JP4308961B2 - 耐熱性及び耐油性に優れた樹脂組成物及びライナー材 - Google Patents

耐熱性及び耐油性に優れた樹脂組成物及びライナー材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性やクッション性に富み、耐熱性(耐レトルト性)、耐油性、及び成形加工性に優れている樹脂組成物に関するもので、より詳細には容器蓋用のライナー材、特にインシェルモールドに適したライナー材として有用な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴム的な材料であって、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマー組成物が、キャップシール材分野で注目されている。
このような熱可塑性エラストマー組成物として、現在、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系などの種々の形式の樹脂が開発され、市販されている。
【0003】
これらのうちで、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは衛生面での信頼性が高く、安価なことから広く使用されている。しかしながら、これらのポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは柔軟性に劣り、シール性が発現しにくいのが現状である。
【0004】
スチレン・ブタジエン−ブロックポリマー(SBS)やスチレン・イソプレンブロックポリマー(SIS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物およびこれらの水素添加物は、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れており、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
【0005】
例えば、特公平6−88608号公報には、容器蓋殻体と殻体頂板部内面に設けられたライナーとからなるライナー付き容器蓋において、前記ライナーが(i)メルトインデックス(200℃、5kg)が0.1g/10min以下である水素添加スチレン/ブタジエンブロック共重合体10乃至60重量%、(ii)流動パラフィン20乃至80重量%及び(iii )プロピレン系樹脂5乃至60重量%を含有する組成物から形成されていることを特徴とする耐熱性ライナー付き容器蓋が記載されている。
【0006】
また、特開平3−182586号公報には、ポリプロピレン系樹脂50乃至5重量%、水素添加ブロック共重合エラストマー50乃至95重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、滑剤0.1乃至5重量部を混合した重合体組成物よりなるプラスチックキャップ用ライナーが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、食品の多様化に伴い、油脂、脂肪性食品が多くなっている。これらの多くは中性食品であるため、殺菌にレトルト殺菌を必要とするものが多く、具体的には120℃で30分間のレトルト処理に耐えることが要求される。
一方、油脂、脂肪性食品(油脂、脂肪分が20%以上)の容器は厚生省告示370号によりn−ヘプタンの溶出試験で30ppm以下でなければならない。
これらの耐レトルト性や、耐油性に加えて、容器蓋用ライナー材としては、柔軟性やクッション性に富んでいるという基本的物性に加えて、耐衝撃性や成形加工性に優れていることが要求される。
【0008】
この様な用途には王冠のコルク、ポリプロピレンをベースにした発泡ヂスクが使用されている。しかしながら、これらはライナー材としてのコストが高く、衛生性にも劣っている。
生産性、衛生性及びコストに優れたライナーの成形法として、所謂インシェルモールド法が知られており、この方法によれば、容器蓋殻体内に押出機で材料を供給し、一定量ずつ切断して殻体の中央に落とし、型押し成形でライナーを成形する。しかしながら、ライナー材の種類によっては押出機で押出成形が出来ないものもあり、また、押出し出来ても材料がシェルの中央に落ちないと、ライナー材として使用できない。これは成形条件にもよるが、材料の影響がより大きい。
【0009】
また、耐レトルト性評価において、レトルト後のシール性が良好であっても、その後の取り扱いを考慮した振動試験、一定高さからの倒立落下衝撃試験等での漏れが認められないことが重要である。更に、レトルト試験は通常の使用では最も厳しい125℃で30分間の処理において漏れないことが重要である。
【0010】
このような耐レトルト性、耐油性、耐衝撃性及び成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー組成物は未だ知られていない。
第一の従来例に示されたポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物では、成形性や柔軟性付与のためにパラフィンオイルなどの軟化剤を添加するが、このためn−ヘプタン抽出試験に適合せず、油性液体のキャップシールに用いるには問題があった。一方、パラフィンオイルを使用しない場合には、柔軟性及び成形性が悪化するのを避けがたい。
また、第二の従来例に示されたライナーでは、熱成形性や柔軟性と耐レトルト性とのバランスをとるのが難しく、これらの特性を同時に満足させることが困難である。
【0011】
そこで、本発明の目的は、柔軟性やクッション性に富み、耐熱性(耐レトルト性)、耐油性、及び成形加工性に優れている樹脂組成物に関するもので、より詳細には容器蓋用のライナー材、特にインシェルモールドに適したライナー材として有用な樹脂組成物を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(1)ビニル芳香族化合物から主として誘導される少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として誘導される少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られるブロック共重合体(以下、水素添加ブロック共重合体と省略する事もある)であって、数平均分子量が10万以上のもの100重量部と、(2)メルトフローレート(JIS K7210、荷重 2,160g、温度 230℃)が10g/10min以上のプロピレン系重合体、及び/または、共重合体5乃至50重量部と、(3)融点が135℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体5乃至50重量部とを含有し且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有量が20乃至90重量部の範囲にあることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
本発明の樹脂組成物は、前記ブロック共重合体100重量部当たり2乃至12重量部の軟化剤を更に含有することが好ましい。本発明によれば更に、上記樹脂組成物からなることを特徴とするライナー材が提供される。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明の樹脂組成物においては、上記成分(1)、即ち数平均分子量が10万以上の水素添加ブロック共重合体に、メルトフローレートが10g/10min以上のプロピレン系重合体乃至共重合体(2)と、融点が135℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体(3)とを組み合わせで配合することが特徴である。
【0014】
上記水素添加ブロック共重合体の内、数平均分子量が10万以上のものは耐熱性や耐油性には優れているが、ライナーなどの用途に用いるために要求される成形性に欠けると共に、レトルト殺菌等に付した場合には柔軟性や耐衝撃性に欠け、密封保持に必要な適度の開栓トルクが得られないという問題を有している。
本発明では、この水素添加ブロック共重合体(1)に上記成分(2)及び(3)を組み合わせで配合することにより、耐熱性や耐油性を低下させることなく、成形加工性や耐レトルト性、更には柔軟性やクッション性を向上させることができる。
【0015】
本発明では先ず、オレフィン系樹脂の中でもメルトフローレート(MFR)が10g/10min以上と大きいプロピレン系重合体、及び/または、共重合体(2)を選択し、これを水素添加ブロック共重合体に配合することが、耐熱性や耐油性を低下させることなく、成形性を向上させる点で重要である。例えば、高密度ポリエチレンのような他のオレフィン系樹脂では、これを水素添加ブロック共重合体に配合したとしても、成形加工性の向上は期待できず、また、プロピレン系重合体、及び/または、共重合体でもMFRが10g/10minを下回るようなものでは、やはり成形性の向上は望めない。
【0016】
また、本発明では、融点が135℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体(3)を選択し、これを水素添加ブロック共重合体に配合することが、耐熱性や耐油性を低下させることなく、柔軟性やクッション性、更には、レトルト処理後の耐衝撃性、密封保持性を向上させる上で重要である。
即ち、通常のエチレン・プロピレン系重合体ゴムでは、融点が135℃よりも低く、このような低融点のものを配合したのでは、レトルト処理に耐えるような耐熱性は得られない。本発明に用いるポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体では、耐熱性に優れていながら、しかも柔軟性やクッション性に優れているという利点を与えるものである。
【0017】
本発明の樹脂組成物では、前記水素添加ブロック共重合体(1)の100重量部を基準として、前記プロピレン系重合体、及び/または、共重合体(2)を5乃至50重量部、好適には10乃至45重量部の量で、前記ポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体(3)を5乃至50重量部、好適には10乃至45重量部の量で且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有量が20乃至90重量部、好適には40乃至60重量部の範囲で含有させることも重要である。
【0018】
成分(2)の含有量が上記範囲を下回る場合、成形加工性が上記範囲内にある場合に比して低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると、柔軟性やクッション性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲にある場合に比して低下する傾向がある。
また、成分(3)の含有量が上記範囲を下回る場合、柔軟性やクッション性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲内にある場合に比して低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると、成形性が上記範囲にある場合に比して低下する傾向がある。
更に、成分(2)及び成分(3)の合計含有量が上記範囲を下回る場合、成形加工性が上記範囲内にある場合に比して低下し、開栓トルク値が過大になる傾向があり、一方上記範囲を上回ると、柔軟性やクッション性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲にある場合に比して低下する傾向がある。
【0019】
[成分(1)]
水素添加ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体あるいはこれを水素添加して得られるものであり、例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−Aなどの構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加して得られるものである。
このブロック共重合体は全体として、ビニル芳香族化合物を5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%含む。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAは、50重量%以上、好ましくは70重量%以上のビニル芳香族化合物、及び任意的成分たとえば共役ジエン化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、50重量%以上、好ましくは70重量%以上の共役ジエン化合物、および任意的成分たとえばビニル芳香族化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。
【0020】
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていてもよい。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
【0021】
ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上を選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
【0022】
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が20〜50重量%、好ましくは25〜45%である。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
【0023】
ブロック共重合体の数平均分子量は、10万以上であり、好ましくは100,000〜1,500,000、より好ましくは、100,000〜550,000、さらに好ましくは100,000〜400,000の範囲であり、分子量分布(Mw/Mn)は10以下である。
また、この水素添加ブロック共重合体のメルトフローレート(JIS K7210、荷重 2,160g、温度 230℃)は0.1g/10min以下であることが好ましい。
【0024】
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0025】
これらのブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることができる。水素添加する方法も公知である。
【0026】
[成分(2)]
本発明に用いるプロピレン系重合体、及び/または、共重合体は、メルトフローレートが10g/10min以上、好適には30g/10min以上のものであり、アイソタクティックポリプロピレンやシンジオタクティックポリプロピレンが使用される。プロピレン含有量が95重量%以上であるという条件下にプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン1共重合体なども使用できる。これらの共重合体はブロック共重合体でもよく、またランダム共重合体であってもよい。更に、ホモポリプロピレンと上記共重合体とのブレンド物であってもよい。
【0027】
[成分(3)]
本発明に用いるポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体は、融点が135℃以上、特に145℃乃至165℃の範囲にあるものである。
この共重合体は、ポリプロピレンとエチレン・プロピレン系共重合体との単なるブレンド物とは異なり、ポリプロピレンにエチレン及びプロピレンが共重合したもので、改質成分として5−メチレン−2−ノルボルネンや5−エチリデン−2−ノルボルネンから誘導された単位が5重量%以下の範囲で含有されていてもよいものである。
【0028】
この共重合体においては、ポリプロピレン主体とするマトリックス中にエチレン−プロピレンランダム共重合体を主体とする成分が微粒化分散した分布構造、又は、エチレン−プロピレンランダム共重合体を主体とするマトリックス中にポリプロピレン主体とする成分が微粒化分散した分布構造を有しており、これが高い融点を与えながら、かつ柔軟性を与えていると考えられる。
好ましい分布構造は、ポリプロピレンのマトリックス中にエチレン−プロピレンランダム共重合体を主体とする成分が微粒化分散した分布構造を有するものである。
この共重合体は、プロピレン及びエチレン−プロピレン或いは、更に改質成分を、例えば、活性マグネシウム上に担持されたハロゲン含有チタン化合物及び電子供与性化合物などからなる触媒の存在下に直接重合させることにより得られるものであり、モンテル社からCATALLOY ADFLEX KS−084Pの商品名で入手できる。
【0029】
用いるポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体の硬度(ASTM−D2240 ショアD)が60以下であることが柔軟性付与の点で好ましく、メルトフローレートが10g/10min以上であることが好ましい。
【0030】
[成分(4)]
本発明の樹脂組成物には、軟化剤を含有させることが成形性や成形物の外観特性を向上させる点で好ましい。
軟化剤としては、非芳香族系のゴム用軟化剤、例えば非芳香族系の鉱物油又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が挙げられる。
一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖が組合った混合物であって、一般に、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族系と呼び区別されている。
本発明の成分(4)として用いられるゴム用鉱物油軟化剤は、上記のパラフィン系及びナフテン系が好ましい。芳香族系の軟化剤は、成分(1)との関係で分散性が悪く好ましくない。成分(4)として、パラフィン系の鉱物油軟化剤が特に好ましく、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
該非芳香族系のゴム用軟化剤は、37.8℃における動的粘度が好ましくは20〜500cst、流動点が好ましくは−10〜−15℃、引火点(COC)が好ましくは170〜300℃を示す。
これらの軟化剤は、水素添加ブロック共重合体100重量部当たり2乃至12重量部、特に3乃至7重量部の量で用いるのがよい。上記量比よりも多い量で用いることは、耐油性の点で好ましくない。
【0031】
なお、本発明の組成物は上記の成分のほかに用途に応じて、各種のブロッキング防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有することも可能である。
本発明の組成物は、上記成分(1)、(2)及び(3)或いは更に成分(4)を任意の順で又は同時に溶融混合することにより調製できる。
【0032】
【実施例】
本発明を次の例を参照して、更に説明する。
【0033】
[実施例1〜12及び比較例1〜8]
実施例1〜12、比較例1〜8までの組成のものについて各材料をタンブラーでドライブレンド後、押出機を通して造粒し、このコンパウンドでインシェルモールド方式で28mmPPキャップのライナーを成形し、この時の成形性を評価した。またこのキャップを 180ml入り壜を使用してキャップとしての耐熱性と、耐油性をしらべた。キャップは0.23mmのアルミ材を使用し、内面をエポキシフェノール系のオレフィン樹脂接着塗料を塗布したものを使用した。
【0034】
評価方法は次の通り。
1)成形性
各ペレット材をインシェルモールド機で最適成形温度を選び、28PPキャップのライナーに成形し、そのときのライナー成形の良否を調べた。
◎ 全て良品、
○ 良品率90%以上,
△ 良品率70〜90%,
× 良品率70%以下
2)耐レトルト性
28mm用の180ml入り壜に85℃の熱水を充填し、シーリングマシンで各キャップを被せた後レトルト釜で 120℃で30分間のレトルト処理を加え放冷後、倒立落下衝撃試験を行い漏れの有無を真空度で測定した。
◎ 落下高さ10cm以上で漏れ無し
○ 落下高さ10cmで漏れ5cmで漏れ無し
△ 落下高さ5cm以下で漏れ1cmで漏れ無し
× 1cmで漏れが認められたもの
3)耐油性試験
28mm用の180ml入り壜を使用し厚生省告示340号(昭和34年)に基づく倒立法でn-ヘプタンによる溶出量を測定した。
評価法 30ppm以下 ○
150ppm以下 △
150ppm以上 ×
4)開栓トルク値
2)と同様に充填、レトルト処理し放冷、1日放置後その開栓トルク値をトルクメーターにて測定した。
評価法 7〜14kgfcm ○
3〜6kgfcm、15〜17kgfcm △
3kgfcm以下、17kgfcm以上 ×
得られた結果を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004308961
【0036】
注 使用材料の特徴
表中は以下の材料名を示す。
1)SEPS4077 クラレ社製SEPS(数平均分子量約26万)
2)G1651 シェル社製SEBS(数平均分子量約20万)
3)G1652 シェル社製SEBS(数平均分子量約 7万)
4)MS170 トクヤマ社製PP (MFR 30g/10分)
5)MJ145 トクヤマ社製PP (MFR 10g/10分)
6)MS230 トクヤマ社製PP (MFR 4g/10分)
7)KS-084P モンテル社製PEP (MFR 30g/10分)
8)PW90 出光石油社製非芳香族系オイル (粘度 100cst)
(9)その他: 滑剤として不飽和脂肪酸アミドを、樹脂、エラストマー、改質剤の合計を100 重量部としたとき0.5重量部添加した。着色剤として酸化チタンを同様に1.0 重量部添加、安定剤を同様に0.05 重量部添加。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の水素添加ブロック共重合体に、メルトフローレートが10g/10min以上のプロピレン系重合体、及び/または、共重合体と、融点が145℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体とを特定の量比で含有させることにより、柔軟性やクッション性に富み、耐熱性(耐レトルト性)、耐油性、及び成形加工性に優れている樹脂組成物が提供され、この樹脂組成物は容器蓋用のライナー材、特にインシェルモールドに適したライナー材として有用である。

Claims (3)

  1. (1)ビニル芳香族化合物から主として誘導される少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として誘導される少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られるブロック共重合体であって、数平均分子量が10万以上のもの100重量部と、(2)メルトフローレート(JIS K7210、荷重 2,160g、温度230℃)が10g/10min以上のプロピレン系重合体、及び/または、共重合体5乃至50重量部と、(3)融点が135℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体5乃至50重量部とを含有し且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有量が20乃至90重量部の範囲にあることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ブロック共重合体100重量部当たり2乃至12重量部の軟化剤(4)を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなることを特徴とするライナー材。
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