JP5068549B2 - 描画データの作成方法及びレイアウトデータファイルの作成方法 - Google Patents

描画データの作成方法及びレイアウトデータファイルの作成方法 Download PDF

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Description

本発明は、描画データの作成方法及びレイアウトデータファイルの作成方法に関する。例えば、パターンレイアウトが定義されたレイアウトデータの作成方法に関する。また、レイアウトデータを変換して電子ビーム描画装置で使用される描画データを作成する手法及びその装置に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図17は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載された試料340に照射される。また、ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動する。すなわち、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
かかる電子ビーム描画を行なうにあたり、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計される。そして、パターンレイアウトが定義されたレイアウトデータ(設計データ)が生成される。そして、レイアウトデータが変換され、電子線描画装置に適応した描画データが生成される。ここで、近年、フラクチャー(Fracture)や近接効果補正(OPC)処理等を行なうCADシステムでは、効果的にレイアウトデータを生成するために、分散処理が行なわれる。これに伴い、出力されるレイアウトデータは、一定領域ごとに分割され、それぞれのデータファイルを構成する。ここで、配置される図形によっては、2つの領域を跨いでしまうものも存在するため、一定領域ごとに分割するとその跨ぐ図形も分割され微小図形が発生してしまうといった問題が生じる。そのため、微小図形を発生させないように、各領域に一定のマージン幅を持たせて図形が跨いだ場合でも一方の領域に納まるようにしてその図形が分割されないように工夫している。他方、EB描画装置内部で使用している装置固有の描画データも上述した理由と同じ理由で領域分割している。そして、効果的に描画データを生成するために、分散処理が行なわれる。例えば、オフラインとなる外部装置(描画データ作成装置)で、演算ユニットを複数並列に設けて、分散処理で描画データに変換している(例えば、特許文献1参照)。また、描画データでも、上述した理由と同じ理由で、マージン幅を設定している。
ここで、レイアウトデータを描画データに変換処理する際に、双方のデータの分割領域或いはマージン幅のサイズに違いがあると領域同士が1:1の関係にならない場合が生じてしまう。その結果、描画データのある領域分のデータを生成するために、同じレイアウトデータファイルを複数回読み込まなければならない事態が発生してしまう。
図18は、レイアウトデータと描画データとで分割領域サイズが異なる場合の一例を示す図である。
図18では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域よりも描画データ22の分割領域(フレーム)の方が大きい場合を示している。この例では、1つのフレームの描画データ22を得るためには、2つのレイアウトデータ20のファイルを読み込む必要が生じる。すなわち、フレーム1の描画データ22を生成するためには、ファイル1,2を読み込まなければならない。さらに、フレーム2の描画データ22を生成するためには、ファイル2,3を読み込まなければならない。すなわち、レイアウトデータ20のファイル2を2回読み込まなければならない。
図19は、レイアウトデータと描画データとで分割領域サイズが異なる場合の他の一例を示す図である。
図19では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域よりも描画データ22の分割領域(フレーム)の方が小さい場合を示している。この例では、フレーム2の描画データ22を得るためには、レイアウトデータ20のファイル1,2を読み込む必要が生じる。他方、ファイル1は、フレーム1の描画データ22を得る際にも読み込まれる。また、ファイル2は、フレーム3の描画データ22を得る際にも読み込まれる。すなわち、レイアウトデータ20のファイル1,2をそれぞれ2回読み込まなければならない。
図20は、レイアウトデータと描画データとで分割領域のマージン幅サイズが異なる場合の一例を示す図である。
図20では、レイアウトデータ20の各ファイルの分割領域の下方にマージン幅dのマージン領域を設けている場合を示している。例えば、各図形の原点を左下の頂点として定義すると次のように定義される。まず、図形51は、ファイル3の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル3に定義される。そして、描画データ22でもレイアウトデータ20と同じ分割領域で設定されていれば、対応するフレーム3内に原点が位置するので、フレーム3に定義される。しかし、図形52,53は、本来、ファイル2の分割領域内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域内に位置するため、ファイル3に定義される。他方、描画データ22では、対応するフレーム3ではなく、フレーム2内に原点が位置するので、フレーム2に定義されることになる。次に、図形54は、ファイル2の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル2に定義される。そして、対応するフレーム2内に原点が位置するので、フレーム2に定義される。よって、ファイル3は、フレーム2,3の描画データ22を生成するために、2回読み込まれなければならない。そして、図形55は、本来、ファイル1の分割領域内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル2の領域のマージン領域内に位置するため、ファイル2に定義される。他方、描画データ22では、対応するフレーム2ではなく、フレーム1内に原点が位置するので、フレーム1に定義されることになる。よって、ファイル2は、フレーム1,2の描画データ22を生成するために、2回読み込まれなければならない。そして、図形56は、ファイル1の分割領域内に原点が位置しているため、ファイル1に定義される。そして、対応するフレーム1内に原点が位置するので、フレーム1に定義される。よって、この例では、ファイル1を1回読み込むだけで済む。
以上のように、描画データを生成するために、同じレイアウトデータファイルを複数回読み込まなければならず、その分だけ処理効率を低下させてしまうといった問題がある。その結果、全体としての描画時間を増大させてしまうといった問題があった。そして、これは同時に描画されるマスクの製造コストが大きくなる原因にもなっている。
特開平6−97058号公報
上述したように、描画データを生成するために、同じレイアウトデータファイルを複数回読み込まなければならず、その分のデータ転送時間が必要となる。データ量の増大に伴って、レイアウトデータの転送時間が増大し、描画時間を増大させてしまうといった問題があった。
本発明は、かかる問題点を克服し、同じレイアウトデータファイルを複数回読み込む自体を回避して効率の優れたデータ処理を行なう方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の描画データの作成方法は、
複数の第1の分割領域に分割されたレイアウトデータにおける第1の分割領域に設定されたマージン幅の値を入力する入力工程と、
マージン幅の値に合わせて複数の第1の分割領域に対応する描画データ側の複数の第2の分割領域の位置をシフトするシフト工程と、
シフトされた各第2の分割領域に対応する第1の分割領域内のレイアウトデータを含むデータファイルをそれぞれ読み込む読み込み工程と、
各データファイルに含まれるレイアウトデータを描画装置適応のフォーマットに変換して描画データを作成する作成工程と、
描画データを出力する出力工程と、
を備え
複数の前記第2の分割領域の分割サイズは、それぞれマージン幅を含めない各第1の分割領域の分割サイズの整数倍と整数分の1のいずれかであり、複数の前記第2の分割領域の位置をシフトする際、各前記第2の分割領域のサイズを維持したままシフトすることを特徴とする。
マージン幅の値に合わせて描画データ側の分割領域をマージン側にずらすことで、マージン領域内に定義された図形をも自己の領域内に配置させることができる。その結果、レイアウトデータに含まれる図形と描画データに含まれる図形とを一致させることができる。
また、上述した複数の第2の分割領域で1つのチップ領域を構成し、
チップ領域を定義する原点位置をシフトさせることにより複数の第2の分割領域の位置がシフトされるようにしても好適である。
或いは、チップ領域を定義する原点位置を維持したままでチップ領域をシフトさせることにより前記複数の第2の分割領域の位置がシフトされるようにしても好適である。
また、第2の分割領域として、描画面を短冊状に分割したフレーム領域と、このフレーム領域を複数のブロックに分割したブロック領域との少なくとも1つを用いる場合に好適である。
本発明の一態様のレイアウトデータファイルの作成方法は、
レイアウトデータを変換して描画装置適応フォーマットで生成される描画データの分割領域サイズを入力し、
分割領域サイズの整数倍と整数分の1とのいずれかになるように、レイアウトデータの分割領域のサイズを設定し、
設定された分割領域のサイズに従ってレイアウトデータを分割した複数のファイルを作成し、
上述した複数のファイルを出力することを特徴とする。
分割領域サイズの整数倍と整数分の1とのいずれかになるように、レイアウトデータの分割領域のサイズを設定することで、後に、描画データを生成する際に、同じファイルの重複読み込みを回避することができる。
本発明によれば、同じレイアウトデータを複数回入力することを回避することができる。よって、その分効率の優れたデータ処理を行なうことができる。その結果、大幅に描画時間を短縮させることができる。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、荷電粒子ビーム描画装置、特に、可変成形型の電子ビーム描画装置について説明する。
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図1において、描画装置100は、電子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、試料101に複数の図形から構成されるパターンを描画する。試料101には、半導体装置を製造する際にリフォグラフィ工程で用いるためのマスクが含まれる。描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画部150は、描画室103と描画室103の上部に配置された電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208が配置されている。そして、描画室103内には、XYステージ105が配置され、XYステージ105上に描画対象となる試料101が配置される。制御部160は、制御ユニット112と制御ユニット212を有している。制御ユニット112は、制御回路110、複数のデータ処理回路122から構成されるデータ処理回路群120、ハードディスク装置等の記憶装置124、同じくハードディスク装置等の記憶装置126を備えている。そして、制御回路110と複数のデータ処理回路122と記憶装置124と記憶装置126とは、図示していないバスにより互いに接続されている。そして、制御ユニット112内の制御回路110は、複数のデータ処理回路122a、データ処理回路122b、・・・データ処理回路122nから構成されるデータ処理回路群120の処理状況を制御する。さらに、制御回路110は、記憶装置126内に格納されたショットデータに基づいて描画部150を制御し、描画処理を行なう。また、制御ユニット212は、制御回路210、複数のデータ処理回路222から構成されるデータ処理回路群220、ハードディスク装置等の記憶装置224、同じくハードディスク装置等の記憶装置226を備えている。そして、制御回路210と複数のデータ処理回路222と記憶装置224と記憶装置226とは、図示していないバスにより互いに接続されている。そして、制御回路210は、複数のデータ処理回路222a、データ処理回路222b、・・・データ処理回路222nから構成されるデータ処理回路群220の処理状況を制御する。また、ここでは、各処理回路として、一例として、プログラムを実行させるCPU等の計算機を用いる。或いは、電気回路で処理内容を一部或いは全て回路構成した回路基板等を用いても構わない。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わない。
図2は、実施の形態1における描画データ作成までの処理内容を説明するための図である。
上述したように、電子ビーム描画を行なうにあたっては、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計される。そして、パターンレイアウトが定義されたデータが生成される。この段階では、まだ、チップごとのレイアウトデータ8として生成される。このレイアウトデータ8は、上述したように、通常、分散処理を行なうため、1チップの領域を所定の領域、例えば、短冊状或いはブロック状に仮想分割した領域毎にまとめられる。そして、領域毎に1つのデータファイル、すなわちレイアウトデータファイルを構成する。すなわち、レイアウトデータ8が演算装置90に入力され、演算装置90内にて各分散ノードで並列処理される。その結果、複数のファイルにより構成されるレイアウトデータ(設計データ)10が生成される。ここでは、一例として、ファイル1,2,3を示している。そして、ファイル1,2,3をデータ処理回路群220が読み込み、各分散ノードで並列処理され、フレーム毎の描画データ12が生成される。ここでは、一例として、フレーム(分割領域)1,2,3を示している。また、演算装置90での分散ノードは、各データ処理回路94にて実行される。また、描画装置100での分散ノードは、各データ処理回路222にて実行される。
ここで、レイアウトデータ10の各ファイルに納められた分割領域サイズと描画データ12の各フレームの領域サイズが異なっていると上述したように、同じファイルを複数回読み込むことなる。そこで、実施の形態1では、レイアウトデータ10の各ファイルを作成する段階において、同じファイルを複数回読み込まなくても済むように、各ファイルに納められる分割領域サイズと描画データ12の各フレームの領域サイズが一定の関係を持つように構成する。
まず、図2に示すように、各ファイルに納められる分割領域サイズと描画データ12の各フレームの領域サイズを1:1の関係、すなわち、同じサイズになるようにレイアウトデータファイルを作成すると好適である。或いは、次のように構成しても良い。
図3は、実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の一例を示す図である。
図3では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数分の1のサイズにする。図3では、1/2倍のサイズでファイル構成した例を示している。このように、整数分の1のサイズとすることで、それぞれのファイルを読み込む回数を1回にすることができる。或いは、次のように構成しても良い。
図4は、実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。
図4では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数倍のサイズにする。図4では、2倍のサイズでファイル構成した例を示している。図4では、描画データ12側の領域分割を短冊上のフレームに分割した例を示している。或いは、次のように構成しても良い。
図5は、実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。
図5では、レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのブロック領域サイズの整数倍のサイズにする。図5では、2倍のサイズでファイル構成した例を示している。図5では、描画データ12側の領域分割を短冊上のフレームに分割した後、さらに、直交する方向に複数分割し、複数のブロック領域で構成する例を示している。或いは、次のように構成しても良い。
以上のように、1倍以上の整数倍のサイズとすることで、それぞれのファイルを読み込む回数を1回にすることができる。或いは、次のように構成しても良い。
図6は、実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。
レイアウトデータの分割領域サイズを描画データのフレーム領域サイズの整数倍のサイズにする場合でも、レイアウトデータの全ての分割領域サイズと描画データの全てのフレームサイズとを一定にする必要はない。図6に示すように、一部は、等倍(同じサイズ)に、他の一部は2倍にといったように混在させてもよい。例えば、図6では、ファイル1はフレーム1と等倍に、ファイル3はフレーム4と等倍に、ファイル2はフレーム2,3のサイズとなる2倍に構成している。
これらを実行するにあたって、一例として、以下のように動作させればよい。まず、演算装置90は、描画データ12の分割領域サイズを入力する。そして、設定部92が分割領域サイズを設定する。その際、上述したように、描画データ12の分割領域サイズの整数倍或いは整数分の1に設定する。そして、各データ処理回路94は、設定された領域サイズに従ってレイアウトデータ8を分割した複数のファイルを作成する。そして、演算装置90は、作成した複数のファイルを出力する。そして、これらのファイル群は、記憶装置300に格納しておく。また、各ファイルに格納された分割領域のマージン幅等の情報(マージンデータ)も合わせて記憶装置300に格納しておく。
以上のようにして、描画データ12の分割領域サイズの整数倍或いは整数分の1の分割領域でレイアウトデータ10の各ファイルが構成されたとしても、まだ、分割領域のマージン幅の問題が残る。
図7は、レイアウトデータファイルのマージン領域の一例を示す図である。
図7では、左側と下側にマージン領域6が設定されたファイルの分割領域11を示している。ここでは、左側と下側にマージン領域6を設定しているが、左側、或いは下側の一方にのみ設定されている場合であっても良い。或いは、次のように設定されても良い。
図8は、レイアウトデータファイルのマージン領域の他の一例を示す図である。
図8では、右側と上側にマージン領域7が設定されたファイルの分割領域11を示している。ここでは、右側と上側にマージン領域6を設定しているが、右側、或いは上側の一方にのみ設定されている場合であっても良い。
図9は、レイアウトデータを分割領域毎に分けて複数のファイルを作成する場合の一例について説明するための図である。
図9では、例えば、下方にマージン幅dのマージン領域を設定している場合について示している。ファイル分割前のレイアウトデータ8には、パターンとして、図形31〜36が配置されるとする。ここで、描画データ12の分割領域サイズに合わせて、レイアウトデータ8を領域分割した場合に、次のようになる場合がある。すなわち、例えば、各図形の原点を左下の頂点として定義すると次のように定義される。まず、図形31は、ファイル3の分割領域11c内に原点が位置しているため、ファイル3に定義される。しかし、図形32,33は、本来、ファイル2の分割領域11b内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域9c内に位置するため、ファイル3に定義される。また、図形34は、ファイル2の分割領域11b内に原点が位置しているため、ファイル2に定義される。しかし、図形35は、本来、ファイル1の分割領域11a内に原点が位置しているにもかかわらず、ファイル3の領域のマージン領域9b内に位置するため、ファイル2に定義される。そして、図形36は、ファイル1の分割領域11a内に原点が位置しているため、ファイル1に定義される。また、ファイル1の分割領域11aも同様にマージン領域9aが存在することはいうまでもない。
ここで、描画データ12でもレイアウトデータ10と同じマージン幅dでマージン領域が各分割領域の下方に設定されていれば、対応するフレーム内に原点が位置するので、そのフレームに定義されることになる。しかしながら、マージン幅やマージン領域の位置が異なっていると、上述したように、同じファイルを複数回読み込まなければならなくなる。図9の例では、図形32,33は、本来、ファイル2の分割領域11b内に原点が位置しているので、描画データ12では、対応するフレーム2に定義されてしまうことになる。また、図形35は、本来、ファイル1の分割領域11a内に原点が位置しているので、描画データ12では、対応するフレーム1に定義されてしまうことになる。そこで、描画データ12と異なるマージン領域が設定されているレイアウトデータ10の各ファイルを描画データ12に変換するにあたっては、以下の工程を実施していく。
図10は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図10において、実施の形態1における描画方法は、描画データ12の作成段階とその後のデータ処理段階と実際の描画処理段階とに分けて示すことができる。まず、描画データ12の作成段階となる描画データ12の作成方法は、マージンデータ入力工程(S102)、マージン幅シフト工程(S104)、データ読み込み工程(S106)、データ変換工程(S108)といった一連の工程を実施し、その結果となる描画データ12を出力する。そして、その後のデータ処理段階として、装置内部フォーマット変換工程(S110を実施して、ショットデータを作成する。そして、ショットデータを用いて、描画処理工程(S112)を実施する。
まず、記憶装置300に記憶されているレイアウトデータ10のファイル群とレイアウトデータ10の各分割領域のマージン幅等の情報を制御ユニット212内の記憶装置224に転送しておく。この転送処理は、制御回路210によって実行されればよい。
図11は、図9で示した各ファイルに分割したレイアウトデータ10をそれぞれ描画データに変換していく場合の領域シフトの様子を説明するための図である。
まず、S102において、マージンデータ入力工程として、制御回路210は、レイアウトデータ10の各ファイルの分割領域11から外れるマージン領域9の許容幅の値を入力する。マージン領域の許容幅の値として、図9の例では、マージン幅dを入力する。そして、各データ処理回路222に設定する。或いは、各データ処理回路222がマージン幅dを入力してもよい。
S104において、マージン幅シフト工程として、データ処理回路222aは、マージン幅dに合わせてファイル1の分割領域11aに対応する描画データ12側のフレーム1(分割領域13a)の位置を幅dだけマージン領域側にずらす(シフトさせる)。同様に、データ処理回路222bは、マージン幅dに合わせてファイル2の分割領域11bに対応する描画データ12側のフレーム2(分割領域13b)の位置を幅dだけマージン領域側にずらす(シフトさせる)。同様に、その他のデータ処理回路222は、マージン幅dに合わせてファイル3の分割領域11cに対応する描画データ12側のフレーム3(分割領域13c)の位置を幅dだけマージン領域側にずらす(シフトさせる)。これらの各フレームにおけるシフトさせた情報は、チップデータに属性情報として定義しておけばよい。このように、各フレームの位置をマージン幅分だけマージン領域側にシフトさせることで、定義される図形を一致させることができる。図11の例では、次のようになる。すなわち、図形32,33も原点位置がシフトされたフレーム3の領域内に位置することになるので、フレーム3に定義される。また、図形31は、フレーム3の領域がシフトされてもフレーム3の領域内に位置することになるので、フレーム3に定義される。よって、ファイル3とフレーム3に定義される図形群を一致させることができる。また、図形35も原点位置がシフトされたフレーム2の領域内に位置することになるので、フレーム2に定義される。また、図形34は、フレーム2の領域がシフトされてもフレーム2の領域内に位置することになるので、フレーム2に定義される。よって、ファイル2とフレーム2に定義される図形群を一致させることができる。また、図形36は、フレーム1の領域がシフトされてもフレーム1の領域内に位置することになるので、フレーム1に定義される。よって、ファイル1とフレーム1に定義される図形群を一致させることができる。よって、対象となる図形群が一致するので、同じレイアウトデータファイルを複数回入力する(読み込む)必要を無くすことができる。
ここで、図11の例では、各フレームの位置をマージン幅dに合わせてシフトしていたが、これに限るものではない。描画データ側の分割領域(フレーム)をシフトするにあたって、次のように構成しても好適である。
図12は、実施の形態1におけるチップデータの一例を示す図である。
位置をシフトする際、チップ14そのものの原点位置Pをマージン幅d分だけマージン領域側にシフトさせてもよい。図12の例では、フレーム1,2,3で1つのチップ14を構成する場合を示している。そして、このシフトさせた情報をチップ14のチップデータに属性情報として定義させておけばよい。図12では、分割前のレイアウトデータ8を構成するチップ15の原点位置がQの位置であったものを描画データに変換する際にマージン幅d分だけシフトさせてPの位置に変更した例を示している。このようにチップの定義位置そのものをシフトさせることで、当然、フレームの位置もその分シフトすることになるので、図11と同様の効果を得ることができる。或いは、次のようにしても良い。
図13は、実施の形態1におけるチップデータの他の一例を示す図である。
位置をシフトする際、チップ14の領域をマージン幅d分だけマージン領域側にシフトさせるが、チップ14の原点位置P’は、シフトさせないで維持させる。すなわち、原点位置を左下の頂点から別の箇所に変更するようにしてもよい。これにより、原点位置が変更したことを敢えて属性情報として持つ必要がなくなる。
S106において、ファイル読み込み工程として、データ処理回路222aは、シフトされたフレーム1内に定義される図形群のレイアウトデータを持つファイル1を記憶装置224から読み出す。同様に、データ処理回路222bは、シフトされたフレーム2内に定義される図形群のレイアウトデータを持つファイル2を記憶装置224から読み出す。同様に、その他のデータ処理回路222は、シフトされたフレーム3内に定義される図形群のレイアウトデータを持つファイル3を記憶装置224から読み出す。以上のように、分割位置をシフトさせておくことで、同じフレームを複数回読み込まなくても済ますことができる。
そして、S106において、データ変換工程として、データ処理回路222aは、ファイル1に定義されるレイアウトデータ10を描画装置100に適応するフォーマットに変換してフレーム1の描画データ12を作成する。また、ここでは、分散処理を実行しているため、データ処理回路222bは、ファイル2に定義されるレイアウトデータ10を描画装置100に適応するフォーマットに変換してフレーム2の描画データ12を作成する。同様に、その他のデータ処理回路222は、ファイル3に定義されるレイアウトデータ10を描画装置100に適応するフォーマットに変換してフレーム3の描画データ12を作成する。そして、出力工程として、作成された各フレームの描画データ12は、データ変換が終了次第、順次、記憶装置226に出力され一時的に格納される。
そして、S110において、装置内部フォーマット変換工程として、記憶装置226に一時的に格納された各フレームの描画データ12は、記憶装置124に転送され、フレーム毎に複数のデータ処理回路122が分散処理にて装置内部フォーマットに変換する。そして、ショットデータを作成する。作成されたショットデータはデータ変換が終了次第、順次、記憶装置126に出力され一時的に格納される。そして、描画部150は、最終段の描画装置内フォーマットデータとなったショットデータにより制御された電子ビーム200を用いて以下のように試料101に所定のパターンを描画する。描画部150は、制御回路110によって制御される。
電子銃201から出た荷電粒子線の一例となる電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形、例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形、例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向されて、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。
ここで、図9,11では、描画データ側の分割領域として、描画面を短冊状に分割したフレーム領域を用いて説明したが、これに限るものではない。フレーム領域を複数のブロックに分割したブロック領域を用いても同様の効果を得ることができる。或いは、フレームとブロックとを混在させても構わない。
また、レイアウトデータ及び描画データ内で、パターンをグループ化したライブラリセルを定義する場合がある。
図14は、実施の形態1におけるライブラリセルの処理の一例について説明するための図である。
図15は、実施の形態1におけるライブラリセルの高さと高さ制限との一例を示す図である。
ここでは、図形41,42でグループ化したライブラリセル40を示している。そして、ライブラリセル40の原点位置を左下の頂点位置とするとライブラリセル40はレイアウトデータ10における分割領域11dに定義される。図形41は、レイアウトデータ10における分割領域11eのマージン領域内に位置しているが、ライブラリセル40としてグループ化されているので、図形41もその一部として分割領域11dに定義される。また、その他に図形45が分割領域11eに定義される。ここで、ライブラリセル40の処理にあたっては、レイアウトデータ10及び描画データ12双方のライブラリセル40の幅や高さの制限が一致していないと、描画データ12に変換する際に、ライブラリセル40を展開或いは分解する必要が生じる。すなわち、少なくとも1つ以上の図形から構成されるセルという階層ではなく、直接、図形の階層として、図形41と図形42を配置する展開を必要とする。或いは、ライブラリセル40を図形41から構成されるセル43と図形42から構成されるセル44に分解する処理を必要とする。ここでは、図15に示すように、レイアウトデータ10のライブラリセル40の高さlに対して、描画データ12の高さ制限がLであり、ライブラリセル40の高さlより小さい場合を示している。その場合には、例えば、分割領域をマージン幅分シフトしたとしても、高さ制限を越えているため、展開或いは分解が必要となる。そのため、図14に示すように、分割領域13dには、分解されたセル44が定義され、分割領域13eには、図形45の他に、分解されたセル43が定義されてしまうことになる。これでは、やはり、分割領域13eを処理するために、分割領域11dと分割領域11eを読み込む必要があり、分割領域11dのデータファイルを2回読み込むことになってしまう。そこで、次のように改良する。
図16は、実施の形態1におけるライブラリセルの処理の他の一例について説明するための図である。
図16では、ライブラリセル40を分解する際に、セル43のサイズを大きくして、セル43の原点位置がセル44と同じ分割領域13d内に位置するように構成する。これにより、例え、ライブラリセル40を分解しなければならない場合でも同じ分割領域内に定義することができる。その結果、分割領域13eを処理するために、分割領域11dを読み込む必要が無くなり、分割領域11dのデータファイルを2回読み込むことを防止することができる。
以上のように、上述した構成で描画データを作成することで、レイアウトデータの入力回数を最小限に抑えることができ、変換処理を効率的に行なうことができる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、描画方法、描画データの作成方法及びレイアウトデータファイルの作成方法は、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における描画データ作成までの処理内容を説明するための図である。 実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の一例を示す図である。 実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるレイアウトデータの分割領域サイズと描画データの分割領域サイズの関係の他の一例を示す図である。 レイアウトデータファイルのマージン領域の一例を示す図である。 レイアウトデータファイルのマージン領域の他の一例を示す図である。 レイアウトデータを分割領域毎に分けて複数のファイルを作成する場合の一例について説明するための図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 図9で示した各ファイルに分割したレイアウトデータ10をそれぞれ描画データに変換していく場合の領域シフトの様子を説明するための図である。 実施の形態1におけるチップデータの一例を示す図である。 実施の形態1におけるチップデータの他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるライブラリセルの処理の一例について説明するための図である。 実施の形態1におけるライブラリセルの高さと高さ制限との一例を示す図である。 実施の形態1におけるライブラリセルの処理の他の一例について説明するための図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。 レイアウトデータと描画データとで分割領域サイズが異なる場合の一例を示す図である。 レイアウトデータと描画データとで分割領域サイズが異なる場合の他の一例を示す図である。 レイアウトデータと描画データとで分割領域のマージン幅サイズが異なる場合の一例を示す図である。
符号の説明
6,7,9 マージン領域
8,10,20 レイアウトデータ
11,13 分割領域
12,22 描画データ
14,15 チップ
31,32,33,34,35,36,41,42,45 図形
40 サイブラリセル
43,44 セル
51,52,53,54,55,56 図形
90 演算装置
92 設定部
94 データ処理回路
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,210 制御回路
112,212 制御ユニット
120,220 データ処理回路群
122,222 データ処理回路
124,126,224,226,300 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
206,420 第2のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
207 対物レンズ
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 複数の第1の分割領域に分割されたレイアウトデータにおける前記第1の分割領域に設定されたマージン幅の値を入力する入力工程と、
    前記マージン幅の値に合わせて前記複数の第1の分割領域に対応する描画データ側の複数の第2の分割領域の位置をシフトするシフト工程と、
    シフトされた各第2の分割領域に対応する前記第1の分割領域内のレイアウトデータを含むデータファイルをそれぞれ読み込む読み込み工程と、
    各データファイルに含まれるレイアウトデータを描画装置適応のフォーマットに変換して描画データを作成する作成工程と、
    前記描画データを出力する出力工程と、
    を備え
    複数の前記第2の分割領域の分割サイズは、それぞれマージン幅を含めない各第1の分割領域の分割サイズの整数倍と整数分の1のいずれかであり、複数の前記第2の分割領域の位置をシフトする際、各前記第2の分割領域のサイズを維持したままシフトすることを特徴とする描画データの作成方法。
  2. 前記複数の第2の分割領域で1つのチップ領域を構成し、
    前記チップ領域を定義する原点位置をシフトさせることにより前記複数の第2の分割領域の位置がシフトされることを特徴とする請求項1記載の描画データの作成方法。
  3. 前記複数の第2の分割領域で1つのチップ領域を構成し、
    前記チップ領域を定義する原点位置を維持したままで前記チップ領域をシフトさせることにより前記複数の第2の分割領域の位置がシフトされることを特徴とする請求項1記載の描画データの作成方法。
  4. 前記第2の分割領域として、描画面を短冊状に分割したフレーム領域と前記フレーム領域を複数のブロックに分割したブロック領域との少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項2又は3記載の描画データの作成方法。
  5. 第1の分割領域と第2の分割領域が同じ幅であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の描画データの作成方法
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