以下、本発明の一実施の形態である画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下各図において、同じ機能を奏する要素については、同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
[1.プリントエンジンの構成]
図1は、本実施の形態の画像形成装置のプリントエンジンの概略構成を示した断面図である。
プリントエンジン150は、用紙102を収容する給紙カセット101と、用紙102の給紙を行なう給紙ローラ111と、給紙ローラ111によって給紙された用紙を搬送する搬送ローラ112と、トナー像が形成される感光体114とを含む。また、プリントエンジン150は、搬送ローラ112によって搬送された、または、後述する第3両面搬送ローラ119によって搬送された用紙102を、感光体114上のトナー像と位置合せをされて感光体114に送り出すために用紙102をタイミング調整して送り出すレジストローラ113を含む。
プリントエンジン150は、また、トナー像を用紙に定着させるための定着ローラ115と、用紙102を画像形成装置外へ排出し、または、後述する両面経路へ反転して搬送する、排紙/反転ローラ116とを含む。
以上説明したプリントエンジンの構成において、用紙102について、給紙カセット101から排紙/反転ローラ116の用紙102の搬送経路は、第1搬送経路191と第3搬送経路193を含む。給紙ローラ111と搬送ローラ112は、第1搬送経路上に配置されている。レジストローラ、感光体、定着ローラおよび排紙/反転ローラ116は、第3搬送経路193上に配置されている。
第1搬送経路191上には、また、当該第1搬送経路191上の用紙102の通過を検出する給紙センサ131および搬送センサ132が配置されている。
給紙センサ131は、第1搬送経路191上であって、給紙ローラ111と搬送ローラ112の間で、用紙102の通過を検出する。
搬送センサ132は、搬送ローラ112と分岐点190の間で、用紙102の通過を検出する。
レジストセンサ133は、第3搬送経路193上であって、分岐点190とレジストローラ113の間で、用紙102の通過を検出する。
排紙センサ134は、第2搬送経路上であって、定着ローラ115と分岐点194の間で、用紙102の通過を検出する。
第3搬送経路193上の分岐点190と分岐点194には、第2搬送経路192の一端部と他端がそれぞれ接続されている。
第2搬送経路192上には、第1両面搬送ローラ117、第2両面搬送ローラ118および第3両面搬送ローラ119が設けられている。定着ローラ115から送り出された用紙102は、排紙/反転ローラ116に送られ、反転されると、第2搬送経路192に送り出される。第2搬送経路192に送り出された用紙102は、第1両面搬送ローラ117、第2両面搬送ローラ118、第3両面搬送ローラ119の順に搬送されて、分岐点190を介して、レジストローラ113へと送られる。
プリントエンジン150は、さらに、給紙ローラ111を回転させる給紙モータ121と、搬送ローラ112を回転させる搬送モータ122と、レジストローラ113を回転させるレジストモータ123と、感光体114を回転させる感光体モータ124と、定着ローラ115を回転させる定着モータ125と、排紙/反転ローラ116を回転させる排紙/反転モータ126と、第1両面搬送ローラ117および第2両面搬送ローラ118を回転させる第1両面搬送モータ127と、第3両面搬送ローラ119を回転させる第2両面搬送モータ128とを含む。
また、プリントエンジン150は、両面搬送センサ135を含む。両面搬送センサ135は、第3搬送経路上であって、第3両面搬送ローラ119と分岐点190の間の所定の位置での用紙102の通過を検出する。
なお、本実施の形態では、上記した複数のローラを回転させるために、モータが複数存在する構成を有しているが、1つのモータと複数のクラッチによって、上記した複数のローラを回転/停止させる構成であってもよい。
[2.画像形成装置のブロック構成]
図2は、本実施の形態の画像形成装置の制御ブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置は、プリントエンジン150と、外部から入力される操作を受付ける操作パネル153と、スキャナ等の画像読取装置154と、画像ファイルや種々の情報を記憶する記憶装置156と、原稿読取装置154によって生成された画像データまたは記憶装置156に記憶された画像データに対して、種々の画像処理を実行する画像処理装置155と、操作パネル153や原稿読取装置154や画像処理装置155の動作を制御するMFP(Multi Function Peripheral)コントローラ152と、画像形成装置の動作を全体的に制御するエンジンコントローラ151とを含む。エンジンコントローラ151は、プログラム記憶部151Bと、プログラム記憶部151Bに記憶されたプログラムを実行するプログラム実行部151Aと、プログラム実行部151Aが実行する処理において利用されるタイマ151Cを含む。エンジンコントローラ151は、プログラム記憶部151Bに記憶されたプログラムに従って、プリントエンジン150およびMFPコントローラ152に対して、制御信号を出力する。
プリントエンジン150は、給紙モータ121を駆動する給紙モータ駆動回路141と、搬送モータ122を駆動する搬送モータ駆動回路142と、レジストモータ123を駆動するレジストモータ駆動回路143と、感光体モータ124を駆動する感光体モータ駆動回路144と、定着モータ125を駆動する定着モータ駆動回路145と、排紙/反転モータ126を駆動する排紙/反転モータ駆動回路146と、第1両面搬送モータ127を駆動する第1両面搬送モータ駆動回路147と、第2両面搬送モータ128を駆動する第2両面搬送モータ駆動回路148とを含む。エンジンコントローラ151は、給紙センサ131、搬送センサ132、レジストセンサ133、排紙センサ134、および、両面搬送センサ135から、検出出力を入力される。
本実施の形態の画像形成装置では、操作パネル153に対して画像形成指示が入力されると、MFPコントローラ152は、原稿読取装置154に対して、原稿の読取を指示する。これに応じて、原稿読取装置154は、原稿の画像データを生成し、MFPコントローラ152へ入力する。
MFPコントローラ152は、上記のように入力された画像データについて、操作パネル153に対して入力された指示に従って、画像処理装置155に対して画像処理を指示する。これに応じて、画像処理装置155は、上記画像データについて、画像処理を実行して、処理後の画像データをMFPコントローラ152に返す。
そして、MFPコントローラ152は、原稿読取装置154によって生成された画像データ、または、当該画像データに対する画像処理装置155での処理後の画像データを、エンジンコントローラ151に、操作パネル153に対して入力された印刷指示(印刷枚数や、片面/両面印刷、拡大/縮小倍率、等)とともに、エンジンコントローラ151へ送信する。
エンジンコントローラ151は、MFPコントローラ152から受信した画像データおよび印刷指示に基づいて、プリントエンジン150に印刷指示を出力する。当該印刷指示は、給紙モータ121等の各種モータの駆動指示を含む。
プリントエンジン150は、エンジンコントローラ151から送られた指示に従って、用紙102に対して画像形成を行なう。画像を形成された用紙102は、排紙/反転ローラ116から、画像形成装置外(または、画像形成装置内の排紙トレイ)に排出される。
[3.レジスト補正]
本実施の形態では、レジストセンサ133とレジストローラ113が利用されて、レジスト補正が行なわれる。具体的には、レジストセンサ133が用紙102の通過を検出したことに応じて、搬送ローラ112の回転を停止させて、用紙の搬送を停止させる。図3(A)では、このように停止させられた用紙が示されている。なお、図3(A)は、図1に示したプリントエンジン150における用紙搬送経路の一部が拡大して示している。また、図3(A)において、矢印A1は、第1搬送経路191および第3搬送経路193における用紙の搬送方向を示している。
図3(A)では、用紙ST1Aは、給紙カセット101から、給紙ローラ111と搬送ローラ112によって、第1搬送経路191から第3搬送経路193へと搬送され、そして、その先端がレジストセンサ133によって検出されたことに応じて、その先端を、レジストローラ113によって挟み込まれて、その搬送を停止されている。
本実施の形態では、図3(A)を参照して説明したように、感光体114に導入される手前で、用紙を一時的に停止させ、感光体114に導入されるタイミングを調整することを、レジスト補正と言う。つまり、図3(A)では、用紙ST1Aに対してレジスト補正が行なわれている状態が示されている。
また、第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される用紙に対するレジスト補正がなされた状態が、図3(B)に示されている。
図3(B)を参照して、用紙ST1Bの先端が、レジストローラ113に挟み込まれて、当該用紙ST1Bが停止している。図3(B)は、用紙ST1Bに対してレジスト補正が行なわれている状態が示されている。なお、第2搬送経路192から第3搬送経路193に搬送される用紙に対してレジスト補正が行なわれた場合、一時的に停止する用紙は、図3(B)の用紙ST1Bのように、その先端部分は第3搬送経路193上に位置し、その後端部分は第2搬送経路192上に位置している。図3(B)において、矢印A2は、第3搬送経路193における用紙の搬送方向を示している。
なお、本明細書において、用紙についての「先端」および「後端」とは、プリントエンジン150の第1〜第3搬送経路191〜193上における用紙の搬送方向に基づいて言及される。また、本明細書では、レジスト補正による用紙の停止位置を、適宜「レジスト位置」と言う。
[4.プレレジスト補正]
本実施の形態の画像形成装置では、感光体114に対して連続して用紙を送り込む場合、レジスト補正の対象となる用紙の次に感光体114へと搬送される用紙に対して、プレレジスト補正が実行される。プレレジスト補正は、図3(A)および図3(B)に示したようなレジスト位置への用紙の到着タイミングのばらつきを抑えるために、行なわれる。
本実施の形態では、プレレジスト補正では、先行する用紙が、図3(A)に示されるように第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送される場合と、図3(B)に示されるように第2搬送経路192から第3搬送経路193へと搬送される場合とで、異なるセンサが利用される。
具体的には、図3(A)に示されるように、先行する用紙が第1搬送経路191から第3搬送経路193へ導入される場合には、後続する用紙ST2Aの先端が給紙センサ131にその先端が検出されることに基づいて、当該用紙ST2Aの搬送が一時的に停止される。なお、用紙ST2Aの搬送は、先行する用紙ST1Aの搬送が再開された後、適切なタイミングで、再開される。
また、図3(B)に示されるように、先行する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へと搬送される場合には、後続する用紙ST2Bは、上記した給紙センサ131よりも第1搬送経路191において下流側の位置で用紙の通過を検出する搬送センサ132にその先端が検出されたことに応じて、搬送を一時的に停止される。用紙ST2Bの搬送は、先行する用紙ST1Bの搬送が再開された後、適切なタイミングで、再開される。
本実施の形態のプレレジスト補正によれば、先行する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される場合、先行する用紙が第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送される場合よりも、第1搬送経路191の下流側で用紙の通過を検出するセンサによって後続する用紙の先端が検出されたことに応じて、当該後続する用紙の搬送が一時的に停止される。つまり、図3(A)と図3(B)において、用紙ST2Aと用紙ST2Bとして示したように、先行する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される場合には、第1搬送経路191から搬送される場合よりも、プレレジスト補正により一時的に搬送が停止される場合の用紙の停止位置を、より下流側に、つまり、当該後続する用紙の先端が先行する用紙の先端に近づくように、後続する用紙の停止位置を設定することができる。
このようにプレレジスト補正による用紙の停止位置を、レジスト補正による用紙の停止位置に近づけることにより、レジスト補正による用紙の一時的な停止において、用紙毎の、レジスト補正による停止位置への搬送タイミングのばらつきを抑えることができ、かつ、先行する用紙と後続する用紙との搬送の間隔をより短くすることができる。なお、本明細書では、プレレジスト補正による用紙の停止位置を、適宜「プレレジスト位置」と言う。
このような効果を、図4の動作線図を参照して、より詳細に説明する。
図4は、図3(B)に示されたように、プリントエンジン150において、先行する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へと搬送される場合の、先行する用紙と後続する用紙の先端および後端の動作軌跡を示す。
図4では、線L1Aは、先行する用紙の先端位置を示し、線L1Bは当該先行する用紙の後端位置を示し、線L1Cは後続する用紙の先端位置を示し、そして、線L1Dは当該後続する用紙の後端位置を示す。なお、図4に示された例では、線L1Aと線L1Bで端部位置を示される先行する用紙は、分岐点190に到達するまでは、線L1Cおよび線L1Dで端部位置を示される後続する用紙とは、異なる経路(第2搬送経路192)を搬送される。したがって、図4に示される場合、分岐点190よりも上流側では、先行する用紙と後続する用紙が衝突することはない。
第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される先行する用紙は、分岐点190より上流側で(第2搬送経路192上で)、プレレジスト補正により一時的に搬送を停止される。そして、時刻T13で、搬送を再開されて、第3搬送経路193へと搬送される。
第2搬送経路192上でのプレレジスト補正は、たとえば両面搬送センサ135が当該先行する用紙の先端の通過を検出したことによって、実現される。線L1Aにおける線L11と線L12は、第2搬送経路192におけるプレレジスト補正による停止位置への到達のばらつきを示す。具体的には、線L11は、当該停止位置へ到達する最先の用紙の先端位置を示し、線L12は、当該停止位置へ到達する最遅の用紙の先端位置を示す。時刻T11に、線L11の用紙の先端がプレレジスト位置に到達し、時刻T12に、線L12の用紙の先端がプレレジスト位置に到達している。なお、第2搬送経路192上でのプレレジスト補正の詳細については、図3(A)および図3(B)を参照して説明した第1搬送経路191上でのプレレジスト補正に対して、利用するセンサが異なり、当該センサの変更に伴って用紙の搬送が一時的に停止される際の用紙の停止位置が変更されることのみが相違するため、詳細な説明は繰り返さない。
先行する用紙は、上記プレレジスト補正の後、第2搬送経路192から第3搬送経路193へと搬送され、レジスト補正により、レジストセンサ133にその先端を検出されたことに応じて、レジストローラ113によりその搬送を一時的に停止される。
線L1Aにおいて、線L13は、レジスト補正により一時的に搬送を停止される先行する用紙についての、最先の用紙の先端位置を示し、線L14は、最遅の用紙の先端位置を示す。線L13の先端位置は時刻T11に、線L14の先端位置は時刻T12に、それぞれ、レジストローラ113等によってその搬送を停止される。そして、時刻T14に、感光体114へ向けて搬送が再開される。なお、線L1Bは、線L14に対応する用紙の後端を示している。
後続する用紙の給紙は、時刻T18から開始される。つまり、時刻T18に、後続する用紙を給紙カセット101から第1搬送経路191へ搬送するために給紙ローラ111の回転が開始される。第1搬送経路191へ搬送された後続する用紙は、その先端が搬送センサ132に検出されたことに応じて、その搬送を一時的に停止される。これにより、後続する用紙は、搬送センサ132の検出位置よりも若干下流側であって、分岐点190より上流側で、その先端が停止するように、一時的に搬送を停止される。線L1Cにおいて、線L15,線L16は、当該プレレジスト位置まで搬送される用紙についての搬送タイミングのばらつきを示している。具体的には、線L15は、当該プレレジスト位置へ到達する最先の先端位置を示し、線L16は最遅の先端位置を示している。線L15の用紙は時刻T15に当該プレレジスト位置に到達し、線L16の用紙は時刻T16にプレレジスト位置へ到達する。
そして、時刻T17に、プレレジスト位置からレジスト位置へ向けて、後続する用紙の搬送が再開される。線L1Cにおいて、線L17と線L18は、上記プレレジスト位置からレジスト位置へ搬送される用紙の搬送のばらつきを示す。具体的には、線L17は、最先の用紙の先端位置を示し、線L18は、最遅の用紙の先端位置を示す。レジスト位置においてレジスト補正により一時停止された、後続する用紙は、時刻T20に、定着ローラ115へ向けて、搬送が再開される。
図4において、距離D1は、プレレジスト補正により一時的に停止された後続する用紙の先端位置からレジスト補正により一時的に停止された後続する用紙の先端位置までの距離を示している。
一方、距離D2は、図3(A)を参照して説明したように、先行する用紙が第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送された場合の、後続する用紙のプレレジスト位置からレジスト位置への先端位置の距離を示している。
図3(B)を参照して説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、先行する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される場合、後続する用紙のプレレジスト補正による停止位置をより下流側に設定することができる。これにより、プレレジスト位置の用紙先端の位置からレジスト位置での用紙先端の位置までの距離を、(距離D2から距離D1へと)短くすることができ、これにより、レジスト補正によって後続する用紙が停止される位置に搬送されるタイミングのばらつきを、抑えることができる。
また、本実施の形態の画像形成装置では、先行する用紙が第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送され、後続する用紙が第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送される場合であっても、先行する用紙と後続する用紙の双方が第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送される場合よりも、後続する用紙のプレレジスト位置での用紙の先端位置とレジスト位置での用紙の先端位置との距離を短くすることができる。
本実施の形態の画像形成装置では、連続して用紙の両面に画像形成が行なわれる場合、搬送される用紙の前後の紙間を短縮するために、第3搬送経路193への用紙の搬送は、第1搬送経路191からと第2搬送経路192からとで、交互に、行なわれるように調整される。具体的には、たとえば、N枚(Nは3以上)の用紙の画像形成が行なわれる場合、以下の順序で画像形成が行なわれる。
1) 1枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
2) 2枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
3) 3枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
4) 1枚目表ページ(第2搬送経路192から)
5) 4枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
6) 2枚目表ページ(第2搬送経路192から)
7) 5枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
8) 3枚目表ページ(第2搬送経路192から)
9) 6枚目裏ページ(第1搬送経路191から)
図5に、上記順序により、紙間が短縮されたことの効果を示す。
第1搬送経路191から第3搬送経路193へ連続して用紙が搬送されるタイミングが、図5(A)に示される。また、図5(B)には、第1搬送経路191からと第2搬送経路192から交互に、第3搬送経路193へ用紙が搬送される場合の、レジストローラ113への用紙の搬送タイミングが示されている。
図5(A)では、線L21,線L22,線L23,線L24,線L25は、連続して搬送される5枚の用紙のそれぞれの先端位置を示している。また、線L21A,線L22A,線L23A,線L24A,線L25Aは、それぞれ、線L21,線L22,線L23,線L24,線L25の各用紙の後端位置を示している。
また、図5(B)では、線L31,線L32,線L33,線L34,線L35は、それぞれ、レジストローラ113で搬送される、連続する5枚の用紙の先端位置を示している。また、線L31A,線L32A,線L33A,線L34A,線L35Aは、それぞれ、線L31,線L32,線L33,線L34,線L35のそれぞれの用紙の後端位置を示している。なお、線L31,線L33,線L35は、第1搬送経路191から第3搬送経路193へ搬送された用紙についての位置を示し、線L32,線L34は、第2搬送経路192から第3搬送経路193へ搬送された用紙の位置を示している。
図5(A)では、連続する用紙の搬送間隔(時間)は、ピッチAとされている。一方、図5(B)では、第1搬送経路191から用紙が搬送された後第2搬送経路192から用紙が搬送されるときの間隔(時間)がピッチBとして示され、第2搬送経路192から用紙が搬送されてから第1搬送経路191から用紙が搬送されるときの間隔(時間)がピッチCとして示されている。
第3搬送経路193に連続して用紙を搬送する場合、連続して第1搬送経路191から搬送するよりも、第1搬送経路191と第2搬送経路192から交互に搬送する方が、前後の用紙の紙間を狭めることができる。よって、ピッチBとピッチCは、いずれも、ピッチAよりも短く設定することができる。
したがって、本実施の形態の画像形成装置では、用紙の両面に画像を形成する場合、図5(B)に示されるような順序で用紙をレジストローラ113へと搬送することにより、搬送される用紙の間隔を、連続して第1搬送経路191から第3搬送経路193へ用紙が搬送される場合よりも、短くすることができる。
[5.用紙搬送処理]
本実施の形態の画像形成装置では、レジスト補正として、第3搬送経路193上で用紙の搬送を一時的に停止させ、感光体114に対して用紙を搬送するタイミングを調整している。感光体114への用紙の搬送のタイミングの調整については、公知の技術を適用することができる。
また、本実施の形態の画像形成装置では、プレレジスト補正として、レジスト位置への用紙の搬送タイミングのばらつきを抑えるために、レジスト位置よりさらに手前で、用紙の搬送を一時的に停止させている。
本実施の形態では、先行する用紙がどこから搬送されるかによって、給紙カセット101から搬送した用紙についてのプレレジスト位置を調整することを特徴として含む。当該特徴を説明するために、プリントエンジン150において用紙を搬送するための処理(用紙搬送処理)について、当該処理のフローチャートである図6を参照して、以下説明する。
給紙カセット101からの用紙の搬送を開始する際、プログラム実行部151Aは、まずステップS10で、第1〜第3搬送経路191〜193上に、先行する用紙が存在するか否かを判断し、存在すると判断するとステップS20へ処理を進め、存在しないと判断するとステップS40へ処理を進める。
なお、本実施の形態の画像形成装置では、給紙センサ131、搬送センサ132、レジストセンサ133、排紙センサ134、両面搬送センサ135によって、または、さらに図示せぬセンサによって、第1〜第3搬送経路191〜193上の用紙の有無を検出することができるものとする。
ステップS20では、プログラム実行部151Aは、ステップS10で搬送経路上に存在すると判断した用紙が、片面に画像形成(印字)がなされた用紙であって、第2搬送経路192に存在するか、または、排紙/反転ローラ116によって反転されてこれから第2搬送経路192へ搬送される用紙であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS110へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS30へ処理を進める。
ステップS30では、プログラム実行部151Aは、先行する用紙の後端が、第3搬送経路193上の所定位置を通過したことを検出するまで待機し、通過したと判断するとステップS40へ処理を進める。
ここで、所定位置とは、給紙カセット101から、後続する新たな用紙の搬送を開始することが許される位置であり、第1搬送経路191および/または第3搬送経路193の長さおよびこれらの搬送経路における用紙の搬送速度に基づいて決定される。
ステップS40では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121の回転を開始させ、ステップS50へ処理を進める。ステップS50では、プログラム実行部151Aは、ステップS40によって第1搬送経路191への搬送が開始された、後続する用紙の先端が、給紙センサ131で検出される位置に到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS60へ処理を進める。
ステップS60では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121を停止させ、給紙ローラ111の回転を停止させて、ステップS70へ処理を進める。ステップS60の処理により、給紙カセット101から第1搬送経路191へ搬送された、後続する用紙は、図3(A)において用紙ST2Aとして示されるように、プレレジスト補正による停止位置で、停止することになる。
ステップS70では、プログラム実行部151Aは、ステップS60で停止させた、後続する用紙の搬送の停止を解除するタイミングが到来するまで待機し、到来したと判断するとステップS80へ処理を進める。ステップS70で判断対象となるタイミングは、先行する用紙の搬送位置との関係で決定される。たとえば、先行する用紙の先端/後端が第1搬送経路191または第3搬送経路193のことが検出されたことに基づいて、当該タイミングが決定される。
ステップS80では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121と搬送モータ122の回転を開始させて、ステップS90へ処理を進める。
ステップS90では、プログラム実行部151Aは、後続する用紙の先端が搬送センサ132の検出位置に到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS100へ処理を進める。
ステップS100では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121を停止させて、給紙ローラ111の回転を停止させて、ステップS180へ処理を進める。
ステップS110では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121の回転を開始させ、給紙ローラ111の回転を開始させて、ステップS120へ処理を進める。
ステップS120では、プログラム実行部151Aは、ステップS110の給紙ローラ111の回転の開始により第1搬送経路191への搬送を開始された後続する用紙の先端が、給紙センサ131の検出位置に到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS130へ処理を進める。
ステップS130では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122の回転を開始し、搬送ローラ112の回転を開始させて、ステップS140へ処理を進める。
ステップS140では、プログラム実行部151Aは、当該後続する用紙の先端が、搬送センサ132の検出位置に到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS150へ処理を進める。
ステップS150では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121と搬送モータ122の回転を停止させ、給紙ローラ111と搬送ローラ112の回転を停止させて、ステップS160へ処理を進める。
ステップS150の処理により、後続する用紙は、図3(B)において用紙ST2Bとして示したように、プレレジスト補正による停止位置で停止する。
ステップS160では、プログラム実行部151Aは、ステップS150における用紙の搬送の停止を解除するタイミングが到来するまで待機し、当該タイミングが到来したと判断するとステップS170へ処理を進める。ステップS160の判断対象となるタイミングは、先行する用紙の搬送位置に基づいて決定される。たとえば、先行する用紙の先端/後端が第3搬送経路193における特定の位置を通過したことに基づいて、当該タイミングが到来したと判断される。
ステップS170では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122の回転を開始させ、搬送ローラ112の回転を開始させて、ステップS180へ処理を進める。
ステップS180では、ステップS40〜ステップS170で搬送の対象となっている、「後続する」用紙の先端がレジストセンサ133の検出位置に到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS190へ処理を進める。
ステップS190では、搬送モータ122の停止タイミングが到来するまで待機し、到来したと判断するとステップS200へ処理を進める。ステップS190におけるタイミングは、レジストセンサ133で用紙の先端が検出されてからレジスト補正によって用紙が停止されるべき位置まで搬送されるまでの時間に基づいて決定され、たとえば、第3搬送経路193におけるレジストセンサ133の配置および搬送ローラ112による搬送速度に基づいて決定される。
ステップS200では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122の回転を停止させ、搬送ローラ112の回転を停止させて、処理を終了する。ステップS200の処理により、ステップS40〜ステップS200で搬送の対象となった「後続する用紙」は、図3(A)において用紙ST1Aとして示されるように、レジスト補正による停止位置で停止する。
[6.用紙ピッチ決定処理]
レジスト補正により図3(A)の用紙ST1Aおよび図3(B)の用紙ST1Bとして示したように、感光体114へ用紙を搬送する手前で用紙の搬送を一時的に停止し、感光体114への用紙の搬送のタイミングを調整している。
そして、本実施の形態では、感光体114へ用紙を搬送させてから、次の用紙を感光体114へ搬送するまでの間隔(用紙ピッチ)を調整することができる。以下、用紙ピッチを調整する処理(用紙ピッチ調整処理)について、当該処理のフローチャートである図7を参照して、説明する。
用紙ピッチ調整処理では、プログラム実行部151Aは、まずステップSA10で、第3搬送経路193上に、レジスト補正により停止させている用紙より先行する用紙が存在するか否かを判断し、存在すると判断するとステップSA20へ処理を進め、存在しないと判断するとステップSA90へ処理を進める。
ステップSA90では、プログラム実行部151Aは、用紙ピッチを0として、待機することなく、レジスト補正により停止させて用紙を感光体114へ搬送させて、用紙ピッチ調整処理を終了させる。
なお、用紙ピッチの調整に応じて、感光体114上におけるトナー画像の形成のタイミングも調整される。
ステップSA20では、プログラム実行部151Aは、上記した先行する用紙が両面印字の2面目の印字のために感光体114へと搬送されたものであるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA60へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA30へ処理を進める。
ステップSA30では、プログラム実行部151Aは、現在レジスト補正により搬送を一時的に停止されている用紙について、これから、感光体114において両面印字の2面目の印字が開始される要求がなされているか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA50へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA40へ処理を進める。
ステップSA40では、プログラム実行部151Aは、用紙ピッチを片面用のピッチAとして、用紙ピッチ調整処理を終了させる。これにより、一時停止されている用紙は、先行する用紙が同じ停止位置から感光体114へ搬送を再開されてから、ピッチAで規定される時間が経過したことを条件として、感光体114への搬送を再開される。
ステップSA50では、プログラム実行部151Aは、用紙ピッチをピッチBとして、用紙ピッチ調整処理を終了する。これにより、現在レジスト補正により停止されている用紙は、先行する用紙が同じ停止位置から感光体114へ搬送を開始されてからピッチBで規定される時間が経過したことを条件として、感光体114への搬送を再開される。
ステップSA60では、プログラム実行部151Aは、現在レジスト補正により停止されている用紙に対する印刷要求が、両面印刷の2面目の印刷であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA80へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA70へ処理を進める。
ステップSA70では、プログラム実行部151Aは、用紙ピッチをピッチCとして、用紙ピッチ調整処理を終了させる。
ステップSA80では、プログラム実行部151Aは、用紙ピッチをピッチDとして、用紙ピッチ調整処理を終了させる。ここで、ピッチDとは、第2搬送経路192から連続して第3搬送経路193へ用紙が搬送される際の、搬送間隔(時間)である。
用紙ピッチ調整処理において利用されるピッチA〜ピッチDは、たとえば予めプログラム記憶部151B等の記憶装置に記憶されているものとする。
以上説明した本実施の形態では、プリントエンジン150の、用紙に画像を形成する感光体114および定着ローラ115以外の部分により、用紙搬送装置が構成される。
[7.変形例(1)]
以上説明した本実施の形態では、画像形成装置において、給紙カセット101から供給される用紙について、第1〜第3搬送経路191〜193における先行の用紙の有無に拘らず、プレレジスト補正とレジスト補正の双方が実行されていた。なお、第1〜第3搬送経路191〜193上に先行する用紙が存在しない場合には、給紙カセット101から給紙される用紙についてのプレレジスト補正は省略することができる。
このように変形された用紙搬送処理について、当該処理のフローチャートである図8を参照して説明する。なお、本変形例のフローチャートは、図6に示されたフローチャートのステップS40〜ステップS100が、ステップS40〜ステップS53に置換えられたものに相当する。以下、相違点についてのみ説明する。
図8を参照して、ステップS10で先行する用紙がないと判断し、ステップS40で給紙モータ121を回転させ、給紙ローラ111の回転を開始させた後、プログラム実行部151Aは、ステップS50で、給紙センサ131の検出位置に、用紙の先端が到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS51へ処理を進める。
ステップS51では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122を回転させ、搬送ローラ112を回転させて、ステップS52へ処理を進める。
ステップS52では、プログラム実行部151Aは、搬送センサ132の検出位置に用紙の先端が到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS53へ処理を進める。
ステップS53では、給紙モータ121を停止させ、給紙ローラ111の回転を停止させて、ステップS180へ処理を進める。
[8.変形例(2)]
本実施の形態の画像形成装置では、給紙カセット101から搬送される用紙は、プレレジスト補正により一時搬送を停止され、また、レジスト補正により搬送が一時的に停止される。ここで、プレレジスト補正により一時的に搬送が停止された先行する用紙の搬送が再開されたときに、後続する用紙の先端が先行する用紙の後端に追いつかないように、プレレジスト補正による停止前後の搬送速度が調整されることが好ましい。
ここで、給紙カセット101からレジストローラ113までの搬送速度をV1(mm/s)とし、レジストローラ以降の搬送速度をV2(mm/s)とし、先行する用紙の後端がセンサの検出位置を通過してから後続する用紙の先端が当該センサの検出位置を通過するまでの間隔をTpr(sec)とし、これらの間隔の理想値をTrsecとし、プレレジスト補正により用紙が停止される位置とレジスト補正により用紙が停止される位置までの距離(たとえば、用紙の先端同士の距離)をD3(mm)とした場合に、次の式(1)に示す関係を有することが好ましい。
D3/V2−D3/V1≧Tpr−Tr …(1)
なお、上記したセンサとは、プレレジスト補正において利用されるセンサであり、図3(A)を参照して説明した場合には給紙センサ131を意味し、図3(B)を参照して説明した場合には搬送センサ132を意味する。
このように速度を調整された場合の、先行する用紙の後端と後続する用紙の先端の動作軌跡を、図9の動作線図に示す。
図9では、実線L2Aが、後続する用紙の先端位置を示し、線L2Bが、先行する用紙の後端位置を示す。
線L2Aでは、時刻T25以降が、プレレジスト補正による停止後の用紙の搬送に対応する。また、線L2Bでは、時刻T22以降が、プレレジスト補正による搬送の停止後の搬送に対応している。図9を参照して、先行する用紙は、時刻T21までは速度V1で搬送され、時刻T22以降は速度V2で搬送されている。一方、後続する用紙は、時刻T26までは速度V1で搬送され、時刻T26以降は速度V2で搬送されている。これにより、プレレジスト補正による用紙先端の停止位置における、先行する用紙の後端の通過から後続する用紙の先端の通過までの時間Tpr(時刻T23から時刻T25までの期間)が、レジストローラ113における通過の間隔は、Trまで短縮されている。
[9.変形例(3)]
本実施の形態の画像形成装置では、給紙カセット101から連続して第3搬送経路193へと用紙が搬送される場合、後続する用紙の用紙の実際の搬送速度が速い場合には、当該後続する用紙が先行する用紙と衝突することを確実に回避するために、当該後続する用紙の搬送速度を低下させることが好ましい。このような制御を、図10を参照して説明する。
図10において、線L3Aは先行する用紙の先端位置を示し、線L3Bは先行する用紙の後端位置を示し、線L3Cは後続する用紙の先端位置を示す。
図10では、後続する用紙は、時刻T41に給紙ローラ111による搬送が開始されるとする。線L3C1と線L3C2は、給紙ローラ111から搬送される用紙の搬送速度のばらつきを示す。
線L3C1の用紙の先端は、時刻T42に搬送センサ132の検出位置に到達している。一方、線L3C2の用紙の先端は、時刻T43に搬送センサ132の検出位置に到達している。
なお、本変形例では、給紙開始から搬送センサ132の検出位置までの所要時間の閾値として、TAが設定されている。そして、線L3C1の用紙についての当該所要時間(T42−T41)は閾値TAより短く、線L3C2の用紙についての当該所要時間(T43−T41)は閾値TAより長いとする。
本実施の形態では、上記所要時間が閾値TAよりも短い場合には、プレレジスト位置からレジスト位置への搬送の速度が、上記所要時間が閾値TA以上である場合よりも、低減される。
このような搬送速度の調整により、図10では、線L3C1は、搬送センサ132の検出位置を通過した後の速度が低減される。このような制御により、プリントエンジン150において連続する用紙が衝突することを確実に回避できる。
また、後続する用紙の上記所要時間が、上記閾値TAよりも長い特定の閾値を超えた場合には、当該後続する用紙についてのプレレジスト位置からレジスト位置への搬送の速度を上昇するように制御されても良い。このような制御により、先行する用紙と後続する用紙の紙間が無駄に長くなることを回避できる。
[10.変形例(4)]
本実施の形態の画像形成装置において、図3(A)を参照して説明したように、先行する用紙が給紙カセット101から搬送され、後続する用紙も給紙カセット101から搬送される場合、後続する用紙の搬送速度に応じて、当該後続する用紙の搬送速度を調整することが好ましい。
このように変形された用紙搬送処理について、当該処理のフローチャートである図11を参照して、説明する。なお、本変形例のフローチャートは、図6に示されたフローチャートのステップS40〜ステップS100がステップS61〜ステップS68に置換えられ、また、ステップS110〜ステップS170がステップS110〜ステップS115へ置換えられたものに相当する。以下、相違点についてのみ説明する。
図11を参照して、第1〜第3搬送経路191〜193に先行する用紙がないと判断すると、または、これらの搬送経路に先行する用紙が存在する場合であってその後端が所定の位置を通過したと判断すると、プログラム実行部151Aは、ステップS61で、タイマのカウント値を0にリセットして、ステップS62へ処理を進める。
ステップS62では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121を回転させ、給紙ローラ111を回転させて、ステップS63へ処理を進める。
ステップS63では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122を回転させ、搬送ローラ112を回転させて、ステップS64へ処理を進める。
ステップS64では、プログラム実行部151Aは、用紙の先端が搬送センサ132の検出位置に到達したか否かを判断し、まだ到達していないと判断すると、ステップS65でタイマのカウント値を1インクリメントして、ステップS64へ処理を戻す。一方、到達したと判断すると、ステップS66へ処理を進める。
これにより、タイマは、ステップS62で用紙の搬送を開始させてから、当該用紙の先端が搬送センサ132の検出位置に到達するまでの時間を計時することになる。
ステップS66では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121を停止させ、給紙ローラ111の回転を停止させて、ステップS67へ処理を進める。
ステップS67では、プログラム実行部151Aは、カウンタTのカウント値が、予め定められた減速判定しきい値以下であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップS68へ処理を進め、そうではないと判断するとステップS180へ処理を進める。
ステップS68では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122の回転を所定時間減速させて、ステップS180へ処理を進める。これにより、後続する用紙の搬送速度が、所定時間だけ減速されることになる。
ステップS68における減速の度合は、予め定められたものとされてもよいし、カウンタtのカウント値が大きくなるほど減速度合が大きくなるように設定されてもよい。
第1〜第3搬送経路191〜193上に先行する用紙が存在し、そして、先行する用紙がその片面に画像を形成(印字)されたものであると判断すると、プログラム実行部151Aは、ステップS110で、給紙モータ121を回転させ、給紙ローラ111を回転させて、ステップS111へ処理を進める。
ステップS111では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122を回転させ、搬送ローラ112を回転させて、ステップS112へ処理を進める。
ステップS112では、プログラム実行部151Aは、搬送センサ132の検出位置に用紙の先端が到達するまで待機し、到達したと判断するとステップS113へ処理を進める。
ステップS113では、プログラム実行部151Aは、給紙モータ121を停止させ、給紙ローラ111の回転を停止させ、また、搬送モータ122の回転を停止させて搬送ローラ112の回転を停止させ、ステップS114へ処理を進める。
ステップS113の処理により、後続する用紙は、図3(B)において用紙ST2Bとして示されるように、プレレジスト補正による停止位置で、その搬送を一時的に停止される。
ステップS114では、プログラム実行部151Aは、プレレジスト補正による搬送の停止を解除するタイミングが到来するまで待機し、到来したと判断するとステップS115へ処理を進める。
なお、ステップS114におけるタイミングの決定は、ステップS160と同様のものとすることができる。
ステップS115では、プログラム実行部151Aは、搬送モータ122を回転させ、搬送ローラ112を回転させて、ステップS180へ処理を進める。
ステップS115の処理により、プレレジスト補正によって一時的に停止された用紙の搬送が、再開される。
[11.変形例(5)]
本実施の形態のプリントエンジン150では、第1搬送経路191と第3搬送経路193により、給紙部からレジストローラへ用紙を搬送するための第1搬送経路が構成される。また、第2搬送経路192により、第1搬送経路の第2センサの用紙の検出位置よりも下流側で当該第1搬送経路に接続される第2搬送経路が構成される。
以上説明した本実施の形態では、第2搬送経路(第2搬送経路192)は、用紙の両面に画像を形成するために、排紙/反転ローラ116によって反転された用紙が搬送される経路によって構成されている。
なお、第2搬送経路として接続される搬送経路は、両面印刷用の経路に限定されることはない。
図12に、本実施の形態の第1〜第3搬送経路191〜193の構成の変形例を示す。
本変形例では、複数の給紙カセット(第1給紙カセット311と第2給紙カセット312)から、第3搬送経路193へ用紙が搬送される。
第1給紙カセット311から分岐点190までの用紙の搬送経路が第1搬送経路191とされ、第2給紙カセット312から分岐点190までの用紙の搬送経路が、第2搬送経路192とされている。そして、分岐点190より下流側の搬送経路が、第3搬送経路193とされている。
第1搬送経路191では、給紙ローラ321、第1用紙センサ331、搬送ローラ322、第2用紙センサ332が、順に配置されている。また、本変形例では、給紙ローラ321と搬送ローラ322を回転させるための図示せぬモータが備えられているものとする。
第2搬送経路192では、給紙ローラ341、第1用紙センサ351、搬送ローラ342、第2用紙センサ352が順に配置されているものとする。
本変形例では、用紙の先端がレジストセンサ361の検出位置に到達すると、レジスト補正処理により、当該用紙の先端部がレジストローラ362に挟み込まれるように、その搬送が一時的に停止される。
第1給紙カセット311から連続して用紙が搬送される場合、先行する用紙がレジスト補正により、その搬送を一時的に停止され、また、後続する用紙は、その先端が第1用紙センサ331の検出位置に到達したことに基づいて、プレレジスト補正により、当該後続する用紙の搬送が一時的に停止される。
一方、先行する用紙が第2給紙カセット312から給紙され、後続する用紙が第1給紙カセット311から搬送される場合について説明する。第2給紙カセット312の用紙は、給紙ローラ341および搬送ローラ342により、搬送され、第3搬送経路193へと搬送される。そして、当該用紙の先端が、レジストセンサ361の検出位置に到達すると、レジスト補正により、その先端がレジストローラ362に挟まれるようにして、当該用紙の搬送が一時的に停止される。そして、当該用紙の次に、第1給紙カセット311の用紙が搬送の対象とされ、給紙ローラ321と搬送ローラ322によって、第1搬送経路191の下流側に向かって搬送される。そして、当該用紙の先端が、第2用紙センサ332の検出位置に到達すると、プレレジスト補正により、当該後続する用紙の搬送が一時的に停止される。
つまり、本変形例では、第1給紙カセット311の用紙の搬送に際して、第1用紙センサ331と第2用紙センサ332が、プレレジスト補正に利用される。具体的には、先行する用紙が第1給紙カセット311から搬送される場合には、後続する用紙の先端位置が第1用紙センサ331の検出位置に到達したことに応じて、当該後続する用紙の搬送が、プレレジスト補正により一時的に停止される。一方、先行する用紙が第2給紙カセット312から搬送された場合には、第1給紙カセット311から後続する用紙が搬送されると、当該後続する用紙の先端が第2用紙センサ332の検出位置に到達したことに応じて、プレレジスト補正によりその用紙の搬送が一時的に停止される。
第2用紙センサ332は、第1搬送経路191において、第1用紙センサ331よりも下流側で、用紙の通過を検出する。そして、本変形例では、異なる給紙カセットから先行する用紙が搬送される場合には、後続する用紙のプレレジスト補正には、より下流側に検出位置を有するセンサによって、当該後続する用紙の先端位置が到達したことを条件として、当該後続する用紙の搬送が一時的に停止される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。