JP5199456B2 - 医療容器栓体用エラストマー組成物 - Google Patents

医療容器栓体用エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、輸液バッグ等の医療容器が備える栓体の製造に使用されるエラストマー組成物に関するものである。本発明の組成物は、特定のブロック共重合体、プロピレン重合体および軟化剤を特定の割合で含有する。本発明の組成物を使用して得られる成形体は、医療容器栓体として優れた特性を有する。
本発明と類似のエラストマー組成物はいくつか知られている(特許文献1〜5)。また、これらの特許文献には、組成物を使用して得られる成形体は医療容器栓体の用途に使用できることも開示されている。
特開昭61−037242号公報 特開平07−228749号公報 特開平09−173417号公報 特開2002−143270号公報 特開2007−050138号公報
上記特許文献等に開示されている組成物を使用して得られる成形体は、医療容器が備える栓体に要求される性能である、耐熱性(高圧蒸気滅菌による変形がないこと)、耐液漏れ性(種々の針着脱条件において着脱部位から液の漏れ、にじみがないこと)および針保持性(荷重のかかった針が抜け落ちにくいこと)のすべてを十分に満足するものではなく、使用条件が制限されるものであった。
本発明は、上記耐熱性、耐液漏れ性および針保持性が優れる成形体を与える組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の医療容器栓体用エラストマー組成物は、
ブロック共重合体Aを50〜95質量部、
ブロック共重合体Pを5〜50質量部(ただし、ブロック共重合体Aおよびブロック共重合体Pの合計量は100質量部である)、
40℃における動粘度が50〜500cStである軟化剤Bを100〜300質量部、および
曲げ弾性率が1000〜3000MPaであるプロピレン重合体Cを1〜50質量部含有する組成物である。
上記ブロック共重合体Aは、
ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有し該ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合が10〜50%である重合体ブロックY1を1個有し、
上記重合体ブロックY1の両末端に各1個合計2個のスチレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックX1を有する
ブロック共重合体Z1の水素添加物であり、
重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が20〜50質量%であるブロック共重合体である。
上記ブロック共重合体Pは、
ブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2を1個有し、
上記共重合体ブロックY2の両末端に各1個合計2個のポリスチレンブロックX2を有する
ブロック共重合体Z2の水素添加物であり、
重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が40〜70質量%であるブロック共重合体である。
ブロック共重合体Z2の構成成分であるブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2は、
ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YB2を2個以上有し、
スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YS2を1個以上有し、
両末端は領域YB2であるブタジエン−スチレン共重合体ブロックである。
請求項2に記載の発明の医療容器栓体用エラストマー組成物は、請求項1に記載の組成物において、プロピレン重合体Cはポリプロピレンであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明の医療容器栓体用エラストマー組成物は、請求項1または2に記載の組成物において、JIS K6253に準じて測定された測定時間1秒のA硬さが30〜50であることを特徴とする。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、プレス成形など公知の方法で成形可能である。本発明の組成物を使用して得られた成形体は、医療容器栓体に要求される重要特性である耐熱性、耐液漏れ性および針保持性が優れたものである。
本明細書において、数値範囲が「下限数値〜上限数値」で示される場合、下限数値以上上限数値以下であることを意味する。
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPCともいう。)により測定されたポリスチレン換算のものである。重量平均分子量のことをMwともいい、数平均分子量のことをMnともいう。
まず、本発明の組成物について、必須成分であるブロック共重合体A、ブロック共重合体P、軟化剤B、およびプロピレン重合体C、ならびに任意成分の順に説明する。
ブロック共重合体Aは、組成物から得られる成形体の耐熱性、耐液漏れ性および針保持性を良好とするために重要な成分である。
ブロック共重合体Aは、ブロック共重合体Z1の水素添加物であり、重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が20〜50質量%であるブロック共重合体である。
ブロック共重合体Z1は、ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有し該ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合が10〜50%である重合体ブロックY1を1個有し、重合体ブロックY1の両末端に各1個合計2個のスチレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックX1を有するブロック共重合体である。
重合体ブロックX1は、スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックである。
重合体ブロックX1は、本発明の組成物が性能を損なわない範囲でスチレン単量体単位以外のビニル単量体単位を含有してもよい。重合体ブロックX1を構成する全単量体単位のうち、スチレン単量体単位の割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。スチレン単量体単位の割合が不足すると、得られる成形体は耐熱性が悪いものとなる。
重合体ブロックY1は、ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する。
主要構成単位がイソプレンまたはイソプレンとブタジエンの併用である場合は、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。また、主要構成単位がイソブチレンである場合は、得られる成形体は耐熱性が悪いものとなる。
重合体ブロックY1は、本発明の組成物が性能を損なわない範囲でブタジエン単量体単位以外のビニル単量体単位を含有してもよい。重合体ブロックY1を構成する全単量体単位のうち、ブタジエン単量体単位の割合は70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。ブタジエン単量体単位の割合が不足すると、組成物のゴム弾性が不足し、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。
重合体ブロックY1は、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合が10〜50%であり、15〜45%のものが好ましく、20〜40%のものがより好ましい。1,2−結合の割合が多すぎると、得られる成形体はゴム弾性が不足しやすく、耐液漏れ性が悪いものとなる。1,2−結合の割合が少なすぎると、得られる成形体はプロピレン重合体Cとの相溶性が悪くなり、耐液漏れ性が悪いものとなる。
ブロック共重合体Z1は、上記重合体ブロックX1を2個、上記重合体ブロックY1を1個有するものであり、上記重合体ブロックY1の両末端に各1個合計2個の上記重合体ブロックX1を備える。2個の上記重合体ブロックX1は同一のものでも異なるものでもよい。上記重合体ブロックX1を1個だけ有するブロック共重合体は、得られる成形体の耐熱性を不十分なものとする。
ブロック共重合体Z1は、構成重合体ブロックとして上記重合体ブロックX1を10〜60質量%有するものが好ましく、20〜50質量%有するものがより好ましい。上記重合体ブロックX1の割合が少なすぎると得られる成形体が耐熱性の不十分なものとなる場合があり、上記重合体ブロックX1の割合が多すぎると組成物のゴム弾性が不足し、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる場合がある。
ブロック共重合体Aは、上記ブロック共重合体Z1を公知の方法により水素添加することによって、上記重合体ブロックY1の有する(ブタジエンに由来する)不飽和結合を飽和結合に転化したものである。水素添加の割合は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。水素添加がされていないか不十分であると得られる組成物が耐熱性の不十分なものとなる場合がある。上記ブロック共重合体Z1への水素添加は、スチレン単量体単位への水素添加が実質的に起こらない条件でなされる。
ブロック共重合体Aは、一般にSEBSという略称で呼ばれることも多い。SEBSという略称において、Sはスチレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックX1を意味し、EBはブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックY1を水素添加することによって生成するエチレン単量体単位(E)およびブチレン単量体単位(B)を主要構成単位として含有する重合体ブロックを意味する。すなわちSEBSという略称は、EBブロック(エチレン単量体単位およびブチレン単量体単位を主要構成単位とするブロック)の両端にSブロック(スチレン単量体単位を主要構成単位とするブロック)を有するというブロック共重合体のモデル的構造「S−EB−S」に由来している。
本明細書においては当業者の慣行に基づき、1,2−結合のブタジエン単量体単位(1,3−ブタジエンが1,2−付加して生成したブタジエン単量体単位)に由来する構成単位「−CH−CH(C)−」をブチレン単位といい、1,4−結合のブタジエン単量体単位(1,3−ブタジエンが1,4−付加して生成したブタジエン単量体単位)に由来する構成単位「−CH−CH−CH−CH−」をエチレン単位(エチレン単位2個に見立てる)という。
上記ブロック共重合体Aと類似のブロック共重合体としてSEPSおよびSEEPSなどの略称で呼ばれるブロック共重合体があるが、これらのブロック共重合体は本発明のブロック共重合体Aとしては不適切なものである。上記ブロック共重合体Aにおける上記重合体ブロックY1の主要構成単位はブタジエンであるのに対して、SEPSにおいて対応するブロックの主要構成単位はイソプレンであり、SEEPSにおいて対応するブロックの主要構成単位はイソプレンおよびブタジエンである。段落0011で述べたとおり、上記ブロック共重合体Aに替えて主要構成単位がイソプレンまたはイソプレンとブタジエンの併用であるブロックを有するSEPSまたはSEEPSを使用すると得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなるが、その理由について以下に考察する。
本発明において使用する上記ブロック共重合体A(SEBS)は、2個のSブロックに挟まれたブロックがEBブロックであるのに対して、SEPSは、2個のSブロックに挟まれたブロックがEPブロックであり、SEEPSは、2個のSブロックに挟まれたブロックがEEPブロックである(SEEPSにおけるブタジエンは1,4−結合が主体であるため、実質的にエチレン単位のみを構成し、ブチレン単位を構成しない。EEPの1文字目のEはブタジエンに由来するエチレン単位を意味し、EPはイソプレンに由来するエチレン単位およびプロピレン単位を意味する。)。
上記SEBSにおいて、2個のSブロックに挟まれたブロックはEBブロックであることが、組成物を使用して得られる成形体の耐液漏れ性を優れたものとするために、極めて重要な作用をしていることが推察される。すなわち、スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する2個のSブロックに挟まれたブロックは、1,2−結合のブタジエン単量体単位に由来する構成単位「−CH−CH(C)−」および1,4−結合のブタジエン単量体単位に由来する構成単位「−CH−CH−CH−CH−」を主要構成単位として含有するものであることが重要である。
上記ブロック共重合体Aは、全構成単量体単位を基準としてスチレン単量体単位を20〜50質量%有するものである。スチレン単量体単位の割合が少なすぎると得られる成形体は耐熱性が不十分なものとなる。耐熱性が不十分であると滅菌などの加熱処理時に成形体が変形する場合がある。スチレン単量体単位の割合が多すぎると組成物のゴム弾性が不足し、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。
上記ブロック共重合体AのMwは16〜40万であり、20〜35万であることが好ましい。Mwが小さすぎると得られる成形体は耐熱性が不十分なものとなる。Mwが大きすぎると得られる成形体は耐液漏れ性(後述する金属針を使用する混注想定試験)が不十分なものとなるため、使用が制限される。
上記ブロック共重合体Aは2種類以上が併用されてもよい。
上記ブロック共重合体Pは、組成物から得られる成形体の耐液漏れ性および針保持性を良好とするために重要な成分である。
上記ブロック共重合体Pは、下記のブロック共重合体Z2が水素添加されたものであり、重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が40〜70質量%であるブロック共重合体である。
ブロック共重合体Z2は、ブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2を1個有し、共重合体ブロックY2の両末端に各1個合計2個のポリスチレンブロックX2を有するブロック共重合体である。
上記制御分布共重合体ブロックとは、該共重合体ブロックを構成する複数の単量体単位の割合が異なる領域を有する共重合体ブロックを意味する。
上記ブロック共重合体Z2において、上記共重合体ブロックY2の両末端に結合されているポリスチレンブロックX2は、実質的にスチレン単量体単位からなる重合体ブロックである。
上記ポリスチレンブロックX2は、該ブロックを構成する全単量体単位のうち、スチレン単量体単位の割合が90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
上記ブロック共重合体Z2の構成成分であるブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2は、
ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YB2を2個以上有し、
スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YS2を1個以上有し、
両末端は領域YB2であるブタジエン−スチレン共重合体ブロックである。
上記領域YB2は、ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する。
主要構成単位がイソプレンまたはイソプレンとブタジエンの併用である場合は、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。また、主要構成単位がイソブチレンである場合は、得られる成形体は耐熱性が悪いものとなる。
上記領域YB2は、本発明の組成物が性能を損なわない範囲でブタジエン単量体単位以外のビニル単量体単位を含有してもよい。上記領域YB2を構成する全単量体単位のうち、ブタジエン単量体単位の割合は50質量%を超える必要があり、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。ブタジエン単量体単位の割合が不足すると、組成物のゴム弾性が不足し、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。ブタジエン単量体単位以外のビニル単量体単位は実質的にスチレン単量体単位であることが好ましい。
上記領域YS2は、スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する。
上記領域YS2は、本発明の組成物が性能を損なわない範囲でスチレン単量体単位以外のビニル単量体単位を含有してもよい。上記領域YS2を構成する全単量体単位のうち、スチレン単量体単位の割合は50質量%を超える必要があり、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。スチレン単量体単位の割合が不足すると、得られる成形体は耐熱性が悪いものとなる。スチレン単量体単位以外のビニル単量体単位は実質的にブタジエン単量体単位であることが好ましい。
上記領域YB2は、該領域がブロックと見立てることができるものであってもよい。
上記領域YS2も、該領域がブロックと見立てることができるものであってもよい。
上記領域YB2および上記領域YS2の両者について、それぞれの領域がブロックと見立てることができるものである場合、ブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2は、それ自身をブロック共重合体として扱うことができる。
上記ブロック共重合体Pは、上記ブロック共重合体Z2を公知の方法により水素添加して、上記共重合体ブロックY2の有するブタジエンに由来する不飽和結合を飽和結合に転化したものである。水素添加の割合は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。水素添加がされていないか不十分であると得られる組成物が耐熱性の不十分なものとなる場合がある。上記ブロック共重合体Z2への水素添加は、スチレン単量体単位への水素添加が実質的に起こらない条件でなされる。
上記ブロック共重合体Aのモデル的構造「S−EB−S」に対して、上記ブロック共重合体Pはモデル的構造の一例として「S−EB−S−EB−S」で表されるような重合体を包含する。
上記ブロック共重合体PもSEBSの概念に含まれるものであるが、本明細書においては識別のため、上記ブロック共重合体Aを単にSEBSといい、上記ブロック共重合体Pを便宜上マルチブロックSEBSという。
上記ブロック共重合体Pは、全構成単量体単位を基準としてスチレン単量体単位を40〜70質量%有するものである。スチレン単量体単位の割合が少なすぎると得られる成形体は針保持性が不十分なものとなるほか、耐熱性が不足しやすい。
スチレン単量体単位の割合が多すぎると組成物のゴム弾性が不足し、得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。
上記ブロック共重合体PのMwは16〜40万であり、20〜35万であることが好ましい。Mwが小さすぎると得られる成形体は耐熱性が不十分なものとなる。耐熱性が不十分であると滅菌などの加熱処理時に成形体が変形する場合がある。
Mwが大きすぎると得られる成形体は耐液漏れ性(後述する金属針を使用する混注想定試験)が不十分なものとなるため、使用が制限される。
上記ブロック共重合体Pは2種類以上が併用されてもよい。
本発明の組成物において、上記ブロック共重合体Aおよび上記ブロック共重合体Pは、それぞれ50〜95質量部および5〜50質量部の範囲で、両者の合計が100質量部となる割合で使用される。上記ブロック共重合体Aの割合が少なすぎる(上記ブロック共重合体Pの割合が多すぎる)と、得られる成形体は耐液漏れ性が不十分なものとなる。上記ブロック共重合体Aの割合が多すぎる(上記ブロック共重合体Pの割合が少なすぎる)と、得られる成形体は針保持性が不十分なものとなる。
上記軟化剤Bは、得られる成形体の耐液漏れ性および針保持性のバランスを良好にする成分であり、また、加熱溶融された組成物に流動性を付与して成形性を良好にする成分である。
上記軟化剤Bとしては、通常熱可塑性エラストマー組成物に添加されるオイル状の化合物が使用できる。軟化剤Bとしては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、芳香族オイル等の鉱物油が挙げられるほか、常温(20℃)で液体である低重合度のビニル重合体(オレフィン重合体、ジエン化合物重合体、アクリル重合体等)も使用できる。パラフィンオイルは軟化剤Bとして好ましいものである。
上記軟化剤Bは、40℃における動粘度が50〜500cStの範囲のものであり、55〜300cStであるものが好ましい。動粘度が小さすぎると得られる成形体が耐液漏れ性の不十分なものとなるほか、軟化剤が成形体の表面にブリードしやすくなる。動粘度が大きすぎると組成物が成形性の不十分なものとなりやすいほか、得られる成形体が耐液漏れ性の不十分なものとなる。上記軟化剤Bは2種類以上が併用されてもよい。
上記プロピレン重合体Cは、得られる成形体の耐液漏れ性および針保持性のバランスを良好にする成分であり、また、組成物の成形性を良好にする成分である。
上記プロピレン重合体Cは、プロピレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体であり、プロピレンの単独重合体であってもよいし、成形体の性能を損なわない範囲の割合でプロピレン以外のラジカル重合性単量体が共重合された共重合体であってもよい。共重合体の場合、プロピレン単量体単位の割合は70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。実質的にプロピレンの単独重合体であることが最も好ましい。プロピレン単量体単位の割合が不足すると、得られる成形体は耐液漏れ性および針保持性が悪いものとなる。上記プロピレン重合体Cは2種類以上が併用されてもよい。
上記プロピレン重合体Cは、曲げ弾性率が1000〜3000MPaの範囲のものであり、1100〜2500MPaのものが好ましく、1200〜2000MPaのものがより好ましい。曲げ弾性率が小さすぎると得られる成形体は耐液漏れ性および針保持性が悪いものとなる。曲げ弾性率が大きすぎると得られる成形体は耐液漏れ性が悪いものとなる。
本発明の組成物は、上記ブロック重合体Aを50〜95質量部、上記ブロック重合体Pを5〜50質量部(ブロック重合体Aおよびブロック重合体Pの合計量100質量部)、上記軟化剤Bを100〜300質量部(好ましくは120〜280質量部、より好ましくは140〜250質量部、さらに好ましくは150〜230質量部)、および上記プロピレン重合体Cを1〜50質量部(好ましくは5〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部)含有する組成物である。
上記軟化剤Bの割合が少なすぎると組成物が成形性の不十分なものとなるほか、得られる成形体は耐液漏れ性が不十分なものとなる。上記軟化剤Bの割合が多すぎると成形体が針保持性の悪いものとなるほか、耐液漏れ性も不十分となりやすい。
上記プロピレン重合体Cが少なすぎると組成物が成形性の不十分なものとなり、多すぎると得られる成形体が耐液漏れ性の不十分なものとなる。
本発明の組成物は、上記必須成分の他に、性能を損なわない範囲でその他の任意成分が配合されたものであってもよい。任意成分としては、上記ブロック共重合体A、上記ブロック共重合体Pおよび上記プロピレン重合体C以外の熱可塑性樹脂(以下、その他の熱可塑性樹脂という。)、充填剤、滑剤、ブロッキング防止剤、難燃剤等、および酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤等に代表される主成分の変質、分解等を抑制するための添加剤等が挙げられる。
任意成分が配合される場合の配合割合は、組成物および成形体の性能を損なわない範囲で適宜決められる。
その他の熱可塑性樹脂としては、上記ブロック共重合体Aおよび上記ブロック共重合体P以外のブロック共重合体、上記プロピレン重合体C以外のプロピレン重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、アクリル重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等が挙げられる。その他の熱可塑性樹脂が配合される場合の配合割合は、上記ブロック共重合体Aおよび上記ブロック共重合体Pの合計量100質量部を基準として、100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下が特に好ましく、15質量部以下が最も好ましい。その他の熱可塑性樹脂の割合が多すぎると得られる成形体は、耐熱性、耐液漏れ性および針保持性のいずれかが不十分なものとなる場合がある。
本発明の組成物は、所定割合の上記成分を公知の手段により混合および/または混練させて得られる。
混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等を使用することができる。
混練には、押出機、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ等を使用することができる。
例えば、粉末状又はペレット状の固体主原料(成分A、P、C)を混合機で攪拌、混合(ドライブレンド)し、次いで液状主原料(成分B)を添加して攪拌、混合し(成分A、P、Cに成分Bを含浸させ)、必要に応じてその他の原料を添加して攪拌、混合することによって配合粉を得る。得られた配合粉を押出機で混練してペレット化するという方法は好ましい組成物の調製方法である。
上記手順において、「その他の原料」も固体主原料(成分A、P、C)と合わせて最初から添加する方法が採用されてもよい。
次に、組成物の利用について説明する。
本発明の組成物の成形は、射出成形機、押出成形機、プレス成形機等の公知の成形機を使用して行うことができる。
本発明の組成物を成形して得られる成形体は、医療容器用の栓体に要求される重要特性である耐熱性、耐液漏れ性および針保持性が優れたものである。従って、本発明の組成物を成形して得られる成形体は、医療容器用の栓体として好適に使用することができる。
本発明の組成物は、JIS K6253に準じて測定された測定時間1秒のA硬さが30〜50であるものが好ましく、30〜45であるものがより好ましく、30〜40であるものがさらに好ましい。A硬さが小さすぎると得られる成形体は針保持性が不十分なものとなる。A硬さが大きすぎると得られる成形体は耐液漏れ性が不十分なものとなる。本明細書におけるA硬さの測定条件の詳細は後述する。
(原料)
使用された原料は以下のとおりである。
1.ブロック共重合体Aおよび比較用ブロック共重合体A’
・ブロック共重合体A1:G1651(クレイトン製水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:33質量%、Mw:29万、Mn:26万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:37%)
・ブロック共重合体A2:セプトン8006(株式会社クラレ製水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:33質量%、Mw:28万、Mn:26万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:36%)
・比較用ブロック共重合体A’1:G1650(クレイトン製水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:29質量%、Mw:11万、Mn:10万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:37%)
・比較用ブロック共重合体A’2:G1633(クレイトン製水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:30質量%、Mw:45万、Mn:40万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:37%)
・比較用ブロック共重合体A’3:セプトン4055(株式会社クラレ製水添ブロック共重合体SEEPS、スチレン単量体単位含有割合:30質量%、Mw:30万、Mn:28万、ジエン単量体単位における1,2−結合の割合:約37%)
・比較用ブロック共重合体A’4:セプトン2006(株式会社クラレ製水添ブロック共重合体SEPS、スチレン単量体単位含有割合:35質量%、Mw:32万、Mn:29万、ジエン単量体単位における1,2−結合の割合:約37%)
・比較用ブロック共重合体A’5:G1641(クレイトン製ハイビニル水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:32質量%、Mw:24万、Mn:22万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:67%)
2.ブロック共重合体Pおよび比較用ブロック共重合体P’
・ブロック共重合体P1:RP6935(クレイトン製水添ブロック共重合体マルチブロックSEBS、スチレン単量体単位含有割合:58%、Mw:27万、Mn:25万)
・比較用ブロック共重合体P’1:RP6936(クレイトン製水添ブロック共重合体マルチブロックSEBS、スチレン単量体単位含有割合:39%、Mw:15万、Mn:14万)
GPCによる分子量の測定条件は以下のとおりである。
・ポンプ:JASCO(日本分光株式会社)製PU−980
・カラムオーブン:昭和電工株式会社製AO−50
・検出器:日立製RI(示差屈折計)検出器L−3300
・カラム種類:昭和電工株式会社製「K−805L(8.0×300mm)」および「K−804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K−G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/分
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン
3.軟化剤Bおよび比較用軟化剤B’
・軟化剤B1:ケイドール(Sonneborn製オイル、40℃における動粘度:64〜70cSt)
・軟化剤B’1:マーコールN172(エクソンモービル製オイル、40℃における動粘度:33cSt)
4.プロピレン重合体Cおよび比較用オレフィン重合体C’
・プロピレン重合体C1:PM600A(サンアロマー株式会社製ポリプロピレン、曲げ弾性率:1600MPa、MFR(メルトフローレート):7.5g/10分)
・比較用オレフィン重合体C’1:PH943B(サンアロマー株式会社製プロピレン重合体、曲げ弾性率:550MPa、MFR(メルトフローレート):21g/10分)
・比較用オレフィン重合体C’2:J5900(株式会社プライムポリマー製ポリプロピレン、曲げ弾性率:420MPa、MFR(メルトフローレート):8g/10分)
・比較用オレフィン重合体C’3:ニポロンハード1000(東ソー製HDPE(高密度ポリエチレン)、曲げ弾性率:1160MPa、MFR(メルトフローレート):20g/10分、密度:964kg/m
なお、MFR(メルトフローレート)はJIS K 7210に基づき、230℃、荷重2.16kg(21.2N)の条件で測定された値である。
5.任意成分である熱可塑性樹脂
・その他のブロック共重合体D1:G1641(クレイトン製ハイビニル水添ブロック共重合体SEBS、スチレン単量体単位含有割合:32%、Mw:24万、Mn:22万、ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合:67%)
(比較用ブロック共重合体A’5と同一の重合体であるが、任意成分として配合された場合は便宜上D1という。)
(組成物の製造)
上記原料を使用して、本発明の組成物および比較用組成物を製造した。配合割合(質量部)は表1〜2(実施例)および表3〜4(比較例)のとおりである。
固体状原料(軟化剤Bおよび比較用軟化剤B’以外の成分)を混合(ドライブレンド)して固体原料混合物を調製し、該混合物に液状原料(軟化剤Bまたは比較用軟化剤B’)を添加して混合、含浸させて原料混合物を調製した。該原料混合物を下記の条件で押出機で溶融混練して、組成物のペレットを製造した。
・押出機:株式会社テクノベル製 KZW32TW−60MG−NH
・シリンダー温度:250〜300℃(この範囲で組成物毎に適切な温度を選択)
・スクリュー回転数:300rpm
(成形体の製造)
組成物のペレットを下記の条件で射出成形して、長さ125mm、幅125mm、厚さ2mmのプレート状成形体および長さ125mm、幅25mm、厚さ6mmのバー状成形体を製造した。バー状成形体からの打ち抜きにより直径20mm(厚さ6mm)の円柱状成形体を製造し、栓体としての評価はこれを使用した。
・射出成形機:三菱重工業株式会社製 100MSIII−10E
・成形温度:170℃
・射出圧力:成形機の最大能力の30%(実際の圧力は約600kgf/cm
・射出時間:10秒
・金型温度:40℃
(評価)
上記の成形体について以下の評価を行った。
評価結果を表1〜2(実施例)および表3〜4(比較例)に示した。
(A硬さ)
厚さ2mmの成形体を3枚重ね(合計6mm)としたものについて、JIS K6253に準拠した測定時間1秒のA硬さ(試験開始から1秒後の値)を測定した。測定は温度23℃、湿度50%の室内で1日状態調節の後実施した。好ましいA硬さは30〜50である。
(耐熱性(加熱滅菌試験))
円柱状成形体を110℃のオーブン中に30分間静置して加熱滅菌の処理を行った。変形の有無を目視にて評価した。
○:変形は認められなかった。
×:変形が認められた。
(耐液漏れ性1(プラスチック針挿入試験))
液貯槽および液貯槽の底部に栓体取付部位を備える液漏れ試験機に栓体(円柱状成形体)をセットし、液貯槽に水500mlを注ぎ、栓体の平面に0.01MPaの水圧がかかるようにした。評価は温度23℃、湿度50%の室内で行った。
上記栓体の中心に栓体の下方から栓体平面と垂直に、医療用プラスチック針(テルモ株式会社製TC−00503K)を挿入し、2時間静置した。プラスチック針自身の貫通孔は、該貫通孔からの液漏れが起きないように封止されたものを使用した。2時間後にプラスチック針を栓体から抜き、栓体に生じた針穴からの液漏れ(水漏れ)状態を1時間後に目視にて評価した。評価は20個の栓体について行った。
○:にじみ、液漏れともに認められなかった。
△:にじみは認められたが、液漏れは認められなかった。
×:液漏れが認められた。
(耐液漏れ性2(混注想定試験))
液貯槽および液貯槽の底部に栓体取付部位を備える液漏れ試験機に栓体(円柱状成形体)をセットし、液貯槽に水500mlを注ぎ、栓体の平面に0.01MPaの水圧がかかるようにした。評価は温度23℃、湿度50%の室内で行った。
上記栓体の中心に栓体の下方から栓体平面と垂直に、注射器に取付られた医療用金属針(テルモ株式会社製18G)を挿入し、注射器および金属針を約30度傾け、15秒後に傾けたまま金属針を栓体から抜いた。
上記と同じ金属針の栓体への挿入操作および栓体から抜く操作をもう一度繰り返し行った。2回目も1回目と同一の注射器および金属針を使用し、2回目の挿入も1回目の挿入と同じ箇所に行った。2回目の金属針を抜く操作終了後、栓体に生じた針穴からの液漏れ(水漏れ)状態を1時間後に目視にて評価した。評価は20個の栓体について行った。
○:にじみ、液漏れともに認められなかった。
△:にじみは認められたが、液漏れは認められなかった。
×:液漏れが認められた。
(針保持性(荷重吊り下げ試験))
試験用架台に栓体(円柱状成形体)の平面が水平面と平行になるように栓体をセットした。評価は温度23℃、湿度50%の室内で行った。
上記栓体の中心に栓体の下方から栓体平面と垂直に、500gのおもりが取付られた医療用金属針(テルモ株式会社製TC−00501K)を挿入し、金属針を挿入してから抜け落ちるまでの時間(針保持時間、単位は秒)を測定した。針保持時間は100秒以上が好ましく、120秒以上がより好ましい。
Figure 0005199456
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Figure 0005199456
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比較例1は、ブロック共重合体Pが含まれない組成物に関するものであり、針保持性が極めて悪いものであった。
比較例2は、軟化剤Bの使用割合が少なすぎる組成物に関するものであり、耐液漏れ性が極めて悪いものであった。
比較例3は、軟化剤Bの使用割合が多すぎる組成物に関するものであり、針保持性が極めて悪く、耐液漏れ性も悪いものであった。
比較例4は、プロピレン重合体Cの使用割合が多すぎる組成物に関するものであり、耐液漏れ性が極めて悪いものであった。
比較例5は、ブロック共重合体Aに替えてMwが小さい比較用ブロック共重合体A’が配合された組成物に関するものであり、耐熱性が悪いものであった。
比較例6は、ブロック共重合体Aに替えてMwが大きい比較用ブロック共重合体A’が配合された組成物に関するものであり、針保持性および耐液漏れ性2(混注想定試験)が悪いものであった。
比較例7および8は、ブロック共重合体Aに替えてSEPSまたはSEEPSが配合された組成物に関するものであり、耐液漏れ性が悪いものであった。
比較例9は、ブロック共重合体Aに替えてハイビニルSEBSが配合された組成物に関するものであり、耐液漏れ性および針保持性が悪いものであった。
比較例10は、軟化剤Bに替えて動粘度が低い比較用軟化剤が配合された組成物に関するものであり、耐液漏れ性および針保持性が悪いものであった。
比較例11は、ブロック共重合体Aとブロック共重合体Pの割合が範囲外の組成物に関するものであり、耐液漏れ性がやや悪いものであった。
比較例12は、ブロック共重合体Pに替えてMwが小さい比較用ブロック共重合体P’が配合された組成物に関するものであり、耐熱性が悪いものであった。
比較例13〜15は、プロピレン重合体Cに替えて比較用オレフィン重合体が配合された組成物に関するものであり、耐液漏れ性および針保持性が極めて悪いものであった。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、プレス成形など公知の方法で成形可能である。本発明の組成物を使用して得られた成形体は、医療容器栓体に要求される重要特性である耐熱性、耐液漏れ性および針保持性が優れたものであり、輸液バッグ等の医療容器の栓体として好適に利用できる。

Claims (3)

  1. ブロック共重合体Aが50〜95質量部、ブロック共重合体Pが5〜50質量部であって、上記ブロック共重合体Aと上記ブロック共重合体Pとの合計量が100質量部と、
    40℃における動粘度が50〜500cStである軟化剤Bを100〜300質量部と、
    曲げ弾性率が1000〜3000MPaであるプロピレン重合体Cを1〜50質量部と、
    を含有するエラストマー組成物であって、
    上記ブロック共重合体Aは、
    ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有し該ブタジエン単量体単位における1,2−結合の割合が10〜50%である重合体ブロックY1を1個有し、
    上記重合体ブロックY1の両末端に各1個合計2個のスチレン単量体単位を主要構成単位として含有する重合体ブロックX1を有する
    ブロック共重合体Z1の水素添加物であり、
    重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が20〜50質量%であるブロック共重合体であり、
    上記ブロック共重合体Pは、
    ブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2を1個有し、
    上記共重合体ブロックY2の両末端に各1個合計2個のポリスチレンブロックX2を有する
    ブロック共重合体Z2の水素添加物であり、
    重量平均分子量が16〜40万であり、スチレン単量体単位の含有割合が40〜70質量%であるブロック共重合体であり、
    上記ブタジエン−スチレン制御分布共重合体ブロックY2は、
    ブタジエン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YB2を2個以上有し、
    スチレン単量体単位を主要構成単位として含有する領域YS2を1個以上有し、
    両末端は上記領域YB2であるブタジエン−スチレン共重合体ブロックである
    ことを特徴とする医療容器栓体用エラストマー組成物。
  2. プロピレン重合体Cはポリプロピレンである請求項1に記載の医療容器栓体用エラストマー組成物。
  3. 上記エラストマー組成物のJIS K6253に準じて測定された測定時間1秒のA硬さが30〜50である請求項1または2に記載の医療容器栓体用エラストマー組成物。
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