JP2005171205A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スチレン系樹脂の脆さや外観低下を改良し、各種成形品として良好に使用できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】スチレン系樹脂(A)50〜99質量%と、ガラス転移温度(Tg)0℃以下かつ融点(Tm)130℃以下のポリエステル樹脂(B)50〜1質量%とからなることを特徴とする樹脂組成物。特に、スチレン系樹脂(A)が2種類以上のスチレン系樹脂の混合物であり、(a1)ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレンから選ばれる1種または2種の樹脂と、(a2)アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体から選ばれる1種または2種の樹脂を含むものであることが好ましい。
【選択図】 なし


Description

本発明は、汎用樹脂であるスチレン系樹脂を使用する際に問題となる脆さの問題を解決することのできる、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂とからなる樹脂組成物に関するものである。
ポリスチレン(PS)は、その優れた透明性や寸法安定性、硬度などから容器やハウジング、ケース、カバーなどに多く用いられている。反面、耐衝撃性に劣り、これを改善するためにゴム成分添加して重合したゴム変性耐衝撃ポリスチレン(HIPS)が広く知られている(非特許文献1など)。しかし、ゴム成分を添加した耐衝撃ポリスチレンでは、面衝撃試験においてクラックが生じやすく、耐衝撃性としては十分ではなかった。また、ゴム成分を添加することで表面光沢が悪化するという欠点もあった。
一方、同じスチレン系樹脂として、アクリロニトリルとスチレンの共重合体(AS)やアクリロニトリル、ポリブタジエンとスチレンの共重合体(ABS)等の、アクリロニトリル成分を共重合した樹脂が、耐衝撃性、表面光沢性に優れていることは広く知られている。
PSまたはHIPSにおいて不足する耐面衝撃強度、表面光沢を改良するために、アクリロニトリル成分を有するスチレン系樹脂(AS、ABS等)を混合することで、耐衝撃性、表面光沢性の向上が期待されるが、実際には、アクリロニトリル成分の有する極性のために相溶性に乏しく、必ずしも期待される耐衝撃性や光沢性が得られず、実用的な成形材料とは言えなかった。
須本一郎著 「スチロール系樹脂」、日刊工業新聞社、昭和45年1月31日 初版発行
本発明は、特に2種類以上のスチレン系樹脂を混合した場合の脆さや外観低下を改良し、各種成形品として良好に使用できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スチレン系樹脂に特定のポリエステル樹脂を特定範囲で混合した樹脂組成物が上記課題を解決することを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)スチレン系樹脂(A)50〜99質量%と、ガラス転移温度(Tg)0℃以下かつ融点(Tm)130℃以下のポリエステル樹脂(B)50〜1質量%とからなることを特徴とする樹脂組成物。
(2)スチレン系樹脂(A)が2種類以上のスチレン系樹脂の混合物であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)スチレン系樹脂(A)の混合物が、(a1)ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレンから選ばれる1種または2種の樹脂と、(a2)アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体から選ばれる1種または2種の樹脂を含むものである(2)記載の樹脂組成物。
(4)(a1)と(a2)の質量比が(a1)/(a2)=95/5〜5/95の範囲である(3)記載の樹脂組成物。
(5)ポリエステル樹脂(B)が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンテレフタレート・アジペートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
本発明によれば、特定の熱特性を有するポリエステル樹脂を配合することによって、スチレン系樹脂の耐衝撃強度が改良される。特に、ポリスチレン樹脂または変性スチレン樹脂に対してアクリロニトリル成分を有するスチレン系樹脂を混合した系に用いれば、相溶性を改良する効果を発揮し、優れた面衝撃強度と外観を有する樹脂成形品を得ることができ、電子・電気機器、自動車等の部品等として広く用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物はスチレン系樹脂(A)50〜99質量%と、Tg0℃以下かつTm130℃以下であるポリエステル樹脂(B)50〜1質量%とからなり、好ましい混合範囲は、(A)/(B)=60〜98質量%/40〜2質量%、より好ましくは(A)/(B)=70〜97質量%/30〜3質量%である。(B)の配合量が50質量%を超えると、脆さの改善効果が飽和するのみならず、射出成形時には冷却時間が長くなりすぎるという悪影響現れる。また、(B)の配合量が1質量%未満であると、脆さの改善効果が十分発揮されない。
本発明で用いるスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体と必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体およびゴム質重合体より選ばれる1種以上を重合して得られるスチレン系樹脂である。樹脂中におけるスチレン成分の含有量は、特に限定されないが、一般に40質量%以上である。
前記スチレン系樹脂成分に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p‐tert‐ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体であり、特にスチレンが好ましい。さらにこれらは単独または2種以上用いることができる。
前記スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル 、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリールエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及びその無水物が挙げられる。
前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル ・ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステル及びブタジエンの共重合体、ブタジエン・イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、及びポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
かかるスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SEPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)及びスチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹脂が挙げられる。
また、上記のスチレン系樹脂と他の樹脂とのアロイ物も挙げることができる。例えば、ABS/PC(ポリカーボネート)、ABS/PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS/PPE(ポリフェニレンエーテル)、ABS/PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ABS/PA(ポリアミド)、HIPS/PPE、PS(ポリスチレン)/PPE、HIPS/ポリオレフィン等が挙げられる。
これらの中でも、PS樹脂、HIPS樹脂のうち少なくとも1種(a1)と、AS樹脂、ABS樹脂のうち少なくとも1種(a2)との組み合わせが、面衝撃強度と表面外観が大幅に改良される効果が発揮されやすいため好適に使用できる。(a1)と(a2)との混合比率は、(a1)/(a2)=95/5〜5/95の範囲が好ましく、90/10〜10/90の範囲が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるポリエステル樹脂(B)は、Tgは0℃以下であることが必要であり、−20℃以下がより好ましい。Tgが0℃を超えると耐衝撃性の改良効果に劣る場合がある。また、Tgの下限は特にないが、一般的なポリエステル樹脂のTgは−45℃以上である。
また、ポリエステル樹脂(B)のTmは130℃以下が必要であり、好ましい下限は60℃であり、より好ましい範囲は70〜115℃である。Tmが60℃未満であると成形時に金型へ粘着し離型性を損なう場合があるため好ましくない。また、Tmが130℃を超えると、ポリエステル樹脂自体の柔軟性が損なわれ、耐衝撃改良効果が乏しくなるため好ましくない。
上記熱的特性を有するポリエステル樹脂(B)としては、例えば、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族オキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、およびその共重合体または混合物、ならびにこれらに一部芳香族成分を含有する共重合ポリエステルから適宜選択して使用することができる。
上記ポリエステル樹脂(B)を構成する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸等が挙げられる。脂肪族オキシカルボン酸としてはD−乳酸、L−乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂(B)に共重合することのできる芳香族成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、p−オキシ安息香酸などが例示できる。
さらに、ポリエステル樹脂(B)には、カーボネート成分が共重合されていてもよい。
ポリエステル樹脂(B)の具体例としては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・カーボネートおよび、ポリブチレンテレフタレート・アジペートが好ましく、特に、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンテレフタレート・アジペートが好ましく、中でもポリブチレンサクシネートが最も好ましい。また、乳酸を共重合したものも好適に使用できる。これらは、いずれも生分解性を有するポリエステル樹脂としても知られるものである。
上記のポリエステル樹脂は市販品を好適に使用することができ、例えば、ポリブチレンサクシネートとしては三菱化学社製「GS Pla AZ−71TN」、ポリブチレンサクシネート・アジペートとしては昭和高分子社製「ビオノーレ 3003」、ポリブチレンテレフタレート・アジペートとしてはBASF社製「ECOFLEX F BX7011」が挙げられる。
生分解性ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸がトウモロコシなどの植物を原料とした乳酸成分により工業生産されているほかは、必ずしも植物由来の原料から製造されるわけではない。しかし、ポリブチレンサクシネートなどは、近い将来、原料を植物由来のものに転換可能であるとされており、このように原料転換の達成された樹脂を使用すれば、本発明の樹脂組成物は、石油資源の節約に寄与し、環境に配慮したものとなる。
本発明におけるポリエステル樹脂(B)には、加水分解防止剤としてカルボジイミド化合物を配合することができる。その配合量は、特に限定されないが、耐加水分解性効果の点から、ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、また、成形加工性や物性維持の点から10質量部以下とすることが好ましい。カルボジイミド化合物としては、分子内に少なくともひとつのカルボジイミド基を有する化合物が挙げられ、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれでもよい。例えば、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明において、スチレン系樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を混合する手段は特に限定されないが、例えば、一般的な押出機を用いて溶融混練することができる。混練状態を良くする意味で二軸押出機を使用することが好ましい。混練温度は140℃〜300℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは180〜250℃の範囲である。また、混練時間は20秒〜30分が好ましい。混練温度140℃未満であったり、混練時間が20秒未満であると混練が不十分となり、また、温度が300℃を超えたり、混練時間が30分を超えると、樹脂の分解が起こり、物性低下や色調の悪化を招くことがある。
本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、ガラス繊維、無機充填材等を転嫁することができる。熱安定剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン物が挙げられる。無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、ゼオライト、三酸化アンチモン、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化カホウ素、ガラファイト、炭素繊維などが挙げられる。なお、本発明の樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されず、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂との混合時に添加する方法、両樹脂の混合後の樹脂組成物にさらに溶融混合する方法、スチレン系樹脂とポリエステル樹脂のいずれかまたは両方の樹脂の重合時に添加しておく方法、または両樹脂の混合前にいずれかまたは両方の樹脂に予め添加しておく方法などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法をとることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。射出成形する際の樹脂温度、金型温度、射出圧力および射出速度において特に制限はないが、金型温度は30〜50℃、特に40℃程度とすると、成形サイクルタイムが短縮でき好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。実施例および比較例の樹脂組成物の評価に用いた測定方法は次のとおりである。
(1)ガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)の測定
DSC(セイコー電子工業社製DSC22)を用いて、窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度により測定した。
(2)引張強度
ASTM D−638に準拠して測定した。この値が25MPa以上であれば、実用性を有する。
(3)曲げ弾性率
ASTM D−790に準拠して測定した。この値が1.5MPa以上であれば、実用性を有する。
(4)面衝撃強度
デュポン式衝撃試験機にて、50×90×2mmのプレートに所定の高さから重錘を落下させて衝撃強度を評価した。面衝撃強度は所定の高さおよび重錘荷重の組み合わせからなる条件下で、成形品に亀裂が入らない最大の付与エネルギー(J)を計算して定量化した。
G=(試験片に亀裂が入らない最高高さ)×(重力加速度)×(重錘荷重)
(5)面衝撃性評価
デュポン式衝撃試験機にて、50×90×2mmのプレートに50cm高さから重錘1kgを落下させて、破壊しなかったものを「○」、クラックが発生したものを「△」、破壊したものを「×」とした。この評価が○であれば、実用的に十分な面衝撃強度を有する。
(6)表面光沢度
面衝撃強度測定用のプレートを用いて、村上色彩技術研究所社製グロスメータ GM−3Gにて20度入射における光沢度を測定した。この値が40以上であれば実用上、望ましい。
また、実施例、比較例に用いた各種原料は次のとおりである。
1.スチレン系樹脂
(1)耐衝撃ポリスチレン(HIPS):BASFジャパン社製「576H」
(2)ポリスチレン(PS):出光石油化学社製「NF20」
(3)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS):BASFジャパン社製「GP-35」
(4)アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS):日本エイアンドエル社製「100PC」
2.ポリエステル樹脂
(1)ポリブチレンサクシネート(PBS):三菱化学社製「AZ−71TN」。なお、これには少量のポリ乳酸成分が共重合されている。この樹脂のTgは−32℃であり、Tmは110℃である。
(2)ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA):昭和高分子社製「ビオノーレ 3003」。この樹脂のTgは−45℃であり、Tmは95℃である。
(3)ポリブチレンテレフタレート・アジペート(PBTA):BASF社製「Ecoflex F BX7011」。この樹脂のTgは−30℃であり、Tmは110℃である。
(4)ポリ乳酸(PLA):ユニチカ社製「TE−4000」。この樹脂のTgは58℃であり、Tmは168℃である
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、HIPS/ABS=50質量%/50質量%の混合物95質量部とPBS5質量部を押出機の根元供給口から供給した。このとき、バレル210℃、スクリュー回転数180rpm、吐出20kg/hとし、ベントをからポンプにて排気しながら押出し、ストランド状に引き取りペレット化した。このペレットを80℃×6時間真空乾燥し、東芝機械社製IS−100E型射出成形機を用いて、表1記載の成形条件にて、各種試験片を作成し、評価を行った。
実施例2〜7および比較例1〜4
表1に示すように各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを表1記載の条件で射出成形し、各種評価を行った。
実施例1〜7、比較例1〜4の評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005171205
実施例1〜7ではいずれも引張強度、曲げ剛性、面衝撃強度の物性のバランスに優れ、表面光沢度にも優れる樹脂組成物が得られた。特に、面衝撃強度と表面光沢度がともに向上しており、実施例1〜3と比較例1、2を対比すると、本発明の効果は明らかである。比較例3ではポリエステル樹脂の配合量を本発明の範囲を超えて多量に用いたため、射出成形時にサイクル時間が長くなり生産性の悪化を引き起こした。比較例4はTgおよびTmが範囲外であるポリ乳酸を使ったため、面衝撃強度、表面光沢度がともに劣る結果となった。

Claims (5)

  1. スチレン系樹脂(A)50〜99質量%と、ガラス転移温度(Tg)0℃以下かつ融点(Tm)130℃以下のポリエステル樹脂(B)50〜1質量%とからなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. スチレン系樹脂(A)が2種類以上のスチレン系樹脂の混合物であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. スチレン系樹脂(A)の混合物が、(a1)ポリスチレン、耐衝撃ポリスチレンから選ばれる1種または2種の樹脂と、(a2)アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体から選ばれる1種または2種の樹脂を含むものである請求項2記載の樹脂組成物。
  4. (a1)と(a2)の質量比が(a1)/(a2)=95/5〜5/95の範囲である請求項3記載の樹脂組成物。
  5. ポリエステル樹脂(B)が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンテレフタレート・アジペートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。


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