JP5201783B2 - マイクロカプセル - Google Patents
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Description
(1)アニオン性高分子電解質を含む乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させ膜壁を形成して得られるマイクロカプセルであって、前記アニオン性高分子電解質が、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)からなる重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体であることを特徴とするマイクロカプセル、
(2)アニオン性高分子電解質を含む乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する方法であって、該アニオン性高分子電解質として、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)からなる重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体を用いることを特徴とするマイクロカプセルの製造法、
(3)乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する際に乳化分散剤として用いられるアニオン性高分子電解質であって、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)からなる重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体で構成されたマイクロカプセル調製用アニオン性高分子電解質、
及び(4)乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する際に乳化分散剤として用いられるアニオン性高分子電解質を調製するための単量体組成物であって、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)からなる重合性不飽和単量体混合物で構成されたアニオン性高分子電解質調製用単量体組成物、についても説明する。
(アニオン性高分子電解質の合成)
撹拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水460部を仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。一方、アクリル酸(AA、80重量%濃度溶液)130部、メタクリル酸(MAA)28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部からなる重合性不飽和単量体をイオン交換水188部に均一に溶解して重合性不飽和単量体水溶液を調製し、該水溶液を滴下ロートに入れ、そのうち10%を反応容器に添加した。次に、反応容器の内部温度(内温)を75℃まで上げ、過硫酸カリウム(ラジカル重合開始剤)2部とイオン交換水10部とを反応容器に添加し、反応容器の内温80℃で10分間反応した。次に、前記重合性不飽和単量体水溶液の残り90%を反応容器の内温83〜85℃で3時間かけて滴下した。他方、過硫酸カリウム1部をイオン交換水40部に溶解して過硫酸カリウム水溶液を調製し、該水溶液を別の滴下ロートに入れ、重合性不飽和単量体水溶液の滴下開始1時間後から2時間30分かけて滴下した。過硫酸カリウム水溶液の滴下終了後、83〜85℃で1時間熟成反応を行った。その後、反応容器を40℃以下まで冷却し、苛性ソーダ10部をイオン交換水55部に溶解してアニオン性高分子電解質の水溶液に添加した。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分(固形分濃度)は21.9%で、粘度は140mPa・s、pHは4.6であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部の代わりに、メチルメタクリレート(MMA)23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.2%、粘度は160mPa・s、pHは4.5であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、アクリル酸(AA、80重量%濃度溶液)130部、メタクリル酸(MAA)28部の代わりに、アクリル酸(AA、80重量%濃度溶液)165部を用い、イオン交換水188部の代わりにイオン交換水181部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.2%、粘度は180mPa・s、pHは4.4であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例2において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、MMA23部の代わりにアクリロニトリル(AN)23部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.3%、粘度は130mPa・s、pHは4.6であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例2において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、メチルメタクリレート(MMA)23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部の代わりに、メチルメタクリレート(MMA)17部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート56部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.2%、粘度は180mPa・s、pHは4.5であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部の代わりに、メタクリロイルポリオキシエチレン(6モル)アシッドフォスフェート10部、2−ヒドロキキシエチメタルアクリレート(2HEMA)63部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は21.9%、粘度は170mPa・s、pHは4.4であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例6において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、メタクリロイルポリオキシエチレン(6モル)アシッドフォスフェート10部の代わりに、メタクリロイルポリオキシプロピレン(6モル)アシッドフォスフェート10部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.1%、粘度は190mPa・s、pHは4.5であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部の代わりにメチルメタクリレート(MMA)73部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.1%、粘度は160mPa・s、pHは4.6であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、メタクリル酸(MAA)28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部の代わりに、メタクリル酸(MAA)101部を用いた点、及び苛性ソーダ10部をイオン交換水55部に溶解した代わりに、苛性ソーダ20部をイオン交換水80部に溶解した点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得た。得られたアニオン性高分子電解質の水溶液の不揮発分は22.6%、粘度は280mPa・s、pHは4.4であった。
(アニオン性高分子電解質の合成)
調製例1において、仕込みイオン交換水460部の代わりに仕込みイオン交換水486部を用いるとともに、重合性不飽和単量体混合物を構成するモノマーのうち、アクリル酸(AA、80重量%濃度溶液)130部、メタクリル酸(MAA)28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)73部の代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)205部を用いた点以外は、調製例1と同様の方法によりアニオン性高分子電解質の水溶液を得ようとしたが、モノマー滴下中に容器中の樹脂液が白濁し、最後にゲル化し、良好な樹脂水溶液は得られなかった。
(メラミン―ホルムアルデヒド初期縮合物の合成)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応容器に、37%濃度ホルムアルデヒド240部、メラミン180部、92%濃度パラホルムアルデヒド60部を投入し、撹拌しつつ80℃まで昇温した。80℃に保持して30分間撹拌して付加反応(メチロール化反応)を行った後、メタノール720部と10%塩酸7部を投入し、60℃で撹拌しつつメタノール変性反応を行った。反応中、ピペットでサンプリングした反応物を大量の水(バケツに入れた水)に添加した際に白濁した時点を反応の終点と判断し(約1時間)、その後、20重量%濃度苛性ソーダ水溶液3部を投入した。冷却後、減圧下で反応物からメタノールと水を除去し、不揮発分が75%になるまで濃縮して製品とした。得られたメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液の不揮発分は75.2%で、粘度は1,700mPa・s、pH8.9であった。
クリスタルバイオレットラクトン(CVL)13部をアルキルジフェニルエタン(商品名「ハイゾールSAS−296」、日本石油化学(株)製)260部に加え、撹拌しつつ90℃で10分間加熱溶解した後、冷却して油性芯物質を調製した。この油性芯物質に、多価イソシアネートとしてのヘキサメチレンジイソシアネート30部を混合溶解して油性溶液を調製した。一方、調製例1で得たアニオン性高分子電解質の水溶液130部、水240部に上記油性芯物質を加え、10%苛性ソーダ水溶液にてpH7.0に調整した後、これを別の容器に入れ、ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)を用いて回転数10、000rpmで3分間乳化した。得られたO/W型乳化液の平均粒子径は7.6μmであった。次いで、この乳化液を80℃まで昇温して、80℃に保持しつつ2時間撹拌を続けた。その後40℃以下まで冷却した後、120メッシュのネットで濾過した。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.8μm、粘度は120mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例2のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.9μm、粘度は150mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例3のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.6μm、粘度は150mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例4のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.7μm、粘度は190mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例5のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.8μm、粘度は140mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例6のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.6μm、粘度は170mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例7のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は7.5μm、粘度は160mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
クリスタルバイオレットラクトン(CVL)13部をアルキルジフェニルエタン(商品名「ハイゾールSAS−296」、日本石油化学(株)製)260部に加え、撹拌しつつ90℃で10分間加熱溶解した後、冷却して油性芯物質を調製した。一方、調製例1で得たアニオン性高分子電解質の水溶液110部、水200部及び前記油性芯物質を別の容器に入れ、混合し、10重量%苛性ソーダ水溶液にてpH4.5に調整した後、ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)を用いて回転数10,000rpmで3分間乳化した。得られたO/W型乳化液の平均粒子径は5.8μmであった。次いで、この乳化液に、調製例11で得たメラミン―ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液70部をイオン交換水200部に溶解し、80℃まで昇温して、80℃に保持しつつ2時間撹拌を続けた。その後、40℃以下まで冷却し、10重量%苛性ソーダ水溶液80部を投入し、撹拌、混合した後120メッシュのネットで濾過した。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.7μm、粘度は130mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例2のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.5μm、粘度は120mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例3のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.7μm、粘度は130mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例4のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.6μm、粘度は140mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例5のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.7μm、粘度は120mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例6のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.6μm、粘度は130mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例7のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.8μm、粘度は120mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡は全くなく、良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例1において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例8のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は5.3μm、粘度は180mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡はなく、一見良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例8のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の方法によりマイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリーの平均粒子径は3.4μm、粘度は160mPa・sであった。尚、マイクロカプセル作製時の各工程において、異常な粘度上昇や発泡はなく、一見良好なマイクロカプセルスラリーが得られた。
実施例8において、調製例1のアニオン性高分子電解質の水溶液の代わりに、調製例9のアニオン性高分子電解質の水溶液を用いた点以外は実施例8と同様の操作を行った。油性芯物質の乳化分散は問題なかったが、マイクロカプセル製造中に発泡が多く、マイクロカプセルを得ることはできなかった。
調製例10のマイクロカプセルを得ようとしたが、調製例10の水溶液樹脂は得られず、マイクロカプセルも得られなかった。
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルの粒子径を、島津 SALD−2000J[島津製作所(株)製]を用いて測定し、平均粒子径を算出した。さらに、粒子径が2μm以下である小粒子群と、粒子径が10μm以上である大粒子群とに分け、各群の粒子数を数えて全粒子数に対する比率を算出した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーについて、B型粘度計(60rpm)を用いて23℃における粘度を測定した。
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーを、市販のノーカーボン紙用下用紙上に、0.05mmのアプリケータで塗布し、常温で乾燥後、下用紙の汚れ程度によりカプセル化率を評価した。評価基準は下記の通りである。
◎:全く汚れ無し
○:薄い汚れがある
×:全面的に汚染している
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーについて、マイクロカプセルスラリー33重量部に、小麦粉澱粉7重量部を水60重量部に溶解した溶液を加え、坪量40g/m2の原紙に#10のコーティングバーで塗布し、110℃で3分間乾燥することによりノーカーボン紙上用紙を作成した。この上用紙を市販の下用紙と重ね合わせてタイプライターにて印字し、発色性を下記の基準で評価した。
◎:鮮明に発色している
○:若干の発色の鈍さが見受けられる
×:ほとんど発色しない
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーを用いて、発色性試験用と同様の方法で上用紙を作成し、市販の下用紙と重ね合わせ、約1.5Kg/cm2(147kPa)の静圧を加え、下用紙顕色剤面の発色汚れを観察し、耐汚れ性を下記の基準で評価した。
◎:全く汚れ無し
○:薄い汚れがある
×:全面的に汚染している
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーを、市販のノーカーボン紙用下用紙の片面に、0.05mmのアプリケータで塗布し、常温で乾燥して作成した塗工紙を、50℃、相対湿度80%の恒温恒湿器中に1ケ月間放置後、表面の汚れ具合を観察し、耐温湿性を下記の基準で評価した。
◎:全く汚れ無し
○:薄い汚れがある
×:全面的に汚染している
実施例及び比較例で得たマイクロカプセルスラリーを、市販のノーカーボン紙用下用紙の片面に、0.05mmのアプリケータで塗布し、常温(20℃)で24時間乾燥させた後、150℃の乾燥機に1時間放置し、その後塗布面の変色程度を目視観察し、耐熱性を下記の基準で評価した。
◎:全く汚れ無し
○:薄い汚れがある
×:全面的に汚染している
Claims (8)
- アニオン性高分子電解質を含む乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させ膜壁を形成して得られるマイクロカプセルであって、前記アニオン性高分子電解質が、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)とメタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)とを含み、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量が、全重合性不飽和単量体に対して90重量%以上であり、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量に対して、前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)を40〜95重量%、前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)を5〜60重量%、前記メタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)を1〜10重量%含む重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体であることを特徴とするマイクロカプセル。
- 多価イソシアネートを油性芯物質に溶解した溶液をアニオン性高分子電解質の水溶液中に乳化分散させた乳化液中で、前記多価イソシアネートの硬化反応により前記油性芯物質の表面に膜壁を形成して得られるマイクロカプセルである請求項1記載のマイクロカプセル。
- アニオン性高分子電解質の水溶液中に油性芯物質を乳化分散させた乳化液中で、メラミンとホルムアルデヒドの初期縮合物の硬化反応により前記油性芯物質の表面に膜壁を形成して得られるマイクロカプセルである請求項1記載のマイクロカプセル。
- アニオン性高分子電解質の使用量が油性芯物質100重量部に対して1〜25重量部である請求項1記載のマイクロカプセル。
- 多価イソシアネートが芳香族系多価イソシアネート又は脂肪族系多価イソシアネートである請求項2記載のマイクロカプセル。
- アニオン性高分子電解質を含む乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する方法であって、該アニオン性高分子電解質として、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)とメタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)とを含み、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量が、全重合性不飽和単量体に対して90重量%以上であり、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量に対して、前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)を40〜95重量%、前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)を5〜60重量%、前記メタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)を1〜10重量%含む重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体を用いることを特徴とするマイクロカプセルの製造法。
- 乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する際に乳化分散剤として用いられるアニオン性高分子電解質であって、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)とメタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)とを含み、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量が、全重合性不飽和単量体に対して90重量%以上であり、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量に対して、前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)を40〜95重量%、前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)を5〜60重量%、前記メタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)を1〜10重量%含む重合性不飽和単量体混合物を水溶液重合して得られる水溶性共重合体で構成されたマイクロカプセル調製用アニオン性高分子電解質。
- 乳化液中で油性芯物質の表面に硬化剤を硬化させることにより膜壁を形成してマイクロカプセルを製造する際に乳化分散剤として用いられるアニオン性高分子電解質を調製するための単量体組成物であって、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と水酸基含有重合性不飽和単量体(b)とメタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)とを含み、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量が、全重合性不飽和単量体に対して90重量%以上であり、且つ前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)と前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)の総量に対して、前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(a)を40〜95重量%、前記水酸基含有重合性不飽和単量体(b)を5〜60重量%、前記メタクリロイルポリオキシアルキレンアシッドフォスフェート(c)を1〜10重量%含む重合性不飽和単量体混合物で構成されたアニオン性高分子電解質調製用単量体組成物。
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