JP5201331B2 - 架橋性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

架橋性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

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本発明は、スズ触媒のような有機金属系触媒を使用することなく、架橋硬化する架橋性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
架橋硬化してゴム皮膜やレジン皮膜を形成するオルガノポリシロキサンは、繊維、木材、ゴム等各種基材の表面コーティング剤、光触媒等機能性無機フィラーのバインダー剤、塗料添加剤として使用されている。このような硬化性のシリコーン樹脂としては、スズ触媒のような金属系化合物を含有する組成物が一般的である(特開平5−98579号公報、特開2005−325253号公報、特開2007−51236号公報:特許文献1〜3)。しかしながら、スズ触媒のような金属系化合物は安全性の面で問題があった。
また、スズ触媒のような金属系化合物を使用しないシリコーン系架橋物として、ケト基含有化合物とヒドラジド基含有化合物からなる組成物が知られている(特開平9−235507号公報、特開平10−298489号公報、特開2001−302966号公報:特許文献4〜6)。しかしながら、これらのケト基含有化合物は、オルガノポリシロキサンとケト基含有アクリル系ポリマーとのブロック化合物であり、アクリルポリマー等を含有しているため、耐候性等がオルガノポリシロキサン樹脂単独系と比較すると低下してしまうといった欠点があった。
特開平5−98579号公報 特開2005−325253号公報 特開2007−51236号公報 特開平9−235507号公報 特開平10−298489号公報 特開2001−302966号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、スズ触媒のような金属系化合物を含まず、更にアクリルポリマー等他の樹脂も含まないゴム弾性を有する架橋性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)下記組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサンと、(B)1分子中にケト基と反応する有機基を2個以上含有する化合物を含有してなる架橋性オルガノポリシロキサン組成物が、スズ触媒のような金属系化合物を含まず、更にアクリルポリマー等他の樹脂も含まないために、安全性、耐候性等に優れる硬化物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す架橋性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
〔1〕 (A)下記組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサンと、
[R 2 SiO] a [RSiO 3/2 b [R(Q)SiO] c [QSiO 3/2 d (1)
(式中、Rはケト基を含まない炭素数1〜20の1価有機基、Qは−C 2 4 −CHO、−C 3 6 −SHとダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH−C 2 4 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物のいずれかであり、a、b、c、dは、0≦a<1、0≦b<1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3で、0<c+d≦0.3、a+b+c+d=1であるが、(b+d)/(a+c)は1未満である。)
(B)1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有するヒドラジド化合物:ケト基1モルに対してヒドラジド基及びセミカルバジド基の合計量が0.1〜2モルとなる量
を含有成分を界面活性剤存在下で水中に乳化分散してエマルション化してなることを特徴とする架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
〕 (A)下記組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
[R 2 SiO] a [RSiO 3/2 b [R(Q)SiO] c [QSiO 3/2 d (1)
(式中、Rはケト基を含まない炭素数1〜20の1価有機基、Qは−C 2 4 −CHO、−C 3 6 −SHとダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH−C 2 4 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物のいずれかであり、a、b、c、dは、0≦a<1、0≦b<1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3で、0<c+d≦0.3、a+b+c+d=1であるが、(b+d)/(a+c)は1未満である。)
(B)1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有するヒドラジド化合物:ケト基1モルに対してヒドラジド基及びセミカルバジド基の合計量が0.1〜2モルとなる量、
(C)コロイダルシリカ:1〜50質量部
を含有する成分を界面活性剤存在下で水中に乳化分散してエマルション化してなることを特徴とする架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
本発明によれば、安全性、耐候性等に優れる硬化物を与える架橋性オルガノポリシロキサン組成物が得られる。
以下に本発明について詳述する。
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物は、(A)後述する組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサンと、(B)1分子中にケト基と反応する有機基、好ましくはヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有する化合物とを含有してなるものである。
このような架橋性オルガノポリシロキサン組成物としては、
(A)組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有するヒドラジド化合物、
及び必要により
(C)コロイダルシリカ
を界面活性剤存在下で水中に乳化分散させてなる架橋性オルガノポリシロキサンエマルション組成物が好ましい。
まず、(A)成分であるケト基含有オルガノポリシロキサンは、下記組成式(1)で示されるものである。
[R2SiO]a[RSiO3/2b[R(Q)SiO]c[QSiO3/2d (1)
(式中、Rはケト基を含まない炭素数1〜20の1価有機基、Qはケト基を含む炭素数2〜20の1価有機基であり、a,b,c,dは、0≦a<1、0≦b<1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3で、0<c+d≦0.3、a+b+c+d=1であるが、(b+d)/(a+c)は1未満である。)
ここで、Rはケト基を含まない炭素数1〜20、特に1〜12の1価有機基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどのアリール基、ビニル、アリルなどのアルケニル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシなどのアルコキシ基、3−グリシドキシプロピル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルなどのエポキシ基含有有機基、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピル、N−フェニル−3−アミノプロピルなどのアミノ基含有有機基、3−メルカプトプロピルなどのメルカプト基含有有機基などが挙げられる。本発明におけるRとしては、30モル%以上がメチル基であることが好ましい。
Qはケト基を含む炭素数2〜20の1価有機基であり、具体的には、−CH2−CHO、−C24−CHO、−C36−CHO、−C48−CHO、−C510−CHO、−C612−CHO、−C714−CHO、−C816−CHO、−C918−CHO、−C1020−CHO、−C1122−CHO、−C1224−CHO、−C1326−CHO、−C1428−CHO、−C1530−CHO、−C1632−CHO、−C1734−CHO、−C1836−CHO、−C1938−CHO、−CH2−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C24−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C36−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C48−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C510−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C612−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−CH2−O−C(CH32−CH2COCH3、−C24−O−C(CH32−CH2COCH3、−C36−O−C(CH32−CH2COCH3、−C48−O−C(CH32−CH2COCH3、−C510−O−C(CH32−CH2COCH3、−C612−O−C(CH32−CH2COCH3、−C36−NH−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH32、−C36−NH−C24−NH−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C36−NH−C24−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH32、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3]−C24−NH2、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3]−C24−NH−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3]−C24−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH32などが挙げられる。中でも−C24−CHO、又は−C36−SHとダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C36−NH2とダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C36−NH−C24−NH2とダイアセトンアクリルアマイドの反応物として、−C36−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH32、−C36−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3]−C24−N[−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH32であることが好ましい。
また、a,bは、0≦a<1、0≦b<1であり、好ましくは0≦a≦0.9999、0≦b≦0.9999である。c,dは、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3、0<c+d≦0.3であり、好ましくは0≦c≦0.2、0≦d≦0.2、0<c+d≦0.2である。c+dが0.3より大きい場合には架橋物がもろくなってしまうので0.3以下である必要がある。更に、a+b+c+d=1である。なお、ここで、a+b+c+d=1とは、繰り返し単位a,b,c,dの合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%であることを示す。また、(b+d)/(a+c)は1未満である。この値が1より大きい場合には、形成塗膜の硬度が大きくなることから、1未満である必要がある。好ましくは0.25以下、より好ましくは0.1以下である。なお、b+d=0であってもよいが、(b+d)/(a+c)は、0.0001以上であることが好ましい。
このようなケト基含有オルガノポリシロキサンの製造方法としては、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンにダイアセトンアクリルアマイドをマイケル付加により反応させる方法、メルカプト基又はアミノ基含有アルコキシシランにダイアセトンアクリルアマイドをマイケル付加により反応させ、ケト基含有アルコキシシランを得た後にオルガノシロキサンオリゴマー、アルコキシシランとともに公知の方法で重合させる方法、水素基含有アルコキシシランにアクロレインジアセタールを反応し、希塩酸/アルコール溶液下で脱アルコール化することによりケト基含有アルコキシシランを得た後にオルガノシロキサンオリゴマー、アルコキシシランとともに公知の方法で重合させる方法等により得ることができるが、この場合、T単位よりD単位が多く得られるように出発原料の種類、量等を選定することが好ましい。
また、このようなケト基含有オルガノポリシロキサンは、エマルションの形態で使用することが好ましく、エマルション化する際の界面活性剤としては特に制限はないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。中でも安定性の面からポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのようなノニオン系界面活性剤、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩のようなアニオン系界面活性剤が好ましい。
これらの具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩などが挙げられる。これらの乳化剤を単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
界面活性剤の添加量としては、ケト基含有オルガノポリシロキサン100質量部に対し、0.1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量部、更に好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部より少ないとエマルション化が困難となる場合があり、50質量部より多いと架橋被膜の硬度や強度が低下してしまう場合がある。
また、水の使用量は特に限定されないが、ケト基含有オルガノポリシロキサンの有効成分量が0.1〜80質量%、特に0.5〜60質量%となる範囲で用いることが好ましい。
次に、(B)成分である1分子中にケト基と反応する有機基を2個以上含有する化合物は、ケト基と反応することでオルガノポリシロキサンの架橋剤として作用するものであり、1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有する化合物が好適に用いられ、これは−CO−NH−NH2で示されるヒドラジド基、あるいは−NH−CO−NH−NH2で示されるセミカルバジド基を1分子中に少なくとも2個有する化合物である。
このような化合物として具体的には、例えば、H2N−NH−CO−(CH2n−CO−NH−NH2(式中、nは0〜8、特に1〜6が好ましい)で示される化合物、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジド又はテトラヒドラジド;ニトリロトリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド(特公昭52−22878号公報参照);炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート及びそれにより誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジンなどのN,N−置換ヒドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド、該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類などの親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド、あるいは該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物(特開平8−151358号公報、特開平8−283377号公報、特開平8−245878号公報参照)などが挙げられる。
これらヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有する化合物等の(B)成分の添加量は、ケト基1モルに対してヒドラジド基やセミカルバジド基等のケト基と反応する有機基0.1〜2モルとなる量が好ましく、より好ましくは0.2〜1.6モルとなる量、更に好ましくは0.4〜1.2モルとなる量である。この範囲を外れると架橋効果が不十分となる。
本発明の架橋性オルガノポリシロキサン組成物には、更に、(C)コロイダルシリカを使用すると、乾燥ゴム強度を向上させることができる。コロイダルシリカとしては、市販のものを使用することも可能で、その種類に制限はないが、例えば粒径5〜50nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで安定化したものでよく、具体的には、スノーテックス(日産化学社製)、ルドックス(グレース社製)、シリカドール(日本化学工業社製)、アデライトAT(ADEKA社製)、カタロイドS(触媒化成工業社製)などが挙げられる。
コロイダルシリカの添加量としては、ケト基含有オルガノポリシロキサン100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜30質量部である。1質量部より少ないとゴム強度が弱いものとなる場合があり、50質量部より多いとシリコーン皮膜が硬くて脆いものとなる場合がある。
また、本発明の組成物の架橋性を損なわない範囲でカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子系増粘剤、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機フィラー及び着色剤、防腐剤、防錆剤、濡れ向上剤などを添加してもよい。なお、本発明の組成物は、繊維、木材、金属、ゴム、セメントなどの表面コーティング剤、光触媒などの無機フィラーのバインダー剤、塗料などとして応用することができる。
また、水の使用量は特に限定されないが、架橋性オルガノポリシロキサン組成物中の有効成分量が0.1〜80質量%、特に0.5〜60質量%となる範囲で用いることが好ましい。
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[製造例1]
撹拌機、冷却器の付いた1リットルセパラフラスコに、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン392g、ダイアセトンアクリルアマイド169gを仕込み、125℃で12時間反応を行なった。その後、5mmHgで155℃まで昇温して減圧ストリップを行ない、347gの淡黄色透明のケト基含有シランKを得た。このものをガスクロマトグラフィーで測定した結果、純度98%であり、NMR測定により構造が
Figure 0005201331
であることを確認した。
[製造例2]
ジメチルシクロシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力30MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルションを得た。このエマルションを撹拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で40時間重合反応を行なった後、15℃で12時間重合反応を行なった。これに、15質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液33g、製造例1で得られたケト基含有シランK7.5gを添加し、ホモミキサーで均一になるまで撹拌した後、更に15℃で3時間重合反応を行ない、10質量%アンモニア水11gでpH8.5に中和してケト基含有オルガノポリシロキサンのエマルションを得た。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が44.3質量%で、エマルション中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状であり、組成は下記に示すものであった。このようにしてケト基含有オルガノポリシロキサンを42.8質量%含有したエマルションA−1を得た。
Figure 0005201331
[製造例3]
ケト基含有シランKを2.5gに変えた以外は製造例2と同様にしてケト基含有オルガノポリシロキサンのエマルションを得た。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が44.3質量%で、エマルション中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状であり、組成は下記に示すものであった。このようにしてケト基含有オルガノポリシロキサンを42.8質量%含有したエマルションA−2を得た。
Figure 0005201331
[製造例4]
ケト基含有シランKを12.6gに変えた以外は製造例2と同様にしてケト基含有オルガノポリシロキサンのエマルションを得た。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が44.4質量%で、エマルション中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状であり、組成は下記に示すものであった。このようにしてケト基含有オルガノポリシロキサンを42.9質量%含有したエマルションA−3を得た。
Figure 0005201331
[実施例1〜6、比較例1〜3]
上記で得られたケト基含有オルガノポリシロキサンエマルション「A−1」「A−2」「A−3」に、ヒドラジド化合物としてアジピン酸ジヒドラジド「B−1」の5質量%水溶液、コロイダルシリカとしてスノーテックスC(日産化学社製、有効成分20質量%)「C−1」を表1に示す割合で配合し、架橋性オルガノポリシロキサンエマルション組成物を得た。このエマルション組成物を乾燥残分の厚さが0.7mmとなる量トレーに入れ、室温で48時間乾燥した後、手触にて乾燥残分の外観を調べた。更に、JIS K6249に準拠してゴムシートの引っ張り強さと伸びを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005201331
[実施例7、比較例4]
実施例1及び比較例1で得られたエマルション組成物を有効成分が4質量%となるよう水で希釈し、無垢スギ材表面に200g/m2となるよう刷毛塗りして48時間風乾した。このものの撥水性を目視評価し、更にスーパーUVテスターによる耐候性試験を行ない、試験後の撥水性を目視評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005201331
(*1)○:撥水あり、×:撥水なし(浸み込む)
(*2)岩崎電気スーパーUVテスター W−11
照射4時間/結露4時間を100サイクル
UV照度:100mW/cm2、BP温度:照射時70℃、湿度:照射時50%、
シャワー:照射前後15秒
ケト基含有オルガノポリシロキサンとアジピン酸ジヒドラジドからなる組成物は、架橋反応が進行し、皮膜状となる。更に、コロイダルシリカを併用すると皮膜のゴム強度が向上する。また、木材の表面に塗布した場合、耐久性のある撥水皮膜を得ることができる。

Claims (2)

  1. (A)下記組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサンと、
    [R 2 SiO] a [RSiO 3/2 b [R(Q)SiO] c [QSiO 3/2 d (1)
    (式中、Rはケト基を含まない炭素数1〜20の1価有機基、Qは−C 2 4 −CHO、−C 3 6 −SHとダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH−C 2 4 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物のいずれかであり、a、b、c、dは、0≦a<1、0≦b<1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3で、0<c+d≦0.3、a+b+c+d=1であるが、(b+d)/(a+c)は1未満である。)
    (B)1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有するヒドラジド化合物:ケト基1モルに対してヒドラジド基及びセミカルバジド基の合計量が0.1〜2モルとなる量
    を含有成分を界面活性剤存在下で水中に乳化分散してエマルション化してなることを特徴とする架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A)下記組成式(1)で示されるケト基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
    [R 2 SiO] a [RSiO 3/2 b [R(Q)SiO] c [QSiO 3/2 d (1)
    (式中、Rはケト基を含まない炭素数1〜20の1価有機基、Qは−C 2 4 −CHO、−C 3 6 −SHとダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物、−C 3 6 −NH−C 2 4 −NH 2 とダイアセトンアクリルアマイドの反応物のいずれかであり、a、b、c、dは、0≦a<1、0≦b<1、0≦c≦0.3、0≦d≦0.3で、0<c+d≦0.3、a+b+c+d=1であるが、(b+d)/(a+c)は1未満である。)
    (B)1分子中にヒドラジド基及び/又はセミカルバジド基を2個以上含有するヒドラジド化合物:ケト基1モルに対してヒドラジド基及びセミカルバジド基の合計量が0.1〜2モルとなる量、
    (C)コロイダルシリカ:1〜50質量部
    を含有する成分を界面活性剤存在下で水中に乳化分散してエマルション化してなることを特徴とする架橋性オルガノポリシロキサン組成物。
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