JP5206071B2 - 圧電アクチュエータ及び液体移送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電層を有する圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータを備えた液体移送装置に関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、複数の圧電素子(圧電アクチュエータ)を駆動させるための駆動回路と電源などとを接続するためのFPC上における、電源電圧端子とグランド端子との間にコンデンサが接続されており、このコンデンサには、その両端の電位差により電荷が蓄えられている。そして、電源だけではなくこのコンデンサからも圧電素子に電流が流れるため、例えば多数の圧電素子を同時に駆動した場合などに、電源から圧電素子に大きな電流が流れてしまうのが抑制され、電源の電圧が一時的に低下してしまうのが抑制されている。
特開平6−171083号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、上述したような電源の電圧の低下を十分に抑制するためには、上記コンデンサから圧電素子に十分に電流が流れる必要があるため、上記コンデンサを大容量のものとする必要となる。そして、このような大容量のコンデンサを設けると、インクジェットヘッドの製造コストが増加してしまう。
本発明の目的は、外部に別途大容量のコンデンサを設けることなく、電圧の低下を抑制することが可能な圧電アクチュエータ、及び、このような圧電アクチュエータを備えた液体移送装置を提供することである。
第1の発明に係る圧電アクチュエータは、第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与する駆動装置によって駆動される圧電アクチュエータであって、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第2電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第2電極と前記第3電極とによって挟まれており、前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とするものである。
これによると、圧電アクチュエータを駆動するための第2電極及び第3電極と、圧電材料のこれらの電極に挟まれる部分によりコンデンサが構成されているため、駆動装置だけでなく、このコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動装置から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動装置の電圧が低下してしまうのが抑制される。
そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているので、圧電アクチュエータに接続される外部の基板などに別途コンデンサを設ける必要がない。あるいは、別途設けるコンデンサを容量の小さいものにすることができる。
また、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
また、これによると、第1、第2電極に加え、第3電極も圧電アクチュエータを駆動させるための電極である場合に、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極及び第3電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
また、このような構成の圧電アクチュエータは、第1、第2電極に加え、第3電極もその駆動に用いられる。
第3の発明に係る圧電アクチュエータは、第1又は第2の発明において、前記第2電極は、平面視で、前記第1電極および前記第3電極よりも面積が小さく、且つ、前記第1電極および前記第3電極に対して完全に含まれるよう重複していることを特徴とするものである。
これによると、このような構成の圧電アクチュエータは、第1、第2電極に加え、第3電極もその駆動に用いられるものであり、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極及び第3電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
の発明に係る圧電アクチュエータは、第の発明において、前記第2圧電材料層の前記第1圧電材料層と反対側には、第3圧電材料層が積層されており、前記第3圧電材料層の前記第2圧電材料層と反対側の面には、前記第3電極とともに前記第3圧電材料層を挟む位置にダミー電極が設けられており、前記ダミー電極は、前記第1電位となるように前記第2電極と導通可能であり、前記第3電極、前記ダミー電極およびこれらに挟まれる前記第3圧電材料層によって前記コンデンサが構成されることを特徴とするものである。
これによると、第3電極及びダミー電極と、第3圧電材料層のこれらの電極に挟まれた部分とによってもコンデンサが構成されているため、圧電アクチュエータの内部に形成されたコンデンサの静電容量の合計が大きくなる。また、このコンデンサを構成するために、圧電アクチュエータを駆動するための第3電極を用いているので、第3電極の代わりにダミー電極とは別の専用の電極を配置してコンデンサを構成する場合と比較して、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
第4の発明に係る圧電アクチュエータは、第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与する駆動装置によって駆動される圧電アクチュエータであって、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第3電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第3電極と前記第2電極とによって挟まれており、前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする。
これによると、圧電アクチュエータを駆動するための第2電極及び第3電極と、圧電材料のこれらの電極に挟まれる部分によりコンデンサが構成されているため、駆動装置だけでなく、このコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動装置から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動装置の電圧が低下してしまうのが抑制される。
そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているので、圧電アクチュエータに接続される外部の基板などに別途コンデンサを設ける必要がない。あるいは、別途設けるコンデンサを容量の小さいものにすることができる。
また、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
また、これによると、第1、第2電極に加え、第3電極も圧電アクチュエータを駆動させるための電極である場合に、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極及び第3電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
また、このような構成の圧電アクチュエータは、第1、第2電極に加え、第3電極もその駆動に用いられるものである。
の発明に係る圧電アクチュエータは、第の発明において、前記第3電極は、平面視で、前記第1電極および前記第2電極よりも面積が小さく、且つ、前記第1電極および前記第2電極に対して完全に含まれるよう重複していることを特徴とするものである。
これによると、このような構成の圧電アクチュエータは、第1、第2電極に加え、第3電極もその駆動に用いられるものであり、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極及び第3電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
第6の発明に係る圧電アクチュエータは、第4又は第5の発明において、前記第2圧電材料層の前記第1圧電材料層と反対側には、第3圧電材料層が積層されており、前記第3圧電材料層の前記第2圧電材料層と反対側の面には、前記第2電極とともに前記第3圧電材料層を挟む位置にダミー電極が設けられており、前記ダミー電極は、前記第2電位となるように前記第3電極と導通可能であり、前記第2電極、前記ダミー電極およびこれらに挟まれる前記第3圧電材料層によって前記コンデンサが構成されることを特徴とするものである。
これによると、第2電極及びダミー電極と、第3圧電材料層のこれらの電極に挟まれた部分とによってもコンデンサが構成されているため、圧電アクチュエータの内部に形成されたコンデンサの静電容量の合計が大きくなる。また、このコンデンサを構成するために、圧電アクチュエータを駆動するための第2電極を用いているので、第2電極の代わりにダミー電極とは別の専用の電極を配置してコンデンサを構成する場合と比較して、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
第7の発明に係る液体移送装置は、圧力室を含む、液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータを駆動する駆動装置を備えており、前記駆動装置は、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与し、前記圧電アクチュエータは、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料が、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第2電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第2電極と前記第3電極とによって挟まれており、前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とするものである。
第8の発明に係る液体移送装置は、圧力室を含む、液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータを駆動する駆動装置を備えており、前記駆動装置は、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与し、前記圧電アクチュエータは、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料が、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第3電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第3電極と前記第2電極とによって挟まれており、前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする。
本発明によれば、圧電アクチュエータを駆動するための第2電極及び第3電極と、圧電材料のこれらの電極に挟まれる部分によりコンデンサが構成されているため、駆動装置だけでなく、このコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動装置から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動装置の電圧が低下してしまうのが抑制される。
そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているので、圧電アクチュエータに接続される外部の基板などに別途コンデンサを設ける必要がない。あるいは、別途設けるコンデンサを容量の小さいものにすることができる。
また、圧電アクチュエータを駆動させるための第2電極を用いて圧電アクチュエータの内部にコンデンサの一部を構成しているため、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3(液滴吐出装置)、搬送ローラ4などを備えている。
キャリッジ2は走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3はキャリッジ2の下面に取り付けられており、その下面に形成されたノズル15(図4参照)からインクを吐出する。搬送ローラ4は、記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。そして、プリンタ1においては、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3のノズル15から、搬送ローラ4によって紙送り方向に搬送される記録用紙Pにインクが吐出されることにより、記録用紙Pに印刷が行われる。
次に、インクジェットヘッド3について詳細に説明する。図2は、図1のインクジェットヘッド3の分解斜視図である。図3は、図2のインクジェットヘッド3の平面図である。図4は図3の部分拡大図である。図5は、図4における、後述する振動板41及び圧電層42〜44の上面を示した図である。図6は、図4のVI−VI線断面図である。図7は、図4のVII−VII線断面図である。
なお、図面を分かりやすくするため、図3〜図5においては、後述する流路ユニット31の圧力室10及びノズル15除くインク流路の図示を省略し、図3においては、圧電アクチュエータ32の後述する電極45〜47の図示を省略している。また、図4においては、ともに点線で図示すべき電極45、47を、それぞれ二点鎖線及び一点鎖線で図示している。さらに、図5においては、それぞれ、後述する電極45〜48にハッチングを付している。また、図7においては、圧力室10よりも下の部分の図示を省略している。
図2〜図7に示すように、インクジェットヘッド3は、後述する圧力室10などのインク流路が形成された流路ユニット31と、圧力室10内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ32とを備えている。流路ユニット31は、複数のプレート21〜27が互いに積層されることによって、インク供給口9からインクが供給されるマニホールド流路11、及び、マニホールド流路11の出口からアパーチャ流路12を経て圧力室10に至り、さらに、圧力室10からディセンダ流路14を経てノズル15に至る複数の個別インク流路を有するインク流路(液体移送流路)が形成されている。ここで、複数のプレート21〜27のうち、ノズル15が形成されたプレート27を除く6枚のプレート21〜26は、SUS430、SUS316等の金属材料からなり、プレート27は、ポリイミド等の合成樹脂材料からなる。あるいは、プレート27も他のプレート21〜26と同様、金属材料によって構成されていてもよい。
複数の圧力室10は、走査方向(図3の左右方向)を長手方向とする略楕円形の平面形状を有しており、紙送り方向(図3の上下方向)に沿って配列されて1つの圧力室列8を構成している。そして、このような圧力室列8が、走査方向に2列に配列されることによって1つの圧力室群7を構成している。さらに、このような圧力室群7が走査方向に沿って5つ配列されている。ここで、1つの圧力室群7に含まれる2列の圧力室列8を構成する圧力室10同士は、紙送り方向に関して互いにずれて配置されている。また、複数のノズル15も、複数の圧力室10と同様に配置されている。
そして、これら5つの圧力室群7のうち、図3の右側の2つを構成する圧力室10に対応するノズル15からはブラックのインクが吐出され、図3の左側の3つを構成する圧力室10に対応するノズル15からは、図3の右側に配列されているものから順に、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。なお、インク流路の他の部分の構成については、従来のものと同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
圧電アクチュエータ32は、振動板41、圧電層42〜44及び電極45〜48を備えている。振動板41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、複数の圧力室10を覆うように、流路ユニット31の上面に配置されており、例えば、熱硬化性の接着剤などによって流路ユニット31に接合されている。この振動板41は必ずしも圧電材料からなる必要はない。
圧電層42〜44は、振動板41と同様の圧電材料からなり、互いに積層されて振動板41の上面に配置されており、これにより、圧電層43(第2圧電材料層)と圧電層44(第1圧電材料層)とが互いに積層されているとともに、圧電層42(第3圧電材料層)が圧電層43の下面(圧電層44と反対側)に積層されている。なお、圧電層42〜44が、本発明に係る圧電材料に相当する。
電極45(ダミー電極)は、振動板41と圧電層42との間にそのほぼ全域にわたって配置されており、複数の圧力室10の略中央部と対向する部分に、略矩形の平面形状を有する抜きパターン45aが形成されている。また、電極45は、圧電層42、43に形成された図示しないスルーホールを介して電極47と導通している。
電極46は、圧電層42と圧電層43との間に複数の圧力室10にまたがって連続的に配置されている。また、電極46は、圧電層43、44に形成された図示しないスルーホールを介して圧電層44の上面に形成された接続端子39に接続されている。接続端子39は、圧電アクチュエータ32の上方に配置されたCOF(Chip On Film)50に接続されることにより、その上面に実装されたドライバIC51に接続されており、電極46は、ドライバIC51により常にグランド電位(第1電位)に保持されている。なお、本実施の形態においては、電極46のうち、走査方向(図5の左右方向)に関して圧力室10が配置されている範囲内に収まっている部分が、本発明に係る第2電極に相当する。
電極47は、圧電層43と圧電層44との間に配置されており、複数の対向部47a(第3電極)及び複数の接続部47bとを備えている。複数の対向部47aは、走査方向を長手方向とする略矩形の平面形状を有しており、紙送り方向に関する複数の圧力室10の略中央部とそれぞれ対向するように配置されている。これにより、電極47は、平面視で(圧電層42〜44の積層方向から見て)、電極46の上記第2電極に相当する部分よりも面積が小さく、電極46のこの部分に完全に含まれるように重複する。
複数の接続部47bは、隣接する圧力室群7の間において紙送り方向に延びており、走査方向に関してその両側に配置された複数の対向部47aの端部同士を互いに接続させている。なお、複数の接続部47b同士は、図示しない位置において互いに接続されている。さらに、電極47は、圧電層44に形成された図示しないスルーホールを介して圧電層44の上面の走査方向に関する両端部に接続端子39に隣接して配置された接続端子38に接続されている。接続端子38はCOF50に接続されることによりその上面に実装されたドライバIC51に接続されており、電極47は、ドライバIC51により常にグランド電位とは異なる所定の駆動電位(例えば20V程度、第2電位)に保持されている。また、これにより、電極47と導通している電極45も所定の駆動電位に保持されている。
電極48(第1電極)は、複数の圧力室10に対応して複数配置されている。電極48は、略矩形の平面形状を有しており、複数の圧力室10のほぼ全域と対向している。これにより、電極48は、紙送り方向に関する略中央部において対向部47aと対向しているとともに、紙送り方向の両側に対向部47aよりも外側まで延びている。すなわち、対向部47aは、平面視で、電極48よりもその面積が小さくなっているとともに、電極48に完全に含まれるように重複している。さらに、電極48は、対向部47aと対向している部分よりも外側の部分において電極46と対向している。また、電極48の走査方向に関する一端部(ノズル15と反対側の端部)は走査方向に圧力室10と対向しない部分まで延びており、その先端部がCOF50との接続を行うための接続端子48aとなっている。そして、電極48には、ドライバIC51により、グランド電位及び上述の駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与される。
ここで、COF50の接続端子50aは、外部の基板52(図8参照)を介して駆動電源53(図8参照)に接続されており、電極45〜48には、駆動電源53から電力を供給されたドライバIC51により上述した電位が付与される。すなわち、本実施の形態においては、ドライバIC51と駆動電源53とをあわせたものが、本発明に係る駆動装置に相当する。
また、圧電アクチュエータ32においては、圧電層42〜44及び電極45〜48が上述したように配置されていることにより、圧電層42の一部分が電極45と電極46とにより挟まれ、圧電層43の一部分が電極46と電極47とによって挟まれ、圧電層44の一部分が電極47と電極48とによって挟まれ、圧電層43、44の一部分が電極46と電極48とによって挟まれている。そして、圧電層43、44の電極48と電極46とに挟まれた部分(活性部R1、第1の活性部)がその厚み方向(電極の挟持方向)の下向きに分極されており、圧電層44の電極48と電極47とに挟まれた部分(活性部R2、第2の活性部)がその厚み方向(電極の挟持方向)の上向き(活性部R1の分極方向と反対向き)に分極されており、圧電層42の電極45と電極46とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R3)がその厚み方向の上向きに分極されている。
また、圧電アクチュエータ32においては、圧電層43の一部分が電極46と電極47とに挟まれており、圧電層42の一部分が電極45と電極46とに挟まれているため、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分により、それぞれ、コンデンサが構成されている。そして、電極46と電極47との間の電位差、及び、電極45と電極46との間の電位差により、これらのコンデンサには電荷が蓄えられている。すなわち、これらのコンデンサには、駆動装置から供給された電荷が蓄えられている。
ここで、圧電アクチュエータ32の動作について説明する。まず、圧電アクチュエータ32がインクを吐出させる動作を行う前の待機状態においては、前述したように、電極45、47が駆動電位に保持され、電極46がグランド電位に保持されているとともに、電極48が予めグランド電位に保持されている。この状態では、電極48が電極47よりも低電位になっているとともに、電極46と同電位となっている。
これにより、電極48と電極47との間の電位差が生じ、活性部R2にはその分極方向と同じ方向の電界が発生する。これにより、活性部R2がこの電界と直交する面方向に収縮する(変形する)。これによりいわゆるユニモルフ変形が生じ、圧電層42〜44及び振動板41の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10に向かって凸となるように変形する。この状態では、圧電層42〜44及び振動板41が変形していない場合と比較して、圧力室10の容積が小さくなっている。
そして、インクを吐出させるべく圧電アクチュエータ32を駆動させる際には、電極48の電位を、一旦、駆動電位に切り替え、所定時間経過後、グランド電位に戻す。電極48の電位を駆動電位に切り替えると、電極48が電極47と同電位となるとともに電極46よりも高電位となる。これにより、活性部R2の上記収縮が元に戻ると同時に、電極48と電極46との間に電位差が生じ、活性部R1にはその分極方向と同じ方向の電界が発生し、活性部R1がその面方向に収縮する(変形する)。これにより、圧電層42〜44及び振動板41が全体として、圧力室10と反対側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が増加する。
この後、電極48の電位をグランド電位に戻すと、前述したのと同様、圧電層42〜44及び振動板41の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10に向かって凸となるように変形し、圧力室10の容積が小さくなる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が上昇し(圧力室10内のインクに圧力が付与され)、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
また、上述したようにして圧電アクチュエータ32を駆動させる際、電極48の電位をグランド電位から駆動電位に切り替えたときには、活性部R2が収縮した状態から収縮前の状態に伸長すると同時に、活性部R1が収縮するため、活性部R2の伸長が活性部R1の収縮に一部吸収される。一方、電極48の電位を駆動電位からグランド電位に戻したときには、活性部R2が収縮するとともに、活性部R1が収縮前の状態まで伸長するため、活性部R2の収縮が活性部R1の伸長によって一部吸収される。
これにより、活性部R1、R2の変形が、他の圧力室10と対向する部分に伝達して当該他の圧力室10に連通するノズル15からのインクの吐出特性が変動してしまう、いわゆるクロストークが抑制される。
また、振動板41及び圧電層42〜44を構成する圧電材料は、自身よりも線膨張係数の大きい流路ユニット31(キャビティプレート21)に熱硬化性の接着剤などによって接合されている(具体的には、圧電材料の線膨張係数が5.5[10−6/℃]程度であるのに対して、SUS430、SUS316の線膨張係数は、それぞれ、10.5[10−6/℃]、16.0[10−6/℃]程度)。したがって、流路ユニット31と圧電アクチュエータ32とを接合する際に、これらを加熱した後常温に戻すと、両者の線膨張係数の違いから、振動板41及び圧電層42〜44には、その面方向に圧縮歪みが生じる。そして、その結果、上述したように圧電アクチュエータ32を駆動したときの活性部R1、R2の収縮量が小さくなり、ノズル15からのインクの吐出特性が変動がしてしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態では、圧縮歪み緩和部R3がその厚み方向の下向きに分極されており、電極46がグランド電位に保持されているとともに電極45が駆動電位に保持されているため、電極46と電極45との間に電位差が生じ、圧縮歪み緩和部R3にその分極方向と同じ方向の電界が発生している。これにより、圧縮歪み緩和部R3がその面方向に収縮し、この収縮により、振動板41及び圧電層42〜44の圧力室10と対向する部分がその面方向に圧力室10の外側に向かって引っ張られて、活性部R1、R2の圧縮歪みが緩和される。そして、これにより、圧電アクチュエータ32を駆動したときの活性部R1、R2の収縮量の低下が抑制される。
次に、インクジェットヘッド3の電気的構成について説明する。図8は、圧電アクチュエータ32、ドライバIC51、ドライバIC51に接続される外部の基板52、及び、駆動電源53の接続関係を示す等価回路の回路図である。
圧電アクチュエータ32においては、圧電層42〜44及び電極45〜48が上述したように配置されていることにより、前述したように、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分が、それぞれコンデンサを構成しているとともに、電極47、48及び圧電層44のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極46、48及び圧電層43、44のこれらの電極に挟まれた部分も、それぞれコンデンサを構成している。
さらに、前述したように、ドライバIC51により、電極45、47は駆動電位に保持されており、電極46はグランド電位に保持されており、電極48にはグランド電位及び駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与される。したがって、圧電アクチュエータ32は、図8に示すような、コンデンサC1〜C3が互いに接続された等価回路によって表現することができる。
ここで、図8の各コンデンサC1は、電極47、48及び圧電層44のこれらの電極に挟まれた部分に対応し、各コンデンサC2は、電極46、48と圧電層43、44のこれらの電極に挟まれた部分に対応し、各コンデンサC3は、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分と、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分とをあわせたものに対応する。
また、ドライバIC51は、各圧力室10に対応して、コンデンサC1、C2の一方の端子(電極48)にグランド電位及び駆動電位を選択的に付与する複数の駆動素子61が並列に接続されたものと等価であり、各駆動素子61には、外部の基板52を介して接続された駆動電源53から駆動電力が供給される。さらに、基板52には、駆動電源53の両端子に接続されたコンデンサC0が配置されている。
そして、上述したように圧電アクチュエータ32の駆動したときには、駆動素子61によりコンデンサC1、C2の共通の端子(電極48)の電位が切り替えられることにより、コンデンサC1、C2において充放電が行われることになる。一方、コンデンサC0、C3には、その両端子の電位差により電荷が蓄えられている(駆動装置から供給された電荷が蓄えられている)。
ここで、コンデンサC0、C3が設けられていないと、多数のノズル15から同時にインクを吐出する場合など、圧電アクチュエータ32を急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータ32(コンデンサC1、C2)に大きな電流が流れ、これにより、駆動電源53の電圧が低下してしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態では、駆動電源53に加え、コンデンサC0、C3からもコンデンサC1、C2に電流が流れることにより、圧電アクチュエータ32を急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータ32に大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。すなわち、コンデンサC0、C3は、いわゆるバイパスコンデンサとして動作する。
このとき、駆動電源53の電圧の低下を十分に抑制するためには、コンデンサC0、C3からコンデンサC1、C2に十分に電流が流れる必要があり、そのためには、コンデンサC0、C3の静電容量の合計が十分に大きなものである必要がある。しかしながら、本実施の形態とは異なり、圧電アクチュエータ32の内部にコンデンサC3が構成されていないとすると、圧電アクチュエータ32の外部に設けるコンデンサC0を静電容量の大きなものにする必要があり、プリンタ1の製造コストが高くなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分が、それぞれコンデンサを構成しており、圧電アクチュエータ32の内部にコンデンサC3が構成されているため、コンデンサC0をコンデンサC3が設けられている分だけ静電容量の小さなものにすることができる。さらには、コンデンサC3だけで十分な静電容量が得られる場合には、圧電アクチュエータ32の外部の基板52のコンデンサC0が不要となる。これにより、プリンタ1の製造コストが低減される。
また、コンデンサC3の一部となる、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分により構成されるコンデンサは、圧電アクチュエータ32を駆動させるための電極46、47を用いて形成されたものであり、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分により構成されるコンデンサは、圧電アクチュエータ32を駆動させるための電極46を用いて構成されたものであるため、電極46、47の代わりに、圧電層に別途専用の電極を配置してコンデンサを構成した場合と比較して、圧電アクチュエータ32の構造が簡単なものとなり、その製造コストが低減される。
以上に説明した実施の形態によると、圧電アクチュエータ32において、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分が、それぞれ、コンデンサを構成しており、電極46と電極47との電位差、及び、電極45と電極46との電位差によってこれらのコンデンサに電荷が蓄えられているため、駆動電源53だけでなく、これらのコンデンサからも電流が流れることにより、例えば多数のノズル15から同時にインクを吐出する場合など、圧電アクチュエータ32を急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータ32に大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。また、圧電アクチュエータ32の内部にこのようなコンデンサが設けられているため、外部の基板52に設けられるコンデンサC0の容量を小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。
また、圧電アクチュエータ32の内部にコンデンサを構成するのに、圧電アクチュエータ32を駆動させるための電極46、47を用いているので、電極46、47の代わりに、別途専用の電極を設けてコンデンサを構成する場合と比較して、圧電アクチュエータ32の構成が簡単になる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図9に示すように、電極47の代わりに電極77が配置されている。電極77は、複数の対向部77a(第1電極)と複数の接続部77bとを備えている。複数の対向部77aは、走査方向(図9の左右方向)に延びており、圧力室10の紙送り方向に関する略中央部と対向している。複数の接続部77bは、全ての隣接する圧力室列8の間においてそれぞれ、紙送り方向(図9の上下方向)に延びており、走査方向に関してその両側に配置された複数の対向部77a同士を互いに接続させている(変形例1)。
この場合でも、図7と同様の断面形状を有し(図7において47の符号を77の符号に変更した構造を有し)、実施の形態の場合と同様にして駆動させることができる。また、この場合でも、電極46、77及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極45、46及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分により、それぞれコンデンサが構成されているため、駆動電源53(図8参照)だけでなく、これらのコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているため、実施の形態と同様、外部の基板52に設けるコンデンサC0を静電容量の小さいものとするができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。
別の一変形例では、図10に示すように、振動板41と圧電層42との間にさらに圧電層81が配置されている。そして、圧電層42と圧電層81との間に電極45と同様の形状を有しており、常に上記駆動電位に保持される電極82が配置されており、圧電層81と振動板41との間には電極46と同様、そのほぼ全域にわたって配置されており、常にグランド電位に保持された電極83が配置されている。そして、圧電層81の電極82と電極83とが対向している部分(圧縮歪み緩和部R4)が、その厚み方向の下向きに分極されている(変形例2)。
この場合には、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極46、82及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分に加え、電極82、83及び圧電層81のこれらの電極に挟まれた部分もコンデンサを構成しているため、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計(図8のコンデンサC3の静電容量)が大きくなる。このため、外部の基板52に設けられるコンデンサC0の容量をさらに小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。
また、この場合には、電極46と電極82との電位差によって圧縮歪み緩和部R3に発生する電界により、実施の形態と同様、圧縮歪み緩和部R3がその面方向に収縮しているのに加えて、電極82と電極83との電位差によって圧縮歪み緩和部R4に発生する電界により、圧縮歪み緩和部R4もその面方向に収縮する。このため、活性部R1、R2が実施の形態の場合よりも強く、その面方向に圧力室10の外側に向かって引っ張られ、活性部R1、R2の圧縮歪みがさらに大きく緩和される。
なお、変形例2においては、圧電層42と振動板41との間に1つの圧電層81が配置されており、圧電層42と圧電層81との間、及び、圧電層81と振動板41との間に、それぞれ、電極82、83が配置されていたが、これには限られず、圧電層42と振動板41との間に複数の圧電層が配置されており、これら複数の圧電層の間、及び、これら複数の圧電層のうち最も下に配置されたものと振動板41との間にグランド電位に保持される電極と駆動電位に保持される電極とが交互に配置されており、各圧電層の電極に挟まれた部分が、その部分に生じる電界と同じ向きに分極されていてもよい。この場合には、これらの電極、及び、圧電層のこれらの電極に挟まれた部分が、それぞれコンデンサを構成しているとともに、圧電層のこれらの部分がその面方向に収縮することにより活性部R1、R2の圧縮歪みが緩和される。
別の一変形例では、図11に示すように、圧電層42(図7参照)及び電極45(図7参照)が設けられておらず、振動板41の上面に圧電層43が配置されており、振動板41と圧電層43との間に電極46が配置されている(変形例3)。
この場合でも、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分によってコンデンサが構成されているため、駆動電源53(図8参照)だけでなくこのコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動させたときに、駆動電源53から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているため、外部の基板52(図8参照)に設けられるコンデンサC0の容量を小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。なお、変形例3では、電極46、47及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分のうち、1つの圧力室10に対応する部分が、図8のコンデンサC3に対応する。
また、この場合には、圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成するための電極として、圧電アクチュエータの駆動に用いられる電極46、47のみを用いているので、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
別の一変形例では、図12に示すように、振動板41と圧電層42との間、圧電層42と圧電層43との間、圧電層43と圧電層44との間、及び圧電層44の上面おける、電極45〜48と同様の位置に、それぞれ、電極45〜48と同様の形状を有する電極91〜94が配置されている。電極91(ダミー電極)及び電極93は常にグランド電位(第1電位)に保持されている。電極92は常に駆動電位(第2電位)に保持されている。電極94(第1電極)は、グランド電位及び駆動電位のいずれかの電位が選択的に付与される。
また、圧電層43、44の電極92と電極94とに挟まれた部分(活性部R5、第1の活性部)はその厚み方向(電極の挟持方向)の上向きに分極されており、圧電層44の電極94と電極93とに挟まれた部分(活性部R6、第2の活性部)はその厚み方向(電極の挟持方向)の下向き(活性部R5の分極方向と反対向き)に分極されており、圧電層42の電極91と電極92とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R7)は、その厚み方向の下向きに分極されている(変形例4)。
なお、この場合には、電極92のうち、前述した電極46(図5参照)の第2電極に相当する部分、すなわち、走査方向に関して、圧力室10が配置されている範囲内に収まっている部分が、本発明に係る第3電極に相当し、電極93のうち、対向部47a(図5参照)に対応する部分が、本発明に係る第2電極に相当する。そして、電極91〜94が上述したように配置されることにより、平面視で、電極93の第2電極に相当する部分が、電極92の第3電極に相当する部分、及び、電極94よりも面積が小さく、且つ、電極92の第3電極に相当する部分、及び、電極94に完全に含まれるように重複している。
この場合には、ノズル15(図6参照)からインクを吐出しない待機状態においては、前述したように、電極92、93が、それぞれ、駆動電位及びグランド電位に保持されているとともに、電極94が駆動電位に保持されている。これにより、電極94と電極93との間に電位差が発生し、活性部R6にその分極方向と同じ方向の電界が発生する。これにより、活性部R6はその面方向に収縮し(変形し)、圧電層42〜44及び振動板41の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10側に凸となるように変形する。このとき、圧力室10の容積は、圧電層42〜44及び振動板41が変形していない状態と比較して小さくなっている。
そして、ノズル15からインクを吐出させる際には、電極94の電位を一旦グランド電位に変化させ、所定時間経過後、駆動電位に戻す。電極94の電位がグランド電位に切り替わると、電極94が電極93と同電位となって活性部R6の変形が元に戻るとともに、電極94と電極92との間に電位差が発生することにより、活性部R5にその分極方向と同じ方向の電界が発生し、活性部R5がその面方向に収縮する(変形する)。これにより、圧電層42〜44及び振動板41の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10と反対側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が増加する。
その後、電極94の電位を駆動電位に戻すと、再び、前述したように、圧電層42〜44及び振動板41の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10側に凸となるように変形して、圧力室10の容積が小さくなる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
この場合も、電極94の電位が駆動電位からグランド電位に切り替わったときに、活性部R6が収縮した状態から収縮前の状態まで伸長するとともに、活性部R5が収縮するため、活性部R6の伸長が、活性部R5の収縮に一部吸収される。また、電極94の電位がグランド電位から駆動電位に切り替わったときに、活性部R6が収縮するとともに、活性部R5が収縮した状態から収縮前の状態まで伸長するため、活性部6の収縮が、活性部R5の伸長に一部吸収される。したがって、この場合でも、実施の形態と同様、クロストークが防止される。
また、この場合も、圧縮歪み緩和部R7がその厚み方向の下向きに分極されているとともに、電極91、92がそれぞれ、グランド電位及び駆動電位に保持されており、圧縮歪み緩和部R7にはその分極方向と同じ方向の電界が発生しているため、圧縮歪み緩和部R7はその面方向に収縮しており、この収縮によって、活性部R5、R6がその面方向に圧力室10の外側に向かって引っ張られる。したがって、この場合も、実施の形態と同様、振動板41及び圧電層42〜44と流路ユニット31との線膨張係数の違いによって生じる活性部R5、R6の圧縮歪みを緩和することができる。
さらに、この場合でも、電極92、93及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分、並びに、電極91、92及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分によってコンデンサが構成されており、電極92と電極93との電位差、及び、電極92と電極91との間の電位差によってこれらのコンデンサに電荷が蓄えられているため、駆動電源53だけでなくこれらのコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動させたときに、駆動電源53から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源の電圧が低下してしまうのが抑制される。そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているため、外部の基板52(図8参照)に設けられるコンデンサC0の容量を小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。
なお、この場合には、電極93、94及び圧電層44のこれらの電極に挟まれた部分が、図8のコンデンサC2に対応し、電極92、94及び圧電層43、44のこれらの電極に挟まれた部分が図8のコンデンサC1に対応し、電極92、93及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分と、電極91、92及び圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分とをあわせたものが、図8のコンデンサC3に対応する。
また、変形例4においても、変形例3と同様、図13に示すように、圧電層42(図7参照)及び電極91(図12参照)が設けられておらず、振動板41の上面に圧電層43が配置されており、振動板41と圧電層43との間に電極92が配置されていてもよい(変形例5)。
この場合でも、変形例3と同様、電極92、93及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分によってコンデンサが構成されており、電極92と電極93との電位差によってこのコンデンサに電荷が蓄えられているため、駆動電源53(図8参照)だけではなく、このコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。そして、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているため、外部の基板52に設けられるコンデンサC0の容量を小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。なお、変形例5では、電極92、93及び圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分が、図8のコンデンサC3に対応する。
また、この場合にも、変形例3と同様、圧電アクチュエータの内部にコンデンサを構成するための電極として、圧電アクチュエータの駆動に用いられる電極92、93のみを用いているので、圧電アクチュエータの構成が簡単になる。
また、以上の説明では、圧電アクチュエータは、第2電極及び第3電極の一方が、第1電極、並びに第2電極及び第3電極の他方よりも面積が小さく、且つ、平面視で第1電極及び上記他方に完全に含まれるように重複するように配置されていることにより、第1電極と第2電極、第1電極と第3電極、及び第2電極と第3電極が、それぞれ、圧電材料を挟むように配置された構成となっていたが、これには限られず、圧電アクチュエータは、第1電極と第2電極、第1電極と第3電極、及び、第2電極と第3電極が、それぞれ圧電材料を挟むように配置されるような構成であれば、他の構成であってもよい。
この場合にも、第1電極と第2電極とに挟まれた圧電材料、第1電極と第3電極とに挟まれた圧電材料が、それぞれこれらの電極の挟持方向に分極され、第1電極と第2電極との電位差、及び、第1電極と第3電極との間の電位差により、圧電材料のこれらの部分が変形し、第2電極、第3電極及びこれらの電極に挟まれた圧電材料によって駆動電源53(図8参照)から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのを抑制するためのコンデンサが構成される。
さらに、以上の説明では、圧電材料が、本発明に係る第1電極と本発明に係る第3電極とに挟まれていたが、これには限られない。別の一変形例では、図14に示すように、流路ユニット31の上面に振動板101及び圧電層102が配置されており、振動板101と圧電層102との間には、そのほぼ全域にわたってグランド電位(第1電位)に保持された電極103(第2電極)が配置されており、圧電層102の上面には、圧力室10の略中央部と対向するように電極104(第1電極)が形成されている。電極104には、グランド電位及び駆動電位(第2電位)のいずれか選択的に付与される。さらに、圧電層102の上面には、紙送り方向(図14の左右方向)に関する電極104の両側、つまり、隣接する圧力室10の間と対向する部分に、駆動電位に保持された電極105(第3電極)が配置されている。また、圧電層102の電極104と電極103とに挟まれた部分(活性部R8)、及び、電極105と電極103とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R9)は、ともにその厚み方向(電極の挟持方向)の下向きに分極されている(変形例6)。
この場合には、電極104の電位は予めグランド電位に保持されており、電極104の電位を駆動電位に切り替えると、電極104と電極103との電位差により活性部R8にその分極方向と同じ方向の電界が発生し、活性部R8がその面方向に収縮する(変形する)。これにより、振動板101及び圧電層102が全体として圧力室10側に凸となるように変形する。これにより、圧力室10の容積が減少して圧力室10内のインクの圧力が増加し、ノズル15(図6参照)からインクが吐出される。
また、この場合には、電極103、105及び圧電層102のこれらの電極に挟まれた部分がコンデンサを構成しており、電極103と電極105との電位差により、このコンデンサに電荷が蓄えられている。したがって、駆動電源53(図8参照)だけではなく、このコンデンサからも電流が流れることにより、圧電アクチュエータを急激に駆動したときに、駆動電源53から圧電アクチュエータに大きな電流が流れてしまうのが抑制され、駆動電源53の電圧が低下してしまうのが抑制される。また、圧電アクチュエータの内部にこのようなコンデンサが設けられているため、外部の基板52(図8参照)に設けられるコンデンサC0の容量を小さくすることができる。さらには、圧電アクチュエータの内部に形成されるコンデンサの静電容量の合計が十分に大きければ、コンデンサC0は不要となる。
なお、この場合には、図8相当の等価回路は、図15に示すように、図8においてコンデンサC1が存在しない構成となり、図15においては、電極103、104及び圧電層102のこれらの電極に挟まれた部分がコンデンサC2に対応し、電極103、105及び圧電層102のこれらの電極に挟まれた部分のうち1つの圧力室10に対応する部分がコンデンサC3に対応する。
また、この場合にも、電極103と電極105との間の電位差によって圧縮歪み緩和部R9に発生する電界により、圧縮歪み緩和部R9がその面方向に収縮しており、この収縮によって活性部R8がその面方向に圧力室10の外側に向かって引っ張られ、活性部R8の圧縮歪みが緩和されている。
また、以上の説明では、圧電層のコンデンサを構成している部分、すなわち、圧縮歪み緩和部R3、R7、R9がその厚み方向に分極されていたが、圧電層のこれらの部分は分極されていなくてもよい。
また、以上の説明では、圧電アクチュエータが、振動板を有しており、圧電層の変形により振動板及び圧電層の圧力室10と対向する部分をユニモルフ変形させることにより、圧力室10の容積を変化させるものであったが、これには限られず、振動板を備えておらず、圧電層の変形により直接圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータに、本発明を適用することも可能である。
また、以上では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、インク以外の液体を吐出する液滴吐出装置に本発明を適用することも可能である。また、圧電アクチュエータを液体の移送に利用した液体移送装置に適用することも可能である。さらには、液滴吐出装置、液体移送装置以外の種々の装置の駆動部を駆動させるための圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図3の部分拡大図である。 図4の振動板及び各圧電層の表面を示す図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図4のVII−VII線断面図である。 圧電アクチュエータ、ドライバIC及び外部基板の等価回路を示す回路図である。 変形例1の図5相当の図である。 変形例2の図7相当の図である。 変形例3の図7相当の図である。 変形例4の図7相当の図である。 変形例5の図7相当の図である。 変形例6の図7相当の図である。 変形例6の図8相当の図である。
符号の説明
3 インクジェットヘッド
10 圧力室
31 流路ユニット
32 圧電アクチュエータ
42〜44 圧電層
45〜48 電極
51 ドライバIC
53 駆動電源
81 圧電層
82、83 電極
91〜94 電極
102 圧電層
103〜105 電極

Claims (8)

  1. 第1電極、第2電極、および第3電極と、
    少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、
    前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与する駆動装置によって駆動される圧電アクチュエータであって、
    前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、
    前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、
    前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、
    圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、
    前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第2電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第2電極と前記第3電極とによって挟まれており、
    前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、
    前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記第2電極は、平面視で、前記第1電極および前記第3電極よりも面積が小さく、且つ、前記第1電極および前記第3電極に対して完全に含まれるよう重複していることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記第2圧電材料層の前記第1圧電材料層と反対側には、第3圧電材料層が積層されており、
    前記第3圧電材料層の前記第2圧電材料層と反対側の面には、前記第3電極とともに前記第3圧電材料層を挟む位置にダミー電極が設けられており、
    前記ダミー電極は、前記第1電位となるように前記第2電極と導通可能であり、前記第3電極、前記ダミー電極およびこれらに挟まれる前記第3圧電材料層によって前記コンデンサが構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 第1電極、第2電極、および第3電極と、
    少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、
    前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与する駆動装置によって駆動される圧電アクチュエータであって、
    前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、
    前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、
    前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、
    圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、
    前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第3電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第3電極と前記第2電極とによって挟まれており、
    前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、
    前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 前記第3電極は、平面視で、前記第1電極および前記第2電極よりも面積が小さく、且つ、前記第1電極および前記第2電極に対して完全に含まれるよう重複していることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記第2圧電材料層の前記第1圧電材料層と反対側には、第3圧電材料層が積層されており、
    前記第3圧電材料層の前記第2圧電材料層と反対側の面には、前記第2電極とともに前記第3圧電材料層を挟む位置にダミー電極が設けられており、
    前記ダミー電極は、前記第2電位となるように前記第3電極と導通可能であり、前記第2電極、前記ダミー電極およびこれらに挟まれる前記第3圧電材料層によって前記コンデンサが構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 圧力室を含む、液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、
    圧電アクチュエータを駆動する駆動装置を備えており、
    前記駆動装置は、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与し、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料が、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、
    前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、
    前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、
    圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、
    前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第2電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第2電極と前記第3電極とによって挟まれており、
    前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、
    前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする液体移送装置。
  8. 圧力室を含む、液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前第1電極、第2電極、および第3電極と、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極、および前記第2電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料と、を備え、記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、
    圧電アクチュエータを駆動する駆動装置を備えており、
    前記駆動装置は、前記第1電極に第1電位とこの第1電位とは異なる第2電位を選択的に付与し、前記第2電極に前記第1電位を付与し、前記第3電極に前記第2電位を付与し、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記第1電極と前記第2電極に挟まれる圧電材料が、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第2電位が付与されると変形するように構成され、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる圧電材料は、前記駆動装置から供給される電荷を蓄えるコンデンサを構成し、
    前記圧電材料が、前記第1電極と前記第3電極にも挟まれており、
    前記第1電極と前記第3電極に挟まれる圧電材料は、これらの電極による挟持方向に分極されて、前記第1電極に前記第1電位が付与されると変形するように構成され、
    圧電材料からなり互いに積層された第1および第2圧電材料層を備え、
    前記第1圧電材料層が前記第1電極と前記第3電極とによって挟まれるとともに、前記第2圧電材料層が前記第3電極と前記第2電極とによって挟まれており、
    前記第1圧電材料層の前記第1電極と前記第3電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向に分極されて第1の活性部を構成し、
    前記第1圧電材料層および前記第2圧電材料層の前記第1電極と前記第2電極とに挟まれる部分は、これらの電極による挟持方向であって前記第1の活性部の分極方向と反対向きに分極されて第2の活性部を構成し、
    前記第2電極、前記第3電極およびこれらに挟まれる前記第2圧電材料層が、前記コンデンサを構成することを特徴とする液体移送装置。
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