JPH07137255A - インクジェットヘッド及びその駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその駆動方法

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JPH07137255A
JPH07137255A JP5283692A JP28369293A JPH07137255A JP H07137255 A JPH07137255 A JP H07137255A JP 5283692 A JP5283692 A JP 5283692A JP 28369293 A JP28369293 A JP 28369293A JP H07137255 A JPH07137255 A JP H07137255A
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JP
Japan
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pressure
piezoelectric element
laminated piezoelectric
voltage
nozzles
Prior art date
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Application number
JP5283692A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hosono
聡 細野
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 選択的な局所変位を発生する積層圧電素子を
より現実的に構成し、低価格、且つ印字品質に優れたイ
ンクジェットヘッドを提供する。 【構成】 圧電材料層12と電極材料層13を交互に積
層して成り、局所変位を発生させる積層圧電素子10を
用いたインクジェットヘッドにおいて電極材料が圧力室
の中央部と支持部に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前記積層圧電素子が発
生する圧力によってインク滴を飛翔させ、記録紙等の記
録媒体上にインク像を形成するプリンタ等の画像記録装
置に関し、さらに詳細には、インクジェットヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録装置は、
動作音が静かであり、装置コストとランニングコストを
比較的安価にすることができるので、コンピュータ等の
文字や画像の記録装置として広く普及し始めている。今
後、記録装置の中核として市場規模の拡大を期待する為
には、電子写真方式の記録装置の印字品質、印字速度に
対して同等以上のレベルと、さらなる低コスト化を実現
する技術開発が必須である。
【0003】インクジェット記録装置の印字品質を電子
写真方式の記録装置と同等以上にする為には、同等の組
成を有する比較的粘度が高いインクの使用を可能にし、
同等の解像度を実現することが必要である。また、イン
クジェット記録装置の印字速度を電子写真方式の記録装
置と同等以上にする為には、インク吐出の繰り返し応答
周期を向上させること、ノズル数を増やすことが考えら
れるが、後者は、ノズル数の増加に伴うコストアップが
必須であり、且つノズル高密度化に伴う多くの課題(隣
接ノズル間における相互干渉の現象等)の解決が必要で
ある。よって、本質的に印字速度を向上させるためには
前者の実現が最も重要な課題である。
【0004】現在、高粘度インクの使用とインク吐出の
繰り返し応答周期の向上を実現する為に、発生力が大き
く、応答周期を速くできる積層圧電素子の縦振動を応用
したインクジェットヘッドの研究開発が盛んに行なわれ
ている。
【0005】図11は、第1の従来技術を説明する、特
開平3−288647号公報に記載の、積層圧電素子を
用いたインクジェットヘッドの構造説明図である。これ
は、積層圧電素子10に、溝40を形成し、該溝40で
区分された凸部の厚み方向の変位を圧力室6に伝達する
ことを特徴とするドロップオンデマンド型インクジェッ
トヘッドである。しかしながら、本従来技術には以下の
ような課題がある。
【0006】(1)ダイシング加工等によって溝40を
形成する場合は、積層圧電素子を構成する内部電極と圧
電材料との境界部分で剥離現象が頻繁に発生し、完成品
の部留まりが悪くなること。
【0007】(2)溝40を形成する加工には極めて高
い精度が要求されるので、加工時間が非常に長くなるこ
と。
【0008】(3)上記解題は、ノズルの数が増すほど
顕著になる傾向にあるので、低コストで高品位な記録画
像を高速に得ようとする要求に対して非常に大きな障壁
になること。
【0009】しかし、こうした課題に対して、以下のよ
うな手段が開示されている。
【0010】図12は第2の従来技術を説明する、特開
平3−274159号公報に記載の、積層圧電素子を用
いたインクジェットヘッドの構成説明図である。これ
は、圧電材料層と電極材料層を積層して成る積層圧電素
子10の電極材料層を構成する内部正電極14または、
内部負電極15のどちらか一方が圧力室6に対応して分
割形成されることを特徴とするものである。こうした構
成の積層圧電素子によって、従来のダイシング加工等を
用いなくても選択的な局所変位を各圧力室に対応して発
生させることが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−274159号公報に記載の従来技術においても以
下の課題を有している。
【0012】<課題1>内部正電極と内部負電極を交互
に積層し、局所変位を発生する活性部19が、積層方向
の厚みを増してしまうので、実際には圧力室に対向する
面を平滑に形成する事が困難である。これにより独立し
た圧力室の構成が困難になる。
【0013】<課題2>積層圧電素子の分割加工を除去
したことにより機械損失が増加する。これによって、積
層圧電素子の発熱が顕著になる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するインクジェットヘッド及びその駆動方法を実現
し、上記課題を解決すると共に、さらに優れた効果を有
するインクジェットヘッドを提供するものである。
【0015】このための第一の発明は、以下の3点を特
徴とする。
【0016】(1-1)インクを吐出する複数のノズル
と、これらに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧
力を発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電
圧を印加する電圧印加手段とを有するインクジェットヘ
ッドに於て、前記圧力発生素子が圧電材料層と電極材料
層を交互に積層して成る積層圧電素子であって、前記電
極材料層を構成する内部正電極と内部負電極のうち、少
なくとも一方が、前記圧力室の数の2倍以上に分割して
形成されることを特徴とするインクジェットヘッド。
【0017】(1-2)前記内部正電極と前記内部負電極
のうち、少なくとも一方が、前記圧力室の体積を変化さ
せる拡大収縮部と、前記圧力室の隔壁を支持する固定部
に対応して分割形成されることを特徴とするインクジェ
ットヘッド。
【0018】(1-3)前記積層圧電素子の少なくとも一
表面に複数層の前記内部正電極を電気的に接続したセグ
メント電極を形成し、もう一方の表面に複数層の前記内
部負電極を電気的に接続したコモン電極を形成すること
を特徴とするインクジェットヘッド。
【0019】第2の発明は、以下の2点を特徴とする。
【0020】(2-1)インクを吐出する複数のノズル
と、これらに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧
力を発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電
圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記圧力発生素子
が圧電材料層と電極材料層を交互に積層して成る積層圧
電素子であって、前記電極材料層を構成する内部正電極
と内部負電極のうち、少なくとも一方が、前記圧力室に
対向して分割形成され、選択的な局所変位を発生する拡
大収縮部を構成するインクジェットヘッドの駆動方法に
於て、前記拡大収縮部の電極材料層に印加される電圧パ
ルスVcに対し、前記固定部の電極材料層に印加される
電圧パルスVsの位相が反転することを特徴とするイン
クジェットヘッドの駆動方法。
【0021】(2-2)前記積層圧電素子を駆動する電圧
パルスVc、Vsの立ち上がり時間をT1、立ち下がり時
間をT2とし、前記積層圧電素子の固有振動周期をTa
とするとき、T1、T2≧Taなる関係を有することを
特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
【0022】第3の発明は以下の3点を特徴とする。
【0023】(3-1)インクを吐出する複数のノズル
と、これらに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧
力を発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電
圧を印加する電圧印加手段とを有するインクジェットヘ
ッドに於て、前記圧力発生素子が圧電材料層と電極材料
層を交互に積層して成る積層圧電素子であって、前記積
層圧電素子のヤング率と比重に対して同等以上のヤング
率と比重を有するベース基板に前記積層圧電素子が保持
されることを特徴とするインクジェットヘッド。
【0024】(3-2)前記ベース基板の熱伝導率が、前
記積層圧電素子の熱伝導率と同等以上であることを特徴
とするインクジェットヘッド。
【0025】(3-3)前記ベース基板の少なくとも一表
面に凹凸部を形成することを特徴とするインクジェット
ヘッド。
【0026】そして、第4の発明は以下の特徴を有す
る。
【0027】(4-1)インクを吐出する複数のノズル
と、これらに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧
力を発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電
圧を印加する電圧印加手段とを有するインクジェットヘ
ッドに於て、前記積層圧電素子の周囲に第2流体を満た
し、これを循環する手段を有することを特徴とするイン
クジェットヘッド。
【0028】
【作用】高印字品質、高速印字速度を実現するために、
積層圧電素子を用いたインクジェットヘッドにおいて、
選択的な局所変位を得るための積層圧電素子の切断
(溝)加工等を内部電極のパターンニングで代用した場
合に発生する問題を解決し、低価格、且つ生産性に優れ
たインクジェットヘッドを提供することができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例の詳細を図面を参照し
て説明する。
【0030】図1は、本発明による第1の実施例を示す
インクジェットヘッドの構造説明図である。複数のノズ
ル1を形成したノズル形成基板2と、複数のノズル1に
対応する複数のスリット3aを形成したスペーサ3と、
厚さ10(μm)のステンレスフィルムからなる振動板
4を積層し、複数の独立した圧力室を形成する。ノズル
1の開口面積とノズル形成基板2の厚さは、インク吐出
特性に及ぼす影響が大きいので、優れた印字品質を確保
する為には、複数のノズル間に於いてこれらのバラツキ
を低く抑えなくてはならない。こうした高精度な加工を
実現する為に、ノズル形成基板2は、精密プレス法、ニ
ッケルの電鋳法、または、シリコンウエハのエッチング
加工により形成されるものである。ノズル形成基板2と
スペーサ3と振動板4は、共通インク流路7をノズル配
列方向に平行して両側に2本形成した流路基板5をベー
スに積層され、インク室ユニット8を構成する。さら
に、流路基板5に形成されるガイド溝5aには、積層圧
電素子10とベース基板11から成る圧力発生素子ユニ
ット9が挿入され、本実施例のインクジェットヘッドを
構成する。このベース基板11は、剛体に近いことが理
想的であり、具体的には音響インピーダンス(ヤング率
×比重)が大きいことが望ましい。よって、少なくとも
積層圧電素子10の、ヤング率と比重に対して同等以上
のヤング率と比重を有するベース基板11を用いること
によって、十分な変位を圧力室へ伝達することができ
る。具体的には、ヤング率の高いアルミナ系のセラミッ
クにて形成している。一方、積層圧電素子10は、圧電
材料層12と電極材料層13を交互に積層して成る部材
である。この、積層圧電素子10は、表面に露出したセ
グメント電極16とコモン電極17を形成しているの
で、駆動回路18から独立した電気信号を容易に接続す
ることができる。よって、駆動回路18から選択的な電
気信号がセグメント電極16に印加されると積層圧電素
子10は選択的な局所変位を発生することができる。こ
のとき、圧力室内の圧力が高められ、ノズル1からイン
クが吐出し、記録媒体上にインク像を形成することがで
きる。本実施例のインクジェットヘッドの特徴は以下の
ようになる。
【0031】(1)積層圧電素子を用いていること。 (2)一つの圧力室にインク供給路が複数設けられてい
ること。 (3)この積層圧電素子を分割せずに構成しているこ
と。
【0032】上記特徴(1)、(2)によって、印字品
質に優れる高粘度インクの使用と、インク吐出の繰り返
し応答周期の向上によって高速印字速度の実現を可能に
している。また、特徴(3)によって構造が簡単で製造
コストを安くすることができる。
【0033】図2及び図3に示すように、本発明による
第1の実施例を示すインクジェットヘッドの積層圧電素
子10は、請求項2に示すように、電極材料層13を構
成する内部正電極14が、圧力室6の体積を変化させる
拡大収縮部20と、圧力室6の隔壁となるスペーサ3を
支持する固定部21に対応して分割形成することを特徴
とするものである。積層圧電素子10は、電極材料層1
3を構成する内部正電極14と、内部負電極15が圧電
材料層12をはさんで積層成型されるものである。一般
に電極材料13には銀パラジウムが用いられ、1層当た
りの積層方向の厚さは、3〜5μm程度である。また、
圧電材料層12は、チタン酸ジルコン酸鉛のパウダーを
燒結成型するものであり、1層当たりの積層方向の厚さ
は、20〜50μm程度に成型される。本実施例におい
ては、内部正電極14だけを分割形成しているが、逆に
内部負電極15だけを分割成型してもよく、さらには内
部正電極14と内部負電極15の両方を分割成型させた
ときも本発明の主旨に従うものである。
【0034】一方、図4及び図5に示す従来技術のよう
に、圧力室6の体積を変化させる拡大収縮部20だけに
対応して内部電極13を分割成型したときは、内部正電
極14と内部負電極15が重なり合う部分だけ厚さが増
加することによる弊害が発生する。具体的には、積層数
を40(層)電極厚さを3(μm)とするとき、約60
(μm)の段差を生じてしまう。圧力室6の高さを決定
するスペーサ3の厚さは、50(μm)程度であるの
で、スペーサ3を振動板4と密着させ、独立した圧力室
6を構成することが困難になる。こうして、矢印cに示
すようなインクの漏れ流れが発生してしまい隣接する圧
力室間の相互干渉が発生してしまう。また、ノズル形成
基板2を支持するスペーサ3が部分的に浮いてしまうの
で、圧力室の剛性が不足してしまう。これによって、イ
ンクをノズル1から吐出させる為の圧力が低くなり、イ
ンク吐出量、吐出速度を悪化させてしまう。しかしなが
ら図2及び図3に示した本発明の従来技術によれば、圧
力室6の体積を変化させる拡大収縮部20と、圧力室6
の隔壁となるスペーサ3を支持する固定部21に対応す
る圧力発生素子10の高さを均一にすることができるの
で、本発明の第1の課題を解決することができる。
【0035】図6(a)(b)は、本発明による第2の
実施例を示すインクジェットヘッドの部分断面図であ
る。図6(a)に示すように、スペーサ3を支持する固
定部21に駆動パルスVcが印加されるとき、圧力室6
は、最も容積を増加した状態になる。こうした状態か
ら、図6(b)に示すように、拡大収縮部20へ電圧パ
ルスVsを印加し、固定部21に印加されていた駆動パ
ルスVcをオフにすることによって、より大きな圧力室
6の体積変化量を得ることができるので発生圧力を増加
させることができる。こうした構成にすることによっ
て、低駆動電圧化、積層圧電素子の小型化を実現するこ
とが可能になる。
【0036】また、固定部21に印加する駆動パルスV
cによって、ノズル形成基板2を独立駆動させることが
できるので、以下の様なさらなる効果を実現することが
できる。
【0037】(1)ノズル形成基板2を微細振動させる
ことによって、ノズル1の開口面に露出するインク(ノ
ズルメニスカス)の乾燥固化を抑制、解除する手段とし
て活用できる。
【0038】(2)ノズル形成基板2にノズルメニスカ
スの振動周期に対して半周期ずらした駆動を発生させ、
インクが吐出した後のノズルメニスカスの静止を早める
ことができる。これによって、インク吐出間隔を短く
し、印字速度を早めることができる。
【0039】(3)インクが吐出する際、ノズルメニス
カスの振動に対して位相をずらした振動をノズル形成基
板2に発生させ、インク滴の先端から後端までの速度が
加速的に増加するようにして、インク滴の飛行形状を球
形にすることが可能になる。
【0040】さらに、圧力室6の圧力を、固定部21か
ら発生する逆起電圧をモニタすることによって、インク
粘度の変化、圧力室内の気泡の有無を確認することもで
きる。
【0041】図7(a)(b)は、本発明によるインク
ジェットヘッドを構成する積層圧電素子10に印加され
る電圧パルスVc、Vsと、積層圧電素子の変位挙動50
の対比図である。図7(a)に示すように、電圧パルス
Vc、Vsの立ち上がり(充電)時間T1と、立ち下がり
(放電)時間T2が、積層圧電素子の固有振動周期Ta
より小さい場合、積層圧電素子10の変位挙動50は、
過度的な振動を示す。こうした場合、インク吐出の繰り
返し応答周期の向上が困難になり、高速印字速度の実現
が難しくなる。しかしながら、本発明の請求項5によれ
ば、図7(b)に示すように、積層圧電素子に印加され
る電圧パルスVc、Vsの立ち上がり時間T1と、立ち下
がり時間T2を、積層圧電素子の固有振動周期Ta以上
に設定することを特徴としているので、本発明の積層圧
電素子は、過度的な振動を発生しなくなり、高速印字速
度の実現を可能にすることができる。
【0042】図8は、本発明の第3の実施例を説明する
圧力発生素子ユニットの説明図である。圧力発生素子ユ
ニット9は、積層圧電素子10とベース基板11から構
成される。本発明の積層圧電素子10は、分割加工を必
要としないが、これによるデメリットとして、機械的損
失の増加に伴う発熱の問題が発生する。この問題は高速
印字速度の実現に伴って顕著になるので、熱対策が必要
不可欠になる。よって、本発明では、ベース基板11の
熱伝導率を積層圧電素子10の熱伝導率と同等以上と
し、さらに、ベース基板11の底面に凹凸部19を形成
している。このようにベース基板11の表面積を大きく
することによって放熱量を大きくできる。尚、図8では
ベース基板の長手方向に凹溝を形成しているが、いかな
る方向、形状であってもよいことは本発明の主旨とする
ところである。
【0043】図9は本発明の第4の実施例を示すインク
ジェットヘッドの構造説明図である。
【0044】本実施例の特徴は、振動板4と流路基板5
とベース基板11で囲まれる積層圧電素子室23に第2
流体を循環できるように構成したことである。図9に示
す様に、ベース基板11に敷設される第2流体供給口2
4には、冷却タンク25から循環ポンプ26によって、
第2流体が流入され、積層圧電素子室23内を循環す
る。こうした構成によって、より積極的に積層圧電素子
10を冷却する事が可能になる。第2流体には、電気的
絶縁性を有するシリコンオイル等が適している。
【0045】尚、本発明の性質上、積層圧電素子室23
への第2流体の供給口は、必ずしもベース基板11に設
けられなくてもよいものとする。
【0046】図10は、発明によるインクジェットヘッ
ドを搭載したインクジェットラインプリンタの説明図で
ある。本発明によるインクジェットヘッドは、従来に比
べ非常に簡単な構造を実現したものであるので、飛躍的
な生産性の向上が可能になる。よって、図1に示したイ
ンクジェットヘッドを大型化することは比較的容易であ
る。具体的にはプラテン31と同等な幅のインクジェッ
トラインヘッド30を構成することによって図10に示
す様なインクジェットラインプリンタを容易に実現する
ことができる。本インクジェットラインプリンタは、プ
ラテン31に転写媒体32を巻き付け、この表面にイン
クジェットラインヘッド30から吐出されるインク像を
形成し、これを膜化させた後、記録紙33に画像を転写
させるものである。こうしたインクジェット転写システ
ムは非常に印字品質に優れた画像記録装置を実現するこ
とができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は以下の効果を有する。
【0048】(1)局所変位を発生する積層圧電素子の
圧力室に対向する面を平滑に形成できるので、独立した
圧力室をイメージどうりに構成することができる。
【0049】(2)局所変位を発生する積層圧電素子の
発熱の問題を回避できる。
【0050】以上のように本発明によれば、従来、生産
技術的に困難であると考えられていたインクジェットラ
インヘッドを非常に高い歩留まりで実現することがで
き、低価格で画像品質にすぐれた画像記録装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例を示すインクジェッ
トヘッドの構造説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例の効果を説明するインク
ジェットヘッドの説明図である。
【図3】本発明の第1の実施例に示す積層圧電素子の部
分断面図である(図1に示したyーz平面に於ける部分
断面図である)。
【図4】本発明の第1の実施例の効果を説明するための
従来技術によるインクジェットヘッドの説明図である。
【図5】本発明の第1の実施例の効果を説明するための
従来技術による積層圧電素子の部分断面図である(図1
に示したyーz平面に於ける部分断面図である)。
【図6】本発明による第2の実施例を示すインクジェッ
トヘッドの部分断面図である。
【図7】本発明によるインクジェットヘッドを構成する
積層圧電素子10に印加される電圧パルスVc、Vsと、
積層圧電素子の変位挙動22の対比図である。
【図8】本発明の第3の実施例を説明する圧力発生素子
ユニットの説明図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示すインクジェットヘ
ッドの構造説明図である。
【図10】発明によるインクジェットヘッドを搭載した
インクジェットラインプリンタの説明図である。
【図11】本発明に関する従来技術を説明する、特開平
3−288647号公報に記載の、積層圧電素子を用い
たインクジェットヘッドの構造説明図である。
【図12】本発明に関する従来技術を説明する、特開平
3−274159号公報に記載の、積層圧電素子を用い
たインクジェットヘッドの構造説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 ノズル形成基板 3 スペーサ 4 振動板 5 流路基板 6 圧力室 7 共通インク流路 10 積層圧電素子 11 ベース基板 12 圧電材料層 14 内部正電極 15 内部負電極 30 インクジェットラインヘッド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルと、これ
    らに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧力を発生
    させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電圧を印加
    する電圧印加手段とを有するインクジェットヘッドに於
    て、 前記圧力発生素子が圧電材料層と電極材料層を交互に積
    層して成る積層圧電素子であって、前記電極材料層を構
    成する内部正電極と内部負電極のうち、少なくとも一方
    が、前記圧力室の数の2倍以上に分割して形成されるこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記内部正電極と前記内部負電極のう
    ち、少なくとも一方が、前記圧力室の体積を変化させる
    拡大収縮部と、前記圧力室の隔壁を支持する固定部に対
    応して分割形成されることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記積層圧電素子の少なくとも一表面に
    複数層の前記内部正電極を電気的に接続したセグメント
    電極を形成し、もう一方の表面に複数層の前記内部負電
    極を電気的に接続したコモン電極を形成することを特徴
    とする請求項1または2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インクを吐出する複数のノズルと、これ
    らに連通する複数の圧力室と、該圧力室に圧力を印可す
    る圧電材料層と電極材料層を交互に積層して成る積層圧
    電素子と、該圧力発生素子に電圧を印加する電圧印加手
    段とを有し、前記積層圧電素子の電極材料層を構成する
    内部正電極と内部負電極のうち、少なくとも一方が、前
    記圧力室に対向して分割形成され、選択的な局所変位を
    発生する拡大収縮部を構成するインクジェットヘッドの
    駆動方法であって、 前記拡大収縮部の電極材料層に印加される電圧パルスV
    cに対し、固定部の電極材料層に印加される電圧パルス
    Vsの位相が反転することを特徴とするインクジェット
    ヘッドの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記積層圧電素子を駆動する電圧パルス
    Vc、Vsの立ち上がり時間をT1、立ち下がり時間をT
    2とし、前記積層圧電素子の固有振動周期をTaとする
    とき、T1、T2≧Taなる関係を有することを特徴と
    する請求項4記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
  6. 【請求項6】 インクを吐出する複数のノズルと、これ
    らに連通する複数の圧力室と、該圧力室に圧力を発生さ
    せる圧力発生素子と、該圧力発生素子に電圧を印加する
    電圧印加手段とを有するインクジェットヘッドに於て、 前記圧力発生素子が圧電材料層と電極材料層を交互に積
    層して成る積層圧電素子であって、前記積層圧電素子の
    ヤング率と比重に対して同等以上のヤング率と比重を有
    するベース基板に前記積層圧電素子が保持されることを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ベース基板の熱伝導率が、前記積層
    圧電素子の熱伝導率と同等以上であることを特徴とする
    請求項6記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ベース基板の少なくとも一表面に凹
    凸部を形成することを特徴とする請求項6または7記載
    のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 インクを吐出する複数のノズルと、これ
    らに連通する複数の圧力室と、前記圧力室に圧力を発生
    させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子に電圧を印加
    する電圧印加手段とを有するインクジェットヘッドに於
    て、 前記積層圧電素子の周囲に第2流体を満たし、これを循
    環する手段を有することを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172997A (ja) * 2007-12-28 2009-08-06 Brother Ind Ltd 液体移送装置及び圧電アクチュエータ
JP2009274433A (ja) * 2008-04-18 2009-11-26 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

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