JP4702701B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
ノズルからインク滴を噴射するインクジェットヘッド(液滴噴射装置)において、ノズル内のインクの水分が蒸発することによりインクの粘度が増加し、ノズルからのインク滴の噴射速度が低下したり、ノズルからインク滴が噴射されなかったりするのを防ぐために、ノズルからインク滴を噴射するフラッシングを行っているものがある。例えば、特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、電源投入時、記録(印字)動作の実行期間中、記録動作終了後などに、増粘インクや固化インクなどの不要インクを効率的に排出させ得る第1駆動信号とインクの排出効率が高い第2駆動信号とを含むフラッシング駆動信号によるフラッシングなどのメンテナンスを行っている。そして、記録動作の実行期間中においては、所定量の記録を行ったときに記録動作を中断し、フラッシングなどのメンテナンスを行った後に記録動作に復帰している。
特開2001−105613号公報(図6)
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、印字に使用される頻度の少ないノズル内のインクの粘度が増加するのを防止するために、印字動作中に頻繁にフラッシングを行う必要があり、印字速度が低下してしまう。
本発明の目的は、ノズル内のインクの粘度が増加するのを抑制することが可能な液滴噴射装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の液滴噴射装置は、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置された圧電アクチュエータとを備えている。圧電アクチュエータは、複数の圧力室を覆う振動板と、この振動板の圧力室と反対側に配置された圧電層と、この圧電層の一方の面の複数の圧力室と対向する位置にそれぞれ配置され、圧力室内の液体にノズルから噴射させるための噴射用圧力を付与する複数の第1電極と、同じく圧電層の一方の面の複数の圧力室と対向する位置にそれぞれ配置され、圧力室内の液体に、ノズル内のメニスカスを振動させるための振動用圧力を付与する複数の第2電極と、圧電層の他方の面に配置され、複数の第1電極及び複数の第2電極と圧電層を挟んで対向する第3電極と、圧力室内の液体に噴射用圧力を付与するために第1電極の電位を変化させるとともに、圧力室内の液体に振動用圧力を付与するために第2電極の電位を変化させる電位変更手段とを有している。そして、複数の第2電極が互いに導通している。
これによると、液体をノズルから噴射させるときには、第1電極によって圧力室内の液体に噴射用圧力が付与される。一方、ノズル内のメニスカスを振動させるときには、第2電極によって圧力室内の液体に振動用圧力が付与されることによって、ノズル内のインクが攪拌され、インクの粘度の増加が防止される。ここで、複数の第2電極が互いに導通しているため、複数の圧力室内の液体に振動用圧力を同時に付与することができるとともに、第2電極と電位変更手段との接点数を減らしてコストを低減できる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、第2電極によって付与される振動用圧力は、圧力室内の液体をノズルから噴射させることのできる最小噴射圧力よりも小さいものとされる。これにより、液体を噴射させることなくノズル内のメニスカスを振動させることができる。
このとき、第1電極によって付与される噴射用圧力は、最小噴射圧力よりも小さく、第1電極によって付与される噴射用圧力と第2電極によって付与される振動用圧力とが合わさった圧力が、最小噴射圧力よりも大きくなるようにしてもよい。これによると、第1電極に付与する電位の変化を小さくすることができ、電力コストを低減させることができる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、電位変更手段は、第3電極に所定の定電位を常に付与するとともに、所定の周期毎にノズルからインクが噴射される噴射機会が生じるように第1及び第2電極の電位を制御するものであり、噴射機会毎に、複数の第1電極のうち選択された第1電極の電位を変化させるとともに、複数の第2電極の電位を変化させてもよい。これによると、複数のノズルの全ては、噴射機会の度に、液滴が噴射されるか又はメニスカスが振動することとなるので、全てのノズルについてのインクの増粘が防止される。
このとき、電位変更手段は、第3電極の電位をグランド電位に設定するとともに、第1電極に所定の第1電位とグランド電位とを選択的に付与し、第2電極に所定の第2電位とグランド電位とを選択的に付与するものであってもよい。これによると、電位変更手段が設定する電位の種類が少なくなり、電位変更手段の制御が容易になる。
このとき、第1電位と第2電位が等しくてもよい。これによると、電位変更手段が設定する電位の種類がさらに少なくなり、電位変更手段の制御がさらに容易になる。
又は、このとき、第2電位は第1電位よりも小さくてもよい。これによると、振動用圧力が噴射用圧力に対して確実に小さくなるため、振動用圧力だけが付与されたときにノズルから液滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、第1電極と第2電極の一方が、圧電層の一方の面の、圧力室の中央部と対向する位置に配置され、第1電極と第2電極の他方が、圧電層の一方の面の、一方の電極の外側に配置されていてもよい。これによると、噴射用圧力及び振動用圧力を効率よく付与することができる。
このとき、電位変更手段は、第1電極の電位を変化させるタイミングで、第2電極の電位を第1電極とは増減が逆になるように変化させてもよい。これによると、圧力室の容積を効率よく変化させることができるため、圧力室内の液体に大きな噴射用圧力を付与することが可能となる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、第1電極と第2電極は、ともに、圧力室の中央部と対向する位置に配置されており、第1電極の面積が第2電極の面積よりも大きくてもよい。これによると、噴射用圧力及び振動用圧力を容易に付与することができる。また、第1電極の面積が第2電極の面積よりも大きいので、振動用圧力が噴射用圧力よりも確実に小さくなり、振動用圧力を付与したときにノズルから液滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、第1電極と第2電極は、ともに、圧力室の外周部と対向する位置に配置されており、第1電極の面積が、第2電極の面積よりも大きくてもよい。これによると、噴射用圧力及び振動用圧力を容易に付与することができる。また、第1電極の面積が第2電極の面積よりも大きいので、振動用圧力が噴射用圧力よりも確実に小さくなり、振動用圧力を付与したときにノズルから液滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
また、本発明の液滴噴射装置においては、電位変更手段は、第1電極の電位を変化させるタイミングで、第2電極の電位を第1電極と増減が同じになるように変化させてもよい。これによると、圧力室の容積を効率よく変化させることができるため、圧力室内の液体に大きな噴射用圧力を付与することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、本発明をノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに適用した一例である。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタの概略斜視図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、走査方向(図1の左右方向)に移動可能なキャリッジ2、キャリッジ2とともに移動し、記録用紙Pにインクを噴射するインクジェットヘッド3、記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する用紙搬送ローラ4などを有する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2と一体的に走査方向に移動しながらその下面に形成されたノズル15(図2参照)からインク滴を噴射することにより記録用紙Pに印字を行う。インクジェットヘッド3によって印字が行われた記録用紙Pは、用紙搬送ローラ4により紙送り方向に排出される。
次に、インクジェットヘッド3について図2〜図5を用いて説明する。図2は図1のインクジェットヘッド3の平面図、図3は図2の部分拡大図、図4は図3のIV−IV線断面図、図5は図3のV−V線断面図である。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド3は、圧力室10を含む複数の個別インク流路が形成された流路ユニット31と、流路ユニット31の上面に配置された圧電アクチュエータ32とを有する。
流路ユニット31は、図4、図5に示すように、キャビティプレート20、ベースプレート21、マニホールドプレート22及びノズルプレート23を有し、これら4枚のプレートが積層されることによって形成されている。4枚のプレート20〜23のうち、ノズルプレート23を除く3枚のプレート20〜22はステンレス鋼などの金属材料により構成されており、エッチングにより圧力室10、マニホールド流路11などのインク流路が形成されている。ノズルプレート23はポリイミドなどの合成樹脂材料により構成されており、マニホールドプレート22の下面に貼り付けられる。あるいは、ノズルプレート23も他の3枚のプレート20〜22と同様、金属材料により構成されていてもよい。
キャビティプレート20には、図2〜図5に示すように、紙送り方向(図2の上下方向)に5個ずつ、走査方向(図2の左右方向)に2列に並んだ10個の圧力室10が形成されている。圧力室10は、平面視で走査方向に長い略楕円形状に構成されている。
ベースプレート21には、平面視で圧力室10の長手方向の両端部に重なる部分にそれぞれ平面視で略円形の連通孔12、13が形成されている。
マニホールドプレート22には、紙送り方向に延びたマニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、平面視で図2の右側に配列された圧力室10の略右半分に重なるとともに、図2の左側に配列された圧力室10の略左半分に重なっている。マニホールド流路11には、後述する振動板40に形成されたインク供給口9からインクが供給される。また、マニホールドプレート22には、平面視で連通孔13に重なる部分に連通孔14が形成されている。
ノズルプレート23には、平面視で連通孔14に重なる位置にノズル15が形成されている。ノズルプレート23が合成樹脂材料により構成されている場合には、ノズル15はエキシマレーザ加工などにより形成することができ、ノズルプレート23が金属材料から構成されている場合には、ノズル15はプレス加工などにより形成することができる。
そして、マニホールド流路11は、連通孔12を介して圧力室10に連通している。さらに、圧力室10は、連通孔13、14を介してノズル15に連通している。このように、流路ユニット31には、マニホールド流路11から圧力室10を経てノズル15に連通する個別インク流路が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ32について説明する。圧電アクチュエータ32は、図2〜図5に示すように、キャビティプレート20の表面に配置された導電性を有する振動板40と、振動板40の上面(圧力室と反対側)に形成された圧電層41と、圧電層41の上面に複数の圧力室10に対応して形成された複数の第1電極42及び複数の第2電極43と、圧電層41の上面に形成され、複数の第2電極43同士を接続する配線44とを有する。
振動板40は、ステンレス鋼などの鉄系合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、チタン合金などの金属材料からなり、複数の圧力室10を覆うように、キャビティプレート20に接合されている。また、振動板40は導電性を有しており、振動板40と第1電極42及び第2電極43との間に挟まれた圧電層41に電界を作用させる共通電極(第3電極)を兼ねており、常にグランド電位に保持されている。
振動板40の上面には、図2の流路ユニット31の下端部付近を除く領域にチタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる圧電層41が、複数の圧力室10に跨って連続的に形成されている。ここで、圧電層41は、超微粒子の圧電材料を振動板40の上面に高速で衝突させることにより堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)により形成される。このほか、圧電層41は、スパッタ法、ゾルゲル法、水熱合成法、CVD(化学蒸着)法により形成することもできる。あるいは、圧電層41は、PZTのグリーンシートを焼成することによって得られる圧電シートを振動板40の上面に貼り付けることによっても形成することができる。この圧電層41は、厚み方向と平行な方向に分極されている。
圧電層41の上面には、図2〜図5に示すように複数の圧力室10に対応して複数の第1電極42及び第2電極43が形成されている。第1電極42は、後述するように、第2電極43とともに印字指令のあった(噴射を行う)ノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射用圧力を付与するための電極であり、図2、図3に示すように、圧力室10よりも一回り小さい略楕円形状を有し、平面視で圧力室10の略中央部に重なるように位置している。また、第1電極42は、圧力室10の長手方向にノズル15と反対側に平面視で圧力室10に重ならない部分まで延びており、この部分が接点42aとなっている。そして、第1電極42は、接点42aにおいて図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)を介してドライバIC(電位変更手段)50に接続されており、ドライバIC50により複数の個別電極42の電位は、所定の第1電位V11(例えば、20(V))とグランド電位の何れかに選択的に設定される。
第2電極43は、後述するように、第1電極42とともに印字指令のあったノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射用圧力を付与すると同時に、印字指令のない(噴射を行わない)ノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射用圧力よりも小さい振動用圧力を付与するための電極であり、図2、図3に示すように、圧力室10の長手方向の一方(図2の右側)の端部付近を除く部分において、圧力室10の外周部に沿って第1電極42の外側に形成されており、略U字の平面形状を有している。
圧電層41の上面には、さらに、配線44が形成されている。配線44は、各第2電極43から図2の左右方向内側に、圧電層41の略中央部まで延び、さらに、図2の上方に圧電層41の上端部付近まで延びており、その上端部が接点44aとなっている。そして、配線44を介して複数の第2電極43同士が互いに導通している。さらに、配線44は、接点44aにおいて、FPCを介してドライバIC50に接続されており、ドライバIC50により配線44を介して、複数の第2電極43の電位が同時に、所定の第2電位V12(<V11、例えば、12(V))とグランド電位の何れかに選択的に設定される。
このように、複数の第1電極42は図2の圧電アクチュエータ32の左右方向外側に引き出されており、複数の第2電極43は図2の圧電アクチュエータの左右方向内側に引き出されて、配線44に接続されている。ここで、第1電極42、第2電極43及び配線44は、金、銅、銀、パラジウム、チタンなどの導電性材料からなり、スクリーン印刷、スパッタ法等により形成することができる。
次に、ドライバIC50の動作について図6(a)を用いて説明する。図6(a)は、ドライバIC50により第1電極42、第2電極43及び振動板(第3電極)40に付与される電位を示す図である。ドライバIC50は、図示しない制御装置から複数のノズル15に対応して与えられる印字指令に基づいて以下のような動作をする。
図6(a)に示すように、ドライバIC50は、第1電極42に予めV11(所定の第1電位、例えば、20(V))の電位を付与しており、印字指令があったノズル15に対応する第1電極42の電位をグランド電位に変化させ、時間T2経過後、再び第1電極42の電位をV11に変化させる動作を所定の周期T1毎に繰り返す。これにより、ノズル15には周期T1毎に噴射機会が与えられる。
また、ドライバIC50は、印字指令の有無に関わらず、所定の周期T1毎に時間T2だけ第2電極43にV12(<V11、所定の第2電位、例えば、16(V))の電位を付与し、それ以外の時間は、第2電極43をグランド電位に保持している。
このとき、図6(a)に示すように、第1電極42の電位をV11からグランド電位に変化させるタイミングと、第2電極43の電位をグランド電位からV12に変化させるタイミングとが一致しているとともに、第1電極42の電位をグランド電位からV11に変化させるタイミングと、第2電極43の電位をV12からグランド電位に変化させるタイミングとが一致している。また、振動板40の電位は、前述したように常にグランド電位に保持されている。
次に、圧電アクチュエータ32の駆動方法について図6〜図8を用いて説明する。図6(b)は、図6(a)のように電位が変化したときの、振動板40が水平な状態に対する、振動板40中央部の位置(以下では、単に振動板40の位置とする)を示している。図7は、振動板40の変形を示す図である。図8は、振動板40の変形量とノズル15から噴射されるインク滴の噴射速度との関係を示している。なお、図6(b)では、下方を正方向としており、水平な状態から上方に変形している場合には負の値で示している。
第1電極42には、前述したように、予めV11の電位が付与されている。これにより、第1電極42のグランド電位に保持された振動板40との間に電位差が発生し、圧電層41の第1電極42と振動板40とに挟まれた部分には、その厚み方向に電界が作用する。すると、圧電層41の分極方向が厚み方向と平行であることから、分極方向と直交する面方向に収縮する。この圧電層41の収縮に伴って、振動板40は下に凸になるように下方にD11だけ変形し、第2電極43の電位がグランド電位である場合、図6(b)、図7(a)に示すように振動板40の位置はP11となる(D11=|P11|)。
印字を行う際には、図6(a)に示すように、第2電極43の電位をグランド電位からV12に変化させるとともに、同じタイミングで、印字指令のあった第1電極42の電位を、V11からグランド電位に変化させる。これにより、圧電層41の第1電極42と振動板40とに挟まれる部分に作用していた電界による振動板40の変形が元に戻るとともに、圧電層41の第2電極43と振動板40とに挟まれる部分に厚み方向の電界が作用し、圧電層41のこの部分が水平方向に収縮することにより、振動板40の圧力室10の略中央部と対向する部分が持ち上げられる。つまり、振動板40がD12だけ上方に変形し、図6(b)及び図7(b)に示すように、その位置がP12(<0)となる(D12=|P11−P12|)。これにより、圧力室10の容積が増加し、圧力室10内のインクの圧力が低下するため、マニホールド流路11から圧力室10にインクが流れ込む。
そして、時間T2が経過後、第2電極43の電位をV12からグランド電位に変化させるとともに、同じタイミングで、第1電極42の電位をグランド電位からV11に変化させる。これにより、圧電層41の第1電極42と振動板40とに挟まれる部分に電界が作用して、振動板40の圧力室10の略中央部と対向する部分が下方に変形するとともに、圧電層41の第2電極43と振動板40とに挟まれる部分に作用していた電界による振動板40の変形が元に戻る。つまり、振動板40がD12だけ下方に変形して、図6(b)、図7(a)に示すように、その位置がP11となる。これにより、圧力室10の容積は減少し、圧力室10内のインクの圧力が増加する(噴射可能な大きさの圧力が付与される)。このように、印字を行う際には、第1電極42と第2電極43とで、電位の増減が逆になるように電位を変化させている。
ここで、図8に示すように、振動板40の変形量がD0以上の場合にのみ、ノズル15からインク滴が噴射される。すなわち、振動板40の変形量がD0のときに圧力室10内のインクに付与される圧力が噴射に必要な最小噴射圧力となっている。本実施の形態では、V11及びV12を、振動板40の変形量D12がD0よりも大きくなるように設定されており、上述のように印字指令のあったノズル15に対応する第1電極42及び第2電極43の電位を変化させることによりノズル15からS0の速度でインク滴が噴射される。
なお、このときの振動板40の変形は、圧電層41の第1電極42と振動板40とに挟まれた部分及び第2電極43と振動板40とに挟まれた部分に作用する電界によってもたらされたものであるが、圧電層41の第1電極42と振動板40とに挟まれた部分にのみ電界が作用した場合にも、振動板40はD11だけ変形し、圧力室10内のインクの圧力が変化する。この場合の変形量D11はD0以上であってもよく、D0より小さくてもよい。つまり、第1電極42の電位の変化のみによってノズル15からインク滴を噴射されるように構成されていてもよく、第1電極42の電位の変化のみではノズル15からインク滴は噴射されず、第1電極42の電位と第2電極43の電位とが前述のように同時に変化したときにのみノズル15からインク滴が噴射されるように構成されていてもよい。
これらいずれの場合においても、第1電極42に付与される電位の変化によって生じる振動板40の変形は、圧力室10内のインクにノズル15から噴射させる圧力を付与するために用いられるが、後者の場合は前者の場合と比べて第1電極42の電位の変化量を小さくできるので、消費電力を低減させることができる。
一方、印字指令のない(噴射を行わない)ノズル15に対応する第1電極42の電位はV11のままであり、第2電極43の電位のみが変化している。第2電極43の電位がグランド電位からV12に変化すると、圧電層41の第2電極43と振動板43とに挟まれた部分に電界が作用し、振動板の圧力室10の略中央部に対向する部分が上方に持ち上げられる。これにより、振動板40がD13だけ上方に変形し、図6(b)、図7(c)に示すように、その位置がP13となる(D13=|P11−P13|)。これにより圧力室10内のインクの圧力が減少する。
第2電極43の電位がV12からグランド電位に変化すると、圧電層41の第2電極43と振動板40とに挟まれた部分に作用していた電界による振動板40の変形が元に戻る。これにより、振動板40が下方にD13だけ変形して図6(b)、図7(a)に示すように、その位置がP11になる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が増加する。
ここで、図8に示すように、振動板40の変形量がD0以下である場合には、ノズル15からインク滴は噴射されない。本実施の形態では、V12は、振動板40の変形量D13がD0よりも小さくなるように設定されており、ノズル15からインク滴は噴射されることなく、上述したように圧力室10内のインクの圧力が変化する(振動用圧力が付与される)ことにより、圧力室10に連通するノズル15内のインクのメニスカスが振動し、ノズル15内のインクが攪拌される。すなわち、第2電極43の電位に付与される電位の変化によって生じる振動板40の変形は、圧力室10内のインクにノズル15内のメニスカスを振動させる圧力を付与するために用いられる。これにより、ノズル15内のインクの粘度の増加が防止される。したがって、ノズル15が目詰まりしにくくなり、印字中にノズル15の目詰まりを防止するためのフラッシングを行う頻度が少なくなり、印字速度が向上する。
以上に説明した実施の形態によると、所定の周期T1毎に第2電極43の電位を同時にV12及びグランド電位に設定し、振動板40を変形させることによって、圧力室10内のインクに振動用圧力を付与してノズル15内のインクのメニスカスを振動させているため、印字指令の有無に関わらず、ノズル15内のインクの粘度が増加するのを防止することができる。これにより、印字中にノズル15の目詰まりを解消するためのフラッシングを行う頻度を減らすことができ、印字速度を向上させることができる。さらに、複数の第2電極43が配線44を介して互いに導通していることから、複数の圧力室10内のインクに同時に振動用圧力を付与することができる。さらに、ドライバIC50は1つの接点44aを介して複数の第2電極43と接続されていればよく、接点数を減らしてコストを低減できる。
また、圧力室10の略中央部に重なる位置に形成された第1電極42と圧力室10の外周部に沿って形成された第2電極43とで、その増減が互いに逆になるように電位を変化させているので、第1電極42及び第2電極43に付与する電位を大きくすることなく振動板40の変形量を大きくすることができ、圧力室10内のインクに大きな噴射用圧力を付与することができる。また、このとき、印字指令のあったノズル15に対応する第1電極42の電位を変化させるとともに、印字のタイミングに合わせて第2電極43の電位を変化させることにより、印字指令のないノズル15内のインクのメニスカスを振動させてノズル15内のインクの粘度の増加を防止することができるので、ドライバIC50による第2電極43の電位の制御が容易になる。
また、第2電極43に供給される電位V12が第1電極42に供給される電位V11よりも小さいため、印字を行わないときに、ノズル15からインク滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
また、第1電極42の電位をV11及びグランド電位の何れかに設定し、第2電極43の電位をV12及びグランド電位の何れかに設定することにより圧電アクチュエータ32を駆動させているため、ドライバIC50により供給される電位の種類を少なくすることができる。
なお、本実施の形態の場合のように、圧電層41の表面に第1電極42及び第2電極43の両方を形成せずに、圧電層41の表面に第1電極42のみを形成しておき、周期T1毎に、振動用圧力を付与するために全ての第1電極42の電位を変化させた後、噴射用圧力を付与するためにインク滴の噴射を行うノズル15に対応する第1電極42の電位を変化させる、又は、噴射用圧力を付与するためにインク滴の噴射を行うノズル15に対応する第1電極42の電位を変化させた後、振動用圧力を付与するために全ての第1電極42の電位を変化させることも考えられる。しかし、この場合には、インク滴を噴射するノズル15に対応する第1電極42においては、周期T1の間に、振動用圧力を付与するための時間及び噴射用圧力を付与するための時間の両方が必要となるため、周期T1を大きくする必要がある。本実施の形態では、周期T1毎に、振動用圧力を付与するために全ての第2電極43の電位を変化させておき、同じタイミングで、噴射用圧力を付与するためにインク滴の噴射を行うノズル15に対応する第1電極42の電位を変化させることにより、振動用圧力と噴射用圧力とを同時に付与しているので周期T1を小さくすることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
図9に示すように、第1電極42(図2参照)に供給する電位(第1電位)と第2電極43(図2参照)に供給する電位(第2電位)とが同じ電位V21(例えば、16(V))であってもよい(変形例1)。
この場合、第1電極42には、予めV21の電位が付与されており、図8(b)に示すように、振動板40は下方にD21だけ変形しており、その位置がP21となっている(D21=|P21|)。
そして、印字を行う場合には、第2電極43の電位をグランド電位からV21に変化させるとともに、同じタイミングで、印字指令をあったノズル15に対応する第1電極42の電位をV21からグランド電位に変化させる。これにより、振動板40がD22だけ上方に変形してその位置がP22になり(D22=|P21−P22|)、圧力室10の容積が増加することにより圧力室10内のインクの圧力が低下するため、マニホールド流路11から圧力室10にインクが流れ込む。さらに、時間T2経過後、第2電極43の電位をV21からグランド電位に変化させるとともに、同じタイミングで、第2電極43の電位をV21からグランド電位に変化させる。これにより、振動板40を上方にD22だけ変形させてその位置をP21に戻す。これにより、圧力室10の容積が減少し、圧力室10内のインクに噴射可能な大きさの圧力が付与されるため、圧力室10に連通するノズル15からインク滴が噴射される。
一方、印字指令のないノズル15に対応する第1電極42の電位はV21のままであり、第2電極43の電位のみが変化している。第2電極43の電位グランド電位からV21に変化すると、図9(b)に示すように、振動板40がD21だけ上方に変形してその位置が0になり、第2電極43の電位がV21からグランド電位に変化すると、振動板40がD21だけ下方に変形してその位置がP21に戻る。これにより、圧力室10内のインクに振動用圧力が付与され、圧力室10内に連通するノズル15内のインクのメニスカスが振動し、ノズル15内のインクが攪拌される。したがって、ノズル15(図4参照)内のインクの粘度の増加が防止される。
この場合には、第1電極42及び第2電極43の電位はV21及びグランド電位の何れかに設定されるので、ドライバIC50(図2参照)により供給する電位の種類をさらに少なくすることができる。なお、第1電極42及び第2電極43に供給される電位V21は、振動板40の変形量D21がD0(図8参照)よりも小さく且つ変形量D22がD0よりも大きくなるように設定されている。
図10に示すように、第2電極63が圧力室10の長手方向の一方(図10の左側)の端部付近の外周部に沿ってのみ配置されていてもよい(変形例2)。この場合でも、第1電極42及び第2電極63の電位を、実施の形態と同様に変化させて、印字指令のあったノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射可能な大きさの圧力を付与することにより、ノズル15からインク滴をすることができるとともに、印字指令のないノズル15に対応する圧力室10内のインクに振動用圧力を付与することにより、ノズル15内のインクのメニスカスを振動させ、ノズル15内のインクを攪拌させて、ノズル15内のインクの粘度の増加を防止することができる。
図11に示すように、第1電極72が、圧力室10の長手方向の一方(図11の左側)の端部を除く領域においてその外周部に沿って第2の電極73の外側に形成されており、第2電極73が、圧力室10の略中央部に重なるように配置されていてもよい(変形例3)。この場合、第1電極72は、第1電極72の一方(図11の右側)の端部から圧力室10に対向しない位置まで延びた接点72aによりドライバIC50(図2参照)に接続されており、第2電極73は、実施の形態と同様、配線44(図2参照)を介してドライバIC50に接続されている。
この場合には、実施の形態における第1電極42(図4参照)及び第2電極43(図4参照)の電位の変化(図6参照)とは、その増減が逆になるように、第1電極72及び第2電極73の電位を変化させる。つまり、実施の形態において第1電極42及び第2電極43の電位を増加させるのと同じタイミングで、第1電極72及び第2電極73の電位を減少させ、第1電極42及び第2電極43の電位を減少させるのと同じタイミングで、第1電極72及び第2電極73の電位を増加させる。これにより、実施の形態と同様、印字を行うノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射可能な大きさの圧力を付与することによってノズル15からインク滴を噴射させることができるとともに、印字を行わないノズル15に対応する圧力室内のインクに振動用圧力を付与することによって、ノズル15内のインクのメニスカスを振動させ、ノズル15内のインクを攪拌させて、ノズル15内のインクの粘度の増加を防止することができる。
図12に示すように、圧力室10の略中央部に対向する位置に、圧力室10の長手方向に隣接して第1電極82と第2電極83とが配置されていてもよい(変形例4)。ここで、第1電極82は第2電極83よりも面積が大きくなるように形成されている。また、第1電極82は、その一方(図12の右側)の端部から図11の右側に延びた接点82aによりドライバIC50(図2参照)に接続され、第2電極83は、実施の形態と同様、配線44を介してドライバI50に接続されている。
この場合には、図13(a)に示すように、第1電極82には予めV31(第1電位)の電位が付与されるとともに、第2電極83にはV32(<V31、第2電位)の電位が付与されている。これにより、図13(b)に示すように、振動板40(図4参照)を下方にD31だけ変形してその位置がP31になる(D31=|P31|)。
印字を行う場合には、第2電極83の電位をV32からグランド電位に変化させるとともに、同じタイミングで、印字指令のあったノズル15に対応する第1電極82の電位をV31からグランド電位に変化させる。これにより、振動板40の変形が元に戻る、つまり、図13(b)に示すように、振動板40が上方にD31だけ変形し、その位置が0になる。このとき、圧力室10の容積は増加し、圧力室10内の圧力が低下するため、マニホールド流路11から圧力室10にインクが流れ込む。そして、時間T2経過後、第2電極83の電位をグランド電位からV32に変化させるとともに、同じタイミングで、この第1電極82の電位をグランド電位からV31に変化させる。これにより、図13(b)に示すように、振動板40が下方にD32だけ変形してその位置がP31となる。このとき、圧力室10の容積は減少し、圧力室10内のインクの圧力が増加する(噴射可能な大きさの圧力が付与される)ため、ノズル15からインク滴が噴射される。
このように、変形例4においては、印字を行う際、第1電極82の電位を増加させるときに第2電極83の電位も増加させ、第1電極82の電位を減少させときには第2電極83の電位も減少させる。つまり、第1電極82の電位を変化させるタイミングで第2電極83の電位を第1電極82とその増減が同じになるように変化させている。
一方、印字指令のないノズル15に対応する第1電極82の電位はV31のままであり第2電極83の電位のみが変化する。第2電極83の電位をV32からグランド電位に変化させると、振動板40が上方にD32だけ変形し、その位置がP32になり(D32=|P31−P32|)、第2電極82の電位をグランド電位からV32に変化させると、図13(b)に示すように、この変形が元に戻り(振動板40が下方にD32だけ変形し)、振動板40の位置がP31になる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が変化し(振動用圧力が付与され)、ノズル15内のインクのメニスカスが攪拌されるため、ノズル15内のインクの粘度が増加するのが防止される。
ここで、第1電極82の面積は、第2電極83の面積よりも大きくなっているため、振動用圧力は噴射用可能な大きさの圧力よりも確実に小さくなり、圧力室10内のインクに振動用圧力を付与したときにノズル15からインク滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
なお、変形例4では、図13(b)に示す振動板40の変形量D31がノズル15からインク滴を噴射するのに最低必要な変形量D0(図7参照)よりも小さく、変形量D32が変形量D0よりも大きくなるように、V31及びV32が設定されている。
図14に示すように、第1電極92が圧力室10の長手方向の一方(図14の右側)の端部及び圧力室10の短手方向の両端部の一部に圧力室10の外周部に沿って配置されており、第2電極93が、圧力室10の短手方向の一方(図14の上側)の端部の一部に圧力室10の外周部に沿って圧力室10の長手方向に延びて配置されていてもよい(変形例5)。このとき、第1電極92は、第2電極93よりも面積が大きくなるように形成されている。また、第1電極92は、その一方(図14の右側)の端部から図14の右側に延びた接点92aによりドライバIC50(図2参照)に接続され、第2電極93は、実施の形態と同様、配線44を介してドライバIC50に接続されている。
この場合には、変形例4における第1電極82及び第2電極83(図12参照)の電位の変化(図13(a)参照)とはその増減が逆になるように、第1電極92及び第2電極93の電位を変化させる。つまり、変形例4において第1電極82及び第2電極83の電位を増加させるのと同じタイミングで、第1電極92及び第2電極93の電位を減少させ、第1電極82及び第2電極83の電位を減少させるのと同じタイミングで、第1電極92及び第2電極93の電位を増加させる。これにより、実施の形態と同様、印字を行うノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射可能な大きさの圧力を付与することによってノズル15からインク滴を噴射するとともに、印字を行わないノズル15に対応する圧力室10内のインクに振動用圧力を付与することにより、ノズル15内のインクのメニスカスを振動させて、ノズル15内のインクの粘度の増加を防止することができる。また、この場合、第1電極92の面積が第2電極93の面積よりも大きくなっているため、振動用圧力は噴射可能な大きさの圧力よりも確実に小さくなり、振動用圧力を付与したときに、ノズル15からインク滴が噴射されてしまうのを確実に防止することができる。
図15に示すように、振動板40と圧電層41との間に絶縁層105が形成され、絶縁層105の上面の平面視で圧力室10の略中央部と対向する位置に複数の第1電極102が形成され、圧力室10の外周部に対向する位置に複数の第2電極103が形成されており、圧電層41の上面全体に共通電極(第3電極)104が形成されていてもよい(変形例6)。ここで、複数の第2電極103同士は、絶縁層104の上面の平面視で配線44(図2参照)が形成されているのと対応する位置に形成された図示しない配線によって互いに導通している。この場合も、実施の形態と同様に、第1電極102及び第2電極103の電位を変化させて、印字を行うノズル15に対応する圧力室10内のインクに噴射用圧力を付与することにより、ノズル15からインク滴を噴射することができるとともに、印字を行わないノズル15に対応する圧力室10内のインクに振動用圧力を付与することにより、ノズル15内のインクのメニスカスを振動させ、ノズル15内のインクを攪拌させて、ノズル15内のインクの粘度の増加を防止することができる。
以上の説明では、印字を行うノズル15に対応する第1電極の電位と第2電極の電位とを同時に変化させることにより噴射用圧力を付与していたが、第1電極の電位のみを変化させることにより噴射用圧力を付与してもよい。この場合には、インク滴の噴射を行わないタイミングで、第2電極の電位を変化させて、振動用圧力を付与する。
以上の説明では、本発明をノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドに適用した例について説明したが、このほか、試薬、生体溶液、配線材料溶液、電子材料溶液、冷媒用、燃料用などインク以外の液体を噴射する液滴噴射装置に本発明を適用することも可能である。
本発明における実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略斜視図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2の部分拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 (a)は図2の第1電極及び第2電極の電位の変化を示した図であり、(b)は(a)に対応する振動板の位置を示す図である。 振動板の変形を表す断面図である。 振動板の変形量とインク滴の噴射速度との関係を示す図である。 変形例1の図6相当の図である。 変形例2の図3相当の平面図である。 変形例3の図3相当の平面図である。 変形例4の図3相当の図である。 変形例4の図6-相当の平面図である。 変形例5の図3相当の平面図である。 変形例6の図5相当の断面図である。
符号の説明
3 インクジェットヘッド
15 ノズル
31 流路ユニット
32 圧電アクチュエータ
40 振動板
41 圧電層
42 第1電極
43 第2電極
50 ドライバIC
82 第1電極
83 第2電極

Claims (12)

  1. 複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置された圧電アクチュエータとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記複数の圧力室を覆う振動板と、
    この振動板の前記圧力室と反対側に配置された圧電層と、
    この圧電層の一方の面の前記複数の圧力室と対向する位置にそれぞれ配置され、前記圧力室内の液体に前記ノズルから噴射させるための噴射用圧力を付与する複数の第1電極と、
    同じく前記圧電層の前記一方の面の前記複数の圧力室と対向する位置にそれぞれ配置され、前記圧力室内の液体に、前記ノズル内のメニスカスを振動させるための振動用圧力を付与する複数の第2電極と、
    前記圧電層の他方の面に配置され、前記複数の第1電極及び前記複数の第2電極と前記圧電層を挟んで対向する第3電極と、
    前記圧力室内の液体に前記噴射用圧力を付与するために前記第1電極の電位を変化させるとともに、前記圧力室内の液体に前記振動用圧力を付与するために前記第2電極の電位を変化させる電位変更手段とを有し、
    前記複数の第2電極が互いに導通していることを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記第2電極によって付与される前記振動用圧力は、前記圧力室内の液体を前記ノズルから噴射させることのできる最小噴射圧力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記第1電極によって付与される前記噴射用圧力は、前記最小噴射用圧力よりも小さく、前記第1電極によって付与される前記噴射用圧力と前記第2電極によって付与される前記振動用圧力とが合わさった圧力が、前記最小噴射用圧力よりも大きくなることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記電位変更手段は、前記第3電極に所定の定電位を常に付与するとともに、所定の周期毎に前記ノズルからインクが噴射される噴射機会が生じるように前記第1及び第2電極の電位を制御するものであり、
    前記噴射機会毎に、前記複数の第1電極のうちの選択された前記第1電極の電位を変化させるとともに、前記複数の第2電極の電位を変化させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液滴噴射装置。
  5. 前記電位変更手段は、前記第3電極の電位をグランド電位に設定するとともに、前記第1電極に所定の第1電位とグランド電位とを選択的に付与し、前記第2電極に所定の第2電位とグランド電位とを選択的に付与するものであることを特徴とする請求項4に記載の液滴噴射装置。
  6. 前記第1電位と前記第2電位が等しいことを特徴とする請求項5に記載の液滴噴射装置。
  7. 前記第2電位は前記第1電位よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の液滴噴射装置。
  8. 前記第1電極と前記第2電極の一方が、前記圧電層の前記一方の面の、前記圧力室の中央部と対向する位置に配置され、
    前記第1電極と前記第2電極の他方が、前記圧電層の前記一方の面の、前記一方の電極の外側に配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液滴噴射装置。
  9. 前記電位変更手段は、前記第1電極の電位を変化させるタイミングで、前記第2電極の電位を前記第1電極とは増減が逆になるように変化させることを特徴とする請求項8に記載の液滴噴射装置。
  10. 前記第1電極と前記第2電極は、ともに、前記圧力室の中央部と対向する位置に配置されており、前記第1電極の面積が前記第2電極の面積よりも大きいことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液滴噴射装置。
  11. 前記第1電極と前記第2電極は、ともに、前記圧力室の外周部と対向する位置に配置されており、前記第1電極の面積が、前記第2電極の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液滴噴射装置。
  12. 前記電位変更手段は、前記第1電極の電位を変化させるタイミングで、前記第2電極の電位を前記第1電極と増減が同じになるように変化させることを特徴とする請求項10又は11に記載の液滴噴射装置。
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