JP3384200B2 - インクジェット記録装置およびその駆動方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびその駆動方法

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JP3384200B2
JP3384200B2 JP19228495A JP19228495A JP3384200B2 JP 3384200 B2 JP3384200 B2 JP 3384200B2 JP 19228495 A JP19228495 A JP 19228495A JP 19228495 A JP19228495 A JP 19228495A JP 3384200 B2 JP3384200 B2 JP 3384200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録を必要とする
時にのみインク滴を吐出して記録紙上に付着させるイン
クジェット記録装置および、それに搭載されるインクジ
ェットヘッドの駆動方法およびそれに適した構造に関す
るものである。更に詳しくは、本発明はこのようなイン
クジェットヘッドを高密度で配置し、低電圧で駆動する
のに適した駆動方法および構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置としては、記録
を必要とする時にのみインク液滴を吐出する、所謂、イ
ンク・オン・デマンド方式のものが、記録に不要なイン
ク液滴の回収を必要としないために主流になってきてい
る。
【0003】この形式のインクジェット記録装置に搭載
されるインクジェットヘッドは、例えば、本願人により
出願された特開平6−71882号、同6−55732
号、同5−50601号の各公報に記載された構造とな
っている。このインクジェットヘッドは、3枚の基板を
積層して、その中央の基板に複数のインクノズルおよび
各ノズルに連通する独立したインク室を区画形成すると
共に、インク室の底壁が面外方向に振動可能な振動板と
して形成された構成となっている。この振動板は、その
裏面およびこれが対峙している下側の基板によって規定
される対向板の表面にそれぞれ配置した対向電極の間に
電圧を印加することによって発生する静電気力を利用し
て振動させるようになっている。振動板の振動によっ
て、インク室の容積が増減し、これによって内部に発生
するインク圧力により、インク液滴がインクノズルから
吐出される。
【0004】インクジェット記録装置に対しては、出力
画像の高品位化と出力速度の高速化が求められており、
したがって、より微細なインク滴をより高い周波数で安
定して吐出させることの可能なインクジェッドヘッドの
開発が急務となっている。このため、メインのインク滴
を高速吐出してその後の不要なインク滴の発生を抑制
し、繰り返してインク滴を吐出する周波数を高くすると
いう、インクジェットヘッドのインク滴の吐出特性を適
切に設定できるようにすることが必要である。そのため
には、インクジェットヘッドのインク室の底に形成した
振動板の振動による内圧の振動を適切に制御することが
重要である。インク室の底壁をインク圧力で変形する薄
肉の振動板とするための技術は、特開平6−32072
5号公報に開示されている。また、駆動方法について
は、特開平2−192947号公報に開示されている。
これらの技術は、インクジェットヘッドの構造で決まる
振動系の固有振動に着目し、この系に固有な振動の発生
を制御するものである。
【0005】この系に固有な振動を、インク滴の吐出時
には大きくし、インク滴の吐出後は小さくすることが良
好なインク吐出特性を得るために必要である。しかし、
これら2つの条件を両立させることは、温度等の環境変
化やインクジェットヘッドの製造誤差により固有振動が
変化するために、非常に難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願人は、イ
ンク室の圧力に応じて変形可能な振動板を備えたインク
ジェットヘッドにおいて、インク室の圧力で振動板が変
形した時に、変形した振動板が当接する位置に、それに
対向して対向板を配置する構成を提案している。この構
成によれば、振動板が対向壁に当たっていない状態で
は、圧力に比例して振動板が撓む。すなわち、単位圧力
に対する壁の変形による容積変化として定義されるコン
プライアンスが一定に保持される。しかるに、振動板が
対向板に当たった後は、圧力の増加に対する振動板の変
形が小さくなる。すなわち、コンプライアンスが変化し
て小さくなる。このコンプライアンスは、インクの振動
系の固有周期の決定に関与するパラメータである。した
がって、振動板が対向板に当たっていない状態とそこに
当たっている状態では固有周期が異なり、当たっている
状態では固有周期が短くなる。また、当たり具合によっ
て固有周期は異なり、インクの吐出時には、大きな正圧
が発生して振動板が対向板に当たり、系の応答性が速く
なり、高速でインク滴を吐出させることができる。逆
に、吐出後では振動板が対向板から離れて系の応答系が
遅くなるので、吐出後の流体運動を緩和できる。さら
に、このように系の特性が非線形で変化するので、特定
の振動が強く発振することがなく、不必要なインク吐出
を抑制することができる。
【0007】ここで、このような形式のインクジェット
ヘッドを高密度で配置するためには、一定の寸法の基板
上にインク室を高密度に配置する必要がある。このため
には、当然に、各インク室の幅を狭くしなければならな
い。インク室の幅を狭くすると、その底面に形成されて
いる振動板の幅も狭くなり、その分、振動板の剛性も高
くなる。振動板の剛性が高くなると、それを振動させる
ために印加しなければならない駆動電圧も高くする必要
がある。
【0008】振動板を振動させるために必要な駆動力、
すなわち、振動板と対向壁の間の対向電極の間に発生す
るクーロン力は、印加電圧の2乗に比例し、対向電極間
の距離に反比例する。したがって、駆動電圧を低く抑え
るためには、対向電極間の距離を規定している振動板と
対向板の隙間を小さくすればよい。しかし、これでは、
振動板の変位が小さくなり、必要なインク滴重量を確保
できなくなってしまう。
【0009】そこで、本発明の課題は、振動板と対向壁
の間に電圧を印加して、クーロン力で振動板を対向壁の
側に撓めてインク滴の吐出を行う形式のインクジェット
ヘッドにおいて、それを高密度に配置しても、駆動電圧
を低く抑え、振動板の変位を充分に確保できるようにす
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、インク室を区画形成している周壁の一
部に面外方向の弾性変位可能な振動板を形成し、この振
動板と振動板に対向した電極との間に駆動電圧を印加す
ることにより発生する静電気力を用いて、当該振動板を
振動させることにより、前記インク室に連通したインク
ノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録装置
の駆動方法において、前記振動板と電極間に、第1の電
圧値で補助的な充放電を行い、インク滴が吐出しない振
幅で、前記振動板が前記電極に接近する状態が繰り返し
形成される小振動状態を形成し、当該小振動状態が形成
された状態で、前記振動板と電極間に、前記第1の電圧
値より大きい第2の電圧値で充電を行い、前記振動板を
前記電極に吸引し、前記振動板と電極間に充電された電
荷を放電し、前記振動板を復帰させてインク滴を吐出さ
せることようにしている。
【0011】上記の小振動状態は、例えば次のようにし
て実現することができる。
【0012】例えば、前記第2の電圧値まで前記振動板
と電極間に充電を行う区間で、少なくとも一回は充電を
停止し、前記振動板と電極間に蓄えられた電荷を一部放
電させ、しかる後に前記第2の電圧値まで充電すること
によって、前記補助的な充放電を行う方法がある。
【0013】ここで、前記補助的な充放電を繰り返し行
って前記振動板を共振状態にすることによって、前記小
振動状態を形成することが望ましい。
【0014】また、前記振動板の一部に、他の振動板の
部分に比べて剛性の低い低剛性部分を形成しておき、前
記静電アクチュエータの充電区間において、少なくとも
当該低剛性部分に前記小振動状態を形成することが望ま
しい。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】本発明の方法によれば、インク滴の吐出に
先立って、振動板が小振動状態となる。この小振動状態
において振動する振動板が対向板の側に接近した状態で
は、それらの隙間が狭くなるので、それらの間には大き
なクーロン力が発生する。したがって、振動している振
動板を対向板に接触させるために必要となる駆動電圧
は、このように振動している場合には、それが対向壁に
接近している状態では、その初期の停止状態の位置にあ
る場合に比べて、小さくてよい。したがって、本発明の
方法によれば、振動板を対向壁に接触させるための駆動
電圧の値、換言すると、インク滴を吐出させるために必
要な駆動電圧の値を低くすることができる。したがっ
て、インクジェットヘッドを高密度で配置したために振
動板の剛性が高くなったとしても、従来と同様な駆動電
圧を用いてインクジェットヘッドを駆動できる。また、
振動板と対向板の隙間も狭くする必要がないので、充分
なインク滴重量も確保されることになる。
【0019】また、振動板に低剛性部分を形成した場合
には、この低剛性部分は他の振動板の部分よりも大きく
振動するので、他の振動板の部分よりも小さな駆動電圧
で容易に対向壁の側に引かれる。振動板の一部が対向壁
の側に接触すると、この部分によって他の剛性の高い部
分も対向壁の側に引かれて接触状態となり易い。したが
って、この低剛性部分を形成しておけば、低い駆動電圧
で、インク滴を吐出することのできる振動板の振動を起
こすことができる。よって、インクジェットヘッドの更
なる高密度化を実現できる。
【0020】一方、本発明は、インクを吐出するインク
ノズルと、このノズルに連通していると共にインクを保
持しているインク室と、このインク室にインクを供給す
るインク供給路と、前記インク室を区画形成している周
壁に形成され、面外方向に弾性変位可能な振動板と、こ
の振動板の対向配置させた対向板と、この対向板に形成
した電極とを有し、前記振動板と電極間の間の充放電を
行い、これらの間に発生する静電気力により前記振動板
を前記対向板の側に接するまで弾性変位させた後に、弾
性復帰力によって反対側に変位させることによりインク
ノズルからインク滴を吐出させるように構成されたイン
クジェット記録装置において、前記振動板と電極間に、
第1の電圧値で補助的な充放電を行い、インク滴が吐出
しない振幅で、前記振動板が前記電極に接近する状態が
繰り返し形成される小振動状態を形成し、当該小振動状
態が形成された状態で、前記振動板と電極間に、前記第
1の電圧値より大きい第2の電圧値で充電を行い、前記
振動板を前記電極に吸引し、前記振動板と電極間に充電
された電荷を放電し、前記振動板を復帰させてインク滴
を吐出させる駆動電圧印加手段を備えて構成されてい
る。
【0021】ここで、駆動電圧印加手段は、前記第2の
電圧値まで前記振動板と電極間に充電を行う過程で、少
なくとも一回は充電を停止し、前記振動板と電極に蓄
えられた電荷を一部放電させる補助的な充放電を行い、
しかる後に前記第2の電圧値まで充電を行い、前記小振
動状態を形成することを特徴とするものである。さら
に、前記補助的な充放電を繰り返して行い、前記振動板
を共振させることが望ましい。
【0022】
【0023】さらには、前記振動板の一部に、他の振動
板の部分に比べて剛性の低い低剛性部分を備えたものと
することが望ましい。このような低剛性部分は、この部
分の板厚を他の振動板の部分よりも薄くすることによっ
て形成することができる。あるいは、前記低剛性部分
は、この部分の幅を他の振動板の部分よりも広くするこ
とによって形成することができる。これらの双方を組み
合わせて、低剛性部分を形成してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施例を説明する。
【0025】図1は本発明を適用したインクジェットヘ
ッドの断面図であり、図2はその平面図であり、図3は
その部分断面図である。
【0026】これらの図に示すように、インクジェッド
ヘッド1は、シリコン基板2を挟み、上側に同じくシリ
コン製のノズルプレート3、下側にシリコンと熱膨張率
が近いホウ珪酸ガラス基板4がそれぞれ積層された3層
構造となっている。中央のシリコン基板2には、その表
面からエッチングを施すことにより、独立した例えば5
つのインク室5と、1つの共通インク室6と、この共通
インク室6を各インク室5に連通しているインク供給路
7としてそれぞれ機能する溝が加工されている。これら
の溝がノズルプレート3によって塞がれて、各部分5、
6、7が区画形成されている。
【0027】ノズルプレート3には、各インク室5の先
端側の部分に対応する位置に、インクノズル11が形成
されており、これらが各インク室5に連通している。ま
た、共通インク室6が位置しているノズルプレート3の
部分には、これに連通するインク供給口12(図2参
照)が形成されている。インクは、外部の図示しないイ
ンクタンクから、インク供給口12を通って共通インク
室6に供給される。共通インク室6に供給されたインク
は、各インク供給路7を通って、独立した各インク室5
に供給される。
【0028】独立した各インク室5は、その底壁51が
薄肉とされて、面外方向、すなわち、図1において上下
方向に弾性変位可能な振動板として機能するように設定
されている。したがって、この底壁51の部分を、以後
の説明の都合上、振動板と称して説明することもある。
【0029】次に、シリコン基板2の下側に位置してい
るガラス基板4においては、その上面であるシリコン基
板2との接合面には、シリコン基板2の各インク室5に
対応した位置に、浅くエッチングされた凹部9が形成さ
れている。したがって、各インク室5の底壁51は、非
常に僅かの隙間Gを隔てて凹部9が形成されたガラス基
板4の表面92に対峙している。したがって、本例では
ガラス基板4が振動板51の対向板として機能する。
【0030】ここで、各インク室5の底壁51は、各イ
ンク室側の共通電極として機能する。そして、各インク
室の底壁51に対峙するように、ガラス基板4の凹部表
面92には、セグメント電極10が形成されている。各
セグメント電極10の表面は無機ガラスからなる絶縁層
15により覆われている。このように、セグメント電極
10の上に形成した絶縁層15と隙間Gを挟み、各イン
ク室底壁51と、対応する各セグメント電極10が対向
電極(静電アクチュエータ)を形成している。
【0031】図2に示すように、インクジェットヘッド
を駆動するための電圧印加手段21は、図示していない
外部からの印字信号に応じて、これらの対向電極間の充
放電を行う。電圧印加手段21の一方の出力は個々のセ
グエント電極10に接続され、他方の出力はシリコン基
板2に形成された共通電極端子22に接続されている。
シリコン基板2自体は導電性をもつため、この共通電極
端子22から底壁51の共通電極に電圧を供給すること
ができる。また、より低い電気抵抗で共通電極に電圧を
供給する必要がある場合には、例えば、シリコン基板の
一方の面に金等の導電性材料の薄膜を蒸着やスパッタリ
ングで形成すればよい。本実施例では、シリコン基板2
とガラス基板4との接続に陽極接合を用いているので、
シリコン基板2の流路形成面側に導電膜を形成してあ
る。
【0032】このように、本実施例では、底壁51と、
これに対して、絶縁膜15および隙間Gを挟んで対峙し
ている対向壁91との間に対向電極を形成してある。電
圧印加手段21からの駆動電圧が対向電極間に印加され
ると、対向電極間に充電された電荷によるクーロン力が
発生し、底壁(振動板)51はセグメント電極10の側
へ撓み、インク室5の容積が拡大する。次に、電圧印加
手段21によって、対向電極間の電荷を急激に放電させ
ると、振動板51はその弾性復帰力によって復帰し、イ
ンク室5の容積が急激に収縮する。この時発生する圧力
により、インク室5を満たすインクの一部が、このイン
ク室に連通しているインクノズル11からインク滴とし
て吐出される。
【0033】(インクジェットヘッドの駆動方法)本実
施例においては、電圧印加手段21よって駆動される対
向電極間の電圧波形は、次のような波形となっている。
【0034】図4(A)には対向電極間の電圧波形の一
例を示してある。図において、時点t4からt7までの
期間で、実際にインクノズル11からインク滴を吐出さ
せるために充放電S1をおこなっている。この充放電S
1は、時点t4からt5が充電区間であり、その後に、
時点t5からt6に渡り、ピーク電圧として一定のイン
ク吐出電圧値V0に保持さる。しかる後の、時点t6か
ら時点t7の区間が放電区間である。本例の充放電S1
は、相対的に、その充電速度が緩やかで、放電速度が急
となっている。
【0035】この充放電S1に先立ち、時点t0からt
3の間には、補助充放電S2が行われる。この補助充放
電S2のピーク電圧V1は、上記のインク吐出電圧値よ
りも低い値である。したがって、この補助充放電S2が
行われても、振動板51が、対向板である基板表面92
に接するまでには至らない。
【0036】このように、本例においては、実際のイン
ク滴の吐出のための充放電に先立ち、補助充放電S2を
行うようにしている。この補助充放電S2を行うと、振
動板51は、対向板表面92に接するまでには弾性変位
しないが、一定の振幅で振動する小振動状態が形成され
る。この小振動状態において、振動板51が振動して対
向板表面92の側に接近すると、それに伴って、振動板
と対向板方面92の間のクーロン力は増加する。このよ
うな接近状態が繰り返し形成される状態で、実際にイン
ク滴の吐出を行わせるための充放電S1を行うと、振動
板51は比較的容易に、対向板表面92の側に吸引され
て、そこに接した状態となる。充電された電荷の放電が
開始されると(時点t6)、弾性復帰力によって振動板
51は、反対側に向けて弾性変位する。この復帰時にイ
ンク室5の内圧は急激に増加して、インクノズル11か
ら所定の量のインク滴が吐出する。
【0037】このように、本例においては、実際のイン
ク滴の吐出に先立って振動板51を小振動させるように
している。したがって、実際のインク滴の吐出に必要と
される振動板51を対向板表面92に接触させるまで変
位させるためのピーク電圧の値V0を小さくすることが
できる。
【0038】このことは、同一の駆動電圧を用いる場合
には、振動板の大きさを小さくすることが可能であるこ
とを意味している。すなわち、例えば、インクジェット
ヘッドの高密度化を図るためには、インク室5を含めて
各構成部分の寸法を小さくする必要がある。インク室5
の寸法を小さくすると、その底壁である振動板51の
幅、長さ寸法も小さくなる。この結果、振動板51の剛
性が高くなってしまい、適切な振動を発生させるために
は大きな駆動電圧が必要となる。あるいは、振動板と対
向壁の隙間Gを小さくする必要がある。隙間を小さくす
ると、振動板の充分な振幅を確保できないので、充分な
インク液量を吐出できないという不具合も発生する。し
かし、本例のように、振動板に小振動状態を形成した後
にインク吐出に必要な電圧値V0まで充電する方法によ
れば、小寸法の振動板であってもそれほど大きな駆動電
圧を必要とすることなくそれを振動させることができ
る。また、隙間Gを狭くしなくても良いので、充分な量
のインク滴を吐出できる。このように、本例によれば、
インクジェットヘッドの高密度化を容易に実現できる。
【0039】図4(B)には、対向電極間の電圧波形の
別の例を示してある。この図に示す例は、上記の場合の
補助充放電S2を繰り返すことにより小振動状態を形成
するものである。図示の例では、補助充放電S2
(1)、S2(2)を行った後に、インク滴吐出用の充
放電S1を行うようになっている。この場合には、充放
電S2の周期を、インクジェットヘッド1の固有周期に
近くなるように設定しておけば、振動板51を、このよ
うな小振動過程において共振させることができる。この
ような共振状態を形成すると、一層低い駆動電圧を用い
て、実際のインク滴の吐出を行わせることができる。
【0040】次に、図4(C)には、対向電極間の電圧
波形の更に別の例を示してある。この例では、インク滴
吐出用のための充放電S1の充電t0からt3までの間
において、少なくも1回は充電を停止し、対向電極に蓄
えられた電荷を一部放電させた後、インク滴吐出が可能
なピーク電圧V0まで充電するようにしている。つま
り、対向電極間の電圧は、一旦降下した後、駆動電圧V
0に至る。例えば、図に示すように、時点t1において
電圧値をV1まで充電した後に、時点t2で再び、電圧
値V2まで放電させる。そして、時点t3から再び電圧
値V3まで充電し、しかる後に、時点t5から再び放電
する。電圧値がV4まで立ち下がった後は、時点t6か
ら、インク吐出用の電圧値V0まで充電する。この後
は、電圧値V0を時点t8まで保持した後に、放電す
る。すなわち、対向電極間の電圧値は、V0から0Vま
で急激に低下する。
【0041】このような充放電を行っても、上記の例と
同様に、低い電圧値V0で実際のインク滴の吐出動作を
実現することができ、インクジェットヘッドの高密度化
を実現できる。また、この場合においても、インク吐出
電圧まで充電する期間t0からt7において、電圧値の
ピークが現れる周期を、インクジェットヘッド1の固有
周期に近くなるように設定しておけば、振動板51を、
このような前振動過程において共振させることができ
る。このような共振状態を形成すると、一層低い駆動電
圧V0を用いて、実際のインク滴の吐出を行わせること
ができる。
【0042】なお、駆動電圧信号における各電圧値V
0、V1等、あるいは電圧印加期間等のパラメータは、
振動板の弾性特性、寸法等に応じて、各具体例に応じ
て、適宜、最適な値に設定すべき性質のものである。
【0043】(振動板の別の例)次に、図5には、振動
板(底壁)51の別の例を示してある。この例の振動板
51Aは、上記の実施例の振動板51における先端側で
あるインクノズル11の位置する側において、他の振動
板の部分よりも板厚を薄くして、低剛性部分51aを形
成した構成となっている。これ以外の構成は、上記の振
動板51と同一である。したがって、図においては、対
応する部分に同一の符号を付して、それらの説明は省略
する。
【0044】低剛性部分51aを形成すると、図4に示
すような充放電を行った場合に、その小振動過程におい
て、低剛性部分51aが最も大きく振動する。そして、
この部分が起点となって、隣接する剛性の高い振動板の
部分が対向板表面92に側に吸引されていくことにな
る。したがって、前述の実施例に比べて、より一層小さ
な電圧値V0を用いて、振動板51Aを、実際にインク
滴を吐出可能な状態まで弾性変位させることができる。
【0045】詳細に説明すると、振動板51の低剛性部
分51aは、他の振動板の部分に比べて、より小さな電
圧を印加するのみで簡単に対向板表面92に吸引されて
そこに密着した状態となる。部分的に密着した状態が形
成されると、その部分が起点となって、振動板はその部
分から徐々に全体に渡って弾性変位が誘起される。この
結果、このような低剛性部分を備えていない場合に比べ
て、振動板の弾性変位を容易に起こさせて、対向壁の側
に密着させることができる。したがって、本例の構成を
採用すれば、振動板に小振動状態を形成することと相ま
って、より小さな電圧値V0を用いてインクジェットヘ
ッドを駆動することができるようになる。
【0046】ここで、低剛性部分51aは、上記のよう
に、その部分の板厚を薄くする代わりに、低剛性部分を
形成したい部分の幅を広くしても形成することができ
る。図6には、このようにして形成した低剛性部分51
bを備えた振動板51Bの例を示してある。この図にお
いて、振動板以外の部分は、上記の各実施例と同一であ
るので、対応する部分には同一の符号を付し、それらの
説明は省略する。
【0047】図6に示すように、本例では、両側および
中央に位置する3個のインク室における振動板51Bの
先端側の部分を他の部分に比べて広幅にして、低剛性部
分51bとしてある。同様に、これらの間にある2個の
インク室における振動板51cではその基端部分を他の
部分に比べて広幅として、低剛性部分51cとしてあ
る。この構成を採用しても、図5に示す例と同様な効果
を得ることができる。
【0048】勿論、低剛性部分を、その部分の板厚を薄
くすると共に、広幅とすることにって形成してもよい。
【0049】(インクジェットヘッドの駆動回路)次
に、上記構成のインクジェットヘッドの駆動回路につい
て図7と図8を用いて説明する。
【0050】図7は、図4に示す対向電極間の電圧波形
を得るための駆動回路の一例をしめすものである。図中
符号は、IN1、IN2は、振動板51を撓ませるため
の充電信号の入力端子で、例えば、図8(a)、(c)
に示す波形の信号が入力する。またIN3、IN4は、
充電状態にある対向電極(振動板51と対向壁91)の
電荷を放電し、振動板51を復元するための放電信号の
入力端子で、例えば図11(b)、(d)に示した波形
の信号が入力する。入力端子IN1にはレベルシフト用
のトランジスタQ1aを介して第1の定電流回路400
が接続されている。定電流回路400は、トランジスタ
Q2a、Q3aと抵抗R1からなり、コンデンサCを一
定電流値で充電するように構成されている。また、入力
端子IN2も、IN1と同様に、トランジスタQ1bを
介して第2の定電流回路410が接続されている。定電
流回路410も、トランジスタQ2b、Q3bと抵抗R
2からなり、コンデンサCを一定電流値で充電するよう
に構成されている。ここで、充電速度に寄与する抵抗R
1とR2の値は、互いに異なり、いずれかの定電流回路
を動作させることにより、2種類の充電速度を選択する
ことが可能である。
【0051】入力端子IN3、IN4は、充電された対
向電極間の電荷を放電し、振動板51を復元するための
放電信号の入力端子であり、各々第3、第4の定電流回
路に接続されている。第3の定電流回路420は、トラ
ンジスタQ4a、Q5a、及び抵抗R3からなり、コン
デンサCの電荷を、入力端子IN3に信号が入力されて
いる期間、一定の電流値で放電させるように構成されて
いる。また、第4の定電流回路430も、トランジスタ
Q4b、Q5b及び抵抗R4からなり、コンデンサCの
電荷を、入力端子IN4に信号が入力されている期間、
一定の電流値で放電させるように構成されている。ここ
で、放電速度に寄与する抵抗R3とR4の値は、互いに
異なり、いずれかの定電流回路を動作させることによ
り、2種類の放電速度を選択することが可能である。
【0052】コンデンサCの端子はトランジスタQ6、
Q7、及びQ8、Q9をダーリントン接続してなる電流
増幅回路を介して出力端子OUTに接続されている。出
力端子OUTには、トランジスタT,T,T・・・を介
してインクジェットヘッドのアクチュエータを構成して
いる全ての対向電極(振動板51とセグメント電極1
0)が接続されている。
【0053】これにより、いずれかの充電信号が入力し
ている状態では、コンデンサCが一定の電流で充電され
るので、この状態でドットを形成すべきノズルの対向電
極に接続するトランジスタT,T,T・・・をドット形
成信号等で選択してオンにすると、トランジスタT,
T,T・・・を介して対向電極が充電される。そして、
いずれかの放電信号が入力すると、コンデンサCが放電
されるので、充電されている対向電極の電荷が、ダイオ
ードD,D,D・・・を介して放電されることになる。
【0054】次にこのように構成した駆動回路の動作を
図8に示した波形図を用いて説明する。端子IN1に図
8に示した補助充電信号(a)が入力すると、その立ち
上がりエッジによりトランジスタQ1aがオンになり、
これにより第1の定電流回路400を構成しているトラ
ンジスタQ2aがオンとなり、これに接続されているコ
ンデンサCに抵抗R1を介して電流が流れ込む。
【0055】そして、抵抗R1の端子電圧がトランジス
タQ3aのベース−エミッタ間電圧となっており、かつ
トランジスタQ3aがオンの状態では、これのベース−
エミッタ間電圧が一定であるから、コンデンサCに流れ
込む電流は、一定値に維持されることになる。
【0056】この結果、コンデンサの端子電圧は、図8
(e)に示したように0ボルトから一定の勾配τ1で直
線的に上昇する。この勾配τ1は、抵抗R1の抵抗値、
またはコンデンサCの静電容量を調整することにより、
変化する。つまり、抵抗R1の抵抗値を調整することに
より、対向電極間の充電速度を所定の値に設定できる。
【0057】コンデンサCの端子電圧は、トランジスタ
Q6,Q7で増幅されて出力端子OUTから各対向電極
間に印加され、ドット形成信号で選択的にオンとなって
いるトランジスタT,T,T・・・を介して特定の対向
電極間だけが所定の勾配τ1で充電される。(図11
(e)のt1までの区間)これにより、振動板51がセ
グメント電極10側に所定の速度で吸引されるが、補助
充電のピーク電圧V1は、インク吐出電圧より低い値で
あるため、振動板51が、対向板である基板表面92に
接するまでには至らない。
【0058】補助充電信号のパルス幅Taに規定された
時間が経過すると(時点t1)、トランジスタQ1aが
オフとなるから、コンデンサCの充電が停止する。この
結果対向電極間の電圧はV1に保持され、振動板51
が、セグメント電極10側に電圧V1に相当する静電引
力をうけた状態で維持される。
【0059】所定時間Thが経過すると、IN3に補助
放電信号が入力される。(図8(b))これにより、第
3の定電流回路420を構成しているトランジスタQ4
aがオンとなり、コンデンサCの電荷が、抵抗R3を介
して放電される。この抵抗R3の端子電圧は、トランジ
スタQ5aのベース−エミッタ間電圧となっているの
で、前述の第1、第2の定電流回路400と同様に作用
して抵抗R3を流れる電流を一定値に維持する。
【0060】これにより、コンデンサCの端子電圧は、
抵抗R3の抵抗値に基づいた勾配τ2で直線的に降下す
る。この立ち下がり電圧は、トランジスタQ8,Q9を
介して出力端子OUTに印加されるが、ドットを形成す
べきノズルの対向電極間にだけ充電されているので、こ
れらの対向電極だけがダイオードD,D,D・・・を介
して立ち下がり勾配τ2により放電され、振動板51
は、これにより定まる速度で静電引力から解放される。
【0061】以上述べたように、期間toからt3にお
いて、補助充放電がなされ、振動板51は、対向板表面
92に接するまでには弾性変位しないが、一定の振幅で
振動する小振動状態が形成される。尚、補助放電信号
(b)のパルス幅Tbは、対向電極間の電荷が完全に放
電された後に立ち下がるように予め設定されている。
【0062】補助充放電終了後、時点t4において、I
N2に充電信号が入力され(図8(c))、これに接続
されているコンデンサCに抵抗R2を介して電流が流れ
込む。補助充電時と同様に、コンデンサCに流れ込む電
流は、一定値に維持されるから、コンデンサの端子電圧
は、図8(e)に示したように0ボルトから一定の勾配
τ3で直線的に再び上昇する。この勾配τ3は、抵抗R
3の抵抗値を調整することにより、予め所定の値に設定
されており、ドット形成信号で選択的にオンとなってい
るトランジスタT,T,T・・・を介して特定の対向電
極間だけが所定の勾配τ3で充電される。(図8(e)
の区間t4からt5)これにより、振動板51は、対向
板である基板表面92に接するまで、セグメント電極1
0側に所定の速度で吸引され、インク室5が膨張して、
共通インク室6からインク室5にインクが流れ込む。
【0063】インク吐出用の充電信号のパルス幅Tcに
規定された時間が経過すると(時点t5)、トランジス
タQ1bがオフとなるから、コンデンサCの充電が停止
する。この結果対向電極間の電圧はVoに保持され、振
動板51が、セグメント電極10側に吸引された状態で
維持される。
【0064】所定時間Tiが経過すると、IN4に放電
信号が入力される。(図8(d))これにより、第4の
定電流回路430を構成しているトランジスタQ4bが
オンとなり、コンデンサCの電荷が、抵抗R4を介して
放電される。これにより、コンデンサCの端子電圧は、
抵抗R4の抵抗値に基づいた勾配τ4で直線的に降下す
る。この立ち下がり電圧は、トランジスタQ8,Q9を
介して出力端子OUTに印加されるが、ドットを形成す
べきノズルの対向電極間にだけ充電されているので、こ
れらの対向電極だけがダイオードD,D,D・・・を介
して立ち下がり勾配τ2により放電され、振動板51
が、弾性復帰力によってインク室内方に急激に弾性変位
して、インク吐出動作が行われる。尚、吐出用放電信号
(d)のパルス幅Tdは、対向電極間の電荷が完全に放
電された後に立ち下がるように予め設定されている。
【0065】以上述べたように、期間t4からt7にお
いて、吐出用の充放電がなされるが、これに先だって、
補助充放電が行われて、一定の振幅で振動する小振動状
態が形成されている。従って、単独でインク吐出用の充
放電を行う場合に比べ、インク吐出電圧Voを低くする
ことができる。
【0066】尚、図8に示す例では、補助充放電を1回
行う例をしめしたが、図4(B)に示すように吐出用充
放電に先だって、補助充放電信号を繰り返しても良い。
また、蓄えられた電荷が、全て放電しないように、補助
放電信号の長さを調節すれば、図4(C)に示すような
充放電波形を得ることもできる。更に本例では、4つの
定電流回路を用意することで、2組の充放電速度を得て
いるが、例えば吐出用の充電速度と補助充電の充電速度
が、ほぼ等しくて良い場合は、これらの充電時の勾配
は、1つの定電流回路で得ることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッドにおいては、そのインク室の底壁を形成し
ている振動板を振動させてインク滴の吐出を行うに当た
って、実際にインク滴を吐出させるために必要な駆動電
圧を印加するのに先立って、振動板に、インク滴が吐出
することのない範囲内の振動(小振動状態)を起こさせ
るようにしている。したがって、本発明によれば、振動
板と対向板の隙間を小さくすることなく、振動板をイン
ク滴が吐出するように振動させるために必要な駆動電圧
値を低くすることができる。よって、振動板を小さくす
ることができ、インクジェットヘッドの高密度配置を容
易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの概略
縦断面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの一部を示す概略
横断面図である。
【図4】(A)、(B)および(C)は、それぞれ、図
1のインクジェットヘッドの駆動電圧信号を示す信号波
形図である。
【図5】図1のインクジェットヘッドの振動板に低剛性
部分を形成した例を示す概略縦断面図である。
【図6】図1のインクジェットヘッドの振動板に低剛性
部分を形成した別の例を示す概略平面図である。
【図7】図1のインクジェットヘッドの駆動回路の一実
施例を示す回路図である。
【図8】図7の駆動回路の動作を示す信号波形図であ
る。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 基板 3 ノズルプレート 4 ガラス基板 5 インク室 51、51A、51B 振動板(インク室の底壁) 51a、51b 低剛性部分 6 共通インク室 7 インク供給路 9 凹部 91 対向壁 92 対向板表面 10 電極 11 インクノズル 12 インク供給口 21 電圧印加手段 22 共通電極端子 G 振動板と対向壁の隙間 S1 インク滴吐出用の充放電時の対向電極間の電圧
波形 S2 補助充放電時の対向電極間の電圧波形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−318766(JP,A) 特開 平6−55732(JP,A) 特開 平5−338165(JP,A) 特開 平6−320725(JP,A) 特開 昭59−143652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク室を区画形成している周壁の一部
    に面外方向の弾性変位可能な振動板を形成し、この振動
    板と振動板に対向した電極との間に駆動電圧を印加する
    ことにより発生する静電気力を用いて、当該振動板を振
    動させることにより、前記インク室に連通したインクノ
    ズルからインク滴を吐出するインクジェット記録装置の
    駆動方法において、前記振動板と電極間に、第1の電圧値で補助的な充放電
    を行い、インク滴が吐出しない振幅で、前記振動板が前
    記電極に接近する状態が繰り返し形成される小振動状態
    を形成し、 当該小振動状態が形成された状態で、前記振動板と電極
    間に、前記第1の電圧値より大きい第2の電圧値で充電
    を行い、前記振動板を前記電極に吸引し、 前記振動板と電極間に充電された電荷を放電し、前記振
    動板を復帰させてインク滴を吐出させること を特徴とす
    るインクジェット記録装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記補助的な充放電
    は、前記第2の電圧値まで前記振動板と電極間に充電を
    行う区間で、少なくとも一回は充電を停止し、前記振動
    板と電極間に蓄えられた電荷を一部放電させ、しかる後
    に前記第2の電圧値まで充電することによって行われる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記補助的
    充放電を繰り返し行って前記振動板を共振状態にする
    ことによって、前記小振動状態を形成することを特徴と
    するインクジェット記録装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、前記振
    動板の一部に、他の振動板の部分に比べて剛性の低い低
    剛性部分を形成しておき、少なくとも当該低剛性部分に
    前記小振動状態を形成することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 インクを吐出するインクノズルと、この
    ノズルに連通していると共にインクを保持しているイン
    ク室と、このインク室にインクを供給するインク供給路
    と、前記インク室を区画形成している周壁に形成され、
    面外方向に弾性変位可能な振動板と、この振動板に対向
    配置させた対向板と、この対向板に形 成した電極とを有
    し、前記振動板と電極間の間の充放電を行い、これらの
    間に発生する静電気力により前記振動板を前記対向板の
    側に接するまで弾性変位させた後に、弾性復帰力によっ
    て反対側に変位させることによりインクノズルからイン
    ク滴を吐出させるように構成されたインクジェット記録
    装置において、前記振動板と電極間に、第1の電圧値で補助的な充放電
    を行い、インク滴が吐出しない振幅で、前記振動板が前
    記電極に接近する状態が繰り返し形成される小振動状態
    を形成し、当該小振動状態が形成された状態で、前記振
    動板と電極間に、前記第1の電圧値より大きい第2の電
    圧値で充電を行い、前記振動板を前記電極に吸引し、前
    記振動板と電極間に充電された電荷を放電し、前記振動
    板を復帰させてインク滴を吐出させる駆動電圧印加手段
    を備えたこと を特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項において、駆動電圧印加手段
    は、前記第2の電圧値まで前記振動板と電極間に充電を
    行う過程で、少なくとも一回は充電を停止し、前記振動
    板と電極に蓄えられた電荷を一部放電させる補助的な
    充放電を行い、しかる後に前記第2の電圧値まで充電を
    行い、前記小振動状態を形成することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記補助
    充放電を繰り返し行い、前記振動板を共振させるよう
    になっていることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のうちの何れかの項に
    おいて、前記振動板の一部に、他の振動板の部分に比べ
    て剛性の低い低剛性部分を備え、少なくともこの低振動
    部分に前記小振動状態が形成されることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項において、前記低剛性部分は、
    この部分の板厚を他の振動板の部分よりも薄くすること
    によって形成されたものであることを特徴とするイクジ
    ェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、前記低剛
    性部分は、この部分の幅を他の振動板の部分よりも広く
    することによって形成されたものであることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
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