JP2000110272A5 - - Google Patents

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加水分解性シリル基等は、ビニル系重合体(b1)中に1種以上存在することができる。
また、ビニル系重合体(b1)における親水性官能基としては、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基、アミド基、アミンイミド基、グリシジル基等が挙げられる。これらの親水性官能基は、ビニル系重合体(b1)中に1種以上存在することができるが、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミンイミド基あるいはグリシジル基の何れか2種以上が共存することが好ましい。
ビニル系重合体(b1)は、例えば、(イ)炭素・炭素二重結合と親水性官能基とを有するビニル系重合体(以下、「官能性不飽和重合体」という。)の該炭素−炭素二重結合に、加水分解性シリル基等を有するヒドロシラン化合物を付加反応させる方法、(ロ)加水分解性シリル基等を有するビニル系単量体と親水性官能基を有するビニル系単量体とを共重合する方法等により製造することができる。
親水性官能基を有するビニル系単量体と共重合させる他のビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミル−α−メチルスチレン、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、3−(メタ)アクリルアミドメチル−アニスアルデヒド、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジメチルプロパナール(即ち、β−(メタ)アクリロキシピバリンアルデヒド)、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジエチルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジプロピルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α−メチル−α−ブチルプロパナール、β−(メタ)アクリロキシ−α,α,β−トリメチルプロパナール、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル−n−プロピルケトン、ビニル−i−プロピルケトン、ビニル−n−ブチルケトン、ビニル−i−ブチルケトン、ビニル−t−ブチルケトン等)、ビニルフェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケトン、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニトリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−(メタ)アクリレート−アセチルアセテート等の、カルボニル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
相補的官能基(β)と炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物としては、例えば、上記親水性官能基を有するビニル系単量体のうちの不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、水酸基含有ビニル系単量体あるいはアミノ基含有ビニル系単量体のほか、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物、上記水酸基含有ビニル系単量体とジイソシアネート化合物とを等モルで反応させることにより得られるイソシアネート基含有不飽和化合物等が挙げられる。
また、本発明においては、ビニル系重合体(b1)中の親水性官能基を有するビニル系単量体の特に好ましい含有量は、該ビニル系単量体の種類によって変わる。即ち、〔a〕不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物の合計含有量は、特に0.5〜10重量%が好ましく、〔b〕水酸基含有ビニル系単量体の含有量は、特に5〜30重量%が好ましく、〔c〕アミノ基含有ビニル系単量体および/またはアミンイミド基含有ビニル系単量体の合計含有量は、特に0.05〜3重量%が好ましい。
本発明において、親水性官能基を有するビニル系単量体の含有量を上記範囲内とすることにより、得られる水系分散体の保存安定性が特に優れたものとなる。
また、本発明においては、上記〔a〕〔b〕および〔c〕に示したビニル系単量体のいずれか2種以上を併用することが好ましく、特に上記〔a〕〔b〕および〔c〕に示したビニル系単量体のそれぞれ1種以上を組み合せて使用することが好ましい。
以上のようにして得られるビニル系重合体(b1)のポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という)は、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは4,000〜50,000である。
本発明において、ビニル系重合体(b1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるビニル系重合体(b1)の使用量は、ポリオルガノシロキサン(a)100重量部に対して、通常、2〜900重量部、好ましくは10〜400重量部、さらに好ましくは20〜200重量部である。この場合、ビニル系重合体(b1)の使用量が2重量部未満では、水系分散体から形成される塗膜の耐アルカリ性が低下する傾向があり、一方900重量部を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
特定重合体(A)の合成
本発明に用いられる水系分散体は、ポリオルガノシロキサン(a)とビニル系重合体(b)からなる特定重合体(A)が水系媒体中に分散しているものである。この場合、特定重合体(A)は、例えば、粒子状あるいは水性ゾル状に分散しており、粒子状の特定重合体の平均粒子径は、通常、0.001〜100μm、好ましくは、0.001〜10μmである。水系分散体における水系媒体は、本質的に水からなるが、場合によりアルコール等の有機溶媒を数重量%程度まで含まれていてもよい。
上記(ハ)の方法において、ビニル系重合体(b1)がカルボキシル基やカルボン酸無水物基等の酸性基を有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に少なくとも1種の塩基性化合物を添加してpHを調節することが好ましく、またビニル系重合体(b1)がアミノ基やアミンイミド基等の塩基性基を有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に少なくとも1種の酸性化合物を添加してpHを調節することが好ましく、さらにビニル系重合体(b1)が該酸性基と該塩基性基とを有する場合は、加水分解および/または部分縮合後に、これらの基の割合に応じて少なくとも1種の塩基性化合物あるいは酸性化合物を添加して、pHを調節することにより、得られた特定重合体の親水性を高めて、該特定重合体の乳化分散性を向上させることができる。
上記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等のアミン類:カセイカリ、カセイソーダ等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、また上記酸性化合物としては、例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸クエン酸、アジピン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の有機酸類が挙げられる。上記pH調節時のpH値は、通常、6〜10、好ましくは7〜8である。
光触媒成分(B)を水系分散体中に分散させる方法としては、水系分散体の調製後に添加してもよく、あるいは該水系分散体の調製時に添加し、光触媒成分(B)の存在下でオルガノシラン(a1)、ビニル系重合体(b1)等を加水分解・部分縮合させることもできる。
光触媒成分(B)を水系分散体の調製時に添加すると、上記半導体化合物をオルガノシラン(a1)、ビニル系重合体(b1)等と共縮合させることができ、得られる水系分散体の保存安定性を向上させることができるとともに、塗膜の防汚染性の長期耐久性をより改善することができる。
本発明における光触媒成分(B)の使用量は、ポリオルガノシロキサン(a)100重量部に対して、固形分で、通常、1〜500重量部、好ましくは10〜400重量部である。さらに、本発明で用いられる水系分散体には、下記(C)〜(G)の成分を配合することができる。
で表される化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水分解物が挙げられる。有機金属化合物(C)におけるR5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基、具体的には、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等を示し、R7は、R5およびR6と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基等を示す。また、p、q、rおよびsはそれぞれ独立に0〜4の整数、tおよびuはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、(p+q)、(r+s)および(t+u)は、それぞれジルコニウム、チタンおよびアルミニウムの原子価である。
β−ケト化合物(D)
本発明で用いられる水系分散体には、保存安定性をさらに向上させるために、例えば、一般式
6COCH2COR7
(式中、R6およびR7はそれぞれ、有機金属化合物(C)を表す上記一般式におけるR6およびR7と同義である。)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類(以下、これらの化合物をまとめて「β−ケト化合物(D)」ともいう。)を少なくとも1種配合することができる。
水系分散体が、前記有機金属化合物(C)を含有する場合は特に、β−ケト化合物(D)をさらに配合することが好ましい。このようなβ−ケト化合物(D)の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸i−プロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオンが挙げられる。これらのうち、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。
本発明におけるβ−ケト化合物(D)の使用量は、有機金属化合物(C)1モルに対して、通常、2モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、β−ケト化合物(D)の使用量が2モル未満では、得られる水系分散体の保存安定性の向上効果が低下する傾向がある。
充填材(E1)を本発明に用いられる水系分散体中に配合する方法としては、水系分散体の調製後に添加してもよく、あるいは該水系分散体の調製時に添加し、(E1)成分の存在下でオルガノシラン(a1)、ビニル系重合体(b1)等を加水分解・部分縮合させることもできる。
本発明における充填材(E1)の使用量は、ポリオルガノシロキサン(a)100重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは0.1〜400重量部である。
多官能性ヒドラジン誘導体(G)
さらに、本発明で用いる水系分散体には、分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する多官能性ヒドラジン誘導体(以下、「多官能性ヒドラジン誘導体(G)」ともいう)が含有されていてもよい。該多官能性ヒドラジン誘導体(G)は、特定重合体(A)を構成するビニル系重合体(b1)がカルボニル基を含有する場合に配合することが好ましい。該多官能性ヒドラジン誘導体は、水系分散体の施工後の乾燥過程で、そのヒドラジノ基が特定重合体(A)中に含有されるカルボニル基と反応して網目構造を生成し、塗膜を架橋させる作用を有するものである。
上記多官能性ヒドラジン誘導体(G)としては、例えば、しゅう酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の合計炭素数2〜10、特に合計炭素数4〜6のジカルボン酸ジヒドラジド類;クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド等の3官能以上のヒドラジド類;エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,2−ジヒドラジン、ブチレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、ブチレン−2,3−ジヒドラジン等の合計炭素数2〜4の脂肪族ジヒドラジン類等の水溶性ジヒドラジンが好ましい。
さらに、これらの水溶性ジヒドラジンの少なくとも一部のヒドラジノ基を、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジアセトンアルコール等のカルボニル化合物と反応させることによりブロック化した化合物(以下、「ブロック化多官能性ヒドラジン誘導体」という。)、例えば、アジピン酸ジヒドラジドモノアセトンヒドラゾン、アジピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン等も使用することができる。このようなブロック化多官能性ヒドラジン誘導体を使用することにより、水系分散体の架橋反応の進行を適度に抑えることができるため、再分散性をさらに改良することができる。
これらの多官能性ヒドラジン誘導体のうち、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドジアセトンヒドラゾン等が好ましい。上記多官能性ヒドラジン誘導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記建材用基材としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属;セメント、コンクリト、ALC、フレキシブルボド、モルタル、スレト、石膏、セラミックス、レンガ等の無機窯業系材料;フェノル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカボネト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)等のプラスチック成型品;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコル、ポリカボネト、ポリエチレンテレフタレト、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエステル、ポリ塩化ビフェニル、アクリル、テトロン等のプラスチックフィルムや、木材、紙、ガラス等を挙げることができる。また、上記水系分散体からなるコーティング用組成物は、建材の劣化塗膜の再塗装にも有用である。また、本発明の建材は、上記基材の表面に塗膜を設けて建材となし、該建材を家屋等の建築構造物の建築に使用することができるが、基材に塗膜を設けずに建造物を構築し、その後基材表面に塗膜を設けてもよい。いずれの場合も、基材表面に上記水系分散体からなる塗膜が形成されているのであれば、本発明の建材に包含される。
基材には、下地調整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付け等を目的として、予め表面処理を施すこともできる。例えば、金属系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッキ処理、クロメト処理、火炎処理、カップリング処理等を挙げることができ、プラスチック系基材に対する表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理等を挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、模様付け等を挙げることができ、木質基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、防虫処理等を挙げることができ、紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、防虫処理等を挙げることができ、さらに劣化塗膜に対する表面処理としては、例えば、ケレン等を挙げることができる。
上記水系分散体による塗布操作は、建材用基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。
例えば、金属系基材の場合、防錆の必要があればプライマを用い、無機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、アルカリ性等)により塗膜の隠蔽性が異なるため、通常はプライマを用いる。また、劣化塗膜の再塗装の場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマを用いる。それ以外の基材、例えば、プラスチック、木材、紙、ガラス等の場合は、基材の耐久性、水系分散体の塗膜の膜厚、上記光触媒成分(B)の含有量等に応じてプライマを用いても用いなくてもよい。
基材に耐久性が乏しい場合、塗膜の膜厚が薄い場合、または光触媒成分(B)の含有量が多い場合には、基材と塗膜の界面で光活性を帯びたり、光が基材まで到達して基材の劣化が起こる場合があるので、プライマーを用いる方が好ましい。
プライマを用いない場合、上記ビニル系重合体成分(b)がカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、カルボニル基あるいはグリシジル基のいずれか1種以上を0.5重量%以上含有することが好ましく、さらに好ましくは表面処理を行う。
プライマの種類は特に限定されず、建材用基材とコティング用組成物との密着性を向上させる作用を有するものであればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プライマは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ、また顔料等の着色成分を含むエナメルでも、該着色成分を含まないクリヤーでもよい。
プライマの種類としては、例えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン、フッ素エマルジョン、特定重合体(A)等を挙げることができる。
また、これらのプライマーには、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場合、各種の官能基を付与することもできる。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、アルコキシシリル基、エテル結合、エステル結合等を挙げることができる。
調製例1<水系分散体の調製>
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、光触媒成分(B)として、酸化チタンゾル(アナターゼ型酸化チタン20%(固形分)、硝酸80%)100部を入れ、オルガノシラン(a1)として、メチルトリメトキシシラン20部およびジメチルジメトキシシラン10部、ビニル系重合体(b)として、参考例1で得たビニル系重合体(b1−1)15部、並びにi−プロピルアルコール60部を滴下しながら攪拌させた後、有機金属化合物(C)としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム1部を加え、60℃で4時間反応させた。次いで、β−ケト化合物(D)としてアセチルアセトン1部を添加し、全固形分濃度が20%の酸化チタン分散特定重合体(以下、「重合体(1)」ともいう)の溶液を得た。この重合体(1)の溶液100部に、30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキル硫酸エステル塩と10%アンモニア水を加え、よく混合してpH7.5に調節した。次いで、i−プロピルアルコール50部で希釈し、得られた溶液をイオン交換水250部中に2時間かけて除々に加えてエマルジョンとした。このエマルジョンに、多官能性ヒドラジン誘導体(G)としてアジピン酸ジヒドラジド2部を加え、次いでこのエマルジョンから減圧下、50℃以下の温度でi−プロピルアルコールおよび水を除去し、全固形分濃度を20%に調整して、水系分散体(以下、「水系分散体(1)」ともいう)を得た。得られた水系分散体(1)の、保存安定性の評価結果を表1に示す。
調製例6<水系分散体の調製>
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、オルガノシラン(a1)として、メチルトリメトキシシラン70部およびジメチルジメトキシシラン30部、ビニル系重合体(b)として、参考例1で得たビニル系重合体(b1−1)50部、並びに、有機金属化合物(C)として、ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム5部をi−プロピルアルコール溶液60部に溶解した溶液を混合した後、イオン交換水13部を加え、60℃で4時間反応させた。次いで、この反応生成物を室温まで冷却し、β−ケト化合物(D)としてアセチルアセトン5部およびi−プロピルアルコール130部を添加して、全固形分濃度が20%の特定重合体(以下、「重合体(6)」ともいう)の溶液を得た。この重合体(6)の溶液100部に、30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキル硫酸エステル塩と10%アンモニア水を加え、よく混合してpH7.5に調節した。次いで、i−プロピルアルコール50部で希釈し、得られた溶液をイオン交換水250部中に2時間かけて除々に加えてエマルジョンとした。このエマルジョンに、多官能性ヒドラジン誘導体(G)としてアジピン酸ジヒドラジド2部を加え、次いでこのエマルジョンから減圧下、50℃以下の温度でi−プロピルアルコールおよび水を除去し、全固形分濃度を20%に調整した。このエマルジョン100部に、光触媒成分(B)として、pHが7に調整された酸化チタンゾル(アナターゼ型酸化チタン20%(固形分)、水80%)100部を滴下し、良く攪拌して、全固形分濃度20%の水系分散体(以下、「水系分散体(6)」ともいう)を得た。得られた水系分散体6の保存安定性は、良好であった。
実施例1〜10
アルカリ脱脂した石英ガラス板に、参考例2で得られたプライマ(1)を固形分換算で10g/m2 塗布し、120℃で10分間乾燥した。調製例1〜10で得られた水系分散体(1)〜(10)のそれぞれ100部に、ジブチルスズジマレエートの15%イソブチルアルコール溶液を5部添加して、特定コーティング組成物を調製し、上記石英ガラス板のプライマー塗布面に、固形分換算で10g/m2 塗布し、120℃で10分間乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜について、塗膜外観、硬度、密着性、耐薬品性、親水性、透明性、抗菌性および抗かび性について評価した。評価結果を、表2に示す。
Figure 2000110272
実施例15
ABS樹脂板(テクノポリマ(株)製
テクノABS12)の表面に、調製例6で得られた重合体(6)の溶液100重量部にモノブチルスズトリスメルカプトの15%i−プロピルアルコール溶液を10部添加して得られたコーティング組成物を、固形分換算で10g/m 2 塗布し、80℃で10分間乾燥した。その後、調製例1で得られた水系分散体(1)100部に、ジブチルスズジマレエートの15%イソブチルアルコール溶液を5部添加して、特定コーティング組成物を調製し、上記エナメルの塗布面に、固形分換算で10g/m2 塗布し、100℃で10分間乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜について、塗膜外観、硬度、密着性、耐候性、耐温水性および耐汚染性について評価した。評価結果を、表3に示す。
実施例16
アクリル樹脂板(三菱レーヨン(株)製
アクリライト)の表面に、調製例6で得られた重合体(6)の溶液100重量部にモノブチルスズトリスメルカプトの15%i−プロピルアルコール溶液を10部添加して得られたコーティング組成物を、固形分換算で10g/m 2 塗布し、80℃で10分間乾燥した。その後、調製例1で得られた水系分散体(1)100部に、ジブチルスズジマレエートの15%イソブチルアルコール溶液を5部添加して、特定コーティング組成物を調製し、上記エナメルの塗布面に、固形分換算で10g/m2 塗布し、100℃で10分間乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜について、塗膜外観、硬度、密着性、耐候性、耐温水性および耐汚染性について評価した。評価結果を、表3に示す。

Claims (6)

  1. (A)(a)ポリオルガノシロキサンと(b)ビニル系重合体とを含有する重合体、並びに(B)光触媒能を有する無機微粒子および/またはゾルが、水系媒体中に分散してなる水系分散体から得られる塗膜を表面に有することを特徴とする建材
  2. 上記(b)ビニル系重合体が、(b1)主鎖がビニル重合体からなり、その重合体分子鎖の末端および/または側鎖に、加水分解性シリル基および/またはヒドロキシシリル基を少なくとも1個と、親水性官能基を少なくとも1個とを有するビニル系重合体である請求項1に記載の建材。
  3. 上記(b1)ビニル系重合体の配合量が、上記ポリオルガノシロキサン(a)100重量部に対して、2〜900重量部である請求項2に記載の建材。
  4. 上記(B)光触媒能を有する無機微粒子および/またはゾルの配合量が、上記ポリオルガノシロキサン(a)100重量部に対して、固形分で1〜500重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の建材。
  5. 上記(a)ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.01〜50重量部の使用量で、(C)有機金属化合物を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の建材。
  6. 上記(C)有機金属化合物1モルに対して2モル以上の使用量で、(D)β−ケト化合物を含む請求項5に記載の建材。
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