JP5012625B2 - 液体移送装置及び圧電アクチュエータ - Google Patents

液体移送装置及び圧電アクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、液体を移送する液体移送装置及び圧電アクチュエータに関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、複数の圧力室を覆うようにステンレス鋼等の金属材料からなる振動板が配置されており、振動板の上面に圧電層が形成されており、圧電層の上面に複数の圧力室に対応して個別電極が配置されている。そして、個別電極と共通電極としての振動板との間に電圧を印加することにより、圧電層のこれらの電極に挟まれた部分に厚み方向の電界が発生し、圧電層及び振動板の圧力室に対向する部分が圧力室側に凸となるように変形する。これにより、圧力室の容積が減少して圧力室内のインクの圧力が上昇し、圧力室に連通するノズルからインクが吐出される。
特開2006−327031号公報
ここで、特許文献1に記載のインクジェットヘッドを製造する際、例えば振動板と圧電層とを熱硬化性接着剤によって接合する場合などには、振動板と圧電層とを接合するときに振動板及び圧電層を加熱する。しかしながら、振動板がステンレス鋼など圧電層を構成する圧電材料よりも線膨張係数の大きい材料により構成されている場合には、加熱後、常温に戻したときに、振動板と圧電層との線膨張係数の違いから、圧電層に面方向の圧縮歪みが生じることになる。圧電層においては、このような圧縮歪みが生じていると圧電特性が低下してしまい、上述したように個別電極と共通電極との間に電圧を印加したときの振動板及び圧電層の変形量が小さくなり、ノズルからのインクの吐出量が減少してしまう。
本発明の目的は、圧電層の圧縮歪みによって液体の移送量が減少しない液体移送装置、及び、圧電層の圧縮歪みによって圧電特性が低下しない圧電アクチュエータを提供することである。
本発明の液体移送装置は、圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、その圧電アクチュエータに電圧を印加する電圧印加手段と、その電圧印加手段を制御する制御手段とを備えた液体移送装置であって、前記圧電アクチュエータは、前記圧力室を覆うように前記流路ユニットに接合された振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された1又は複数の圧電層と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記圧力室と対向する第1電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、前記振動板と前記1又は複数の圧電層とが同じ圧電材料からなるものであり、前記流路ユニットは、その少なくとも前記振動板と接合されている部分が、前記振動板、及び、前記1又は複数の圧電層よりも線膨張係数が大きい材料からなるものであり、前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するものであり、前記制御手段は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記圧力室と対向する部分を変形させることによって前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるように前記電圧印加手段を制御する(請求項1)。
これによると、圧力付与動作が行われている間は、第3電極と第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるので、この間、圧電層の第3電極及び第4電極に対向する部分が圧電層の面方向(圧電層の厚み方向と直交する方向)に収縮し、これに伴って圧電層の第1電極及び第2電極と対向する部分が圧電層の面方向の両側に引っ張られることになる。これにより、圧電層の第1電極及び第2電極に対向する部分の圧縮歪みが緩和され、圧電層及び振動板の変形量が小さくなってしまうのを防止することができ、液体の移送量が低下してしまうのを防止することができる。
本発明の液体移送装置は、圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、その圧電アクチュエータに電圧を印加する電圧印加手段と、その電圧印加手段を制御する制御手段とを備えた液体移送装置であって、前記圧電アクチュエータは、前記圧力室を覆うように前記流路ユニットに接合された振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された1又は複数の圧電層と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記圧力室と対向する第1電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、前記振動板は、前記圧電層よりも線膨張係数が大きい材料から構成されるものであり、前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するものであり、前記制御手段は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記圧力室と対向する部分を変形させることによって前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるように前記電圧印加手段を制御する(請求項2)。
これによると、圧力付与動作が行われている間は、第3電極と第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるので、この間、圧電層の第3電極及び第4電極に対向する部分が圧電層の面方向(圧電層の厚み方向と直交する方向)に収縮し、これに伴って圧電層の第1電極及び第2電極と対向する部分が圧電層の面方向両側に引っ張られることになる。これにより、圧電層の第1電極及び第2電極に対向する部分の圧縮歪みが緩和され、圧電層及び振動板の変形量が小さくなってしまうのを防止することができ、液体の移送量が低下してしまうのを防止することができる。
また、本発明の液体移送装置においては、前記圧力室を複数備えているとともに、これら複数の圧力室に対応して前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記第4電極を複数備えており、前記第3電極同士及び前記第4電極同士の少なくともいずれか一方が、前記圧電層上で互いに接続されていることが好ましい(請求項3)。
これによると、第3電極同士及び第4電極同士の少なくとも一方が、圧電層上で互いに接続されているので、複数の第3電極及び複数の第4電極の少なくとも一方に接続される外部の配線を電極毎に個別に設ける必要がなく、第3電極及び第4電極に接続される配線の構成が簡単になる。
また、本発明の液体移送装置においては、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、前記第3電極が前記第1電極を取り囲むように配置されているとともに、前記第4電極が前記第2電極を取り囲むように配置されていることが好ましい(請求項4)。
これによると、圧電層の第1電極及び第2電極に対向する部分が圧電層の面内における複数の異なる方向に引っ張られることになるため、圧電層の第1電極及び第2電極に対向する部分の圧縮歪みを十分に緩和することができる。
また、本発明の液体移送装置においては、前記制御手段は、前記液体移送流路において液体の移送を行うことを指示する液体移送指令の入力に応じて、前記第3電極と前記第4電極との間に前記一定電圧が印加され始めるように前記電圧印加手段を制御することが好ましい(請求項5)。
これによると、外部から液体移送指令が入力されたときに第3電極と第4電極との間に所定の一定電圧が印加され始めるので、不要なときに第3電極と第4電極との間に電圧が印加されて圧電アクチュエータに不具合が発生してしまうのを防止することができる。
また、本発明の液体移送装置においては、前記第1電極と前記第3電極とが、前記1又は複数の圧電層の同じ面に配置されているとともに、前記第2電極と前記第4電極とが、前記1又は複数の圧電層の同じ面に配置されていることが好ましい(請求項6)。
これによると、第3電極と第4電極との間に電圧が印加されたときに、圧電層の第1圧電層と第2圧電層とに挟まれた部分が確実にその面方向に引っ張られて、圧電層のこの部分における圧縮歪みが緩和される。
このとき、前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第3電極、及び、前記第2電極と第4電極のいずれか一方を、常に所定の基準電位に保持するとともに他方の電位を変化させることによって、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するように構成されており、前記第1電極と前記第3電極、及び、前記第2電極と前記第4電極の前記一方が、前記圧電層上で互いに接続されていることが好ましい(請求項7)。
これによると、第1電極と第3電極、又は、第2電極と第4電極のいずれかに接続される配線の構成が簡単になる。
また、本発明の液体移送装置においては、複数の圧電層を備えており、これら複数の圧電層には、前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された下部圧電層と、前記下部圧電層の前記圧力室と反対側に配置された中間圧電層と、前記中間圧電層の前記圧力室と反対側に配置された上部圧電層とが含まれており、前記第1電極が、前記中間圧電層と前記上部圧電層との間に、前記圧力室の中央部と対向するように配置されており、前記第2電極が、前記上部圧電層の前記中間圧電層と反対側に、前記第1電極と対向するとともに、前記複数の圧電層の面方向と平行な所定の一方向の両側に、前記第1電極よりも外側まで延びており、前記第3電極が、前記下部圧電層と前記中間圧電層との間に、前記第2電極における、前記第1電極よりも外側に延びた部分と対向するように配置されており、前記第4電極が、前記下部圧電層の前記中間圧電層と反対側に、前記第3電極と対向するように配置されており、前記制御手段は、前記第1電極及び前記第4電極が所定の第1電位に保持され、前記第3電極が前記第1電位とは異なる所定の第2電位に保持された状態で、前記第2電極の電位が、前記第1電位と前記第2電位との間で切り替わることによって前記圧力付与動作が行われるように、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記第4電極の電位を制御することが好ましい(請求項8)。
これによると、このような構成の液体移送装置においても、圧力付与動作の間は、第3電極と第4電極との間に一定電圧が印加され続けるので、圧電層の第1電極及び第2電極と対向する部分がその面方向に引っ張られて、圧電層のこの部分における圧縮歪みが緩和される。
また、本発明の液体移送装置においては、複数の圧電層を備えており、前記第3電極及び前記第4電極が、これら複数の圧電層のうちの少なくとも一部の表面に、その積層方向に沿って交互に配置されていることが好ましい(請求項9)。
これによると、圧電層の第3電極と第4電極とに挟まれた部分の収縮力が大きくなるため、圧電層の第1電極及び第2電極と対向する部分をその面方向に引っ張る力が大きくなり、圧電層のこの部分における圧縮歪みを確実に緩和することができる。
本発明に係る圧電アクチュエータは、変形可能に構成された変形可能部を有する振動板と、前記振動板の一表面に配置された1又は複数の圧電層と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記変形可能部と対向する第1電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、前記振動板は、前記1又は複数の圧電層よりも線膨張係数が大きい材料から構成されるものであり、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記変形可能部と対向する部分を変形させる圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続ける(請求項10)。
本発明によれば、圧力付与動作が行われている間は、第3電極と第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるので、この間、圧電層の第3電極及び第4電極に対向する部分が圧電層の面方向(圧電層の厚み方向と直交する方向)に収縮し、これに伴って圧電層の第1電極及び第2電極と対向する部分が圧電層の面方向の両側に引っ張られることになる。これにより、圧電層の第1電極及び第2電極に対向する部分の圧縮歪みが緩和され、圧電層及び振動板の変形量が小さくなってしまうのを防止することができ、液体の移送量が低下してしまうのを防止することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3(液体移送装置)、用紙搬送ローラ4などを備えている。また、プリンタ1の動作は、制御装置100(図6参照)によって制御されている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3はキャリッジ2の下面に取り付けられており、後述するノズル15(図2参照)からインクを吐出する。用紙搬送ローラ4は、記録用紙Pを図1の手前方向(紙送り方向)に搬送する。そして、プリンタ1においては、用紙搬送ローラ4により紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3のノズル15(図2参照)からインクを吐出することによって記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は図1のインクジェットヘッド3の平面図である。図3は図2の部分拡大図である。図4は図3のIV−IV線断面図である。図5は図3のV−V線断面図である。
図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド3は、後述するマニホールド流路11、圧力室10、ノズル15を含むインク流路が形成された流路ユニット31と、流路ユニット31の上面に配置された圧電アクチュエータ32とを備えている。
流路ユニット31は、上から順に、キャビティプレート21、ベースプレート22、マニホールドプレート23及びノズルプレート24の4枚のプレートが互いに積層されることによって構成されている。これら4枚のプレート21〜24のうち、ノズルプレート24を除く3枚のプレート21〜23(少なくとも後述する振動板41と接合されている部分)は、ステンレス鋼(例えば、SUS430、SUS316)のような金属材料など、後述する振動板41及び圧電層42を構成する圧電材料よりも線膨張係数が高い材料からなり、ノズルプレート24は、ポリイミド等の合成樹脂からなる。あるいは、ノズルプレート24も他の3枚のプレート21〜23と同様、金属材料によって構成されていてもよい。なお、後述する振動板41及び圧電層42を構成する圧電材料の線膨張係数が5.5[10−6/℃]程度であるのに対して、SUS430及びSUS316の線膨張係数は、それぞれ、10.4[10−6/℃]、16.0[10−6/℃]程度となっている。
ノズルプレート24には、複数のノズル15が形成されている。複数のノズル15は、紙送り方向(図2の上下方向)に沿って配列されてノズル列8を構成しており、このようなノズル列8が走査方向(図3の左右方向)に4列に配置されている。これら4つのノズル列8を構成するノズル15からは、図2の左側のノズル列8を構成しているものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
キャビティプレート21には、複数のノズル15に対応して複数の圧力室10が形成されている。圧力室10は走査方向を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、平面視で圧力室10の左端部がノズル15と重なるように配置されている。ベースプレート22には、平面視で圧力室10の長手方向の両端部に重なる位置に、それぞれ貫通孔12、13が形成されている。
マニホールドプレート23には、4つのノズル列8に対応して紙送り方向に延びた4つのマニホールド流路11が形成されている。各マニホールド流路11は、平面視で、対応する圧力室10の略右半分と重なっている。各マニホールド流路11の図2の下端部にはそれぞれインク供給口9が設けられており、インク供給口9からマニホールド流路11にインクが供給される。また、マニホールドプレート23には、平面視で貫通孔13とノズル15とに重なる位置に、貫通孔14が形成されている。
そして、流路ユニット31においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10に連通し、圧力室10はさらに貫通孔13、14を介してノズル15に連通する。このように流路ユニット31には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路が形成されている。なお、これら複数の個別インク流路とマニホールド流路11を合わせたインク流路が本発明に係る液体移送流路に相当する。
圧電アクチュエータ32は、振動板41、圧電層42、個別電極43、補助電極44及び共通電極45を有している。振動板41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、複数の圧力室10を覆うように、流路ユニット31の上面に熱硬化性接着剤などによって接合されている。
圧電層42は、振動板41と同じ圧電材料からなり、振動板41の上面(圧力室10と反対側、一表面)に、複数の圧力室にまたがって連続的に形成されている。また、圧電層42は予めその厚み方向に分極されている。ここで、圧電層42及び上述した振動板41は、例えば、電極43〜45が形成された圧電材料のグリーンシートを積層させてから、これらの積層体を焼成することによって形成され、振動板41をキャビティプレート21の上面に接合する際には、焼成された振動板41と圧電層42との積層体を、熱硬化性樹脂等によりキャビティプレート21の上面に接合する。
複数の個別電極43(第1電極)は、圧電層42の上面(圧電層のいずれかの面)に、複数の圧力室10に対応して形成されている。個別電極43は、平面視で、圧力室10よりも一回り小さい略楕円形状を有しており、圧力室10の略中央部に重なる(少なくとも圧力室10と対向する)ように配置されている。個別電極43の図3における略左端部は図中左方に圧力室10と対向しない位置まで延びており、その先端部が、接続端子43aとなっている。接続端子43aは、図示しないフレキシブル配線基板(FPC)を介して後述するドライバIC50(図6参照、電圧印加手段)に接続されており、ドライバIC50が個別電極43の電位を変化させる。
補助電極44(第3電極)は、圧電層42の上面(圧電層のいずれかの面のうち、個別電極43が配置されているのと同じ面)に、平面視で個別電極43の接続端子43aを除くほぼ全周を取り囲むように(少なくとも電極43を挟むように)配置されており、平面視で、その幅方向に関する内側の略半分が圧力室10と重なっており、外側の略半分が圧力室10の壁と重なっている。また、紙送り方向に隣接する補助電極44同士は、これらの補助電極44の間において紙送り方向に延びた接続部46を介して互いに接続されている。
さらに、各ノズル列8を構成するノズル15に対応する圧力室10のうち、図2において最も上方に配置されたものに対応するに対応する4つの補助電極44同士が、これら4つの補助電極44から図2の上方に延びているとともに、その上端部において走査方向に延びた配線47を介して互いに接続されている。これにより、複数の補助電極44全てが圧電層42の上面において(圧電層42上で)互いに接続されていることになる。
また、配線47の図2における右上端部には接続端子47aが設けられている。接続端子47aには、図示しないFPCを介して後述するドライバIC50(図6参照)が接続されており、ドライバIC50が複数の補助電極44の電位を変化させる。ここで、上述したように、複数の補助電極44同士が互いに接続されているため、1つの接続端子47aとFPCの配線とを接続することにより、複数の補助電極44をドライバIC50に接続することができる。これにより、複数の補助電極44とドライバIC50とを別々に接続する場合よりもFPCの配線の構成が簡単になる。
共通電極45は、圧電層42の下面(圧電層のいずれかの面のうち、個別電極43及び補助電極44が配置されているのとは異なる面)のほぼ全域にわたって連続的に形成されている。共通電極45は、図示しない位置においてFPCを介してドライバIC50(図6参照)に接続されており、ドライバIC50により常にグランド電位(基準電位)に保持されている。なお、共通電極45のうち、平面視で個別電極43と重なる部分(個別電極43と対向する領域を占める部分)が、本発明に係る第2電極に相当し、平面視で補助電極44と重なり(補助電極44と対向し)、本発明に係る第2電極を取り囲んでいる部分が、本発明に係る第4電極に相当する。すなわち、共通電極45は、本発明に本発明に係る第2電極同士、及び、第4電極同士がそれぞれ圧電層42の下面(圧電層42上)で互いに接続されているとともに、第2電極と第4電極とが圧電層42の同じ面に配置されており、第2電極と第4電極とが圧電層42の下面(圧電層42上)で互いに接続されているものである。
そして、ドライバIC50は、上述したように、共通電極45をグランド電位に保持するとともに、個別電極43及び補助電極44に電位を変化させることにより、個別電極43と共通電極45との間(第1電極と第3電極との間)、及び、補助電極44と共通電極45との間(第2電極と第4電極との間)に電圧を印加する。
次に、制御装置100について説明する。図6は制御装置100の機能ブロック図である。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなり、これらが図6に示すように、印刷信号受信部111、キャリッジ制御部112、用紙搬送制御部113及びヘッド制御部114として動作する。
印刷信号受信部111は、PCなど外部から入力された印刷信号を受信する。ここで印刷信号とは、印刷を行うことを指示する印刷指令(液体移送指令)の信号、印刷を行う画像データの信号などのことである。キャリッジ制御部112は、印刷を行う際などのキャリッジ2の動作を制御する。用紙搬送制御部113は、印刷を行う際などの用紙搬送ローラ4の動作を制御する。ヘッド制御部114は、個別電極43及び補助電極44の電位を変化させるとともに、共通電極45をグランド電位に保持するドライバIC50の動作を制御する。
次に、プリンタ1の動作について説明する。図7は、プリンタ1の動作の流れを示すフローチャートである。
プリンタ1においては、個別電極43、補助電極44及び共通電極45は全て予めグランド電位に保持されている。そして、図7に示すように、印刷信号受信部111により外部から印刷信号が受信されるまで待機しており(ステップS101:NO、以下、単にS101などとする)、印刷信号が受信されたときに(液体移送指令の入力に応じて)(S101:YES)、補助電極44の電位を変化させて、補助電極44と共通電極45との間(第2電極と第4電極との間)に所定の一定電圧を印加する(S102)。
これにより、圧電層42の補助電極44と共通電極45とに挟まれた部分に厚み方向の電界が発生し、この電界の方向は圧電層42の分極方向と一致しているので、圧電層42のこの部分は分極方向と直交する面方向(厚み方向と直交する方向)に収縮する。これに伴って、圧電層42の平面視で補助電極44の内側に配置された個別電極43に対向する部分が平面視で圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に平行な全方向(圧電層42の面内における複数の異なる方向)に引っ張られ、圧電層42の個別電極43と対向する部分の後述する圧縮歪みが緩和される。
そして、上記S102の後、以下に説明する印刷動作を開始する(S103)。あるいは、上記S102の補助電極44と共通電極45との間への一定電圧の印加と同時に上記S103の印刷動作を開始してもよい。
上記S103における印刷動作について説明する。上記S103においては、印刷信号受信部111において受信された印刷信号に応じて、キャリッジ制御部112、用紙搬送制御部113が、それぞれ、キャリッジ2及び用紙搬送ローラ4の動作を制御するとともに、ヘッド制御部114がドライバIC50を制御して、インクを吐出するノズル15に対応する個別電極43の電位を変化させて、個別電極43と共通電極45との間に電圧を印加する。
すると、圧電層42の電圧が印加された個別電極43と共通電極45との間の部分に、圧電層42の分極方向と平行な厚み方向の電界が発生し、圧電層42のこの部分が分極方向と直交する面方向(厚み方向と直交する方向)に収縮する。これに伴って、圧電層42及び振動板41の対応する圧力室10に対向する部分が全体として圧力室10側に凸となるように変形して、圧力室10の容積が減少する。これにより、圧力室10内のインクの圧力が増加して、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。なお、個別電極43と共通電極45との間に電圧を印加して振動板41及び圧電層42の圧力室10と対向する部分を変形させることによって圧力室10内のインクに圧力を付与する上記動作が、本発明に係る圧力付与動作及び変形動作に相当する。また、上記圧力付与動作(変形動作)の際に変形する、振動板41の圧力室10に対向する部分が、本発明に係る変形可能部に相当する。
ここで、前述したように、振動板41とキャビティプレート21とが熱硬化性接着剤によって接合されているため、両者を接合する際には、熱硬化性接着剤を塗布するとともに振動板41及び圧電層42の積層体と流路ユニット31(キャビティプレート21)とを位置合わせして配置した後に、加熱を行う。したがって、加熱後、常温に戻したときに、両者の線膨張係数の違いから振動板41及びその上面に配置された圧電層42には面方向に圧縮歪みが生じる。このため、補助電極44が設けられていない場合には、圧電層42の圧電特性が低下しており、圧電層42及び振動板41の変形量が小さく、ノズル15から吐出されるインクの量が少なくなってしまう虞がある。
しかしながら、第1実施形態では、個別電極43と共通電極45との間に電圧が印加される前に、上記S102において補助電極44と共通電極45との間に一定電圧が印加された状態となっており、前述したように、圧電層42の平面視で補助電極44の内側に配置された個別電極43に対向する部分が平面視で圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に引っ張られているため、圧電層42の個別電極43と共通電極45との間に挟まれた部分の上記圧縮歪みが緩和されている。したがって、圧電層42及び振動板41の変形量が小さくなってしまうのが防止され、その結果、ノズル15からのインクの吐出量が低下してしまうのが防止される。
さらに、第1実施形態では、補助電極44が個別電極43を取り囲むように配置されているため、圧電層42の個別電極43と対向する部分は、圧電層42の面方向に平行な全方向に引っ張られることになり、圧電層42の個別電極43に対向する部分の圧縮歪みを十分に緩和することができる。
そして、印刷信号が受信されている間(S104:NO)、補助電極44と共通電極45との間に電圧が印加された状態で上記S103の印刷動作を継続し、印刷信号が受信されなくなった後(S104:YES)、所定時間だけ待機し(S105:NO)、所定時間が経過したときに(S105:YES)、インクジェットヘッド3から記録用紙Pへのインクの吐出が全て完了したと判断して、ドライバIC50による補助電極44の電位をグランド電位に戻すことによって、補助電極44と共通電極45との間の電圧の印加を解除し(S106)、動作を終了する。
ここで、第1実施形態では、補助電極44と共通電極45との間に常に一定電圧を印加し続けることはせず、印刷信号受信部111において印刷信号が受信されたときに、補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加し始め、印刷信号が受信されなくなってから所定時間経過した後に、補助電極44と共通電極45との間への一定電圧の印加を解除している。すなわち、本発明に係る圧力付与動作を含む印刷動作が行われている期間は、補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加し続け、それ以外のときには、補助電極44をグランド電位に保持して補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加しないようにしている。これは、補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加する際の補助電極44の電位によって圧電アクチュエータ32に不具合が生じてしまうのを防止するためである。
以上に説明した第1実施形態によると、補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加して、圧電層42の補助電極44と共通電極45とに挟まれた部分を圧電層42の面方向に収縮させることによって、圧電層42の平面視で補助電極44の内側に配置された個別電極43に対向する部分が平面視で圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に引っ張られた状態で、個別電極43と共通電極45との間に電圧を印加して圧電層42及び振動板41の圧力室10に対向する部分を変形させることによってノズル15からインクを吐出させている。したがって、圧電層42及び振動板41を変形させる際には、圧電層42の個別電極43と共通電極45との間に挟まれた部分の、キャビティプレート21と振動板41との線膨張係数の差によって生じる圧電層42の圧縮歪みが緩和されており、圧電層42及び振動板41の変形量が小さくなってしまうのが防止される。これにより、ノズル15からのインクの吐出量が低下してしまうのを防止することができる。
さらに、補助電極44が個別電極43を取り囲むように配置されているため、圧電層42の個別電極43と対向する部分は、圧電層42の面方向に平行な全方向に引っ張られることになり、圧電層42の個別電極43に対向する部分の圧縮歪みを十分に緩和することができる。
また、複数の補助電極44同士が互いに接続されているため、複数の補助電極44とFPCとを1箇所において接続することができ、複数の補助電極を別々にFPCに接続する場合と比較して、FPCの配線の構成が簡単になる。
また、圧電層42の下面のほぼ全域に共通電極45を形成することによって、本発明に係る第2電極及び第4電極を形成することができるので、第2電極及び第4電極を容易に形成することができる。
また、印刷動作を行うときにのみ、補助電極44の電位を変化させて補助電極44と共通電極45との間に一定電圧を印加し、それ以外のときには、補助電極44をグランド電位に保持することにより、補助電極44の電位によって圧電アクチュエータ32に不具合が生じてしまうのを防止することができる。
次に、第1実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、第1実施形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図8に示すように、振動板61がステンレス鋼(例えば、SUS430、SUS316)など圧電層42よりも線膨張係数が大きい導電性材料によって構成されており、振動板61と圧電層42とが熱硬化性接着剤などによって接合されている。また、導電性材料からなる振動板61が共通電極(第2電極及び第4電極)を兼ねており、常にグランド電位に保持されている(変形例1)。
この場合でも、振動板61と圧電層42を接合する際に加熱を行った後、常温に戻すと、両者の線膨張係数の違いから、圧電層42には圧電層42の面方向の圧縮歪みが生じ、圧電層42の個別電極43と対向する部分における圧電特性が低下してしまう。しかしながら、この場合でも、印刷動作を行う前に、補助電極44と振動板61の間に一定電圧を印加することにより、圧電層42の補助電極44と振動板61とに挟まれた部分が収縮し、これに伴って、圧電層42の個別電極43に対向する部分が圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に引っ張られて、この部分における圧電層42の圧縮歪みが緩和される。
別の一変形例では、図9に示すように、圧電層42の下面の個別電極43と対向する領域に電極71(第2電極)が形成されており、圧電層42の下面の補助電極44と対向する領域に電極72(第4電極)が形成されている(変形例2)。
この場合には、個別電極43と電極71との間に電圧を印加することによって、第1実施形態の場合と同様、圧電層42及び振動板41の圧力室10と対向する部分を変形させて、ノズル15からインクを吐出することができる。また、補助電極44と電極72との間に一定電圧を印加することによって、第1実施形態の場合と同様、圧電層42の補助電極44と電極72とに挟まれた部分が収縮し、これに伴って、圧電層42の個別電極43と対向する部分が圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に引っ張られて、圧電層42のこの部分における圧縮歪みが緩和される。
なお、変形例2の場合には、電極71同士及び電極72同士が、互いに接続されていてもよいし、互いに接続されていなくてもよい。さらに、電極71同士及び電極72同士が互いに接続されていない場合には、第1実施形態とは逆に、個別電極43をグランド電位に保持しておき、電極71の電位を変化させて個別電極43と電極71との間に電圧を印加してもよく、補助電極44をグランド電位に保持しておき、電極72の電位を変化させて補助電極44と電極72との間に電圧を印加してもよい。
さらに、個別電極43をグランド電位に保持しておく場合には、個別電極43同士が圧電層42上で互いに接続されていてもよく、さらには、個別電極43及び補助電極44の両方をグランド電位に保持しておく場合には、個別電極43と補助電極44とが圧電層42上で互いに接続されていてもよい。この場合には、個別電極43及び補助電極44に接続されるFPCの配線が簡単になる。
別の一変形例では、図10に示すように、圧電層42の上面に、平面視で個別電極43を取り囲む領域に加え、紙送り方向に隣接する圧力室10の間の領域のほぼ全域にわたって電極84が配置されている(変形例3)。なお、変形例3における電極84は、本発明に係る複数の第3電極が互いに接続されるとともに一体となったものである。
この場合には、電極84が紙送り方向に隣接する圧力室10の間の領域のほぼ全域にわたって配置されているため、電極84と共通電極45との間に電圧が印加されたときに、圧電層42が広い範囲にわたって圧電層42の面方向に収縮し、これに伴って、圧電層42の個別電極43に対向する部分が圧力室10の外側に向かって圧電層42の面方向に大きく引っ張られる。したがって、振動板41と圧電層42との線膨張係数の差が大きく、圧電層42に生じる圧縮歪みが大きい場合であっても、圧電層42の個別電極43と対向する部分の圧縮歪みを十分に緩和することができる。
また、第1実施形態では、補助電極44が個別電極43を取り囲むように配置されていたがこれには限られない。別の一変形例では、図11に示すように、個別電極43の紙送り方向に関する両側に補助電極94が配置されている(変形例4)。すなわち、平面視で補助電極94が個別電極43を挟むように配置されている。
この場合でも、補助電極94と共通電極45との間に電圧を印加することにより、圧電層42の補助電極94と共通電極45とに挟まれた部分が収縮し、これに伴って、圧電層42の補助電極94に挟まれた個別電極43と対向する部分が紙送り方向の両側に(圧電層42の面方向に)引っ張られ、圧電層42の個別電極43に対向する部分の圧縮歪みが緩和される。
また、第1実施形態では、補助電極44同士が接続部46及び配線47を介して互いに接続されていたが、補助電極44同士が接続されておらず、別々にドライバIC50に接続されていてもよい。
また、第1実施形態では、上記S103(図7参照)印刷動作が行われている期間だけ、補助電極44と共通電極45との間に電圧を印加していたが、印刷動作が行われている期間だけでなく、プリンタ1の電源がONになっている期間は、常に補助電極44と共通電極45との間に電圧が印加されていてもよい。
また、第1実施形態では、流路ユニット31を構成するプレート21〜24のうち、プレート21〜23がステンレス鋼によって構成されていたが、少なくとも振動板41と接合されるキャビティプレート21がステンレス鋼など、圧電材料よりも線膨張係数が大きい材料により構成されていればよい。
さらには、変形例1の場合のように、振動板61がステンレスなど、圧電材料よりも線膨張係数が大きい材料により構成されている場合には、流路ユニット31を構成するプレート21〜24が全て合成樹脂材料などによって構成されていてもよい。
また、第1実施形態では、補助電極44が、平面視でその幅方向に関する内側の略半分が圧力室10と重なっており、外側の略半分が圧力室10を画定する壁と重なっていたが、これには限られず、平面視で補助電極の全体が圧力室10と重なっていてもよく、平面視で補助電極の全体が圧力室10を画定する壁に対向していてもよい。
補助電極の全体が圧力室10と重なっている場合には、圧電層42の補助電極と共通電極45との間に挟まれた部分に、流路ユニット31に固定された部分がないので、圧電層42の補助電極と共通電極45との間に挟まれた部分の収縮によって、圧電層42の個別電極43に対向する部分が大きく引っ張られ、圧電層42の個別電極43に対向する部分の圧縮歪みが大きく緩和される。ただし、この場合には、補助電極の面積が大きすぎると、圧電層42の上面の圧力室10に対向する部分のうち補助電極が占める割合が大きくなるため、その分だけ個別電極43の面積が小さくなり、その結果、個別電極43と共通電極45との間に電圧を印加したときの振動板41及び圧電層42の変形量が小さくなってしまう。
一方、補助電極の全体が圧力室10を画定する壁と重なっている場合には、圧電層42上面の圧力室10に対向する部分に補助電極が配置されていないため、個別電極43が小さくなってしまうことはない。ただし、この場合には、圧電層42の補助電極と共通電極45とに挟まれた部分が全て流路ユニット31(キャビティプレート21)に固定されているため、補助電極と共通電極45と間に一定電圧を印加したときの、圧電層42の補助電極と共通電極45とに挟まれた部分の収縮量が小さくなり、これに伴って、圧電層42の個別電極43に対向する部分が引っ張られる量が小さくなる。したがって、補助電極の面積が小さいと、圧電層42の圧縮歪みの緩和効果を十分に得ることができなくなってしまう。
また、第1実施形態では、1層の圧電層42のみを備えており、個別電極43と補助電極44とがともに圧電層42の上面に配置されており、本発明に係る第2電極と第4電極とが一体となった共通電極45が圧電層42と振動板41との間に配置されていたが、これには限られず、互いに積層された複数の圧電層を備えており、第1電極と第3電極とが複数の圧電層の互いに異なる面に配置されていてもよい。あるいは、第2電極と第4電極とがこれら複数の圧電層の互いに異なる面に配置されていてもよい。
この場合でも、第3電極と第4電極との間に一定電圧が印加されて、圧電層の第3電極と第4電極とに挟まれた部分がその面方向に収縮することにより、第1電極と第2電極とに挟まれた部分を含む、複数の圧電層の圧力室10と対向する部分がその面方向に圧力室10の外側に向かって引っ張られる。これにより、圧電層の第1電極と第2電極とに挟まれた部分の圧縮歪みが緩和され、第1電極と第2電極との間の電圧を変化させて圧電アクチュエータを駆動したときの圧電層の第1電極と第2電極とに挟まれた部分の変形量が小さくなってしまうのが抑制される。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態は、インクジェットヘッドの構造が第1実施形態と異なるだけであるので、以下では、この部分についての説明を行い、第1実施形態と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。図13は図12の部分拡大図である。図14(a)〜(d)は、それぞれ、図13における、後述する振動板241、圧電層242〜244の上面を示した図である。図15は、図13のXV−XV線断面図である。図16は、図13のXVI−XVI線断面図である。
なお、図面を分かりやすくするため、図12〜図14においては、後述する流路ユニット231の圧力室210及びノズル215除くインク流路の図示を省略し、図12においては、圧電アクチュエータ232の電極245〜247の図示を省略している。また、図13においては、点線で図示すべき電極246、247を、それぞれ二点鎖線及び一点鎖線で図示している。さらに、図14においては、それぞれ、後述する電極243〜245にハッチングを付している。また、図16においては、流路ユニット231の圧力室210よりも下の部分の図示を省略している。
第2実施形態に係るインクジェットヘッド203も、第1実施形態に係るインクジェットヘッド3(図1参照)と同様、プリンタ1(図1参照)に用いられるものである。図12〜図16に示すように、インクジェットヘッド203は、流路ユニット231と圧電アクチュエータ232とを備えている。流路ユニット231は、複数のプレート221〜227が互いに積層されることによって、インク供給口209からインクが供給されるマニホールド流路211、及び、マニホールド流路211の出口からアパーチャ流路212を経て圧力室210に至り、さらに、圧力室210からディセンダ流路214を経てノズル215に至る複数の個別インク流路を有するインク流路(液体移送流路)が形成されている。そして、後述するように、圧電アクチュエータ232により、圧力室210内のインクに圧力が付与されると、圧力室210に連通するノズル215からインクが吐出される。
なお、プレート221〜227のうち、ノズル215が形成されたプレート227を除く6枚のプレート221〜226は、例えば、SUS430(線膨張係数10.4[10−6/℃]程度)、SUS316(線膨張係数16.0[10−6/℃]程度)のようなステンレス鋼など、後述する振動板241及び圧電層242〜244を構成する圧電材料よりも線膨張係数の大きい金属材料からなり、プレート227はポリイミドなどの合成樹脂材料からなる。あるいは、プレート227も他のプレート226と同様、金属材料からなるものであってもよい。
複数の圧力室210は、走査方向(図13の左右方向)を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、紙送り方向(図13の上下方向)に沿って配列されて1つの圧力室列208を構成している。そして、このような圧力室列208が、走査方向に2列に配列されることによって1つの圧力室群207を構成している。さらに、このような圧力室群207が走査方向に沿って5つ配列されている。ここで、1つの圧力室群207に含まれる2列の圧力室列208を構成する圧力室210同士は、紙送り方向に関して互いにずれて配置されている。また、複数のノズル215も、複数の圧力室210と同様に配置されている。
そして、これら5つの圧力室群207のうち、図13の右側の2つを構成する圧力室210に対応するノズル215からはブラックのインクが吐出され、図13の左側の3つを構成する圧力室210に対応するノズル215からは、図13の右側に配列されているものから順に、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。なお、インク流路の他の部分の構成については、従来のものと同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
圧電アクチュエータ232は、振動板241、圧電層242〜244及び電極245〜248を備えている。振動板241は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする、プレート221〜226よりも線膨張係数の小さい圧電材料(線膨張係数5.5[10−6/℃]程度)からなり、複数の圧力室210を覆うように、流路ユニット231を構成するプレート221の上面に、例えば熱硬化性の接着剤などによって接合されている。
圧電層242〜244は、振動板241と同様の圧電材料からなり、互いに積層されて振動板241の上面に配置されている。より詳細には、圧電層242(下部圧電層)が、振動板241の上面(圧力室210と反対側)に配置されており、圧電層243(中間圧電層)が、圧電層242の上面(圧力室210と反対側)に配置されており、圧電層244(上部圧電層)が、圧電層243の上面(圧力室210と反対側)に配置されている。
電極247は、圧電層243と圧電層244との間に配置されており、複数の対向部247a(第1電極)と複数の接続部247bとを備えている。複数の対向部247aは、それぞれ、走査方向(図13の左右方向)に延びており、複数の圧力室210の紙送り方向(図13の上下方向)に関する略中央部と対向するように配置されている。複数の接続部247cは、平面視で隣接する圧力室群207の間と対向する部分を紙送り方向に延びており、その走査方向の両側に位置する複数の対向部247aの端部同士を互いに接続している。電極247は、図示しないFPCを介してドライバIC50(図6参照)に接続されており、ドライバIC50により常にグランド電位に保持されている。ここで、第2実施形態においては、接続部247cにより複数の対向部247a同士が互いに接続されているので、FPCを複数の対向部247aに個別に接続する必要がなく、FPCの配線が簡単になる。
電極248(第2電極)は、圧電層244の上面(圧電層243と反対側)に、複数の圧力室210に対応して複数配置されている。これら複数の電極248は、略矩形の平面形状を有しており、それぞれ、圧力室210のほぼ全域と対向するように配置されている。これにより、電極248は、その略中央部において対向部247aと対向しているとともに、紙送り方向(図14の上下方向、圧電層の面方向に平行な所定の一方向)の両側に、対向部247aよりも外側まで延びている。また、電極248の、走査方向に関する一方の端部(ノズル215と反対側の端部)の一部分は、走査方向に圧力室210と対向しない部分まで延びており、図示しないFPCに接続される接続端子248aとなっている。そして、電極248は、FPCを介してドライバIC50に接続されており、電極248には、ドライバIC50により、グランド電位及び所定の電位(例えば、20V程度)のいずれかの電位が選択的に付与される。
電極246は、圧電層242と圧電層243との間に、そのほぼ全域にまたがって配置されているとともに、圧力室210の略中央部と対向する部分に抜きパターン246aが形成されている。なお、第2実施形態では、電極246のうち、紙送り方向に関して抜きパターン246aの両側に位置する部分(電極248の対向部247aよりも外側にはみ出した部分と対向する部分)が、本発明に係る第3電極に相当し、電極246のこの部分は、振動板241及び圧電層242〜244の積層方向から見て、対向部247aを挟んでいる。
このように、第2実施形態においては、電極246を圧電層242と圧電層243との間のほぼ全域にまたがるように配置するとともに電極246に抜きパターン246aを形成することにより、互いに接続された複数の第3電極を容易に形成することができる。また、電極246は、図示しないFPCを介してドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により常にグランド電位とは異なる所定の電位(例えば20V程度)に保持されている。このとき、電極246が、互いに接続された本発明に係る複数の第3電極が互いに接続されて一体となったものであるので、複数の第3電極に別々にFPCの配線を接続する必要がなく、FPCの配線が簡単になる。
電極245は、振動板241と圧電層242との間(圧電層242の圧電層243と反対側)に、そのほぼ全域にまたがって配置されている。なお、第2実施形態においては、電極245のうち電極246の上記第3電極に相当する部分と対向する部分が、本発明に係る第4電極に相当する。そして、振動板241と圧電層242との間にそのほぼ全域にまたがるように電極245を配置することにより、互いに接続された複数の第4電極を容易に形成することができる。また、電極245は図示しないFPCを介してドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により常にグランド電位に保持されている。このとき、電極245は、互いに接続された本発明に係る複数の第4電極が互いに接続されて一体となったものであるので、複数の第4電極に別々にFPCの配線を接続する必要がなく、FPCの配線が簡単になる。
また、圧電アクチュエータ232においては、圧電層244の対向部247aと電極248とに挟まれた部分(活性部R1)が、その厚み方向の下向きに分極されており、圧電層243、244の電極246と電極248とに挟まれた部分(活性部R2)が、その厚み方向の上向きに分極されており、圧電層243の電極245と電極246とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R3)が、その厚み方向の下向きに分極されている。
次に、圧電アクチュエータ232の動作について説明する。圧電アクチュエータ232がノズル215からインクを吐出させる動作を行う前の待機状態においては、前述したように、電極245、247が常にグランド電位に保持され、電極246が常に上記所定の電位(例えば、20V)に保持されているとともに、複数の電極248の電位が予め上記所定の電位に保持されている。この状態では、電極248が電極247よりも高電位となっているとともに、電極248と電極246とが同電位となっている。
これにより、電極248と電極247との間の電位差が生じ、活性部R1にはその分極方向と同じ方向の電界が発生する。これにより、活性部R1がこの電界と直交する面方向に収縮する。これによりいわゆるユニモルフ変形が生じ、圧電層242〜244及び振動板241の圧力室210と対向する部分が全体として圧力室210に向かって凸となるように変形する。この状態では、圧電層242〜244及び振動板241が変形していない状態と比較して、圧力室210の容積が小さくなっている。
そして、インクを吐出させるべく圧電アクチュエータ232を駆動させる際には、インクを吐出させるノズル215に対応する電極248の電位を、一旦、グランド電位に切り替え、所定時間経過後、上記所定の電位に戻す(第1電極と第2電極との間に印加する電圧を変化させる)。電極248の電位をグランド電位に切り替えると、電極248が電極247と同電位となるとともに、電極246よりも低電位となる。これにより、活性部R1の上記収縮が元に戻り、これと同時に、電極248と電極246との間に電位差が生じ、活性部R2にはその分極方向と同じ上向きの電界が発生し、活性部R2がその面方向に収縮する。これにより圧電層242〜244及び振動板241が全体として、圧力室210と反対側に凸となるように変形し、圧力室210の容積が増加する。
この後、電極248の電位を上記所定の電位に戻すと、前述したのと同様、圧電層242〜244及び振動板241の圧力室210と対向する部分が全体として圧力室210に向かって凸となるように変形し、圧力室210の容積が小さくなる。これにより、圧力室210内のインクの圧力が上昇し(圧力室210内のインクに圧力が付与され)、圧力室210に連通するノズル215からインクが吐出される。
また、上述したようにして圧電アクチュエータ232を駆動させる場合、電極248の電位を所定の電位からグランド電位に切り替えたときには、活性部R1が収縮した状態から収縮前の状態に伸長すると同時に、活性部R2が収縮するため、活性部R1の伸長が活性部R2の収縮に一部吸収される。一方、電極248の電位をグランド電位から所定の電位に戻したときには、活性部R1が収縮するとともに、活性部R2が収縮前の状態まで伸長するため、活性部R1の収縮が活性部R2の伸長によって一部吸収される。
以上のことから、圧電層244及び圧電層243の圧力室210と対向する部分の変形が、他の圧力室210と対向する部分に伝達して当該他の圧力室210に連通するノズル215からのインクの吐出特性が変動してしまう、いわゆるクロストークが抑制される。
ここで、前述したように、振動板241と流路ユニット231(プレート221)とを熱硬化性の接着剤により接合する際にはこれらを加熱することになるが、流路ユニット231を構成するプレート221が、振動板241及び圧電層242〜244よりも線膨張係数が大きい材料からなるため、加熱後、常温に戻ると、両者の線膨張係数の違いにより、振動板241及び圧電層242〜244には、その面方向に圧縮歪みが生じる。そして、圧電層242〜244にこのような圧縮歪みが生じると、上述したようにして圧電アクチュエータ232を駆動したときの、活性部R1、R2の変形量が小さくなり、ノズル215からのインクの吐出特性が低下してしまう虞がある。
しかしながら、第2実施形態では、圧電層242が圧縮歪み緩和部R3においてその厚み方向の下向きに分極されており、上述した待機状態にあるとき、及び、ノズル215からインクを吐出するときには(少なくとも圧力付与動作(変形動作)が行われている間は)、電極245がグランド電位に保持され続けているとともに、電極246が常に所定の電位に保持され続けており、これらの電極の間に一定電圧が印加され続けるため、圧縮歪み緩和部R3には、電極245と電極246との間の電位差によってその分極方向と同じ厚み方向の下向きの電界が発生しており、圧縮歪み緩和部R3は、その面方向に収縮している。
この収縮により、圧電層242の圧力室210と対向する部分が、圧電層242の上面に接合された圧電層243、244の圧力室210と対向する部分とともに、圧力室210の外側に向かって引っ張られ、活性部R1の圧縮歪みが緩和される。これにより、圧電アクチュエータ232を駆動したときの、活性部R1の変形量の低下が抑制される。
以上に説明した第2実施形態によると、圧電層242が圧縮歪み緩和部R3においてその厚み方向の下向きに分極されており、電極245がグランド電位に保持されているとともに、電極246が常に所定の電位に保持されているため、圧縮歪み緩和部R3には、電極245と電極246との間の電位差によってその分極方向と同じ厚み方向の下向きの電界が発生しており、圧縮歪み緩和部R3は、その面方向に収縮している。
この収縮により、圧電層242の圧力室210と対向する部分が、圧電層242の上面に接合された圧電層243、244の圧力室210と対向する部分とともに、圧力室210の外側に向かって引っ張られ、活性部R1の圧縮歪みが緩和される。これにより、圧電アクチュエータ232を駆動したときの、活性部R1の変形量の低下が抑制される。
また、複数の対向部247a同士が接続部247cによって互いに接続されているので、FPCを複数の対向部247aに対して別々に接続する必要がなく、FPCの配線を簡単にすることができる。
また、圧電層242と圧電層243との間に複数の第3電極が互いに接続されて一体となった電極246が形成されているので、FPCの配線を複数の第3電極に別々に接続する必要がなく、FPCの配線が簡単になる。
また、振動板241と圧電層242との間に複数の第4電極が互いに接続されて一体となった電極245が形成されているので、FPCの配線を複数の第4電極に別々に接続する必要がなく、FPCの配線が簡単になる。
次に、第2実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、第2実施形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例では、図17、図18に示すように、電極247(図14参照)の代わりに、圧電層243と圧電層244との間に電極257が配置されている。電極257は、複数の対向部257aと複数の接続部257bとを有している。対向部257aは、対向部247a(図14参照)と同様、走査方向(図17の左右方向)に延びており、紙送り方向(図17の上下方向)に関する圧力室210の略中央部と対向するように配置されている。複数の接続部257bは、全ての隣接する圧力室列208の間と対向する部分において紙送り方向に延びており、その走査方向に関する両側に配置された対向部257a同士を互いに接続させている(変形例5)。
この場合でも、図16相当の断面図は、第2実施形態の場合と同様であり(図16において247の符号を257の符号に変更したものであり)、第2実施形態のインクジェットヘッドと同様にして駆動させることができる。さらに、第2実施形態と同様、圧縮歪み緩和部R3がその面方向に収縮することにより、活性部R1の圧縮歪みを緩和することができる。
別の一変形例では、図19に示すように、圧電層242の厚みが第2実施形態の場合よりも薄く、圧電層242と振動板241との間に、圧電層242とほぼ同じ厚みを有する2つの圧電層261、262が積層されている。また、圧電層261と圧電層262との間には、電極246とほぼ同じ平面形状を有しており、常に上記所定の電位に保持された電極263(第3電極)が配置されており、圧電層262と振動板241との間には、電極245とほぼ同じ平面形状を有しており、常にグランド電位に保持された電極264(第4電極)が配置されている。すなわち、複数の圧電層242〜244、261、262のうちの一部(圧電層242、261、262)の表面に、第3電極(電極246、263)及び第4電極(245、264)がその積層方向に沿って交互に配置されている。さらに、圧電層261の電極245と電極263とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R4)はその厚み方向の上向きに分極されており、圧電層262の電極263と電極264とに挟まれた部分(圧縮歪み緩和部R5)はその厚み方向の下向きに分極されている(変形例6)。
この場合には、第2実施形態と同様、電極245と電極246との間に一定電圧が印加されることにより発生した電界によって圧縮歪み緩和部R3がその面方向に収縮するのに加え、電極245と電極263との間に一定電圧が印加されることにより発生した電界によって圧縮歪み緩和部R4その面方向に収縮するとともに、電極263と電極264との間に一定電圧が印加されることにより発生した電界によって圧縮歪み緩和部R5がその面方向に収縮する。
これにより、第2実施形態の場合と同様、活性部R1の圧縮歪みが緩和され、圧電アクチュエータ232を駆動したときの活性部R1の変形量の低下が抑制される。さらに、変形例6においては、圧電層242、261、262の厚みが、それぞれ第2実施形態の場合の圧電層242の厚みよりも薄いため、圧縮歪み緩和部R3〜R5に発生する電界が大きくなり、圧縮歪み緩和部R3〜R5の収縮量も大きくなる。したがって、活性部R1の圧縮歪みを効果的に緩和することができる。
また、第2実施形態においても、上述の変形例1と同様、振動板241がSUS430、SUS316のような圧電材料よりも線膨張係数の大きい導電性材料からなるものであり、振動板241が電極245を兼ねるものであってもよい。
また、以上では、本発明をノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに適用した例について説明したが、インク以外の液体を吐出するあるいは液体を移送する液体移送装置に本発明を適用することも可能である。さらには、種々の装置の駆動部を駆動するための圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
本発明における第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2の部分拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 制御装置の機能ブロック図である。 プリンタの動作の流れを示すフローチャートである。 変形例1の図5相当の図である。 変形例2の図5相当の図である。 変形例3の図3相当の図である。 変形例4の図3相当の図である。 本発明における第2実施形態に係るインクジェットヘッドの平面図である。 図12の部分拡大図である。 図13における、振動板、下部圧電層、中間圧電層及び上部圧電層の上面の状態を示した図である。 図13のXV−XV線断面図である。 図13のXVI−XVI線断面図である。 変形例5の図13相当の図である。 変形例5の図14相当の図である。 変形例6の図16相当の図である。
符号の説明
3 インクジェットヘッド
10 圧力室
31 流路ユニット
32 圧電アクチュエータ
41 振動板
42 圧電層
43 個別電極
44 補助電極
45 共通電極
46 接続部
47 配線
50 ドライバIC
61 振動板
71 電極
72 電極
84 電極
94 電極
100 制御装置
203 インクジェットヘッド
210 圧力室
241 振動板
242〜244圧電層
245〜248 電極
261、262 圧電層
263、264 電極

Claims (10)

  1. 圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、
    その圧電アクチュエータに電圧を印加する電圧印加手段と、
    その電圧印加手段を制御する制御手段とを備えた液体移送装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記圧力室を覆うように前記流路ユニットに接合された振動板と、
    前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された1又は複数の圧電層と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記圧力室と対向する第1電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、
    前記振動板と前記1又は複数の圧電層とが同じ圧電材料からなるものであり、
    前記流路ユニットは、その少なくとも前記振動板と接合されている部分が、前記振動板、及び、前記1又は複数の圧電層よりも線膨張係数が大きい材料からなるものであり、
    前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するものであり、
    前記制御手段は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記圧力室と対向する部分を変形させることによって前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする液体移送装置。
  2. 圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、
    その圧電アクチュエータに電圧を印加する電圧印加手段と、
    その電圧印加手段を制御する制御手段とを備えた液体移送装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記圧力室を覆うように前記流路ユニットに接合された振動板と、
    前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された1又は複数の圧電層と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記圧力室と対向する第1電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、
    前記振動板は、前記圧電層よりも線膨張係数が大きい材料から構成されるものであり、
    前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するものであり、
    前記制御手段は、前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記圧力室と対向する部分を変形させることによって前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする液体移送装置。
  3. 前記圧力室を複数備えているとともに、これら複数の圧力室に対応して前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記第4電極を複数備えており、
    前記第3電極同士及び前記第4電極同士の少なくともいずれか一方が、前記圧電層上で互いに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体移送装置。
  4. 前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、前記第3電極が前記第1電極を取り囲むように配置されているとともに、前記第4電極が前記第2電極を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体移送装置。
  5. 前記制御手段は、前記液体移送流路において液体の移送を行うことを指示する液体移送指令の入力に応じて、前記第3電極と前記第4電極との間に前記一定電圧が印加され始めるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体移送装置。
  6. 前記第1電極と前記第3電極とが、前記1又は複数の圧電層の同じ面に配置されているとともに、
    前記第2電極と前記第4電極とが、前記1又は複数の圧電層の同じ面に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体移送装置。
  7. 前記電圧印加手段は、前記第1電極と前記第3電極、及び、前記第2電極と第4電極のいずれか一方を、常に所定の基準電位に保持するとともに他方の電位を変化させることによって、前記第1電極と前記第2電極との間、及び、前記第3電極と前記第4電極との間に電圧を印加するように構成されており、
    前記第1電極と前記第3電極、及び、前記第2電極と前記第4電極の前記一方が、前記圧電層上で互いに接続されていることを特徴とする請求項6に記載の液体移送装置。
  8. 複数の圧電層を備えており、これら複数の圧電層には、
    前記振動板の前記圧力室と反対側に配置された下部圧電層と、
    前記下部圧電層の前記圧力室と反対側に配置された中間圧電層と、
    前記中間圧電層の前記圧力室と反対側に配置された上部圧電層とが含まれており、
    前記第1電極が、前記中間圧電層と前記上部圧電層との間に、前記圧力室の中央部と対向するように配置されており、
    前記第2電極が、前記上部圧電層の前記中間圧電層と反対側に、前記第1電極と対向するとともに、前記複数の圧電層の面方向と平行な所定の一方向の両側に、前記第1電極よりも外側まで延びており、
    前記第3電極が、前記下部圧電層と前記中間圧電層との間に、前記第2電極における、前記第1電極よりも外側に延びた部分と対向するように配置されており、
    前記第4電極が、前記下部圧電層の前記中間圧電層と反対側に、前記第3電極と対向するように配置されており、
    前記制御手段は、前記第1電極及び前記第4電極が所定の第1電位に保持され、前記第3電極が前記第1電位とは異なる所定の第2電位に保持された状態で、前記第2電極の電位が、前記第1電位と前記第2電位との間で切り替わることによって前記圧力付与動作が行われるように、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記第4電極の電位を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体移送装置。
  9. 複数の圧電層を備えており、前記第3電極及び前記第4電極が、これら複数の圧電層のうちの少なくとも一部の表面に、その積層方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体移送装置。
  10. 変形可能に構成された変形可能部を有する振動板と、
    前記振動板の一表面に配置された1又は複数の圧電層と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に配置されており、少なくとも前記変形可能部と対向する第1電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第1電極が配置されているのとは異なる面に、前記第1電極と対向する領域を占めるように配置された第2電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面に、前記振動板と前記1又は複数の圧電層との積層方向から見て、少なくとも前記第1電極を挟む位置に配置された第3電極と、
    前記1又は複数の圧電層のいずれかの面のうち、前記第3電極が配置されているのとは異なる面における、前記第3電極と対向する領域に配置された第4電極と、を有するとともに、
    前記振動板は、前記1又は複数の圧電層よりも線膨張係数が大きい材料から構成されるものであり、
    前記第1電極と前記第2電極との間に印加する電圧を変化させて前記振動板及び前記圧電層の前記変形可能部と対向する部分を変形させる圧力付与動作が行われるとともに、少なくとも前記圧力付与動作が行われている間は、前記第3電極と前記第4電極との間に所定の一定電圧が印加され続けることを特徴とする圧電アクチュエータ。
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