JP5216347B2 - 描画装置及び描画データの変換方法 - Google Patents
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Description
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載された試料340に照射される。また、ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動する。すなわち、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
描画データを記憶する記憶部と、
描画データを基に、定義された複数のパターンのパターン情報を取得する取得部と、
所定の領域毎に、取得された複数のパターン情報を基に、各パターン情報と各パターン情報の使用回数とを関連させた第1のテーブルを作成する第1のテーブル作成部と、
第1のテーブルを基に、ハフマンツリーを作成するハフマンツリー作成部と、
ハフマンツリーを基に、各パターン情報と使用回数の多いパターン情報ほど小さい値となるように各パターン情報を暗号化した2進数の可変長コードとを関連させた第2のテーブルを作成する第2のテーブル作成部と、
第2のテーブルを基に、可変長コードを用いた所定のフォーマットで、描画データに定義される所定の領域内のデータを変換する変換部と、
変換された所定の領域内のデータに基づいて、試料に上述した複数のパターンを描画する描画部と、
を備え、
前記第1のテーブルは、各パターンの図形サイズ、及び図形座標の各値を混在させた上で前記各値と前記各値の使用回数を関連させて作成されることを特徴とする。
描画データを入力する工程と、
描画データを基に、定義された複数のパターンのパターン情報を取得する工程と、
所定の領域毎に、取得された複数のパターン情報を基に、各パターン情報と各パターン情報の使用回数とを関連させた第1のテーブルを作成する工程と、
第1のテーブルを基に、ハフマンツリーを作成する工程と、
ハフマンツリーを基に、各パターン情報と使用回数の多いパターン情報ほど小さい値となるように各パターン情報を暗号化した2進数の可変長コードとを関連させた第2のテーブルを作成する工程と、
第2のテーブルを基に、可変長コードを用いた所定のフォーマットで、描画データに定義される所定の領域内のデータを変換する工程と、
変換された所定の領域内のデータを記憶する工程と、
を備え、
前記第1のテーブルは、各パターンの図形サイズ、及び図形座標の各値を混在させた上で前記各値と前記各値の使用回数を関連させて作成されることを特徴とする。
図1において、描画装置100は、電子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、試料101に複数の図形から構成されるパターンを描画する。試料101には、半導体装置を製造する際にリフォグラフィ工程で用いるためのマスクが含まれる。描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画部150は、描画室103と描画室103の上部に配置された電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置されている。そして、描画室103内には、XYステージ105が配置され、XYステージ105上に描画対象となる試料101が配置される。制御部160は、磁気ディスク装置110,116,122,126、データ処理部112、メモリ114,120,128、制御計算機118、ショットデータ生成部124、及び描画制御部130を有している。そして、磁気ディスク装置110,116,122,126、データ処理部112、メモリ114,120,128、制御計算機118、ショットデータ生成部124、及び描画制御部130は、図示していないバスにより互いに接続されている。制御計算機118内には、ブロック分割部40、セル配置部42、クラスタ分割部44、パターン分割部46、パターンデータ記録部48、累積テーブル作成部50、ハフマンツリー作成部52、ハフマンテーブル作成部54、及びフォーマット変換部56が配置されている。磁気ディスク装置110,116,122,126及びメモリ114,120,128は、記憶部或いは記憶装置の一例となる。また、外部の磁気ディスク装置500に描画データが格納されている。
描画データでは、描画領域が、チップ10の層、チップ領域を例えばy方向に向かって短冊状に仮想分割したストライプ20の層、ストライプ20を分割したブロック30の層、少なくとも1つ以上の図形で構成されるセル32の層、セル32を分割したクラスタ34の層、クラスタ34内に配置され、セル32を構成する図形36(パターン)の層といった一連の複数の内部構成単位ごとに階層化されている。また、1つの試料101の描画領域に対して複数のチップがレイアウトされていることが一般的である。そのため、後述するデータ処理部112において、チップマージ処理が行なわれ、図2に示すようなマージ後の階層が構成される。尚、ここではストライプ20についてチップ領域をy方向に向かって短冊状に分割した領域としてあるが、これは一例であり、描画面と平行しy方向と直交するx方向に分割する場合もありうる。或いは描画面と平行するその他の方向であっても構わない。
上述したように、電子ビーム描画を行なうにあたっては、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計される。そして、パターンレイアウトが定義されたレイアウトデータ(設計データ)が生成される。そして、レイアウトデータが変換され、描画装置100に適応した描画データが生成される。そして、描画データは、磁気ディスク装置500から読み出され、描画装置100に入力される。描画装置100内では、磁気ディスク装置110に描画データが格納される。そして、後述するように複数のデータ処理の後、描画する際のショットデータとして生成される。
図4において、累積テーブル60は、図形サイズ(M,L)及び図形座標(x,y)の各値とその値の使用回数とを関連させて定義する。ここでは、クラスタ34に配置されるすべての図形パターンについて、図形サイズの幅値M、図形サイズの高さ値L、図形座標(x,y)のx値、或いは図形座標(x,y)のy値が、0.10となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が1回の場合を示している。同様に、0.12となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が1回の場合を示している。同様に、0.50となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が2回の場合を示している。同様に、0.90となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が5回の場合を示している。同様に、0.11となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が10回の場合を示している。同様に、0.80となる回数をカウントして定義する。ここでは、累積された使用回数が12回の場合を示している。そして、これらの使用回数の合計がここでは31回であることを示している。
図5において、クラスタ34の基準位置から座標(0.11,0.90)の位置に、幅0.90、高さ0.80の図形が配置されている場合を示している。それぞれの単位はAUとする。この場合、値0.80が1回、値0.90が2回、値0.11が1回それぞれ使用されている回数として累積テーブル60に定義されることになる。累積テーブル60では、クラスタ34内に配置される全ての図形について同様に回数をカウントし、その累積値を定義する。
図6において、ハフマンツリー70は、レベル1にルートノード72、レベル2の階層に葉ノード74,76、レベル3の階層に葉ノード78,80、レベル4の階層に葉ノード82,84、レベル5の階層に葉ノード86,88、レベル6の階層に葉ノード90,92が配置される。レベル1に配置されるルートノード72がハフマンツリー70の最初を構成する。このルートノード72には2つのレベル1の枝が接続される。一方のレベル1の枝の先端には、使用回数が最も多いパターン情報値の葉ノード74が配置される。2進数の「0」はこの枝に定義される。他方のレベル1の枝の先端には、レベル2の階層の葉ノード76が配置される。2進数の「1」はこの枝に定義される。葉ノード76には2つのレベル2の枝が接続される。一方のレベル2の枝の先端には、レベル3の階層の葉ノード78が配置される。2進数の「0」はこの枝に定義される。他方のレベル2の枝の先端には、使用回数が2番目に多いパターン情報値の葉ノード80が配置される。2進数の「1」はこの枝に定義される。葉ノード78には2つのレベル3の枝が接続される。一方のレベル3の枝の先端には、レベル4の階層の葉ノード82が配置される。2進数の「0」はこの枝に定義される。他方のレベル3の枝の先端には、使用回数が3番目に多いパターン情報値の葉ノード84が配置される。2進数の「1」はこの枝に定義される。葉ノード82には2つのレベル4の枝が接続される。一方のレベル4の枝の先端には、レベル5の階層の葉ノード86が配置される。2進数の「0」はこの枝に定義される。他方のレベル4の枝の先端には、使用回数が4番目に多いパターン情報値の葉ノード88が配置される。2進数の「1」はこの枝に定義される。葉ノード86には2つのレベル5の枝が接続される。一方のレベル5の枝の先端には、使用回数が5番目に多いパターン情報値の葉ノード90がレベル6の階層として配置される。2進数の「0」はこの枝に定義される。他方のレベル5の枝の先端には、使用回数が同様に5番目に多いパターン情報値の葉ノード92がレベル6の階層として配置される。2進数の「1」はこの枝に定義される。また、葉ノード72,76,78,82,86には、各自より下位の階層に配置された葉ノードのパターン情報値の使用回数の合計値が定義されている。このように、ハフマンツリー70は、使用回数の少ない下位2つのパターン情報値を最下位の階層レベルの2つの葉ノードとし、使用回数の多いパターン情報値をより上位の階層レベルの葉ノードとしてツリーを構成する。
図7において、ハフマンテーブル94は、各パターン情報値と2進数の可変長コードとを関連させて定義している。上述したハフマンツリー70は、次のように可変長コードを決定させる。使用回数が最も多いパターン情報値「0.80」の葉ノード74に達するためには、ルートノード72から2進数の「0」の枝を1つ通らなければならない。よって、値「0.80」のコードは、1ビットの「0」となる。使用回数が2番目に多いパターン情報値「0.11」の葉ノード80に達するためには、ルートノード72から2進数の「1」のレベル1の枝と2進数の「1」のレベル2の枝とを通らなければならない。よって、値「0.11」のコードは、2ビットの「11」となる。使用回数が3番目に多いパターン情報値「0.90」の葉ノード84に達するためには、ルートノード72から2進数の「1」のレベル1の枝と2進数の「0」のレベル2の枝と2進数の「1」のレベル3の枝とを通らなければならない。よって、値「0.90」のコードは、3ビットの「101」となる。使用回数が4番目に多いパターン情報値「0.50」の葉ノード88に達するためには、ルートノード72から2進数の「1」のレベル1の枝と2進数の「0」のレベル2の枝と2進数の「0」のレベル3の枝と2進数の「1」のレベル4の枝とを通らなければならない。よって、値「0.50」のコードは、4ビットの「1001」となる。使用回数が5番目に多いパターン情報値「0.12」の葉ノード92に達するためには、ルートノード72から2進数の「1」のレベル1の枝と2進数の「0」のレベル2の枝と2進数の「0」のレベル3の枝と2進数の「0」のレベル4の枝と2進数の「1」のレベル5の枝とを通らなければならない。よって、値「0.12」のコードは、5ビットの「10001」となる。また、同様に使用回数が5番目に多いパターン情報値「0.10」の葉ノード90に達するためには、ルートノード72から2進数の「1」のレベル1の枝と2進数の「0」のレベル2の枝と2進数の「0」のレベル3の枝と2進数の「0」のレベル4の枝と2進数の「0」のレベル5の枝とを通らなければならない。よって、値「0.12」のコードは、5ビットの「10000」となる。このように、使用回数の多いパターン情報ほど2進数の可変長コードが小さい値となるように暗号化される。すなわち、使用回数の多いパターン情報ほど少ないビット数の値とすることができる。そして、得られた各パターン情報と可変長コードとが関連したハフマンテーブル94が作成される。
図8において、生成された中間データ12では、ストライプヘッダに続き、ストライブ番号、当該ストライプ内に位置するブロックデータについてのブロックヘッダ、ブロック番号が定義される。そして、ブロック番号に続き、当該ブロック内に配置されるセルデータについてのセルヘッダ、セル番号、当該セル内に配置されるクラスタデータについてのクラスタヘッダ、クラスタ番号が定義される。そして、クラスタ番号に続き、図形コードが定義される。そして、図形コードに続き、図形サイズ(L,M)と図形座標(x、y)が定義される。そして、第1番目の図形に続き、同じクラスタ34内に配置される第2番目の図形62について、図形コード、図形サイズ(L,M)及び図形座標(X,Y)が定義される。このようにして1つのクラスタ34内の全ての図形について定義した後に、次のクラスタ34のクラスタヘッダ、クラスタ番号が続いて定義される。以下、同様に、定義される。ここで、図形サイズ(L,M)及び図形座標(X,Y)は、ハフマンテーブル94から各コードを読み出し、各コードをつなげて一連の連続コードとして定義する。
図9では、例えば、コード「01011000111」と中間データの図形サイズ(L,M)及び図形座標(x,y)の枠に定義されていた場合、ハフマンテーブル94を読み出して、ハフマンテーブル94を基に次のように判断される。まず、最初の「0」によって、図形サイズのL値が「0.80」であることがわかる。次の「101」によって、図形サイズのM値が「0.90」であることがわかる。次の「10001」によって、図形座標のx値が「0.12」であることがわかる。そして、最後の「11」によって、図形座標のy値が「0.11」であることがわかる。
図10(a)には、任意角図形302が示されている。ここで、任意角図形とは、45度の整数倍の角度以外の角度を持つ図形とする。このような任意角図形302は、電子ビーム200を成形することが困難であるために、45度の整数倍の角度だけで構成される複数の長方形或いは台形に分割される。図10(b)に任意角図形302が4つの長方形312,314,316,318に分割された場合が示されている。かかる場合、中間データでは、4つの長方形312,314,316,318について、図形サイズ(L,M)及び図形座標(x,y)を定義することになる。ここで、図10(c)に示すように、x方向に同じ幅Mで分割すれば、4つの長方形312,314,316,318の図形幅M値はすべて同じ値とすることができる。よって、使用回数が多くなり、ハフマンツリーを用いることで、その分だけビット数を低減することができる。また、図形座標(x,y)については、左下の角を図形の基準位置とすれば、4つの長方形312,314,316,318のy値はすべて同じ値とすることができる。よって、使用回数が多くなり、ハフマンツリーを用いることで、その分だけビット数を低減することができる。
12 中間データ
20 ストライプ
30 ブロック
32 セル
34 クラスタ
36 図形
40 ブロック分割部
42 セル配置部
44 クラスタ分割部
46 パターン分割部
48 パターンデータ記録部
50 累積テーブル作成部
52 ハフマンツリー作成部
54 ハフマンテーブル作成部
56 フォーマット変換部
60 累積テーブル
70 ハフマンツリー
72 ルートノード
74,76,78,80,82,84,86,88,90,92 葉ノード
94 ハフマンテーブル
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,116,122,126,500 磁気ディスク装置
112 データ処理部
114,120,128 メモリ
118 制御計算機
124 ショットデータ生成部
130描画制御部
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
206,420 第2のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
207 対物レンズ
302 任意角図形
312,314,316,318 長方形
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
Claims (5)
- 描画データを記憶する記憶部と、
前記描画データを基に、定義された複数のパターンのパターン情報を取得する取得部と、
所定の領域毎に、取得された複数のパターン情報を基に、各パターン情報と各パターン情報の使用回数とを関連させた第1のテーブルを作成する第1のテーブル作成部と、
前記第1のテーブルを基に、ハフマンツリーを作成するハフマンツリー作成部と、
前記ハフマンツリーを基に、各パターン情報と使用回数の多いパターン情報ほど小さい値となるように各パターン情報を暗号化した2進数の可変長コードとを関連させた第2のテーブルを作成する第2のテーブル作成部と、
前記第2のテーブルを基に、前記可変長コードを用いた所定のフォーマットで、前記描画データに定義される前記所定の領域内のデータを変換する変換部と、
変換された前記所定の領域内のデータに基づいて、試料に前記複数のパターンを描画する描画部と、
を備え、
前記第1のテーブルは、各パターンの図形サイズ、及び図形座標の各値を混在させた上で前記各値と前記各値の使用回数を関連させて作成されることを特徴とする描画装置。 - 前記2進数の可変長コードに暗号化されるパターン情報は、図形サイズを含むことを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 前記2進数の可変長コードに暗号化されるパターン情報は、図形の配置座標値を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の描画装置。
- 変換された前記所定の領域内のデータは、図形サイズの可変長コードと図形の配置座標値の可変長コードとが連続するデータを含むことを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 描画データを入力する工程と、
前記描画データを基に、定義された複数のパターンのパターン情報を取得する工程と、
所定の領域毎に、取得された複数のパターン情報を基に、各パターン情報と各パターン情報の使用回数とを関連させた第1のテーブルを作成する工程と、
前記第1のテーブルを基に、ハフマンツリーを作成する工程と、
前記ハフマンツリーを基に、各パターン情報と使用回数の多いパターン情報ほど小さい値となるように各パターン情報を暗号化した2進数の可変長コードとを関連させた第2のテーブルを作成する工程と、
前記第2のテーブルを基に、前記可変長コードを用いた所定のフォーマットで、前記描画データに定義される前記所定の領域内のデータを変換する工程と、
変換された前記所定の領域内のデータを記憶する工程と、
を備え、
前記第1のテーブルは、各パターンの図形サイズ、及び図形座標の各値を混在させた上で前記各値と前記各値の使用回数を関連させて作成されることを特徴とする描画データの変換方法。
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