最終生成物は、平均粒子サイズが2.5ミクロンの、疎水性コアの、ポリマーシェルを持つマイクロカプセルの水中分散系である。
疎水性オイル(添加シランモノマー含有)マイクロカプセル化:ポリ(ビニルアルコール)安定化せず
油相を、スチレン4.94g、メタクリル酸2.3g、シランA-174(γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、Dow Corning Z-6030)2g、およびブタンジオールジアクリレート7.89gを混合することにより調製した。Alperox LP(ELF Atochem)1.4gを加え、その後疎水性液体152gを加えた。
水性相を、ドデシルスルホン酸ナトリウム4g、水169g、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩(50%活性、Lubrizol、France)0.64gを混合することにより調製した。
水性相および油相を40℃に温め、Silverson L4R実験室ホモジナイザを用いて一緒に乳化させた。10分後、安定なエマルションを得た。
得られたエマルションを、重合用に装備した反応容器に注ぎ、75℃の水浴中に置いた。この温度を3時間維持し、過硫酸アンモニウム水溶液(水0.6g中10g)を加えた。重合マスを80℃に加熱し、この温度で2時間攪拌した後、室温に冷まして最終生成物を得た。
最終生成物は、未封入材料の痕跡を表面に含有する分散系であった。
分析
粒子サイズ
粒子サイズ分析を、Quixcel分散系およびR4レンズを備えたSympatecアナライザー(Sympatec GmbH)を用いて行った。
熱重量分析(TGA)
熱重量分析を、Perkin Elmer TGAを用いて、温度範囲110℃〜500℃で行った。
結果:
1:シラン添加の効果(ポリ(ビニルアルコール)安定化)
Figure 0005226692
シラン導入の効果は、表中の半値の値を比べると分かる。内圧、すなわちより頑強な壁のビルドアップのために、半値が高いほどマイクロカプセルは破裂に抵抗する。酸包含のより高いレベルでは、シランを添加すると、半値を334°から360°より高く上げ、そして同時に質量減少を4〜7%に減らす。
2:シラン添加の効果:安定剤のバリエーション
Figure 0005226692
結果から分かるように、ポリ(ビニルアルコール)安定剤がない場合には、シランの添加は有効な壁の形成をもたらさず、カプセルは中程度の加熱の下でも質量減少が高い傾向がある。これはまた、SDSおよびSDBSの両方が使用するレベルで安定なエマルションは形成できるので、PVOHとシランの間に相互作用が存在する証拠を与える。
3:シラン添加の効果:壁組成物のバリエーション
Figure 0005226692

全ての配合物は、シェル成分の残部として2官能アクリレートも含有する。
結果から分かるように、シラン包含の効果は、多数のモノマーにわたって類似しており、効果の正確な度合いはモノマータイプによって異なる。

Claims (25)

  1. 疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
    i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含み、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%の量で存在する、マイクロカプセル。
  2. 疎水性オイルまたはワックス45〜95重量%、
    シェル5〜65重量%
    を含む、請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 一官能エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、アクリル酸のC1〜C12アルキルエステル、およびメタクリル酸のC1〜C12アルキルエステルから選択される、請求項1または2記載のマイクロカプセル。
  4. 多官能エチレン性不飽和モノマーが、アルカンジオールジアクリレートである、請求項1〜3のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  5. シラン化合物が、エチレン性不飽和部分を少なくとも1つ、およびケイ素原子に結合されたアルコキシ基を少なくとも1個含む、請求項1〜4のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  6. シラン化合物が、式I:
    Figure 0005226692

    (式中、R1は、アルキル基に結合されたエチレン性不飽和部分を含有し、R2は、アルコキシ基であり、R3およびR4は、それぞれ独立に、R1、R2と同じであるか、または非置換もしくは置換アルキル、アルコキシ、アリール、アルカリールまたはアラルキルである)によって定義される、請求項1〜5のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  7. R1が、アリル、メタリル、アクリロイルオキシアルキル、メタクリロイルオキシ、アクリルアミドアルキルおよびメタクリルアミドアルキルよりなる群から選択される、請求項6記載のマイクロカプセル。
  8. R2、R3およびR4が、それぞれ独立に、C1-5アルコキシ基から選択される、請求項6または7記載のマイクロカプセル。
  9. 親水性ポリマーが、シラン化合物と反応性であるポリマーである、請求項1〜8のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  10. 親水性ポリマーが、水溶性のヒドロキシ含有ポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  11. 親水性ポリマーが、ポリビニルアルコールである、請求項10記載のマイクロカプセル。
  12. 疎水性液体またはワックスが、炭化水素である、請求項1〜11のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  13. 疎水性液体またはワックスの融点が温度−30℃〜150℃である、請求項1〜12のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  14. コアが、UV吸収剤、UVレフレクター、難燃剤、アクティブ・ダイ・トレーサー・マテリアル、顔料、染料、着色剤、スケール防止剤、コロージョンインヒビター、酸化防止剤、流動点降下剤、ワックス付着防止剤、分散剤、殺生物剤、酵素、洗剤ビルダー、香料、相変化材料およびシリコーン油よりなる群から選択される活性成分を含有する、請求項1〜13のいずれか1項記載のマイクロカプセル。
  15. 疎水性液体またはワックスを含有するコアおよびポリマーシェルを含むマイクロカプセルの製造方法であって、工程:
    1)i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    を、含むモノマーブレンドを用意し(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)、
    2)モノマー混合物と疎水性液体または溶融疎水性ワックスとを組み合わせて、モノマー溶液を形成し、
    3)シラン化合物と反応性である親水性ポリマーを含む水性相を形成し、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%で存在し、
    4)モノマー溶液を水性相に均質化して、エマルションを形成し、
    5)エマルションを重合条件に付し、次いで
    6)モノマーを重合して、水性相にマイクロカプセルの分散系を形成すること
    を含む、マイクロカプセルの製造方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項記載の特徴のいずれかを含む、請求項15記載の方法。
  17. モノマーをフリーラジカル重合に付す、請求項15または16記載の方法。
  18. 熱開始剤をモノマーと組み合わせ、エマルションを、少なくとも50℃の温度に、重合を行うのに十分な時間加熱する、請求項15〜17のいずれか1項記載の方法。
  19. 親水性ポリマーが、安定化ポリマーである、請求項15〜18のいずれか1項記載の方法。
  20. 安定化ポリマーが、水溶性のヒドロキシ含有ポリマーである、請求項15〜19のいずれか1項記載の方法。
  21. エマルションを、温度50〜80℃に、90〜150分の間維持し、次に、少なくとも80℃の温度に少なくとも30分の間付す、請求項20記載の方法。
  22. マイクロカプセルを含む物品であって、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
    i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含み、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%で存在する、マイクロカプセルを含む物品。
  23. マイクロカプセルを含むコーティング組成物であって、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
    i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含み、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%で存在する、マイクロカプセルを含む、コーティング組成物。
  24. 織布又は不織布をコーティングする方法であって、工程:
    A)織物コーティング組成物を用意し、
    B)織布又は不織布の表面にコーティング組成物を適用し、次いで
    C)コーティングを乾燥してコーティングされた織布又はコーティングされた不織布を得ること
    を含み、
    ここでコーティング組成物は、マイクロカプセルを含む粒状組成物を含み、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
    i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェル含み、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含み、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%で存在する、方法。
  25. マイクロカプセルを含むファイバーであって、マイクロカプセルがそれぞれ、疎水性液体またはワックスを含有するコア、並びに
    i)重合性シラン化合物1〜20重量%、
    ii)疎水性一官能エチレン性不飽和モノマー1〜94重量%、
    iii)多官能エチレン性不飽和モノマー5〜98重量%、および
    iv)他の一官能モノマー0〜60重量%
    から形成される(ここで、成分(i)、(ii)、(iii)および(iv)の合計は100%である)ポリマーシェルを含むマイクロカプセルであって、マイクロカプセルは、マイクロカプセルに共有結合された親水性ポリマーも含むマイクロカプセルを含み、親水性ポリマーが、ポリマーシェルの重量に基づいて5〜50重量%で存在する、ファイバー。
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