JP6633424B2 - 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 Download PDF

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本開示は、液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置に関するものである。
従来、液体吐出ヘッドとして、例えば、液体を記録媒体上に吐出することによって、各種の印刷を行なうインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドに含まれる、液体を吐出するヘッド本体は、複数の吐出孔にそれぞれ繋がった加圧室を有し、それを覆うように設けられた圧電アクチュエータ基板の変位素子を変位させることで、吐出孔からインクを吐出することができる。圧電アクチュエータ基板は4つあり、それらに駆動信号を伝達する4つのフレキシブル基板は、ヘッド本体の左右に2つずつ交互に引き出されており、ヘッド本体と筐体との間を通り、ヘッド本体の上部に配置されているコネクタに接続されている。また、フレキシブル基板にはドライバICが実装されており、ドライバICは、ヘッド本体と筐体に挟まれている。ドライバICの熱は筺体を通じて排熱されるようになっている。
特開2007−307801号公報
本開示の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド本体と、筐体と、前記ヘッド本体を駆動する1つ以上のドライバICと、該ドライバICが実装されており、前記ヘッド本体に電気的に接続されている1つ以上のフレキシブル基板とを含んでおり、前記筐体は、前記ヘッド本体の少なくとも一部を覆っているとともに、前記フレキシブル基板および前記ドライバICを内部に収容しており、ヘッド本体の一つの面には、液体を吐出させる信号がそれぞれ供給される複数の個別電極が配置されており、前記フレキシブル基板は、一方の端が前記個別電極に電気的に接続されており、他方の端が、前記ドライバICに電気的に接続されている複数の配線を含んでおり、前記フレキシブル基板は、複数の前記個別電極と電気的に接続されている第1部位と、前記ドライバICが実装されている第3部位と、前記第1部位と前記第3部位との間に配置されている第2部位とを含んでおり、前記第1部位は、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されており、前記第1部位に配置されている複数の前記配線は、第1方向に沿って伸びており、前記筐体は、前記第1方向に沿っているとともに、前記ヘッド本体の前記面と平行でない放熱板を含んでおり、前記第3部位は、前記放熱板に沿って配置されており、前記ドライバICは、前記放熱板に接続しており、前記フレキシブル基板全体を平面に沿って伸ばしたときに、前記第3部位は、前記第1部位を前記第1方向に延長した延長線に対して、前記第1方向と直交する方向である第3方向に位置しており、前記第2部位に配置されている、前記第1部位から前記第3部位に向かっている複数の前記配線は、前記第1方向から前記第3方向に向かって方向を変えていることを特徴とする。
また、本開示の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するヘッド本体と、筐体と、前記ヘッド本体を駆動する1つ以上のドライバICと、該ドライバICが実装されており、前記ヘッド本体に電気的に接続されている1つ以上のフレキシブル基板とを含んでおり、前記筐体は、前記ヘッド本体の少なくとも一部を覆っているとともに、前記フレキシブル基板および前記ドライバICを内部に収容しており、ヘッド本体の一つの面には、液体を吐出させる信号がそれぞれ供給される複数の個別電極が配置されており、前記フレキシブル基板は、一方の端が前記個別電極に電気的に接続されており、他方の端が、前記ドライバICに
電気的に接続されている複数の配線を含んでおり、前記フレキシブル基板は、第1部位、第2部位および第3部位を含んでおり、前記第1部位は、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されており、前記第1部位に配置されている複数の前記配線は、第1方向に沿って伸びており、前記筐体は、前記第1方向に沿っているとともに、前記ヘッド本体の前記面と平行でない放熱板を含んでおり、前記第3部位は、前記放熱板に沿って配置されており、前記ドライバICは、前記放熱板に接続しており、前記第2部位は、前記第1部位と前記第3部位とを繋いでおり、前記第1方向にから見たとき、前記第2部位には、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されている第1辺と、前記放熱板に沿って配置されている第2辺とを有しており、前記第2部位に配置されている前記配線は、前記第1辺と前記第2辺とを繋ぐように配置されていることを特徴とする。
さらに、本開示の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
(a)は、本開示の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置の側面図であり、(b)は平面図である。 (a)は、図1の液体吐出ヘッドに用いられるヘッド本体の平面図であり、(b)は、図1の液体吐出ヘッドに用いられるリザーバの平面図である。 図2(a)の二点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2(a)の二点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 図1の液体吐出ヘッドの斜視図である。 図6の液体吐出ヘッドのX方向に見た断面図である。 図6の液体吐出ヘッドに用いられるフレキシブル基板の平面図であり、(b)は、(a)のフレキシブル基板および圧電アクチュエータ基板の液体吐出ヘッドにおける配置状態を示した斜視図であり、(c)は、(b)をXI方向に見た断面図である。
図1(a)は、本開示の一実施形態に係る液体吐出ヘッド2を含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタ1(以下で単にプリンタと言うことがある)の概略の側面図であり、図1(b)は、概略の平面図である。プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pを搬送ローラ80Aから搬送ローラ80Bへと搬送することにより、印刷用紙Pを液体吐出ヘッド2に対して相対的に移動させる。制御部88は、画像や文字のデータに基づいて、液体吐出ヘッド2を制御して、記録媒体Pに向けて液体を吐出させ、印刷用紙Pに液滴を着弾させて、印刷用紙Pに印刷などの記録を行なう。
本実施形態では、液体吐出ヘッド2はプリンタ1に対して固定されており、プリンタ1はいわゆるラインプリンタとなっている。本開示の記録装置の他の実施形態としては、液体吐出ヘッド2を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に往復させるなどして移動させる動作と、印刷用紙Pの搬送を交互に行なう、いわゆるシリアルプリンタが挙げられる。
プリンタ1には、印刷用紙Pとほぼ平行となるように平板状のヘッド搭載フレーム70(以下で単にフレームと言うことがある)が固定されている。フレーム70には図示しない20個の孔が設けられており、20個の液体吐出ヘッド2がそれぞれの孔の部分に搭載されていて、液体吐出ヘッド2の、液体を吐出する部位が印刷用紙Pに面するようになっ
ている。液体吐出ヘッド2と印刷用紙Pとの間の距離は、例えば0.5〜20mm程度とされる。5つの液体吐出ヘッド2は、1つのヘッド群72を構成しており、プリンタ1は、4つのヘッド群72を有している。
液体吐出ヘッド2は、図1(a)の手前から奥へ向かう方向、図1(b)の上下方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。1つのヘッド群72内において、3つの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に沿って並んでおり、他の2つの液体吐出ヘッド2は搬送方向に沿ってずれた位置で、3つの液体吐出ヘッド2の間にそれぞれ一つずつ並んでいる。液体吐出ヘッド2は、各液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲が、印刷用紙Pの幅方向に(印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向に)繋がるように、あるいは端が重複するように配置されており、印刷用紙Pの幅方向に隙間のない印刷が可能になっている。
4つのヘッド群72は、記録用紙Pの搬送方向に沿って配置されている。各液体吐出ヘッド2には、図示しない液体タンクから液体、例えば、インクが供給される。1つのヘッド群72に属する液体吐出ヘッド2には、同じ色のインクが供給されるようになっており、4つのヘッド群72で4色のインクが印刷できる。各ヘッド群72から吐出されるインクの色は、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。このようなインクを、制御部88で制御して印刷すれば、カラー画像が印刷できる。
プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド2の個数は、単色で、1つの液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲を印刷するのなら1つでもよい。ヘッド群72に含まれる液体吐出ヘッド2の個数や、ヘッド群72の個数は、印刷する対象や印刷条件により適宜変更できる。例えば、さらに多色の印刷をするためにヘッド群72の個数を増やしてもよい。また、同色で印刷するヘッド群72を複数配置して、搬送方向に交互に印刷すれば、同じ性能の液体吐出ヘッド2を使用しても搬送速度を速くできる。これにより、時間当たりの印刷面積を大きくすることができる。また、同色で印刷するヘッド群72を複数準備して、搬送方向と交差する方向にずらして配置して、印刷用紙Pの幅方向の解像度を高くしてもよい。
さらに、色の付いたインクを印刷する以外に、印刷用紙Pの表面処理をするために、コーティング剤などの液体を印刷してもよい。
プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pに印刷を行なう。印刷用紙Pは、給紙ローラ80Aに巻き取られた状態になっており、2つのガイドローラ82Aの間を通った後、フレーム70に搭載されている液体吐出ヘッド2の下側を通り、その後2つの搬送ローラ82Bの間を通り、最終的に回収ローラ80Bに回収される。印刷する際には、搬送ローラ82Bを回転させることで印刷用紙Pは、一定速度で搬送され、液体吐出ヘッド2によって印刷される。回収ローラ80Bは、搬送ローラ82Bから送り出された印刷用紙Pを巻き取る。搬送速度は、例えば、50m/分とされる。各ローラは、制御部88によって制御されてもよいし、人によって手動で操作されてもよい。
記録媒体は、印刷用紙P以外に、ロール状の布などでもよい。また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルトを直接搬送して、記録媒体を搬送ベルトに置いて搬送してもよい。そのようにすれば、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを記録媒体にできる。さらに、液体吐出ヘッド2から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。またさらに、液体吐出ヘッド2から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、反応させるなどして、化学薬品を作製してもよい。
また、プリンタ1に、位置センサ、速度センサ、温度センサなどを取り付けて、制御部88が、各センサからの情報から分かるプリンタ1各部の状態に応じて、プリンタ1の各部を制御してもよい。例えば、液体吐出ヘッド2の温度や液体タンクの液体の温度、液体タンクの液体が液体吐出ヘッド2に加えている圧力などが、吐出される液体の吐出特性(吐出量や吐出速度など)に影響を与えている場合などに、それらの情報に応じて、液体を吐出させる駆動信号を変えるようにしてもよい。
次に、本開示の液体吐出ヘッド2について説明する。図2(a)は、ヘッド本体2aの平面図であり、(b)は、支持部材であるリザーバ40の平面図である。る。図3は、図2の二点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。図4は、図3と同じ領域の拡大図であり、説明のため図3とは異なる一部の流路を省略した図である。なお、図2〜4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべきマニホールド5、吐出孔8、加圧室10などを実線で描いている。図5は、図3のV−V線に沿った縦断面図である。
図6は、液体吐出ヘッド2の斜視図である。図7は、図6の液体吐出ヘッド2のX方向に見た断面図である。図8(a)フレキシブル基板60の平面図であり、図8(b)は、フレキシブル基板60および圧電アクチュエータ基板21の液体吐出ヘッド2における配置状態を示した斜視図であり、図8(c)は、図8(b)をXI方向に見た断面図である。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aと、筐体90と、フレキシブル基板60とドライバIC(Integrated Circuit)66とを含んでいる。液体吐出ヘッド2には、さらにリザーバ40あるいはフレキシブル基板60に電気的に接続されている配線基板52などを含んでいてもよい。ヘッド本体2aは、流路部材4と、加圧部である変位素子30が作り込まれている圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。
ヘッド本体2aの平面形状は、第1方向に長い。第1方向を長手方向と呼ぶことがある。ヘッド本体2aの平面方向に沿った方向で、第1方向と交差する方向を第2方向とする。第2方向は、基本的に第1方向と直交する方向である。第2方向を短手方向と呼ぶことがある。
筺体90は、直方体状である。筺体90は、天板と液体吐出ヘッド2の長手方向の両側の端部の側面を構成している筺体本体90aと、筺体本体90aに取り付けられる放熱板である筺体側板90bとを含んでいる。筺体本体90aは、例えば、樹脂で造られており、筐体側板90bは、例えば、金属で造られている。筺体本体90aの天板部には、配線基板52の外部コネクタ52aが通っている孔が開いている。外部コネクタ52aには、制御部から、制御信号が送られる。
ヘッド本体2aと、筐体90と間には、支持部材であるリザーバ40が配置されている。リザーバ40は、外部からリザーバ40の開口40aに液体を供給され、ヘッド本体2aの開口5aに液体を供給する。また、液体吐出ヘッド2は、リザーバ40の長手方向の両端で、プリンタ1のフレーム70に固定される。また、リザーバ40の内部に設けられたリザーバ流路の内壁の一部は弾性変形可能な材質のダンパになっている。ダンパのリザーバ流路と反対の面が面する方向に変形できるようになっているので、ダンパは弾性変形することでリザーバ流路の体積を変化させることができ、液体吐出量が急激に多くなった場合などに、安定して液体が供給できるようになる。また、リザーバ流路の中にフィルタを設けて、液体の中に含まれる異物が流路部材4に入って行き難いようにするのが好ましく、異物が詰まることによって起こる不吐出を抑制できる。
ヘッド本体2aから液体を吐出させる駆動信号は、ヘッド本体2aと電気的に接続されたフレキシブル基板60から供給される。フレキシブル基板60は、リザーバ40に設けられた貫通孔40bを通って、筐体90内部に配置されている回路基板52の内部コネクタ52bに電気的に接続されている。回路基板52は外部の制御部88から供給された制御信号を処理する。例えば、回路基板32は、制御信号を複数の複数のドライバIC66に分けてり、駆動信号の整流など行なったりする。
筐体90内部において、リザーバ40の上には、平板状で中央に孔の空いたガイドフレーム50が取り付けられている。ガイドフレーム50には、回路基板52が取り付けられている。
筐体90内部において、リザーバ40の上には、さらに、先端に断熱性部58が付けられた弾性板56が取り付けられている。弾性板56の断熱性部58は、フレキシブル基板60が内部コネクタ53bに接続された状態で、フレキシブル基板60を介してドライバIC66に当たった状態にされる。弾性板56が元の形状に戻ろうとする力で、ドライバIC66は、ヘッド本体2aの短手方向の外側に向かって押し出される力が加わった状態になる。
筐体90の取り付けは、まず筐体本体90aを、リザーバ40の上にネジなどで取り付ける。筐体本体90aと、リザーバ40との間には、樹脂やゴムなどの弾性部材が挟まれて、外部からミスト等が侵入し難いようにされる。この状態で、ドライバIC66の表面は、筐体本体90aより外側に飛び出した状態になっている。その後、筺体側板90bは筐体本体90aにネジなどで側方から取り付けられる。筐体本体90aと、筐体側板90bとの間には、樹脂やゴムなどの弾性部材が挟まれて、外部からミスト等が侵入し難いようにされる。この際、あらかじめ筺体側板90bの取り付け位置よりも外側に押し出されていたドライバIC66は、筺体側板90bに押し付けられて、接続する。これにより、ドライバIC66で駆動信号の処理を行なう際に発生した熱は、主に、筐体側板90bに伝わり、外部に放熱される。ドライバIC66と筐体側板90bとの接続は、直接接触させてもよいし、熱伝導性の高いグリスなど、熱伝導性の部材を介して接続させてもよい。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、マニホールド5と、マニホールド5と繋がっている複数の加圧室10と、複数の加圧室10とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔8とを備えている。加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面にはマニホールド5と繋がっている開口5aが開口しており、この開口5aより液体が供給される。
流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30は、加圧室10上に位置するように配置されている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などのフレキシブル基板60が接続されている。
流路部材4の内部には4つのマニホールド5が配置されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延びる細長い形状を有しており、その両端において、流路部材4の上面にマニホールド5の開口5aが形成されている。4つのマニホールド5は、それぞれ独立している。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室10は流路部材4の上面である加圧室面4−2に開口している。
加圧室10は1つのマニホールド5と個別供給流路14を介して繋がっている。1つのマニホールド5に沿うようにして、このマニホールド5に繋がっている加圧室10の列である加圧室行11が、マニホールド5の両側に2行ずつ、合計4行配置されている。したがって、全体では16行の加圧室行11が配置されている。各加圧室行11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、37.5dpiの間隔となっている。なお、各加圧室行11の端の加圧室10は、ダミーとなっており、マニホールド5とは繋がっていない。このダミーにより、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造およびそれに影響される剛性が、他の加圧室10の構造およびそれに影響される剛性が近くなることで、液体吐出特性の差を少なくできる。
各加圧室行11に属する加圧室10は、近接する2行の加圧室行11の間では、千鳥状に配置されており、隣り合う加圧室10の角部は交互に配置されるようになっている。1つのマニホールド5に繋がっている4行の加圧室行11により1つの加圧室群が構成されており、加圧室群は4つある。各加圧室群内における加圧室10の相対的な配置は同じになっており、各加圧室群はヘッド本体2aの長手方向にわずかにずれて配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に、加圧室群間などの少し間隔が広くなって部分はあるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出面4−1に開口している吐出孔8に繋がるディセンダ16が伸びている。ディセンダ16は、平面視において、加圧室10の対角線を延長する方向に伸びている。つまり、長手方向における吐出孔8の配置と加圧室10の配置は同じになっている。各加圧室行11において、加圧室10は37.5dpiの間隔で並んでおり、1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は全体として、長手方向に150dpiの間隔になっている。さらに、4つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、長手方向に600dpiに相当する間隔でずれて配置されているため、加圧室10は全体で長手方向に600dpiの間隔で形成されている。前述のように、吐出孔8の長手方向の配置は加圧室10と同じになっているので、吐出孔8の長手方向の間隔も600dpiになっている。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図4に示した仮想直線のRの範囲に、各マニホールド5に繋がっている4つの吐出孔8、つまり全部で16個の吐出孔8が、600dpiの等間隔となっているということである。これにより、すべてのマニホールド5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つのマニホールド5に繋がっている4つの行の吐出孔8は、仮想直線のRの範囲で150dpiの等間隔になっている。これにより、各マニホールド5に異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に150dpiの解像度で4色の画像が形成可能となる。この場合、さらに4つの液体吐出ヘッド2を用いて、それぞれ液体吐出ヘッド2において各色のインクを異なる位置のマニホールド5に供給するようにして、600dpiの解像度で4色の画像を形成してもよい。またさらに、2つの液体吐出ヘッド2を用いて、それぞれ液体吐出ヘッド2において各色のインクを異なる位置のマニホールド5に供給するようにして、300dpiの解像度で4色の画像を形成してもよい。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように
、個別電極列および個別電極群を構成している。また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極24と電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。共通電極用表面電極28は、信号伝達部の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)において接続され、共通電極用表面電極28およびその上に形成される共通電極用接続電極が、引出電極25bおよびその上に形成される接続電極26よりも面積が大きいため、信号伝達部が端からはがれ難くできる。
また、吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、カバープレート4hおよびノズルプレート4iである。これらのプレートには多数の孔や溝が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔や溝の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔や溝が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5などの流路を構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体2aは、加圧室10は流路部材4の上面に、マニホールド5は内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路12を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介してマニホールド5と吐出孔8とが繋がる構成を有している。
プレート4a〜iは、接着剤を介して積層されている。接着剤の層の厚さは、0.1〜3μm程度である。
流路部材4にプレート4a〜iに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端からマニホールド5へと繋がる個別供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート4c(詳細にはマニホールド5の出口)までの各プレートに形成されている。なお、この個別供給流路14には、アパーチャプレート4cに形成されている、流路の断面積が小さくなっている部位であり、平面視で一方方向に長いしぼり6が含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路であるディセンダ16を構成する連通孔である。ディセンダ16は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート4i(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、マニホールド5を構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート4e〜gに形成されている。
第1〜4の連通孔が相互に繋がり、マニホールド5からの液体の流入口(マニホールド
5の出口)から吐出孔8に至る個別流路12を構成している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14に入りを通り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから、ディセンダ16の中を少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。共通電極24の厚さは2μm程度であり、個別電極25の厚さは、1μm程度である。
個別電極25は、圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置に、それぞれ配置されている。個別電極25は、平面形状が加圧室本体10aより一回り小さく、加圧室本体10aとほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極26が形成されている。接続電極26は例えば銀粒子などの導電性粒子を含んだ導電性樹脂であり、5〜200μm程度の厚さで形成されている。また、接続電極26は、信号伝達部に設けられた電極と電気的に接合されている。
また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28と共通電極24とは、圧電セラミック層21bに配置された、図示しない貫通導体を通じて、電気的に接続されている。
詳細は後述するが、個別電極25には、制御部88から信号伝達部を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極24は、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内のすべての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極28に、圧電セラミック層21bを貫通して形成されたビアホールを介して繋がっている。また、共通電極24は、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極28は、複数の個別電極25と同様に、制御部88と直接あるいは間接的に接続されている。
圧電セラミック層21bの個別電極25と共通電極24とに挟まれている部分は、厚さ方向に分極されており、個別電極25に電圧を印加すると変位する、ユニモルフ構造の変位素子30となっている。より具体的には、個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部88により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21aは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
続いて、液体の吐出動作について、説明する。制御部88からの制御でドライバICな
どを介して、個別電極25に供給される駆動信号により、変位素子30が駆動(変位)させられる。本実施形態では、様々な駆動信号で液体を吐出させることができるが、ここでは、いわゆる引き打ち駆動方法について説明する。
あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下、高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下、低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21b、21aが元の(平らな)形状に戻り(始め)、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。これにより、加圧室10内の液体に負圧が与えられる。そうすると、加圧室10内の液体が固有振動周期で振動し始める。具体的には、最初、加圧室10の体積が増加し始め、負圧は徐々に小さくなっていく。次いで加圧室10の体積は最大になり、圧力はほぼゼロとなる。次いで加圧室10の体積は減少し始め、圧力は高くなっていく。その後、圧力がほぼ最大になるタイミングで、個別電極25を高電位にする。そうすると最初に加えた振動と、次に加えた振動とが重なり、より大きい圧力が液体に加わる。この圧力がディセンダ内を伝搬し、吐出孔8から液体を吐出させる。
つまり、高電位を基準として、一定期間低電位とするパルスの駆動信号を個別電極25に供給することで、液滴を吐出できる。このパルス幅は、加圧室10の液体の固有振動周期の半分の時間であるAL(Acoustic Length)とすると、原理的には、液体の吐出速度
および吐出量を最大にできる。加圧室10の液体の固有振動周期は、液体の物性、加圧室10の形状の影響が大きいが、それ以外に、圧電アクチュエータ基板21の物性や、加圧室10に繋がっている流路の特性からの影響も受ける。
ここで、さらにフレキシブル基板60とドライバIC66について説明する。上述したように、各マニホールド5には、4行の加圧室行11が繋がっている。各マニホールド5に異なるインクを供給することで、150dpiの解像度で4色の画像を印刷できる。インクには、粘度や表面張力などの特性があり、特性が異なると、同じ駆動信号で吐出させても、吐出量および吐出速度などの吐出特性が異なる。また、吐出させた液体が、一滴化せずに、別々に着弾するといった傾向もインクによって異なることがあるため、同じ駆動信号で吐出させて、印刷精度が高くできるとは限らない。また、すべてのマニホールド5に同じをインクを供給させる場合でも、ヘッド本体2aに中で加圧室行11が配置されており位置により、吐出特性が変わることもあるため、ヘッド2aの短手方向である第2方向によって、異なる駆動信号を使えるようにしておくと好ましい。
ドライバIC66として、各個別電極25毎に、異なる駆動信号を供給できるものを準備することもできるが、回路規模が大きくなり、コストが高くなったり、発熱量が多くなったりするので、好ましいとは限らない。そこで、行内においては、同じ駆動信号を使用し、異なる行の幾つかでは異なる駆動信号を使うことが考えられる。これにより、例えば、4つのドライバIC66を使って、それぞれのドライバIC66で、1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10を加圧するようにする。そのようにすれば、各マニホールド5に違う物性のインクをいれても、ドライバIC66毎に、それぞれのインクに対応した駆動信号を生成させることができる。
フレキシブル基板60は、一般的に配線62、64は単層で形成されており、配線62、64を交差させて配線することはできない。そうすると、特許文献1のような構造、つまりフレキシブル基板を、第2方向に引き出し、フレキシブル基板の配線が第2方向に沿って伸びるような構造では、第2方向に関して異なる位置に配置されている行の個別電極を、異なるドライバICに接続することはできない。
そこで、本開示では、フレキシブル基板60が、次のような第1部位60a、第2部位60b、および第3部位60cを含む構造にする。まず、液体吐出ヘッド2に組み込まれた状態ではなく、フレキシブル基板60単体の状態を説明する(図8(a)参照)。
1つのフレキシブル基板60には、2つのドライバIC66が実装されており、2つを別々に示す場合は、1つをドライバIC66A、もう一つをドライバIC66Bとする。
フレキシブル基板60には、フレキシブル基板60に電気的に接続される個別電極25と同数の配線62が配置されている。1つの配線62は、一端が個別電極25に電気的に接続されており、他端がドライバIC66に電気的に接続されている。フレキシブル基板60には、ドライバIC66と、回路基板52の内部コネクタ52bとを電気的に接続する配線64が配置されている。配線64は、一般的には配線62よりも本数が少ない。配線62、64は、数多く配置されているので、図8(a)、(c)では、そのうちの幾つかだけを描いている。配線62、64は単層の配線層で形成されており、どの配線も互いに交差していない。
また、フレキシブル基板60には、グランド配線(不図示)が配置されている。フレキシブル基板60には、配線62、64以外の配線が配置されていてもよい。また、フレキシブル基板60の強度や曲げやすさを調整するために、ダミー配線を配置してもよい。
外部から回路基板52を介して伝わってきた制御信号は、ドライバIC66により駆動信号に変換されて、個別電極25に供給される。ドライバICの動作としては、他に、外部から駆動信号と制御信号を供給されて、制御信号に基づいて、駆動信号をどの個別電極25に供給するかを選択するようにしてもよい。
第1部位60aには、個別電極25と接続電極26を介して電気的に接続される配線62が配置されている。配線62は、第1部位60aでは、第1方向に沿って配置されている。これは、すべての配線62が、第1方向に向かう直線上に配置されているということではなく、細部においては第1方向と交差する方向に向かうこともあるが、全体としては第1方向に向かっているということである。
第1部位60aは、第1方向と交差する方向である第3方向に、第1の第1部位60aaと第2の第1部位60abを含んでいる。第1の第1部位60aaは、1つのマニホールド5と繋がっておる4行の加圧室行11に対応した4行の個別電極行からなる個別電極群29と電気的に繋がる配線62が配置されている。第1の第1部位60aaに配置されている配線62は、第3部位60cにおいて、ドライバIC66Aに電気的に接続されている。第2の第1部位60abには、別の個別電極群29と電気的に繋がる配線62が配置されている。第2の第1部位60abに配置されている配線62は、第3部位60cにおいて、ドライバIC66Bに電気的に接続されている。つまり、第3方向における位置の異なる個別電極群29は、異なるドライバICに電気的に接続されている。
第3部位60cには、ドライバIC66が実装されている。ドライバIC66は、例えば、フリップチップ実装されている。第3部位60cは、内部コネクタ52bと電気的に接続される部分であり、配線64が配置されている。第3部位60cは、第1部位60aを第1方向に延長した延長線に対して、第3方向にずれて配置されている。
第2部位60bは、第1部位60aと第3部位60cとの間に配置されている。第2部位60bには、第1部位60aに配置されている配線62と、第3部位60cに配置されている配線62とを電気的に繋いでいる配線62が配置されている。
上述したように、第3部位60cは、第3方向にずれて配置されているため、第2部位60bに配置されている、第1部位60aから第3部位60cに向かう配線62は、第1方向から第3方向に向かって曲がる。本実施形態では、この曲がる角度θ2は、90度である。
図8(b)は、2つのフレキシブル基板60を、圧電アクチュエータ基板21に電気的に接続した状態で、液体吐出ヘッド2に組み込まれた状態に配置した斜視図である。図8(c)は、図8(b)のXI方向から見た断面図である。まず、図の手前側に配置されているドライバIC66A、Bが実装されているフレキシブル基板60について説明する。
第1部位60aは、圧電アクチュエータ基板21の個別電極25が配置されている面である個別電極面21−1に沿って配置されている。配線62は、それぞれ、個別電極25に電気的に接続されている。グランド配線も個別電極面21−1に配置されている共通電極用表面電極28に電気的に接続されている。
フレキシブル基板60は、第1方向に、個別電極群29がなくなった時点で圧電アクチュエータ基板21から離れる方向に曲げられる。本実施形態では、個別電極面21−1に略直交する角度まで曲げられる。なお、図8(b)では、模式的に1カ所で急激に曲がっているように描いているが、実際は徐々に曲げられる。
第1部位60aから曲がった部分が第2部位60bである。第2部位60bを第1方向から見ると、第2部位60bには、個別電極面21−1に沿っている第1辺60b−1および、放熱板90bに沿っている第2辺60b−2が配置されている。第2部位60bに配置されている配線62は、それぞれ、第1辺60b−1と第2辺60b−2と繋ぐように配置されている。
第3部位60cは、第2部位60bから曲がっており、第3部位60cは、放熱板90bに沿って配置されている。図8(b)では、第2部位80bと第3部位60との間は、模式的に1カ所で急激に曲がっているように描いているが、実際は徐々に曲げられる。
以上のような構成により、第2部位60bおよびその前後において、フレキシブル配線基板60を曲げて、個別電極面21−1に沿った第1部位60aと、個別電極面21−1と平行でない放熱板90bに沿った第3部位60cとを設けることができるようになる。このように曲げることにより、フレキシブル配線基板60には、局所的な力が加わり難くなるので、配線62、64の断線や、内部コネクタ52bからの脱落などを起き難くできる。
図7に示すように、本実施形態では、個別電極面21−1に対する、放熱板90bのドライバIC66が接続している部位の角度θ1は、90度である。なお、この角度は例えば15〜165度にすることができる。第2部位60bに配置されている、第1部位60aから第3部位60cに向かう配線62が、第1方向から第3方向に向かって曲がる角度θ2とθ1との角度の差を小さくれば、第2部位60bおよびその前後に加わる力を小さくできる。θ2は、θ1±45度以内にするのが好ましく、さらに、θ1±30度以内、特にθ1±15度以内にするのが好ましい。
このような構造にすると、筐体90の面の中で、面積の大きい長手方向に沿った面を放熱板90bとして使うことができるので放熱性を良くできる。
また、個別電極面21−1において、第2方向に位置が異なる個別電極群29を、別々のドライバICに電気的に繋げることができるので、第2方向に関して、個別電極群29
毎に異なる駆動波形で駆動させることができるようになる。
1つの液体吐出ヘッド2に用いるフレキシブル基板60の個数は、1個でもよいが、2個以上にして、それぞれを異なる放熱板90bに接合させれば、放熱効果を高くできる。フレキシブル基板60を偶数個用いる場合は、ヘッド本体2aに対し、180度の回転対称になるように配置することで、放熱効果を高くでき、さらに、2つの放熱板90bに伝わる熱の量を概略同じにできるの、好ましい。図8(b)は、2つのフレキシンブル基板60を用いた実施形態である。
液体吐出ヘッド2を製造する際には、フレキシブル基板60は、リザーバ40の貫通孔40bを通すことができる。そのために、貫通孔40bは、ドライバIC66が、放熱板90bに沿うような状態で、すなわち、図8(b)のような状態で、挿通可能な形状でにする。より詳細には、ドライバIC66が、放熱板90bに沿うような状態にしたフレキシブル基板60の第2部位60bおよび第3部位60cが挿通可能なように、貫通孔40bには、第2部位60bおよび第3部位60cにそれぞれ対応した部分を設ける。図2(b)のリザーバ40の貫通孔40bは、第2部位60bに対応した直線状の部位と、第3部位60cに対応した直線状の部位とが組み合わさったL字形状になっている。貫通孔40bは、3角形状にしてもよい。
1・・・(カラーインクジェット)プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜i・・・(流路部材の)プレート
4−1・・・吐出孔面
4−2・・・加圧室面
5・・・マニホールド(共通流路)
5a・・・開口
6・・・しぼり
8・・・吐出孔
9・・・吐出孔行
10・・・加圧室
11・・・加圧室行
12・・・個別流路
14・・・個別供給流路
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
21−1・・・個別電極面
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a・・・個別電極本体
25b・・・引出電極
26・・・接続電極
27・・・ダミー接続電極
28・・・共通電極用表面電極
29・・・個別電極群
30・・・変位素子(加圧部)
40・・・リザーバ(支持部材)
40a・・・(リザーバの)液体供給孔
40b・・・(リザーバの)貫通孔
66(66A、66B、66C、66D)・・・ドライバIC
60・・・フレキシブル基板
60a・・・(フレキシブル基板の)第1部位
60aa・・・第1の第1部位
60ab・・・第2の第1部位
60b・・・(フレキシブル基板の)第2部位
60b−1・・・第1辺
60b−2・・・第2辺
60c・・・(フレキシブル基板の)第3部位
60d・・・補強板
62・・・(フレキシブル基板の)配線
64・・・(フレキシブル基板の)配線
50・・・ガイドフレーム
52・・・回路基板
52a・・・外部コネクタ
52b・・・内部コネクタ
70・・・(ヘッド搭載)フレーム
72・・・ヘッド群
80A・・・給紙ローラ
80B・・・回収ローラ
82A・・・ガイドローラ
82B・・・搬送ローラ
88・・・制御部
90・・・筐体
90a・・・筐体本体
90b・・・筐体側板
P・・・印刷用紙

Claims (7)

  1. 液体を吐出するヘッド本体と、筐体と、前記ヘッド本体を駆動する1つ以上のドライバICと、該ドライバICが実装されており、前記ヘッド本体に電気的に接続されている1つ以上のフレキシブル基板とを含んでおり、
    前記筐体は、前記ヘッド本体の少なくとも一部を覆っているとともに、前記フレキシブル基板および前記ドライバICを内部に収容しており、
    ヘッド本体の一つの面には、液体を吐出させる信号がそれぞれ供給される複数の個別電極が配置されており、
    前記フレキシブル基板は、一方の端が前記個別電極に電気的に接続されており、他方の端が、前記ドライバICに電気的に接続されている複数の配線を含んでおり、
    前記フレキシブル基板は、複数の前記個別電極と電気的に接続されている第1部位と、前記ドライバICが実装されている第3部位と、前記第1部位と前記第3部位との間に配置されている第2部位とを含んでおり、
    前記第1部位は、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されており、前記第1部位に配置されている複数の前記配線は、第1方向に沿って伸びており、
    前記筐体は、前記第1方向に沿っているとともに、前記ヘッド本体の前記面と平行でない放熱板を含んでおり、
    前記第3部位は、前記放熱板に沿って配置されており、前記ドライバICは、前記放熱板に接続しており、
    前記フレキシブル基板全体を平面に沿って伸ばしたときに、前記第3部位は、前記第1部位を前記第1方向に延長した延長線に対して、前記第1方向と直交する方向である第3方向に位置しており、前記第2部位に配置されている、前記第1部位から前記第3部位に向かっている複数の前記配線は、前記第1方向から前記第3方向に向かって方向を変えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記ヘッド本体の前記面に対する、前記放熱板の前記ドライバICが接続している部分の角度をθ1とするとき、前記第2部位に配置されている、前記第1部位から前記第3部位に向かっている複数の前記配線が、前記第1方向から前記第3方向に向かって方向を変えている角度θ2は、θ1±45度以内であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 液体を吐出するヘッド本体と、筐体と、前記ヘッド本体を駆動する1つ以上のドライバICと、該ドライバICが実装されており、前記ヘッド本体に電気的に接続されている1
    つ以上のフレキシブル基板とを含んでおり、
    前記筐体は、前記ヘッド本体の少なくとも一部を覆っているとともに、前記フレキシブル基板および前記ドライバICを内部に収容しており、
    ヘッド本体の一つの面には、液体を吐出させる信号がそれぞれ供給される複数の個別電極が配置されており、
    前記フレキシブル基板は、一方の端が前記個別電極に電気的に接続されており、他方の端が、前記ドライバICに電気的に接続されている複数の配線を含んでおり、
    前記フレキシブル基板は、第1部位、第2部位および第3部位を含んでおり、
    前記第1部位は、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されており、前記第1部位に配置されている複数の前記配線は、第1方向に沿って伸びており、
    前記筐体は、前記第1方向に沿っているとともに、前記ヘッド本体の前記面と平行でない放熱板を含んでおり、
    前記第3部位は、前記放熱板に沿って配置されており、前記ドライバICは、前記放熱板に接続しており、
    前記第2部位は、前記第1部位と前記第3部位とを繋いでおり、前記第1方向から見たとき、前記第2部位は、前記ヘッド本体の前記面に沿って配置されている第1辺と、
    前記放熱板に沿って配置されている第2辺とを有しており、前記第2部位に配置されている前記配線は、前記第1辺と前記第2辺とを繋ぐように配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 1つの前記フレキシブル基板に、複数の前記ドライバICが実装されおり、
    前記ヘッド本体の前記面に配置されている、複数の前記個別電極は、前記第1方向と交差する方向である第2方向に複数の群に分かれて配置されており、異なる前記群に属する前記個別電極は、異なる前記ドライバICに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記フレキシブル基板が偶数個存在し、複数の前記フレキシブル基板が、前記ヘッド本体に対して回転対称に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. さらに支持部材を含み、
    前記支持部材は、前記ヘッド本体に、前記ヘッド本体の前記面を囲むように接合されており、
    前記支持部材は、貫通孔を有しており、該貫通孔は、前記筐体の内部と繋がっており、
    前記フレキシブル基板は、前記貫通孔を通っており、
    前記貫通孔は、前記ドライバICが、前記放熱板に沿うように配置された状態で挿通可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記ヘッド本体を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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