JP5068549B2 - 描画データの作成方法及びレイアウトデータファイルの作成方法 - Google Patents
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Description
可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載された試料340に照射される。また、ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動する。すなわち、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
図18では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域よりも描画データ22の分割領域(フレーム)の方が大きい場合を示している。この例では、1つのフレームの描画データ22を得るためには、2つのレイアウトデータ20のファイルを読み込む必要が生じる。すなわち、フレーム1の描画データ22を生成するためには、ファイル1,2を読み込まなければならない。さらに、フレーム2の描画データ22を生成するためには、ファイル2,3を読み込まなければならない。すなわち、レイアウトデータ20のファイル2を2回読み込まなければならない。
図19では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域よりも描画データ22の分割領域(フレーム)の方が小さい場合を示している。この例では、フレーム2の描画データ22を得るためには、レイアウトデータ20のファイル1,2を読み込む必要が生じる。他方、ファイル1は、フレーム1の描画データ22を得る際にも読み込まれる。また、ファイル2は、フレーム3の描画データ22を得る際にも読み込まれる。すなわち、レイアウトデータ20のファイル1,2をそれぞれ2回読み込まなければならない。
図20では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域の下方にマージン幅dのマージン領域を設けている場合を示している。例えば、各図形の原点を左下の頂点として定義すると次のように定義される。まず、図形51は、ファイル3の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル3に定義される。そして、描画データ22でもレイアウトデータ20と同じ分割領域で設定されていれば、対応するフレーム3内に原点が位置するので、フレーム3に定義される。しかし、図形52,53は、本来、ファイル2の分割領域内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域内に位置するため、ファイル3に定義される。他方、描画データ22では、対応するフレーム3ではなく、フレーム2内に原点が位置するので、フレーム2に定義されることになる。次に、図形54は、ファイル2の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル2に定義される。そして、対応するフレーム2内に原点が位置するので、フレーム2に定義される。よって、ファイル3は、フレーム2,3の描画データ22を生成するために、2回読み込まれなければならない。そして、図形55は、本来、ファイル1の分割領域内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル2の領域のマージン領域内に位置するため、ファイル2に定義される。他方、描画データ22では、対応するフレーム2ではなく、フレーム1内に原点が位置するので、フレーム1に定義されることになる。よって、ファイル2は、フレーム1,2の描画データ22を生成するために、2回読み込まれなければならない。そして、図形56は、ファイル1の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル1に定義される。そして、対応するフレーム1内に原点が位置するので、フレーム1に定義される。よって、この例では、ファイル1を1回読み込むだけで済む。
複数の第1の分割領域に分割されたレイアウトデータにおける第1の分割領域に設定されたマージン幅の値を入力する入力工程と、
マージン幅の値に合わせて複数の第1の分割領域に対応する描画データ側の複数の第2の分割領域の位置をシフトするシフト工程と、
シフトされた各第2の分割領域に対応する第1の分割領域内のレイアウトデータを含むデータファイルをそれぞれ読み込む読み込み工程と、
各データファイルに含まれるレイアウトデータを描画装置適応のフォーマットに変換して描画データを作成する作成工程と、
描画データを出力する出力工程と、
を備え、
複数の前記第2の分割領域の分割サイズは、それぞれマージン幅を含めない各第1の分割領域の分割サイズの整数倍と整数分の1のいずれかであり、複数の前記第2の分割領域の位置をシフトする際、各前記第2の分割領域のサイズを維持したままシフトすることを特徴とする。
チップ領域を定義する原点位置をシフトさせることにより複数の第2の分割領域の位置がシフトされるようにしても好適である。
レイアウトデータを変換して描画装置適応フォーマットで生成される描画データの分割領域サイズを入力し、
分割領域サイズの整数倍と整数分の1とのいずれかになるように、レイアウトデータの分割領域のサイズを設定し、
設定された分割領域のサイズに従ってレイアウトデータを分割した複数のファイルを作成し、
上述した複数のファイルを出力することを特徴とする。
図1において、描画装置100は、電子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、試料101に複数の図形から構成されるパターンを描画する。試料101には、半導体装置を製造する際にリフォグラフィ工程で用いるためのマスクが含まれる。描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画部150は、描画室103と描画室103の上部に配置された電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208が配置されている。そして、描画室103内には、XYステージ105が配置され、XYステージ105上に描画対象となる試料101が配置される。制御部160は、制御ユニット112と制御ユニット212を有している。制御ユニット112は、制御回路110、複数のデータ処理回路122から構成されるデータ処理回路群120、ハードディスク装置等の記憶装置124、同じくハードディスク装置等の記憶装置126を備えている。そして、制御回路110と複数のデータ処理回路122と記憶装置124と記憶装置126とは、図示していないバスにより互いに接続されている。そして、制御ユニット112内の制御回路110は、複数のデータ処理回路122a、データ処理回路122b、・・・データ処理回路122nから構成されるデータ処理回路群120の処理状況を制御する。さらに、制御回路110は、記憶装置126内に格納されたショットデータに基づいて描画部150を制御し、描画処理を行なう。また、制御ユニット212は、制御回路210、複数のデータ処理回路222から構成されるデータ処理回路群220、ハードディスク装置等の記憶装置224、同じくハードディスク装置等の記憶装置226を備えている。そして、制御回路210と複数のデータ処理回路222と記憶装置224と記憶装置226とは、図示していないバスにより互いに接続されている。そして、制御回路210は、複数のデータ処理回路222a、データ処理回路222b、・・・データ処理回路222nから構成されるデータ処理回路群220の処理状況を制御する。また、ここでは、各処理回路として、一例として、プログラムを実行させるCPU等の計算機を用いる。或いは、電気回路で処理内容を一部或いは全て回路構成した回路基板等を用いても構わない。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わない。
上述したように、電子ビーム描画を行なうにあたっては、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計される。そして、パターンレイアウトが定義されたデータが生成される。この段階では、まだ、チップごとのレイアウトデータ8として生成される。このレイアウトデータ8は、上述したように、通常、分散処理を行なうため、1チップの領域を所定の領域、例えば、短冊状或いはブロック状に仮想分割した領域毎にまとめられる。そして、領域毎に1つのデータファイル、すなわちレイアウトデータファイルを構成する。すなわち、レイアウトデータ8が演算装置90に入力され、演算装置90内にて各分散ノードで並列処理される。その結果、複数のファイルにより構成されるレイアウトデータ(設計データ)10が生成される。ここでは、一例として、ファイル1,2,3を示している。そして、ファイル1,2,3をデータ処理回路群220が読み込み、各分散ノードで並列処理され、フレーム毎の描画データ12が生成される。ここでは、一例として、フレーム(分割領域)1,2,3を示している。また、演算装置90での分散ノードは、各データ処理回路94にて実行される。また、描画装置100での分散ノードは、各データ処理回路222にて実行される。
図3では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数分の1のサイズにする。図3では、1/2倍のサイズでファイル構成した例を示している。このように、整数分の1のサイズとすることで、それぞれのファイルを読み込む回数を1回にすることができる。或いは、次のように構成しても良い。
図4では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数倍のサイズにする。図4では、2倍のサイズでファイル構成した例を示している。図4では、描画データ12側の領域分割を短冊上のフレームに分割した例を示している。或いは、次のように構成しても良い。
図5では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのブロック領域サイズの整数倍のサイズにする。図5では、2倍のサイズでファイル構成した例を示している。図5では、描画データ12側の領域分割を短冊上のフレームに分割した後、さらに、直交する方向に複数分割し、複数のブロック領域で構成する例を示している。或いは、次のように構成しても良い。
レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数倍のサイズにする場合でも、レイアウトデータの全ての分割領域サイズと描画データの全てのフレームサイズとを一定にする必要はない。図6に示すように、一部は、等倍(同じサイズ)に、他の一部は2倍にといったように混在させてもよい。例えば、図6では、ファイル1はフレーム1と等倍に、ファイル3はフレーム4と等倍に、ファイル2はフレーム2,3のサイズとなる2倍に構成している。
図7では、左側と下側にマージン領域6が設定されたファイルの分割領域11を示している。ここでは、左側と下側にマージン領域6を設定しているが、左側、或いは下側の一方にのみ設定されている場合であっても良い。或いは、次のように設定されても良い。
図8では、右側と上側にマージン領域7が設定されたファイルの分割領域11を示している。ここでは、右側と上側にマージン領域6を設定しているが、右側、或いは上側の一方にのみ設定されている場合であっても良い。
図9では、例えば、下方にマージン幅dのマージン領域を設定している場合について示している。ファイル分割前のレイアウトデータ8には、パターンとして、図形31〜36が配置されるとする。ここで、描画データ12の分割領域サイズに合わせて、レイアウトデータ8を領域分割した場合に、次のようになる場合がある。すなわち、例えば、各図形の原点を左下の頂点として定義すると次のように定義される。まず、図形31は、ファイル3の分割領域11c内に原点が位置しているため、ファイル3に定義される。しかし、図形32,33は、本来、ファイル2の分割領域11b内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域9c内に位置するため、ファイル3に定義される。また、図形34は、ファイル2の分割領域11b内に原点が位置しているため、ファイル2に定義される。しかし、図形35は、本来、ファイル1の分割領域11a内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域9b内に位置するため、ファイル2に定義される。そして、図形36は、ファイル1の分割領域11a内に原点が位置しているため、ファイル1に定義される。また、ファイル1の分割領域11aも同様にマージン領域9aが存在することはいうまでもない。
図10において、実施の形態1における描画方法は、描画データ12の作成段階とその後のデータ処理段階と実際の描画処理段階とに分けて示すことができる。まず、描画データ12の作成段階となる描画データ12の作成方法は、マージンデータ入力工程(S102)、マージン幅シフト工程(S104)、データ読み込み工程(S106)、データ変換工程(S108)といった一連の工程を実施し、その結果となる描画データ12を出力する。そして、その後のデータ処理段階として、装置内部フォーマット変換工程(S110を実施して、ショットデータを作成する。そして、ショットデータを用いて、描画処理工程(S112)を実施する。
位置をシフトする際、チップ14そのものの原点位置Pをマージン幅d分だけマージン領域側にシフトさせてもよい。図12の例では、フレーム1,2,3で1つのチップ14を構成する場合を示している。そして、このシフトさせた情報をチップ14のチップデータに属性情報として定義させておけばよい。図12では、分割前のレイアウトデータ8を構成するチップ15の原点位置がQの位置であったものを描画データに変換する際にマージン幅d分だけシフトさせてPの位置に変更した例を示している。このようにチップの定義位置そのものをシフトさせることで、当然、フレームの位置もその分シフトすることになるので、図11と同様の効果を得ることができる。或いは、次のようにしても良い。
位置をシフトする際、チップ14の領域をマージン幅d分だけマージン領域側にシフトさせるが、チップ14の原点位置P’は、シフトさせないで維持させる。すなわち、原点位置を左下の頂点から別の箇所に変更するようにしてもよい。これにより、原点位置が変更したことを敢えて属性情報として持つ必要がなくなる。
図14は、実施の形態1におけるライブラリセルの処理の一例について説明するための図である。
図15は、実施の形態1におけるライブラリセルの高さと高さ制限との一例を示す図である。
ここでは、図形41,42でグループ化したライブラリセル40を示している。そして、ライブラリセル40の原点位置を左下の頂点位置とするとライブラリセル40はレイアウトデータ10における分割領域11dに定義される。図形41は、レイアウトデータ10における分割領域11eのマージン領域内に位置しているが、ライブラリセル40としてグループ化されているので、図形41もその一部として分割領域11dに定義される。また、その他に図形45が分割領域11eに定義される。ここで、ライブラリセル40の処理にあたっては、レイアウトデータ10及び描画データ12双方のライブラリセル40の幅や高さの制限が一致していないと、描画データ12に変換する際に、ライブラリセル40を展開或いは分解する必要が生じる。すなわち、少なくとも1つ以上の図形から構成されるセルという階層ではなく、直接、図形の階層として、図形41と図形42を配置する展開を必要とする。或いは、ライブラリセル40を図形41から構成されるセル43と図形42から構成されるセル44に分解する処理を必要とする。ここでは、図15に示すように、レイアウトデータ10のライブラリセル40の高さlに対して、描画データ12の高さ制限がLであり、ライブラリセル40の高さlより小さい場合を示している。その場合には、例えば、分割領域をマージン幅分シフトしたとしても、高さ制限を越えているため、展開或いは分解が必要となる。そのため、図14に示すように、分割領域13dには、分解されたセル44が定義され、分割領域13eには、図形45の他に、分解されたセル43が定義されてしまうことになる。これでは、やはり、分割領域13eを処理するために、分割領域11dと分割領域11eを読み込む必要があり、分割領域11dのデータファイルを2回読み込むことになってしまう。そこで、次のように改良する。
図16では、ライブラリセル40を分解する際に、セル43のサイズを大きくして、セル43の原点位置がセル44と同じ分割領域13d内に位置するように構成する。これにより、例え、ライブラリセル40を分解しなければならない場合でも同じ分割領域内に定義することができる。その結果、分割領域13eを処理するために、分割領域11dを読み込む必要が無くなり、分割領域11dのデータファイルを2回読み込むことを防止することができる。
8,10,20 レイアウトデータ
11,13 分割領域
12,22 描画データ
14,15 チップ
31,32,33,34,35,36,41,42,45 図形
40 サイブラリセル
43,44 セル
51,52,53,54,55,56 図形
90 演算装置
92 設定部
94 データ処理回路
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,210 制御回路
112,212 制御ユニット
120,220 データ処理回路群
122,222 データ処理回路
124,126,224,226,300 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
206,420 第2のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
207 対物レンズ
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
Claims (5)
- 複数の第1の分割領域に分割されたレイアウトデータにおける前記第1の分割領域に設定されたマージン幅の値を入力する入力工程と、
前記マージン幅の値に合わせて前記複数の第1の分割領域に対応する描画データ側の複数の第2の分割領域の位置をシフトするシフト工程と、
シフトされた各第2の分割領域に対応する前記第1の分割領域内のレイアウトデータを含むデータファイルをそれぞれ読み込む読み込み工程と、
各データファイルに含まれるレイアウトデータを描画装置適応のフォーマットに変換して描画データを作成する作成工程と、
前記描画データを出力する出力工程と、
を備え、
複数の前記第2の分割領域の分割サイズは、それぞれマージン幅を含めない各第1の分割領域の分割サイズの整数倍と整数分の1のいずれかであり、複数の前記第2の分割領域の位置をシフトする際、各前記第2の分割領域のサイズを維持したままシフトすることを特徴とする描画データの作成方法。 - 前記複数の第2の分割領域で1つのチップ領域を構成し、
前記チップ領域を定義する原点位置をシフトさせることにより前記複数の第2の分割領域の位置がシフトされることを特徴とする請求項1記載の描画データの作成方法。 - 前記複数の第2の分割領域で1つのチップ領域を構成し、
前記チップ領域を定義する原点位置を維持したままで前記チップ領域をシフトさせることにより前記複数の第2の分割領域の位置がシフトされることを特徴とする請求項1記載の描画データの作成方法。 - 前記第2の分割領域として、描画面を短冊状に分割したフレーム領域と前記フレーム領域を複数のブロックに分割したブロック領域との少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項2又は3記載の描画データの作成方法。
- 第1の分割領域と第2の分割領域が同じ幅であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の描画データの作成方法。
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