JP6631432B2 - 皮膜形成性シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤 - Google Patents

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本発明は、皮膜形成性シリコーンエマルション組成物に関するものである。さらに詳細には、本発明は、繊維に高い吸水性を付与するシリコーンエマルション組成物及び該組成物を有効成分として含有する繊維処理剤に関するものである。
ゴム皮膜を形成するシリコーンエマルション組成物は、従来から種々の組成のものが公知であり、ウェザーストリップ剤、エアーバック用コーティング剤等として使用されている。
例えば、ヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサン、コロイダルシリカ及び有機スズ化合物又は有機アミン化合物からなるシリコーンエマルション組成物(特開昭56−16553号公報:特許文献1)、ジメチルシロキサン単位とモノフェニルシロキサン単位とからなるシロキサンブロックコポリマー、水、カチオン系界面活性剤、充填剤及びアミノシランからなるシリコーンラテックス組成物(米国特許第3,817,894号明細書:特許文献2)、ヒドロキシル基含有オルガノポリシロキサン、Si−H基含有オルガノポリシロキサン、コロイダルシリカ、アミド基及びカルボキシル基含有シラン、エポキシ基含有シラン及び硬化用触媒からなるシリコーンエマルション組成物(特開平8−85760号公報:特許文献3)、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、Si−H基含有オルガノポリシロキサン、コロイダルシリカ、アミノシランと酸無水物の反応物、エポキシシラン、付加反応用触媒からなるシリコーンエマルション組成物(特開平9−208826号公報:特許文献4)、分子末端が水酸基で封鎖されたハイドロジェンシロキサン、乳化剤、水、硬化触媒からなるシリコーンエマルション組成物(特開平9−208900号公報:特許文献5)、コロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体、硬化触媒、乳化剤、水からなるシリコーンエマルション組成物(特開平9−208901号公報、特開平9−208902号公報、特開平9−208903号公報:特許文献6〜8)、ヒドロキシル基含有オルガノポリシロキサン、コロイダルシリカ、アミド基及びカルボキシル基含有シラン、エポキシ基含有シラン、硬化用触媒及び光触媒性酸化物からなるシリコーンエマルション組成物(特開2002−363494号公報:特許文献9)、ヒドロキシル基含有オルガノポリシロキサン、コロイダルシリカ、アミド基及びカルボキシル基含有シラン、エポキシ基含有シランからなるシリコーンエマルション組成物(特開2008−231276号公報:特許文献10)等が提案されている。
また、ジメチルポリシロキサンは、各種繊維又は繊維製品に柔軟性や潤滑性を付与することが可能であるため、繊維処理剤としてもゴム皮膜を形成するタイプのシリコーンエマルション組成物が利用されている。このシリコーンエマルション組成物は、各種繊維・繊維製品の風合いを改良するのみでなく、消臭剤、抗菌剤、分散顔料、分散染料等の機能性薬剤を繊維上に固着するための、いわゆるバインダーとしての役割も果たしている。しかしながら、上述したゴム皮膜を形成するタイプのシリコーンエマルション組成物を繊維に処理すると、繊維表面は撥水性を示し、繊維が本来有している吸水性は低下する。例えば、肌着やタオル類は、汗や水分を吸収することが求められるため、繊維処理剤を処理した後も、繊維製品が吸水性を有していることが望ましい。従って、皮膜形成性シリコーンエマルション組成物をバインダーとして利用する場合にも、繊維表面が吸水性を示すことが求められている。
特開昭56−16553号公報 米国特許第3,817,894号明細書 特開平8−85760号公報 特開平9−208826号公報 特開平9−208900号公報 特開平9−208901号公報 特開平9−208902号公報 特開平9−208903号公報 特開2002−363494号公報 特開2008−231276号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、処理後の繊維表面が吸水性を示すシリコーンエマルション組成物、特に耐久性に優れ、洗濯処理後にも繊維表面が吸水性を維持し得る皮膜形成性シリコーンエマルション組成物、及び該組成物を有効成分として含有する繊維処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、(B)界面活性剤、(C)ポリエーテル変性シリコーン、及び(D)水をそれぞれ特定量含有する皮膜形成性シリコーンエマルション組成物が、処理後の繊維表面が吸水性を示し、さらに優れた洗濯耐久性を示し、洗濯処理後の繊維表面が高い吸水性を維持することを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記皮膜形成性シリコーンエマルション組成物及び繊維処理剤を提供する。
[1].(A)下記一般式(2)で表される1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
3 SiO−(R 2 SiO) c −(Y 2 SiO) d −SiX 3 (2)
(式中、Rは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又はヒドロキシ基である。Yは、X又は−(O−X 2 Si) e −Xで示される基であり、R、X、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。cは100〜10,000の整数であり、dは0〜1,000の整数であり、eは0〜1,000の整数である。但し、X、Y、d、eは1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するように選択され、R、X、Y、c、d、eは、1分子中に炭素数6〜20のアリール基を有するように選択される。)
(B)界面活性剤:0.1〜50質量部、
(C)下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーン:0.1〜50質量部、及び
Figure 0006631432
(式中、R1は独立にフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R2は独立に式−Cx2xO(C24O)y(C36O)z4で示される有機基であり、R3は独立にR1又はR2であり、R4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアセチル基であり、aは0〜100の整数、bは0〜100の整数で、a+bは0〜200であり、xは2〜5の整数、yは1〜40の整数、zは0〜40の整数である。但し、b=0のとき、R3のうち少なくともひとつがR2である。)
(D)水:50〜1,000質量部
を含有することを特徴とする皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
[2].(A)成分が、下記一般式で表されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである[1]記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
Figure 0006631432
(式中、cは100〜10,000の整数であり、dは1〜1,000の整数であり、eは1〜1,000の整数である。)
[3].(A)成分が、下記一般式で表される1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである[2]記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
Figure 0006631432
(式中、cは100〜10,000の整数であり、dは1〜1,000の整数であり、eは1〜1,000の整数である。)
[4].さらに、(E)コロイダルシリカを(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
[5].さらに、(F)縮合触媒を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
[6].さらに、(G)アミノ基含有オルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と酸無水物の反応生成物を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有する[1]〜[]のいずれかに記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
[7].[1]〜[]のいずれかに記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物を有効成分として含有する繊維処理剤。
本発明の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物(以下、シリコーンエマルション組成物と略す)によれば、該組成物を各種繊維又は繊維製品に処理することにより、柔軟性や潤滑性を付与すると共に、繊維表面に吸水性を付与することができる。さらに、本発明のシリコーンエマルション組成物を有効成分として含有する繊維処理剤は、洗濯耐久性に優れ、洗濯処理後にも繊維表面の良好な吸水性を維持することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔(A)成分〕
(A)成分は、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、中でも、下記一般式(2)で示されるものが好ましい。
3SiO−(R2SiO)c−(Y2SiO)d−SiX3 (2)
(式中、Rは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又はヒドロキシ基である。Yは、X又は−(O−X2Si)e−Xで示される基であり、R、X、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。cは100〜10,000の整数であり、dは0〜1,000の整数であり、eは0〜1,000の整数である。但し、X、Y、d、eは1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するように選択される。)
上記式(2)中、Rは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、又はこれらの基に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、アミノ基、シアノ基等で置換された基等が挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。
Xは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又はヒドロキシ基であり、具体的には、ヒドロキシ基以外に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、又はこれらの基に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、アミノ基、シアノ基等で置換された基等が挙げられる。Xとしては、中でも、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
Yは、X又は−(O−X2Si)e−Xで示される基である。
なお、R、X、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
cは100〜10,000の整数であり、好ましくは500〜5,000の整数であり、より好ましくは700〜4,000の整数である。cが100未満ではシリコーンゴム皮膜の柔軟性が乏しいものとなるおそれがあり、10,000より大きいと皮膜の引裂き強さが低下するおそれがある。dは0〜1,000の整数であり、好ましくは0〜200の整数であり、より好ましくは0〜100の整数である。eは0〜1,000の整数であり、好ましくは0〜200の整数であり、より好ましくは0〜100の整数である。
但し、上記X、Y、d、eは、硬化性の点から、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個、好ましくは2個以上40個以下、より好ましくは2個以上20個以下有することが必要である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10,000mPa・s以上であることが好ましく、25℃における粘度が100,000mPa・s以上であることがさらに好ましい。また、25℃における粘度が10,000,000mPa・s以下であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が、5万〜500万、特に10万〜300万であることが好ましい。重量平均分子量が小さすぎると組成物を処理した際の耐久性が低下する場合があり、大きすぎると組成物を使用する際に乳化が困難となる場合がある。
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0006631432
(式中、c、d及びeは上記と同じ。)
Figure 0006631432
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基であり、c、d及びeは上記と同じ。)
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンは、公知の方法によって合成することができる。例えば、アルカリ金属水酸化物のような触媒存在下に、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン、又はこれとα,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α,ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマーあるいはオルガノアルコキシシランとを平衡化反応させることにより得られる。また、アルカリ金属水酸化物等の触媒存在下に、α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサンとオルガノアルコキシシランとの脱水、脱アルコール縮合反応させることでも得られる。
なお、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、水中油型エマルションの形態で使用されることが好ましい。公知の乳化重合法でエマルションとすればよく、従って、予め、環状シロキサン、α,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α,ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマー、あるいはオルガノアルコキシシラン等をアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を用いて水中に乳化分散させた後、必要に応じて酸、アルカリ性物質等の触媒を添加して乳化重合反応を行うことにより容易に合成することができる。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンと上述した界面活性剤を混合し、これをホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサー等の乳化機で乳化することにより、エマルションの形態とすることができる。
〔(B)成分〕
(B)成分の界面活性剤としては特に制限はなく、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が例示される。
中でも、下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
5O(EO)n(PO)mH (3)
(式中、R5は炭素数8〜30、好ましくは炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、n,mはそれぞれ0〜50の整数、好ましくは0〜25の整数であり、n+m=5〜50である。EOはポリオキシエチレン基、POはポリオキシプロピレン基である。)
アニオン性界面活性剤としては、下記一般式(4)で表されるアルキル硫酸塩、下記一般式(5)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
6−OSO3M (4)
6−C64−OS3M (5)
(式中、R6は炭素数8〜30、好ましくは炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは水素原子又は金属元素、好ましくは水素原子、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素である。)
アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸の塩等が挙げられる。
また、アニオン性界面活性剤としては、さらにラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等の高級脂肪酸及びその塩、下記一般式(6)で表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテル硫酸塩、下記一般式(7)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。
7O(EO)n’(PO)m’SO3M (6)
7−C64−O(EO)n’(PO)m’SO3M (7)
(式中、R7は炭素数8〜30、好ましくは炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Mは水素原子又は金属元素、好ましくは水素原子、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素であり、n’,m’はそれぞれ0〜30の整数、好ましくは0〜20の整数であり、n’+m’=5〜50である。EOはポリオキシエチレン基、POはポリオキシプロピレン基である。)
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン性乳化剤、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性乳化剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であり、0.5〜25質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。(B)成分が少なすぎると乳化が困難であり、多すぎると乳化物の安定性が不十分となる。
〔(C)成分〕
(C)成分は、下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーンである。これは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
Figure 0006631432
(式中、R1は独立にフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R2は独立に式−Cx2xO(C24O)y(C36O)z4で示される有機基であり、R3は独立にR1又はR2であり、R4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアセチル基であり、aは0〜100の整数、bは0〜100の整数で、a+bは0〜200であり、xは2〜5の整数、yは1〜40の整数、zは0〜40の整数である。但し、b=0のとき、R3のうち少なくともひとつがR2である。)
式(1)中、R1は独立にフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシロキシ基等のアルコキシ基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基である。
また、R4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアセチル基であり、R4の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基又はアセチル基である。
aは0〜100の整数であり、1〜50の整数が好ましく、より好ましくは1〜30の整数である。bは0〜100の整数であり、1〜50の整数が好ましく、より好ましくは1〜30の整数である。a+bは0〜200であり、1〜100が好ましく、より好ましくは1〜60である。
また、xは2〜5の整数、好ましくは2〜4の整数であり、yは1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数、zは0〜40の整数、好ましくは0〜20の整数である。
(C)成分の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
Figure 0006631432
(式中、a’、b’はそれぞれ1〜100の整数であり、yは上記と同じである。z’は1〜40の整数である。)
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であり、0.5〜25質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。(C)成分が少なすぎる場合は、繊維表面の吸水性が不十分であり、(C)成分が多すぎる場合はエマルションの安定性が低下する。
(C)成分の作用機構について、本発明者らは次のように考えている。(C)成分の添加により、シリコーンエマルション組成物の表面張力を低下させることができる。そのため、(C)成分を添加することにより、シリコーンエマルション組成物がより多く繊維に浸透すると考えられる。従って、洗濯処理を行った後にも除去されずに残存することが可能になる。また、(C)成分は、分子内に親水性基を含有しており、繊維に対して高い吸水性を付与することが可能である。
〔(D)成分〕
本発明のシリコーンエマルション組成物には、(D)成分として水を配合する。水の配合量は(A)成分100質量部に対して50〜1,000質量部であり、好ましくは50〜500質量部である。
〔(E)成分〕
本発明のシリコーンエマルション組成物には、上記(A)〜(D)成分に加え、さらに(E)コロイダルシリカを含有することができる。(E)成分であるコロイダルシリカは、皮膜補強剤として添加するものである。本発明においてコロイダルシリカは水性分散液として使用することができる。コロイダルシリカの水性分散液としては、市販のものを使用すればよく、その種類に制限はない。例えば、平均粒径が5〜50nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウム等で安定化したものでよく、具体的には、スノーテックス(日産化学工業社製)、ルドックス(グレース社製)、シリカドール(日本化学工業社製)、アデライトAT(ADEKA社製)、カタロイドS(触媒化成工業社製)、COSMO S−40(日揮触媒化成社製)等が挙げられる。
(E)成分を配合する場合、(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対してコロイダルシリカの純分換算で0.5〜50質量部が好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。コロイダルシリカの配合量が0.5質量部以上とすることで、皮膜の強度、難燃性を向上させる効果がより発揮され、50質量部を超えると皮膜が硬く脆いものとなり、伸びと柔軟性が低下するおそれがある。
〔(F)成分〕
本発明のシリコーンエマルション組成物には、さらに(F)縮合触媒を含有することができる。
(F)成分である縮合触媒は、縮合反応が進行すれば特に制限はないが、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機鉄化合物、有機チタン化合物、有機ビスマス化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機セリウム化合物、有機インジウム化合物、有機イットリウム化合物等の有機金属化合物が挙げられる。具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジブチルスズビスオレイルマレート、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸チタン、オクチル酸ビスマス、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸セリウム、オクチル酸インジウム、オクチル酸イットリウム等の有機酸金属塩等が挙げられる。なお、これら縮合触媒は水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散したエマルションの形態にして使用することが望ましい。
(F)成分を配合する場合、(F)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。0.1質量部より少ないと縮合反応が進行しない場合があり、20質量部より多くても不経済である。
〔(G)成分〕
本発明のシリコーンエマルション組成物には、さらに(G)成分であるアミノ基含有オルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と酸無水物との反応生成物を含有することができる。(G)成分は、シリコーンゴム皮膜と基材との接着性を向上させるための成分である。
この始発物質であるアミノ基含有オルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。また、これらの部分加水分解物あるいはそれらの混合物等を用いることもできる。もう一方の始発物質である酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物等を挙げることができる。
(G)成分としては、下記式で示されるもの及びそのオリゴマーが好ましい。
(C25O)3SiC36−NHCO−CH=CHCOOH、
(C25O)3SiC36NH3 +-OCOCH=CHCOOC25
上記のアミノ基含有オルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と酸無水物との反応は、始発物質双方に対する親水性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール中において、室温で1〜5時間攪拌することにより容易に行うことができる。また、それらの反応モル比は等モル同士であることが好ましいが、どちらかを過剰に使用しても何ら問題はない。
(G)成分を配合する場合、(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満では基材との接着性を向上させる効果が得られない場合があり、20質量部を超えると組成物の安定性が低下する場合がある。
〔(H)成分〕
本発明のシリコーンエマルション組成物には、さらに(H)アミノ基を含有しないオルガノアルコキシシランを配合することができる。(H)成分のオルガノアルコキシシランは、シリコーンゴム皮膜と基材との接着性を向上させるのに有効である。(H)成分のオルガノアルコキシシランは、アミノ基を含有しないオルガノアルコキシシランであれば各種公知のものを用いればよい。(H)成分のオルガノアルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(H)成分を配合する場合、(H)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満では基材との接着性を向上させる効果が得られない場合があり、20質量部を超えると組成物の安定性が低下する場合がある。
本発明のシリコーンエマルション組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の増粘剤、顔料、染料、浸透剤、帯電防止剤、消泡剤、難燃剤、抗菌剤、防腐剤、撥水剤、架橋剤、密着性向上剤や、他のシリコーンオイル、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を適宜配合することができる。
本発明のシリコーンエマルション組成物の調製方法は、従来公知の乳化重合方法、転相乳化方法に従えばよい。乳化機は特に制限されるものでなく、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、万能混合攪拌機、コンビミックス、ラインミキサー等を使用することができる。また、(A)成分及び(B)成分でエマルションを調製した後、他の成分を配合してもよい。さらに、(F)成分を配合する場合、(A)成分及び(B)成分でエマルションを調製すると共に、(F)成分及び(B)成分でエマルションを調製した後、他の成分を配合してもよい。
シリコーンエマルション組成物の固形分濃度は、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
本発明のシリコーンエマルション組成物は、繊維、紙、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス等各種基材表面に処理して使用されるが、基材への塗布方法としては、浸漬法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、はけ塗り法等、従来公知の各種塗装法が可能である。
また、シリコーンエマルション組成物の塗布量は特に制限されないが、通常、塗布量がエマルション組成物として0.1〜200g/m2、特に1〜100g/m2となる量である。塗布後、乾燥だけでオルガノポリシロキサン皮膜を得ることができ、該乾燥は、水が揮発する条件であればよく、室温の場合には1〜3日、加熱する場合には100〜180℃で1〜30分程度の乾燥でよい。
本発明のシリコーンエマルション組成物は、繊維処理剤(例えば、繊維用風合い改良剤)、無機又は有機物質のバインダー(例えば、光触媒等機能性無機フィラーのバインダー剤)、塗料、離型剤、粘着シートの背面処理剤、各種基材の表面コーティング剤、ゴム製物品表面への離型性や滑り性付与剤、紙や木材用撥水剤等へ使用可能であるが、これらに限定されるものではない。
中でも、処理後の繊維表面が優れた吸水性を有することから、本発明のシリコーンエマルション組成物は繊維処理剤の有効成分として有用である。該シリコーンエマルション組成物は、そのまま繊維処理剤としても、繊維処理剤中に、例えば0.01〜99質量%の範囲で適宜配合してもよい。ここで、繊維処理剤中の他の成分としては、防しわ剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱剤等の繊維用薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、金属粉顔料、レオロジーコントロール剤、硬化促進剤、消臭剤、抗菌剤等が挙げられる。
繊維を処理する場合は繊維処理剤を希釈して用いてもよく、繊維を処理する繊維処理剤希釈液中のシリコーンエマルション組成物の配合量は、固形分として0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。
本発明の繊維処理剤は、綿、絹、麻、ウール、アンゴラ、モヘア等の天然繊維はもとより、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタン、スパンデックス等の合成繊維及びこれらを用いた繊維製品に対しても全て有効である。またその形態、形状にも制限はなく、ステープル、フィラメント、トウ、糸等のような原材料形状に限らず、織物、編み物、詰め綿、不織布、紙、シート、フィルム等の多様な加工形態のものも本発明の繊維処理剤の処理可能な対象となる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示す。
[製造例1:(A−1)]
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、均一な白色エマルションを得た。このエマルションを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gで中和した。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4%で、エマルション中のオルガノポリシロキサンは、NMR、GPC、IR等の機器分析を行ったところ、平均組成式
[(HO)(CH32SiO1/2]3[(CH32SiO2/2]900[C65SiO3/2]1
で表される末端がヒドロキシ基で封鎖された軟ゲル状のものであった(A−1)。このオルガノポリシロキサンのGPCによる重量平均分子量(Mw)は約120万であった。このようにして(A−1)成分のオルガノポリシロキサンを含有するエマルションを得た。
[製造例2:(A−2)]
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し均一な白色エマルションを得た。このエマルションを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液12gで中和した。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5%で、エマルション中のオルガノポリシロキサンは、NMR、GPC、IR等の機器分析を行ったところ、平均組成式
HO−[(CH32SiO]3000−H
で示され、粘度200万mPa・sの生ゴム状のものであった(A−2)。このオルガノポリシロキサンのGPCによる重量平均分子量(Mw)は約30万であった。このようにして(A−2)成分のオルガノポリシロキサンを含有するエマルションを得た。
[製造例3:(A−3)]
平均組成式HO−[(CH32SiO]1000−Hで表されるオルガノポリシロキサン(A−3)300g、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル50g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム3gを、ホモディスパーを用いて1,000rpmで30分間混合し、10gの水中に乳化分散させた。その後、637gの水で希釈して(A−3)成分のオルガノポリシロキサンを含有するエマルションを得た。
[製造例4:(F)]
ジオクチルスズジラウレート(ネオスタンU−810、日東化成(株)製、有効成分:99%)350gとポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン1108、花王(株)製)50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合した後、水600gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、次いで、圧力40MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、有機スズ化合物を含有する安定なエマルション(F)を得た。このエマルションは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が39.5%であった。
[製造例5:(G)]
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温下1時間で滴下し、さらに80℃でエタノール還流下24時間反応を行い、淡黄色透明な(G)成分を50%含有する溶液「G」を得た。この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1%であり、溶液中の反応生成物は、IR、GC、NMR、GCMS等の機器分析を行ったところ、約60%が下記式で示されるものの混合物であり、残りの約40%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C25O)3SiC36−NHCO−CH=CHCOOH
(C25O)3SiC36NH3 +-OCOCH=CHCOOC25
(C)成分として下記を用いた。
(C−1)下記式(8)で示されるポリエーテル変性シリコーン
Figure 0006631432
(C−2)下記式(9)で示されるポリエーテル変性シリコーン
Figure 0006631432
(C−3)下記式(10)で示されるポリエーテル変性シリコーン
Figure 0006631432
(E)成分として、コロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学工業(株)製、有効成分20%)
[実施例1〜7、9〜13、比較例1〜3]
表1,2に示す配合組成で、シリコーンエマルション組成物を得た。ここで、(B)成分は上記製造例1〜4で得られたエマルション中に含まれる量であり、(D)成分は上記製造例1〜4で得られたエマルション等に含まれる量である。得られたシリコーンエマルション組成物について、下記評価を行った。結果を表1,2中に併記する。なお、得られたシリコーンエマルション組成物20gを15cm×10cmのPPトレーに秤量し、25℃で48時間乾燥し、水分を揮発させたところ、実施例1〜7、9〜13、比較例1〜3の全てにおいてゴム状の皮膜を形成した。但し、実施例10〜13は参考例である。
[評価試験]
1.吸水性
エマルション組成物にイオン交換水を加え、固形分2%に希釈して試験液を調製した。該試験液にポリエステル/綿ブロード布(65%/35%、谷頭商店社製)を10秒間浸漬した後、絞り率100%の条件でロールを用いて絞り、130℃で2分間乾燥した。その後、本処理布にスポイトで水道水を一滴(25μL)滴下し、水滴が布に完全に吸収されるまでの時間(秒)を測定した。また、この処理布の繊維表面のシリコーン残存量を蛍光X線分析装置(Rigaku社製)にて測定した。
2.洗濯耐久性
エマルション組成物にイオン交換水を加え、固形分2%に希釈して試験液を調製した。該試験液にポリエステル/綿ブロード布(65%/35%、谷頭商店社製)を10秒間浸漬した後、絞り率100%の条件でロールを用いて絞り、130℃で2分間乾燥した。その後、本処理布を、JIS L0217 103に準拠した手法により、洗濯機による洗濯を一回行った。その後、洗濯一回後の処理布にスポイトで水道水を一滴(25μL)滴下し、水滴が布に完全に吸収されるまでの時間(秒)を測定した。また、洗濯一回後の繊維表面のシリコーン残存量を蛍光X線分析装置(Rigaku社製)にて測定した。洗濯を行っていない場合の繊維表面のシリコーン残存量と比較し、残存率(%)を算出した。
Figure 0006631432
Figure 0006631432
本発明のシリコーンエマルション組成物を繊維処理剤として用いることで、繊維に対して良好な吸水性を付与することができる。また、本発明のシリコーンエマルション組成物は、洗濯耐久性にも優れるため、高耐久性の吸水性付与型繊維処理剤、バインダーとして利用可能である。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(2)で表される1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    3 SiO−(R 2 SiO) c −(Y 2 SiO) d −SiX 3 (2)
    (式中、Rは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xは非置換又は置換の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又はヒドロキシ基である。Yは、X又は−(O−X 2 Si) e −Xで示される基であり、R、X、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。cは100〜10,000の整数であり、dは0〜1,000の整数であり、eは0〜1,000の整数である。但し、X、Y、d、eは1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するように選択され、R、X、Y、c、d、eは、1分子中に炭素数6〜20のアリール基を有するように選択される。)
    (B)界面活性剤:0.1〜50質量部、
    (C)下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーン:0.1〜50質量部、及び
    Figure 0006631432
    (式中、R1は独立にフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R2は独立に式−Cx2xO(C24O)y(C36O)z4で示される有機基であり、R3は独立にR1又はR2であり、R4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアセチル基であり、aは0〜100の整数、bは0〜100の整数で、a+bは0〜200であり、xは2〜5の整数、yは1〜40の整数、zは0〜40の整数である。但し、b=0のとき、R3のうち少なくともひとつがR2である。)
    (D)水:50〜1,000質量部
    を含有することを特徴とする皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
  2. (A)成分が、下記一般式で表されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである請求項1記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
    Figure 0006631432
    (式中、cは100〜10,000の整数であり、dは1〜1,000の整数であり、eは1〜1,000の整数である。)
  3. (A)成分が、下記一般式で表される1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである請求項2記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
    Figure 0006631432
    (式中、cは100〜10,000の整数であり、dは1〜1,000の整数であり、eは1〜1,000の整数である。)
  4. さらに、(E)コロイダルシリカを(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
  5. さらに、(F)縮合触媒を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
  6. さらに、(G)アミノ基含有オルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物と酸無水物の反応生成物を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーンエマルション組成物を有効成分として含有する繊維処理剤。
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