JP2002205458A - ポリ尿素壁を有するミクロカプセル - Google Patents

ポリ尿素壁を有するミクロカプセル

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JP2002205458A
JP2002205458A JP2001310109A JP2001310109A JP2002205458A JP 2002205458 A JP2002205458 A JP 2002205458A JP 2001310109 A JP2001310109 A JP 2001310109A JP 2001310109 A JP2001310109 A JP 2001310109A JP 2002205458 A JP2002205458 A JP 2002205458A
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ギユンター・クルーク
Juergen Weiser
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    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】無炭素コピー紙を製造する過程で破壊されない
堅固な壁を有するミクロカプセルを提供する。 【解決手段】酸性現像剤の存在下で無色から着色状態へ
変化する色形成剤を内部に含有するミクロカプセルの壁
をポリイソシアネートとグアニジン化合物およびアミン
との反応によって得られるポリ尿素で形成させる。これ
はポリイソシアネートと添加剤を含む油相と安定剤や助
剤を含む水相とをエマルジョンに変化させ、さらにこれ
にグアニジン化合物とアミンを架橋剤として添加するこ
とによって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はポリイソシアネートとグアニジン
化合物とアミンの反応で得られるポリ尿素を含んで成る
壁を持たせたミクロカプセル(microcapsul
es)、前記ミクロカプセルの製造方法、そして前記ミ
クロカプセルを用いて生じさせた無炭素コピー紙(ca
rbonless copy papers)に関す
る。
【0002】無炭素コピー紙はそれの裏側がミクロカプ
セルの層で覆われている。このミクロカプセルは色形成
剤(colour former)が油に入っている溶
液を含有しており、それが色形成剤と呼ばれる理由は、
それは酸性現像剤の存在下で無色から着色状態への色変
化を数秒以内に起こし得るからである。
【0003】次に、カプセルで覆われた紙を現像剤が下
塗りされている紙の上に前記カプセルが前記現像剤と直
接接触するような様式で位置させた後、そのようなカプ
セル封じされた(capsuled)紙の裏側に書き込
みを行うと、書き込み操作の圧力下で前記カプセルが破
裂して前記色形成剤が放出され、それによって現像剤側
に着色した画像が現れる。
【0004】このような方法の1つの変法では、カプセ
ルで被覆しておいた紙を後で現像剤の層で直接被覆する
(それによって自身が2つの層を含有する紙が生じる)
か、或はカプセルを現像剤と一緒に直接混合しそしてそ
れを紙に被覆する(自身が単一の層を含有する紙が生じ
る)。このようなSC紙の場合、機械的圧力、例えば1
枚の未被覆紙を上に置いてその上に書き込みを行うこと
などで、被覆側に画像を直接生じさせることができる。
【0005】無炭素コピー紙は世界的に用いられてお
り、本質的な差は用いられているミクロカプセルの壁の
性質のみである。通常はゼラチン、メラミン−ホルムア
ルデヒド、ポリウレタンまたはポリ尿素のカプセルであ
る。ポリ尿素カプセルの製造は一般に界面重付加方法で
行われており、それの基本的特徴の概略をここに示す。
【0006】一般的には、適切な色形成剤を油に加熱を
伴わせて溶解させた後、ポリイソシアネートを添加す
る。加うるに、保護コロイド、例えばポリビニルアルコ
ールなどの水溶液も調製する。次に、乳化装置を用い
て、前記油相と水相を所望カプセルの平均直径に実質的
に等しい粒子サイズを有する微細な水中油エマルジョン
に変化させる。
【0007】同時または次の操作で、前記エマルジョン
をアミンもしくはアミン様物質(本明細書では以降「架
橋剤」と呼ぶ)が入っている水溶液と混合する。それに
よって、油に溶解しているイソシアネートの迅速な反応
が油/水相境界で起こることでポリ尿素薄膜が生じる。
熱を供給しかつ反応時間を適切にすることを通して、そ
のような重付加を実質的に定量的に起こさせることがで
きる。このような方法は界面方法として知られる。結果
として得られる最終製品は、水に分散していてイソシア
ネートを含まない油滴で、これらは弾性のあるポリ尿素
壁で取り巻かれており、このような油滴はミクロカプセ
ルとして知られる。この種類の典型的な方法および結果
として得られるカプセルが、例えば米国特許第5,22
5,118号、米国特許第5,164,126号、ヨー
ロッパ特許出願公開第780 154号、米国特許第
5,635,211号、米国特許第5,643,506
号、ヨーロッパ特許出願公開第0 535 384号な
どに記述されている。
【0008】ポリ尿素壁を有するミクロカプセルを界面
方法で生じさせる従来技術の製造では、ポリイソシアネ
ートを主要な壁形成剤として含有する疎水性の油相を用
いる必要がある。後者のカプセル壁の厚みは前記主要な
壁形成剤、即ちポリイソシアネートの分率に正比例す
る。
【0009】ヨーロッパ特許出願公開第727 251
号(≒米国特許第5,635,211号)には、架橋剤
を含有するグアニジン化合物を用いて作られたミクロカ
プセルが記述されており、それらは良好な性能プロファ
イル(profile)を示す。ここでは、そのような
ミクロカプセルの安定性を更に向上させる。特に、その
ようなミクロカプセルを自己含有紙(self−con
tained papers)を生じさせる時に用いる
場合、それらを現像液に直接接触させて、それらに高い
安定性、特に堅固さ(tightness)を持たせる
必要がある。さもなければ、このようなカプセルはその
ような紙を製造している間に偶然に損傷を受け、その結
果として、色形成剤が放出されて紙に染みが着いてしま
うであろう。
【0010】これが本発明の目的である。
【0011】ポリイソシアネートとグアニジン化合物と
アミンの反応生成物を含んで成る壁を有するミクロカプ
セルを用いて本目的を達成する。
【0012】前記グアニジン化合物とアミンを架橋剤と
して用いる。
【0013】本発明に従うミクロカプセルを生じさせる
時に用いるに有用なグアニジン化合物には、例えば式
(I)
【0014】
【化1】
【0015】[式中、Xは、
【0016】
【化2】
【0017】であり、そしてYは、
【0018】
【化3】
【0019】である]で表されるグアニジン化合物また
はそれと酸の塩が含まれる。
【0020】前記塩は例えば炭酸、硝酸、硫酸、塩酸、
ケイ酸、燐酸、蟻酸および/または酢酸の塩であっても
よい。前記式(I)で表される遊離グアニジン化合物が
前記塩からインサイチューで得られるように前記式
(I)で表されるグアニジン化合物の塩を無機塩基と組
み合わせて用いることも可能である。この目的で用いる
に有用な無機塩基には、例えばアルカリ金属および/ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物および/またはアルカ
リ土類金属のアルコキサイドが含まれる。そのような塩
基の水溶液またはスラリー、特に水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウムの水溶液
またはスラリーが好適である。また、複数の塩基の組み
合わせを用いることも可能である。
【0021】前記式(I)で表されるグアニジン化合物
を塩として用いる方がしばしば有利である、と言うの
は、それらはそのような形態で商業的に入手可能であり
かつ遊離のグアニジン化合物はある場合には水に難溶で
あるか或は貯蔵中の安定性が不足しているからである。
無機塩基を用いる場合、それらをグアニジン化合物の塩
を基準にして化学量論的量、化学量論以下の量または化
学量論以上の量で用いてもよい。無機塩基を10から1
00当量%(グアニジン化合物の塩を基準)の量で用い
るのが好適である。このような無機塩基を添加すると、
結果として、ミクロカプセル封じ中に遊離NH2基を有
するグアニジン化合物をポリイソシアネート(油相に入
っている)との反応で水相中で利用することが可能にな
る。ミクロカプセル封じを行う時、グアニジン化合物の
塩と塩基を有利には個別に水相に添加する。
【0022】グアニジンまたはグアニジンと炭酸、硝
酸、硫酸、塩酸、ケイ酸、燐酸、蟻酸および/または酢
酸の塩の使用が好適である。
【0023】特にグアニジン化合物と弱酸の塩の使用が
有利である。これらは水溶液中で加水分解を起こす結果
として相当する遊離グアニジン化合物と平衡状態にな
る。この遊離グアニジン化合物がカプセル封じ過程中に
消費されるにつれて質量作用法則(law of ma
ss action)に従って絶えず再生して来る。炭
酸グアニジンがそのような利点を特別な度合で示す。グ
アニジン化合物と弱酸の塩を用いる場合には遊離グアニ
ジン化合物を放出させる目的で無機塩基を添加する必要
はない。
【0024】本発明で用いるに有用な式(I)で表され
るグアニジン化合物を、また、従来技術に従って商業的
に入手可能な塩基性イオン交換体を用いた水溶性塩のイ
オン交換で生じさせることも可能である。前記イオン交
換体から溶離して来た液を前記水中油エマルジョンと一
緒に混合することでそれを直接中和してカプセルの壁を
生じさせることができる。炭酸グアニジンが最も好適で
ある。
【0025】例えば、遊離NH2基がグアニジン化合物
の形態でNCO基(油相中にポリイソシアネートとして
存在する)1モル当たり0.2から4.0モルの量で水
相に導入されるか或は放出されるに充分な量でグアニジ
ン化合物を用いてもよい。この量は好適には0.5から
1.5モルである。グアニジン化合物を化学量論以下の
量で用いると、それをポリイソシアネートと反応させた
後に遊離NCO基が残存する。次に、これは一般に水と
反応するが、このことは一般に重要でない、と言うの
は、このような反応によって架橋を起こし得る新しい遊
離アミノ基が生じるからである。
【0026】前記グアニジン化合物を好適には水溶液の
形態で用いる。この溶液の濃度は重要でなく、これを制
限するのは一般に当該グアニジン化合物が水中で示す溶
解度のみである。有用なグアニジン化合物水溶液は例え
ば濃度が1から20重量%の溶液である。
【0027】追加的架橋剤成分として用いるに有用なア
ミン類には特にポリアミン類が含まれる。特に、第一級
および/または第二級アミノ基を少なくとも2つ有する
脂肪族および/または環状脂肪族アミン類が好適であ
る。
【0028】全体量の架橋剤に含めるグアニジン化合
物、特に炭酸グアニジンの分率を好適には50モル%以
上にする。
【0029】好適なアミンは分子量が200g/モル未
満のアミンである。特に好適なアミンは下記である:ヒ
ドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
アミノエチルピペラジン、プロピレンジアミン、N−メ
チルジプロピレントリアミン、ビス(3−アミノプロピ
ル)アミン、ヘキサメチレンジアミンおよびまた2,5
−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン。
【0030】ポリイソシアネートを基準にしたグアニジ
ン化合物とアミン架橋剤の合計モル量を好適には1.0
から1.5モル当量、特に1.25から1.5モル当量
にする。従って、好適には、二次的反応を考慮に入れな
いでNH2基もしくはNH基がNCO基当たり少なくと
も1つ利用できるようにする。
【0031】グアニジン化合物とアミンの混合物を架橋
剤として用いる場合、それらが有する第一級もしくは第
二級アミノ基の総量は算術または分析で決定可能で、こ
れを油相に存在させるNCO基を基準にして下記の如く
設定する:油相中にポリイソシアネートとして存在する
NCO基1モル当たり0.2から4.0モルのNCO反
応性アミノ基(第一級もしくは第二級)が水相に導入さ
れ得るようにする。基礎になる法則は、1つのNCO基
と1つの第一級アミノ基もしくは1つの第二級アミノ基
を反応させる必要がある点にある。二次的反応を無視す
る。グアニジン化合物とアミンの混合物を用いる場合、
この混合物に存在させるアミノ基の少なくとも半分(5
0モル%)がグアニジン化合物によって供給されるよう
にすべきである。
【0032】工業グレードのポリアミン混合物、例えば
沸騰溜分(boiling cuts)および蒸留残渣
などを用いる場合、それらが示すアセチル価は分析で測
定可能で、それが示すアセチル価が物質1g当たりのK
OHのmgで表して500を越える値を示すようにすべ
きである。ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミンおよびテトラエチレンペンタミンが好適である。特
にジエチレントリアミンが好適である。
【0033】本発明に従うミクロカプセルを生じさせる
時に用いるに有用なポリイソシアネート類には、非常に
幅広い範囲の脂肪族、芳香族および芳香脂肪族の二官能
およびそれより高い官能性を示すイソシアネート類、特
にミクロカプセルをもたらすことが知られているイソシ
アネート類が含まれる。脂肪族ポリイソシアネートの使
用が好適である。特にヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートおよび/またはヘキサ
メチレンジイソシアネートの誘導体およびイソホロンジ
イソシアネートの誘導体(これらは遊離のイソシアネー
ト基を有しかつビウレット、イソシアヌレート、ウレト
ジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を含
む)の使用が好適である。また、いろいろなポリイソシ
アネート類の混合物を用いることも可能である。有用な
いくつかのポリイソシアネート類が例えばヨーロッパ特
許出願公開第227 562号、ヨーロッパ特許出願公
開第164 666号およびヨーロッパ特許出願公開第
16 378号などに記述されている。
【0034】イソシアヌレート部分を有するポリイソシ
アネート類は、好適には、イソシアネートを含有するイ
ソシアヌレート化合物を少なくとも30重量%含有する
脂肪族および環状脂肪族ポリイソシアネート類である。
【0035】イソシアヌレート構造を含むポリイソシア
ネート類は、特に、式(I)
【0036】
【化4】
【0037】[式中、Rは、二価の脂肪族もしくは環状
脂肪族基、特にC1−C10脂肪族基またはC6−C10環状
脂肪族基、好適には(CH26である]で表されるジイ
ソシアネート三量体、およびまた、それを更に2n当量
の式OCN−R−NCOで表されるジイソシアネートと
反応させてイソシアヌレートを生じさせることで生じさ
せた反応生成物(本明細書では以降イソシアヌレート基
を含有するオリゴマー状のポリイソシアネートと呼ぶ)
である。
【0038】nは好適には0から10、特に0から4で
ある。Rは好適には(CH26である。
【0039】ポリイソシアネート全体の好適には50重
量%を越える量、特に80重量%を越える量、特に好適
には90重量%を越える量、最も好適にはポリイソシア
ネート全体の95重量%さえ越える量のポリイソシアネ
ートがイソシアヌレート構造を持つようにする。
【0040】好適なさらなる態様では、ポリイソシアネ
ートを基準にして、特にR=(CH 26の前記式Iで表
されるイソシアヌレートの分率が30重量%を越え、特
に45重量%を越えるようにする。ポリイソシアネート
を基準にして、特にR=(CH26の前記式Iを基にし
ていてイソシアヌレート構造を有するオリゴマー状ポリ
イソシアネートの分率が好適には20重量%を越え、特
に30重量%を越えるようにする。
【0041】前記ポリイソシアネートのイソシアヌレー
ト分率、即ち三量体およびオリゴマーの分率は、一般
に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定可能
である。
【0042】ウレトジオン基を含むポリイソシアネート
類は、好適には、ウレトジオン構造を有するヘキサメチ
レンジイソシアネートオリゴマー類である。特に、下記
の構造:
【0043】
【化5】
【0044】で表される化合物を高い分率で含んで成る
イソシアネートが有利である。
【0045】前記構造(II)で表されるイソシアネー
トの分率は、使用するイソシアネートの例えば少なくと
も70重量%、好適には少なくとも75重量%であって
もよく、これは例えばゲル浸透クロマトグラフィーで測
定可能である。
【0046】前記構造(II)で表されるイソシアネー
トを製造する工業的方法では一般にまたヘキサメチレン
ジイソシアネートまたは異なるNCO結合を有する化合
物の付加生成物(より高い分子量を有する)がある分率
でもたらされるであろう。従って、本発明に従って用い
るそのようなイソシアネートは、例えば、R=(C
26の前記式(I)で表される化合物および/または
式(III)
【0047】
【化6】
【0048】で表される化合物を少量、即ち30重量%
以下、好適には25重量%以下の量で含有する可能性が
ある。
【0049】これは市販品を用いた時にしばしば当ては
まる。
【0050】ヘキサメチレンジイソシアネートのウレト
ジオン[構造(II)]を主に含有する工業グレードの
ウレトジオンイソシアネート類およびそれらと他の脂肪
族および芳香族イソシアネート類の混合物は、驚くべき
ことに、構造(I)および/または(III)の分率が
高いイソシアネート類を用いた場合に比較して、グアニ
ジン化合物と一緒に起こさせる架橋で良好な加工性を与
えて良好な品質のミクロカプセルをもたらす。
【0051】ウレトジオン構造を有するポリイソシアネ
ートまたはそれらと他の脂肪族および/または芳香族イ
ソシアネートの混合物の使用量は、例えば、カプセル封
じを受けさせるべき油相の全量を基準にして1から25
重量%、好適には3から15重量%、特に好適には5か
ら10重量%であってもよい。
【0052】ビウレット構造を有する脂肪族ポリイソシ
アネート類は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
トから作られたビウレット構造を有するオリゴマーであ
り得る。特に、式(IV):
【0053】
【化7】
【0054】[式中、zは1から10の整数である]で
表される化合物を高い分率、特に70重量%を越える分
率で含有するイソシアネート類が有利である。
【0055】前記式(III)で表されるイソシアネー
トの産業的製造方法では、また、とりわけヘキサメチレ
ンジイソシアネートまたは異なるNCO結合を有する化
合物の付加生成物(より高い分子量を有する)がある分
率でもたらされる。従って、本発明に従って用いる混合
物は、また、式
【0056】
【化8】
【0057】[式中、mは1から10の整数である]で
表される化合物も少量、例えば20重量%以下の量で含
有する可能性があり、これは市販品を用いた場合にしば
しば当てはまる。
【0058】ビウレット構造を有する脂肪族ポリイソシ
アネートの使用量は、例えば、カプセル封じを受けさせ
るべき油相の全量を基準にして3から15%であっても
よい。
【0059】本発明のミクロカプセルの内部に包含させ
ることができる色形成剤は、無炭素コピー紙を製造しよ
うとする時に従来技術に従って商業的に入手可能でイソ
シアネートとは反応しないことが知られているあらゆる
色形成剤であり、これを有機溶媒に溶解させた状態で包
含させてもよい。その例はトリフェニルメタン化合物、
ジフェニルメタン化合物、ビスインドフタリド化合物、
ビスアリールカルバゾリルメタン化合物、キサンテン化
合物、ベンゾキサジン化合物、チアジン化合物およびス
ピロピラン化合物の種類の化合物であり、特に無炭素コ
ピー紙を製造する時に色形成剤として用いられることが
知られている化合物である。また、複数の色形成剤の混
合物を用いることも可能である。有用ないくつかの色形
成剤が例えばヨーロッパ特許出願公開第591 10
6、ヨーロッパ特許出願公開第315 901号、ヨー
ロッパ特許出願公開第234 394号、DE−A 3
622262およびヨーロッパ特許出願公開第187
329号などに記述されている。
【0060】本発明に従って生じさせるミクロカプセル
は、原則として、化学的に多種多様な化合物をカプセル
封じする目的で用いるに有用であるが、但しそれらが有
機溶媒に可溶でありかつ使用するイソシアネートと反応
することもアミン系架橋剤ともグアニジン化合物とも反
応することがないことを条件とする。その例は香料、芳
香剤、接着剤、除草剤、有害生物防除剤、殺虫剤、触
媒、薬剤などである。
【0061】本ミクロカプセル製造中にカプセル封じを
受けさせるべき材料に加えて前記ポリイソシアネートと
一緒になって油相の一部を形成する水不混和性で不活性
な有機溶媒の例には、芳香族、脂肪族およびナフテン系
炭化水素、カルボン酸エステル、塩素化パラフィン、動
物および植物を源とする油、10℃から35℃の範囲の
融点を有する天然脂肪、液状の脂肪誘導体、そして10
0℃を越える温度で沸騰する芳香族および脂肪族エーテ
ルが含まれる。また、複数の溶媒の混合物を用いること
も可能である。
【0062】乳化剤、安定剤および/または抗合体剤
(anticoalescers)を含有させた水相を
用いて、本発明に従うミクロカプセルを生じさせること
ができる。また、乳化剤を油相中に存在させることも可
能である。そのような添加剤の量は、例えば、個々の相
を基準にして0.5−10重量%の範囲であってもよ
い。
【0063】本発明は、例えば、アルキル置換芳香族、
クロロパラフィン、エステル、低融点の天然脂肪および
蝋、天然油およびまた後者から誘導される低級アルコー
ルエステルの種類の溶媒を用いて実施可能である。
【0064】下記の群Iから選択される少なくとも1種
の化合物と下記の群IIから選択される少なくとも1種
の化合物から成る溶媒混合物が好適である。
【0065】群Iの溶媒はアルキル芳香族、例えばジイ
ソプロピルナフタレン、ハロゲン置換パラフィン、例え
ばクロロパラフィンなど、天然脂肪および油、例えばヤ
シ脂肪など、そして合成で作られた脂肪族もしくは芳香
族エステルである。
【0066】群IIの溶媒はナフテン類(即ち環状脂肪
族炭化水素)およびまたイソパラフィン類である。
【0067】有機溶媒の全量を基準にして、群Iの溶媒
の比率を好適には少なくとも50重量%、特に少なくと
も70重量%、特に好適には少なくとも90重量%にす
る。各場合とも、100%に対する差を群IIの1種以
上の溶媒で構成させてもよい。
【0068】群Iの溶媒の例は下記の種類の製品であ
り、またこれらを各々異性体混合物の形態で使用するこ
とも可能である。
【0069】ジイソプロピルナフタレン、例えばRut
gers Kureha Solvents GmbH
のKMC(商標)113など、アルキル芳香族、例えば
Koch Chemical CompanyのSUR
ESOL(商標)290またはKoch Chemic
al CompanyのSURESOL(商標)300
など、フェニルキシリルエタン、例えばNippon
Soda Co.Ltd.のSAS(商標)296また
はDaio SolventsのPXEなど、クロロパ
ラフィン、例えばDeutsche ICI GmbH
のMeflex(商標)DAまたはIndustrie
Chimiche CaffaroS.p.A.のS
olvocaffaro(商標)など、またはヤシ脂
肪、例えばWalter Rau GmbHのCoco
pur(商標)など。
【0070】群IIの溶媒には下記の製品が含まれる:
イソパラフィン、例えばDeutsche EXXON
CHEMICAL GmbHのExxsol(商標)
D100またはNORPAR(商標)またはISOPA
R(商標)など、またはDegussa−Huls A
Gのイソヘキサデカン、またはナフテン類、例えばDe
utsche Shell AGのGravex(商
標)913、またはNynas Naphthenic
s ABのNytex(商標)800および同様なグレ
ード。
【0071】本発明は、また、本発明のミクロカプセル
を製造する方法も提供し、この方法は、 a)ポリイソシアネートとイソシアネートに不活性で水
に混和しない溶媒とカプセル封じを受けさせるべき少な
くとも1種の化合物と場合によりさらなる添加剤を含ん
で成る油相と b)水と安定剤と場合によりさらなる助剤を含んで成る
水相を、好適には分散装置を用いて、エマルジョンに変
化させた後、それにグアニジン化合物とアミンを架橋剤
として添加する、ことを特徴とする。
【0072】この方法では、好適には、油滴の大きさと
ミクロカプセルの大きさが等しくなるようにする。
【0073】用語「安定剤」を本明細書で用いる場合、
これは液滴の合体を防止しかつ油相と水相の間の表面張
力を下げる能力を有する化合物である。また、1種類の
化合物ではなく各々が1種類のみの機能を果たす複数の
化合物を用いることも可能である。
【0074】ここに、例として一般的な製造手順を記述
する。最初に、個々の成分を記述する。溶液A 保護コロイドを0.5−10重量%含有する水。この保
護コロイドにはポリ酢酸ビニルの部分加水分解品、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースおよび
それの誘導体、アラビアゴムまたは蛋白質加水分解物が
含まれ得る。ポリ酢酸ビニルの約80%が加水分解を受
けたものを0.5から2.0重量%の濃度で用いるのが
好適である。適切な商業品は例えばAir Produ
ctsNederland B.V.のAirvol
(商標)523またはClariant(Deutsc
hland)GmbHのMowiol(商標)26−8
8である。溶液B カプセル封じを受けさせるべき化合物1種または2種以
上、特に色形成剤が水不混和性でイソシアネートに不活
性な溶媒、例えばジイソプロピルナフタレン[例えばR
utgers Kureha Solvents Gm
bHのKMC(商標)−113]に入っている溶液。
【0075】この溶媒に入っているカプセル封じを受け
させるべき化合物、特に色形成剤の濃度を、当該染料の
溶解性および所望の色合い深さに応じて、この溶液を基
準にして好適には3から15重量%にする。成分C 増量剤として用いる群IIの共溶媒、例えばナフテン系
炭化水素、例えばDeutsche Shell AG
のGravex(商標)913、またはNynas N
aphthenics ABのNytex(商標)80
0またはイソパラフィン、例えばDeutsche E
XXON CHEMICAL GmbHのExxsol
(商標)D100など。特にナフテン系油が適切であ
る。成分D 本発明に従って用いるべきポリイソシアネート。ここで
は、例えば、NCO含有量が少なくとも10重量%でイ
ソシアヌレート分率が少なくとも30重量%のヘキサメ
チレンジイソシアネートイソシアヌレート、例えばBA
YMICRON(商標)OXA WM 111など、ま
たはNCO含有量が少なくとも10重量%でビウレット
分率が80重量%以下のヘキサメチレンジイソシアネー
トビウレット、例えばBAYMICRON(商標)OX
A WM 22など、またはNCO含有量が少なくとも
15重量%でウレトジオン分率が少なくとも60重量%
のヘキサメチレンジイソシアネートウレトジオン、例え
BAYMICRON(商標)OXA WM 33などが
好適であり、それらはバイエル社(Bayer AG、
Leverkusen)から入手可能である。溶液E グアニジン化合物、特に炭酸グアニジンとアミン、特に
脂肪族ポリアミンを溶液の状態で含有する脱イオン水。
水含有量が80から90重量%で架橋剤含有量が20か
ら10重量%の溶液の使用が好適である。
【0076】本発明の方法はバッチ式ばかりでなく連続
的にも操作可能である。
【0077】バッチ式カプセル封じでは、好適には、成
分Dを相当する量の溶液Bおよび場合により成分Cと一
緒に混合しそしてその結果として生じた溶液を相当する
量の溶液Aに添加して粗く分散した(coarsely
divided)エマルジョンが生じるまで高速で撹
拌することを通して、カプセル封じを起こさせる。次
に、商業的に入手可能な高速分散装置を用いて、所望ミ
クロカプセルの大きさに等しい液滴サイズを有する微細
エマルジョンが生じるまで好適には40℃未満の温度で
乳化させる。
【0078】次に、前記乳化装置の速度を下げた後、好
適には同様に40℃未満の温度で溶液Eを添加すること
で、カプセル壁の形成を開始させる。次に、好適には穏
やかに撹拌しながら、温度を60−90℃、好適には7
0から80℃に上昇させることを通して、カプセル封じ
反応を完了させる。
【0079】結果として、本発明に従うミクロカプセル
が入っている水性分散液が生じる。カプセルの分率は、
投入材料の量および比率に応じて、30から65重量
%、好適には45から55重量%の範囲であり得る。
【0080】この形態のバッチ式カプセル封じは手順的
に従来技術に従い、特殊な技術的手段は必要でない。
【0081】好適には、投入溶液(input sol
utions)または成分A、B、CおよびDを適切な
精密ポンプで乳化装置に連続的に送り込むことで連続的
カプセル封じを行うが、好適には、溶液Bと成分Dを商
業的に入手可能な固定式または動的ミキサーで前以て混
合しておいた後、それらをさらなる固定式または動的ミ
キサー内で成分Cと一緒にする。それによって、油に溶
解している色形成剤とポリイソシアネートと場合により
増量剤を含有する均一な油相が生じる。
【0082】次に、この油相を溶液Aと一緒にし、必要
ならばもう一度混合した後、乳化装置にポンプ輸送す
る。せん断が理由で前記乳化装置内で温度の上昇が起こ
り得るが、適切な冷却手段を用いて温度の上昇を容認さ
れる度合にまで下げてもよい。好適には、前記乳化装置
から出る流出液の温度が25から40℃に維持されるよ
うな様式で温度を制御する。次に、前記乳化装置から出
る微細エマルジョンを連続的に溶液Eと一緒にした後、
同様に固定式または動的ミキサーを用いるか或は撹拌要
素(stirring elements)を用いてそ
れらの混合を行ってもよい。
【0083】次に、タンクバッテリー(tank ba
ttery)または個々のタンク内で、開始した壁形
成、即ちカプセル封じを選択的に完成させてもよい。こ
の目的で、撹拌を行いながらタンクバッテリー内の温度
を段階的に90℃にまで上昇させる。このバッテリーの
下流末端部から出て来る生成物が完成ミクロカプセル分
散液を構成する。熟成を個々のタンク内で実施する場
合、最後のタンクの充填が終了した時点で最初のタンク
が再び空になる[スインギング(swinging)]
ように、処理量に充分な数のタンクを準備すべきであ
る。有利には、個々のタンクの加熱を行ってもよく、バ
ッテリー方法の場合と同様に、低圧蒸気を制御した様式
で生成物に直接送り込むことを通して加熱を行ってもよ
い。ここでも、また、純粋に処理の面は従来技術に従
う。
【0084】本発明は、更に、色形成剤をカプセル封じ
している本発明に従うミクロカプセルを含んで成る無炭
素コピー紙も提供する。
【0085】このようなコピー紙に本ミクロカプセルを
含有させる側は1つの側のみであってもよい。場合によ
り、このコピー紙のもう一方の側を現像剤で被覆しても
よい(CFB紙)。
【0086】好適には、このコピー紙の1つの側に本発
明に従うミクロカプセルばかりでなくまた現像剤も含有
させる(SC紙)。
【0087】本発明は、更に、本発明のミクロカプセル
で覆われたコピー紙のセット(set)も提供する。こ
のセットは、好適には、トップシート(topshee
t)と下方に位置する10枚以下のインターシート(i
ntersheets)とボトムシート(bottom
sheet)で構成されている層構造を有することを
特徴とし、この層構造では、前記トップシート(オリジ
ナル)の裏側が本発明のミクロカプセルで覆われてお
り、前記インターシートの表側が現像剤で覆われかつそ
れの裏側が本発明のミクロカプセルで覆われておりそし
て前記ボトムシートの表側が現像剤で覆われており、個
々のシートは各場合とも現像剤被覆側がミクロカプセル
被覆側に隣接して位置するような様式で位置しており、
その結果として、オリジナルのトップシートに書き込み
または印刷が行われると下側に位置するシートのミクロ
カプセルが破裂して色形成剤が放出されかつ隣接する側
の現像剤と化合することで前記トップシートの色画像が
形成される。
【0088】このセットに含めるインターシートの数は
好適には7以下、特に4以下である。
【0089】好適な現像剤は、例えば、粘土の種類の現
像剤、フェノール樹脂の種類の現像剤、そしてサリチル
酸亜鉛の種類の現像剤である。
【0090】本発明のミクロカプセルは、グアニジン化
合物のみまたはアミンのみを用いて作られたミクロカプ
セルに類似した性能特徴を有することに加えて堅固さが
実質的に向上しているばかりでなくそれから作られたS
C紙が向上した老化安定性を示すと言った驚くべき利点
を有する。
【0091】
【実施例】試験方法 1. 堅固さ試験 カプセルの堅固さを下記の如く測定する: a)− 本発明に従うミクロカプセルを50重量%含有
させた水性ミクロカプセル分散液を10.00g、 − 脱イオン水を25.50g、 − シリカゾルを33.25g、 含有させたコーティング組成物の調製を行い、 b)原紙の被覆を行い、 c)被覆紙の乾燥を行い、 d)被覆紙および未被覆紙の反射率の測定を行う。 手順: − 47g/m2のDIN A4フォーマット原紙を接
着片で大きさが30x30cmのプラスチックシートに
固定し、 − 30μmのドクターブレードが備わっているラボコ
ーター(lab coater)を用いて、前記紙の半
分を約5mlの前記コーティング組成物で覆った後、熱
風を用いて被覆方向で乾燥させ、 a)乾燥後直ちに、b)75%の相対湿度下70℃で2
時間条件付けした後、Elrepho装置を用いて被覆
紙および未被覆紙の反射率を測定する。
【0092】着色強度(%)を下記の如く計算する:
【0093】
【数1】
【0094】カプセルの堅固さは、被膜の着色度合が低
ければ低いほど(=強度値が低ければ低いほど)高い。
【0095】この結果を着色強度(%)で報告する。 2. SC安定性の測定(SC=「自己含有(self
−contained)」) a)SC紙の製造: − 本発明に従うミクロカプセルを50重量%含有させ
た水性カプセル分散液を65g、 − 水を103.7g、 − 水中55%のフェノール樹脂(例えばSchene
ctady HRJ 4002)を16g、 − セルローススペーサー[例えばArbocell
(商標)BE 600/30]を12.8g、 − SBRラテックス[例えばBAYSTAL(商標)
P 1600]を12.5g、含有させたコーティング
組成物の調製を行い、 − 原紙の被覆を行い、 − 被覆紙の乾燥を行い、 b)SC紙の熱処理を行い、 c)処理SC紙および未処理SC紙の反射率の測定を行
う。 手順: − 47g/m2のDIN A4フォーマット原紙を接
着片で大きさが30x30cmのプラスチックシートに
固定し、 − 40μmのドクターブレードが備わっているラボコ
ーターを用いて、前記紙を適切なコーティング組成物で
覆い、 − 目標被膜重量を6から7g/m2にし、 − 熱風を用いて紙を被覆方向で乾燥させ、 − 紙を冷却して幅が約5cmの片に裁断した後、これ
に下記の処理を受けさせる: − 循環乾燥キャビネットを用いて120℃で2時間、 − 循環乾燥キャビネットを用いて120℃で4時間。 評価: Elrepho光度計を用いてSC層の着色を反射率で
測定。着色強度を%で測定し、強度値が低い=着色が低
い。実施例1 (ビウレット、発明) ミクロカプセル分散液の製造 最初に、Pergascript(商標)Black
I−Rが65%でPergascript(商標)Bl
ue SRBが5%でPergascript(商標)
Blue CVLが10%でPergascript
(商標)Orange I−Gが5%でPergasc
ript(商標)Green I−2GN(粉末)が1
5%の色形成剤混合物(28.2g)を309.3gの
ジイソプロピルナフタレン[Ruttgers Kur
eha Solvents GmbHのKMC(商標)
113]に120℃で溶解させた後、この溶液をNCO
含有量が23.4重量%でビウレット分率が70重量%
を越えるビウレットポリイソシアネート[BAYMIC
RON(商標)OXA WM 22:バイエル社](3
0g)と一緒に室温で混合して油相を生じさせることを
通して、無炭素コピー紙で用いるに適したミクロカプセ
ルを生じさせた。ナフテン系イソパラフィン混合物[G
ravex(商標)913;Deutsche She
ll AG]を増量剤として132.5g添加した。こ
の油相を、ポリビニルアルコール水溶液[437gの水
に5.3gのAirvol(商標)532(Air P
roducts)]で構成させた水相(442.3g)
と一緒にして、この混合物を撹拌することで粗いプレエ
マルジョンを生じさせた後、この粗いプレエマルジョン
を混合用サイレン(siren)(8950rpm)で
8分間乳化させることで、微細なエマルジョンを得た。
この得た微細なエマルジョンを、52gの脱イオン水に
2.9gのジエチレントリアミンと3.8gの炭酸グア
ニジンを入れることで生じさせた水溶液と一緒に室温で
混合した後、その結果として生じた混合物を撹拌しなが
ら1時間かけて60℃に加熱し、そして平均サイズが
6.8μmのミクロカプセル分散液が生じるように60
℃で補足的に3時間撹拌した。試験した性能特性を表に
報告する。実施例2 (ビウレット、発明) 用いる架橋剤混合物に含めるアミンとグアニジン化合物
の比率を変える以外は実施例1を繰り返した。使用した
架橋剤溶液は51gの脱イオン水にジエチレントリアミ
ンを0.6gと炭酸グアニジンを6.8g入れることで
生じさせた溶液であった。試験した性能特性を表に報告
する。実施例3 (ビウレット、比較、架橋剤:アミンのみ) 52gの脱イオン水に単にジエチレントリアミンを5.
73g入れることで架橋剤溶液を構成させる以外は実施
例1を繰り返した。測定した性能特性を表に報告する。実施例4 (ビウレット、比較、架橋剤:グアニジン化合
物のみ) 50gの脱イオン水に単に炭酸グアニジンを7.52g
入れることで架橋剤溶液を構成させる以外は実施例1を
繰り返した。測定した性能特性を表に報告する。実施例5 (ウレトジオン、発明) 用いた色形成剤溶液が440gのジイソプロピルナフタ
レン[KMC(商標)113]に20gのKrista
llviolettlacton(商標)を入れること
で生じさせた溶液である以外は実施例1を繰り返した。
ここでは、ビウレット含有ポリイソシアネートの代わり
にウレトジオン分率が60%を越えかつNCO含有量が
22.5重量%のポリイソシアネート[BAYMICR
ON(商標)OXA WM 33:バイエル社]を用い
た。
【0096】しかしながら、実施例1とは異なり、増量
剤としてナフテン系イソパラフィン混合物を用いなかっ
た。
【0097】用いた架橋剤溶液は、50gの脱イオン水
に1.5gのジエチレントリアミンと7.7gの炭酸グ
アニジンを入れることで生じさせた混合物であった。性
能特性に関しては表を参照のこと。実施例6 (ウレトジオン、比較、架橋剤:アミンのみ) 50gの脱イオン水にジエチレントリアミンを7.4g
入れることで生じさせた水溶液を架橋剤溶液として用い
る以外は実施例5を繰り返した。性能特性に関しては表
を参照のこと。実施例7 (ウレトジオン、比較、架橋剤:グアニジン化
合物) 用いた架橋剤溶液が49gの脱イオン水に炭酸グアニジ
ンを9.65g入れることで生じさせた溶液である以外
は実施例5を繰り返した。特性を表に要約する。実施例8 (イソシアヌレート、発明) 用いた色形成剤溶液が405gのアルキル置換ビフェニ
ル[Suresol(商標)290Koch Chem
icals]に20gのKristallviolet
tlacton(商標)を入れることで生じさせた溶液
である以外は実施例1を繰り返した。用いた増量剤はG
ravex(商標)913ではなく45gのナフテン
[Nytex(商標)800]であった。ここで は、
ビウレット含有ポリイソシアネートの代わりにNCO含
有量が21.8重量%でイソシアヌレート含有量(ポリ
イソシアネートを基準)が80%を越えるイソシアヌレ
ート含有ポリイソシアネート[BAYMICRON(商
標)OXA WM 111、バイエル社]を用いた。
【0098】用いた架橋剤溶液は、51.2gの脱イオ
ン水に0.54gのジエチレントリアミンと6.3gの
炭酸グアニジンを入れることで生じさせた混合物であっ
た。特性を表に報告する。実施例9 (イソシアヌレート、比較、架橋剤:アミン) 使用する架橋剤が52.6gの脱イオン水に入れた5.
4gのジエチレントリアミンである以外は実施例8を繰
り返した。実施例10 (イソシアヌレート、比較、架橋剤:グアニ
ジン化合物のみ) 用いた架橋剤溶液が51gの水に入れた7.0gの炭酸
グアニジンである以外は実施例8を繰り返した。
【0099】
【表1】
【0100】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。 1. ミクロカプセルであって、ポリイソシアネートと
グアニジン化合物およびアミンとの反応生成物を含んで
成る壁を有するミクロカプセル。 2. 前記壁がビウレット構造を含む脂肪族ポリイソシ
アネートとグアニジン化合物とアミンの反応生成物を含
んで成ることを特徴とする第1項記載のミクロカプセ
ル。 3. 使用したポリイソシアネートがウレトジオン構造
を有することを特徴とする第1項記載のミクロカプセ
ル。 4. 使用したポリイソシアネートがイソシアヌレート
構造を有することを特徴とする第1項記載のミクロカプ
セル。 5. 前記グアニジン化合物が式(I)
【0101】
【化9】
【0102】[式中、Xは、
【0103】
【化10】
【0104】であり、そしてYは、
【0105】
【化11】
【0106】である]で表されるグアニジン化合物また
はそれと酸との塩であることを特徴とする第1項記載の
ミクロカプセル。 6. 前記グアニジン化合物がグアニジンと炭酸、硝
酸、硫酸、塩酸、ケイ酸、燐酸、蟻酸および/または酢
酸との塩であることを特徴とする第2項記載のミクロカ
プセル。 7. 使用したグアニジン化合物が炭酸グアニジンであ
ることを特徴とする第1項記載のミクロカプセル。 8. 使用したポリイソシアネートが遊離イソシアネー
ト基を有するイソシアヌレートを少なくとも30重量%
含んで成る脂肪族イソシアネートであることを特徴とす
る第1項記載のミクロカプセル。 9. 使用したポリイソシアネートがヘキサメチレンジ
イソシアネートまたはそれの誘導体であることを特徴と
する第1項記載のミクロカプセル。 10. 使用したアミンが第一級および/または第二級
アミノ基を少なくとも2つ有する脂肪族および/または
環状脂肪族アミンであることを特徴とする第1項記載の
ミクロカプセル。 11. 前記グアニジン化合物と脂肪族および/または
環状脂肪族アミンを前記グアニジン化合物、特に炭酸グ
アニジンが前記2成分の合計総量を基準にして少なくと
も50モル%を構成するような比率で用いたことを特徴
とする第7項記載のミクロカプセル。 12. 第1項記載のミクロカプセルを製造する方法で
あって、 a)ポリイソシアネートとイソシアネートに不活性で水
に混和しない少なくとも1種の溶媒とカプセル封じを受
けさせるべき少なくとも1種の化合物と場合によりさら
なる添加剤を含んで成る油相と b)水と安定剤と場合によりさらなる助剤を含んで成る
水相を、エマルジョンに変化させた後、それにグアニジ
ン化合物とアミンを架橋剤として添加する、ことを特徴
とする方法。 13. 無炭素コピー紙であって、色形成剤をカプセル
封じしている第1項記載のミクロカプセルを含んで成る
無炭素コピー紙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591063187 D−51368 Leverkusen,Ge rmany Fターム(参考) 2H085 AA07 CD05 CD07 DD36 4G005 AA01 AB14 BA02 BB05 BB08 BB09 DA09X DB01X DB27X DC41Y DC42Y DC46Y DC68Y DD04Z DD08Z DD39Z EA08 4J034 BA02 CB02 CB05 CD01 HA07 HA08 HC03 HC17 HC35 HC71 HC73 RA07 RA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミクロカプセルであって、ポリイソシア
    ネートとグアニジン化合物およびアミンとの反応生成物
    を含んで成る壁を有するミクロカプセル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のミクロカプセルを製造す
    る方法であって、 a)ポリイソシアネートとイソシアネートに不活性で水
    に混和しない少なくとも1種の溶媒とカプセル封じを受
    けさせるべき少なくとも1種の化合物と場合によりさら
    なる添加剤を含んで成る油相と b)水と安定剤と場合によりさらなる助剤を含んで成る
    水相を、エマルジョンに変化させた後、それにグアニジ
    ン化合物とアミンを架橋剤として添加する、ことを特徴
    とする方法。
  3. 【請求項3】 無炭素コピー紙であって、色形成剤をカ
    プセル封じしている請求項1記載のミクロカプセルを含
    んで成る無炭素コピー紙。
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