JP2000239481A - 耐熱性及び耐油性に優れた樹脂組成物及びライナー材 - Google Patents

耐熱性及び耐油性に優れた樹脂組成物及びライナー材

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JP2000239481A
JP2000239481A JP4423499A JP4423499A JP2000239481A JP 2000239481 A JP2000239481 A JP 2000239481A JP 4423499 A JP4423499 A JP 4423499A JP 4423499 A JP4423499 A JP 4423499A JP 2000239481 A JP2000239481 A JP 2000239481A
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健 湯浅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性やクッション性に富み、耐熱性(耐レ
トルト性)、耐油性、及び成形加工性に優れている樹脂
組成物に関するもので、より詳細には容器蓋用のライナ
ー材、特にインシェルモールドに適したライナー材とし
て有用な樹脂組成物を提供するにある。 【解決手段】 (1)ビニル芳香族化合物から主として
誘導される少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役
ジエン化合物から主として誘導される少なくとも1つの
重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添
加して得られるブロック共重合体であって、数平均分子
量が10万以上のもの100重量部と、(2)メルトフ
ローレート(JIS K7210、荷重 2,160
g、温度 230℃)が10g/10min以上のプロ
ピレン系重合体、及び/または、共重合体5乃至50重
量部と、(3)融点が135℃以上のポリプロピレン−
エチレン・プロピレン系共重合体5乃至50重量部とを
含有し且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有量が2
0乃至90重量部の範囲にあることを特徴とする樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性やクッショ
ン性に富み、耐熱性(耐レトルト性)、耐油性、及び成
形加工性に優れている樹脂組成物に関するもので、より
詳細には容器蓋用のライナー材、特にインシェルモール
ドに適したライナー材として有用な樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な材料であって、熱可塑性
樹脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマー
組成物が、キャップシール材分野で注目されている。こ
のような熱可塑性エラストマー組成物として、現在、ポ
リオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポ
リスチレン系、ポリ塩化ビニル系などの種々の形式の樹
脂が開発され、市販されている。
【0003】これらのうちで、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーは衛生面での信頼性が高く、安価なこと
から広く使用されている。しかしながら、これらのポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーは柔軟性に劣り、シ
ール性が発現しにくいのが現状である。
【0004】スチレン・ブタジエン−ブロックポリマー
(SBS)やスチレン・イソプレンブロックポリマー
(SIS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー
組成物およびこれらの水素添加物は、柔軟性に富み、常
温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得られる
熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れており、加
硫ゴムの代替品として広く使用されている。
【0005】例えば、特公平6−88608号公報に
は、容器蓋殻体と殻体頂板部内面に設けられたライナー
とからなるライナー付き容器蓋において、前記ライナー
が(i)メルトインデックス(200℃、5kg)が
0.1g/10min以下である水素添加スチレン/ブ
タジエンブロック共重合体10乃至60重量%、(ii)
流動パラフィン20乃至80重量%及び(iii )プロピ
レン系樹脂5乃至60重量%を含有する組成物から形成
されていることを特徴とする耐熱性ライナー付き容器蓋
が記載されている。
【0006】また、特開平3−182586号公報に
は、ポリプロピレン系樹脂50乃至5重量%、水素添加
ブロック共重合エラストマー50乃至95重量%からな
る樹脂組成物100重量部に対し、滑剤0.1乃至5重
量部を混合した重合体組成物よりなるプラスチックキャ
ップ用ライナーが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、食品の多様化に
伴い、油脂、脂肪性食品が多くなっている。これらの多
くは中性食品であるため、殺菌にレトルト殺菌を必要と
するものが多く、具体的には120℃で30分間のレト
ルト処理に耐えることが要求される。一方、油脂、脂肪
性食品(油脂、脂肪分が20%以上)の容器は厚生省告
示370号によりn−ヘプタンの溶出試験で30ppm
以下でなければならない。これらの耐レトルト性や、耐
油性に加えて、容器蓋用ライナー材としては、柔軟性や
クッション性に富んでいるという基本的物性に加えて、
耐衝撃性や成形加工性に優れていることが要求される。
【0008】この様な用途には王冠のコルク、ポリプロ
ピレンをベースにした発泡ヂスクが使用されている。し
かしながら、これらはライナー材としてのコストが高
く、衛生性にも劣っている。生産性、衛生性及びコスト
に優れたライナーの成形法として、所謂インシェルモー
ルド法が知られており、この方法によれば、容器蓋殻体
内に押出機で材料を供給し、一定量ずつ切断して殻体の
中央に落とし、型押し成形でライナーを成形する。しか
しながら、ライナー材の種類によっては押出機で押出成
形が出来ないものもあり、また、押出し出来ても材料が
シェルの中央に落ちないと、ライナー材として使用でき
ない。これは成形条件にもよるが、材料の影響がより大
きい。
【0009】また、耐レトルト性評価において、レトル
ト後のシール性が良好であっても、その後の取り扱いを
考慮した振動試験、一定高さからの倒立落下衝撃試験等
での漏れが認められないことが重要である。更に、レト
ルト試験は通常の使用では最も厳しい125℃で30分
間の処理において漏れないことが重要である。
【0010】このような耐レトルト性、耐油性、耐衝撃
性及び成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
は未だ知られていない。第一の従来例に示されたポリス
チレン系熱可塑性エラストマー組成物では、成形性や柔
軟性付与のためにパラフィンオイルなどの軟化剤を添加
するが、このためn−ヘプタン抽出試験に適合せず、油
性液体のキャップシールに用いるには問題があった。一
方、パラフィンオイルを使用しない場合には、柔軟性及
び成形性が悪化するのを避けがたい。また、第二の従来
例に示されたライナーでは、熱成形性や柔軟性と耐レト
ルト性とのバランスをとるのが難しく、これらの特性を
同時に満足させることが困難である。
【0011】そこで、本発明の目的は、柔軟性やクッシ
ョン性に富み、耐熱性(耐レトルト性)、耐油性、及び
成形加工性に優れている樹脂組成物に関するもので、よ
り詳細には容器蓋用のライナー材、特にインシェルモー
ルドに適したライナー材として有用な樹脂組成物を提供
するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(1)
ビニル芳香族化合物から主として誘導される少なくとも
2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主と
して誘導される少なくとも1つの重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体を水素添加して得られるブロッ
ク共重合体(以下、水素添加ブロック共重合体と省略す
る事もある)であって、数平均分子量が10万以上のも
の100重量部と、(2)メルトフローレート(JIS
K7210、荷重 2,160g、温度 230℃)
が10g/10min以上のプロピレン系重合体、及び
/または、共重合体5乃至50重量部と、(3)融点が
135℃以上のポリプロピレン−エチレン・プロピレン
系共重合体5乃至50重量部とを含有し且つ成分(2)
及び成分(3)の合計含有量が20乃至90重量部の範
囲にあることを特徴とする樹脂組成物が提供される。本
発明の樹脂組成物は、前記ブロック共重合体100重量
部当たり2乃至12重量部の柔軟剤を更に含有すること
が好ましい。本発明によれば更に、上記樹脂組成物から
なることを特徴とするライナー材が提供される。
【0013】
【発明の実施形態】本発明の樹脂組成物においては、上
記成分(1)、即ち数平均分子量が10万以上の水素添
加ブロック共重合体に、メルトフローレートが10g/
10min以上のプロピレン系重合体乃至共重合体
(2)と、融点が135℃以上のポリプロピレン−エチ
レン・プロピレン系共重合体(3)とを組み合わせで配
合することが特徴である。
【0014】上記水素添加ブロック共重合体の内、数平
均分子量が10万以上のものは耐熱性や耐油性には優れ
ているが、ライナーなどの用途に用いるために要求され
る成形性に欠けると共に、レトルト殺菌等に付した場合
には柔軟性や耐衝撃性に欠け、密封保持に必要な適度の
開栓トルクが得られないという問題を有している。本発
明では、この水素添加ブロック共重合体(1)に上記成
分(2)及び(3)を組み合わせで配合することによ
り、耐熱性や耐油性を低下させることなく、成形加工性
や耐レトルト性、更には柔軟性やクッション性を向上さ
せることができる。
【0015】本発明では先ず、オレフィン系樹脂の中で
もメルトフローレート(MFR)が10g/10min
以上と大きいプロピレン系重合体、及び/または、共重
合体(2)を選択し、これを水素添加ブロック共重合体
に配合することが、耐熱性や耐油性を低下させることな
く、成形性を向上させる点で重要である。例えば、高密
度ポリエチレンのような他のオレフィン系樹脂では、こ
れを水素添加ブロック共重合体に配合したとしても、成
形加工性の向上は期待できず、また、プロピレン系重合
体、及び/または、共重合体でもMFRが10g/10
minを下回るようなものでは、やはり成形性の向上は
望めない。
【0016】また、本発明では、融点が135℃以上の
ポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重合体
(3)を選択し、これを水素添加ブロック共重合体に配
合することが、耐熱性や耐油性を低下させることなく、
柔軟性やクッション性、更には、レトルト処理後の耐衝
撃性、密封保持性を向上させる上で重要である。即ち、
通常のエチレン・プロピレン系重合体ゴムでは、融点が
135℃よりも低く、このような低融点のものを配合し
たのでは、レトルト処理に耐えるような耐熱性は得られ
ない。本発明に用いるポリプロピレン−エチレン・プロ
ピレン系共重合体では、耐熱性に優れていながら、しか
も柔軟性やクッション性に優れているという利点を与え
るものである。
【0017】本発明の樹脂組成物では、前記水素添加ブ
ロック共重合体(1)の100重量部を基準として、前
記プロピレン系重合体、及び/または、共重合体(2)
を5乃至50重量部、好適には10乃至45重量部の量
で、前記ポリプロピレン−エチレン・プロピレン系共重
合体(3)を5乃至50重量部、好適には10乃至45
重量部の量で且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有
量が20乃至90重量部、好適には40乃至60重量部
の範囲で含有させることも重要である。
【0018】成分(2)の含有量が上記範囲を下回る場
合、成形加工性が上記範囲内にある場合に比して低下す
る傾向があり、一方上記範囲を上回ると、柔軟性やクッ
ション性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲にあ
る場合に比して低下する傾向がある。また、成分(3)
の含有量が上記範囲を下回る場合、柔軟性やクッション
性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲内にある場
合に比して低下する傾向があり、一方上記範囲を上回る
と、成形性が上記範囲にある場合に比して低下する傾向
がある。更に、成分(2)及び成分(3)の合計含有量
が上記範囲を下回る場合、成形加工性が上記範囲内にあ
る場合に比して低下し、開栓トルク値が過大になる傾向
があり、一方上記範囲を上回ると、柔軟性やクッション
性、更にはレトルト後の耐衝撃性が上記範囲にある場合
に比して低下する傾向がある。
【0019】[成分(1)]水素添加ブロック共重合体
は、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2つの
重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少
なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共
重合体あるいはこれを水素添加して得られるものであ
り、例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A
−B−Aなどの構造を有するビニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加して得られる
ものである。このブロック共重合体は全体として、ビニ
ル芳香族化合物を5〜60重量%、好ましくは20〜5
0重量%含む。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックAは、50重量%以上、好ましくは70重量%
以上のビニル芳香族化合物、及び任意的成分たとえば共
役ジエン化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブ
ロックである。共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBは、50重量%以上、好ましくは70重量%以
上の共役ジエン化合物、および任意的成分たとえばビニ
ル芳香族化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブ
ロックである。
【0020】また、これらのビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物またはビニル芳香族化合物由来の単位の分布がラン
ダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加
または減少するもの)、一部ブロック状またはこれらの
任意の組合せでなっていてもよい。ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場
合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっ
ても異なる構造であってもよい。
【0021】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのう
ちから1種または2種以上を選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種
または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらの組合せが好ましい。
【0022】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことがで
き、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2
−ミクロ構造が20〜50重量%、好ましくは25〜4
5%である。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプ
レンの70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有
し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の少なく
とも90%が水素添加されたものが好ましい。
【0023】ブロック共重合体の数平均分子量は、10
万以上であり、好ましくは100,000〜1,50
0,000、より好ましくは、100,000〜55
0,000、さらに好ましくは100,000〜40
0,000の範囲であり、分子量分布(Mw/Mn)は
10以下である。また、この水素添加ブロック共重合体
のメルトフローレート(JIS K7210、荷重
2,160g、温度 230℃)は0.1g/10mi
n以下であることが好ましい。
【0024】ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれ
であってもよい。
【0025】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒
を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることが
できる。水素添加する方法も公知である。
【0026】[成分(2)]本発明に用いるプロピレン
系重合体、及び/または、共重合体は、メルトフローレ
ートが10g/10min以上、好適には30g/10
min以上のものであり、アイソタクティックポリプロ
ピレンやシンジオタクティックポリプロピレンが使用さ
れる。プロピレン含有量が95重量%以上であるという
条件下にプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
ブテン1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン1共
重合体なども使用できる。これらの共重合体はブロック
共重合体でもよく、またランダム共重合体であってもよ
い。更に、ホモポリプロピレンと上記共重合体とのブレ
ンド物であってもよい。
【0027】[成分(3)]本発明に用いるポリプロピ
レン−エチレン・プロピレン系共重合体は、融点が13
5℃以上、特に145℃乃至165℃の範囲にあるもの
である。この共重合体は、ポリプロピレンとエチレン・
プロピレン系共重合体との単なるブレンド物とは異な
り、ポリプロピレンにエチレン及びプロピレンが共重合
したもので、改質成分として5−メチレン−2−ノルボ
ルネンや5−エチリデン−2−ノルボルネンから誘導さ
れた単位が5重量%以下の範囲で含有されていてもよい
ものである。
【0028】この共重合体においては、ポリプロピレン
主体とするマトリックス中にエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体を主体とする成分が微粒化分散した分布構
造、又は、エチレン−プロピレンランダム共重合体を主
体とするマトリックス中にポリプロピレン主体とする成
分が微粒化分散した分布構造を有しており、これが高い
融点を与えながら、かつ柔軟性を与えていると考えられ
る。好ましい分布構造は、ポリプロピレンのマトリック
ス中にエチレン−プロピレンランダム共重合体を主体と
する成分が微粒化分散した分布構造を有するものであ
る。この共重合体は、プロピレン及びエチレン−プロピ
レン或いは、更に改質成分を、例えば、活性マグネシウ
ム上に担持されたハロゲン含有チタン化合物及び電子供
与性化合物などからなる触媒の存在下に直接重合させる
ことにより得られるものであり、モンテル社からCAT
ALLOY ADFLEX KS−084Pの商品名で
入手できる。
【0029】用いるポリプロピレン−エチレン・プロピ
レン系共重合体の硬度(ASTM−D2240 ショア
D)が60以下であることが柔軟性付与の点で好まし
く、メルトフローレートが10g/10min以上であ
ることが好ましい。
【0030】[成分(4)]本発明の樹脂組成物には、
軟化剤を含有させることが成形性や成形物の外観特性を
向上させる点で好ましい。軟化剤としては、非芳香族系
のゴム用軟化剤、例えば非芳香族系の鉱物油又は液状若
しくは低分子量の合成軟化剤が挙げられる。一般にゴム
用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィ
ン鎖が組合った混合物であって、一般に、パラフィン鎖
炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィ
ン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を占めるものを
ナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを
芳香族系と呼び区別されている。本発明の成分(4)と
して用いられるゴム用鉱物油軟化剤は、上記のパラフィ
ン系及びナフテン系が好ましい。芳香族系の軟化剤は、
成分(1)との関係で分散性が悪く好ましくない。成分
(4)として、パラフィン系の鉱物油軟化剤が特に好ま
しく、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないも
のが特に適している。該非芳香族系のゴム用軟化剤は、
37.8℃における動的粘度が好ましくは20〜500
cst、流動点が好ましくは−10〜−15℃、引火点
(COC)が好ましくは170〜300℃を示す。これ
らの軟化剤は、水素添加ブロック共重合体100重量部
当たり2乃至12重量部、特に3乃至7重量部の量で用
いるのがよい。上記量比よりも多い量で用いることは、
耐油性の点で好ましくない。
【0031】なお、本発明の組成物は上記の成分のほか
に用途に応じて、各種のブロッキング防止剤、シール性
改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
結晶核剤、着色剤等を含有することも可能である。本発
明の組成物は、上記成分(1)、(2)及び(3)或い
は更に成分(4)を任意の順で又は同時に溶融混合する
ことにより調製できる。
【0032】
【実施例】本発明を次の例を参照して、更に説明する。
【0033】[実施例1〜12及び比較例1〜8]実施
例1〜12、比較例1〜8までの組成のものについて各材料
をタンブラーでドライブレンド後、押出機を通して造粒
し、このコンパウンドでインシェルモールド方式で28
mmPPキャップのライナーを成形し、この時の成形性を
評価した。またこのキャップを 180ml入り壜を使用して
キャップとしての耐熱性と、耐油性をしらべた。キャッ
プは0.23mmのアルミ材を使用し、内面をエポキシフェノ
ール系のオレフィン樹脂接着塗料を塗布したものを使用
した。
【0034】評価方法は次の通り。 1)成形性 各ペレット材をインシェルモールド機で最適成形温度を
選び、28PPキャップのライナーに成形し、そのときのラ
イナー成形の良否を調べた。 ◎ 全て良品、 ○ 良品率90%以上, △ 良品率70〜90%, × 良品率70%以下 2)耐レトルト性 28mm用の180ml入り壜に85℃の熱水を充填し、シーリング
マシンで各キャップを被せた後レトルト釜で 120℃で30
分間のレトルト処理を加え放冷後、倒立落下衝撃試験を
行い漏れの有無を真空度で測定した。 ◎ 落下高さ10cm以上で漏れ無し ○ 落下高さ10cmで漏れ5cmで漏れ無し △ 落下高さ5cm以下で漏れ1cmで漏れ無し × 1cmで漏れが認められたもの 3)耐油性試験 28mm用の180ml入り壜を使用し厚生省告示340号(昭和34
年)に基づく倒立法でn-ヘプタンによる溶出量を測定し
た。 4)開栓トルク値 2)と同様に充填、レトルト処理し放冷、1日放置後そ
の開栓トルク値をトルクメーターにて測定した。 得られた結果を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】 注 使用材料の特徴 表中は以下の材料名を示す。 1)SEPS4077 クラレ社製SEPS(数平均分子量約26万) 2)G1651 シェル社製SEBS(数平均分子量約20万) 3)G1652 シェル社製SEBS(数平均分子量約 7万) 4)MS170 トクヤマ社製PP (MFR 30g/10分) 5)MJ145 トクヤマ社製PP (MFR 10g/10分) 6)MS230 トクヤマ社製PP (MFR 4g/10分) 7)KS-084P モンテル社製PEP (MFR 30g/10分) 8)PW90 出光石油社製非芳香族系オイル (粘度 100cst) (9)その他: 滑剤として不飽和脂肪酸アミドを、樹
脂、エラストマー、改質剤の合計を100 重量部としたと
き0.5重量部添加した。着色剤として酸化チタンを同様
に1.0 重量部添加、安定剤を同様に0.05 重量部添加。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、特定の水素添加ブロッ
ク共重合体に、メルトフローレートが10g/10mi
n以上のプロピレン系重合体、及び/または、共重合体
と、融点が145℃以上のポリプロピレン−エチレン・
プロピレン系共重合体とを特定の量比で含有させること
により、柔軟性やクッション性に富み、耐熱性(耐レト
ルト性)、耐油性、及び成形加工性に優れている樹脂組
成物が提供され、この樹脂組成物は容器蓋用のライナー
材、特にインシェルモールドに適したライナー材として
有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:16) (72)発明者 湯浅 健 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 理研ビニル工業株式会社内 (72)発明者 杉野 等 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 理研ビニル工業株式会社内 Fターム(参考) 3E084 HA02 HC03 4H017 AA04 AB07 AC02 AE04 4J002 AE055 BA015 BB122 BB123 BB142 BB154 BN133 BP011 BP022 BP023 BP032 GG01 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ビニル芳香族化合物から主として
    誘導される少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役
    ジエン化合物から主として誘導される少なくとも1つの
    重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添
    加して得られるブロック共重合体であって、数平均分子
    量が10万以上のもの100重量部と、(2)メルトフ
    ローレート(JIS K7210、荷重 2,160
    g、温度230℃)が10g/10min以上のプロピ
    レン系重合体、及び/または、共重合体5乃至50重量
    部と、(3)融点が135℃以上のポリプロピレン−エ
    チレン・プロピレン系共重合体5乃至50重量部とを含
    有し且つ成分(2)及び成分(3)の合計含有量が20
    乃至90重量部の範囲にあることを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記ブロック共重合体100重量部当た
    り2乃至12重量部の柔軟剤(4)を更に含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の樹脂組成物か
    らなることを特徴とするライナー材。
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