JP3403440B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JP3403440B2 JP01514293A JP1514293A JP3403440B2 JP 3403440 B2 JP3403440 B2 JP 3403440B2 JP 01514293 A JP01514293 A JP 01514293A JP 1514293 A JP1514293 A JP 1514293A JP 3403440 B2 JP3403440 B2 JP 3403440B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性及び耐溶剤性に
優れたマイクロカプセルの製造方法に関するものであ
り、特に、感圧記録材料用途に適したマイクロカプセル
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、感圧記録材料や感
熱記録材料等の記録材料、医薬品、農薬、接着剤、食
品、防錆剤、液晶、示温剤等の多岐にわたる分野で検討
され、種々のものが実用化あるいは実用化試験に至って
いる。とりわけ、疎水性物質のマイクロカプセル化につ
いては、既に数多くの技術が提案され、それらのなか
で、ゼラチンを用いたコアセルベーション法(相分離
法)、界面重合法、in-situ 重合法等が知られており、
各々長所短所を有している。
【0003】初期のカプセルでは、ゼラチンによるコア
セルベーション法カプセルが多く用いられたが、低濃度
のカプセルしか得られない、原料として天然物のゼラチ
ンを使用するために保存上の制約がある等により、現在
では、合成樹脂カプセルに変わりつつある。合成樹脂カ
プセルの中でも、in-situ 重合法カプセルは、性能面、
原料、製造コストの点から、感圧記録紙用マイクロカプ
セルとして多く用いられている。しかし、反応中に発生
するホルマリン、カプセル液中に残存するホルマリン等
が問題視され、また、大粒子のカプセルを製造するのが
難しい等の点がある。界面重合法カプセルは、大粒子の
カプセルが得られる、カプセル化が短時間でできる等の
利点があるが、その反面、得られたカプセルは、耐溶剤
性、耐熱性が不十分である。耐溶剤性が劣ると、感圧記
録紙がフレキソまたはオフセット方式により印刷された
場合に、印刷に使用する溶剤によりマイクロカプセル中
の芯物質が抽出される恐れがある。また、耐熱性が劣る
と、マイクロカプセルを塗工、乾燥する際に、その乾燥
熱により、感圧記録紙に用いられる疎水性液体の蒸気圧
により臭気が発生する、感圧記録紙を高温度で保管した
時に下用紙に汚染が起こる可能性がある等の欠点があ
る。さらには、イソシアナートの種類によっては、感圧
記録紙用の電子供与性発色剤(以下、ロイコ色素と略
す)と反応する等の欠点があり、これらを補うために種
々の提案がなされている。
【0004】特開昭52−130708号公報にはカル
ボジイミド変性したトリレンジイソシアナート、ヘキサ
メチレンジイソシアナートと多価アミンとの反応系を用
いる方法、特開昭53−70985号公報にはビウレッ
ト基を含有する脂肪族ジイソシアナートと多価アミンと
の反応系を用いる方法、特公昭57−52238号公報
にはオキサジアジントリオン変性した脂肪族ジイソシア
ナートと多価アミンとの反応系を用いる方法、特開昭5
7−140638号公報にはポリメチレンポリフェニル
イソシアナートと脂肪族イソシアナートの併用物と多価
アミンの反応系を用いる方法、特開昭63−10774
1号公報にはジイソシアナートと1個のアミノ基を含む
ポリエーテルポリオールとの反応系を用いる、特開昭6
3−116736号公報にはアルキルベンゼンジイソシ
アナートと多価アミンとの反応系を用いる方法、特開昭
63−200830号公報には脂肪族ジイソシアナート
と脂肪族ジイソシアナートのイソシアヌレート環含有化
合物の併用物と多価アミンとの反応系を用いる方法、
開昭64−72886号公報にはジイソシアナートとア
ミンのアルキレンオキサイド付加物との反応系を用いる
方法、特開平4−63128号公報にはo−トリジンジ
イソシアナートと脂肪族ジイソシアナートおよびその変
性体多価アミンとの反応系を用いる方法等が提案され、
一部工業化されている。しかし、耐溶剤性、耐熱性につ
いては充分とはいえず、まだ改良の余地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イソシアナートと活性水素原子を有する化合物との反応
により合成樹脂膜を形成させてなるマイクロカプセルの
製造において、耐熱性、耐溶剤性に優れたマイクロカプ
セルを製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に到った。即ち、本発明は、ポリイソシアナートと活性
水素原子を有する化合物との反応によりマイクロカプセ
ル膜を形成させてなるマイクロカプセルの製造におい
て、該ポリイソシアナートとして、一般式(1)(化
4)で表される多環式脂肪族ジイソシアナート及び/ま
たは一般式(2)(化5)で表されるポリイソシアナー
トを用いるマイクロカプセルの製造方法に関するもので
ある。
【0007】
【化4】 (式中、k=1〜2、jおよびm=1〜5、h=0〜2
の整数を表す)
【0008】
【化5】 〔式中、nは1〜5の整数を表し、R1 、R2 は炭素数
1〜12のアルキレン基または一般式(3)(化6)で
表される基を表し、そのうち少なくとも一つは、一般式
(3)で表される基である〕
【0009】
【化6】 (式中、k=1〜2、jおよびm=1〜5、h=0〜2
の整数を表す) 本発明に用いられる多環式脂肪族ジイソシアナートは、
一般式(1)で表される化合物であり、特開平3−22
0167号公報に記載の製造方法により得られる。例え
ば、相当する多環式脂肪族ジアミンと塩化水素からジア
ミンの塩酸塩を製造し、ついでホスゲンと反応させる方
法で得られる。
【0010】また、一般式(2)で表されるポリイソシ
アナートは、オキサジアジノン環構造を有するポリイソ
シアナートであり、特願平4−348196号明細書
(特開平6−199986号公報)に記載の製造方法、
即ち、一般式(1)で表される多環式脂肪族ジイソシア
ナートおよび/または一般式(4)で表される直鎖脂肪
族ジイソシアナートとにより、 OCN−R3 −NCO (4) (式中、R3 は炭素数2〜12のアルキレン基を示す)
第3級のリン化合物等の触媒の存在下で、炭酸ガスとの
反応により得られる。多環式脂肪族ジイソシアナートと
直鎖脂肪族ジイソシアナートの使用量は、モル比で1:
9〜10:0の範囲であり、モル比は目的及び用途によ
り選択できる。この組成でのオキサジアジノン環構造を
有するポリイソシアナートは、室温で流動性を示す。
【0011】一般式(1)で表される多環式脂肪族ジイ
ソシアナートとしては、下記の化合物が挙げられる。 k=1、h=0のものとしては、 例示化合物番号 1.2,5(6)−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン 2.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアネー
トエチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 3.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアネー
トプロピルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 4.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアネー
トブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 5.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナト
ペンチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 6.2,5(6)−ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタン 7.2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナト
プロピルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 8.2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナト
ペンチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン 等が挙げられる。
【0012】k=2,h=0のものとしては、 9.2,5(6)ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ
〔2,2,2〕オクタン 10.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナ
トエチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 11.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナ
トプロピルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 12.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナ
トブチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 13.2−イソシアナトメチル−5(6)−イソシアナ
トペンチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 14.2,5(6)ジ(イソシアナトエチル)ビシクロ
〔2,2,2〕オクタン 15.2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナ
トプロピルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 16.2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナ
トブチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 17.2−イソシアナトエチル−5(6)−イソシアナ
トペンチルビシクロ〔2,2,2〕オクタン 等が挙げられる。
【0013】k=1,h=1のものとしては、 18.3(4),8(9)−ジ(イソシアナトメチル)
トリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デカン 19.3(4)−イソシアナトメチル−8(9)−イソ
シアナトエチルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デカ
ン 20.3(4)−イソシアナトメチル−8(9)−イソ
シアナトプロピルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デ
カン 21.3(4)−イソシアナトメチル−8(9)−イソ
シアナトブチルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デカ
ン 22.3(4)−イソシアナトメチル−8(9)−イソ
シアナトペンチルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デ
カン 23.3(4),8(9)−ジ(イソシアナトエチル)
トリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デカン 24.3(4)−イソシアナトエチル−8(9)−イソ
シアナトプロピルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デ
カン 25.3(4)−イソシアナトエチル−8(9)−イソ
シアナトブチルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デカ
ン 26.3(4)−イソシアナトエチル−8(9)−イソ
シアナトペンチルトリシクロ〔5,2,1,02,6 〕デ
カン 等が挙げられる。
【0014】これらの多種の多環式脂肪族ジイソシアナ
ートの中でも、特に好ましくは、2,5(6)−ジ(イ
ソシアナトメチル)ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン
(以下、BCHIと略す)および3(4),8(9)−
ジ(イソシアナトメチル)トリシクロ〔5,2,1,0
2,6 〕デカン(以下、TCDIと略す)である。また、
一般式(4)で表される直鎖脂肪族ジイソシアナートの
具体的としては、1,2−ジイソシアナトエタン、1,
3−ジイソシアナトプロパン、1,4−ジイソシアナト
ブタン、1,5−ジイシシアナトペンタン、1,6−ジ
イソシアナトヘキサン、1,7−ジイソシアナトヘプタ
ン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,9−ジイソ
シアナトノナン、1,10−ジイソシアナトデカン、
1,11−ジイソシアナトウンデカン、1,12−ジイ
ソシアナトドデカン等が挙げられる。この中でも汎用性
のある直鎖脂肪族ジイソシアナートとして、1,6−ジ
イソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、HDI)が挙げられる。
【0015】一般式(1)で表される多環式脂肪族ジイ
ソシアネートおよび/または一般式(2)で表されるオ
キサジアジノン環構造を有するポリイソシアナートは、
脂肪族多環式炭化水素を骨格とするため、耐熱、機械的
強度がよく、しかも脂肪族イソシアナートであるため耐
候性、無黄性をも兼ね備えた優れたポリイソシアナート
である。従って、マイクロカプセル用の膜剤として用い
た場合にも、上記の特徴が生かされ、マイクロカプセル
の膜物性(特に、耐熱性、エタノール、イソプロピルア
ルコール等に対する耐溶剤性)が強くなる傾向を示し、
長期に保存した場合の熱、光による黄変傾向もない。さ
らには、オキサジアジノン環構造を有するポリイソシア
ナートは、それぞれのイソシアナートモノマーとして取
り扱うよりも、蒸気圧が低いため、取扱および作業上の
安全、衛生面からのメリットだけでなく、マイクロカプ
セル用の膜剤として用いた場合、マイクロカプセルの膜
物性(溶剤、耐熱性)がさらに向上する。
【0016】また、マイクロカプセルの疎水性芯物質と
して用いられる溶剤、例えば、感圧複写紙に用いられる
疎水性液体(部分水素化ターフェニル、塩素化パラフィ
ン、ジアリールアルカン、アルキル化ナフタレン、アル
キル化ビフェニル等)、示温剤に用いられる疎水性液体
(高級アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル
類)に対する溶解性が良い。更には、農薬、接着剤等に
用いられる一般的な芳香族、脂肪族溶剤に対する溶解性
も良い。本発明の多環式脂肪族ジイソシアネートとオキ
サジアジノン環構造を有するポリイソシアナートは、目
的、用途に応じ、更には、取扱及び性能向上のため、混
合しての使用、更には既存の芳香族、脂肪族、脂環族の
ジ、トリ、テトラ等のポリイソシアナート類、あるい
は、それらの混合物と併用して用いることも可能であ
る。
【0017】多環式脂肪族ジイソシアネートと反応し皮
膜を形成する活性水素を有する化合物としては、公知の
ものが使用できる。多価アミン類としては、エチレンジ
アミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等
が挙げられる。また、多価ヒドロキシル化合物として
は、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ハイドロキノンジエチロールエーテル、カテコー
ル、レゾルシン等が挙げられ、多価ヒドロキシルアミン
としては、アミンのアルキレンオキサイド付加物、ポリ
オキシアルキレンアミンのアルキレンオキサイド付加物
等があげられる。これらは、単独で、あるいは組み合わ
せて用いられる。これらの活性水素を有する化合物は、
該ポリイソシアナート100重量部に対して、0.5〜
100重量部、より好ましくは1〜50重量部の範囲で
ある。反応条件は、pHと温度により調整でき、中で
も、pHをアルカリ側にすること、温度を上げること等
により反応時間を短縮できる。
【0018】本発明のマイクロカプセルは、in-situ 、
界面重合法いずれの製法でも製造可能であるが、感圧複
写紙のマイクロカプセルの製造には、界面重合法が適し
ている。その場合の製造方法は次の通りである。即ち、
前記の疎水性液体に、フタリド誘導体、フルオラン誘導
体、アザフタリド誘導体、トリフェニルメタン誘導体、
フェノチアジン誘導体、インドリルフタリド誘導体、リ
ュウコオーラミン誘導体、スピロピラン系化合物、ロー
ダミンラクタム系化合物、ベンゾキサジン系化合物等の
ロイコ色素を溶解し、さらに、該ポリイソシアネートを
溶解して、内部相を調製する。この内部相を、ポリビニ
ルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カ
チオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、リグニンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ア
クリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸−ア
クリロニトリル−アクリルアミドメチルプロパンスルホ
ン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、ポリアクリル酸、アクリルアミド−アクリル酸共重
合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物等の保護コロイド剤を溶解した水相中に、ホモミ
キサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ワー
リングブレンダー、フロージェットミキサー、インライ
ンミル等の乳化機により、平均粒子径2〜10μmの微
粒子を製造する。次に、このようにして製造された乳化
液に、水相に溶解した活性水素を有する化合物を添加し
て、温度を50〜80℃の範囲で2〜3時間保持するこ
とによりマイクロカプセル液が得られる。
【0019】また、本発明のポリイソシアナートは、先
に例示した以外にも、用途により、芯物質中に多環式脂
肪族ジイソシアネートと活性水素を有する化合物を溶解
し、保護コロイド剤を溶解した水相中で乳化を行い、温
度、pHを制御することによりマイクロカプセルを製造
することもも可能である。本発明で得られるマイクロカ
プセルは、本発明のマイクロカプセルの主用途である感
圧複写紙以外にも、示温剤、香料、殺虫剤、殺菌剤、農
薬、防カビ剤、潤滑剤、液晶、硬化剤、ワックス等にも
展開できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例をあげて
具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限され
るものでない。はじめにマイクロカプセルの性能試験方
法を示す。 (1)上用紙の作製 50重量%のマイクロカプセル液100gに、平均粒子
径15〜20μmの小麦粉澱粉20g、50重量%のス
チレンブタジエンラテックス6gを加え、混合、マイク
ロカプセル塗液を調製した。40g/m2 の上質紙上に
カプセル塗液を乾燥塗布量が5g/m2 になるようにメ
イヤーバーを用いて塗布し、105℃で30秒乾燥して
感圧複写紙用上用紙を作製した。 (2)発色性能試験 (1)で作製した上用紙の塗工面と下用紙の塗工面(三
菱製紙N−40)とを合わせて温度20℃で、線圧50
Kg/cmのカレンダーを通過させて発色させる。発色
24時間後の反射率をΣ80色差計でY値を測定する。 (3)マイクロカプセルの耐熱性試験 (1)で作製した上用紙の塗工面と下用紙(三菱製紙N
−40)の塗工面を合わせ、両面をガラス板で挟み、
0.5Kg/cm2 の荷重を乗せ、140℃の乾燥器に
3時間保存した。試験後、下用紙の反射率をΣ80色差
計でY値を測定した。Y値が大きいほど耐熱性が良いこ
とを示す。 (4)マイクロカプセルの耐溶剤性試験(イソプロピル
アルコール) (1)で作製した上用紙をイソプロピルアルコールに3
0分間浸した後、乾燥し、下用紙(三菱製紙N−40)
と合わせて線圧50Kg/cmのカレンダーを通過させ
て発色させる。発色開始24時間後の反射率をΣ80色
差計でY値を測定した。(2)の発色濃度との差が小さ
いほど耐溶剤性が良いことを示す。 (5)マイクロカプセルの耐溶剤性試験(エタノール) (1)で作製した上用紙をエタノールに5分間浸した
後、乾燥し、下用紙(三菱製紙N−40)と合わせて線
圧50Kg/cmのカレンダーを通過させて発色させ
る。発色開始24時間後の反射率をΣ80色差計でY値
を測定した。(2)の発色濃度との差が小さいほど耐溶
剤性が良いことを示す。
【0021】合成例1 温度計、冷却管、窒素導入菅、撹拌羽根付の4つ口フラ
スコに、BCHI、100g(0.485モル)を装入
し、20℃で炭酸ガスを200ml/ min.の割合で
吹き込みながら、触媒A(トリ−n−ブチルスルフィン
を酢酸ブチル9gに溶解したもの)を4.8g加え、撹
拌しながら6時間反応を行った。反応液のNCOは4
0.7%から25.6%まで減少したので、炭酸ガスの
供給を止め、硫酸ジメチル0.46gを加え、さらに、
0.5時間撹拌し、触媒Aを失活させた。僅かに黄色を
呈する透明粘稠液体を得た。 合成例2 温度計、冷却管、窒素導入菅、撹拌羽根付の4つ口フラ
スコに、TCDI、60g(0.244モル)を装入
し、20℃で炭酸ガスを100ml/ min.の割合で
吹き込みながら、触媒Aを2.4g加え、撹拌しながら
5.5時間反応を行った。反応液のNCOは34.1%
から24.3%まで減少したので、炭酸ガスの供給を止
め、硫酸ジメチル0.23gを加え、さらに、0.5時
間撹拌し、触媒Aを失活させた。僅かに黄色を呈する透
明粘稠液体を得た。
【0022】合成例3 温度計、冷却管、窒素導入菅、撹拌羽根付の4つ口フラ
スコに、BCHI、300g(1.45モル)を装入
し、20℃で炭酸ガスを300ml/ min.の割合で
吹き込みながら、触媒Aを4.0g加え、撹拌しながら
5時間反応を行った。反応液のNCOは40.7%から
26.2%まで減少したので、炭酸ガスの供給を止め、
ベンゾイルクロライド0.38gを加え、さらに、0.
5時間撹拌し、触媒Aを失活させた。僅かに黄色を呈す
る透明粘稠液体を得た。このようにして得られた反応マ
スを0.2torrの真空下で薄膜蒸留し、未反応原料
を除いて、110gのポリイソシアナートを得た。 合成例4 温度計、冷却管、窒素導入菅、撹拌羽根付の4つ口フラ
スコに、BCHI、140g(0.680モル)、HD
I、60g(0.357モル)を装入し、20℃で炭酸
ガスを200ml/ min.の割合で吹き込みながら、
触媒Aを10.6g加え、撹拌しながら5時間反応を行
った。NCO含有量は43.6%から24.7%に減少
した。硫酸ジメチル1.0gを加え、さらに、0.5時
間撹拌し、触媒Aを失活させた。僅かに黄色を呈する透
明粘稠液体を得た。
【0023】合成例5 BCHI、60g(0.29モル)、TCDI、60g
(0.244モル)とHDI、80g(0.475モ
ル)を使用する以外は、合成例2と同様に反応を行っ
た。NCO含有量は43.4%から24.3%に減少し
た。硫酸ジメチル1.0gを加え、0.5時間撹拌し、
触媒Aを失活させた。僅かに黄色を呈する透明粘稠液体
を得た。 合成例6 HDI、100g(0.59モル)を使用する以外は、
合成例1と同様に反応を行った。NCO含有量は50.
0%から25.3%に減少した。硫酸ジメチル0.2g
用い、触媒Aを失活させた。薄膜蒸留後、残存HDI、
0.10%、NCO含有量17.9%のポリイソシアナ
ート組成物42gが得られた。
【0024】実施例1 ロイコ色素として3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン5.0gを溶解したフェニルキシ
リルエタン(日本石油化学(株)「SAS−296」)
100gに、BCHI、15gを溶解した。この内部相
を、ポリビニルアルコール(クラレ「PVA−21
7」)5重量部を溶解した水110.2gに加え、ホモ
ミキサー((株)特殊機化製)により6000rpmの
回転数で混合乳化させ、10分後に平均粒子径5μmの
エマルションを得た。撹拌下に、ジエチレントリアミン
5.2gを水20gに溶解して少量づつ滴下した。滴下
後、系を70℃に昇温して2時間反応させ、ついで冷却
してマイクロカプセル化を終えた。前記上用紙作製処方
に従い上用紙を得た。
【0025】実施例2 実施例1のBCHIの代わりに、TCDIを用いてマイ
クロカプセル化を行い、実施例1と同様にして上用紙を
得た。 実施例3 実施例1の3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン5gの代わりに、ロイコクリスタルバイ
オレットラクトン3gを用いてマイクロカプセル化を行
い、実施例1と同様にして上用紙を作製した。乾燥塗布
量を3g/m2とした。 実施例4 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
0.08モル、アクリル酸0.58モル、アクリロニト
リル0.36モルのモノマー構成を有する三元共重合体
の20%水溶液(粘度150cps,25℃)25g
を、水で希釈して、pH5.0に調整した水溶液11
0.2g中に、ロイコ色素として3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン5.0gを溶解し
たフェニルキシリルエタン(日本石油化学(株)「SA
S−296」)100gに、BCHI、15gを溶解し
て調製した内部相を加え、ホモミキサー((株)特殊機
化製)により6000rpmの回転数で混合乳化させ、
10分後に平均粒子径5μmのエマルションを得た。撹
拌下にジエチレントリアミン5.2gを水20gに溶解
して少量づつ滴下した。滴下後、系を70℃に昇温して
2時間反応させ、ついで冷却してマイクロカプセル化を
終えた。実施例1と同様にして上用紙を得た。
【0026】実施例5〜9 実施例1のBCHIの代わりに、合成例1〜5で得たポ
リイソシアナート15gを用いてマイクロカプセル化を
行い、実施例1と同様にして上用紙を得た。
【0027】実施例10 ポリビニルアルコール((株)クラレ「PVA−21
7」)5gを水110.2gに溶解した後、60℃に保
温した中に、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフル
オラン5.0g、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)スルフィド5.0gとミリスチルアルコール
90gとBCHI15gを加熱溶解して調整した内部相
を加え、ホモミキサー((株)特殊機化製)により65
00rpmの回転数で混合乳化させ、10分後に平均粒
子径6μmのエマルションを得た。撹拌下に、ジエチレ
ントリアミン5.2gを水20gに溶解して少量づつ滴
下した。滴下後、系を70℃に昇温して2時間反応さ
せ、ついで冷却してマイクロカプセル化を終えた。この
マイクロカプセル液を乾燥塗布量が10g/m2 になる
ようにメイヤーバーを用いて塗布、105℃/1分乾燥
して示温カプセルシートを得た。この示温カプセルシー
トは33℃で赤色から無色に変化した。
【0028】比較例1 実施例1のBCHIの代わりに、HDIを用いてマイク
ロカプセル化を行い、実施例1と同様にして上用紙を得
た。 比較例2 実施例1のBCHIの代わりに、イソホロンジイソシア
ナートを用いてマイクロカプセル化を行い、実施例1と
同様にして上用紙を得た。 比較例3 実施例1のBCHIの代わりに、キシリレンジイソシア
ナートを用いてマイクロカプセル化を行った。得られた
カプセルの平均粒子径は12μmと大きく、一部ロイコ
色素との反応により暗褐色に着色していた。実施例1と
同様にして上用紙を得た。 比較例4 実施例1のBCHIの代わりに、合成例6で得たポリイ
ソシアナートを用いてマイクロカプセル化を行い、実施
例1と同様にして上用紙を得た。
【0029】実施例1〜10および比較例1〜4で得ら
れた上用紙について、前記の方法に従って評価を行い、
その結果を表1(表1)に示した。
【0030】
【表1】 表1に示す様に、本発明の方法で製造されたマイクロカ
プセルは、比較例3の様に、ロイコ色素との反応による
着色がなく、また本発明のマイクロカプセルを用いて作
製された感圧複写紙は、比較例1〜4と較べても、耐溶
剤性、耐熱性において、極めて優れた性能を有する。
【0031】
【発明の効果】本発明の多環式脂肪族ジイソシアナート
および/またはオキサジアジノン環構造を有するポリイ
ソシアナートは、感圧複写紙用疎水性液体に対する溶解
性が良く、マイクロカプセル製造時におけるロイコ色素
との反応による着色および乳化性も問題がない。この多
環式脂肪族ジイソシアナートをおよび/またはオキサジ
アジノン環構造を有するポリイソシアナートを膜剤とす
るマイクロカプセルを用いて作製された感圧複写紙は、
発色濃度の低下がなく、しかも極めて優れた耐熱性、耐
溶剤性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷山 龍二 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−124717(JP,A) 特開 平3−220167(JP,A) 特開 平6−134293(JP,A) 特公 昭57−52238(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/16 B41M 5/165

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアナートと活性水素原子を有
    する化合物との反応によりマイクロカプセル膜を形成さ
    せてなるマイクロカプセルの製造において、該ポリイソ
    シアナートが、一般式(1)(化1)で表される多環式
    脂肪族ジイソシアナート及び/または一般式(2)(化
    2)で表されるポリイソシアナートであることを特徴と
    するマイクロカプセルの製造方法。 【化1】 (式中、k=1〜2、jおよびm=1〜5、h=0〜2
    の整数を表す) 【化2】 〔式中、nは1〜5の整数を表し、R1 、R2 は炭素数
    2〜12のアルキレン基または一般式(3)(化3)で
    表される基を表し、そのうち少なくとも一つが一般式
    (3)で表される基である〕 【化3】 (式中、k=1〜2、jおよびm=1〜5、h=0〜2
    の整数を表わす)
  2. 【請求項2】 活性水素原子を有する化合物が、多価ア
    ミン、多価ヒドロキシ化合物または多価ヒドロキシルア
    ミンのいずれかである請求項1記載のマイクロカプセル
    の製造方法。
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