JP3518921B2 - マイクロカプセルおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルおよびその製造方法

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JP3518921B2
JP3518921B2 JP06971795A JP6971795A JP3518921B2 JP 3518921 B2 JP3518921 B2 JP 3518921B2 JP 06971795 A JP06971795 A JP 06971795A JP 6971795 A JP6971795 A JP 6971795A JP 3518921 B2 JP3518921 B2 JP 3518921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の分野で有用なマ
イクロカプセル、およびその製造方法に関する。さらに
詳しくは、耐溶剤性、耐圧性に優れ、多価イソシアネー
トとして、芳香族多価イソシアネートを使用した場合に
も、芳香族多価イソシアネートと発色剤が反応して着色
しないマイクロカプセル、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、感圧記録材料や感
熱記録材料等の記録材料、医薬品、農薬、接着剤、食
品、防錆剤、液晶、示温材料等の多岐にわたる分野で検
討され、種々のものが実用化あるいは実用化試験に至っ
ている。とりわけ、疎水性物質のマイクロカプセル化に
ついては、既に数多くの技術が提案され、それらの中
で、ゼラチンを用いたコアセルベーション法(相分離
法)、界面重合法、in-situ重合法等が知られている。
初期のマイクロカプセルでは、ゼラチンによるコアセル
ベーション法マイクロカプセルが多く用いられたが、低
濃度のマイクロカプセルしか得られない、原料として天
然物のゼラチンを使用するために保存上の制約がある等
のことから、現在では、合成樹脂マイクロカプセルに変
わりつつある。合成樹脂マイクロカプセルの中でも、in
-situ重合法マイクロカプセルは、性能面、原料、製造
コストの点から、感圧記録紙用マイクロカプセルとして
用いられている。しかし、反応中に発生するホルマリ
ン、マイクロカプセル液中に残存するホルマリン等が問
題視され、また、粒子径の大きいマイクロカプセルを製
造するのが難しい等の欠点がある。界面重合法マイクロ
カプセルは、粒子径の大きいマイクロカプセルが得ら
れ、マイクロカプセル化が短時間でできる、等の利点が
あるが、その反面、得られたマイクロカプセルをその主
たる用途である感圧複写紙に用いた場合に、耐溶剤性、
耐熱性、耐圧性が不十分である。耐溶剤性が劣ると、感
圧記録紙がフレキソまたはオフセット方式により印刷さ
れた場合に、印刷に使用する溶剤によりマイクロカプセ
ル中の芯物質が抽出される恐れがある。また、耐熱性が
劣ると、マイクロカプセルを塗工、乾燥する際に、その
乾燥熱により、感圧記録紙に用いられる疎水性液体の蒸
気圧により臭気が発生する、感圧記録紙を高温度で保管
したときに下用紙に汚染が起こる可能性がある、等の欠
点がある。また、耐圧性が劣ると、弱いこすれや圧力で
マイクロカプセルが破裂し、こすれ、圧力かぶりの原因
になる、等の欠点がある。これらの欠点を補うために種
々の提案がなされている。例えば、特開昭52−130
708号公報にはカルボジイミド変性したトリレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートと、多
価アミンとの反応系を用いる方法、特開昭53−709
85号公報にはビウレット基を含有する脂肪族ジイソシ
アネートと多価アミンとの反応系を用いる方法、特開昭
57−52238号公報にはオキサジアジントリオン変
性した脂肪族ジイソシアネートと多価アミンを用いる方
法、特開昭57−140638号公報にはポリメチレン
ポリフェニルイソシアネートと脂肪族ジイソシアネート
の併用物と多価アミンの反応系を用いる方法、特開昭6
3−107741号公報にはジイソシアネートと1個の
アミノ基を含むポリエーテルポリオールとの反応系を用
いる方法、特開昭63−116736号公報にはアルキ
ルベンゼンジイソシアネートと多価アミンとの反応系を
用いる方法、特開昭63−200830号公報には脂肪
族ジイソシアネートと脂肪族ジイソシアネートのイソシ
アヌレート環含有化合物の併用物と多価アミンとの反応
系を用いる方法、ジイソシアネートとアミンのアルキレ
ンオキサイド付加物との反応系を用いる方法、特開平4
−63128号公報にはo−トリジンジイソシアネート
と脂肪族ジイソシアネートおよびその変性体多価アミン
との反応系を用いる方法等が提案され、一部工業化され
ている。しかし、耐溶剤性、耐圧性については充分とは
いえず、まだ改良の余地がある。また、多価イソシアネ
ートとして芳香族多価イソシアネートを用いた多くの場
合、芳香族多価イソシアネートと発色剤が反応して、マ
イクロカプセルの着色が起きる等の問題が生じる。この
ため、反応性の高い、芳香族多価イソシアネートを使用
した感圧紙用のマイクロカプセルは、殆ど実用化に至っ
ていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐溶
剤性、耐圧性に優れ、多価イソシアネートとして、芳香
族多価イソシアネートを使用した場合にも、芳香族多価
イソシアネートと発色剤が反応して着色しないマイクロ
カプセル、および、その製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、多価イソシアネート、ポリ
オールおよび多価アミンとの反応で得られる樹脂を壁材
として用いるマイクロカプセルにおいて、ポリオール成
分が、一般式(1)(化2)、および/または(2)
(化2)で表されるジアミノ化合物に、アルキレンオキ
サイドを付加させてなる脂肪族環状ポリエーテルポリオ
ールであるマイクロカプセル、また、多価イソシアネー
ト、一般式(1)および/または(2)で表されるジア
ミノ化合物にアルキレンオキサイドを付加させてなる脂
肪族環状ポリエーテルポリオール、および疎水性芯物質
を含む内部相を、水相中で乳化させた後、多価アミンを
添加し、液滴界面で合成樹脂皮膜を形成させるマイクロ
カプセルの製造方法に関するものである。
【0005】
【化2】 (式中、kは1〜2、jおよびmは1〜5、hは0〜1
の整数を表す)
【0006】本発明のマイクロカプセルは、多価イソシ
アネート、ポリオールおよび多価アミンとの反応で得ら
れる樹脂を壁材として用いたマイクロカプセルにおい
て、ポリオール成分が、一般式(1)および/または
(2)で表されるジアミノ化合物に、アルキレンオキサ
イドを付加させてなる脂肪族環状ポリエーテルポリオー
ルを用いたマイクロカプセルである。
【0007】本発明に用いられる一般式(1)および/
または(2)で表されるジアミノ化合物の具体例として
は、2,5(6)−ジ(アミノメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、2,5(6)−ジ(アミノエチル)
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)−ジ
(アミノメチル)ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5(6)−ジ(アミノエチル)ビシクロ[2,2,
2]オクタン、2−アミノメチル−5(6)−アミノエ
チルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−アミノメチ
ル−5(6)−アミノプロピルビシクロ[2,2,1]
ヘプタン、2−アミノメチル−5(6)−アミノブチル
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−アミノメチル−
5(6)−アミノペンチルビシクロ[2,2,1]ヘプ
タン、2−アミノエチル−5(6)−アミノプロピルビ
シクロ[2,2,1]ヘプタン、2−アミノエチル−5
(6)−アミノブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン、2−アミノエチル−5(6)−アミノペンチルビシ
クロ[2,2,1]ヘプタン、2−アミノメチル−5
(6)−アミノエチルビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−アミノメチル−5(6)−アミノプロピルビシ
クロ[2,2,2]オクタン、2−アミノメチル−5
(6)−アミノブチルビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−アミノメチル−5(6)−アミノペンチルビシ
クロ[2,2,2]オクタン、2−アミノエチル−5
(6)−アミノプロピルビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−アミノエチル−5(6)−アミノブチルビシク
ロ[2,2,2]オクタン、2−アミノエチル−5
(6)−アミノペンチルビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、
【0008】3(4),8(9)−ジ(アミノメチル)
トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),
8(9)−ジ(アミノエチル)トリシクロ[5,2,
1,02, 6]デカン、3(4)−アミノメチル−8
(9)−アミノエチルトリシクロ[5,2,1,
2,6]デカン、3(4)−アミノメチル−8(9)−
アミノプロピルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ
ン、3(4)−アミノメチル−8(9)−アミノブチル
トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)−
アミノメチル−8(9)−アミノペンチルトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、3(4)−アミノエチ
ル−8(9)−アミノプロピルトリシクロ[5,2,
1,02,6]デカン、3(4)−アミノエチル−8
(9)−アミノブチルトリシクロ[5,2,1,
2,6]デカン、3(4)−アミノエチル−8(9)−
アミノペンチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ
ン、3(4),8(9)−ジ(アミノメチル)トリシク
ロ[5,2,2,02,6 ]ウンデカン、3(4),8
(9)−ジ(アミノエチル)トリシクロ[5,2,2,
2,6 ]ウンデカン、3(4)−アミノメチル−8
(9)−アミノエチルトリシクロ[5,2,2,
2,6 ]ウンデカン、3(4)−アミノメチル−8
(9)−アミノブチルトリシクロ[5,2,2,
2,6 ]ウンデカン、3(4)−アミノメチル−8
(9)−アミノペンチルトリシクロ[5,2,2,0
2,6 ]ウンデカン、3(4)−アミノエチル−8(9)
−アミノプロピルトリシクロ[5,2,2,02,6 ]ウ
ンデカン、3(4)−アミノエチル−8(9)−アミノ
ブチルトリシクロ[5,2,2,02,6 ]ウンデカン、
3(4)−アミノエチル−8(9)−アミノペンチルト
リシクロ[5,2,2,02,6 ]ウンデカン、
【0009】4,9(10)−ジアミノメチルテトラシ
クロ(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、4−アミ
ノメチル−9(10)−アミノエチルテトラシクロ
(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、4−アミノメ
チル−9(10)−アミノプロピルテトラシクロ(6,
2,1,13,6,02,7)ドデカン、4−アミノメチル−
9(10)−アミノブチルテトラシクロ(6,2,1,
3,6,02,7)ドデカン、4−アミノメチル−9(1
0)−アミノペンチルテトラシクロ(6,2,1,13,
6,02,7)ドデカン、4,9(10)−ジアミノエチル
テトラシクロ(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、
4−アミノエチル−9(10)−アミノプロピルテトラ
シクロ(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、4−ア
ミノエチル−9(10)−アミノブチルテトラシクロ
(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、4−アミノエ
チル−9(10)−アミノペンチルテトラシクロ(6,
2,1,13, 6,02,7)ドデカン、4(5),9(1
0)−ジアミノメチルテトラシクロ(6,2,2,1
3,6,02 ,7)トリデカン、4(5)−アミノメチル−9
(10)−アミノエチルテトラシクロ(6,2,2,1
3,6,02,7)トリデカン、4(5)−アミノメチル−9
(10)−アミノプロピルテトラシクロ(6,2,2,
3,6,02,7)トリデカン、4(5)−アミノメチル−
9(10)−アミノブチルテトラシクロ(6,2,2,
3,6,02,7)トリデカン、4(5)−アミノメチル−
9(10)−アミノペンチルテトラシクロ(6,2,
2,13,6,02,7)トリデカン、4(5),9(10)
−ジアミノエチルテトラシクロ(6,2,2,13,6
2,7)トリデカン、4(5)−アミノエチル−9(1
0)−アミノプロピルテトラシクロ(6,2,2,1
3,6,02,7)トリデカン、4(5)−アミノエチル−9
(10)−アミノブチルテトラシクロ(6,2,2,1
3,6,02,7)トリデカン、4(5)−アミノエチル−9
(10)−アミノペンチルテトラシクロ(6,2,2,
3,6,02,7)トリデカン、等が挙げられる。
【0010】これらジアミノ化合物の中でも、好ましく
は、2,5(6)−ジ(アミノメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、2,5(6)−ジ(アミノエチル)
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)−ジ
(アミノメチル)ビシクロ[2,2,2]オクタン、
2,5(6)−ジ(アミノエチル)ビシクロ[2,2,
2]オクタン、2−アミノメチル−5(6)−アミノエ
チルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−アミノメチ
ル−5(6)−アミノエチルビシクロ[2,2,2]オ
クタン、3(4),8(9)−ジ(アミノメチル)トリ
シクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8
(9)−ジ(アミノエチル)トリシクロ[5,2,1,
2,6]デカン、3(4)−アミノメチル−8(9)−
アミノエチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ
ン、4,9(10)−ジアミノメチルテトラシクロ
(6,2,1,13,6,02,7)ドデカン、4,9(1
0)−ジアミノエチルテトラシクロ(6,2,1,1
3,6,02,7)ドデカン、4(5),9(10)−ジアミ
ノメチルテトラシクロ(6,2,2,13,6,02,7)ト
リデカン、4(5),9(10)−ジアミノエチルテト
ラシクロ(6,2,2,13,6,02,7)トリデカン、
【0011】より好ましくは、2,5(6)−ジ(アミ
ノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5
(6)−ジ(アミノエチル)ビシクロ[2,2,1]ヘ
プタン、2−アミノメチル−5(6)−アミノエチルビ
シクロ[2,2,1]ヘプタン、3(4),8(9)−
ジ(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6
デカン、3(4),8(9)−ジ(アミノエチル)トリ
シクロ[5,2,1,02, 6]デカン、3(4)−アミ
ノメチル−8(9)−アミノエチルトリシクロ[5,
2,1,02,6]デカン、4,9(10)−ジアミノメ
チルテトラシクロ(6,2,1,13,6,02,7)ドデカ
ン、4(5),9(10)−ジアミノメチルテトラシク
ロ(6,2,2,13,6,02,7)トリデカン、さらに好
ましくは、2,5(6)−ジ(アミノメチル)ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)−ジ(アミノエ
チル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、3(4),8
(9)−ジ(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,
2,6]デカン、3(4),8(9)−ジ(アミノエチ
ル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、特に好
ましくは、2,5(6)−ジ(アミノメチル)ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン、3(4),8(9)−ジ(ア
ミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン
である。これらは単独で、あるいは任意に組み合わせて
用いられる。
【0012】本発明の脂肪族環状ポリエーテルポリオー
ルとは、一般式(1)および/または(2)で表される
ジアミノ化合物にアルキレンオキサイドを付加して得ら
れたものである。アルキレンオキサイドとしては、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル等があげられるが、好ましくは、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ま
たはスチレンオキサイドであり、より好ましくは、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、またはブチレ
ンオキサイドである。これらは単独で、あるいは任意に
組み合わせて用いられる。アルキレンオキサイドの使用
量は、ジアミノ化合物1モルに対し、4〜24モルが適
当である。好ましくは、8〜24モル、より好ましく
は、12〜20モル、特に好ましくは、14〜18モル
である。
【0013】本発明の脂肪族環状ポリエーテルポリオー
ルは、公知の方法で製造できる。例えば、ジアミノ化合
物のみ、もしくは、触媒量のアミンをオートクレーブに
仕込み、乾燥窒素で置換した後、100℃前後に昇温
し、減圧下、任意の量のアルキレンオキサイドを加え、
内圧の低下が見られなくなるまで反応させた後、未反応
のアルキレンオキサイドを除去する等の方法が用いられ
る。
【0014】本発明に用いられる多価イソシアネートと
は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物であ
り、公知のものが使用できる。具体例としては、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネートのカルボジイミ
ド変性体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト体、トリレンジイソシアネートのビウレット体、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート体、
ジフェニルメタンジイソシアネートのビウレット体、キ
シリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−
1,4−ジイソシアネートのカルボジイミド変性体、キ
シリレン−1,4−ジイソシアネートのイソシアヌレー
ト体、キシリレン−1,4−ジイソシアネートのビウレ
ット体、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、キシ
リレン−1,3−ジイソシアネートのカルボジイミド変
性体、キシリレン−1,3−ジイソシアネートのイソシ
アヌレート体、キシリレン−1,3−ジイソシアネート
のビウレット体、ジアニシジンジイソシアネート、ジア
ニシジンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ジ
アニシジンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ジ
アニシジンジイソシアネートのビウレット体、トリデン
ジイソシアネート、トリデンジイソシアネートのカルボ
ジイミド変性体、トリデンジイソシアネートのイソシア
ヌレート体、トリデンジイソシアネートのビウレット
体、
【0015】エチレン−1,2−ジイソシアネート、プ
ロピレン−1,3−ジイソシアネート、ブチレン−1,
4−ジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ヘキサメチ
レンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメ
チレンジイソシアネートのビウレット体、ヘプタメチレ
ンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネー
ト、ノナメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、トランスビニレンジイソシアネート、N,N’
(4,4’−ジメチル−3,3’−ジフェニルジイソシ
アネート)ウレジオン、4,4’,4”−トリメチル−
3,3’,3”−トリイソシアネート−2,4,6−ト
リフェニルシアヌレート、2,6−ジイソシアネートメ
チルカプロエート、イソホロンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート−β−イ
ソシアネートエチルエステル、リジンジイソシアネート
−β−イソシアネートプロピルエステル、リジンジイソ
シアネート−γ−イソシアネートプロピルエステル、フ
ェニレンジイソシアネート、3−(2’−イソシアネー
トシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
シルイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、ビス(ジイソシアネートトリ
ル)フェニルメタン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、ピトリレンジイソシアネート、
【0016】2,5(6)−ジ(イソシアネートメチ
ル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)−
ジ(イソシアネートエチル)ビシクロ[2,2,1]ヘ
プタン、2,5(6)−ジ(イソシアネートメチル)ビ
シクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)−ジ(イ
ソシアネートエチル)ビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−イソシアネートメチル−5(6)−イソシアネ
ートエチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−イソ
シアネートメチル−5(6)−イソシアネートプロピル
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−イソシアネート
メチル−5(6)−イソシアネートブチルビシクロ
[2,2,1]ヘプタン、2−イソシアネートメチル−
5(6)−イソシアネートペンチルビシクロ[2,2,
1]ヘプタン、2−イソシアネートエチル−5(6)−
イソシアネートプロピルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン、2−イソシアネートエチル−5(6)−イソシアネ
ートブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−イソ
シアネートエチル−5(6)−イソシアネートペンチル
ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−イソシアネート
メチル−5(6)−イソシアネートエチルビシクロ
[2,2,2]オクタン、2−イソシアネートメチル−
5(6)−イソシアネートプロピルビシクロ[2,2,
2]オクタン、2−イソシアネートメチル−5(6)−
イソシアネートブチルビシクロ[2,2,2]オクタ
ン、2−イソシアネートメチル−5(6)−イソシアネ
ートペンチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2−イ
ソシアネートエチル−5(6)−イソシアネートプロピ
ルビシクロ[2,2,2]オクタン、2−イソシアネー
トエチル−5(6)−イソシアネートブチルビシクロ
[2,2,2]オクタン、2−イソシアネートエチル−
5(6)−イソシアネートペンチルビシクロ[2,2,
2]オクタン、
【0017】3(4),8(9)−ジ(イソシアネート
メチル)トリシクロ[5,2,1,0 2,6]デカン、3
(4),8(9)−ジ(イソシアネートエチル)トリシ
クロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)−イソシ
アネートメチル−8(9)−イソシアネートエチルトリ
シクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)−イソ
シアネートメチル−8(9)−イソシアネートプロピル
トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)−
イソシアネートメチル−8(9)−イソシアネートブチ
ルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)
−イソシアネートメチル−8(9)−イソシアネートペ
ンチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3
(4)−イソシアネートエチル−8(9)−イソシアネ
ートプロピルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ
ン、3(4)−イソシアネートエチル−8(9)−イソ
シアネートブチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デ
カン、3(4)−イソシアネートエチル−8(9)−イ
ソシアネートペンチルトリシクロ[5,2,1,
2,6]デカン、等が挙げられる。
【0018】これら多価イソシアネートの中でも、好ま
しくは、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
トのカルボジイミド変性体、キシリレン−1,4−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネー
ト、ジアニシジンジイソシアネート、トリデンジイソシ
アネート、エチレン−1,2−ジイソシアネート、プロ
ピレン−1,3−ジイソシアネート、ブチレン−1,4
−ジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートのビウレット体、ヘプタメチレンジイ
ソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナ
メチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、
4,4’,4”−トリメチル−3,3’,3”−トリイ
ソシアネート−2,4,6−トリフェニルシアヌレー
ト、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、イ
ソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート−β−イソシアネートエチルエ
ステル、リジンジイソシアネート−β−イソシアネート
プロピルエステル、リジンジイソシアネート−γ−イソ
シアネートプロピルエステル、フェニレンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3−
(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソ
シアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−
トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピ
リデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビス
(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ジフェニルエーテルジイソシアネート、ピトリレンジイ
ソシアネート、2,5(6)−ジ(イソシアネートメチ
ル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)−
ジ(イソシアネートエチル)ビシクロ[2,2,1]ヘ
プタン、
【0019】より好ましくは、2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、キシ
リレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,
3−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、4,4’,4”−トリメチル
−3,3’,3”−トリイソシアネート−2,4,6−
トリフェニルシアヌレート、イソホロンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
−β−イソシアネートエチルエステル、リジンジイソシ
アネート−β−イソシアネートプロピルエステル、リジ
ンジイソシアネート−γ−イソシアネートプロピルエス
テル、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、
2,5(6)−ジ(イソシアネートメチル)ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン、さらに好ましくは、ジフェニ
ルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、キ
シリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−
1,3−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット
体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート−β−イソシアネートエチ
ルエステル、2,5(6)−ジ(イソシアネートメチ
ル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、特に好ましく
は、ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミ
ド変性体、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートのビウレット体、2,5
(6)−ジ(イソシアネートメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタンである。これらは単独で、あるいは任
意に組み合わせて用いられる。本発明に用いられる多価
アミンとは、2個以上のアミノ基を有する化合物であ
り、公知のものが使用できる。具体例としては、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、等が挙げられる。これらは単独で、あるいは任意に
組み合わせて用いられる。
【0020】本発明のマイクロカプセルは、多価イソシ
アネートと一般式(1)および/または(2)で表され
るジアミノ化合物にアルキレンオキサイドを付加させて
なる脂肪族環状ポリエーテルポリオール、および疎水性
芯物質を含む内部相を、水相中で乳化させた後、多価ア
ミンを添加し、液滴界面で樹脂を合成させてマイクロカ
プセルの壁材とすることによって製造される。一般式
(1)および/または(2)で表されるジアミノ化合物
にアルキレンオキサイドを付加させてなる脂肪族環状ポ
リエーテルポリオールの使用量は、該脂肪族環状ポリエ
ーテルポリオールに含有されるOH基当量が、多価イソ
シアネートに含有されるNCO基当量に対して、好まし
くは、約0.1〜1.2倍当量、より好ましくは、約
0.1〜1.0倍当量、特に好ましくは、約0.2〜
0.5倍等量となる量である。多価アミンの使用量は、
該多価アミンに含有されるNH2基当量が、多価イソシ
アネートに含有されるNCO基当量に対して、好ましく
は、約0.1〜1.2倍当量、より好ましくは、約0.
1〜1.0倍当量、特に好ましくは、約0.2〜0.5
倍等量となる量である。また、一般式(1)および/ま
たは(2)で表されるジアミノ化合物にアルキレンオキ
サイドを付加させてなる脂肪族環状ポリエーテルポリオ
ールと多価アミンの使用量は、該脂肪族環状ポリエーテ
ルポリオールに含有されるOH基当量と該多価アミンに
含有されるNH2基当量の和が、多価イソシアネートに
含有されるNCO基当量に対して、好ましくは、約0.
2〜2.0倍当量、より好ましくは、約0.2〜1.2
倍当量、特に好ましくは、約0.4〜1.0倍等量とな
る量である。
【0021】本発明に用いられる疎水性芯物質とは、部
分水素化ターフェニル、塩素化パラフィン、ジアリール
アルカン、アルキル化ナフタレン、アルキル化ビフェニ
ル等の疎水性液体に、フタリド誘導体、フルオラン誘導
体、アザフタリド誘導体、トリフェニルメタン誘導体、
フェノチアジン誘導体、インドリルフタリド誘導体、リ
ュウコオーラミン誘導体、スピロピラン系化合物、ロー
ダミンラクタム系化合物、ベンゾキサジン系化合物等の
ロイコ色素を溶解したものである。疎水性芯物質に対す
る、多価イソシアネート、一般式(1)および/または
(2)で表されるジアミノ化合物にアルキレンオキサイ
ドを付加させてなる脂肪族環状ポリエーテルポリオール
および多価アミンとの反応により得られる樹脂の使用量
は、マイクロカプセルの用途により異なるが、疎水性芯
物質100重量部に対して、0.5〜100重量部、好
ましくは、1〜50重量部である。
【0022】本発明のマイクロカプセルの界面重合法に
よる製造例としては、例えば、感圧複写紙のマイクロカ
プセルの製造が挙げられる。その場合の製造方法は次の
通りである。まず、疎水性芯物質に、該多価イソシアネ
ート、一般式(1)および/または(2)で表されるジ
アミノ化合物にアルキレンオキサイドを付加させてなる
脂肪族環状ポリエーテルポリオールを溶解して、内部相
を調製する。次いで、この内部相を、ポリビニルアルコ
ール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変
性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リグ
ニンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸
ーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸ーアクリロニ
トリルーアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸共重
合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリア
クリル酸、アクリルアミドーアクリル酸共重合体、エチ
レンー無水マレイン酸共重合体、スチレンー無水マレイ
ン酸共重合体、メチルビニルエーテルー無水マレイン酸
共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の
保護コロイド剤を溶解した水相中に加え、ホモミキサ
ー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ワーリン
グブレンダー、フロージェットミキサー、インラインミ
ル等の乳化機により、平均粒子径2〜10μmの微粒子
の乳化液を調製する。次に、この乳化液に、水相に溶解
した多価アミンを添加して、温度を50〜80℃で、2
〜3時間保持することにより、マイクロカプセル液が得
られる。
【0023】本発明の多価イソシアネートと一般式
(1)および/または(2)で表されるジアミノ化合物
にアルキレンオキサイドを付加させてなる脂肪族環状ポ
リエーテルポリオールとの反応により得られる樹脂を壁
材として用いるマイクロカプセルは、感圧複写紙以外に
も、ロイコ色素、フェノール性水酸基を有する化合物、
アルコール類を同一のマイクロカプセルに内包した示温
材料、香料、殺虫剤、殺菌剤、農薬、防カビ剤、潤滑
剤、液晶、硬化剤、ワックス等のマイクロカプセルとし
ても使用可能である。本発明の多価イソシアネート、一
般式(1)および/または(2)で表されるジアミノ化
合物にアルキレンオキサイドを付加させてなる脂肪族環
状ポリエーテルポリオールおよび多価アミンとの反応に
より合成樹脂膜を形成させてなるマイクロカプセルは、
耐溶剤性、耐圧性に優れ、また多価イソシアネートとし
て、芳香族多価イソシアネートを使用した場合に、芳香
族多価イソシアネートと発色剤が反応して着色しないマ
イクロカプセルである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定され
るものではない。 合成例 2,5(6)−ジ(アミノメチル)−ビクロ
[2,2,1]ヘプタン1モルに対し、ブチレンオキサ
イドを14モル付加した脂肪族環状ポリエーテルポリオ
ールの製造 2,5(6)−ジ(アミノメチル)−ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン154g(1.0モル)を21のオー
トクレーブに仕込み、乾燥窒素で置換した。減圧下に2
88g(4.0モル)のブチレンオキサイドを、オート
クレーブの内圧が4kg/cm2 以上にならないよう
に、徐々に装入した。ブチレンオキサイドの装入につれ
て温度が上昇した。装入終了後、内圧が0.1kg/c
2 に低下するまで、110℃で反応を行った。その
後、乾燥窒素で2kg/cm2 まで加圧し、オートクレ
ーブの内圧低下が認められなくなるまで、110℃で反
応を続けた。反応時間は5時間であった。冷却後、引続
き、水酸化カリウム3.0gをオートクレーブに仕込
み、減圧下に、727.2g(10.1モル)のブチレ
ンオキサイドをオートクレーブの内圧が4kg/cm2
以上にならないように、徐々に装入した。ブチレンオキ
サイドの装入につれて温度が上昇した。装入終了後、内
圧が0.1kg/cm2 に低下するまで、110℃で反
応を行った。その後、乾燥窒素で2kg/cm2 まで加
圧し、オートクレーブの内圧低下が認められなくなるま
で、110℃で反応を続けた。反応時間は5時間であっ
た。反応終了後、減圧下で未反応モノマーを除去した
後、85%リン酸を用いて、中和、精製を行い、製品と
して、1162gの脂肪族環状ポリエーテルポリオール
を得た。この製品は、無色透明の液体であり、1級およ
び2級アミン価は認められなかった。
【0025】実施例1 色素としてクリスタルバイオレットラクトン(CVL)
3.0gを溶解したフェニルキシリルエタン(日本石油
化学(株)[SAS−296」)100gに、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)のカルボジイミド
変性体(三井東圧化学(株)「コスモネートLK」、N
CO基含有率28.4wt%)15g(−NCO0.1
0当量)、および前記の合成例で得られた脂肪族環状ポ
リエーテルポリオール14.7g(−OH0.05当
量)を溶解した。この内部相を、ポリビニルアルコール
((株)クラレ「PVA−217」)5.0gを溶解し
た水110gに、徐々に加えながら、ホモミキサー
((株)特殊機化製)により、回転数5000rpmで
混合乳化させ、5分後に平均粒子径6μmの乳化液を得
た。撹拌下に、トリエチレンテトラミン3.65g(−
NH20.05当量)を、水15.6gに溶解した水溶
液を少量づつ滴下した。滴下終了後、30分間室温で撹
拌した後、反応系を70℃に昇温して2時間反応させ、
ついで冷却して、マイクロカプセル化を終え、マイクロ
カプセル液を製造した。
【0026】得られたマイクロカプセル液について、下
記の性能試験方法に従って、評価を行った。性能評価試
験結果を表1(表1)に示した。 (1)上用紙の作製:50重量%のマイクロカプセル液
100gに、平均粒子径15〜20μmの小麦粉でんぷ
ん20g、50重量%のスチレンブタジエンラテックス
6gを加え、混合マイクロカプセル塗液を調製した。4
0g/m2の上質紙上に、カプセル塗液を乾燥塗布量が
5g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布し、
105℃で30秒乾燥して感圧複写紙用上用紙を作製し
た。 (2)発色性能試験:(1)で作製した上用紙の塗工面
と、下用紙(三菱製紙N−40)の塗工面を合わせて、
温度20℃で、線圧50kg/cmのカレンダーを通過
させ、発色させる。発色24時間後の反射率をΣ80色
差計で測定し、Y値で表示する。 (3)マイクロカプセルの耐溶剤性試験(イソプロピル
アルコール、IPA):(1)で作製した上用紙を、イ
ソプロピルアルコールに30分間浸した後、乾燥し、そ
の塗工面と、下用紙(三菱製紙N−40)の塗工面とを
合わせ、温度20℃で、線圧50kg/cmのカレンダ
ーを通過させて発色させる。発色24時間後の反射率を
Σ80色差計で測定し、(2)の発色濃度との差をと
る。この差が小さいほど耐溶剤性が良いことを示す。 (4)マイクロカプセルの耐溶剤性試験(エチルアルコ
ール、EtOH):(1)で作製した上用紙を、エチル
アルコールに5分間浸した後、乾燥し、その塗工面と、
下用紙(三菱製紙N−40)の塗工面とを合わせ、温度
20℃で、線圧50kg/cmのカレンダーを通過させ
て発色させる。発色24時間後の反射率をΣ80色差計
で測定し、(2)の発色濃度との差をとる。この差が小
さいほど耐溶剤性が良いことを示す。 (5)マイクロカプセルの耐圧性試験(加圧汚染性):
(1)で作製した上用紙の塗工面と、下用紙(三菱製紙
N−40)の塗工面とを合わせ、温度20℃で、ミュー
レン破裂度試験機(東洋精機社製)で、20kg/cm
2の条件で、1分間加圧する。1時間後の反射率をΣ8
0色差計で測定し、未発色部の反射率との差をとる。こ
の差が小さいほど耐圧性(加圧汚染性)が良いことを示
す。 (6)マイクロカプセルの耐圧性試験(摩擦汚染性):
(1)で作成した上用紙の塗工面(10×2.5cm)
と、下用紙(三菱製紙N−40)の塗工面(30×3c
m)とを合わせ、温度20℃で、染色堅牢度用摩擦試験
機(東洋精機社製)で、荷重200g、5回往復の条件
で、擦り合わせる。1時間後の反射率をΣ80色差計で
測定する。測定部分は、汚染状態のばらつきが大きいた
め、1サンプルに付き、3カ所測定し、未発色部の反射
率との差をとる。この差が小さいほど耐圧性(摩擦汚染
性)が良いことを示す。 (7)マイクロカプセル液の着色の判定:実施例で製造
したマイクロカプセル液の着色を目でみて判定した。着
色が殆ど見られないものに○、若干見られるものに△、
かなりはっきり確認できるものに×を付けて判定した。
【0027】実施例2 実施例1において、ポリエーテルポリオールとして、3
(4),8(9)−ジ(アミノメチル)トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン1モルに対し、プロピレ
ンオキサイドを16モル付加したもの14.2g(−O
H0.05当量)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、マイクロカプセル液を製造し、実施例1と同様に性
能評価試験を行った。性能評価試験結果を表1に示し
た。
【0028】実施例3 実施例1において、ポリエーテルポリオールとして、
2,5(6)−ジ(アミノメチル)−ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン1モルに対し、エチレンオキサイドを
18モル付加したもの12.1g(−OH0.05当
量)を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイクロ
カプセル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験を
行った。性能評価試験結果を表1に示した。
【0029】実施例4 実施例1において、トリエチレンテトラミンの代わり
に、エチレンジアミン1.5g(−NH20.05当
量)を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイクロ
カプセル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験を
行った。性能評価試験結果を表1に示した。
【0030】実施例5 実施例2において、トリエチレンテトラミンの代わり
に、ジエチレントリアミン2.6g(−NH20.05
当量)を用いた以外は、実施例2と同様にして、マイク
ロカプセル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験
を行った。性能評価試験結果を表1に示した。
【0031】実施例6 実施例1において、フェニルキシリルエタン(日本石油
化学(株)「SAS−296」)の代わりに、ジイソプ
ロピルナフタレン(呉羽化学(株)「KMC−11
3」)100gを用いた以外は、実施例1と同様にし
て、マイクロカプセル液を製造し、実施例1と同様に性
能評価試験を行った。性能評価試験結果を表1に示し
た。
【0032】実施例7 実施例1において、ホモミキサー((株)特殊機化製)
の代わりに、ホモディスパー((株)特殊機化製)を用
い、回転数7400rpmで15分間、混合乳化した以
外は、実施例1と同様にして、マイクロカプセル液を製
造し、実施例1と同様に性能評価試験を行った。性能評
価試験結果を表1に示した。
【0033】実施例8 実施例1において、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)のカルボジイミド変性体(三井東圧化学
(株)「コスモネートLK」)15gの代わりに、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)のカルボジイ
ミド変性体(三井東圧化学(株)「コスモネートL
K」)10g(−NCO0.067当量)とヘキサメチ
レンジイソシアネートのビウレット体(三井東圧化学
(株)「オレスターNP1100」、NCO基含有率2
3.0%)9.0g(−NCO0.050当量)を用い
た以外は、実施例1と同様にして、マイクロカプセル液
を製造し、実施例1と同様に性能評価試験を行った。性
能評価試験結果を表1に示した。
【0034】実施例9 実施例1において、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)のカルボジイミド変性体(三井東圧化学
(株)「コスモネートLK」)の代わりに、キシリレン
ジイソシアネート10.6g(−NCO0.11当量)
を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイクロカプ
セル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験を行っ
た。性能評価試験結果を表1に示した。
【0035】実施例10 実施例1において、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)のカルボジイミド変性体(三井東圧化学
(株)「コスモネートLK」)の代わりに、ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)のカルボジイミド変
性体(三井東圧化学(株)「コスモネートLL」、NC
O基含有率29.0%)10g(−NCO0.07当
量)とジシクロヘキシルメタンジイソシアネート4.3
g(−NCO0.03当量)を用いた以外は、実施例1
と同様にして、マイクロカプセル液を製造し、実施例1
と同様に性能評価試験を行った。性能評価試験結果を表
1に示した。
【0036】比較例1 実施例1において、ポリエーテルポリオールを使用せず
に、トリエチレンテトラミン7.3g(−NH2 0.1
当量)を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイク
ロカプセル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験
を行った。性能評価試験結果を表1に示した。
【0037】比較例2 実施例1において、トリエチレンテトラミンを使用せず
に、ポリエーテルポリオール29.4g(−OH0.1
当量)を用いた以外は、実施例1と同様にして、マイク
ロカプセル液を製造し、実施例1と同様に性能評価試験
を行った。性能評価試験結果を表1に示した。
【0038】
【表1】表1 マイクロカプセルの性能評価
【0039】表1に示すように、本発明のマイクロカプ
セルを用いて作製された感圧複写紙は、実施例1〜実施
例10から、判るように、発色像到達濃度と耐溶剤性試
験の結果(反射率)の差が、比較例1、2に較べて大変
小さく、耐溶剤性に優れていることが判る。同様に、未
発色部濃度と耐圧性試験の結果(反射率)の差が、比較
例1、2に較べて大変小さく、耐圧性にも優れているこ
とが判る。また、多価イソシアネートとして、芳香族多
価イソシアネートを使用した場合に、芳香族多価イソシ
アネートと発色剤が反応して着色しないことが明かであ
る。実施例1、6、7から、芯物質、乳化機に関係な
く、耐溶剤性、耐圧性およびマイクロカプセルの着色度
が優れているマイクロカプセルが得られることが判る。
この様に、比較例1は耐溶剤性試験による性能低下は少
ないが、耐圧性試験から、耐圧性が低く、マイクロカプ
セルの着色度が高いことがわかる。比較例2は、マイク
ロカプセルの着色度は低いものの、耐溶剤性、耐圧性に
おける性能低下が大きい。これらに較べて、本発明の方
法では、マイクロカプセルを用いて作製された感圧複写
紙は、これまで界面重合法で製造したマイクロカプセル
の欠点である耐溶剤性、耐圧性において、極めて優れた
性能を有するばかりでなく、感圧紙用途では、その他の
性能も何等遜色はなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセルを用いて作製
した感圧複写紙は、発色濃度の低下がなく、耐溶剤性、
耐圧性に対して極めて優れた性能を示す。また、多価イ
ソシアネートとして、芳香族多価イソシアネートを使用
した場合に、芳香族多価イソシアネートと発色剤が反応
して着色しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価イソシアネート、ポリオールおよび
    多価アミンから製造される樹脂を壁材として用いるマイ
    クロカプセルにおいて、ポリオール成分が、一般式
    (1)(化1)、および/または(2)(化1)で表さ
    れるジアミノ化合物に、アルキレンオキサイドを付加さ
    せてなる脂肪族環状ポリエーテルポリオールであること
    を特徴とするマイクロカプセル。 【化1】 (式中、kは1〜2、jおよびmは1〜5、hは0〜1
    の整数を表す)
  2. 【請求項2】 アルキレンオキサイドが、エチレンオキ
    サイド、プロピレンオキサイド、およびブチレンオキサ
    イドよりなる群から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 【請求項3】 多価イソシアネート、一般式(1)およ
    び/または(2)で表されるジアミノ化合物にアルキレ
    ンオキサイドを付加させてなる脂肪族環状ポリエーテル
    ポリオール、および疎水性芯物質を含む内部相を、水相
    中で乳化させた後、多価アミンを添加し、液滴界面で合
    成樹脂皮膜を形成させる請求項1記載のマイクロカプセ
    ルの製造方法。
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