JPH09314837A - インクジェットヘッド並びにそれを用いた印刷装置及びその制御方法 - Google Patents

インクジェットヘッド並びにそれを用いた印刷装置及びその制御方法

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JPH09314837A
JPH09314837A JP7220897A JP7220897A JPH09314837A JP H09314837 A JPH09314837 A JP H09314837A JP 7220897 A JP7220897 A JP 7220897A JP 7220897 A JP7220897 A JP 7220897A JP H09314837 A JPH09314837 A JP H09314837A
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JP
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ink
electrostatic actuator
diaphragm
voltage
pressure
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JP7220897A
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Masahiro Fujii
正寛 藤井
Mari Sakai
真理 酒井
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インク滴を吐出させるための圧力の発生時には
インク室の圧力を効率よく利用でき、かつインク滴吐出
後にはサテライトの発生を防止する。吐出するインク滴
の質量を可変に制御し、静電アクチュエータを用いるイ
ンクジェットヘッドのインクノズルの高密度化を駆動電
圧を高めることなく実現する。 【解決手段】インクジェットヘッド1は、インク室5の
一部を構成する振動板8に他の部分8bより駆動コンプ
ライアンスの高い部分8aを、振動板8と対向する対向
壁91とを有し、インク滴を吐出させるための圧力の発
生時には駆動コンプライアンスの高い部分8aが対向壁
に当接してコンプライアンスが極めて低い状態となり、
インク滴の吐出後は当該部分8aが対向壁から離れてコ
ンプライアンスの高い状態となり、インク系の振動によ
るインク室の圧力を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドの構造に関し、特にインクに吐出圧力を加える圧力発
生室内の圧力を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にインクジェットヘッドは、インク
を加圧してインク滴を吐出するための圧力発生室を備え
ており、その一端はインク供給路を経てインクタンクに
連通し、他端にはインク滴を吐出させるノズル開口が設
けられている。そして、圧力発生室の一部を変形しやす
く形成してダイヤフラムとして用い、これを電気機械変
換手段によって弾性変位させることによってノズル開口
からインク滴を吐出する圧力を発生させている。
【0003】このようなインクジェットヘッドを用いた
記録装置は低騒音、低消費電力等の優れた特徴を有し、
情報処理装置用の出力装置として広く普及している。そ
して、情報処理装置の高性能化に伴って出力文字及び画
像の更なる高品位化と出力の高速化が求められており、
より微細なインク滴をより高い周波数で安定して吐出さ
せる技術を開発することが急務となっている。
【0004】インク滴吐出周波数(インク室の残留振
動を押さえる技術)について インクジェットヘッドは上記の構造から、インク滴吐出
後に圧力発生室(インクが充填されていることからイン
ク室ともいう。以下インク室と称する。)内にインクの
振動が残留し、これにより不所望のインク滴の吐出(サ
テライトともいう)が起こりやすい。また、飛翔するほ
どのサテライトが発生しなくても、インクの残留振動に
よりノズルからインクが湧き出るように盛り上がり、ノ
ズルの周囲が不均一に濡れてしまう。このようにノズル
の周囲が不均一に濡れると、その後吐出されるインク滴
の飛翔方向が定まらず、印字品質を低下させる原因とな
っていた。
【0005】従来はこれを避けるため、インク室とイン
クタンクとを繋ぐインク供給路の流路抵抗を高く設定し
て、当該インクの残留振動の減衰を早めるようにしてい
た。しかし、インク供給路の流路抵抗が高いと、インク
滴吐出後にインク室へインクを補充、供給する速度が低
下するから、インク滴吐出の最高周波数、ひいては記録
装置の出力速度が低下してしまう。
【0006】そこで、出願人は特開平6−320725
号公報において、インク室内の圧力に応じて変形する弾
性壁をダイヤフラムの薄肉部として形成し、この薄肉部
によってインク室の残留振動を吸収して不所望のインク
滴吐出を回避する技術を開示した。これによれば残留振
動があってもインク滴の吐出には至らないため、インク
供給路の流路抵抗を高く設定する必要がなく、従ってイ
ンク滴吐出周波数を高めることができるのである。
【0007】高画質化(ドットの大きさを可変とする
技術)について 画像の品質を向上させるには、形成するドットの大きさ
を変えることによって濃淡の表現を可能にすることが望
ましい。インクジェットヘッドを用いた記録装置の出力
するドットの大きさは種々の条件によって決まるが、イ
ンクジェットヘッドによって吐出されるインク滴の大き
さ(吐出重量ともいう)に応じて変えることができる。
特開昭55−79171号公報には、インク室に大きさ
の異なる複数の電歪手段を設け、それぞれを独立に駆
動、制御することによって種々の大きさのインク滴を吐
出する技術が開示されている。
【0008】高画質化(ドットの高密度化)について 通常、インクジェットヘッドは複数のノズルをほぼ直線
上に配置して有しており、これを用いた記録装置はイン
クジェットヘッドと記録紙とをこの直線と略直交する方
向に相対的に移動することによって二次元の画像を出力
する。従って、ドット密度を高めて高画質を達成するた
めには、隣接するノズル同士の間隔(ノズルピッチとも
いう)を狭めることが必要である。この点、出願人が開
発し、実用化した静電アクチュエータを用いたインクジ
ェットヘッドは、半導体と類似の製造プロセスが適用で
きることから、高密度化に最も適したもののひとつであ
る。このインクジェットヘッドの基本構造は、特開平5
−50601号公報においてすでに開示したとおりであ
り、インク室の幅を狭くし、長さを増すことによってイ
ンク滴の大きさを変えることなくノズルピッチを狭める
ことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
技術はそれぞれ以下のような解決すべき課題を有してい
た。 インク滴吐出周波数(インク室の残留振動を押さえる
技術)について 特開平6−320725号公報において開示した技術に
よれば、ダイヤフラムに設けた薄肉部によってインク室
のコンプライアンス(単位圧力に対する容積変化量)が
低下しており、従ってサテライトは抑制できるものの、
インク滴吐出時にはダイヤフラムによって発生する圧力
がインク滴の吐出に有効に用いられないためにインク滴
の安定な吐出に必要な吐出速度が得られないという問題
があった。また、充分な吐出速度を確保するためにダイ
ヤフラムの駆動力を増大させた場合には、より高い駆動
電圧を必要とするので、駆動装置が大型化し、消費電力
も増大した。
【0010】高画質化(ドットの大きさを可変とする
技術)について また、特開昭55−79171号公報に開示されている
技術思想によれば、ダイヤフラムを変形させるための、
大きさの異なる複数のアクチュエータをそれぞれ駆動し
なければならず、そのための配線数が増大してノズルの
高密度化の妨げとなっていた。また、それぞれのアクチ
ュエータを独立に駆動しなければならないため、ドライ
バの数が増大して装置の小型化の障害となっていた。
【0011】高画質化(ドットの高密度化)について また、特開平5−50601号公報において開示した静
電アクチュエータを用いたインクジェットヘッドにおい
ては、上記のようにインク滴の大きさを変えずにノズル
ピッチを狭めることが可能である。しかし、この場合に
は、後述するようにダイヤフラムのコンプライアンスが
かなり増大してしまい、このため静電アクチュエータの
駆動に極めて高い電圧を必要とするという問題があっ
た。一般に駆動電圧が高いほど駆動装置の負担が大き
く、また不要輻射の対策も容易ではないため、このよう
なインクジェットヘッドを記録装置に実際に搭載するこ
とが困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のインクジェットヘッドは、インク滴を吐出
するためのノズルと、このノズルに連通して設けられイ
ンクに圧力を加えるための圧力室と、この圧力室にイン
クを供給するインク供給路と、インク滴を吐出するため
の吐出圧力を圧力室に発生させる圧力発生手段とを有す
るタイプのインクジェットヘッドであって、更に、圧力
室のインクの振動に伴って従動振動する従動振動手段
と、この従動振動手段に当接して従動振動を制限する振
動規制手段とを有し、この振動規制手段は、少なくとも
インク滴を吐出させるための圧力の発生時においては、
従動振動手段の従動振動を制限することができるように
構成されていることを特徴とする。このように構成され
ているので、インク滴を吐出させるための圧力の発生時
にはインクの振動によって従動振動手段が振動をするこ
とがないので、圧力発生手段によって発生する圧力がイ
ンク滴の吐出のために有効に利用される。また、その後
はインクの振動は従動振動手段によって吸収されるの
で、サテライトの発生を抑制することができる。
【0013】この場合において、ノズル、圧力室、イン
ク供給路及び圧力発生手段から成るインクジェットヘッ
ドユニットを複数連設してあっても、インク滴吐出時と
待機時とでインク系の固有振動数が異なるので、隣接す
るインクジェットヘッドユニット相互の間での共振の発
生を抑える効果がある。
【0014】また、圧力室の一の壁部に設けられた弾性
壁を従動振動手段とすることも可能であり、圧力室の外
部であって弾性壁に対向する位置に設けられた対向壁を
振動規制手段として用いることができる。この場合にお
いて、振動規制手段に弾性壁を対向壁に当接させる弾性
壁変形手段を有するようにしてもよい。この弾性壁変形
手段は、例えば弾性壁と対向壁とに設けた導電手段とし
てもよく、電圧の印加に応じて弾性壁と対向壁との間に
吸引力を発生し、当接状態及び非当接状態を選択的に実
現することができる。
【0015】上記の圧力発生手段として、圧力室の一の
壁を構成する振動板とこの振動板に対向して圧力室の外
部に設けられた対向壁とを対向電極として用いるととも
に、この対向電極間に印加される駆動電圧に応じて振動
板の弾性変位を生じる静電アクチュエータを用いること
が好ましい。この場合には、振動板の一部に他の部分よ
り低い駆動電圧によって弾性変位を生じる高駆動コンプ
ライアンス部を形成して従動振動手段とし、これに対向
する対向壁を振動規制手段とすることができる。
【0016】この場合において、圧力室を、一の端部に
インク供給路が、他の端部にノズルがそれぞれ連通した
細長い形状とし、高駆動コンプライアンス部をインク供
給路に連通する端部に近接して設けることが望ましい。
これにより駆動電圧を印加した場合には高駆動コンプラ
イアンス部が始めに変形してインク供給路を介してイン
クを吸引し、その後ノズルに向かって振動板の変形が伝
搬していくので、インク供給路からノズルへ向かうイン
クの流れが発生し、これにより円滑なインクの供給が行
われる。
【0017】振動板の高駆動コンプライアンス部は、他
の部分より低い剛性を有する低剛性部として構成するこ
とができる。具体的には、振動板に他の部分より薄い部
分を形成してもよく、振動板が細長い形状をしている場
合には、振動板の長手方向の一部に他の部分より広い幅
を有する部分を形成しても得ることができる。
【0018】また、振動板が、任意の自然数Nに対し、
値が単調に減少する第1乃至第N+1の隙間を有して対
向壁と対向する第1乃至第N+1の部分を有するように
構成した場合には、第2以降の部分が高駆動コンプライ
アンス部として機能する。この場合において、振動板の
第1乃至第N+1の部分は、対向壁を階段状に形成する
ことによって構成することができる。
【0019】一方、本発明の印刷装置は、圧力発生手段
として、圧力室の一の壁を構成する振動板とこの振動板
に対向して圧力室の外部に設けられた対向壁とを対向電
極として用いるとともに、この対向電極間に印加される
駆動電圧に応じて振動板の弾性変位を生じる静電アクチ
ュエータを用い、その振動板は、任意の自然数Nに対
し、値が単調に減少する第1乃至第N+1の隙間を有し
て対向壁と対向する第1乃至第N+1の部分を第1乃至
第N+1の順に連続配置して成る本発明のインクジェッ
トヘッドを用いるための印刷装置である。この印刷装置
は、インクジェットヘッドの駆動手段として、振動板の
第1乃至第N+1の部分がすべて対向壁に当接可能な第
1の駆動電圧と、振動板の第2乃至第N+1の各部分に
ついて、当該部分より小さい番号の部分の当接が解除さ
れるとともに当該部分の当接が維持される駆動電圧であ
る、第2乃至第N+1の駆動電圧と、振動板の第1乃至
第N+1の部分の当接がすべて解除される第N+2の駆
動電圧とを、それぞれ実質的に異なるタイミングで静電
アクチュエータに印加可能な駆動回路を有していること
を特徴とする。
【0020】載の印刷装置において、この場合におい
て、この駆動回路は、静電アクチュエータに充放及び放
電を行う充放電回路を含み、この充放電回路は、少なく
とも第1の駆動電圧にまで静電アクチュエータを充電可
能な充電回路と、少なくとも第2乃至第N+1の駆動電
圧を実質的に同一のタイミングで印加できる速度で静電
アクチュエータを放電可能な第1の放電回路と、少なく
とも第2乃至第N+1の駆動電圧を実質的に異なるタイ
ミングで印加できる、第1の速度より小さい第2の速度
で静電アクチュエータを放電可能な第2の放電回路とを
有するようにしてもよい。また、インクジェットヘッド
が複数のインクジェットヘッドユニットから成る場合に
おいては、駆動回路は、印刷データに対応して開閉する
複数のスイッチ手段を有し、充放電回路は複数の静電ア
クチュエータの対向電極の一方に共通に接続され、対向
電極の他方には、駆動回路のスイッチ手段が個別に接続
されるようにすることが望ましい。
【0021】また、本発明の印刷装置の制御方法は、上
記の本発明の印刷装置において、静電アクチュエータに
第1の駆動電圧を印加する第1の工程と、この第1の工
程から第1の時間が経過した後に、第2乃至第N+2の
内の1の駆動電圧を静電アクチュエータに印加する第2
の工程と、第2の工程から第2の時間が経過した後に、
第N+2の駆動電圧を前記静電アクチュエータに印加す
る第3の工程とを有することを特徴とする。この場合に
おいて、印刷データに応じて第2乃至第N+1の駆動電
圧の内から1の駆動電圧を選択する工程を、第2の工程
に先行して行うようにしてもよい。これにより、インク
滴の吐出に寄与する振動板の部分を選択することができ
るので、印刷データに応じて吐出するインク滴の質量を
変えることができる。これにより階調印刷が可能とな
る。
【0022】また、駆動回路が上記の充放電回路を有す
る場合には、少なくとも第1の駆動電圧まで静電アクチ
ュエータの充電を行う第1の工程と、この第1の工程か
ら第1の時間が経過した後に、第2乃至第N+2の内の
1の駆動電圧まで第1の速度で静電アクチュエータの放
電を行う第2の工程と、第2の工程の後に、第2の速度
で静電アクチュエータの放電を行う第3の工程とを有す
る制御方法が望ましい。
【0023】更に、インクジェットヘッドが複数のイン
クジェットヘッドユニットを有して成る場合は、印刷デ
ータに応じてスイッチ手段の開閉状態を設定する工程を
第1の工程の前に実行することが必要である。
【0024】また、更に、本発明の印刷装置の制御方法
は、上記の本発明の印刷装置において、前記静電アクチ
ュエータに前記第1の駆動電圧を印加する第1の工程
と、該第1の工程の後に、前記第N+2の駆動電圧を前
記静電アクチュエータに印加する第2の工程と、該第2
の工程から所定時間が経過した後に、前記第2乃至第N
+1の内の1の駆動電圧を前記静電アクチュエータに印
加する第3の工程と、該第3の工程の後に、再度、前記
第N+2の駆動電圧を前記静電アクチュエータに印加す
る第4の工程とを有することを特徴とする。前記第1、
第2の工程でインク滴が吐出された後に圧力室に残留す
る振動を前記第3の工程により、より能動的に抑制する
ことができるので、インク滴吐出後にサテライトが発生
したり、ノズル周囲に不均一な濡れが生じることなく、
高い周波数で効率よくインクジェットヘッドを駆動する
ことができる。
【0025】このように、前記第3の工程により圧力室
に残留する振動をより効率的に抑制するためには、ノズ
ルに近い位置の前記振動板と前記対向壁の隙間が他の位
置に比べ狭く構成されているインクジェットヘッドを用
いることが好ましい。
【0026】また、駆動回路が上記の充放電回路を有す
る場合は、前記第1の駆動電圧まで前記静電アクチュエ
ータの充電を行う第1の工程と、該第1の工程の後に、
前記第1の速度で前記静電アクチュエータの放電を行う
第2の工程と、該第2の工程から所定時間経過した後
に、前記第2乃至第N+1の内の1の駆動電圧まで前記
静電アクチュエータの充電を行う第3の工程と、該第3
の工程の後に、前記第2の速度で前記静電アクチュエー
タの放電を行う第4の工程とを有する制御方法が望まし
い。
【0027】
【発明の実施の形態】
(静電アクチュエータの動作原理の説明)図1は本発明
を適用したインクジェットヘッドの断面図であり、図2
はその平面図であり、図3はその部分断面図である。こ
れらの図に示すように、インクジェッドヘッド1は、シ
リコン基板2を挟み、上側に同じくシリコン製のノズル
プレート3、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸
ガラス基板4がそれぞれ積層された3層構造となってい
る。中央のシリコン基板2には、それぞれ独立した複数
のインク室5、これらに共通に設けられた共通インク室
6及びこの共通インク室6を複数のインク室5にそれぞ
れ接続しているインク供給路7としてそれぞれ機能する
溝が、その表面(図中、上面)からエッチングを施すこ
とにより形成されている。これらの溝がノズルプレート
3によって塞がれて、各部分5、6、7が区画形成され
ている。
【0028】ノズルプレート3には、各インク室5の先
端側の部分に対応する位置に、インクノズル11が形成
されており、これらが各インク室5に連通している。ま
た、ノズルプレート3には共通インク室6に連通するイ
ンク供給口12(図2参照)が形成されている。インク
は、外部の図示しないインクタンクから、インク供給口
12を通って共通インク室6に供給される。共通インク
室6に供給されたインクは、インク供給路7を通って、
互いに独立したインク室5にそれぞれ供給される。
【0029】インク室5は、その底壁8が図1の上下方
向に弾性変位可能なダイヤフラムとして機能するように
薄肉に形成されている。したがって、この底壁8の部分
を、以後の説明の都合上、ダイヤフラム8と称して説明
することもある。
【0030】次に、シリコン基板2の下面に接している
ガラス基板4においては、その上面、即ちシリコン基板
2との接合面には、シリコン基板2の各インク室5に対
応した位置に、浅くエッチングされた凹部9が形成され
ている。したがって、各インク室5の底壁8は、非常に
僅かの隙間を隔てて、ガラス基板4の凹部9の表面92
と対峙している。なお、ガラス基板4の凹部9はインク
室5の底壁8に対向しているので、振動板対向壁あるい
は単に対向壁91と称する。
【0031】ここで、各インク室5の底壁8は、それぞ
れ電荷を蓄えるための電極として機能する。そして、各
インク室5の底壁8に対峙するように、ガラス基板4の
凹部表面92には、セグメント電極10が形成されてい
る。各セグメント電極10の表面は無機ガラスからなる
厚さG0の絶縁層15により覆われている(図3参
照)。このように、セグメント電極10と各インク室底
壁8とは、絶縁層15を挟んで互いに対向電極(電極間
距離をGとする)を形成している。
【0032】図2に示すように、インクジェットヘッド
を駆動するための駆動回路21は、図示していない外部
からの印字信号に応じて、これらの対向電極間の充放電
を行う。駆動回路21の一方の出力は個々のセグメント
電極10に直接接続され、他方の出力はシリコン基板2
に形成された共通電極端子22に接続されている。シリ
コン基板2には不純物が注入されており、それ自体が導
電性をもつため、この共通電極端子22から底壁8に電
荷を供給することができる。また、より低い電気抵抗で
共通電極に電圧を供給する必要がある場合には、例え
ば、シリコン基板の一方の面に金等の導電性材料の薄膜
を蒸着やスパッタリングで形成すればよい。本実施例で
は、シリコン基板2とガラス基板4とを陽極接合によっ
て結合させているので、その必要からシリコン基板2の
流路形成面側に導電膜を形成してある。
【0033】図3に図2のIII−III断面を示す。駆動回
路21から対向電極間に駆動電圧が印加されると、対向
電極間にクーロン力が発生し、底壁(振動板)8はセグ
メント電極10の側へ撓み、インク室5の容積が拡大す
る(図3(b))。次に、駆動回路21によって、対向
電極間の電荷を急激に放電させると、振動板8はその弾
性復元力によって復元し、インク室5の容積が急激に収
縮する(図3(c))。この時インク室内に発生する圧
力により、インク室5を満たすインクの一部が、このイ
ンク室に連通しているインクノズル11からインク滴と
して吐出される。
【0034】次に、対向電極間への印加電圧と振動板8
の挙動との関係を図4を参照して説明する。図4は振動
板8が変位した場合の、セグメント電極10からの距離
と振動板8に作用する力との関係を示す図である。図
中、直線は振動板8の復元力を示し、振動板8がギャッ
プ長G1(後述する例におけるように、ギャップ長が複
数ある場合にはそれぞれG2又はG3)の位置からセグ
メント電極に向かって変形するに従い、変形量に比例し
て復元力が増加することがわかる。そして、その傾き
(絶対値)はコンプライアンスを表しており、コンプラ
イアンスが大きいほど傾きは小さくなる。また、曲線は
対向電極間に発生するクーロン力を示し、一定の印加電
圧のもとでは対向電極間の距離の2乗に反比例する。そ
して、クーロン力は印加電圧の2乗に比例するので、曲
線(a)は印加電圧を増加すると矢印Aの方向へ、減少
させると矢印Bの方向へそれぞれ変化する。図中、G0
は図3に示す絶縁層15の厚みであり、この位置で振動
板8は対向壁に当接することとなる。
【0035】ギャップ長がG1の場合について説明する
と、d1及びd2は振動板8の復元力と対向電極間に作
用するクーロン力とが釣り合う位置であり、d1は不安
定な釣合点、d2は安定な釣合点である。即ち、一定の
電圧を印加した場合には振動板8はG1からd2へ変位
して停止し、その後外力を加えてd2、d1間まで変形
させても、その外力がなくなれば再びd2まで戻って釣
り合う。しかし、外力によって一度d1を越えてセグメ
ント電極に接近した場合には当接位置、即ちG0まで変
位し、その後外力が除去されても当接した状態が維持さ
れるのである。
【0036】今、ギャップ長がG1である振動板8を対
向壁に当接させようとする場合には、図4(b)に示す
高い電圧を対向電極間に印加する。これにより、クーロ
ン力を示す曲線(b)はG1を通る直線との交点、即ち
釣合点d1及びd2を有さない状態となり、振動板8は
一気に当接位置G0まで変位する。なお、実際にはこれ
より低い電圧であってもd1とd2との距離が接近して
いる場合には、電圧を急激に印加することによって振動
板8の変形にd1を越えるオーバシュートを起こさせ、
これにより当接位置まで引き込ませることができる。
【0037】また、ギャップ長がG3の場合には、振動
板8を対向壁に当接させるための電圧は図中(d)に示
す曲線に対応する値となる。従って、この場合はギャッ
プ長がG1の場合に比べて高い電圧を必要とするのであ
る。このように、ギャップ長を異ならせることによって
振動板8を対向壁91に当接させるのに必要な電圧を異
ならせることができる。ここでは、振動板を対向壁に当
接させるのに必要な電圧の高低を表す概念として駆動コ
ンプライアンスを定義する。即ち、当該電圧が高いほど
振動板は撓みにくいと考えられるから、駆動コンプライ
アンスは低いとするのである。
【0038】また、ギャップ長を同一としても駆動コン
プライアンスを異ならせることができる。図5はギャッ
プ長をG1に統一し、振動板のコンプライアンスを異な
らせた例について、振動板に作用する力の関係を示した
ものである。コンプライアンスの低い振動板の場合、即
ちG1を通る直線の傾きが大きい場合には、上記の当接
電圧は曲線(b)に対応する高い電圧となり、逆に振動
板のコンプライアンスが高い場合、即ち直線の傾きが小
さい場合には、曲線(a)に対応する低い電圧を印加す
ることにより、振動板を対向壁に当接させることができ
る。従って、振動板のコンプライアンスが高いほど上記
の駆動コンプライアンスが高いことになる。
【0039】次に、振動板8を復元させようとする場合
には、放電などによって印加電圧を図4(c)に示す低
い電圧まで下げる。これにより、振動板8は安定な釣合
点d2へ向かってその復元力とクーロン力との差によっ
て定まる加速度で移動を開始する。従って、以降の印加
電圧の降下を速やかに行えば振動板8の復元加速度をイ
ンク滴の吐出に充分なものとすることができ、また、印
加電圧の降下を徐々に行えば振動板8の復元加速度を抑
えてインク滴の吐出を行わないように制御することもで
きる。
【0040】(振動板のコンプライアンスの説明)ここ
で、振動板8のコンプライアンスについて説明してお
く。振動板の変形によってインク室の体積変化が生じる
ことから、ここでは振動板8のコンプライアンスをそれ
に作用する単位圧力に対するインク室の容積変化量と定
義している。ところで、振動板8はインクノズルのピッ
チを狭めるために、インクノズルの隣接する方向(図2
の上下方向)の寸法(以下、「幅」と呼ぶ。)を極力小
さく、これと直交する方向の寸法(「長さ」と呼ぶ。)
を大きく設計されている。例えば、幅200マイクロメ
ートルに対し、長さ3ミリメートルという具合である。
従って、図6に示すように、圧力またはクーロン力等の
等分布荷重が作用した場合の振動板8の変形量において
は、長さ方向の両端部を除いて、幅方向の剛性が支配的
となる。従って、振動板8の形状とコンプライアンス
(Cm)との間には次の関係があることがわかってい
る。
【0041】Cm = K・L・W5/T3 K:定数 L:長さ W:幅 T:厚さ 即ち、振動板8のコンプライアンス(Cm)は振動板8
の長さ(L)に比例し、幅の5乗に比例し、厚さ(T)
の3乗に反比例するのである。
【0042】また、いうまでもないが、振動板8が対向
壁に当接している状態では、コンプライアンスは0と考
えてよい。仮に振動板8の中央部が幅の3分の1だけ当
接した場合でも、コンプライアンスは、幅の5乗に比例
するので、100分の1以下となるからである。以上を
踏まえて、本発明の具体的な実施形態を以下に詳細に説
明する。
【0043】[例1](振動板にコンプライアンスの異
なる部分を設けた例) 図1に戻って本発明の第1の実施例を説明する。本実施
例では、振動板8は圧力発生室5の長手方向に、その厚
さの薄い部分8aと厚い部分8bとを有している。振動
板8を対向壁に当接させた後、電圧印加を解除して放電
させると、クーロン力が無くなり、振動板8はその弾性
エネルギにより復元しようとする。この時、厚い部分8
bは弾性エネルギが大きいため、薄い部分8aより速く
応答し、インク室5の容積を急激に収縮させて高いイン
ク圧力を発生させる。
【0044】一方、薄い部分8aは、蓄えられていた弾
性エネルギが小さいため、緩やかに復元しようとする
が、厚い部分8bの復元により発生したインク圧力によ
って復元が妨げられ、対向壁に当接した状態を維持す
る。上述のように、この状態では対向壁に当接している
薄い部分8aのコンプライアンスは非常に小さい。即
ち、インク滴の吐出に際してインク室5の剛性は高く
(コンプライアンスが小さい)、高いインク圧が発生す
るのでインク滴を高速度で吐出させることができる。
【0045】このインク室5のインク圧は急激に高くな
ってインク滴の吐出を引き起こした後、振動板の厚い部
分8bの動きに対応して急激に低下する。この際、圧力
が所定の値にまで低下したとき、振動板の薄い部分8a
は対向壁から離れる。このように対向壁から離れている
状態では、振動板8の薄い部分8aは大きいコンプライ
アンスを有するため、インク室5の剛性は低下し(コン
プライアンスが大きくなり)、インクの流れの振動を緩
和し、インク滴吐出後のノズルメニスカスの振動が小さ
く抑えられる。
【0046】その後、インク流れの振動は、インクの粘
性抵抗やインク供給路の流路抵抗により徐々に減衰す
る。薄い部分8aは対向壁に当接することなく、インク
室5の圧力を吸収して振動するので、サテライトの発生
を抑えることができる。従って、インクの粘度を高めた
り、インク供給路の抵抗を高めたりする必要がないの
で、インクの吸引に必要な時間を短くすることができ、
次のインク滴吐出迄の時間間隔を短く抑えることができ
る。即ち、インク滴吐出の周波数を高くすることができ
る。
【0047】ところで、インク滴吐出時にインク室5に
発生する圧力によって薄い部分8aを対向壁に当接させ
るには、振動板8の厚さ及び対向壁との空隙の距離を適
切に設定する必要がある。例えば、インク室を1インチ
当たり90個の密度で配置させる場合について具体的に
述べる。インク室の幅を200μm、長さを3mm、薄
い部分の厚さを3μm、厚い部分の厚さを5μm、薄い
部分の長さを0.8mm、厚い部分の長さを2.2m
m、振動板8と対向壁(絶縁層15)との空隙の距離を
1μmとする。この時、薄い部分は、およそ1気圧の圧
力で対向壁に当接する。コンプライアンスは振動板の厚
さの3乗に反比例し長さに比例するから、薄い部分と厚
い部分とのコンプライアンスの比率はおよそ2対1とな
る。従って、薄い部分が対向壁に当接すると、コンプラ
イアンスがおよそ3分の1に減少し、インクの固有振動
周期は4割も短くなる。即ち、インク室5はインク滴の
吐出後は吐出時の3倍軟らかくなり、インク滴を高速で
吐出させ得るとともに、その後のインクノズルのメニス
カスの振動を十分に小さく抑えることができる。
【0048】本実施例では、振動板8そのものを対向電
極の一方として用いるため、振動板にボロン(元素記号
B)をドーピングしている。また、ボロンの濃度に応じ
てエッチングの速度が異なるから、これを利用して厚さ
の異なる部分を振動板に容易に形成することができた。
即ち、シリコン基板1の裏面よりBを拡散させる際に、
その一部をマスクすることで、ボロン濃度の高い層の深
さを変え、エッチングでこの層を残すことで厚さの異な
る部分を振動板に形成した。
【0049】次に、本発明の第1の実施例の変形例を、
図7に示すインクジェットヘッドの平面図を用いて説明
する。本実施例では、インク室24の幅を一部広くし、
積層するガラス基板23の凹部29の幅もインク室24
の幅に対応して広く形成し、この部分で振動板28の幅
を広く構成した(幅広部28a)。また、インク室24
をより高密度に配置するため、隣接するインク室24で
は幅広部28aをインク室の長手方向にずらして配置し
た。
【0050】上述のように、振動板のコンプライアンス
は幅の5乗に比例するから、この幅広部28aは、他の
部分28bより大きいコンプライアンスを有する。本実
施例では、幅広部28aの幅を他の部分28bの1.3
倍に設定し、インク室24のコンプライアンスの2分の
1を幅広部28aに持たせてある。従って、この幅広部
28aが対向壁に当接すると、圧力発生室24のコンプ
ライアンスが2分の1となり、インク吐出時のインク流
れの応答性を高くすることが出来る。また、振動板の幅
広部28aに対応して、セグメント電極10の幅も広く
形成(幅広部30)し、更に低い電圧で幅広部28aを
対向壁に当接させ得るように構成した。
【0051】上記の第1の実施例において、振動板の内
の他の部分に比べてコンプライアンスを大きく設定した
部分(8a及び28a)は、駆動回路21によりセグメ
ント電極10との間に電圧を印加すると、他の部分(8
b、28b)よりも容易にたわみ、より低い電圧で対向
壁に当接する。そして、電圧印加により低コンプライア
ンス部8a、28aがたわんで当接すると、他の部分8
b、28bの低コンプライアンス部との境界部分がこれ
に引かれ、不安定な釣合点を越えて対向壁に当接する。
そして、この作用が振動板全体に伝播していき、結果と
して低コンプライアンス部がない場合に比べ、かなり低
い電圧で振動板全体を対向壁に当接させることが可能と
なった。
【0052】このことは、同一の駆動電圧を用いる場合
には、インク滴の吐出に関与する振動板のコンプライア
ンスを小さくすることが可能であることを意味してい
る。このことは、インクノズルの高密度化に有利であ
る。すなわち、インクジェットヘッドの高密度化を図る
ためには、インク室5の底壁である振動板の幅寸法を小
さくすることが必要であり、上述のとおり、コンプライ
アンスは幅の5乗に比例して小さくなってしまうからで
ある。
【0053】また、低コンプライアンス部から徐々に変
形して当接するという作用に着目して、以下のような変
形例が可能である。図8はその変形例のインクジェット
ヘッドの断面図である。本実施例では、剛性の低い振動
板8aをインク室5のインク供給路7側に形成した。こ
れによれば、振動板8の弾性変位は、インク室5の基端
側であるインク供給側から発生し、この弾性変位がイン
ク吐出側に向けて伝搬していく。インク供給路5からノ
ズル11に向かう方向、すなわち、インクを供給すべき
方向にインクの流れを引き起こすように、振動板8の弾
性変位が発生するのである。従って、インクの供給が速
やかに行われ、インク吐出周波数を高めることが可能に
なった。
【0054】[例2](振動室にギャップの異なる部分
を設けた例) (振動板と対向壁の隙間)次に、本発明の第2の実施例
につき、図9を参照して詳細に説明する。先ず、本実施
例における振動板51と対向壁91との間隔Gについて
説明する。図に示すように、各振動板51の裏面は平坦
面となっている。これに対して、ガラス基板4の側の対
向壁91は、インク室5の長手方向に向けて階段状に深
さが異なるように構成されている。インク室5の基端
側、すなわち、インク供給路7の側の振動板部分とそれ
が対峙している対向壁91の部分とのギャップG1が最
も小さく構成されている。この隙間G1に隣接した、振
動板51の中程の部分では、対向壁91との間にこれよ
りも大きな中程度のギャップG2が形成される。そし
て、インクノズル11に近い側の振動板部分と対向壁9
1の間には最も大きなギャップG3が形成されている。
これらのギャップは、正確には、図3に示すように、セ
グメント電極10の上面から振動板51の裏面までの距
離、即ち電気的ギャップとする。なお、機械的ギャップ
はこれらから絶縁層15の厚さG0を差し引いたものと
なる。ここで、振動板51と対向壁91の隙間Gは、イ
ンク室の長手方向に向けて、最も小さな隙間G1の部分
と、中程度の隙間G2の部分と、最も大きな隙間G3の
部分が、その基端側から先端側に向けてこの順序で形成
されている。したがって、インク滴を吐出させる際に、
対向壁との当接状態を維持させておく振動板51の部分
を増減することによって、インク滴吐出時におけるイン
ク室のコンプライアンスを変化させ、インク振動系の固
有振動数を増減することができる。また、同時にインク
滴吐出に寄与する振動板51の変位体積も変化させるこ
とができる。これにより、吐出されるインク液滴の量を
調整できる。一般に、インク振動系の固有振動数が高け
ればより微少なインク滴を吐出することができ、振動板
の変位体積が小さいほど吐出されるインク滴の量が少な
い。
【0055】例えば、図10に示すように、最も小さな
隙間G1の部分においてのみ、振動板51の部分51a
が対向壁91の側に吸引された状態を維持しながら、振
動板51の他の部分51b、51cを駆動すれば、コン
プラインスは振動板の長さに比例するのであるあら、対
向壁91に密着している部分51aの長さ分だけコンプ
ライアンスを小さくでき、したがって、振動板の全体を
振動させる場合に比べて、インクの振動系の固有周期が
短くなり、より微少なインク滴を高速で吐出させること
ができる。
【0056】また、本例のように、小さな隙間G1の部
分を形成しておくと、振動板51の対応する部分51a
は、大きな隙間が形成されている場合に比べて、より小
さな駆動電圧を印加するのみで簡単に対向壁91の側に
吸引されてそこに密着した状態となる。図11に示すよ
うに、このように部分的に密着した状態が形成される
と、その部分が起点となって、振動板はその部分から徐
々に全体に渡って弾性変位が誘起される。振動板の他の
部分が51aの部分に引かれて不安定な釣合点を越え、
対向壁に当接するまで変位するからである。従って、小
さなギャップG1が形成されていない場合に比べてより
小さな電圧で駆動することができる。これにより、第1
の実施例において述べたのと同様の理由により、インク
ノズルの高密度化が容易に達成できる。
【0057】ここで、本例では、隙間を、インク室5の
基端側から先端側に向けて大きくなるように形成してあ
る。これにより、図11に示すように、振動板の変位は
インク供給路からインクノズルに向かって進行する。し
たがって、第1の実施例において述べたのと同様の理由
により、インクの供給を円滑に行うことが可能となり、
インク吐出周波数を高めることができる。
【0058】なお、本例においては、隙間Gを大、中、
小の3段階に形成したが、2段階に形成してもよく、あ
るいは4段階以上に細かに形成してもよい。また、本例
のように平坦面を階段状に形成して異なる隙間を形成す
る代わりに、曲面もしくは斜面を利用して徐々に変化す
る隙間を形成することもできる。
【0059】(インクジェットヘッドの駆動回路)次
に、上記構成のインクジェットヘッドに電圧を印加して
これを駆動する電圧印加手段21として好適な駆動回路
について説明する。図12に駆動回路の例を、図13に
その動作シーケンスをそれぞれ示す。図中、IN1は対
向電極(振動板51とセグメント電極10)間に電荷を
蓄積することによって振動板51を撓ませるための充電
信号である。充電信号IN1はレベルシフト用のトラン
ジスタQ1を介して第1の定電流回路400に入力され
る。定電流回路400は、主としてトランジスタQ2、
Q3と抵抗R1とからなり、コンデンサCを一定の電流
値で充電するように構成されている。
【0060】IN2は充電状態にある対向電極から電荷
を取り除いて振動板51を復元させるための放電信号で
ある。図中、410は吐出量制御回路であり、第1、第
2のワンショットマルチバイブレータMV1、MV2か
ら構成されている。第1のワンショットマルチバイブレ
ータMV1は、放電信号IN2が入力されたときにパル
ス幅Txの信号を出力する。第1のワンショットマルチ
バイブレータMV1から出力されるパルス幅Txは、本
例では、吐出制御信号によって3種類のパルス幅から選
択できるように構成されている。具体的には、ワンショ
ットマルチバイブレータの出力パルス幅を決定するため
の時定数回路の時定数を、接続する抵抗を切り替えるこ
とによって変更している。尚、抵抗の切り替えはトラン
ジスタ等によるスイッチ回路等の周知の技術を用いて容
易に行うことができる。第2のワンショットマルチバイ
ブレータMV2は、第1のワンショットマルチバイブレ
ータMV1から出力されるパルスの立ち下がりに同期し
て、パルス幅Tdの信号を出力する。
【0061】第1のワンショットマルチバイブレータの
出力は第2の定電流回路420に、第2のワンショット
マルチバイブレータの出力は第3の定電流回路430に
それぞれ入力されている。第2の定電流回路420は、
主としてトランジスタQ4、Q5、及び抵抗R2からな
り、第1のワンショットから入力される信号に基づきT
xの期間、コンデンサCの電荷を一定の速度で放電させ
るように構成されている。また、第3の定電流回路43
0は、主としてトランジスタQ10、Q11、及び抵抗
R2より大きい抵抗値を有する抵抗R3からなり、第2
のワンショットから入力される信号に基づきTdの期
間、コンデンサCの電荷を第2の定電流回路420より
低い一定の速度で放電させるように構成されている。
【0062】コンデンサCの端子はトランジスタQ6、
Q7、Q8及びQ9からなるバッファを介して出力端子
OUTに接続されている。そして、出力端子OUTには
インクジェットヘッドの共通電極端子22が接続され、
また、トランジスタTの出力がそれぞれのセグメント電
極10に接続されている。
【0063】これにより、充電信号IN1がアクティブ
となっている間はコンデンサCが一定の電流で充電さ
れ、この時、ドットを形成すべきノズルのセグメント電
極に対応するトランジスタTをオン状態にしておけば対
向電極間に充電が行われてコンデンサCと同じ電圧とな
る。一方、放電信号が入力されると、コンデンサCが放
電されるので、充電状態にある対向電極間の電荷が、ダ
イオードDを介して放電されることになる。
【0064】次にこのように構成した駆動回路の動作を
図13に示したタイミング図を用いて説明する。充電信
号IN1(a)がアクティブとなると、その前端により
トランジスタQ1、第1の定電流回路400のトランジ
スタQ2が順次にオンとなり、コンデンサCは抵抗R1
で定まる一定の電流値をもって充電される。
【0065】この結果、コンデンサCの端子電圧は、図
12(c)に示したように0ボルトから一定の勾配τ1
で直線的に上昇する(図12(e)のt1までの区
間)。この勾配τ1は、抵抗R1の抵抗値、またはコン
デンサCの静電容量によって定まる。つまり、抵抗R1
の抵抗値を大きくすることにより、コンデンサC及びこ
れにバッファを介して接続されている対向電極の充電速
度をより小さく設定できる。なお、この速度はインク室
へのインクの吸引速度等を勘案して定められる。これに
より、振動板51がセグメント電極10側に吸引されて
変位しインク室5が膨張するので、インク供給路を経由
して共通インク室6からインク室5にインクが流れ込
む。
【0066】充電信号IN1をToの期間の経過後(時
刻t1)にインアクティブとすると、トランジスタQ
1、Q2がオフとなるから、コンデンサCの充電が停止
する。この結果対向電極間の電圧はt1における電圧V
oに保持され、振動板51は、セグメント電極10に当
接した状態で停止している。
【0067】更に、所定時間Thが経過すると、放電信
号IN2がアクティブとなる(図12(b))。これに
より、吐出量制御回路410の第1ワンショットマルチ
バイブレータMV1から出力された信号(図7(c))
によって第2の定電流回路420を構成しているトラン
ジスタQ4がオンとなり、コンデンサCの電荷を抵抗R
2で定まる速度でTxの期間放電させる。これにより、
コンデンサCの端子間電圧は、抵抗R2の抵抗値に基づ
いた勾配τ2で直線的に降下する。
【0068】第1のワンショットマルチバイブレータM
V1の出力パルス幅Txで定まる時間が経過すると、ト
ランジスタQ4がオフとなって第2の低電流回路420
による放電が停止すると同時に、吐出量制御回路410
の第2ワンショットマルチバイブレータMV2からの信
号(図7(d))により第3の定電流回路430を構成
しているトランジスタQ10がオンとなり、コンデンサ
Cの電荷は、今度は抵抗R3を介して放電され始める。
【0069】この抵抗R3の抵抗値は抵抗R2のそれよ
りも大きい値に設定されており、コンデンサCの端子間
電圧はそれまでよりも小さい勾配τ3で直線的に降下す
る。尚、第2のワンショットマルチバイブレータMV2
から出力される信号のパルス幅Tdは、対向電極間の電
荷が完全に放電され得る時間及びインク滴吐出周波数を
考慮して設定される。
【0070】(インクジェットヘッドの駆動方法)次
に、上記構成のインクジェットヘッドの駆動方法につい
て図14及び図15を用いて説明する。図14には対向
電極間の電圧波形の一例を示してある。対向電極間の電
圧が時点t1にピーク電圧Voまで上昇するように、充
電が行われ(V10)、その後、時点t2まで、ピーク
電圧Voが保持される(V11)。更にその後、以下に
説明するように放電が行われ、インク滴が吐出される。
【0071】本例では、対向電極間電荷の放電過程にお
いて、時間に対する電圧降下の傾きが急な第1の区間V
12と、この第1の区間に連続して、電圧降下の傾きが
緩やかな第2の区間が形成されている。すなわち、対向
電極間の電圧がピーク電圧Voで保持される期間t1か
らt2の後に、時点t2で放電が開始されて、電圧降下
の急な第1の区間V12に沿って電圧がVaまで降下
し、この電圧値になった時点t3の後は、緩やかな電圧
降下の第2の区間V13に沿って電圧が零まで降下す
る。
【0072】ここで、本例の電圧印加手段21において
は、第1の区間V12における降下電圧の目標値を変更
可能となっており、例えば、図に示すように、電圧V
a、Vb、Vcに切り換え可能となっている。具体的に
は、上述のワンショットマルチバイブレータMV1の出
力パルス幅を選択することによって実現している。例え
ば電圧Vb、Vcに切り換えられた時には、この電圧ま
で降下した後は区間V14及びV15において区間V1
3と同一の速度で放電させるようになっている。
【0073】ここで、対向電極間の電圧を、区間V12
の傾きで降下させた後に、電圧Vaの時点t3から波形
部分V13に沿って緩やかに降下させるように放電した
場合には、振動板51は次のように動作する。対向電極
間の電圧が電圧Vaの時点まで降下する間に、大きな隙
間G3の振動板51の部分51cが弾性復元力によって
対向壁91の表面91aから最初に離れてインク室5の
内方に向けて弾性変位する。
【0074】図15には振動板51の弾性変位状態を示
してあり、実線がこの場合の動作を示している。この後
は、電圧降下は緩やかに行われるので、中程度の隙間G
2の部分51b、最も小さな隙間G1の部分51aが順
次に対向壁91から離れて弾性復帰力によってインク室
側に戻る。しかし、これらの部分51b及び51aが対
向壁91から離れる時点ではすでにインク滴の吐出が終
了しており、したがって、基本的には、最も大きな隙間
G3の部分に対向する振動板51の部分51cによる弾
性復元エネルギによって発生するインク室5内のインク
圧力によってインク滴の吐出が行われる。インク滴の吐
出時には中程度の隙間G2の部分51bおよび最も小さ
な隙間G1の部分51aは対向壁91の表面91bおよ
び91aにそれぞれ接した状態にあり、したがって、イ
ンクの振動系のコンプライアンスは小さくなっている。
よって、その固有周期を短くでき、微少なインク滴を高
速で吐出させることができる。また、インク滴の吐出後
は振動板の部分51b及び51aは対向壁91から離れ
た状態となっているのでインク振動系のコンプライアン
スは大きくなっており、第1の実施例において説明した
ように、その後のインクの振動によるサテライトの発生
を防止することができる。
【0075】これに対して、区間V12の傾きで電圧が
Vbにまで降下した時点から波形部分V14に沿って緩
やかに電圧を降下させた場合には、振動板51は、図1
5において破線で示すように、振動板の、最も大きな隙
間G3の部分および中程度の隙間G2の部分に対応する
部分51c、51bが、対向壁の部分91c、91bか
らほぼ同時に離れて弾性復元力によってインク室5の内
側に変位して、インクの吐出が行われる。この場合に
は、振動板51の、最も小さな隙間G1の部分に対応す
る部分51cは対向壁91の表面91cに接した状態と
なっており、インク吐出動作に寄与しない。したがっ
て、図15において実線で示す場合、即ち振動板の51
cの部分のみによってインクを吐出する場合に比べて、
インク吐出時のインク振動系のコンプライアンスが大き
く、また、振動板の変位量のうちの、インク吐出に寄与
する部分も多いので、インク滴の吐出量が多くなる。
【0076】一方、対向電極間にかかる電圧の放電を電
圧がVcになるまで急激に行った場合には、図15にお
いて二点鎖線で示すように、振動板51の全体が弾性復
元力によってインク室内方に弾性変位してインク吐出動
作に寄与する。したがって、この場合には、対向壁91
に接している振動板の部分が無く、コンプライアンスは
最も大きくなり、大きなインク滴を吐出することができ
る。
【0077】このように、対向電極間の放電時における
電圧の降下特性、即ち放電速度を変えることにより、イ
ンクノズル11のインク滴吐出特性、特に、インク滴の
吐出速度及び重量を変えることができる。
【0078】[例3](その他の例) 図16は、インク室5の長手方向に沿った断面図で、共
通インク室6、インク供給路7、インク室5とつながる
流路が流路形成基板44に形成され、この流路形成基板
44の一方の面をノズルプレート3で塞ぎ、他方の面を
振動板48で封止し流路を形成してある。ノズルプレー
ト3にはノズル11が形成されており、インク室5に連
通している。インク室5の底壁となる振動板48には、
細長い圧電素子40が接続されており、この圧電素子4
0の他方の端部はフレーム42に固定されている。この
圧電素子40に電圧を印加すると、圧電素子40は固定
部を支点にして長さ方向(図中、上下方向)、即ち振動
板48に垂直に伸縮し、インク室5の容積を増加及び減
少させる。この圧電素子40による圧力発生手段は、大
きな力を発生することが可能であり、インク滴を高速に
吐出させることができる。インク滴吐出後のインク流れ
の残留振動による不要なインク滴の吐出を防止するため
に、インク室5に、インクの圧力で変形する弾性壁47
が配置されている。しかし、このような弾性壁を設ける
と、圧電素子40の駆動力が弾性壁47に吸収されてし
まい、インク滴の吐出速度が低下してしまうため、駆動
効率の低いインクジェットヘッドとなってしまう。そこ
で、本実施例では、インク室5の端部に形成した弾性壁
47に対向する位置に、適当なギャップを有して当接部
43を形成した。即ち、固定基板41の、弾性壁47に
対向する部分は、周囲に深く溝を形成た島状の凸部43
とし、その面を固定基板41の面から僅かに凹ませるこ
とによって弾性壁47との間に微少なギャップを形成し
た。その周囲の溝は、振動板48(弾性壁47を含む)
と固定基板41との接合に用いる接着剤が上記のギャッ
プへ流入しないように設けられている。
【0079】この構成によれば、弾性壁47は、インク
滴吐出時の高い正圧に対しては対向壁43に当接するた
め大きくたわむことは無く、従ってインク滴を高い圧力
で吐出させるように機能し、吐出後の低い正圧及び負圧
に対しては当該圧力に比例してたわむので圧力の急激な
変化を緩和し、サテライトの発生を防止するように機能
する。
【0080】[例4](残留振動を能動的に抑制する
例)次に、本発明の第4の実施例につき、図17及び図
18を参照して詳細に説明する。
【0081】図17は本発明に適用されるインクジェッ
トヘッドの一例を示す断面図であり、図9に示すインク
ジェットヘッドと同様に3枚の基板2、3、4を積層す
ることにより形成されるものであり、同一部分には同一
符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0082】シリコン基板1の下面に接しているガラス
基板3においては、その上面、即ちシリコン基板1との
接合面には、シリコン基板1の各インク室5に対応した
位置に、浅くエッチングされた凹部9が形成されてい
る。したがって、各インク室5の底壁8は、非常に僅か
の隙間を隔てて、ガラス基板3の凹部9の表面92と対
峙している。
【0083】凹部9のノズル11側の表面の一部は、表
面92から底壁8側に突出した表面92aが設けられて
いて、表面92aと底壁81の間隔は、この部分以外の
表面92と底壁82の間隔より更に小さくなっている。
【0084】ここで、各インク室5の底壁8は、それぞ
れ電荷を蓄えるための電極として機能する。そして、各
インク室5の底壁8に対峙するように、ガラス基板3の
凹部表面92には、セグメント電極10が形成されてい
る。各セグメント電極10の表面は無機ガラスからなる
厚さG0の絶縁層15により覆われている。このよう
に、セグメント電極10と各インク室底壁8とは、絶縁
層15を挟んで互いに部分的に電極間距離が異なる対向
電極を形成している。即ち、対向電極の電極間距離は、
ノズル付近では、小さな隙間G1で、その他の部分では
大きな隙間G2となるように形成されている。
【0085】振動板8の隙間G1に対応する部分81
は、他の部分82に比べ、より小さな駆動電圧を印加す
るのみで簡単に対向壁92aの側に吸引され、密着した
状態になる。従って、振動板の全域が対向壁92に密着
する大きさの駆動電圧と、振動板8の部分81のみが密
着する大きさの駆動電圧の2種類の駆動電圧により、振
動板8を大きく振動させ、インク滴の吐出を行う駆動モ
ードと、振動板8を部分的に振動させ、ノズル近傍のイ
ンクの残留振動を抑制する駆動モードを得ることができ
る。なお、符号12は、共通インク室6にインクを供給
するためのインク取込口である。
【0086】図18は、対向電極間の電圧波形と、ノズ
ルのメニスカスの変動を示す説明図である。
【0087】本実施例は、対向電極間に、インク滴の吐
出を行うための主パルスP1を印加した後、所定時間後
に、インク滴の吐出により発生した圧力室5内の残留振
動を抑制するための補助パルスP2を印加する例を示す
ものである。
【0088】対向電極間の電圧が時点t1にピーク電圧
Voまで上昇するように、充電が行われ(V10)、こ
れにより、振動板8のギャップG2に対応する部分8
2、ギャップG1に対応する部分81共に、個別電極1
0a、10b側に撓む。このとき、圧力室5内には、負
の圧力が発生し、メニスカスも負方向(圧力室側)に変
位する。
【0089】その後、時点t2まで、ピーク電圧Voが
保持される(V11)。更にその後、メニスカスが最も
引き込まれるタイミングを見計らって、対向電極間を0
Vまで急激に放電する。(V12)、これにより振動板
8の全ての部分81、82が個別電極10より離れ、振
動板5の弾性復元力により圧力室5内に正の圧力が発生
し、インク滴がノズル11より吐出される。図18にお
いて、斜線で示すメニスカスの正方向の変位v1がイン
クは滴の吐出に寄与する部分である。区間V12では、
圧力室5内に急激な圧力変動を発生させる放電速度(第
1の速度)で放電が行われる。
【0090】インク滴の吐出後、メニスカスは流路固有
の固有振動数で周期的に振動し徐々に元の位置に戻る。
上述の吐出のためのパルスP1の印加を行った以降、後
述する補助パルスP2を与えない場合、メニスカスは、
図18に想像線で示す波形w2のように変動する。残留
振動を示す波形w2において、正方向にメニスカスが変
位する部分v2、v3では、インクがノズルより湧出
し、ノズルの周囲を不均一に濡らしてしまう。前述した
ように、このようにノズル周囲が不均一に濡れると以降
吐出されるインク滴がノズル面に対して略垂直な方向に
飛翔せず、印字品質を劣化させる原因となる。
【0091】このような不具合を防止するため、本例で
は、以下に説明する補助パルスP2を対向電極間に印加
している。即ち、インク滴を吐出するための主パルスP
1の放電を開始(時点t2)してから、所定時間経過し
た時点t3から、対向電極間の電圧が時点t4に、電圧
V0より低い電圧V1まで上昇するように、再び充電が
行われる(V20)。その後時点t5まで、電圧V1が
保持され(V21)、時点t5から第1の速度より遅い
第2の速度で放電が行われる(V22)。
【0092】このように補助パルスP2を主パルスP1
印加後に加えることにより、振動板8のギャップG1に
対応する部分81のみが、個別電極10a側に撓み、圧
力室内5の残留振動が抑制される。即ち、ノズル近傍の
振動板81のみを撓ませて、ノズル面の外方向に変位す
るメニスカスを圧力室5側にひき込むように補助パルス
P2が与えられる。これによりメニスカスは図の波形w
1に示すように変位し、ノズル面からのインクの湧出を
防止することができる。
【0093】なお、補助パルスP2印加時は、振動板5
の変位する領域、振幅とも、主パルスP1に比べ小さ
く、また、補助パルスP2の後端の傾きで示される放電
速度も小さいため、補助パルスP2の印加自体でメニス
カスの振動が増長されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの実施例を示す
概略縦断面図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの実施例の平
面図である。
【図3】図1に示すインクジェットヘッドの実施例の作
用を示す概略横断面図であり、(a)は待機時、(b)
はインク吸引時、(c)はインク圧縮時をそれぞれ示す
図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの動作を説明す
る図であり、対向電極間の距離と、作用する力との関係
を示す図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの動作を説明す
る図であり、対向電極間の距離と作用する力との関係を
示す図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの振動板の変形
状態を説明する説明図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッドの実施例の平面
構造を示した図である。
【図8】本発明のインクジェットヘッドの実施例の概略
断面図である。
【図9】本発明のインクジェットヘッドの第2の実施例
を示す概略断面図である。
【図10】図9に示すインクジェットヘッドの第2の実
施例の動作を説明する図である。
【図11】図9に示すインクジェットヘッドの第2の実
施例の動作を説明する図である。
【図12】図9に示すインクジェットヘッドの第2の実
施例に好適な駆動回路の一例を示す回路図である。
【図13】図12の駆動回路の動作を示す信号波形図で
ある。
【図14】図9に示すインクジェットヘッドの第2の実
施例に好適な駆動方法を説明する図であり、対向電極間
の電圧波形を示す波形図である。
【図15】図9に示すインクジェットヘッドの第2の実
施例における振動板の弾性変位状態を示す説明図であ
る。
【図16】本発明のインクジェットヘッドの第3の実施
例を示す概略断面図である。
【図17】本発明のインクジェットヘッドの第4の実施
例を示す概略断面図である。
【図18】図17に示すインクジェットヘッドの第4の
実施例における対向電極間の電圧の変化とノズルのメニ
スカスの変動の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 基板 3 ノズルプレート 4 ガラス基板 5 インク室 51 振動板(インク室の底壁) 51a 最も小さな隙間に位置している振動板の部分 51b 中程度の隙間に位置している振動板の部分 51c 最も大きな隙間に位置している振動板の部分 6 共通インク室 7 インク供給路 8、81、82 振動板 8a 振動板の薄い部分 8b 振動板の厚い部分 9 凹部 91 対向壁 91a、92a 最も小さな隙間に位置している対向壁
の表面 91b 中程度の隙間に位置している対向壁の表面 91c 最も大きな隙間に位置している対向壁の表面 92 対向壁表面 10、10a、10b 電極 11 インクノズル 12 インク供給口 15 絶縁層 21 電圧印加手段 22 共通電極端子 G 振動板と対向壁の隙間 G1 最も小さな隙間 G2 中程度の隙間 G3 最も大きな隙間 40 圧電素子 41 固定基板 43 対向壁 44 流路形成基板 47 弾性壁 48 振動板

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するためのノズルと、該
    ノズルに連通して設けられインクに圧力を加えるための
    圧力室と、該圧力室にインクを供給するインク供給路
    と、インク滴を吐出するための吐出圧力を前記圧力室に
    発生させる圧力発生手段とを有するインクジェットヘッ
    ドにおいて、 前記圧力室のインクの振動に伴って従動振動する従動振
    動手段と 該従動振動手段に当接して前記従動振動を制限する振動
    規制手段とを有し、 前記振動規制手段は、少なくともインク滴を吐出させる
    ための圧力の発生時においては、前記従動振動手段の前
    記従動振動を制限可能に構成されることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記ノズル、前記圧力室、前記インク供給路及
    び前記圧力発生手段から成るインクジェットヘッドユニ
    ットを複数連設して成ることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記従動振動手段は前記圧力室の一の壁部に設けられた
    弾性壁であり、 前記振動規制手段は、前記圧力室の外部であって前記弾
    性壁に対向する位置に設けられた対向壁であることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記振動規制手段は前記弾性壁を前記対向壁に当接させ
    る弾性壁変形手段を有してなることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記弾性壁変形手段は、前記弾性壁と前記対向壁とに設
    けた導電手段からなり、電圧の印加に応じて前記弾性壁
    と前記対向壁との間に吸引力を発生可能に構成されるこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記圧力発生手段は、前記圧力室の一の壁を構成する振
    動板と該振動板に対向して圧力室の外部に設けられた対
    向壁とを対向電極として用いるとともに、該対向電極間
    に印加される駆動電圧に応じて該振動板の弾性変位を生
    じる静電アクチュエータであり、 前記従動振動手段は、前記振動板の一部であって、他の
    部分より低い前記駆動電圧によって弾性変位を生じる高
    駆動コンプライアンス部であり、 前記振動規制手段は、前記対向壁であることを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記前記圧力室は細長い形状を為し、一の端部に前記イ
    ンク供給路が、他の端部に前記ノズルがそれぞれ連通し
    ており、 前記高駆動コンプライアンス部は前記インク供給路に連
    通する端部に近接して設けられることを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記高駆動コンプライアンス部は、他の部分より低い剛
    性を有する低剛性部として構成されることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のインクジェットヘッドに
    おいて、前記低剛性部は、前記振動板の他の部分より薄
    いことを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のインクジェットヘッド
    において、前記振動板は細長い形状をしており、 前記低剛性部は、前記振動板の長手方向の一部であっ
    て、他の部分より広い幅を有して成ることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項6記載のインクジェットヘッド
    において、 前記振動板は、任意の自然数Nに対し、値が単調に減少
    する第1乃至第N+1の隙間を有して前記対向壁と対向
    する第1乃至第N+1の部分を有して成り、 前記高駆動コンプライアンス部は、前記振動板の前記第
    2乃至第N+1の内の1又は複数の部分であることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のインクジェットヘッ
    ドにおいて、前記振動板の前記第1乃至第N+1の部分
    は、前記対向壁を階段状に形成することによって構成さ
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 インク滴を吐出するためのノズルと、
    該ノズルに連通して設けられインクに圧力を加えるため
    の圧力室と、該圧力室にインクを供給するインク供給路
    と、インク滴を吐出するための吐出圧力を前記圧力室に
    発生させる圧力発生手段とから成るインクジェットヘッ
    ドと、該インクジェットヘッドを駆動する駆動手段とを
    有する印刷装置において、 前記圧力発生手段は、前記圧力室の一の壁を構成する振
    動板と該振動板に対向して圧力室の外部に設けられた対
    向壁とを対向電極として用いるとともに、該対向電極間
    に印加される駆動電圧に応じて該振動板の弾性変位を生
    じる静電アクチュエータであって、 前記振動板は、任意の自然数Nに対し、値が単調に減少
    する第1乃至第N+1の隙間を有して前記対向壁と対向
    する第1乃至第N+1の部分を第1乃至第N+1の順に
    連続配置して成り、 前記駆動手段は、前記振動板の第1乃至第N+1の部分
    がすべて前記対向壁に当接可能な第1の駆動電圧と、 前記振動板の第2乃至第N+1の各部分について、当該
    部分より小さい番号の部分の当接が解除されるとともに
    当該部分の当接が維持される駆動電圧である、第2乃至
    第N+1の駆動電圧と、 前記振動板の前記第1乃至第N+1の部分の当接がすべ
    て解除される第N+2の駆動電圧とを、 それぞれ実質的に異なるタイミングで前記静電アクチュ
    エータに印加可能な駆動回路を含んで成ることを特徴と
    する印刷装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の印刷装置において、 前記駆動回路は、前記静電アクチュエータに充放及び放
    電を行う充放電回路を含み、 該充放電回路は、 少なくとも前記第1の駆動電圧にまで前記静電アクチュ
    エータを充電可能な充電回路と、 少なくとも前記第2乃至第N+1の駆動電圧を実質的に
    同一のタイミングで印加できる第1の速度で、前記静電
    アクチュエータを放電可能な第1の放電回路と、 少なくとも前記第2乃至第N+1の駆動電圧を実質的に
    異なるタイミングで印加できる、第1の速度より小さい
    第2の速度で、前記静電アクチュエータを放電可能な第
    2の放電回路とを有して成ることを特徴とする印刷装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の印刷装置において、 前記インクジェットヘッドは前記ノズル、前記圧力室、
    前記インク供給路及び前記圧力発生手段から成るインク
    ジェットヘッドユニットを複数有して成り、 前記駆動回路は、印刷データに対応して開閉する複数の
    スイッチ手段を有し、 前記充放電回路は複数の前記静電アクチュエータの前記
    対向電極の一方に共通に接続され、 前記対向電極の他方には、前記駆動回路の前記スイッチ
    手段がそれぞれ接続されることを特徴とする印刷装置。
  16. 【請求項16】 請求項13乃至15記載の印刷装置に
    おいて、ノズルに近い位置の前記振動板と前記対向壁の
    隙間が他の位置に比べ狭く構成されていることを特徴と
    する印刷装置。
  17. 【請求項17】 請求項13記載の印刷装置に用いる制
    御方法であって、 前記静電アクチュエータに前記第1の駆動電圧を印加す
    る第1の工程と、 該第1の工程から第1の時間が経過した後に、前記第2
    乃至第N+2の内の1の駆動電圧を前記静電アクチュエ
    ータに印加する第2の工程と、 前記第2の工程から第2の時間が経過した後に、前記第
    N+2の駆動電圧を前記静電アクチュエータに印加する
    第3の工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御
    方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の印刷装置の制御方法
    において、 印刷データに応じて前記第2乃至第N+1の駆動電圧の
    内から1の駆動電圧を選択する工程を、前記第2の工程
    に先行して有することを特徴とする印刷装置の制御方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項14記載の印刷装置に用いる制
    御方法であって、 少なくとも前記第1の駆動電圧まで前記静電アクチュエ
    ータの充電を行う第1の工程と、 該第1の工程から第1の時間が経過した後に、前記第2
    乃至第N+2の内の1の駆動電圧まで前記第1の速度で
    前記静電アクチュエータの放電を行う第2の工程と、 前記第2の工程の後に、前記第2の速度で前記静電アク
    チュエータの放電を行う第3の工程とを有することを特
    徴とする印刷装置の制御方法。
  20. 【請求項20】 請求項15記載の印刷装置に用いる制
    御方法であって、 前記印刷データに応じて前記スイッチ手段の開閉状態を
    設定する第1の工程と、 前記静電アクチュエータに前記第1の駆動電圧を印加す
    る第2の工程と、 該第2の工程から第1の時間が経過した後に、前記第2
    乃至第N+2の内の1の駆動電圧を前記静電アクチュエ
    ータに印加する第3の工程と、前記第3の工程から第2
    の時間が経過した後に、前記第N+2の駆動電圧を前記
    静電アクチュエータに印加する第4の工程とを有するこ
    とを特徴とする印刷装置の制御方法。
  21. 【請求項21】 請求項13記載の印刷装置に用いる
    制御方法であって、前記静電アクチュエータに前記第1
    の駆動電圧を印加する第1の工程と、該第1の工程の後
    に、前記第N+2の駆動電圧を前記静電アクチュエータ
    に印加する第2の工程と、該第2の工程から所定時間が
    経過した後に、前記第2乃至第N+1の内の1の駆動電
    圧を前記静電アクチュエータに印加する第3の工程と、
    該第3の工程の後に、再度、前記第N+2の駆動電圧を
    前記静電アクチュエータに印加する第4の工程とを有す
    ることを特徴とする印刷装置の制御方法。
  22. 【請求項22】 請求項14記載の印刷装置に用いる
    制御方法であって、前記第1の駆動電圧まで前記静電ア
    クチュエータの充電を行う第1の工程と、該第1の工程
    の後に、前記第1の速度で前記静電アクチュエータの放
    電を行う第2の工程と、該第2の工程から所定時間経過
    した後に、前記第2乃至第N+1の内の1の駆動電圧ま
    で前記静電アクチュエータの充電を行う第3の工程と、
    該第3の工程の後に、前記第2の速度で前記静電アクチ
    ュエータの放電を行う第4の工程とを有することを特徴
    とする印刷装置の制御方法。
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