JP4111693B2 - 光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物に関するものである。本発明のコーティング皮膜は基材との密着性に優れているため、繊維、紙、皮革、建材などに処理すると、これら基材に防汚性、抗菌性を付与し、且つ、それらの効果をより長く持続させる効果を与える。
【0002】
【従来の技術】
近年、酸化チタンに代表される、紫外線等を照射することにより防汚性や抗菌性を発現する酸化物を含有する組成物、その製造方法、その処理方法などが数多く報告されている(特許3136612号、特開平9-227829、特開平10−279886、特開平11−114488、特開2000−265364号などの各公報参照)。しかし、これらの技術についてみると、光触媒性酸化物を基材へ固着させるためのシリコーン組成物については、基材との密着性が不充分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は光触媒性酸化物含有皮膜と被処理基材との密着性を良好にする光触媒性酸化物含有コーテイング用エマルジョン組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決する光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物に関するものであり、下記一般式(1)で示される(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、(B)アミノ基含有オルガノアルコキシシランと酸無水物の反応生成物 0.5〜20重量部、(C)硬化触媒 0.01〜10重量部、(D)光触媒性酸化物 10〜400重量部からなる混合物を界面活性剤の存在下で水中に乳化分散した光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物である。
3 SiO−(Y 2 SiO) a - (R 2 SiO) b −SiX 3 ・・(1)
[ここで、Rは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、Xは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシル基、YはXまたは−O - (X 2 SiO) c - SiX 3 で示される同一または異種の基、aは0〜1,000の正数、bは100〜10,000の正数、cは0〜1,000の正数 ]
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物について詳述する。
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するものであり、下記一般式(1)で示される。
3SiO−(Y2SiO)a-(R2SiO)b−SiX3………(1)
[ここで、Rは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、Xは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシル基、YはXまたは−O-(X2SiO)c-SiX3で示される同一または異種の基、aは0〜1,000の正数、bは100〜10,000の正数、cは0〜1,000の正数]
【0006】
ここで、Rは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であり、具体例を示すと、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル;フェニル、トリル、ナフチル基またはこれらの基に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基が挙げられるが、好ましくはメチル基である。
【0007】
Xは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシル基であり、具体的にはヒドロキシル基以外にメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル;フェニル、トリル、ナフチル;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、テトラデシルオキシ基またはこれらの基に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基が挙げられる。YはXまたは−O-[X2SiO]c-SiX3で示される同一または異種の基であり、aは1,000より大きくなると得られる皮膜の強度が不十分なものとなるので、0〜1,000の正数、好ましくは0〜200の正数であり、bは100未満では皮膜の柔軟性が乏しいものとなり、10,000より大きいとその引裂き強度が低下するので100〜10,000の正数、好ましくは1,000〜5,000の正数とされ、cは0〜1,000の正数である。また、架橋性の面から1分子中に少なくとも2個以上のヒドロキシ基を有することが必要である。
【0008】
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記のものが挙げられる。
HO(CH32SiO−[(CH32SiO]b−Si(CH32OH、
HO(CH32SiO−[(OCH3)(CH3)SiO]a−[(CH32SiO]b−Si(CH32OH、
HO(CH32SiO−[(OCH3)(C65)SiO]a−[(CH32SiO]b−Si(CH32OH、
HO(CH32SiO−[(OH)(CH3)SiO]a−[(CH32SiO]b−Si(CH32OH、
HO(CH32SiO−[(OH)(C65)SiO]a−[(CH32SiO]b−Si(CH32OH、
HO(CH32SiO−[(CH3{O−[Si(CH32−O]c−H}SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH32OH。
【0009】
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンは、公知の方法によって合成することが出来る。例えば、金属水酸化物のような触媒存在下のオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンとα、ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー等を平衡化反応させることにより得られる。また、(A)成分はエマルジョンの形態で使用されることが好ましいので、公知の乳化重合法でエマルジョンとすればよく、従って、予め、環状シロキサンあるいは、α、ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α、ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマー、アルコキシシラン等をアニオン系界面活性剤あるいはカオチン系界面活性剤を用いて水中に乳化分散させた後、必要に応じて酸、アルカリ性物質等の触媒を添加して重合反応を行うことにより容易に合成することが出来る。
【0010】
本発明における(B)成分のアミノ基含有オルガノアルコキシシランと酸無水物の反応生成物は、シリコーン皮膜と基材との密着性を向上させるための成分であり、アミノ基含有オルガノアルコキシシランとジカルボン酸無水物とを反応させたものである。原料のアミノ基含有オルガノアルコキシシランは、下記一般式(2)
ASiRg(OR)3-g………(2)
[式中、Rは前記と同じ、Aは式−R1(NHR1hNHR2(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜6の2価炭化水素基、R2はRまたは水素原子、hは0〜6の整数、)で表されるアミノ基含有基、gは0.1または2]で表され、下記の具体例が挙げられる。
【0011】
(C25O)3SiC36NH2
(C25O)2(CH3)SiC36NH2
(CH3O)3SiC36NH2
(CH3O)2(CH3)SiC36NH2
(CH3O)3SiC36NHC24NH2
(CH3O)2(CH3)SiC36NHC24NH2
【0012】
上記アミノ基含有アルコキシシランと反応させるためのジカルボン酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物等を例示することができる。これらの中ではマレイン酸無水物が好ましい。
【0013】
アミノ基含有オルガノアルコキシシランと酸無水物との反応は、アミノ基/酸無水物(モル比)が0.5〜2となるような両者の配合比により、必要に応じて親水性有機溶剤中で室温あるいは加熱下に混合することにより容易に実施することができる。このときの親水性有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、テトラヒドロフランなどが例示される。
本発明における(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜20重量部であり、0.5重量部より少ない場合には基材との密着性効果が弱くなり20重量部より多い場合には皮膜が硬くもろいものとなる。より好ましくは、1〜10重量部である。
【0014】
本発明における(C)成分の硬化触媒は、本発明の組成物の各成分を縮合反応により架橋硬化させるために配合するものであり、具体例を挙げると、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジアセテート、ジブチルスズビスオレイルマレート、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸鉄等の有機酸金属塩、N−ヘキシルアミン、グアニジン等のアミン化合物などを挙げることができる。なお、これらの硬化触媒は水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散したエマルジョンの形態にしておくことが望ましい。この(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部であり、0.01重量部未満では本発明の組成物を十分に硬化させることができず、シリコーン皮膜の強度が低下し、10重量部を超えると不揮発分として皮膜中に残存する触媒成分が皮膜特性を阻害する。好ましい範囲は、0.1〜5重量部である。
【0015】
本発明における(D)成分の光触媒性酸化物は紫外線等の照射により、コーティング皮膜に親水性を付与する働きをする。一般に光触媒とは紫外線などが照射されると光励起を生じて伝導電子と正孔を生成するものをいう。このように伝導電子と正孔を生成することで親水性や親油性を発現したり、吸着有機物の酸化分解を引き起こすので、基材に対して防汚性や抗菌性を付与することができる。
本発明における光触媒性酸化物としては酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化第二鉄、三酸化ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウムが挙げられる。これらの中でも、酸化チタンが好ましい。この(D)成分の配合量は(A)成分100重量部に対して10〜400重量部であり、10重量部より少ないと光触媒機能による特性の発現が弱く、400重量部より多い場合にはシリコーン皮膜が脆いものとなり耐久性が劣る。好ましくは50〜300重量部である。
【0016】
本発明においては、更に、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解物を添加することにより、シリコーン皮膜と基材との密着性を更に向上させることができる。
上記エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解物の具体例は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルジメトキシメチルシランなどが挙げられる。上記エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解物の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜20重量部であり、20重量部より多い場合には皮膜が硬くもろいものとなる。好ましくは、1〜10重量部である。
【0017】
本発明においては、更に、皮膜補強剤として、コロイダルシリカ及び/またはポリシルセスキオキサンを添加することが有用である。その具体例としては、コロイダルシリカ、トリメトキシメチルシランの加水分解縮合物であるポリメチルシルセスキオキサン等が挙げられる。
コロイダルシリカは市販のものを使用することも可能で、その種類に制限はないが、例えば、粒径5〜50mmで、ナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで安定化したものがよく、具体例としてはスノーテックス(日産化学社製商品名)、ルドックス(デュポン社製商品名)、シリカドール(日本化学工業社製商品名)、アデライトAT(旭電化工業社製商品名)、カタロイドS(触媒化成工業社製商品名)などが挙げられる。
【0018】
ポリメチルシルセスキオキサンは、界面活性剤水溶液に縮合触媒として硫酸などの酸、または水酸化カリウム等のアルカリ化合物を添加し、更に、トリメトキメチルシランを滴下、攪拌することでポリメチルシルセスキオキサンを含有した乳化物が得られる。この際、ポリシルセスキオキサンの架橋度を調整するためにアルコキシトリアルキルシラン、ジアルコキシジアルキルシラン、テトラアルコキシシランなどを添加することは差し支えない。また、ポリシルセスキオキサンの反応性を高めるためにビニルシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、(メタ)クリルシランなどを添加することも差し支えない。
)上記コロイダルシリカ及び/またはポリシルセスキオキサンの配合量は(A)成分100重量部に対して1〜50重量部であり、50重量部より多い場合にはシリコーン皮膜が硬くて、脆いものとなる。好ましくは1〜30重量部である。また、その平均粒子径は2〜200mmが好適である。
【0019】
本発明において、各成分をエマルジョンの形態にするために用いる界面活性剤としては特に制限はないが、例えばアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル燐酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物等を挙げることかできる。
【0020】
本発明の組成物を基材に処理する方法については特に制限はないが、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布、ナイフコート、浸漬塗布等の公知の方法により行なうことができる。その後、水分を除去乾燥することにより光触媒性酸化物を含有するシリコーン皮膜が形成される。なお、コーティング処理時の作業性向上のため増粘剤などを添加して液粘度を調整することも可能である。その際の増粘剤としてはカルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、デンプン、カゼイン、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明の組成物が使用可能な処理対象物としては建造物外表面、橋梁、鉄塔などの各種鉄骨製構造物、各種プラント及びカーテンやカーペット、衣類、テント、タープ等が挙げられ、これらに対して塗料本来の使用目的及び防臭加工、抗菌加工、防汚処理等を施すためにも使用可能である。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を用いて説明する。
〔製造例1〕
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカー仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2(29MPa)で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成させてから、10重量%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4重量%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH3)2SiO22]/[(C65)SiO32]=100/0.1(モル比)で表される末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして(A)成分を44.4重量%含有するエマルジョン(A−1)を得た。
【0022】
〔製造例2〕
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10重量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2リットルポリエチレン製ビーカー仕込み、ホモミキサーで均一に乳化した後、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力300kg/cm2(29MPa)で高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを攪拌装置、温度計、還流冷却器の付いた2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行った後、10℃で24時間熟成させてから10重量%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンはHO[(CH3)2SiO]nHで示され、粘度1,000Pa・s以上の生ゴム状のものであった。この様にして(A)成分を44.5重量%含有するエマルジョン(A−2)を得た。
【0023】
〔製造例3〕
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温下1時間で滴下し、さらに80℃でエタノール還流下、24時間反応を行い淡黄色透明な(B)成分を50重量%含有する溶液(B−1)を得た。この溶液は105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1重量%であり、溶液中の反応生成物は、IR、GC、NMR、GCMS等の機器分析を行なったところ約60重量%が下記式で示される2種類の化合物の混合物であり、残りの約40重量%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C250)3SiC36-NHCO-CH=CHCOOH、(C25O)3SiC36NH3 +-OCOCH=CHCOOC25
【0024】
〔製造例4〕
ジオクチルスズジラウレート300gとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO10モル付加物)50gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合した後、水650gを徐々に加えて、水中に乳化分散させ、次いで圧力300kg/cm2(29MPa)で高圧ホモジナイザーに2回通し、(C)成分を30重量%含有するエマルジョン(C−1)を得た。
【0025】
〔実施例1〜4、比較例1〜3〕
(表1)に示す純分配合組成で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(E―1とする。)、コロイダルシリカ・スノーテックスC〔日産化学社製商品名、有効成分20重量%、(F―1とする。)〕、(D)成分として光触媒性酸化チタン・STS−21〔石原産業社製商品名、有効成分40重量%、これを(D−1とする。)〕を用いて各シリコーンエマルジョン組成物を得た。このシリコーンエマルジョン組成物500gに攪拌下で、カルボキシメチルセルロース・セロゲンF-SA(第一工業製薬社製商品名)を4g添加し、25℃における粘度を15Pa・sとしコーティング処理とした。同コーティング処理液をナイロン布にナイフコートした後、室温で48時間乾燥して、供試用の処理布を作製した。
この処理布について、基布と皮膜の密着性については、折り曲げ及び爪で擦ることにより、汚れ性については、処理布を屋外曝露台(45度傾斜)に取り付け、2ヶ月に亘り太陽光線に曝した後、処理布表面の汚れを目視観察により、各々(表1)の下に記載した評価基準に従って評価し、結果を(表1)に示した。
【0026】
【表1】
Figure 0004111693
【0027】
【発明の効果】
本発明の組成物でコーティング処理することにより、光触媒性酸化物の特性を阻害することなく、コーティング皮膜を基材へ密着させることが可能になると同時に、コーティング後の皮膜は太陽光の照射により効率よく汚れを酸化分解して、汚れが付着し難く、抗菌性を有する処理皮膜を与えることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、(B)アミノ基含有オルガノアルコキシシランと酸無水物の反応生成物 0.5〜20重量部、(C)硬化触媒 0.01〜10重量部、(D)光触媒性酸化物 10〜400重量部からなる混合物を界面活性剤の存在下で水中に乳化分散した光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物。
    3 SiO−(Y 2 SiO) a - (R 2 SiO) b −SiX 3 ・・(1)
    [ここで、Rは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、Xは同一または異種の置換または非置換の、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシル基、YはXまたは−O - (X 2 SiO) c - SiX 3 で示される同一または異種の基、aは0〜1,000の正数、bは100〜10,000の正数、cは0〜1,000の正数 ]
  2. 光触媒性酸化物が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化第二鉄、三酸化ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウムの中から選択されることを特徴とする請求項1記載の光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物。
  3. 光触媒性酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物。
  4. 更に、下記(E)、(F)を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物。
    (E)エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解物 1〜20重量部、(F)コロイダルシリカ及び/またはポリシルセスキオキサン 1〜50重量部。
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