JPH10139819A - 微小カプセルの製造方法 - Google Patents

微小カプセルの製造方法

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JPH10139819A
JPH10139819A JP8300190A JP30019096A JPH10139819A JP H10139819 A JPH10139819 A JP H10139819A JP 8300190 A JP8300190 A JP 8300190A JP 30019096 A JP30019096 A JP 30019096A JP H10139819 A JPH10139819 A JP H10139819A
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JP
Japan
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emulsifying
outer shell
microcapsules
hydroxyalkyl group
diisocyanate
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JP8300190A
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English (en)
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Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Takeshi Kusufuji
健 楠藤
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性油性液の乳化力および保護コロイド性
に優れ、反応が短時間で簡単であり、作業性が良好であ
り、外殻の緻密性に優れ、かつ微小カプセルの粒径分布
が小さい微小カプセルを得ることが可能な微小カプセル
の水性分散液の製法を提供することにある。 【解決手段】 炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基
を側鎖に有する変性ポリビニルアルコールを含有する水
性媒体中において、疎水性油性液体の乳化分散を行うと
共に乳化分散させた疎水性油性液体の周囲に多価イソシ
アネートと活性水素含有化合物を反応させることにより
外殻を形成させることを特徴とする微小カプセルの水性
分散液の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は疎水性油性液体の周
囲に外殻を有する微小カプセルの水性分散液の製造方法
に関する。さらに詳しくは、感圧記録シートの製造原料
として好適な疎水性油性液体の周囲に外殻を有する微小
カプセルの水性分散液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、微小カプセル化の方法として
は、機械的方法、物理化学的方法、化学的方法などがあ
り、目的に応じて各種方法が用いられている。その中で
もコアセルヴェーション法は応用範囲が広いことから好
んで用いられている。しかしながら、コアセルヴェーシ
ョン法は主原料としてゼラチンを用いていることから、
耐水性が不足しカプセル壁の緻密性が不足したり、製造
工程が複雑で微妙な制御が必要となるなどの問題点を有
している。上記の問題点を解決する方法として、疎水性
油性液と親水性液の界面で、ポリウレア、ポリウレタン
などの合成樹脂皮膜を形成させて、疎水性油性液の周囲
にこれらの合成樹脂皮膜からなる外殻を有するを微小カ
プセル化する界面重合法が提案されている。
【0003】特公昭42−446号、特公昭42−77
1号、特公昭42−2882号、特公昭42−1134
4号、特公昭47−20069号などによると、界面重
合法による多価イソシアネートと水あるいはアミンなど
の活性水素を有す化合物との反応によるポリウレア壁膜
を有するカプセル、エポキシ壁膜を有するカプセル、ポ
リエステル壁膜を有するカプセル、ポリアミド壁膜を有
するカプセルを得る方法が提案されているが、これらの
微小カプセルは壁膜が薄いために広範な用途に使用でき
ないという問題がある。特公昭47−43740号、特
公昭52−13508号などによると、ポリビニルアル
コールを含む親水性液体中で多価イソシアネートを反応
させてカプセルを得る方法が提案されているが、界面活
性の高い部分けん化ポリビニルアルコールを用いること
から、発泡などが生じ作業性に問題がある。特公平6−
55274号によると、作業性を改良するために、ブロ
ック的にけん化した部分けん化ポリビニルアルコールを
用いることが提案されているが、カプセルの緻密性が依
然として不充分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疎水
性油性液の乳化力および保護コロイド性に優れ、反応が
短時間で簡単であり、作業性が良好であり、外殻の緻密
性に優れた微小カプセルを得ることが可能な微小カプセ
ルの水性分散液の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、炭素数1〜20のヒ
ドロキシアルキル基を側鎖に有する変性ポリビニルアル
コールを含有する水性媒体中において、疎水性油性液体
の乳化分散を行うと共に乳化分散させた疎水性油性液体
の周囲に多価イソシアネートと活性水素含有化合物を反
応させることにより外殻を形成させることを特徴とする
微小カプセルの水性分散液の製造方法を見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の微小カプセルの製造方法は一般的には、炭素数
1〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有する変性ポ
リビニルアルコール(以下、PVAと略記する)を含む
水溶液を調整し、この水溶液中にカプセルに内包される
疎水性油性物質を乳化分散する。多価イソシアネート
は、疎水性油性物質の乳化の前後どちらで加えてもよ
い。次に、活性水素含有化合物を添加し攪拌しながら昇
温し、所定時間保持することにより反応させてカプセル
の外殻壁膜を形成させ、必要に応じてpH調整などの後
処理を行ってカプセル化を終了する。
【0007】本発明に用いられる疎水性油性物質の乳化
分散剤は、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を側
鎖に有する変性PVAであることが必須であるが、さら
に水溶性高分子を併用することも可能である。水溶性高
分子としては、水溶性の天然または合成のアニオン性高
分子およびノニオン性高分子が挙げられる。アニオン性
高分子のアニオン性基としてはカルボキシル基、スルホ
ン酸基および硫酸基が挙げられる。水溶性高分子の具体
例としては、アラビヤゴム、アルギン酸、カルボキシメ
チルセルローズ、フタル酸ゼラチン、硫酸化セルロー
ス、硫酸化デンプン、リグニンスルホン酸、ゼラチン、
(メタ)アクリル酸系重合体、アクリルアミド系重合
体、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸系重合
体、無水マレイン酸系重合体、ビニルベンゼンスルホン
酸系重合体、無変性PVA、カルボキシル基変性PV
A、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース、セルロースアセトブチレート、ヒド
ロキシメチルセルロース、プルラン、酸化デンプン、可
溶性デンプンなどが挙げられる。また必要に応じて、ロ
ート油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビ
タン脂肪酸などの界面活性剤を併用することも可能であ
る。
【0008】本発明の変性PVAの側鎖は炭素数1〜2
0のヒドロキシアルキル基であり、該側鎖はビニルアル
コール系重合体の主鎖に直接結合していることが必要で
ある。本発明の変性PVAのヒドロキシアルキル基の炭
素数は、1〜20であり、2〜15が好ましく、3〜1
0がより好ましい。ヒドロキシアルキル基は、少なくと
も1個のヒドロキシル基(水酸基)を有するアルキル基
であり、水溶性や界面活性の点で、ωーヒドロキシアル
キル基がより好ましい。ヒドロキシアルキル基のアルキ
ル基としては、その水素原子が炭素数1〜9の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。側鎖
に炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を有する単量
体単位としては、ヒドロキシル基含有オレフィン単位が
挙げられる。ヒドロキシル基含有オレフィン単位のなか
でも、ビニルアルコール系重合体の重合度の制御の容易
性やヒドロキシアルキル基を有する単量体単位の含有量
の制御の容易性などの点から、3-ブテン-1- オール、4-
ペンテン-1- オール、5-ヘキセン-1- オール、7-オクテ
ン-1- オール、9-デセン-1- オール、11- ドデセン-1-
オール、3-メチル-3- ブテン-1- オール、5-ヘキセン-
1,2- ジオール、7-オクテン-1,2,3- トリオール、7-オ
クテン-2,2- ジ(ヒドロキシメチル)-1- オールなどに
由来する単量体単位が好ましい。これらの単量体単位の
ほかに、ビニルアルコール系重合体の原料であるビニル
エステル系重合体のけん化反応時に、ヒドロキシル基の
生成が可能なエステル基を含有する単量体単位、例えば
アリルアセテートであってもよい。
【0009】本発明の変性PVAにおける炭素数1〜2
0のヒドロキシアルキル基の含有量については特に制限
はないが、その好適な含有量は0.1〜25モル%が好
ましく、0.3〜15モル%がより好ましい。ヒドロキ
シアルキル基の含有量が0.1モル%未満の場合には、
界面活性の向上の程度が低く、上述の顕著な効果を満足
する微小カプセルが得られず、ヒドロキシアルキル基の
含有量が25モル%より大の場合には、水溶性が低下す
ると同時に高重合度のものを得にくく、本発明の変性P
VAとしての特徴が低下し、上述の効果を満足する微小
カプセルが得られなくなる。
【0010】本発明の変性PVAのけん化度は、微小カ
プセル製造時の作業性および疎水性油性物質表面へのア
ミノアルデヒド樹脂の堆積に深く関係している。けん化
度が低すぎると乳化分散性は優れるが、水に溶解する際
に泡が発生し易くママコもできやすい。その結果、カプ
セル外殻壁膜を形成させる反応中にも泡が発生し易く、
反応時の攪拌を調節する必要があり、充分な攪拌ができ
ないことから反応容器壁にスケールが発生する場合があ
る。さらにはアミノアルデヒドの重縮合の際にアセター
ル反応によりスラリーが増粘したり、微小カプセルの緻
密性が低下する傾向にある。一方、けん化度が高すぎる
と乳化安定性が劣る。従って、本発明の変性PVAのけ
ん化度は、水溶性もしくは水分散性を有する範囲内で、
通常75〜99.95モル%が好ましく、82〜99.
9モル%がより好ましく、85〜99.7モル%がさら
に好ましい。本発明の変性PVAの重合度としては特に
制限はないが、通常50以上であり、50〜8000の
範囲が好ましく、80〜3000がより好ましい。変性
PVAの重合度は、JIS−K6726に準じ、再けん
化後精製した重合体について、水中、30℃で測定した
極限粘度[η]から次式により求めた粘度平均重合度
(P)で表したものである。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) 重合度が50未満の場合には乳化分散性は優れるものの
保護コロイド性が低下し本発明の微小カプセルが得られ
ず、8000を越える場合には変性PVAの工業的な製
造に問題がある。
【0011】本発明の変性PVAの製法としては、ビニ
ルエステルとヒドロキシアルキル基含有オレフィンとを
共重合して得られたビニルエステル系重合体を、アルコ
ールあるいはジメチルスルホキシド溶液中でけん化する
方法などの公知の方法が挙げられる。ビニルエステルと
しては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられ、この中でも酢酸
ビニルが好ましい。
【0012】本発明の変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲で、好ましくは5モル%以下の変性量で、
共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したもの
でもよい。このようなエチレン性不飽和単量体として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンな
どのオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無
水)イタコン酸などの不飽和酸類あるいはその塩あるい
は炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;
アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アク
リルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリ
ルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩ある
いはその4級塩などのアクリルアミド類;メタクリルア
ミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリ
ルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリ
ルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩ある
いはその4級塩などのメタクリルアミド類;N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセ
トアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素
数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアル
キルビニルエーテル、アルコキクシアルキルビニルエー
テルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルな
どのハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランな
どのビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリル
アルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−
(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アン
モニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸などが挙げられる。また、本発明の変性P
VAは、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などの
チオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステル系単量体を、ヒドロキシアルキル基含有オレフィ
ンと共重合し、それをけん化することによって得られる
末端変性物でもよい。
【0013】ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含
有オレフィンとの共重合の方法としては、塊状重合法、
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法
が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコール
などの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常
採用され、高重合度のものを得る場合には、乳化重合が
採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられ
る。共重合に使用される開始剤としては、α, α'-アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n
ープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤
または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられ
る。重合温度については特に制限はないが、室温〜15
0℃の範囲が適当である。
【0014】ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含
有オレフィンとの共重合体は、アルコールに溶解した状
態、あるいは場合によっては含水アルコールに溶解した
状態でけん化される。けん化反応に使用されるアルコー
ルとしては、メチルアルコール、エチルアルコールなど
の低級アルコールが挙げられ、メチルアルコールが特に
好適に使用される。けん化反応に使用されるアルコール
には、40重量%以下であれば、アセトン、酢酸メチル、
酢酸エチル、ベンゼン等の溶剤を含有していてもよい。
けん化反応に用いられる触媒としては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、
ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒、あるいは鉱
酸などの酸触媒が用いられる。けん化反応の温度につい
ては特に制限はないが、20〜60℃の範囲が適当であ
る。けん化反応の進行に伴って、ゲル状生成物が析出し
てくる場合には、その時点で生成物を粉砕し、洗浄後、
乾燥することにより、本発明の変性PVAが得られる。
【0015】本発明において使用する炭素数1〜20の
ヒドロキシアルキル基を側鎖に有する変性PVAまたは
変性PVAと水溶性高分子の固形分量は、一般に、微小
カプセルに内包する疎水性油性液体に対する重量比で
0.1〜10が好ましく、0.2〜6がさらに好まし
い。さらに、変性PVAまたは変性PVAと水溶性高分
子の固形分量は、乳化分散性とスラリー粘度の点から、
親水性媒体に対する重量比で0.5〜15%が好まし
く、1〜10%がさらに好ましい。
【0016】本発明において、疎水性油性物質の外殻壁
膜を形成するために使用される多価イソシアネートの例
としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイソシアネ
ート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、キシリ
レン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3
−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレ
ン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジ
イソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシ
アネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネー
ト、エチリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ジメチルシリルジイソシアネート、ビニルメ
チルシリルジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネ
ート、エチリジンジイソチオシアネート、キシリレン−
1,4−ジイソチオシアネート、ビス(イソシアネート
メチル)シクロヘキサン、ジクロロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ートなどのジイソシアネートまたはジイソチオシアネー
ト、4,4’,4”−トリフェニルメチントリイソシア
ネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、
メチルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリ
イソシアネート、オクタデシルシリルトリイソシアネー
ト、ビニルシリルトリイソシアネート、メトキシシラン
トリイソシアネート、ブトキシシラントリイソシアネー
ト、オクチルシラントリイソシアネート、2,6−ジイ
ソシアネートカプロン酸−β−イソシアネートエチルエ
ステル、2,6−ジイソシアネートカプロン酸−γ−イ
ソシアネートプロピルエステル、2,6−ジイソシアネ
ートカプロン酸−2−メチル−β−イソシアネートエス
テル、ヘキサメチレントリイソシアネートなどのトリイ
ソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、テトライソシアネートシラン、4,4’−ジフェニ
ルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイ
ソシアネートから誘導される残基を含有するビュウレッ
ト型ポリイソシアネートなどの多価イソシアネート、お
よびこれらの多価イソシアネート類を多価アミン、多価
カルボン酸、多価チオール、多価ヒドロキシ化合物、エ
ポキシ化合物などの親水性基含有化合物に付加させたも
のなどが挙げられる。多価イソシアネートの固形分量
は、一般に、疎水性油性液体に対する重量比で0.01
〜55が好ましく、0.02〜40がさらに好ましい。
【0017】多価イソシアネートと反応して外殻を形成
する活性水素含有化合物としては、水、(多価)アミン
化合物、PVA、分散剤として機能する前記の炭素数1
〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有する変性PV
Aなどが挙げられる。多価アミンとしては、分子中に2
個以上の一級あるいは二級アミノ基を有し、水性媒体中
に溶解もしくは分散可能なものなら全て使用可能であ
る。多価アミンの例としては、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
などの脂肪族アミン、ピペラジンなどの脂環式多価アミ
ン、3,9−ビス−アミノプロピル−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ−[5,5]ウンデカンなどの複
素環状ジアミンなどが挙げられる。添加される多価アミ
ンの固形分量は、使用する多価イソシアネートの種類や
量に応じて適宜設定されるが、多価イソシアネートに対
する重量比で0.01〜200が好ましく、0.5〜1
00がさらに好ましい。
【0018】微小カプセルに内包される疎水性油性物質
の例としては、石油およびその留分例えばケロシン、ガ
ソリン、ナフサ、灯油ならびにパラフィン油、綿実油、
落花生油、亜麻仁油、大豆油、とうもろこし油、水素化
ターフェニル化合物、リン酸化合物、ビフェニル化合
物、ナフタレン化合物、メタン化合物、フタル酸化合
物、サリチル酸化合物などが挙げられ、これらが単独ま
たは混合して使用される。これらの天然鉱物油、動物
油、植物油および合成油中に、医薬、農薬、化成品、香
料、発色剤、顕色剤、触媒および防錆剤などを使用目的
に応じて適宜混合することも一向に差しつかえない。
【0019】変性PVAと多価イソシアネートの反応を
行う際の反応温度は、30〜99℃が好ましく、40〜
97℃がさらに好ましく、50〜95℃が特に好まし
い。微小カプセルの平均粒径は用途に応じて適宜選択さ
れるが、感圧記録シートに用いる場合、カプセルの重量
平均粒径としては0.5〜20μmが好ましく、1.0
〜15μmがさらに好ましく、1.5〜10μmが特に
好ましい。
【0020】
【実施例】本発明の微小カプセルの製法を実施例により
さらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較
例において「部」および「%」は、特に断らない限り重
量基準を意味する。変性PVA中の側鎖のヒドロキシア
ルキル基、ビニルエステル単位、ビニルアルコール単位
および他のコモノマー単位の含有量は、重水素化DMS
Oを溶媒に用いて270MHzの1 HーNMRにより定
量した。また、PVAの表面張力、カプセル製造中の乳
化液およびカプセルの平均粒径、カプセルの耐熱性を表
す緻密性および耐コスレ性は、下記の方法で評価した。
【0021】(1)表面張力 変性PVAの20℃、1%水溶液を調製して60分間静
置した後、ウィルヘルミー法(プレート法)により、表
面張力を測定した。 (2)平均粒径および粒径分布 疎水性油性液を変性PVAなどで乳化したエマルジョン
の平均粒径ならびにこのエマルジョンをアミノアルデヒ
ド重縮合物(外殻)でカプセル化した微小カプセルの平
均粒径は、エマルジョンおよびカプセル含有液を蒸留水
で希釈した後、電気泳動光散乱光度計ELS800(大
塚電子社製)により20℃で測定した。
【0022】(3)外殻壁膜の緻密性 微小カプセル含有液をワイヤーバーで塗布量が3.5g
/m2 になるように紙上に塗布し乾燥させた微小カプセ
ル塗布紙を、105℃のオーブン中に24時間放置後、
微小カプセルに内包される油性物質のエタノールにより
抽出されなかった量(W1 )を測定した。次に、微小カ
プセル塗布紙を熱処理(105℃のオーブン中に24時
間放置)しないこと以外は上記と同様にして、微小カプ
セルに内包される油性物質のエタノールにより抽出され
なかった量(W2 )を測定した。下記の式により、緻密
性を計算した。 緻密性(%)=(W1 /W2 )×100 尚、緻密性の良好なものは、その値が大きく、90%以
上であれば実用上緻密性に優れると言える。
【0023】(4)耐コスレ性 緻密性試験時に作製した微小カプセル塗布紙を2枚重ね
合わせ、手で10回擦り合わせ、呈色剤塗布面の発色汚
れの程度を判定した。 ◎:ほとんど汚れていない。 ○:僅かに汚れている。
【0024】実施例1 (ヒドロキシアルキル基を側鎖に有する変性PVAの製
造)還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管および後
添加液用の仕込み口とポンプを備えた5リットルの重合
槽に酢酸ビニルを2850g、7-オクテン-1- オールを600
g、メタノールを710g仕込んだ。重合液を撹拌しなが
ら、系内を窒素置換して加温し、60℃の恒温になった時
点で、2,2'- アゾビスイソブチロニトリルを44g添加し
て重合を開始した。重合開始時点より系内の固形分濃度
を分析しつつ重合を行い、4時間後に重合槽を冷却する
ことにより重合を停止した。重合停止前の重合率は57%
であった。次いで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを
除去し、メタノール溶液とした。35%に調整した該溶
液にモル比(NaOHのモル数/ポリ酢酸ビニル中の酢
酸ビニル単位のモル数)0.05のNaOHメタノール
溶液(10%濃度)を添加してけん化し、変性PVA
(PVA−1とする)を得た。得られた変性PVAのけ
ん化度は98.6モル%であった。変性PVAの1%水
溶液の表面張力は53.2dyne/cmであった。
【0025】重合、未反応酢酸ビニルモノマー除去して
得られたポリ酢酸ビニル(以下、PVAcと略記する)
のメタノール溶液をnーヘキサンに沈殿、アセトンで溶
解する再沈−精製を3回行った後、60℃で減圧乾燥し
て精製PVAcを得た。上記のPVAcのメタノール溶
液をアルカリモル比0.2 でけん化した後、メタノールソ
ックスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製PVA
を得た。該PVAの平均重合度を常法のJIS K67
26に準じて測定したところ500であった。得られた
PVA中の7-オクテン-1- オール単位の含量は2.5モ
ル%であった。
【0026】(微小カプセルの調製および評価)PVA
−1の5%水溶液100部に、別途クリスタルバイオレ
ットラクトン4.0部、ベンゾイルロイコメチレンブル
ー1.0部、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
5部および2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソ
シアネートヘキサノエート1部をジイソプロピルナフタ
レン100部に90℃,1時間加熱溶解して得た染料油
を添加し、攪拌混合した後、ホモミキサーを用いて10
0V、9000rpmの条件下2分間乳化させてO/W
型エマルジョンを得た。このエマルジョンを蒸留水で希
釈した後、電気泳動光散乱光度計ELS800(大塚電
子社製)にて測定した平均粒径は4.0μmであった。
このエマルジョンを攪拌しながらジエチレントリアミン
1部を添加し、90℃に昇温し3時間カプセル化反応を
行った後、系の温度を室温に下げ発色剤オイル含有のカ
プセル化を終了した。反応中の発泡はほとんどなく、反
応終了後の反応容器への付着もほとんどなかった。微小
カプセルの平均粒径を測定した結果、4.1μmであっ
た。微小カプセルの外殻壁膜の緻密性は96%、耐コス
レ性は呈色剤塗布面の発色汚れはほとんどなく、いずれ
の試験結果も良好であった。
【0027】実施例2〜7 酢酸ビニルおよびメタノールの量、ヒドロキシアルキル
基含有オレフィンの種類および量、第三成分となるコモ
ノマーの使用、重合時間および重合率を変更する以外は
実施例1と同様の操作、精製および分析を行い、表1に
示す炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有
する変性PVAを得た。実施例1で用いたPVA−1を
表1に示すPVA系重合体に変える以外は、実施例1と
同様にして微小カプセルを調製し得られたカプセルの評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0028】比較例1〜4 実施例1で用いたPVA−1を表1に示すPVA系重合
体に変える以外は、実施例1と同様にして微小カプセル
を調製し得られたカプセルの評価を行った。表1に示す
PVA−11は、表1に示すPVA−10と同一の重合
度、けん化度を有し、酢酸残基をブロック的にしたもの
である。その結果を併せて表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】(発泡) ◎:ほとんど発泡なし ○:僅かに発泡あり △:かなり発泡あり ×:激しく発泡 (スケール付着) ◎:ほとんど付着なし ○:僅かに付着あり △:かなり付着あり
【0032】表2より明らかな様に、炭素数1〜20の
ヒドロキシアルキル基を側鎖に有する変性PVAを用い
たものは、変性PVAの乳化性および保護コロイド性が
高いため、比較的けん化度が高いものも使用することが
でき、かつ該変性PVAは界面活性が高いにも拘わらず
泡がたちにくいことからスケール付着がほとんどなく作
業性に優れ、且つ粒径が小さく、緻密性および耐コスレ
性に優れた微小カプセルが得られることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の微小カプセルの製法は、従来の
水溶性高分子化合物あるいはポリビニルアルコールを乳
化分散剤として使用したものに比べて、作業中の発泡や
スケール付着がほとんどなく作業性に優れており、カプ
セル粒子が小さくかつ粒径分布が小さく、極めてカプセ
ルの緻密性に優れたものが得られる。本発明の方法によ
って製造される微小カプセルは、香料、医薬品、染料、
顔料、燃料、農薬、接着剤、溶剤、液晶、その他多くの
ものに適用可能で、とりわけ感圧複写紙、印刷インキの
用途に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基
    を側鎖に有する変性ポリビニルアルコールを含有する水
    性媒体中において、疎水性油性液体の乳化分散を行うと
    共に乳化分散させた疎水性油性液体の周囲に多価イソシ
    アネートと活性水素含有化合物を反応させることにより
    外殻を形成させることを特徴とする微小カプセルの水性
    分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルキル基がωーヒドロキシ
    アルキル基である請求項1記載の微小カプセルの水性分
    散液の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510059A (ja) * 2006-11-21 2010-04-02 チバ ホールディング インコーポレーテッド マイクロカプセル、その使用およびその製造方法

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