JP2003231793A - 熱可塑性エラストマー組成物、それを用いた成形体及び複合成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、それを用いた成形体及び複合成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、(短期および長期の)圧縮永久歪
み、耐油性に優れ、かつ軟化剤のブリードアウトを抑え
た熱可塑性エラストマー組成物、その成形体及び複合成
形体の提供。 【解決手段】 (a)芳香族ビニル化合物を主体とする
少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合
物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブ
ロック共重合体及び/又は共役ジエン化合物ブロック共
重合体の水素添加物100重量部、(b)非芳香族系ゴ
ム用軟化剤50〜150重量部、及び(c)DSC測定
による融点が70〜140℃、かつ140℃の溶融粘度
が400〜100000cpsの熱可塑性樹脂3〜10
0重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物、その
成形体及び複合成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物、その成形体及び複合成形体に関し、特に、
柔軟性、(短期および長期の)圧縮永久歪み、成形加工
性に優れ、かつ軟化剤のブリードアウトを抑えた熱可塑
性エラストマー組成物、その成形体及び複合成形体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム弾性を有する軟質材料であっ
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
【0003】熱可塑性エラストマーの中でも、芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体であ
るスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)や
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)など
のポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富
み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得
られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れてお
り、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
【0004】また、これらのエラストマー中のスチレン
と共役ジエンのブロック共重合体の分子内二重結合を水
素添加したエラストマー組成物は、耐熱老化性(熱安定
性)および耐候性を向上させたエラストマーとして、さ
らに広く多用されている。
【0005】しかしながら、これらの水素添加ブロック
共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だ
ゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永
久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改
良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘
導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案さ
れている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
【0006】しかしながら、特許文献1〜5に開示され
ている水添ブロック共重合体の架橋組成物は、高温時、
特に100℃における圧縮永久歪みが未だに不十分であ
り、機械強度が低下し易いという問題があり、従来加硫
ゴム用途で要求されている性能レベルに到達していない
のが現状である。また押出成形では高温時の溶融張力が
低いために形状保持性が悪化し、射出成形では成形サイ
クルが長くなるなど、成形加工面の問題点も多い。
【0007】また、特許文献1〜5に開示された組成物
はいずれも、ショアA硬さで40以上であり、軟化剤の
添加量を増量することによって軟化させているが、かか
る場合には、成形品表面にベタツキが発生したり、加熱
応力下において軟化剤のブリードアウトを生じ、実用上
好ましくないという問題点を含んでいるのが現状であ
る。
【0008】
【特許文献1】特開昭59−6236号公報
【特許文献2】特開昭63−57662号公報
【特許文献3】特公平3−49927号公報
【特許文献4】特公平3−11291号公報
【特許文献5】特公平6−13628号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、柔軟性、(短期および長期の)圧縮永久歪み、
耐油性に優れ、かつ軟化剤のブリードアウトを抑えた熱
可塑性エラストマー組成物、その成形体及び複合成形体
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の水素添ブ
ロック共重合体エラストマーを、低融点かつ低溶融粘度
の熱可塑性樹脂と溶融混練することにより、柔軟性、圧
縮永久歪み、成形加工性に優れ、軟化剤のブリードアウ
トを抑えた熱可塑性エラストマー組成物が得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明は、(a)
芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個の重合
体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なく
とも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合
体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(a−
1)及び/又は共役ジエン化合物ブロック共重合体の水
素添加物(a−2)100重量部、(b)非芳香族系ゴ
ム用軟化剤30〜150重量部、及び(c)DSC測定
による融点が70〜140℃、かつ140℃の溶融粘度
が400〜100000cpsの熱可塑性樹脂3〜10
0重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物であ
る。
【0012】また、本発明の第2の発明は、(c)成分
の熱可塑性樹脂が、無極性樹脂及び/又は極性基を有す
る樹脂であることを特徴とする第1の発明に記載の熱可
塑性エラストマー組成物である。
【0013】また、本発明の第3の発明は、無極性樹脂
が、ポリエチレンワックスであることを特徴とする第2
の発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0014】また、本発明の第4の発明は、極性基を有
する樹脂が、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、鹸化エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミド系
熱可塑性エラストマー、生分解性ポリエステル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー、ポリウレタン系樹脂及びポリウレタン系熱可塑性
エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一種の
樹脂であることを特徴とする第2の発明に記載の熱可塑
性エラストマー組成物である。
【0015】また、本発明の第5の発明は、(d)パー
オキサイド分解型ポリオレフィン樹脂0.1〜25重量
部を更に含有することを特徴とする第1〜4のいずれか
の発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0016】また、本発明の第6の発明は、第1〜5の
いずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物か
らなることを特徴とする成形体である。
【0017】また、本発明の第7の発明は、第6の発明
に記載の成形体からなることを特徴とする医療用弾性部
材、食品用弾性部材またはインクジェット記録装置用弾
性部材である。
【0018】また、本発明の第8の発明は、第6発明に
記載の成形体とポリプロピレン系樹脂からなる成形体と
を熱融着することを特徴とするの熱融着複合成形体であ
る。
【0019】また、本発明の第9の発明は、第8の発明
に記載の熱融着複合成形体からなることを特徴とする医
療用弾性部材、食品用弾性部材またはインクジェット記
録装置用弾性部材である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマー組
成物の構成成分、製造方法、用途等について以下に詳細
に説明する。
【0021】1.熱可塑性エラストマー組成物の構成成
分 (1)芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個
の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする
少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
(a−1)及び/又は共役ジエン化合物ブロック共重合
体の水素添加物(a−2) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物における芳香族ビ
ニル化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロッ
クAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個
の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素
添加して得られる水添ブロック共重合体成分(a−1)
は、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも2個の
重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少
なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共
重合体を水素添加して得られる重合体である。例えば、
A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の
構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体を水素添加して得られるものである。
【0022】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは、芳香族ビニル化合物のみからなる重合体
か、芳香族ビニル化合物と50重量%未満の任意成分例
えば共役ジエン化合物との共重合体であってもよい。ま
た、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
は、共役ジエン化合物のみからなる重合体か、共役ジエ
ン化合物と50重量%未満の任意成分例えば芳香族ビニ
ル化合物の共重合体であってもよい。
【0023】芳香族ビニル化合物としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第
3ブチルスチレン等が挙げられ、単独でも2種以上を混
合して用いてもよい。これらの中では、スチレンが好ま
しい。重合体ブロックA中の任意的な共役ジエン化合物
としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン
が挙げられ、単独でも2種以上を混合して用いてもよ
い。これらの中では、ブタジエン、イソプレン及びこれ
らの組合せが好ましい。
【0024】芳香族ビニル化合物を主体とする少なくと
も2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体
とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブ
ロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共
重合体にあって、共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックBにおいて、その水素添加率は任意であるが、
好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更
に好ましくは60%以上である。また、そのミクロ構造
は、任意であり、例えば、ブロックBがブタジエン単独
で構成される場合、ポリブタジエンブロックにおいて
は、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50重量
%、特に好ましくは25〜45重量%である。また、
1,2−結合を選択的に水素添加した物であっても良
い。ブロックBがイソプレンとブタジエンの混合物から
構成される場合、1,2−ミクロ構造が好ましくは50
%未満、より好ましくは25%未満、より更に好ましく
は15%未満である。
【0025】ブロックBがイソプレン単独で構成される
場合、ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの
好ましくは70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を
有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の好ま
しくは少なくとも90%が水素添加されたものが好まし
い。
【0026】用途により水素添加したブロック共重合体
を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に合
わせて適宜使用することが出来る。
【0027】これらの芳香族ビニル合物を主体とする重
合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックBのそれぞれにおいて、分子鎖中の芳香族ビニ
ル化合物又は共役ジエン化合物の分布がランダム、テー
パード、一部ブロック状又はこれらの任意の組み合わせ
でなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックあるいは共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックが2個以上ある場合には、それぞれが同
一構造であっても、異なる構造であってもよい。
【0028】芳香族ビニル化合物を主体とする少なくと
も2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体
とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブ
ロック共重合体を水素添加して得られるブロック共重合
体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,50
0,000、より好ましくは、10,000〜550,
000、更に好ましくは100,000〜400,00
0の範囲であり、分子量分布は10以下である。ブロッ
ク共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状ある
いはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0029】(a−1)成分の芳香族ビニル化合物を主
体とする少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジ
エン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロッ
クBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られ
る水添ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−
エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、ス
チレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(S
EPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン
−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジ
エン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げ
ることができる。
【0030】これらの芳香族ビニル化合物を主体とする
少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合
物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体を水素添加して得られるブロッ
ク共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案され
ているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−
23798号公報に記載された方法により、リチウム触
媒又はチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロッ
ク重合させて得ることができる。こうしたブロック共重
合体の水素添加処理は、公知の方法により、不活性溶媒
中で水素添加触媒の存在下に行うことができる。
【0031】本発明で用いる共役ジエン化合物ブロック
共重合体の水素添加物(a−2)としては、例えば、ブ
タジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結
晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロッ
クを有するブロック共重合体(CEBC)等が挙げられ
る。本発明においては、共役ジエン化合物ブロック共重
合体の水素添加物物は、単独で用いてもよく、2種以上
を混合して用いてもよい。
【0032】(2)非芳香族系ゴム用軟化剤成分(b) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物における非芳香族
系ゴム用軟化剤成分(b)としては、非芳香族系の鉱物
油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げるこ
とができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、
芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み
合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭
素数の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテ
ン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族
炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別さ
れている。
【0033】本発明の成分(b)として用いられる鉱物
油系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系およびナフテ
ン系のものがあるが、芳香族系の軟化剤は、その使用に
より成分(a)が可溶となり、得られる組成物の物性の
向上が図れないので好ましくない。本発明の成分(b)
としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフ
ィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に適して
いる。
【0034】これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状
は、37.8℃における動的粘度が20〜50000c
St、100℃における動的粘度が5〜1500cS
t、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が1
70〜300℃を示すのが好ましい。さらに、重量平均
分子量が100〜2,000のものが好ましい。
【0035】成分(b)の配合量は、成分(a)として
成分(a−1)を用いる場合は、成分(a−1)100
重量部に対して、30〜150重量部であり、好ましく
は50〜120重量部である。配合量が30重量部未満
では、得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形性が
悪くなると共に、硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われて
ゴム的感触の製品が得られない。150重量部を超える
と、得られる熱可塑性エラストマー組成物から軟化剤が
ブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフローマーク
が成形品に生じ易くなる。
【0036】成分(a)として成分(a−2)を用いる
場合は、成分(a−2)100重量部に対して、30〜
170重量部であり、好ましくは50〜160重量部で
ある。配合量が30重量部未満では、得られる熱可塑性
エラストマー組成物の成形性が悪くなると共に、硬度が
高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得ら
れない。170重量部を超えると、得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物から軟化剤がブリードアウトしやす
く、剥離や変形及びフローマークが成形品に生じ易くな
る。
【0037】(3)DSC測定による融点が70〜14
0℃、かつ140℃の溶融粘度が400〜100000
cpsの熱可塑性樹脂成分(c) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物における熱可塑性
樹脂成分(c)は、得られる熱可塑性エラストマー組成
物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良好にす
ると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有するもので
ある。
【0038】成分(c)のDSC測定による融点(T
m)は、70〜140℃、好ましくは、100〜120
℃の範囲のものである。Tmが上記の範囲外では、得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性と圧縮永久歪
みと成形加工性のバランスが悪化する。かつ、成分
(c)の140℃の溶融粘度は、400〜100000
cps、好ましくは500〜10000cpsである。
140℃の溶融粘度が400cps未満では、得られる
熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が悪化し、10
0000cpsを超えると、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の成形性が低下する。
【0039】熱可塑性樹脂成分(c)としては、無極性
樹脂及び/又は極性基を有する樹脂が挙げられる。無極
性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィンの低分子量および低融点樹脂が
挙げられ、具体的にはポリエチレンワックス等を挙げる
ことができる。また、極性基を有する樹脂としては、例
えば、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミド系熱可塑
性エラストマー、生分解性ポリエステル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、
ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラスト
マーなどの低分子量および低融点樹脂を挙げることがで
きる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いても2種類
以上を混合して用いてもよい。
【0040】成分(c)の好ましい例としては、無極性
樹脂のポリエチレンワックスや極性基含有樹脂の生分解
性ポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0041】ポリエチレンワックスとしては、枝分れ鎖
単独重合体ポリエチレンが挙げられる。前記ポリエチレ
ンワックスは、融点が101℃〜115℃、密度が0.
91g/cm〜0.93g/cm、ブルックフィー
ルドLVDVII+粘度計、スピンドル番号SC4−1
8、60rpmにより140℃で測定した粘度は、ほぼ
6000cpsであり、このようなポリエチレンワック
スは、例えば米国ニュージャージー州モリスタウンのア
ライド・シグナル(Allied Signal)社か
ら入手が可能なA−C735ポリエチレンワックスであ
る。
【0042】また、生分解性ポリエステル系樹脂として
は、生分解性脂肪族ポリエステル等を挙げることがで
き、工業的には、脂肪族ジカルボン酸と過剰のジオール
を出発原料として、脱水重縮合反応および脱ジオール反
応によって合成されるもの、さらに芳香族化合物を導入
したもの、ラクチドの開環重合、乳酸の縮重合、高分子
量化したポリカプロラクトン、一酸化炭素とホルマリン
から合成されたポリグリコール酸等が挙げられる。生分
解性脂肪族ポリエステルの中で脂肪族−芳香族ランダム
コポリエステルは、ジオール、脂肪酸、芳香族酸の共重
合ポリエステル系樹脂であって、繰返し単位が、[−
{(O−R−O)−(CO−R−CO)}−
{(O−R−O)−(CO−Ar−CO)}−]
からなるポリエステル樹脂であり、更に任意成分として
分岐剤(BA)を含む[−{(O−R−O)
(CO−R −CO)}−{(O−R−O)
(CO−Ar−CO)}−](BA)の様な構造で
あっても良い。
【0043】ここで、上記構造単位において、脂肪酸残
基:−CO−R−CO−は、炭素原子3〜40、好ま
しくは3〜12の脂肪酸の残基であって、脂肪酸として
は、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3
−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸及び2,
5−ノルボルナンジカルボン酸からなる群から選ばれ、
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸、
ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、グ
リコール酸、乳酸、及びそれらのエステル形成性誘導体
のようなヒドロキシ酸もまた、これらのコポリエステル
を製造するための脂肪酸成分として使用できる。
【0044】また、芳香族酸残基:−CO−Ar−CO
−は、炭素原子8〜40、好ましくは8〜14の芳香族
酸の残基であって、芳香族酸としては、例えば、1,4
−テレフタル酸、1,3−テレフタル酸、2,6−ナフ
トエ酸、1,5−ナフトエ酸、それらのエステル形成性
誘導体及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。
【0045】さらに、ジオール残基:−O−R−O−
及び−O−R−O−は、炭素原子2〜20のジオール
の残基であって、ジオールとしては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、チオジエタノール、1,3
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,
3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール及びそれらの組合せからなる
群から選ばれる。ジオール成分は同じでも異なっていて
もよい。
【0046】さらにまた、任意成分である分岐剤:(B
A)(ただし、xは分岐剤の重量%を表し0.01〜
10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0
重量%である。)は、その重量平均分子量が、好ましく
は約50〜5000、より好ましくは92〜3000の
であって、3〜6のヒドロキシ基を有するポリオール、
3若しくは4個のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸又は水酸基とカルボキシル基とを合計で3〜6個有す
るヒドロキシ酸が挙げられる。例えば、低分子量ポリオ
ールの例としては、グリセロール、トリメチロールプロ
パン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリ
トール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトー
ル、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレート及びジペンタエリスリトールが挙げられ
る。高分子量ポリオール(Mw:400〜3000)の
例としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド
のような炭素数2〜3のアルキレンオキシドをポリオー
ル開始剤で縮合することにより誘導されたトリオールが
挙げられる。ポリカルボン酸としては、ヘミメリット
酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、
1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペン
タントリカルボン酸、及び1,2,3,4,−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸が挙げられるが、このように酸
は使用してもよいが、好ましくは、それらの低級アルキ
ルエステル又は環状無水物が形成しうる場合にはそれら
の環状無水物の形態で用いられる。ヒドロキシ酸として
は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグル
タル酸、ムチン酸(又は粘液酸)、トリヒドロキシグル
タル酸及び4−(β−ヒドロキシエチル)フタル酸が挙
げられるが、このようなヒドロキシ酸は、ヒドロキシル
基とカルボキシル基とを3つまたはそれ以上組み合わせ
て含む。これらの中で、特に好ましい分岐剤には、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン及び1,2,4−ブタントリオー
ルが挙げられる。
【0047】本発明で好適に用いられる生分解性脂肪族
系ポリエステルとしては、ポリブチレンサクシネート
(コハク酸と1,4−ブタンジオールの2元系縮合
物)、ポリブチレンサクシネートアジペート(コハク酸
およびアジピン酸、ならびに1,4−ブタンジオールの
3元系縮合物)、ポリブチレンサクシネートテレフタレ
ート(コハク酸およびテレフタル酸、ならびに1,4−
ブタンジオールの3元系縮合物)などが挙げられる。
【0048】また、本発明で用いる生分解性脂肪族系ポ
リエステルには、生分解性の機能を損わない範囲で、機
能性の改質を目的とし、イソシアネート基、ウレタン基
といった反応基を構造中に導入することも可能である。
さらに、ポリ乳酸などを共重合したコポリエステルのよ
うな種々の共重合体を用いることもできる。
【0049】本発明で用いる生分解性脂肪族系ポリエス
テルとしては、生分解性樹脂として一般的に市販されて
いるものを用いることができる。例えば、商品名とし
て、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)、Easter
Bio(EastomanChemicals製)、
バイオポール(日本モンサント製)、Biomax(D
uPont製)、Ecoflex(BASF製)などが
挙げられるが、用途や特性に応じた樹脂を任意に選定す
ることができる。
【0050】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、3〜100重量部であり、好ましくは
10〜50重量部、更に好ましくは20〜50重量部で
ある。配合量が3重量部未満では、得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物の成形性が悪化し、剥離や変形及びフ
ローマークが成形品に生じ易くなる。100重量部を超
えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形性
が悪くなると共に、熱可塑性エラストマー組成物の硬度
が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得
られない。
【0051】(4)パーオキサイド分解型ポリオレフィ
ン樹脂成分(d) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、パーオキサイド分解型ポリオレフィン樹脂成
分(d)を配合することができる。成分(d)は、得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体のパー
オキサイド分解型ポリオレフィン樹脂から成る成形体と
の熱融着性を著しく向上させることが出来る。
【0052】該成分は、加熱処理することによって熱分
解して分子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオレフ
ィン系の重合体又は共重合体であり、例えば、アイソタ
クチックポリプロピレンやプロピレンと他のα−オレフ
ィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどとの共重
合体を挙げることができる。
【0053】上記オレフィン系共重合体のホモ部分のD
SC測定による融点は、好ましくは、Tmが150〜1
67℃、△Hmが25〜83mJ/mgの範囲のもので
ある。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定す
ることができる。Tm、△Hmが上記の範囲外では、得
られるエラストマー組成物の耐油性や100℃以上にお
けるゴム弾性が改良されない。
【0054】また、成分(d)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られるエラストマー組成
物の成形性が悪化し、200g/10分を超えると、得
られるエラストマー組成物のゴム弾性が悪化する。
【0055】成分(d)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、0.1〜25重量部
が好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。2
5重量部を超えると、得られたエラストマー組成物の柔
軟性が悪化し、ゴム弾性も低下する。
【0056】(5)その他の成分(e) なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記の
成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング
防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安
定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有
することも可能である。ここで、酸化防止剤としては、
例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブ
タン等のフェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸
化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。
このうちフェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸
化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分
(a)〜(d)の合計100重量部に対して、0〜3.
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重
量部である。
【0057】2.熱可塑性エラストマー組成物の製造 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分
(a)〜(c)、又は必要に応じて成分(d)〜(e)
を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶
融混練することにより製造することができる。
【0058】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0059】3.熱可塑性エラストマー組成物の成形体
及び複合成形体 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、適度な柔軟性
を有し、永久圧縮歪み、特に70℃以下の圧縮歪みに優
れ、しかも得られた製品を過度な応力変形や負荷がかか
る状態で使用しても、軟化剤のブリードアウトが少ない
ため、環境を汚染しないという特徴がある。したがっ
て、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成形加工
により、医療用シール部材、食品用シール部材、電機部
品材料、ボトルキャップパッキン、自動車用シール部
材、ポリオレフィンまたは硬質熱可塑性エラストマーと
の多色成形シール部材の成形体等に用いることができ、
特に、インクジェット記録装置等におけるインク漏れシ
ール部材等に極めて有用に用いることができる。
【0060】さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、ポリオレフィン樹脂、特にポリプロピレン系樹
脂との熱融着性に優れるため、該熱可塑性エラストマー
組成物からの成形体とポリプロピレン系樹脂からの成形
体とを熱融着することにより容易に複合熱融着成形体を
成形することができる。
【0061】複合熱融着成形体の具体的な製品として
は、例えば、医療用シール部材、食品用シール部材、電
機部品材料、ボトルキャップパッキン、自動車用シール
部材、多色成形シール部材の複合成形体が挙げられ、特
に、インクジェット記録装置等におけるインク漏れシー
ル部材等に極めて有用に用いることができる。
【0062】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、物性の測定は以下の方法を用い
て行った。 (1)比重:JIS K 7112に準拠し、試験片は
1mm厚プレスシートを用いて測定を行なった。 (2)硬度:JIS K 7215に準拠し、試験片は
6.3mm厚プレスシートを用い、デュロメータ硬さ・
タイプAにて測定した。 (3)引張強さ:JIS K 6301に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型に打抜い
て使用した。引張速度は500mm/分とした。 (4)100%伸び応力:JIS K 6301に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型
に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 (5)破断伸び:JIS K 6301に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型に打抜い
て使用した。引張速度は500mm/分とした。 (6)圧縮永久歪み:JIS K 6262に準拠し、
試験片は6.3mm厚さプレスシートを使用した。25
%変形の条件にて、70℃×22時間で測定した。 (7)耐ブリード性:成形品を70℃×168時間の環
境下で25%圧縮した後の成形品について、低分子量物
のブリード及びブルーミングの有無を目視により観察
し、次の基準で評価した。 ◎:極めて良好 ○:良い Δ:やや悪い ×:悪い (8)耐タック性:試験片は上記1mm厚プレスシート
を使用し、2枚重ね合わせ、500g/cm荷重で2
4時間放置した後、プレスシートのはがれ具合を目視に
より観察し、次の基準で評価した。 ◎:極めて良好 ○:良い Δ:やや悪い ×:悪い (9)射出成形性:130mm×130mm×2mmの
シートを射出成形し、その外観を目視により観察し、フ
ローマーク、ヒケ発生の有無を次の基準で評価した。 ◎:極めて良好 ○:良い Δ:やや悪い ×:悪い
【0063】(10)熱融着性:図1〜3に示す試験片
1を用い、180度剥離強度試験により剥離強度で表し
た。図1〜3において、長さ150mm、巾25mm、
厚さ4mmのポリプロピレン製樹脂板3を下記の射出条
件で射出成形にて作成した。樹脂板作成に使用した樹脂
は次のとおりである。 ポリプロピレン樹脂:PP−BC8(日本ポリケム株式
会社製)、結晶化度;Tm166℃、△Hm;82mJ
/mg、MFR;1.8g/10分 (樹脂板の射出条件は、使用した樹脂メーカーの推奨射
出条件に準拠した。) 射出成形機:日精樹脂工業社製 FS−120 成形温度:180〜220℃ 金型温度:40℃ 射出速度:55mm/秒 射出圧力:1400kg/cm 保圧圧力:400kg/cm 射出時間:6秒 冷却時間:45秒
【0064】上記で得られたポリプロピレン製樹脂板3
の一部に紙4を両面テープで貼り付け、金型内にインサ
ートした後、熱可塑性エラストマー組成物を下記条件で
射出して、ポリプロピレン製樹脂板3と熱可塑性エラス
トマー組成物板2がAの箇所で熱接着した試験片を作成
した。
【0065】射出成形機:日精樹脂工業社製FS−12
0 成形温度:180〜220℃ 金型温度:40℃ 射出速度:55mm/秒 射出圧力:1400kg/cm 保圧圧力:0kg/cm 射出時間:6秒 冷却時間:45秒
【0066】次に、得られた試験片について、図3のよ
うに熱可塑性エラストマー組成物板2を折り曲げて2及
び3の両端をそれぞれ矢印の方向に引張ることにより、
180度剥離強さを、次の基準で判断した。 ◎:材料破壊 Δ:界面破壊 ×:測定開始後直ぐに剥離
【0067】実施例及び比較例において用いた各成分は
下記の通りである。 (1)水添ブロック共重合体成分(a−1;SEP
S):セプトン4077(商標;クラレ株式会社製)、
スチレン含有量30重量%、数平均分子量260,00
0、重量平均分子量320,000、分子量分布1.2
3、水素添加率90%以上 (2)共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物
(a−2;CEBC):ダイナロン6100P(商標;
ジェイエスアール株式会社製) (3)パラフィンオイル成分(b):PW90(商標;
出光石油化学株式会社製)、数平均分子量980 (4)ポリエチレンワックス成分(c):A−C735
(商標;アライド・シグナル社製)、融点;110℃、
比重;0.92、140℃の溶融粘度;6000cps (5)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂成分
(d):PP−BC8(ポリプロピレン(PP);日本
ポリケム株式会社製)、結晶化度;Tm166℃、△H
m;82mJ/mg、MFR;1.8g/10分 (6)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクト
ン系複合酸化防止剤成分(e):HP2215(商標;
チバスペシャリティケミカルズ社製)
【0068】実施例1〜2及び比較例1〜8 表1〜表2に示す量の各成分を用い、L/Dが47の二
軸押出機に投入して、混練温度180℃、スクリュー回
転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化した。
次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成
し、夫々の試験に供した。評価結果を表1〜表2に示
す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】表1及び表2より明らかなように、実施例
1〜2は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物であ
る。いずれの熱可塑性エラストマー組成物も良好な性状
を示した。また、実施例1の熱可塑性エラストマー組成
物においては、医療用部材で要求される再シール性と安
全性(食品衛生法・食品、添加物等の規格基準(昭和3
4年厚生省告示第370号)及びポリスチレンを主成分
とする合成樹脂製の器具又は容器包装(昭和57年厚生
省告示第20号)に基づく)に特に優れていた。また、
実施例1にPPを成分(a−1)SEPS100重量部
に対し、5重量部添加すると得られる本発明の熱可塑性
エラストマー組成物は、PP成形体と良好な熱融着性を
示した。
【0072】成分(a−1)の代わりに、成分(a−
2)共役ジエン化合物の水添物として、ブタジエンのブ
ロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレン
ブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブ
ロック共重合体(CEBC)であるダイナロン6100
P(ジェイエスアール株式会社製)を用いても同様に良
好な結果が得られた。また、実施例2ではPPを添加し
ているため得られる本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、PP成形体と良好な熱融着性を示した。
【0073】比較例1〜2及び5〜6は、成分(b)の
配合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(b)
が少ないと、熱可塑性エラストマー組成物の硬度が高く
なり過ぎて柔軟性が失われゴム的感触の製品が得られな
く射出成形性が損なわれ、成分(b)が多いと、ブリー
ドが顕著になるばかりか、タック性と射出成形性も悪化
し、また、医療用部材の安全性に劣っている。比較例3
〜4及び7〜8は、成分(c)の配合量を本発明の範囲
外にしたものである。成分(c)が少ないと、熱可塑性
エラストマー組成物の射出成形性が悪化し、成分(c)
が多いと、柔軟性が失われゴム弾性が低下するばかり
か、射出成形性も悪化し、また、医療用部材の安全性に
劣っている。
【0074】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、軟化剤のブリードアウトが抑制され、柔軟性、圧縮
永久歪みに優れ、本発明の熱可塑性エラストマー組成物
からの成形体は、周囲の環境汚染を引き起こさなく、特
にインクジェット記録装置の弾性部材等に用いると、イ
ンクを劣化させることが無く、また、ボトルキャップパ
ッキン等に用いると、ボトルの内容物を劣化させること
が無く、さらに、医療用シール部材、食品用シール部
材、電機部品材料などに代表される、ポリオレフィンま
たは硬質熱可塑性エラストマーとの多色成形シール部材
等の複合成形体に用いるとブリードが発生しない優れた
部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離強度を測定するための試験片の正面図であ
る。
【図2】剥離強度を測定するための試験片の断面図であ
る。
【図3】剥離強度を測定するための測定方法を説明する
図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 熱可塑性エラストマー組成物製板 3 ポリプロピレン樹脂製板 4 紙 A 熱融着部分
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12 AA15 AA28X AA32X AA43 AA53 AA54 AA75 AF26 AH04 AH16 AH19 BC07 4F100 AJ11A AK03A AK07B AK12A AK22A AK28A AK41A AK46A AK51A AK68A AK70A AK71A AL01A AL02A AL05A AL06A BA02 CA04A CA30A EC03 EC032 GB23 GB33 GB41 GB66 GB74 GB90 JA04A JA06A JB07 JB16A JC00A JK13 YY00A 4J002 AE05Y BB03X BB06X BB08X BB12Z BB14Z BB15Z BB23X BP01W CF10X CK02X CL00X FD02Y FD070 GB01 GG00 GM00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)芳香族ビニル化合物を主体とする
    少なくとも2個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合
    物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとか
    らなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブ
    ロック共重合体(a−1)及び/又は共役ジエン化合物
    ブロック共重合体の水素添加物(a−2)100重量
    部、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤30〜150重量
    部、及び(c)DSC測定による融点が70〜140
    ℃、かつ140℃の溶融粘度が400〜100000c
    psの熱可塑性樹脂3〜100重量部を含有する熱可塑
    性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (c)成分の熱可塑性樹脂が、無極性樹
    脂及び/又は極性基を有する樹脂であることを特徴とす
    る請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 無極性樹脂が、ポリエチレンワックスで
    あることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  4. 【請求項4】 極性基を有する樹脂が、アイオノマー、
    エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル
    共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア
    ミド系樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、生分
    解性ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエ
    ステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系樹脂及
    びポリウレタン系熱可塑性エラストマーからなる群から
    選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする
    請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 (d)パーオキサイド分解型ポリオレフ
    ィン樹脂0.1〜25重量部を更に含有することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする成
    形体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の成形体からなることを
    特徴とする医療用弾性部材、食品用弾性部材またはイン
    クジェット記録装置用弾性部材。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の成形体とポリプロピレ
    ン系樹脂からなる成形体とを熱融着することを特徴とす
    る熱融着複合成形体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の熱融着複合成形体から
    なることを特徴とする医療用弾性部材、食品用弾性部材
    またはインクジェット記録装置用弾性部材。
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