JP3300432B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JP3300432B2 JP29130992A JP29130992A JP3300432B2 JP 3300432 B2 JP3300432 B2 JP 3300432B2 JP 29130992 A JP29130992 A JP 29130992A JP 29130992 A JP29130992 A JP 29130992A JP 3300432 B2 JP3300432 B2 JP 3300432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性及び耐溶剤性に
優れたマイクロカプセルの製造方法に関するものであ
り、特に感圧記録材料用途に適したマイクロカプセルの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、感圧記録材料や感
熱記録材料等の記録材料、医薬品、農薬、接着剤、食
品、防錆剤、液晶、示温剤等の多岐にわたる分野で検討
され、種々のものが実用化あるいは実用化試験に至って
いる。とりわけ、疎水性物質のマイクロカプセル化につ
いては、既に数多くの技術が提案され、それらのなかで
ゼラチンを用いたコアセルベーション法(相分離法)、
界面重合法、in situ重合法等が知られており、
各々長所短所を有している。
【0003】初期のカプセルでは、ゼラチンによるコア
セルベーション法カプセルが多く用いられたが、低濃度
のカプセルしか得られない、原料として天然物のゼラチ
ンを使用するために保存上の制約がある等により、現在
では、合成樹脂カプセルに変わりつつある。合成樹脂カ
プセルの中でも、in siu重合法カプセルは、性能
面、原料、製造コストの点から、感圧記録紙用マイクロ
カプセルとして多く用いられている。しかし、反応中に
発生するホルマリン、カプセル液中に残存するホリマリ
ン等が問題視され、また、大粒子のカプセルを製造する
のが難しい等の点がある。界面重合法は、大粒子のカプ
セルが得られる、カプセル化が短時間でできる等の利点
があるが、その反面、得られたカプセルは、耐溶剤性、
耐熱性が不十分である。耐溶剤性が劣ると、感圧記録紙
がフレキソまたはオフッセット方式により印刷された場
合に、印刷に使用する溶剤によりマイクロカプセル中の
芯物質が抽出される恐れがある。また、耐熱性が劣る
と、マイクロカプセルを塗工、乾燥する際、その熱によ
り、感圧複写紙に用いられる疎水性液体の蒸気圧により
臭気が発生する、感圧複写紙を高温度で保管した時に下
用紙に汚染が起こる可能性がある等の欠点がある。さら
には、イソシアネートの種類によっては、感圧記録紙用
のロイコ色素と反応する等の欠点があり、これらを補う
ために種々の提案がなされている。
【0004】特開昭52−130708号公報にはカル
ボジイミド変性したトリレンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、特開昭53−70985号
公報にはビウレット基を含有する脂肪族ジイソシアナー
ト、特開昭54−44919号公報にはオキサジアジン
トリオン変性した脂肪族ジイソシアナート、特開昭57
−140638号公報にはポリメチレンポリフェニルイ
ソシアナートと脂肪族イソシアナートの併用、特開昭6
3−116736号公報にはアルキルベンゼンジイソシ
アナート、特開昭63−200830号公報には脂肪族
ジイソシアナートと脂肪族ジイソシアナートのイソシア
ヌレート環トリマーの併用、特開平4−63128号公
報にはo−トリジンジイソシアナートと脂肪族ジイソシ
アナートおよびその変性体等が提案され、一部工業化さ
れているが、耐溶剤性、耐熱性についてはまだ改良の余
地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐溶
剤性、耐熱性に優れたマイクロカプセルを界面重合法に
より製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に到った。即ち、本発明は、ポリイソシアナト−イソシ
アヌレート混合物を含む疎水性芯物質を水相中で乳化さ
せた後、液滴界面にて皮膜形成させてなるマイクロカプ
セルにおいて、該ポリイソシアナト−イソシアヌレート
混合物として、一般式(1)(化3)で表される混合物
【0007】
【化3】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は、一般式(2)(化
4)で表される多環式脂肪族の基
【0008】
【化4】 (式中、kは1〜2、jおよびmは1〜5、hは0〜1
の整数を表す)または一般式(3)で表される直鎖脂肪
族の基 −(CH2 p − (3) (式中、pは2〜12の整数を表す)を示し、これらは
互いに同一でも異なってもよく、nは1〜5の整数を表
す〕を用いるマイクロカプセルの製造方法に関するもの
である。
【0009】本発明に用いられるポリイソシアナト−イ
ソシアヌレート混合物は、一般式(1)で示される化合
物であり、特開平4−226965公報に記載の製造方
法、即ち、一般式(4)(化5)で表される多環式脂肪
族ジイソシアナートと一般式(5)で表される脂肪族ジ
イソシアナートの混合物を、カルボン酸のアルカリ金属
とポリアルキレンオキサイド化合物またはアルコール類
を併用した三量化触媒の存在下で三量化することにより
得られる。
【0010】
【化5】 (式中、kは1〜2、jおよびmは1〜5、hは0〜1
の整数を表す) OCN−(CH2 p −NCO
(5) (式中、pは2〜12の整数を表す)
【0011】一般式(4)で表される多環式脂肪族ジイ
ソシアナートとしては、下記の化合物が挙げられる。 k=1,h=0のものとして、2,5(6)−ジ(イ
ソシアナトメチル)ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン、
2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアネートエ
チルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン、2−イソシアナ
トメチル−5(6)−イソシアネートプロピルビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン、2−イソシアナトメチル−5
(6)−イソシアネートブチルビシクロ〔2,2,1〕
ヘプタン、2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシ
アナトペンチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン、2,
5(6)−ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプタン、2−イソシアナトエチル−5(6)
−イソシアナトプロピルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ
ン、2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナト
ペンチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン等が挙げられ
る。
【0012】k=2,h=0のものとして、2,5
(6)ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ〔2,2,
2〕オクタン、2−イソシアナトメチル−5(6)−イ
ソシアナトエチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン、2
−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナトプロピ
ルビシクロ〔2,2,2〕オクタン、2−イソシアナト
メチル−5(6)−イソシアナトブチルビシクロ〔2,
2,2〕オクタン、2−イソシアナトメチル−5(6)
−イソシアナトペンチルビシクロ〔2,2,2〕オクタ
ン、2,5(6)ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ
〔2,2,2〕オクタン、2−イソシアナトエチル−5
(6)−イソシアナトプロピルビシクロ〔2,2,2〕
オクタン、2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシ
アナトブチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン、2−イ
ソシアナトエチル−5(6)−イソシアナトペンチルビ
シクロ〔2,2,2〕オクタン等が挙げられる。
【0013】 k=1,h=1のものとして、3
(4),8(9)−ジ(イソシアナトメチル)トリシク
ロ〔5,2,1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシア
ナトメチル−8(9)−イソシアナトエチルトリシクロ
〔5,2,1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシアナ
トメチル−8(9)−イソシアナトプロピルトリシクロ
〔5,2,1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシアナ
トメチル−8(9)−イソシアナトブチルトリシクロ
〔5,2,1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシアナ
トメチル−8(9)−イソシアナトペンチルトリシクロ
〔5,2,1,02,6 〕デカン、3(4),8(9)−
ジ(イソシアナトエチル)トリシクロ〔5,2,1,0
2,6 〕デカン、3(4)−イソシアナトエチル−8
(9)−イソシアナトプロピルトリシクロ〔5,2,
1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシアナトエチル−
8(9)−イソシアナトブチルトリシクロ〔5,2,
1,02,6 〕デカン、3(4)−イソシアナトエチル−
8(9)−イソシアナトペンチルトリシクロ〔5,2,
1,02,6 〕デカン等が挙げられる。これらの多種の多
環式脂肪族ジイソシアネートの中でも、特に好ましく
は、2,5(6)−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン(以下、BCHIと略す)およ
び3(4),8(9)−ジ(イソシアナトメチル)トリ
シクロ〔5,2,1,02,6 〕デカン(以下、TCDI
と略す)である。
【0014】次に、一般式(5)で表される直鎖脂肪族
イソシアネートとしては、1,2−ジイソシアナートエ
タン、1,3−ジイソシアナートプロパン、1,4−ジ
イソシアナートブタン、1,5−ジイソシアナートヘプ
タン、1,6−ジイソシアナートヘキサン、1,7−ジ
イソシアナートヘプタン、1,8−ジイソシアナートオ
クタン、1,9−ジイソシアナートナノン、1,10−
ジイソシアナートデカン、1,11−ジイシシアナート
ウンデカン、1,12−ジイソシアナートドデカン等が
挙げられる。この中でとくに汎用性のある直鎖脂肪族ジ
イソシアネートとしては、1,6−ジイソシアネートヘ
キサン(以下、HDIと略す)が挙げられる。
【0015】本発明の製造方法は、一般式(4)で表さ
れる多環式脂肪族ジイソシアナートと一般式(5)で表
される直鎖脂肪族ジイソシアナートを組み合わせて製造
したポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物を疎水
性芯物質に溶解し、水相中で乳化した後、多価アミンを
水相中に添加し、液滴界面で皮膜を形成させてマイクロ
カプセルを製造する方法である。一般式(4)で表され
る多環式脂肪族ジイソシアネートまたは(5)で表され
る脂肪族ジイソシアネートを用いて、多価アミンとの反
応によりマイクロカプセルを製造することは可能である
が、得られたカプセル膜の物性(特に、耐熱性、耐溶剤
性)は劣るものである。また、一般式(4)で表される
多環式脂肪族ジイソシアネートを、単独でイソシアヌレ
ート化した場合は、流動性の乏しい粘稠液体となり、例
えば、マイクロカプセルの主たる用途である感圧複写紙
用に用いられる疎水性液体(部分水素化ターフェニル、
塩素化パラフィン、ジアリールアルカン、アルキル化ナ
フタレン、アルキル化ビフェニル等)に対する溶解性が
極端に小さくなる。
【0016】しかし、一般式(4)で表される多環式脂
肪族ジイソシアナートに、一般式(5)で表される脂肪
族ジイソシアナートを混合してイソシアヌレートするこ
とにより、その粘度は低下し、先の疎水性液体に対する
溶解性も向上する。さらには蒸気圧を低減できるため、
取扱および作業上の安全、衛生面からも有利である。マ
イクロカプセル用のイソシアヌレート混合物を製造する
場合のイソシアナートモノマーの混合組成比としては、
一般式(4)で表される多環式脂肪族ジイソシアネー
ト:一般式(5)で表される脂肪族ジイソシアネートの
モル比は、11:1〜1:11の範囲である。この組成
では、イソシアヌレート混合物は、室温で流動性を示
す。
【0017】得られるマイクロカプセルの性能として
は、一般式(4)で表される多環式脂肪族ジイソシアネ
ートを多くした場合はマイクロカプセルの膜物性が強く
なる傾向を示し、また、(5)で表される脂肪族ジイソ
シアネートを多くした場合は感圧複写紙用の疎水性液体
に対する溶解性が良くなる傾向を示す。また、本発明に
より得られるマイクロカプセル液は、芳香族ジイソシア
ネートを用いて製造したものに比較して、長期に保存し
た場合の熱、光による黄変傾向も少ない。本発明のイソ
シアヌレート混合物は、単独で用いてもよく、また、目
的、用途に応じ、さらには、取扱及び性能向上のため
に、既存の芳香族、脂肪族、脂環族のジ、トリ、テトラ
系のポリイソシアナート類、あるいは、それらの混合物
と併用して用いることも可能である。
【0018】ポリイソシアナト−イソシアヌレート混合
物と反応し皮膜を形成する多価アミン類としては、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン等が挙げられ、これらは単独、あるいは組み合わせて
用いられる。これらの多価アミン類の使用量は、ポリイ
ソシアナト−イソシアヌレート混合物100重量部に対
して、0.5〜100重量部、より好ましくは1〜50
重量部の範囲である。反応条件は、pHと温度により調
節できる。中でも、pHをアルカリ側にし、温度を上げ
ることにより反応時間を短縮できる。
【0019】本発明のマイクロカプセルは、特に感圧複
写紙の用途に適している。その場合の製造方法は次の通
りである。即ち、前記の疎水性液体に、フタリド誘導
体、フルオラン誘導体、アザフタリド誘導体、トリフェ
ニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体、インドリル
フタリド誘導体、リュウコオーラミン誘導体、スピロピ
ラン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、ベンゾキ
サジン系化合物等の電子供与性発色剤を溶解し、さらに
ポリイソシアネート−イソシアヌレート混合物を溶解し
て、内部相を調製する。この内部相を、ポリビニルアル
コール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン
変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リ
グニンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アクリル
酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸−アクリロ
ニトリル−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸共
重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリ
アクリル酸、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、エ
チレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物等の乳化剤、保護コロイド剤を溶解した水相中に入
れ、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイ
ザー、ワーリングブレンダー、フロージェットミキサ
ー、インラインミル等の乳化機を用いて、平均粒子径2
〜10μmの微粒子を製造する。このようにして製造さ
れた乳化液に、水相に溶解した多価アミン類を添加し
て、次に温度を50〜80℃の範囲で、2〜3時間保持
することによりマイクロカプセル液が得られる。本発明
の方法で得られるマイクロカプセルは、本発明のマイク
ロカプセルの主用途である感圧複写紙以外にも、可逆性
熱変色材料、香料、殺虫剤、殺菌剤、農薬、防カビ剤、
潤滑剤、液晶、硬化剤、ワックス等にも展開できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例をあげて
具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限され
るものではない。はじめにマイクロカプセルの性能試験
方法をつぎに示す。 (1)上用紙の作製 50重量%のマイクロカプセル液100gに、平均粒子
径15〜20μmの小麦粉澱粉20g、50重量%のス
チレン−ブタジエンラテックス6gを加え、混合し、マ
イクロカプセル塗液を調製した。40g/m2 の上質紙
に、カプセル塗液を乾燥塗布量が3g/m2 になるよう
にメイヤーバーを用いて塗布し、105℃で30秒乾燥
して感圧複写紙用上用紙を作製した。 (2)発色性能試験 (1)で作製した上用紙の塗工面と下用紙の塗工面(三
菱製紙N−40)とを合わせて、温度20℃の環境下、
線圧50Kg/cmのカレンダーを通過させて発色させ
る。発色24時間後の反射率をΣ80色差計でY値を測
定する。 (3)マイクロカプセルの耐熱性試験 (1)で作製した上用紙の塗工面と下用紙(三菱製紙N
−40)の塗工面を合わせ、両面をガラス板で挟み、
0.5Kg/cm2 の荷重を乗せ、140℃の乾燥機に
3時間保存した。試験後、下用紙の反射率をΣ80色差
計でY値を測定した。Y値が大きいほど耐熱性が良いこ
とを示す。 (4)マイクロカプセルの耐溶剤性試験 (1)で作製した上用紙をイソプロピルアルコールに3
0分間浸した後、乾燥し、下用紙(三菱製紙N−40)
と合わせて線圧50Kg/cmのカレンダーを通過させ
て発色させる。発色24時間後の反射率をΣ80色差計
でY値を測定した。(2)の発色濃度との差が小さいほ
ど耐溶剤性が良いことを示す。
【0021】合成例1 温度計、冷却管、窒素導入管、撹拌羽根つきの4つ口フ
ラスコに、BCHIを100g(0.484モル)、H
DIを100g(0.594モル)入れた。この混合物
に、触媒Aを1.6g加え、80℃まで昇温した後、
2.5時間反応を行った。そのとき、NCO含有量は4
5.35%から24.3%(46.4%減)まで減少し
ていた。(触媒Aとは、乾燥した無水酢酸カリウム1g
を平均分子量400のポリエチレングリコール9gに溶
解させたものを示す。) 次いで、塩化ベンゾイル0.25gを加え、60℃で約
1時間反応を行い、三量化触媒を失活させた。生成物は
わずかに黄色を呈する透明粘稠液体である。更に、0.
2Torrの真空下、薄膜蒸留装置により未反応ジイソ
シアネートモノマーを除いた。残存BCHIは0.11
%、残存HDIは痕跡量で、NCO含有量18.5%、
粘度22,000cps/25℃のポリイソシアナト−
イソシアヌレート混合物(A)110gが得られた。
【0022】合成例2 合成例1と同様に、BCHI 60g(0.291モ
ル)とHDI 140g(0.832モル)との混合物
に、触媒Aを1.5g加え、80℃まで昇温した後、4
時間反応を行った。そのとき、NCO含有量は47.2
%から36.4%(22.9%減)まで減少していた。
塩化ベンゾイル0.114gを加え、60℃で約1時間
反応を行った。生成物から0.2Torrの真空下、薄
膜蒸留装置により未反応ジイソシアナートモノマーを除
いた。残存BCHIは0.01%、残存HDIは0.0
1%以下、NCO含有量20.5%、粘度18,000
cps/25℃のポリイソシアナト−イソシアヌレート
混合物(B)65gが得られた。
【0023】合成例3 BCHIを180g(1.144モル)とHDIを20
g(0.119モル)使用した以外は、合成例2と同様
に反応を行った。NCO含有量は41.7%から31.
5%に減少していた。塩化ベンゾイル0.114gを加
え、60℃で約1時間反応を行った。生成物から0.2
Torrの真空下、薄膜蒸留装置により未反応ジイソシ
アナートモノマーを除いた。残存BCHIは0.01
%、残存HDIは0.01%以下、NCO含有量17.
5%、粘度36,000cps/25℃のポリイソシア
ナト−イソシアヌレート混合物(C)86gが得られ
た。
【0024】合成例4 合成例1と同様に、TCDI 100g(0.406モ
ル)とHDI 100g(0.594モル)との混合物
に、触媒Aを1.5g加え、80℃まで昇温した後、4
時間反応を行った。NCO含有量は42.1%から3
3.7%まで減少していた。塩化ベンゾイル0.21g
を加え、60℃で約1時間反応を行った。生成物から
0.2Torrの真空下、薄膜蒸留装置により未反応ジ
イソシアナートモノマーを除いた。残存TCDIは0.
01%、残存HDIは0.01%以下、NCO含有量1
6.5%のポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物
(D)73gが得られた。
【0025】合成例5 合成例1と同様に、BCHI 20g(0.097モ
ル)とTCDI 20g(0.080モル)とHDI
160g(0.832モル)との混合物に、触媒Aを
1.5g加え、80℃まで昇温した後、4時間反応を行
った。NCO含有量は47.2%から37.5%まで減
少した。塩化ベンゾイル0.114gを加え、60℃で
約1時間反応を行った。生成物から0.2Torrの真
空下、薄膜蒸留装置により未反応ジイソシアナートモノ
マーを除いた。残存BCHIは0.10%、残存TCD
Iは0.30%、残存HDIは0.01%以下、NCO
含有量19.0%のポリイソシアナト−イソシアヌレー
ト混合物(E)68gが得られた。
【0026】合成例6 BCHIを50g(0.242モル)、TCDIを50
g(0.203モル)、HDIを100g(0.594
モル)使用する以外は、合成例5と同様に反応を行っ
た。NCO含有量は43.7%から34.1%まで減少
した。塩化ベンゾイル0.114gを加え、60℃で約
1時間反応を行った。生成物から0.2Torrの真空
下、薄膜蒸留装置により未反応ジイソシアナートモノマ
ーを除いた。残存BCHIは0.10%、残存TCDI
は0.40%、残存HDIは0.01%以下、NCO含
有量16.9%のポリイソシアナト−イソシアヌレート
混合物(F)69gが得られた。
【0027】合成例7 BCHIを200g(0.97モル)使用する以外は、
合成例1と同様に反応を行った。NCO含有量は40.
7%から30.5%まで減少した。塩化ベンゾイル0.
114gを加え、60℃で約1時間反応を行った。生成
物から0.2Torrの真空下、薄膜蒸留装置により未
反応ジイソシアナトモノマーを除いた。残存BCHIは
0.01%、NCO含有量17.0%のポリイソシアナ
ト−イソシアヌレート混合物(G)80gを得た。これ
は室温では全く流動性を示さなかった。
【0028】実施例1 電子供与性発色剤としてクリスタルバイオレットラクト
ン4.0重量部を溶解したフェニルキシリルエタン(日
本石油化学(株)「SAS−296」)100重量部
に、合成例1で得たポリイソシアナト−イソシアヌレー
ト混合物(A)15重量部を溶解した。この内部相をポ
リビニルアルコール((株)クラレ「PVA−11
7」)5重量部を溶解した水相中に加え、ホモミキサー
((株)特殊機化製)により6000rpmの回転数で
混合乳化させ、10分後に平均粒子径5μmのエマルシ
ョンを得た。撹拌下にジエチレントリアミン3.5重量
部を水20重量部に溶解して少量づつ滴下した。滴下
後、系を70℃に昇温して2時間反応させ、ついで冷却
してマイクロカプセル化を終えた。前記上用紙作製処方
に従い上用紙(1)を得た。
【0029】実施例2〜6 実施例1のポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物
(A)の代わりに、合成例2〜6で得たポリイソシアナ
ト−イソシアヌレート混合物(B)〜(F)を用いてマ
イクロカプセル化を行い、実施例1と同様にして上用紙
(2)〜(6)を得た。
【0030】比較例1 実施例1のポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物
(A)の代わりに、ポリイソシアナト−イソシアヌレー
ト混合物(G)を用いてマイクロカプセル化を行おうと
したところ、フェニルキシリルエタンにポリイソシアナ
ト−イソシアヌレート混合物(G)が溶解せず、マイク
ロカプセル化を断念した。
【0031】比較例2 実施例1のポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物
(A)の代わりに、HDIイソシアヌレート(コロネー
トEH、日本ポリウレタン(株))を用いてマイクロカ
プセル化を行い、実施例1と同様にして上用紙を得た。
【0032】実施例1〜6および比較例2で得られた上
用紙について、前記の方法に従って評価を行い、その結
果を表1(表1)に示した。
【0033】
【表1】 表1に示す様に、本発明のポリイソシアナト−イソシア
ヌレート混合物を膜剤とするマイクロカプセルを用いて
作製された感圧複写紙は、発色濃度の低下がなく、しか
も、マイクロカプセルは、耐熱性、耐溶剤性において、
極めて優れた性能を有する。
【0034】
【発明の効果】本発明の多環式脂肪族ジイソシアナ−ト
と直鎖脂肪族ジイソシアナートを組み合わせて製造した
ポリイソシアナト−イソシアヌレート混合物は、感圧複
写紙用疎水性液体に対する溶解性が良く、マイクロカプ
セル製造時における乳化性も問題がない。このポリイソ
シアナト−イソシアヌレート混合物を膜剤とするマイク
ロカプセルを用いて作製された感圧複写紙は、発色濃度
の低下がなく、しかも、極めて優れた耐熱性、耐溶剤性
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷山 龍二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 審査官 中村 泰三 (56)参考文献 特開 平2−123357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/16 B41M 5/165

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアナト−イソシアヌレート混
    合物を含む疎水性芯物質を水相中で乳化させた後、液滴
    界面にて皮膜形成させてなるマイクロカプセルの製造方
    法において、該ポリイソシアナト−イソシアヌレート混
    合物として、一般式(1)(化1)で表される混合物 【化1】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は、一般式(2)(化
    2)で表される多環式脂肪族の基 【化2】 (式中、kは1〜2、jおよびmは1〜5、hは0〜1
    の整数を表す)または一般式(3)で表される直鎖脂肪
    族の基 −(CH2 p − (3) (式中、pは2〜12の整数を表す)を示し、これらは
    互いに同一でも異なってもよく、nは1〜5の整数を表
    す〕を用いることを特徴とするマイクロカプセルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 一般式(2)で表される基と一般式
    (3)で表される基のモル比が、11:1から1:11
    である請求項1記載のマイクロカプセルの製造方法。
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