JP6091221B2 - 消臭抗菌性繊維の製造方法及び繊維用消臭抗菌剤 - Google Patents

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本発明は、優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性とを有する消臭抗菌性繊維の製造方法、及び優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性を繊維素材に付与することのできる消臭抗菌剤に関する。
従来、脱臭性を有する無機系抗菌剤として、亜鉛やジルコニウム、銀等の金属の酸化物やそれらと二酸化ケイ素の複合物等が有効であることが知られている(特許文献1、2)。しかし、これらの無機系抗菌剤により繊維を処理した場合、洗濯前すなわち初期の抗菌性と脱臭性能はあるものの、洗濯耐久性を全く有しておらず、洗濯によって著しい性能低下があるという実用上の問題があった。そこで、このような無機系抗菌剤に対して、洗濯耐久性を向上させる試みがなされてきた。
例えば、鉱物微粒子粉末で繊維を処理する際に、自己架橋型アクリル酸エステルなどの高分子樹脂エマルジョンを耐水性バインダーとして併用することにより、洗濯後も消臭性を維持する方法が提案されている(特許文献3)。しかし、本発明者らの追試によると、この耐水性バインダーでは、社団法人繊維評価技術協議会が定める消臭加工マーク制度の基準を満足せず、洗濯耐久性の面で改良の余地が残されていることが分かった。更には、繊維の風合いが大きく損なわれるため、商品価値を下げるという問題もある。
また、消臭機能を有する金属成分が担持された無機酸化物を微粒子化することにより、繊維の風合いや洗濯耐久性を向上させる方法が提案されている(特許文献4)。しかし、単に微粒子化による効果のみでは限界があり、同じく、社団法人繊維評価技術協議会が制定する消臭加工マークの取得は困難である。
特開平3−190805号公報 特開平5−156510号公報 特開平5−057007号公報 特開平9−299460号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性とを有する消臭抗菌性繊維の製造方法、及び優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性とを繊維素材に付与することのできる消臭抗菌剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、無機系消臭抗菌剤を繊維素材に固定させる際に、特定のアミノ変性シリコーンと特定のオルガノポリシロキサンの組み合わせを用いることにより、優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性とを付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を繊維素材に付与する工程を含む消臭抗菌性繊維の製造方法を提供する。
(A)下記一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーン及び/又は前記アミノ変性シリコーンと、モノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物およびエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応生成物
Figure 0006091221
[上式中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は−R−(NHCHCH−NHR(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、dは0又は1〜10の整数である)で表される基を表し、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、aは10以上の整数であり、bは0または1以上の整数であり、cは0又は1〜10の整数であり、{a/(b+2)}は5〜500である。但し、bが0の時は少なくとも1つのRが−R−(NHCHCH−NHRで表される基であるものとする]
(B)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
(C)金属酸化物、又は金属酸化物と二酸化ケイ素との複合物
本発明においては、前記(A)成分及び(B)成分の繊維素材への付与量は、質量比で(A):(B)=10:90〜90:10であることが好ましい。
また、本発明は、前記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、全成分をいっしょに含むか、各成分をそれぞれ別々に含むか又はそれらの成分のうちの任意の2種と残りの1種とを別々に含む形態で、含有する繊維用消臭抗菌剤を提供する。
本発明によれば、優れた風合いと優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性とを有する消臭抗菌性繊維を提供することができる。
本発明に用いられる(A)成分は、前記一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーンである。式(1)中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は−R−(NHCHCH−NHRで表される基を表す。前記炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。前記炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。Rとしては、入手がしやすいという観点から、炭素数1〜5のアルキル基又は−R−(NHCHCH−NHRで表わされる基が好ましく、メチル基がより好ましい。
及びRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアレーレン基を表す。前記炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基が挙げられる。前記炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基としては、例えば、−(CH−で表される基等が挙げられる。R及びRとしては、風合い及び洗濯耐久性がより優れ、かつ入手がし易いという観点から、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、トリメチレン基がより好ましい。
及びRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。前記炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。炭素数7〜10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基等が挙げられる。R及びRとしては、風合い及び洗濯耐久性がより優れ、かつ入手がし易いという観点から、水素原子が好ましい。
式(1)中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、前記炭素数1〜5のアルキル基の具体例としてはRについて例示したものと同様である。Rとしては、風合い及び洗濯耐久性がより優れるという観点から、メチル基が好ましい。
式(1)中、aは10以上の整数であり、bは0または1以上の整数であり、{a/(b+2)}が5〜500であるという関係を満たす。aが10未満であると、風合い及び洗濯耐久性が不十分となる恐れがある。風合い及び洗濯耐久性がより優れるという観点からは、(a+b)は100以上であることが好ましい。また、前記アミノ変性シリコーンの分散性がより優れるという観点からは、(a+b)は1000以下であることが好ましい。{a/(b+2)}が5未満であるか、又は500を超える場合、風合い及び洗濯耐久性が不十分となる恐れがある。
式(1)中、c及びdは、それぞれ独立に、0または〜10の整数であり、風合い及び洗濯耐久性がより優れるという観点からは1〜3であることが好ましい。
また、bが0の時は、少なくとも1つのRは−R−(NHCHCH−NHRで表される基である。
前記アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、風合いがより優れるという観点から、300〜40000g/molが好ましく、800〜3000g/molがより好ましい。なお、アミノ当量は、窒素原子1個当りの分子量であり、アミノ当量(g/mol)=重量平均分子量/1分子あたりの窒素原子数で求められる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値であり、窒素原子数は元素分析法により求めることができる。
また、前記アミノ変性シリコーンは、風合い及び洗濯耐久性がより優れ、かつ液中での分散性がより優れるという観点から、その25℃における粘度が0.1〜1000cm/sの範囲にあるのが好ましい。
また、本発明における(A)成分として、前記アミノ変性シリコーンと、モノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との反応生成物を用いることもできる。
前記モノカルボン酸としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪酸が挙げられ、この脂肪酸は飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。また、前記モノカルボン酸無水物又は塩化物としては、例えば、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基を有する脂肪酸の無水物又は塩化物が挙げられる。前記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸等の炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸やフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。前記環状酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の炭素数4〜6の脂肪族ジカルボン酸の無水物やトリメリット酸無水物等の芳香族ポリカルボン酸の無水物等が挙げられる。
前記アルキレンカーボネート化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006091221
[上式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す]
このようなアルキレンカーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート、へキシレンカーボネート等が挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006091221
[上式中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルケニル基を表す]
ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基のような直鎖状アルキル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソトリデシル基のような分岐状アルキル基等が挙げられる。また、前記アルケニル基としては、例えば、オレイル基等のアルケニル基が挙げられる。
本発明において、前記アミノ変性シリコーンと、前記モノカルボン酸、前記モノカルボン酸無水物、前記モノカルボン酸塩化物、前記ジカルボン酸、前記環状酸無水物、前記アルキレンカーボネート化合物及び前記エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との反応は通常の方法で行うことができる。例えば、前記アミノ変性シリコーンとモノカルボン酸、モノカルボン酸無水物及びモノカルボン酸塩化物から選ばれる化合物との反応においては、両者を室温で反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で加熱昇温し、50〜120℃の温度範囲で反応させることが望ましい。同様に、前記アミノ変性シリコーンとジカルボン酸及び環状酸無水物から選ばれる化合物との反応においては100〜150℃の温度範囲で反応させるのが望ましく、前記アミノ変性シリコーンとアルキレンカーボネート化合物との反応においては70〜140℃の温度範囲で反応させるのが望ましく、前記アミノ変性シリコーンとエポキシ化合物との反応においては70〜110℃の温度範囲で反応させるのが望ましい。また、前記アミノ変性シリコーンとモノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との反応の際には、前記反応温度の範囲内であれば、前記アミノ変性シリコーンと2種以上の化合物とを同時に反応させてもよい。
モノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物及びエポキシ化合物の種類や前記アミノ変性シリコーンに対する使用量を適宜選択することにより、得られる繊維材料の風合いや洗濯耐久性、さらには吸水性、変色防止性、併用薬剤との併用性などの性能を制御することが可能となる。
前記アミノ変性シリコーンやこれとモノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との反応生成物と、後述する(B)成分を併用することにより、それらをそれぞれ単独で使用するよりも後述する(C)成分の繊維素材への固着性を向上させることができ、さらに優れた風合いも繊維素材に付与することが可能となる。洗濯耐久性がより優れるという観点からは、前記アミノ変性シリコーン及び前記反応生成物の中でも、前記アミノ変性シリコーンを用いることが好ましい。
本発明に用いる(B)成分の1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006091221
[上式中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基を表し、R10は、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基、又は下記一般式(5)
Figure 0006091221
[上式中、複数のR13は、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基或いは置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基を表し、jは0〜1,000の整数を表し、kは0〜3の整数を表す]で表される基を表し、Rは、式(4)中に存在するRとは独立に、水素原子、置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基を表し、R11はヒドロキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基又は上記一般式(5)で表される基を表し、複数のR12は、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基を表し、e及びhは、それぞれ独立に、0又は1〜3の整数を表し、fは0又は1〜1,000の整数を表し、gは100〜10,000の整数を表す]
式(4)及び(5)中のRで表される基の具体例としては、水素原子の他に、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基等のアルコキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の直鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等の環状アルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換された基等を挙げることができる。Rとしては、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がし易いという観点から、メチル基が好ましい。
式(4)中のR10で表される置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基の具体例としては、前記Rの具体例として例示したものを挙げることができる。R10としては、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がしやすいという観点から、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
式(4)中のR11で表される置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基の具体例としては、前記Rの具体例として例示したものを挙げることができる。R11としては、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がしやすいという観点から、ヒドロキシ基、又は置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基が好ましい。
式(4)中のR12で表される置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基の具体例としては、前記Rの具体例として例示したものを挙げることができる。R12としては、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がしやすいという観点から、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(4)中のfが1,000を超えると、得られる繊維材料の洗濯耐久性が不十分となるおそれがある。洗濯耐久性がより優れるという観点からは、fは0〜200であることが好ましい。また、gが100未満であると風合いが不十分となる可能性があり、一方gが10,000を超えると洗濯耐久性が不十分となる恐れがある。風合いと洗濯耐久性がより優れるという観点からは、gは1,000〜5,000であることが好ましい。
式(5)中のR13で表される置換又は未置換の炭素数1〜14のアルコキシ基、置換又は未置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は未置換の炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は未置換の炭素数7〜30のアラルキル基の具体例としては、前記Rの具体例として例示したものを挙げることができる。
式(5)中のjとしては、洗濯耐久性がより優れるという観点から、0〜200が好ましい。
式(4)及び式(5)において、e、h及びkは、それぞれ独立に、0又は1〜3の整数を表す。洗濯耐久性がより優れるという観点からは、前記オルガノポリシロキサンは末端ケイ素原子に結合するヒドロキシ基を2個以上有することが好ましく、式(4)において(e+h+k)は2以上であることが好ましく、e及びhは1以上であることがより好ましい。さらに、入手のし易さから、fが1以上の場合はe、h及びkが1であり、Rがメチル基であるものが好ましく、fが0の場合はe及びhが1であり、Rがメチル基であるものが好ましい。
なお、一般式(4)は、この式(4)で表されるオルガノポリシロキサンがf個の(R1011SiO)単位とg個の(R12 SiO)単位を有することを示すものであり、ブロック共重合体構造を意味するものではない。
本発明に用いる(B)成分の前記オルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有することが必要であり、そのようなヒドロキシ基を少なくとも2個有さない場合、洗濯耐久性が劣る。
本発明において、(B)成分の前記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
HO(CHSiO−[(CHSiO]−Si(CH)OH
HO(CHSiO−[(OCH)(CH)SiO]−[(CHSiO]−Si(CHOH
HO(CHSiO−[(OCH)(C)SiO]−[(CHSiO]−Si(CHOH
HO(CHSiO−[(OH)(CH)SiO]−[(CHSiO]−Si(CHOH
HO(CHSiO−[(OH)(C)SiO]−[(CHSiO]−Si(CHOH
HO(CHSiO−[(CH){O−[Si(CHO]H}SiO]−[(CHSiO]−Si(CHOH
本発明に用いる(B)成分の前記オルガノポリシロキサンの製造方法には特に制限はなく、例えば、金属水酸化物などの触媒の存在下で、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサンと、α,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマーなどのオリゴマーとを平衡化反応させることにより得ることができる。また、(B)成分の前記オルガノポリシロキサンはエマルジョンの形態であることが好ましく、以下の方法により(B)成分の前記オルガノポリシロキサンをエマルジョンの形態で得ることができる。すなわち、環状シロキサン、α,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α,ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマー、アルコキシシランなどをアニオン界面活性剤、カオチン界面活性剤などを用いて水中に乳化分散させたのち、必要に応じて酸、アルカリなどの触媒を添加して乳化重合反応を行うものである。
本発明における(C)成分の金属酸化物或いはそれと二酸化ケイ素との複合物に用いられる金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化銀、酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの平均粒子径は5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。前記金属酸化物を微粒子化することにより、得られる繊維材料の消臭性及び抗菌性とその洗濯耐久性とが向上し、またその風合いが改善され、さらには白化も防止することができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、消臭性と抗菌性がより優れるという観点から、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛と二酸化ケイ素との複合物、又は酸化ジルコニウムと二酸化ケイ素との複合物を用いることが好ましい。さらに、これらの中でも、酸化亜鉛又は酸化亜鉛と二酸化ケイ素の複合物は、良好な初期消臭性を有し、吸着した気体の再放出がほとんどなく、洗濯により飽和した吸着性能が回復するのでより好適に用いることができる。
(C)成分の金属酸化物或いはそれと二酸化ケイ素との複合物は、公知の方法で製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
例えば、酸化亜鉛の製造方法としては金属亜鉛からの間接法、亜鉛鉱石からの直接法、湿式による製法等が挙げられる。また、市販品としては、例えば、酸化亜鉛(製品名、ハクスイテック(株)製)が挙げられる。
また、酸化ジルコニウムは、例えば、特開昭59−107969号公報に記載されている方法で製造することができる。すなわち、ジルコニウムの酸性塩とイットリウムの酸性塩よりなる混合溶液にアンモニウム水を添加し共沈ゲルを作成後、共沈ゲルを分離し、濃塩酸で可溶物を溶解除去し、希塩酸で洗浄後、乾燥することでジルコニウム系単結晶微粒子を得る。
また、酸化亜鉛及び二酸化ケイ素の複合物は、例えば、水ガラスの水溶液と塩化亜鉛、硫酸亜鉛などの亜鉛塩の水溶液とを混合して反応させて、ゲル状の二酸化ケイ素と酸化亜鉛との無定形複合物スラリーを調製し、乾燥することにより、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の無定形複合物を得ることができる。前記二酸化ケイ素及び酸化亜鉛の複合物における二酸化ケイ素と酸化亜鉛の質量比に特に制限はないが、消臭性及び抗菌性がより優れるという観点から二酸化珪素:酸化亜鉛が1:1〜5:1であることが好ましい。
また、酸化チタンは、例えば、市販品としてST−01(製品名、石原産業(株)製)等が挙げられる。
本発明の消臭抗菌性繊維の製造方法は、前記(A)成分、前記(B)成分および前記(C)成分を繊維素材に付与する工程を含むものである。前記(A)成分と前記(B)成分を併用することにより、前記(C)成分の繊維素材への固着性を向上させることができ、優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性を付与でき、さらに優れた風合いも繊維素材に付与することが可能となる。
付与方法としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の1種または2種以上を含む処理液を調整し、その処理液と繊維素材を接触させる方法が挙げられる。処理液と繊維素材を接触させる方法としては、例えば、(i)(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む処理液を繊維素材に付与する方法、(ii)(A)成分及び(C)成分を含む処理液を繊維素材に付与し乾燥させた後、(B)成分を含む処理液を付与する方法、(iii)(B)成分及び(C)成分を含む処理液を付与し乾燥させた後、(A)成分を含む処理液を付与する方法が挙げられる。
風合い及び洗濯耐久性がより優れるという観点から、前記(i)又は前記(iii)の方法が好ましい。また、さらに風合い及び洗濯耐久性がより優れるという観点からは前記(iii)の方法がより好ましく、工定数削減により工程簡略化や使用熱量低減化ができるという観点からは前記(i)の方法が好ましい。
処理液に用いる分散媒としては、例えば、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。このような親水性溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタメチレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
処理液の分散状態をさらに良好にするために、又は微分散後の再凝集を防ぐために、処理液を調製する際に、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールのエチレンオキサイド付加物等の非イオン界面活性剤;スルホン酸型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型のアニオン界面活性剤等の従来公知の乳化剤を併用することが好ましい。また、処理液の粘度調整のために、例えば、ザンタンガム、グアーガム、アラビアガム等の天然多糖類;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤;ポバール系増粘剤;アクリル系増粘剤;ポリアマイド系増粘剤等の従来公知の増粘剤を適宜使用してもよい。
(B)成分を含む処理液には、(B)成分の前記オルガノポリシロキサンによる被膜の洗濯耐久性を向上させるために、アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、シリカ等が添加されていてもよい。これらの化合物は、前記オルガノポリシロキサンと縮合反応することにより被膜の繊維素材への固着性を向上させる。また、前記オルガノポリシロキサンとこれらの化合物の縮合反応や前記オルガノポリシロキサン同士の縮合反応を促進させるために硬化触媒がさらに添加されてもよい。
前記アミノ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
14 (OR14)3−lSi−R15(NHR15NHR16 (6)
[上式中、複数のR14は、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表し、複数のR15は、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R16は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基もしくはアラルキル基又は水素原子を表し、lは0又は1〜2の整数であり、mは0又は1〜6の整数である]
上記式(6)において、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がし易いという観点から、R14はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、R15はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、R16は水素原子であることが好ましい。また、lは0または1であることが好ましく、mは0または1であることが好ましい。式(6)の化合物としては、洗濯耐久性がより優れ、さらに入手がし易いという観点から、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
前記多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸などを挙げることができる。これらの中では、無水マレイン酸を特に好適に用いることができる。
アミノ基を有するオルガノアルコキシシラン及び多塩基酸無水物の反応生成物は、親水性有機溶剤中で室温又は加熱下で両者を混合し反応させることにより得ることができる。前記親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。反応比としては、アミノ基と酸無水物のモル比が0.5〜2であることが好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。
前記反応生成物の配合量は、洗濯耐久性がより優れるという観点から、(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。前記反応生成物の配合量が(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.5質量部未満であると、併用による洗濯耐久性の向上効果が得られないおそれがある。一方、20質量部を超えると皮膜が硬く脆いものとなるおそれがある。
前記エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルジメトキシメチルシランやそれらの加水分解物等を挙げることができる。
前記エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物の配合量は、(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。前記配合量が(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して1質量部未満であると、併用による洗濯耐久性の向上効果が得られないおそれがある。一方、20質量部を超えると、皮膜が硬く脆いものとなるおそれがある。
前記シリカとしては、特に制限はないが、平均粒子径5〜50nmで、ナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで安定化したコロイダルシリカを好適に用いることができる。このようなコロイダルシリカとしては、例えば、スノーテックス(日産化学工業(株))、ルドックス(グレース社)、シリカドール(日本化学工業(株))、アデライトAT(旭電化工業(株))、カタロイドS(触媒化成工業(株))などの市販品を挙げることができる。
前記シリカの使用量は、(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましい。前記シリカの配合量が(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して1質量部未満であると、併用による洗濯耐久性の向上効果が得られないおそれがある。一方、50質量部を超えると、皮膜が硬くて脆いものとなるおそれがある。
前記硬化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビスオレイルマレエート、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸鉄等の有機酸金属塩、へキシルアミン、グアニジン等のアミン化合物等を挙げることができる。なお、これらの硬化触媒は、水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散させたエマルジョンの形態にしておくことが好ましい。
前記硬化触媒の配合量は、(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部であることがより好ましい。前記硬化触媒の配合量が(B)成分の前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して10質量部を超えると、不揮発分として残存する硬化触媒が皮膜特性を阻害し、洗濯耐久性が低下するおそれがある。
前記アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、前記エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物、前記シリカや前記硬化触媒を処理液に添加する方法には特に制限はなく、例えば、あらかじめ(B)成分と混合したものを用意しておきそれを処理液に添加してもよいし、(B)成分とは別に添加してもよい。
また、必要に応じて、さらに、従来から使用されているアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンブタジエンラテックス等のバインダー成分、水溶性カチオンポリマー等の消臭補助剤、消泡剤、浸透剤、柔軟剤、pH調整剤等を処理液に添加してもよい。
前記処理液の(A)成分、(B)成分および(C)成分の濃度は、処理液の付与方法や繊維素材への付与量に応じて適宜調整することができる。
前記処理液を繊維素材に接触させる方法としては、特に制限されず、従来から採用されている繊維処理方法を採用することができ、例えば、浸漬法、パディング法(dip−nip法)、刷毛塗り法、ロールコート、ナイフコート等のコーティング法、スプレー法等の方法が挙げられる。また、例えば、(B)成分及び(C)成分を含む処理液をパディング法により処理し、その後(A)成分を含む処理液をスプレー法により処理するというように、2種以上の方法を組み合わせてもよい。本発明においては、パディング法(dip−nip法)を選択することが好ましい。
処理液付与後の乾燥方法としては、特に制限されず、繊維素材の種類や必要とされる性能に応じて適宜選択することができ、例えば、室温で放置する方法や加熱処理する方法が挙げられる。洗濯耐久性がより優れるという観点からは加熱処理することが好ましい。加熱処理方法としては、従来の方法を適宜採用することができ、例えば、接触加熱、湿熱又は乾熱による加熱、赤外線や高周波による加熱等を挙げることができる。加熱処理の温度及び時間等の条件は、耐熱性や加工適性等の繊維素材の性質を考慮して適宜調整することができるが、例えば、80℃以上で30秒〜10分間とすることができる。加熱処理の温度の上限は、繊維素材の耐熱性を考慮して適宜調整することができるが、通常は200℃とすることができる。また、加熱処理は必要に応じて複数回行ってもよい。
繊維素材への(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総付与量としては、必要に応じて適宜選択することができるが、繊維素材に対して0.01〜20質量%という量が挙げられ、0.01〜10質量%という量が好適である。また、(A)成分及び(B)成分の総付与量は、(C)成分100質量部に対して25〜1000質量部であることが好ましく、30〜300質量部であることがより好ましい。(A)成分及び(B)成分の総付与量が(C)成分100質量部に対して25質量部未満であると、洗濯耐久性が不十分となるおそれがある。一方、1000質量部を超えると、消臭性及び抗菌性が不十分となるおそれがある。さらに、(A)成分と(B)成分の付与量比は、目的とする風合いや洗濯耐久性の程度により適宜調整することができるが、風合い及び洗濯耐久性がよりバランスよく優れるという観点からは、(A):(B)=10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜80:20であることがより好ましい。
本発明の製造方法に適用する繊維素材には特に制限はなく、例えば、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル(登録商標)等の再生セルロース繊維、アセテート、プロミックスなどの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド繊維等の合成繊維、及びそれらの繊維の複合繊維が挙げられる。また、これらの繊維の形態としても特に制限はなく、例えば、短繊維、長繊維、糸、織物、編物、不織布、紙等を挙げることができる。
次に、本発明の消臭抗菌剤について説明する。
本発明の消臭抗菌剤は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有することを特徴とするものである。
本発明の消臭抗菌剤の形態は、前記(A)成分、(B)成分及び記(C)成分が1剤中に含有されるもの又は複数の剤に分かれて含有されるものである。剤安定性の観点から、成分ごとに含有される方が好ましい。
本発明の消臭抗菌剤における分散媒としては、例えば、水や親水性溶媒及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。親水性溶媒の具体例としては、前記本発明の消臭抗菌性繊維の製造方法に対して記載したとおりである。
消臭抗菌剤中の(A)成分、(B)成分および(C)成分の分散状態をより良好とし、剤の安定性をより向上させるために各種界面活性剤が添加されていることが好ましい。
また、本発明の消臭抗菌剤には、従来より消臭抗菌剤に用いられている他の成分が添加されていてもよい。そのような他の成分としては、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤(ザンタンガム、ポリアクリル酸ソーダ、CMC、PVA等)等が挙げられる。
本発明の消臭抗菌剤の成分濃度は適宜調整することができるが、(A)成分、(B)成分および(C)成分が1剤中に含まれる場合であっても複数の剤に分かれて含まれる場合であっても、剤安定性の観点から0.5〜60質量%が好ましい。
本発明の消臭抗菌剤を繊維素材に付与することにより、優れた風合いと洗濯耐久性の優れた消臭性及び抗菌性とを有する消臭抗菌性繊維を得ることができる。
本発明の消臭抗菌剤は、そのまま繊維素材に付与してもよいし、水や親水性溶媒及びこれらの混合溶媒と混合して処理液を調整し、この処理液と繊維素材とを接触させることにより付与してもよい。
繊維素材への付与方法や成分の付与量、適用できる繊維素材等は、前記本発明の消臭抗菌性繊維の製造方法に対して記載したとおりである。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において得られた消臭抗菌性繊維を試験布とし、試験布の消臭性、抗菌性、その洗濯耐久性及び風合いを以下の方法に従って評価した。その結果を後記する表1及び表2に示す。
なお、実施例及び比較例において部は質量部を示す。
1.消臭性
実施例及び比較例で得られた試験布について、洗濯前及び洗濯10回後(L−10)の(I)酢酸、(II)アンモニア、(III)硫化水素に対する消臭性を評価した。
洗濯は、JIS L 0217(1995)付表1に記載されている103法に準じて行った。すなわち、JAFET洗剤40mLを使用し、浴比1:30として、40℃で5分間、試験布を洗濯した後、排水及び脱水し、2分間のオーバーフロー濯ぎを2回繰り返した。この工程を洗濯1回とし、10回繰り返した。その後、試験布をさらに5分間オーバーフロー濯ぎし、次いで、風乾させた。
評価は、洗濯前及び洗濯後の試験布を、20℃及び65%RHの条件下に24時間放置し調湿して行った。
(I)酢酸に対する消臭性
試験布(10cm×10cm)1枚を5Lテドラーバッグに入れ、バック中の空気を脱気した後、酢酸50ppm(容量比)を含有する空気3Lを注入し、密封した。20℃で2時間放置した後、検知管にて酢酸の残留濃度を測定した。また空試験として、試験布を入れずに同様に試験し残留濃度を測定した。次いで、得られた各残留濃度の値から消臭率(%)を下記式に基づいて算出した。
消臭率(%)={1−(残留濃度)/(空試験時の残留濃度)}×100
(II)アンモニアに対する消臭性
酢酸の代わりにアンモニア100ppm(容量比)を含有する空気を用いた以外は、酢酸の場合と同様に試験し、アンモニアに対する消臭率を算出した。
(III)硫化水素に対する消臭性
酢酸の代わりに硫化水素4ppm(容量比)を含有する空気を用いた以外は、酢酸の場合と同様に試験し、硫化水素に対する消臭率を算出した。
2.抗菌性
実施例及び比較例で得られた試験布について、洗濯前及び洗濯10回後(L−10)の抗菌性を、JIS L 1902(2002)の定量試験法に準拠して、黄色ブドウ球菌を用いて試験し、静菌活性値が2.2以上を合格とした。なお、洗濯と洗濯前及び洗濯後の試験布の調湿は上記と同様の方法で行った。
A:静菌活性値が2.2以上
B:静菌活性値が2.2未満
3.風合い
実施例及び比較例で得られた試験布の風合いを手の触感により試験し、以下の基準に基いて評価した。なお、試験布の調湿は上記と同様の方法で行った。
A :柔軟であり非常に良好である
:柔軟であり良好である
B :やや柔軟でありやや良好である
:やや粗硬でありやや劣る
C :粗硬であり劣る
4.試験布の製造
調製例1
撹拌容器に下記式(7)で表され、25℃における粘度が12cm/sであり、アミノ当量が1100g/molであるアミノ変性シリコーン15部、ソフタノール50(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=10.5)1.7部、ソフタノール90(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=13.3)2.8部、ソフタノール120(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=14.5)4部、水76.5部を加えて乳化させ、(A)成分である前記アミノ変性シリコーンを15質量%含む剤((A−1))を得た。
Figure 0006091221
調製例2
反応容器に上記式(7)で表されるアミノ変性シリコーン15部および無水酢酸0.4部を仕込み、窒素ガス気流下で加熱昇温し、100〜110℃の温度で約1時間反応させた後、無水コハク酸0.4部を仕込み、さらに加熱昇温し、120〜130℃の温度で約2時間反応させた。反応終了後冷却し、ソフタノール50(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=10.5)1.7部、ソフタノール90(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=13.3)2.8部、ソフタノール120(非イオン界面活性剤、(株)日本触媒製、HLB=14.5)4部、水75.7部を加えて乳化させ、(A)成分である前記アミノ変性シリコーンと無水酢酸及び無水コハク酸との反応生成物を15.8質量%含む剤((A−2))を得た。
調製例3
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2Lポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化したのち、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力29MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた2Lガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行い、10℃で24時間熟成させたのち、10質量%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4質量%であり、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH)SiO]/[(C)SiO]=100/0.1(モル比)で表され、29Si−NMRで分析したところ、末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして、(B)成分である前記オルガノポリシロキサンを44.4質量%含む剤((B−1))を得た。
調製例4
無水マレイン酸154gをエタノール500gに溶解したのち、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温で1時間で滴下し、さらに80℃でエタノール還流下に24時間反応を行い、無水マレイン酸及び3−アミノプロピルトリエトキシシランの反応生成物を含む淡黄色透明な溶液を得た。
この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1質量%であり、溶液中の反応生成物は、赤外スペクトル、ガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴及びガスクロマトグラフィー/質量分析法により分析したところ、不揮発分中の約60質量%が下記の式で示される2種類の化合物の混合物であり、残りの約40質量%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(CO)SiCNHCOCH=CHCOOH
(CO)SiC OCOCH=CHCOOC
調製例5
ジオクチル錫ジラウレート300gとポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェニルエーテル50gを2Lポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合したのち、水650gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、次いで圧力29MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、硬化触媒であるジオクチル錫ジラウレート30質量%を含有するエマルジョンを得た。
調製例6
調製例3で得られた(B−1)75部、調製例4で得られた溶液1.5部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部、及びコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスC、20質量%品)15部を混合し、さらに全量が100部となるように水を加え均一になるまで撹拌し、(B)成分を33.3質量%含む剤((B−2))を得た。
調製例7
調製例3で得られた(B−1)75部、調製例7で得られた溶液1.5部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部、及びコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスC、20質量%品)15部、調製例5で得られたエマルジョン1.5部を混合し、さらに全量が100部となるように水を加え均一になるまで撹拌し、(B)成分を33.3質量%含む剤((B−3))を得た。
調製例8
二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物(ラサ工業(株)製、シュークレンズKD−211G、二酸化ケイ素60質量%、酸化亜鉛22質量%)200g、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル(日華化学(株)製、3SP−110)1.25g及び水450gを混合し、パールミルで微粒子化し、(C)成分を25.2質量%含む剤((C−1))を得た。二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物の平均粒子径は0.49μmであった。
調製例9
二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物(ラサ工業(株)製、シュークレンズKD−211G、二酸化ケイ素60質量%、酸化亜鉛22質量%)200g、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル(日華化学(株)製、3SP−110)1.25g及び水450gを混合し、(C)成分を25.2質量%含む剤((C−2))を得た。酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物の平均粒子径は3.65μmであった。
調製例10
平均粒子径5μmの酸化亜鉛を20g、スルホコハク酸ジオレイルエステルナトリウム塩の50質量%水溶液を2g及び水78gを混合し、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーで6時間、分散処理して、(C)成分を20質量%含む剤((C−3))を得た。酸化亜鉛の平均粒子径は0.5μmであった。
調製例11
平均粒子径5μmの酸化亜鉛を16g、平均粒子径5μmの酸化ジルコニウム4g、スルホコハク酸ジオレイルエステルナトリウム塩の50質量%水溶液を2g及び水78gを混合し、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーで6時間、分散処理して、(C)成分を20質量%含む剤((C−4))を得た。酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムの平均粒子径は0.5μmであった。
実施例1
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。
この処理液を用いてポリエステル100%編物をピックアップ70質量%でパディング処理し、130℃で2分間、乾燥させて試験布を得た。
実施例2
調製例1で得られた(A−1)16.5部、調製例3で得られた(B−1)31.5部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例3
調製例1で得られた(A−1)93部、調製例3で得られた(B−1)5.5部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例4
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例6で得られた(B−2)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例5
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例7で得られた(B−3)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例6
調製例2で得られた(A−2)50部、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例7
調製例2で得られた(A−2)50部、調製例7で得られた(B−3)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例8
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例9で得られた(C−2)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例9
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例7で得られた(B−3)20部及び調製例9で得られた(C−2)50部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例10
まず以下の方法で処理液1及び処理液2を調製した。すなわち、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例8で得られた(C−1)50部を混合し、水で全量を1000部にして均一に混合し、処理液1を得た。処理液1のpHは9であった。また、調製例1で得られた(A−1)50部に水を加えて全量を1000部にして均一に混合し、クエン酸でpHを3に調整して処理液2を得た。
得られた処理液1及び処理液2を用いて以下のように試験布を得た。まず、処理液1を用いてポリエステル100%編物をピックアップ70質量%でパディング処理し、130℃で2分間、乾燥させた。その後、処理液2を用いてピックアップ70質量%でパディング処理し、130℃で2分間、乾燥させて試験布を得た。
実施例11
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例10で得られた(C−3)63部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
実施例12
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例3で得られた(B−1)20部及び調製例11で得られた(C−4)63部を混合し、さらに全量が1000部となるように水を加え均一に混合し、クエン酸で処理液のpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
比較例1
調製例8で得られた(C−1)50部に水を全量が1000部となるように加え、均一に混合し、クエン酸でpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
比較例2
調製例3で得られた(B−1)37部、調製例8で得られた(C−1)50部及び水を全量が1000部となるように均一に混合した。クエン酸でpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
比較例3
調製例1で得られた(A−1)110部、調製例8で得られた(C−1)50部及び水を全量が1000部となるように均一に混合した。クエン酸でpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
比較例4
調製例1で得られた(A−1)50部、調製例8で得られた(C−1)50部、アクリル樹脂エマルジョン(日華化学(株)製、カセゾールF−10、不揮発分30質量%)30部及び水を全量が1000部となるように均一に混合した。クエン酸でpHを7に調整して処理液を調製した。この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験布を得た。
Figure 0006091221
Figure 0006091221
表1の結果から分かるように実施例の消臭抗菌性繊維はいずれも優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性と優れた風合いを同時に有するものであった。また、表1及び表2の結果の対比から、(B)成分と(C)成分を併用することにより、それらをそれぞれ単独で用いるよりも優れた洗濯耐久性が得られることが分かった。
本発明によれば、優れた洗濯耐久性の消臭性及び抗菌性と優れた風合いを有する消臭抗菌性繊維を得ることができる。したがって、本発明は、衣料のみならず、カーテン、カーペット、壁紙、天井材、シート材等のような住環境に使用される繊維製品に適用される消臭抗菌性繊維を得るための技術として有用である。

Claims (4)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を繊維素材に付与する工程を含む消臭抗菌性繊維の製造方法。
    (A)下記一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーン及び/又は前記アミノ変性シリコーンと、モノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応生成物
    Figure 0006091221
    [上式中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は−R−(NHCHCH−NHR(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、dは0又は1〜10の整数である)で表される基を表し、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、aは10以上の整数であり、bは0または1以上の整数であり、cは0又は1〜10の整数であり、{a/(b+2)}は5〜500である。但し、bが0の時は少なくとも1つのRが−R−(NHCHCH−NHRで表される基であるものとする]
    (B)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
    (C)金属酸化物、又は金属酸化物と二酸化ケイ素との複合物
  2. (A)成分及び(B)成分の総付与量が、(C)成分100質量部に対して25〜1000質量部である、請求項1に記載の消臭抗菌性繊維の製造方法。
  3. 前記(A)成分及び(B)成分の繊維素材への付与量が質量比で(A):(B)=10:90〜90:10である、請求項1又は2に記載の消臭抗菌性繊維の製造方法。
  4. 下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、全成分をいっしょに含むか、各成分をそれぞれ別々に含むか又はそれらの成分のうちの任意の2種と残りの1種とを別々に含む形態で、含有する繊維用消臭抗菌剤。
    (A)下記一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーン及び/又は前記アミノ変性シリコーンと、モノカルボン酸、モノカルボン酸無水物、モノカルボン酸塩化物、ジカルボン酸、環状酸無水物、アルキレンカーボネート化合物およびエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応生成物
    Figure 0006091221
    [上式中、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基又は−R−(NHCHCH−NHR(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、dは0又は1〜10の整数である)で表される基を表し、複数のRは、互いに他と同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数7〜10のアルキレンアリーレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表し、aは10以上の整数であり、bは0または1以上の整数であり、cは0又は1〜10の整数であり、{a/(b+2)}は5〜500である。但し、bが0の時は少なくとも1つのRが−R−(NHCHCH−NHRで表される基であるものとする]
    (B)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
    (C)金属酸化物、又は金属酸化物と二酸化ケイ素との複合物
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