JP5190562B1 - エネルギー貯蔵用鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

エネルギー貯蔵用鉛蓄電池は、極板群と、極板群に含浸された電解液とを備え、前記極板群は、複数の負極と、複数の正極と、複数のセパレータとを備え、前記負極は、負極格子と、前記負極格子に保持される負極活物質とを備え、前記正極は、正極格子と、前記正極格子に保持される正極活物質とを備え、前記セパレータは前記正極と前記負極とを隔てている。前記正極活物質の総細孔容積は0.087〜0.120cm3/gであり、前記負極活物質には3.2〜4.8質量%の硫酸バリウムが含まれている。
【選択図】図1

Description

本発明はエネルギー貯蔵用鉛蓄電池に関するものである。詳細には、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有するエネルギー貯蔵用鉛蓄電池に関する。
弁制御型の鉛蓄電池は、低コスト、安定した出力、メンテナンスフリー等の利点を有し、車両の起動、予備電源、エネルギー貯蔵システム等の分野において広く用いられてきた。エネルギー貯蔵システムにおいて用いられる鉛蓄電池(単に「エネルギー貯蔵用鉛蓄電池」と呼ぶ)は、例えば太陽エネルギーや風力エネルギー等の自然界における再生可能エネルギーを直流の電気に変換し、調整後に電力を外部機器へ出力することができる。
エネルギー貯蔵用鉛蓄電池は長期にわたって自然環境下で動作する必要があるため、良好なサイクル寿命特性を有している必要があるだけでなく、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有していることが要求される。また、通常、エネルギー貯蔵用鉛蓄電池は低い放電率で動作するため、極板を適切に設計することによって低放電率の条件下で所望の電池性能を達成する必要がある。
鉛蓄電池の正極については、正極活物質としての二酸化鉛(PbO2)の導電性が比較的劣るため、低温下における放電が困難であるという問題がある。また、正極活物質は化成後に多孔質体となり、その細孔構造も鉛蓄電池の放電特性に大きな影響をもたらすが、その主な原因は、放電過程において正極活物質中に難溶性の硫酸鉛の結晶が生成されることによって、電解液を供給するための細孔が塞がり、放電反応が継続し難くなるためである。
正極活物質の多孔質体においては、細孔の孔径が小さいほど、電極反応に貢献する硫酸イオンが拡散しにくくなり、ハイレート放電特性の劣化を招いてしまうことが知られている。よって、鉛蓄電池の正極の放電性能を向上させるため、通常は正極活物質の総細孔容積、特に孔径の大きな細孔の容積が占める割合を増やし、それによって電解液を拡散させやすくして正極活物質の利用率を上げるという方法が行われる。例えば特許文献1においては、正極活物質の総細孔容積を0.14〜0.18cc/gの範囲に収めるようにし、それによってハイレート放電時の鉛蓄電池の放電容量を向上させることが開示されている。また、電池の高容量化を実現するため、特許文献2においては、正極において孔径1μm以上の細孔の容積を総細孔容積の50%以上にする方法が提案されている。しかしながら、これらの文献は、ともに常温、ハイレート放電の条件下における鉛蓄電池の高容量化に関する発明であり、低温、ローレート放電の条件下における鉛蓄電池の放電特性については検討されていない。
鉛蓄電池の負極については、負極活物質としての硫酸鉛が固形化しやすいため、低温下での充電受入性が低下しやすいという傾向がある。現在は、電池の低温充電受入性を改善するように負極へ添加剤を加える方法が主に採用されている。例えば特許文献3には、負極活物質に鉛粉末に対して2〜5質量%の硫酸バリウム(BaSO4)を添加することが記載されている。そして、硫酸バリウムは核剤として放電生成物即ち硫酸鉛を微細化させやすくし、それによって低温下における電池の充電受入性を向上させることができる旨が記載されている。
しかしながら、低温環境下では、たとえBaSO4が添加された負極活物質を用いた負極を採用して鉛蓄電池を作製しても、充電受入性についてはある程度向上させることができても、充電した電気量を放電容量として取り出すことは難しい。これは、高い充電状態(SOC)において、電解液としての硫酸の濃度が高く、且つ、低温下では電解液の粘性が高くなるため、イオン拡散抵抗が大きくなり、このため放電特性が大きな影響を受けてしまうためである。
よって、これまでのところ、低温環境下で用いられるエネルギー貯蔵用鉛蓄電池の放電容量及び充電受入性は依然として低く、望ましい電池特性を得ることができなかった。
特開平11−73950号公報 特開平6−140030号公報 特開2003−51307号公報
上記の問題に鑑み、本発明は、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有するエネルギー貯蔵用鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本願発明者らは、低温下における鉛蓄電池の放電特性について検討した結果、正極活物質の総細孔容積を増やすだけでは、あるいは、負極活物質中のBaSO4含有量を増やすだけでは、低温下における放電容量を向上させることができないということを発見した。さらに、正極活物質の総細孔容積を適切に低減してそれを適切な範囲に収めるとともに、負極活物質に特定の添加剤を添加することで、良好なサイクル寿命特性を有するだけでなく、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有するエネルギー貯蔵用鉛蓄電池を提供することができるということを発見し、本発明を完成させた。
上記の現象が起こる原因は未だ明らかでないが、低温下では電解液の粘性が高くなり、特定の孔径を有する細孔のみが電解液の拡散に対して決定的な役割を果たすためと推測できる。よって、正極活物質の総細孔容積を適切な範囲に収めることで、正極の充放電特性を改善することができる。また、負極活物質に核剤及び/又は他の添加剤を添加することによって、負極の充放電特性を改善し、正負極間の充放電特性のバランスを取り、それによって電池全体の充放電特性及びサイクル寿命特性を向上させることができる。
具体的に、本発明のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池は、極板群と、前記極板群に含浸された電解液とを備え、前記極板群は、複数の負極と、複数の正極と、複数のセパレータとを備え、前記負極は、負極格子と、前記負極格子に保持される負極活物質とを備え、前記正極は、正極格子と、前記正極格子に保持される正極活物質とを備え、前記セパレータは前記正極と前記負極とを隔てているエネルギー貯蔵用鉛蓄電池であって、前記正極活物質の総細孔容積は0.087〜0.120cm3/gであり、前記負極活物質には3.2〜4.8質量%の硫酸バリウムが含まれていることを特徴とする。
また、前記負極活物質には、0.3〜2.0質量%のアセチレンブラックが含まれていることが好ましい。
また、前記負極活物質には、0.1〜2.0質量%のリグニン系界面活性剤がさらに含まれていることが好ましい。
また、前記正極活物質に対する前記負極活物質の重量比即ち負極活物質/正極活物質は0.7〜0.95であることが好ましい。
少なくとも前記正極格子にはエキスパンド格子が用いられていることが好ましい。
前記セパレータは、親水化処理を施した合成繊維からなる袋状セパレータと、ガラス繊維からなるチップ状セパレータとを備え、前記袋状セパレータには前記正極が収容されており、前記チップ状セパレータは前記袋状セパレータと前記負極との間に挟まれていることが好ましい。その中で、前記合成繊維には、直径0.5μm〜2.0μmのアクリロニトリル系細繊維が少なくとも含まれ、直径2.5μm〜8.0μmのアクリロニトリル系太繊維がさらに含まれている。前記アクリロニトリル系細繊維の含有量は、前記アクリロニトリル系太繊維の含有量より多いことがより好ましい。
本発明によれば、良好なサイクル寿命特性を有するだけでなく、低温下でも優れた放電容量及び充電受入性が得られるエネルギー貯蔵用鉛蓄電池を提供することができる。
本発明の鉛蓄電池の構造を模式的に示す斜視図である。 異なる周囲温度下における、本発明の鉛蓄電池の放電容量と放電率との関係を示すグラフであり、(a)は周囲温度が25℃の場合、(b)は周囲温度が−15℃の場合を示す。 本発明の正極活物質の細孔分布を示す微分曲線のグラフである。 本発明の正極活物質の細孔分布を示す積分曲線のグラフである。 本発明の負極活物質の細孔分布を示す微分曲線のグラフである。
さまざまな用途に用いられる鉛蓄電池には、さまざまな特性が要求される。よって、必要とする特性を最適化するために、鉛蓄電池に対して各種の異なる設計を行う必要がある。本発明のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池は、主に、例えば太陽エネルギーのような自然エネルギーの貯蔵システムに用いるものであり、一般的に、これらのエネルギー貯蔵用鉛蓄電池の使用環境は低温〜常温で、例えば−15〜40℃であり、極端な場合には−30〜50℃に達し得る。よって、本発明のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池は、低温下での長期使用に耐える必要がある。また、エネルギー貯蔵用鉛蓄電池が要求する放電率は低い。
エネルギー貯蔵用鉛蓄電池の上記特徴を踏まえ、本願発明者らは、低温且つ低放電率下で如何にして鉛蓄電池の充放電特性及びサイクル寿命を向上させるかについて主に検討した。本明細書において、低温とは−30℃〜0℃の温度範囲を指し、低放電率とは0.01C〜1.0Cの範囲を指す。
以下、エネルギー貯蔵用鉛蓄電池の各構成要素と結び付けつつ、本発明について詳細に説明する。
(正極)
正極は、耳部を有する正極格子と、正極格子に保持される正極活物質とを備える。正極格子には、鉛蓄電池においてよく用いられるエキスパンド格子及び鋳造格子のうちのいずれか一方を用いてもよく、正極の高容量化という点から見れば、正極にはエキスパンド格子を用いることが好ましい。
正極活物質の主原料には公知の鉛粉末を用いることができ、鉛粉末のほかに、導電材料やバインダ等の他の添加剤を少量含んでいてもよい。正極活物質の製造方法は以下の通りである。即ち、原料の鉛粉末(主成分は鉛及び一酸化鉛)を希硫酸と混練した後、形成されたペーストを正極格子に塗布し、乾燥後に化成処理を行って多孔質体を得る。化成処理は極板化成及び電槽化成のうちのいずれか一方であってよい。
正極活物質は、化成を経て多孔質体に形成される。該多孔質体の細孔構造は電解液の拡散に影響を及ぼす。一般的に、電池は低温下において性能が低下し、特に正極の放電性能が低下する。これは、低温下の鉛蓄電池では電解液としての硫酸の粘性が高くなり、イオン拡散抵抗が大きくなってしまうためである。そこで、上記の問題を解決するため、正極活物質の細孔構造に改良を加えることで電解液を拡散させやすくし、放電反応が行われやすいようにする必要がある。
<正極活物質の細孔分布>
本発明においては、正極活物質の細孔分布を測定することで正極活物質の細孔構造を表す。水銀圧入法によって、図3に示す正極活物質の細孔分布の微分曲線のグラフ(即ち、細孔容積の孔径別の分布を示す微分曲線)が得られ、これによって細孔容積の孔径による変化率を表す。また、上記の微分曲線に対して積分演算を行うことで、図4に示す積分曲線のグラフが得られ、該積分曲線のグラフから、正極活物質の総細孔容積と、特定の孔径範囲内の細孔容積とを求めることができる。
ここでの「細孔容積」という技術用語は、通常用いられる「孔隙率」とは異なるものである。孔隙率は、多孔質体の総体積に対する多孔質体における全ての孔隙の体積の和の比のみを表すが、細孔容積は、総細孔容積、孔径分布、平均孔径等の意味を包含している。「正極活物質の総細孔容積」とは、正極活物質の多孔質体中に存在する全ての細孔の総容積を指し、本明細書においては、「正極活物質の総細孔容積」を単に「正極の細孔容積」と呼ぶこともある。
活物質の細孔分布を調整できる方法は各種知られている。例えば、正極活物質の製造過程において、原料の鉛粉末の粒径を制御する、硫酸の濃度や容量を変更する、或いは硫酸の滴下速度を変更する等の方法により、正極活物質の細孔構造を調整することができる。本発明においては、正極活物質ペースト混練時の水或いは硫酸量を減らすか、又はペーストの密度を増やしさえすれば、正極活物質の総細孔容積が小さくなる傾向がある。
(負極)
負極は、耳部を有する負極格子と、負極格子に保持される負極活物質とを備える。負極格子には、鉛蓄電池において通常用いられるエキスパンド格子及び鋳造格子のうちのいずれか一方を用いることができる。負極活物質には金属鉛及び硫酸鉛が主に含まれており、且つ、電池性能を改善するための各種添加剤、又は各物質間の接着力を高めるためのバインダがさらに含まれている。
以下、負極活物質中の各種添加剤について説明する。本明細書において、各添加剤の含有量は、すべて負極活物質の総重量を基準にして計算したものである。
<核剤>
負極活物質中の硫酸鉛は充電中に固形化しやすいため、低温下での充電受入性が低いという問題がある。負極活物質に核剤を添加することで、硫酸鉛を細粉化させ、それによって負極の充電受入性を向上させることができる。
核剤として、例えば硫酸バリウム(BaSO4)、硫酸ストロンチウム(SrSO4)等が挙げられる。負極活物質中の核剤含有量には、適切な範囲が存在する。核剤の含有量が多すぎると、負極活物質の量が相対的に減少し、且つ、構造が緻密になりすぎるため、低温下での充電受入性がかえって悪くなり、電池の放電容量も小さくなってしまう。一方、核剤の含有量が少なすぎると、核剤としての役割を発揮しきれず、固形化した負極活物質の塊が大きくなるため、充電受入性も低くなってしまう。本発明において、核剤は負極活物質における必須の成分であり、負極活物質に対して3.2〜4.8質量%の核剤を添加することが好ましい。
<導電材料>
負極活物質には、導電材料を添加してもよい。通常用いられる導電材料には、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等がある。本発明において、導電材料は負極活物質における必須の成分ではないが、導電材料を添加すれば負極の導電性能をさらに向上させることができる。
負極活物質中の導電材料含有量は、0.3〜2.0質量%であることが好ましい。導電材料の含有量が少なすぎると、負極の導電性が悪くなり、充放電性能が悪くなってしまう。一方、導電材料の含有量が多すぎると、生産しにくいという問題がある。
<膨張剤>
また、負極活物質に対してさらに膨張剤を添加してもよい。通常用いられる膨張剤として、例えばリグニン系界面活性剤(以下、単にリグニンと呼ぶ)、フミン酸等が挙げられる。リグニンには主に、例えばリグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム等の、両親媒性イオン性界面活性剤構造を有するリグニンスルホン酸塩等がある。本発明において、膨張剤は負極活物質における必須の成分ではないが、負極活物質に膨張剤を添加することで、負極活物質の収縮を防止し、電池のサイクル寿命をさらに改善することができる。
負極活物質中の膨張剤含有量は、本分野における通常の含有量の範囲を採用することができ、特に制限はなく、例えば0〜5質量%とすることができるが、0.1〜2.0質量%であれば好ましく、0.2〜0.5質量%であればより好ましい。
(セパレータ)
本発明のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池において用いられるセパレータは、ガラス繊維からなるチップ状セパレータを採用するとともに、該チップ状セパレータを正極と負極との間に挟むように積層して極板群を構成するのでもよく、親水化処理を施した合成繊維の不織布からなる袋状セパレータを採用するとともに、正極又は負極を袋状セパレータに入れてから負極又は正極と重ね合わせて極板群を構成するのでもよい。また、上記の袋状セパレータとチップ状セパレータとを組み合わせて用いてもよい。
電池の安全性を高め、内部短絡を防ぐという観点から、親水化処理を施した合成繊維の不織布からなる袋状セパレータに正極を収容するとともに、ガラス繊維からなるチップ状セパレータを袋状セパレータと負極との間に挟むのが好ましい。
親水性を高めるという点から、好ましくは、上記の合成繊維はアクリロニトリル系繊維であり、該合成繊維には直径0.5μm〜2.0μmのアクリロニトリル系細繊維が少なくとも含まれている。該アクリロニトリル系細繊維は、適度な細さを有するとともにその表面に多数のしわがあり、且つ、一定の構造強度も有している。本発明のアクリロニトリル系繊維の不織布セパレータには、上記の直径0.5μm〜2.0μmのアクリロニトリル系細繊維を用いることで、親水性が向上し、電解液がしっかりと保持される。よって、電池の寿命特性を、親水化処理を施したポリオレフィン系繊維の不織布セパレータを用いた従来の電池と同等又はそれより高いレベルにすることができる。このような効果をより良好に実現するという点から、上記アクリロニトリル系細繊維の直径は0.8μm〜1.6μmであることが好ましい。
上記の直径0.5μm〜2.0μmのアクリロニトリル系細繊維のほか、同時に直径2.5μm以上のアクリロニトリル系太繊維をさらに用いてもよい。そのようにすれば、セパレータの構造強度がより向上し、該セパレータがより圧しつぶされにくくなるため、電池の寿命特性をさらに向上させることができる。しかし、アクリロニトリル系太繊維の比表面積はアクリロニトリル系細繊維の比表面積より小さいため、表面のしわも相対的に少ない。よって、上記アクリロニトリル系太繊維が太すぎる場合、比表面積が小さくなり、該太繊維表面のしわも少なくなり、電解液を保持して蓄えることが困難になるため、セパレータの性能に悪影響が出てしまい、その結果、電池の寿命特性に影響してしまう。よって、この点から、上記アクリロニトリル系太繊維の直径は2.5μm〜8.0μmであることが好ましく、2.5μm〜7.5μmであることがより好ましい。
アクリロニトリル系繊維の親水性、セパレータの構造強度及び電池の寿命特性という三つの点から総合的に考えると、本発明のアクリロニトリル系繊維の不織布セパレータにおいて、アクリロニトリル系細繊維の含有量はアクリロニトリル系太繊維の含有量より多いことが好ましい。
上記アクリロニトリル系繊維の親水性及び電池の寿命特性という点から考えると、上記アクリロニトリル系繊維の不織布セパレータにおける上記アクリロニトリル系細繊維の含有量は50質量%〜100質量%であることが好ましい。セパレータの構造強度及び電池の寿命特性という点から考えると、上記アクリロニトリル系繊維の不織布セパレータにおいて、上記アクリロニトリル系太繊維の含有量は0質量%より多く50質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のアクリロニトリル系繊維の不織布セパレータにおいて、上記アクリロニトリル系太繊維の代わりに、公知の直径2.0μm〜5.0μmであるポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維を用いてもよい。この場合でも、得られるセパレータの性能は良好であるが、上記ポリオレフィン系繊維が親水化処理を施していないポリプロピレン繊維のような親水性の低い繊維である場合、アクリロニトリル系繊維の不織布セパレータにおける該ポリプロピレン繊維は25質量%を超えるべきでなく、もし超えればセパレータの性能が低下してしまう。
(鉛蓄電池)
図1は本発明の鉛蓄電池の構造を模式的に示す斜視図である。鉛蓄電池1は、電池ケース2と、該電池ケース2に収容された極板群3とを備える。極板群3は、複数の正極4と複数の負極5とが間にセパレータ6を挟みつつ積層されてなる。本実施形態において、負極5は極板群3の外側に位置し、枚数は正極4よりも1枚多い。正極4は袋状セパレータ6aに収容されており、袋状セパレータ6aと負極5との間にはチップ状セパレータ6bが挟まれている。
正極接続部材7の一端は複数の正極4に接続しており、他端は電池キャップに設けられた正極端子(図示せず)に接続されている。負極接続部材8の一端は複数の負極5に接続しており、他端は電池キャップに設けられた負極端子(図示せず)に接続されている。電池キャップ(図示せず)は電池ケース2の開口部に取り付けている。電池キャップに設けられた液体注入口に通気弁が設けられており、この通気弁は電池内部で発生した気体を電池の外へ排出するのに用いられる。
本願発明者らは、正極の細孔構造及び負極活物質中の添加剤と、低温下における鉛蓄電池の充放電特性との関係を明らかにするため、それぞれ数種類の試験用鉛蓄電池を作製し、さまざまな温度条件及び放電率において下記の一連の実験を行った。
具体的に、本願発明者らは、正極活物質の混練中に使用する酸の量を変更することで三種類の正極A、B及びCを作製し、化成後における上記三種類の正極の細孔分布について水銀圧入法で測定を行った。このうち、正極Cは通常用いられる正極であり、総細孔容積(0.122cm3/g)は比較的大きい。正極B、Aは混練中に酸の量を順に減らしているため、得られる総細孔容積の数値も順に減少しており、正極Bの細孔容積は0.110cm3/g、正極Aの細孔容積は0.085cm3/gである。また、本願発明者らは、負極活物質に硫酸バリウム、リグニン及びアセチレンブラックを異なる含有量で加えることにより、数種類の異なる負極をそれぞれ試作した。
上記作製された正極C及び正極Bをそれぞれ異なる負極と組み合わせ、電池♯1〜♯8を作製した。これらの電池において用いた正極及び負極の具体的なパラメータを表1に示す。これらの電池に対し、それぞれ25℃及び−15℃の周囲温度下において異なる放電率で放電試験を行うとともに、試験結果に基づいて図2(a)〜(b)に示すグラフを作成した。
表1から、電池♯1と電池♯2との相違は、正極の細孔容積が異なるという点のみであることが分かる。ただ、図2の結果を見ると、低温の場合でも室温の場合でも、正極の細孔容積の増加は電池の放電容量に対して明らかな改善効果をもたらしていない。
一方、正極の細孔容積がともに0.110cm3/gの電池♯2と電池♯3〜5とを比較してみると、負極活物質中の添加剤含有量を変更しただけの場合にも、電池の放電容量を明らかに改善することはできていない。また、正極の細孔容積がともに0.122cm3/gの電池♯6と電池♯1とを比較してみると、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を上げただけの場合においても、放電容量はほとんど改善されていない。
しかしながら、電池♯1と電池♯5とを比較してみると、電池♯5の正極に比較的小さな細孔容積(0.110cm3/g)を採用する一方、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を増やした(4.2質量%)場合、低温(−15℃)下において電池♯5の放電容量に明らかな改善効果が見られた。このことは、低温且つ低放電率時において、正極の細孔容積と負極活物質中の硫酸バリウム含有量との特定の組み合わせが、電池の放電容量向上に相乗効果を生むということを明らかにしている。
さらに、電池♯7、♯8に示すように、負極活物質中のアセチレンブラック含有量を適切に増やすことで、低温、低放電率時の電池放電容量が飛躍的に向上した。しかも、この効果は低放電率(0.01〜1.0C)の時にいっそう顕著であった。
また、電池♯8において正負極両方にエキスパンド格子を用いると、放電容量の向上効果がさらに顕著なものとなった。
上記の現象について本願発明者らはさらに検討を進め、以下の知見を得た。
図2(a)及び図2(b)を見ると、温度が低いほど放電容量は低くなり、放電率が低下すると放電容量は上昇する傾向を示している。これは、電解液のイオン拡散が温度及び放電率等の要素の影響を受けるため、電池の放電性能に影響が出るということを表している。
負極活物質中の硫酸バリウム含有量が同じである場合、正極の細孔容積が比較的大きい(0.122cm3/g)電池♯1と正極の細孔容積が比較的小さい(0.110cm3/g)電池♯2とを比較してみると、常温(25℃)下において、放電容量は電池♯1のほうが優れていた。このことは、常温下においては電解液の粘度が低く、電解液量が電池放電容量に影響を及ぼす主な要素となり、正極の細孔容積が大きいほど正極へ流れる電解液量も多くなり、放電性能の向上により有利であることを表している。ただ、温度の低下に伴い、図2(b)に示す通り、電池♯2及び電池♯1の放電容量は基本的に一致する方向へ向かっており、この時に正極の細孔容積を増やしても電池の放電容量を改善できないことを表している。
また、正極の細孔容積が同じである場合、負極活物質中の硫酸バリウム含有量が4.2質量%の電池♯5と硫酸バリウム含有量が3.0質量%の電池♯2とを比較してみると、常温下(25℃)では電池♯5のほうが放電容量が低いものの、低温(−15℃)下において、電池♯5の放電容量は電池♯2よりある程度高かった。このことは、低温の条件下において、硫酸バリウムは負極の充放電特性をある程度改善できるということを表している。
正極活物質の細孔構造が充放電性能に与える影響のメカニズムをさらに解明するため、本願発明者らは正極A、B及びCの孔径分布について詳細な検討を行った。水銀圧入法に基づき、図3に示す正極活物質の細孔分布の微分曲線のグラフを得た。そして、図3の微分曲線のグラフに対して積分処理を行い、図4に示す積分曲線のグラフを得た。
図3の微分曲線のグラフから、正極活物質の総細孔容積が0.085cm3/gの正極Aについては、孔径0.09μm付近で細孔容積がピークに達していることが分かり、これは孔径0.09μmにおける細孔容積の変化率が最大であることを意味している。一方、総細孔容積が0.110cm3/gの正極Bについては、孔径0.8μm付近で細孔容積がピークに達していることが分かり、総細孔容積が0.122cm3/gの正極Cについては、孔径2μm付近で細孔容積がピークに達していることが分かる。
また、電池♯1〜♯6の負極活物質の孔径分布についても水銀圧入法によって同様に測定を行った。結果を図5に示す。電池♯7、♯8の負極活物質は電池♯6と同じであるため、図示を省略する。図5に示す通り、負極活物質の細孔容積は、それぞれ孔径1.2μm、1.7μm付近において2つのピークを有しているが、0.8μm付近にはピークが存在していない。
通常、常温下において、正極活物質の総細孔容積が小さいほど、収容できる電解液量は少なくなり、電極反応に貢献する硫酸イオンの拡散がより困難になる。よって、一般的には、正極の放電特性を高めるために正極活物質の総細孔容積を増やして電解液量を増加させる方法を採り、それによって放電特性を改善している。
しかし、本願発明者らは検討の結果、低温下においては、正極活物質の総細孔容積を増やしても電池の放電特性を改善することができない、ということを発見した。これは、低温下において電解液の粘度が高くなり、孔径有効性が電解液の拡散に影響する主な要素となるからである。細孔容積が0.110cm3/gの正極Bは孔径0.8μmの細孔を多数有しており、該特定の孔径は低温下における硫酸イオンの通過に適しているため、正極に放電反応を行わせやすく、正極の充放電特性を改善できる。
図3の微分曲線のグラフ及び図4の積分曲線のグラフからは、正極活物質の総細孔容積が大きいほど、微分曲線における細孔容積のピークは孔径の大きいほうへシフトし、総細孔容積が小さいほど、微分曲線における細孔容積のピークは孔径の小さいほうへシフトすることも分かる。正極活物質の総細孔容積の大きさは、正極活物質の多孔質体に多数存在する細孔の孔径の大きさをある程度反映している。よって、本発明においては、正極の細孔容積を適切に低減させて適切な範囲に収めることで、正極活物質の多孔質体が硫酸イオンの通過に適した特定の孔径(0.8μm付近)の細孔を多数有するようにする。
総細孔容積が大きすぎると、電解液量が増えて正極活物質の利用率が上がるものの、正極活物質間の接着力が低下し、電池のサイクル寿命特性が低下してしまう傾向がある。一方、総細孔容積が小さすぎると、電解液が少なすぎて硫酸イオンの移動が妨げられ、正極活物質の利用率が低下し、サイクル寿命特性も低下してしまう傾向がある。
一方、図5から、負極には該特定の孔径の細孔がないため、電解液のイオン伝導性が劣り、正負極間のイオン伝導性のバランスが崩れてしまうことが分かる。よって、本発明においては、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を増やす必要があり、BaSO4含有量を増やすことで放電生成物即ち硫酸鉛を細粉化し、負極と電解液との親和性を高め、負極の充放電特性を改善し、それによって改めて正極と負極との充放電特性のバランスを取り、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有する鉛蓄電池を得ている。
よって、本発明においては、正極活物質の総細孔容積を0.087〜0.120cm3/gの範囲に収めることが好ましく、0.090〜0.110cm3/gの範囲に収めることがより好ましい。正極活物質の総細孔容積を上記の範囲に収めることで、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が多数存在することを確保できる。該特定の孔径の細孔は、低温下における硫酸イオンの通過に適しているため、正極に放電反応を行わせやすくなる。
正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が多数存在しているということは、図3に示すような微分曲線のグラフによって確定できる。具体的には、水銀圧入法によって得られた正極活物質の細孔分布を示す微分曲線のグラフにおいて、細孔容積には孔径0.8μm付近においてピークが出現している。ここで述べる0.8μmというのは、その前後0.2μmの範囲も含む、即ち0.6〜1.0μmの範囲であり、好ましくはその前後0.1μmの範囲を含む、即ち0.7〜0.9μmの範囲である。
また、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が多数存在しているということは、図4に示すような積分曲線のグラフによっても確定できる。孔径0.8μmの細孔が多数存在しているというのは、孔径0.2〜2.0μmの細孔容積が総細孔容積の45%以上を占めていることを意味し、より好ましくは50%以上であり、特に好ましいのは55%以上である。
正極の細孔容積の大きさは、電池のサイクル寿命にも影響を及ぼす。細孔容積が大きすぎると、極板の機械的強度が低くなり、電池のサイクル寿命が短くなってしまう。本発明においては、従来技術よりも小さい細孔容積を採用しているため、正極の機械的強度が高くなっており、電池のサイクル寿命向上に有利である。
一方、本発明の負極においては、負極活物質に対して3.2〜4.8質量%の硫酸バリウムを核剤として添加するのが好ましい。硫酸バリウムの含有量が多すぎると、負極活物質の量が相対的に減少し、且つ、構造が緻密になりすぎるため、低温下での充電受入性がかえって悪くなり、電池の放電容量も小さくなってしまう。一方、負極活物質中の硫酸バリウム含有量が少なすぎると、核剤としての役割を発揮しきれず、固形化した鉛の塊が大きくなるため、充電受入性も低くなってしまう。
本発明においては、正極の細孔容積の範囲と、負極活物質中の硫酸バリウム含有量の範囲とが特定の組み合わせになるようにすることで、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有する鉛蓄電池を得ている。
さらに、負極活物質にアセチレンブラックを添加することによって、負極の導電性を改善し、低温下における鉛蓄電池の放電容量、充電受入性及びサイクル寿命特性を改善することができる。負極活物質中のアセチレンブラック含有量は0.3〜2.0質量%であることが好ましい。アセチレンブラックの含有量が少なすぎると、負極の導電性が悪くなり、充放電性能が悪くなってしまう。一方、アセチレンブラックの含有量が多すぎると、生産しにくいという問題がある。
また、負極活物質に対してさらにリグニン系界面活性剤を添加してもよい。負極活物質にリグニンを添加することで、負極活物質(Pb)の収縮を防止し、電池のサイクル寿命をさらに改善することができる。負極活物質中のリグニン系界面活性剤含有量には特に制限がなく、例えば0〜5質量%であってもよいが、0.1〜2.0質量%であれば好ましく、0.2〜0.5質量%であればさらに好ましい。ただ、たとえリグニンを添加しなくても、実用上充分なサイクル寿命特性が得られる。
本発明において、一般的には5〜8枚の正極と6〜9枚の負極で極板群を構成する。本願発明者らは、低温下における鉛蓄電池の充放電特性を向上させるには、正極に塗布する正極活物質の総重量に対する負極に塗布する負極活物質の総重量の比(即ち、正極活物質に対する負極活物質の重量比)に適切な範囲が存在することを発見した。該重量比は、0.7〜0.95であることが好ましく、0.75〜0.90であることがさらに好ましい。該重量比は、大きいほど正極活物質の重量が負極活物質に対して相対的に小さいことを表す。よって、該重量比が0.95より大きいと、正極活物質の総細孔容積が小さすぎ、正極に流入する電解液量が少なくなるため、電池自身の放電容量が小さくなってしまう。一方、該重量比が0.7より小さいと、正極活物質の総細孔容積が大きすぎ、ほとんどの電解液が正極に流入して負極に流入する電解液が少なくなってしまうため、イオン伝導性が悪くなり、低温放電容量も低下してしまう。
実施例
以下、本発明の特徴及び効果をさらに述べるため、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明する。但し、本発明はこれらの具体的な例に限定されない。
実施例1
(正極の作製)
エキスパンド法で作製された、耳部を有するエキスパンド格子を正極格子(縦:137mm、横:140mm、厚さ:2.8mm)とする。また、原料の鉛粉末(酸化度約80%)と硫酸とを100:5の重量比で混合して鉛ペーストを得るとともに、鉛ペーストの混練中に原料の鉛粉末に対して12質量%の水を添加し、正極活物質のペースト(以下、単に正極鉛ペーストと呼ぶ)を得た。
エキスパンド格子に対し、格子の長さ方向に沿って183.6gの正極鉛ペーストを充填した。その後、鉛ペーストの充填された格子を所定のサイズ及び形状に裁断し、熟成及び乾燥を行い、未化成の正極(縦:137mm、横:140mm)を得た。
(負極の作製)
エキスパンド法で作製された、耳部を有するエキスパンド格子を負極格子(縦:137mm、横:140mm、厚さ:1.8mm)とする。また、原料の鉛粉末(酸化度約80%)と、水と、硫酸とを100:11:2の重量比で混合した。そのほか、該混合物に4.2質量%の硫酸バリウム(青島東風化工有限公司製)、膨張剤として0.2質量%のリグニン(リグニンスルホン酸ナトリウム、サンミック商事株式会社製)及び導電材料として1質量%のアセチレンブラック(宣化化工有限責任公司製)を添加し、混練して負極活物質のペースト(以下、単に負極鉛ペーストと呼ぶ)を得た。
それから、負極格子に145gの負極鉛ペーストを充填した後、熟成及び乾燥を行い、未化成の負極を得た。
(鉛蓄電池の作製)
親水化処理を施したアクリロニトリル系繊維の不織布からなる7つの袋状セパレータに、上記のようにして得た7枚の正極をそれぞれ挿入するとともに、上記のようにして得た8枚の負極と交互に積層し、袋状セパレータと負極との間にガラス繊維からなるチップ状セパレータを挿入することによって極板群を得た。極板群のうち同極性の極板の耳部をそれぞれ接続部材に溶接し、バスバーを形成した。その後、電池ケース内の隔壁によって区画された6つの単セル槽に極板群を一つずつ収容した。
その後、単セル毎に電解液として濃度が1.215g/mlの硫酸を1030ml注入した後、セル槽の開口部に電池キャップ(中蓋及び上蓋)を取り付けて密封し、化成処理を行い、電池容量が100Ahの鉛蓄電池を得た。これを実施例1の電池と記す。
<正極の細孔容積の測定>
水銀圧入法により、以下のステップで正極の細孔容積を測定した。まず、上記のように作製した電池を完全充電状態にした後、電池を分解して電池から極板群を取り出し、極板群を正極と、負極と、セパレータとに分けた。正極及び負極は極板に含まれる硫酸成分を除くため水に浸漬し、その後正極及び負極を乾燥させた。この時、負極については真空中で乾燥させた。乾燥した極板から所定量の活物質を量り取り、水銀圧入式ポロシメータ(米マイクロメリティックス(Micromeritics)社製、AutoPore III9410型全自動水銀圧入式ポロシメータ)で測定した。
上記のステップによって測定した実施例1の電池における正極の細孔容積は0.087cm3/gであり、細孔分布の微分曲線のグラフによって、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が比較的多数存在することを確認した。
<負極/正極の活物質重量比>
負極及び正極中の活物質の乾燥後重量をそれぞれ量り、負極/正極の活物質重量比を計算した。結果は0.8であった。
実施例2:
得られる正極の細孔容積が0.110cm3/gになるように、正極鉛ペーストの混練において水の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様に正極を作製し、且つ実施例1と同様の方法で負極及び鉛蓄電池を作製した。細孔分布の微分曲線のグラフによって、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が多数存在することを確認した。
実施例3:
得られる正極の細孔容積が0.120cm3/gになるように、正極鉛ペーストの混練において水の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様に正極を作製し、且つ実施例1と同様の方法で負極及び鉛蓄電池を作製した。細孔分布の微分曲線のグラフによって、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が多数存在することを確認した。
比較例1:
得られる正極の細孔容積が0.085cm3/gになるように、正極鉛ペーストの混練において水の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様に正極を作製し、且つ実施例1と同様の方法で負極及び鉛蓄電池を作製した。細孔分布の微分曲線のグラフによって、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔がごくわずかしか存在しないことを確認した。
比較例2:
得られる正極の細孔容積が0.122cm3/gになるように、正極鉛ペーストの混練において水の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様に正極を作製し、且つ実施例1と同様の方法で負極及び鉛蓄電池を作製した。細孔分布の微分曲線のグラフによって、正極活物質中に孔径0.8μmの細孔が比較的わずかしか存在しないことを確認した。
実施例4:
負極の作製において、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を3.2質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例5:
負極の作製において、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を4.8質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
比較例3:
負極の作製において、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を3質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
比較例4:
負極の作製において、負極活物質中の硫酸バリウム含有量を5質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例6:
負極の作製において、負極活物質中のアセチレンブラック含有量を0.3質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例7:
負極の作製において、負極活物質中のアセチレンブラック含有量を0.5質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例8:
負極の作製において、負極活物質中のアセチレンブラック含有量を1.5質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例9:
負極の作製において、負極活物質中のアセチレンブラック含有量を2.0質量%に変更した。それ以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。本実施例においては、アセチレンブラックの含有量が多いため、電池の生産が比較的困難であった。
実施例10:
負極の作製において、負極活物質にリグニンを添加しないという点以外は実施例2と同様に負極を作製し、且つ実施例2と同様の方法で正極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例11:
負極/正極の活物質の重量比を0.7に変更し、それ以外は実施例2と同様に正極、負極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例12:
負極/正極の活物質の重量比を0.75に変更し、それ以外は実施例2と同様に正極、負極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例13:
負極/正極の活物質の重量比を0.9に変更し、それ以外は実施例2と同様に正極、負極及び鉛蓄電池を作製した。
実施例14:
負極/正極の活物質の重量比を0.95に変更し、それ以外は実施例2と同様に正極、負極及び鉛蓄電池を作製した。
<電池の性能試験>
実施例1〜14及び比較例1〜4の電池に対して、電池の低温充電受入性、低温放電容量及び25℃でのサイクル寿命特性についてそれぞれ試験を行った。
(1)低温充電受入性
下記のステップで電池の低温充電受入性を測定した。
完全充電状態の電池を0℃で10時間以上静置し、0.25Cの定電流で電圧が10.5Vに低下するまで放電を行った。周囲温度は0℃に保った。この時の放電容量を「放電容量(1)」と記す。続いて、0℃で14.7Vの定電圧により充電を行った。最大電流は0.3Cで、10時間充電した。その後、0℃で0.25Cの定電流により電圧が10.5Vに低下するまで放電を行った。この時の放電容量を「放電容量(2)」と記す。
下記の式により低温下における電池の充電受入性を計算するとともに、下記の基準で充電受入性を評価した。
充電受入性(%)=放電容量(2)/放電容量(1)×100%
評価基準:
充電受入性が100%:性能が特に優れていることを示す
充電受入性が90%以上100%未満:性能が良好であることを示す
充電受入性が80%以上90%未満:性能は普通であるが、実用可能であることを示す
充電受入性が80%未満:実用レベルに達していないことを示す
(2)低温放電容量
下記のステップで電池の低温放電容量を測定した。
完全充電状態の電池を充電終了後1時間以内に−15℃の環境に置いて10時間以上放置し、I20(5A)の電流で放電を行った。電池の周囲温度は−15℃に保った。電圧が10.5Vになった時、放電を止めて放電時間を記録した。
下記の式により低温下における電池の放電容量を計算するとともに、下記の基準で低温放電容量を評価した。
低温放電容量(Ah)=放電電流(A)×放電時間(h)
評価基準:
低温放電容量が70Ah以上:性能が特に優れていることを示す
低温放電容量が65Ah以上70Ah未満:性能が良好であることを示す
低温放電容量が60Ah以上65Ah未満:性能は普通であるが、実用可能であることを示す
低温放電容量が60Ah未満:実用レベルに達していないことを示す
(3)サイクル寿命特性
実施例1〜14及び比較例1〜4において得られた各鉛蓄電池に対して、以下に示す条件でサイクル寿命試験を行った。
温度:25℃
電池規格:12V、100Ah
充電条件:14.7Vの定電圧で最大16時間充電する
放電条件:0.25Cの電流率で、電圧が10.5Vに低下するまで定電流放電を行う
上記の充放電サイクルを繰り返し、電池の放電容量が1回目のサイクルにおける放電容量の80%まで低下した時に試験を終了し、実施した充放電サイクルのサイクル数を記録した。
下記の基準で電池のサイクル寿命を評価した。
評価基準:
サイクル数が500以上:性能が特に優れていることを示す
サイクル数が400以上500未満:性能が良好であることを示す
サイクル数が200以上400未満:性能は普通であるが、実用可能であることを示す
サイクル数が200未満:実用レベルに達していないことを示す
上記の各蓄電池に関する各種パラメータ及び電池性能の試験、評価結果を以下の表2にまとめて示す。
表2から、比較例1の電池においては孔径が0.8μmの細孔が非常に少なく、正極の細孔容積は0.085cm3/gで、本発明における細孔容積の好ましい範囲の下限を下回っているため、電解液量が少なく、硫酸イオンの拡散抵抗が大きいので、電池の放電容量が小さくなり、低温下における充電受入性も悪くなっていることが分かる。そして、比較例2の電池においても、孔径が0.8μmの細孔が非常に少なく、正極の細孔容積は0.122cm3/gで、本発明における細孔容積の好ましい範囲の上限を上回っており、孔径の大きい細孔が比較的多いため、正極に流入する電解液量が多すぎ、負極に流入する電解液量が少なくなってイオン伝導性が悪くなっているため、電池の低温放電容量も悪くなっており、サイクル寿命もやや低くなっている。
また、比較例3の電池においては、正極の細孔容積(0.110cm3/g)は本発明における好ましい範囲内にあるものの、負極活物質中の硫酸バリウム含有量(3.0質量%)が本発明における範囲の下限を下回っている。よって、硫酸バリウムが少なすぎ、固形化した負極活物質の塊が大きくなるため、低温充電受入性が低くなり、正負極間の放電特性のバランスが悪く、電池の低温放電容量も小さくなっている。一方、比較例4の電池においては、正極の細孔容積(0.110cm3/g)は本発明の範囲内にあるものの、負極活物質中の硫酸バリウム含有量(5.0質量%)が本発明における範囲の上限を上回っている。よって、硫酸バリウムが多すぎて負極活物質が相対的に少なくなりすぎ、且つ構造が緻密になりすぎるため、低温下における充電受入性が悪くなり、電池の放電容量も小さくなっている。
実施例1〜5の電池においては、正極の細孔容積が本発明の範囲(0.087cm3/g〜0.120cm3/g)内にあり、且つ、負極活物質中の硫酸バリウム含有量も本発明の範囲(3.2〜4.8質量%)内にあるため、正負極間の放電特性のバランスが良好で、低温充電受入性、低温放電容量及びサイクル寿命の全ての面で優れた効果が得られた。
実施例2、6〜9の比較から、負極活物質中のアセチレンブラック含有量が0.3〜2.0質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%の時に、電池の低温充電受入性及び低温放電容量の面でさらに顕著な効果が得られるということが分かる。
また、本発明の実施例1〜9、11〜14の負極活物質には全てリグニンを添加しているため、電池サイクル寿命の面で更に優れた効果が得られている。ただ、リグニンを添加していない実施例10の電池でも、低温充電受入性及び低温放電容量の面で優れた効果が得られており、寿命特性は若干低下しているものの、実用上問題はない。
また、実施例11〜14の比較から、正極活物質に対する負極活物質の重量比を0.7〜0.95の範囲、より好ましくは0.75〜0.90の範囲に収めることで、正負極間の充放電特性のバランスを強化することができ、より顕著な効果が得られるということが分かる。
本発明の鉛蓄電池は、良好なサイクル寿命特性を有するだけでなく、低温下において優れた放電容量及び充電受入性を有しており、特に太陽エネルギー等の自然エネルギーシステムにおけるエネルギー貯蔵用鉛蓄電池の用途に適している。

Claims (11)

  1. 極板群と、
    前記極板群に含浸された電解液と
    を備え、
    前記極板群は、複数の負極と、複数の正極と、複数のセパレータとを備え、
    前記負極は、負極格子と、前記負極格子に保持される負極活物質とを備え、
    前記正極は、正極格子と、前記正極格子に保持される正極活物質とを備え、
    前記セパレータは前記正極と前記負極とを隔てている、エネルギー貯蔵用鉛蓄電池であって、
    前記正極活物質の総細孔容積は0.087〜0.120cm3/gであり、
    前記負極活物質には3.2〜4.8質量%の硫酸バリウムが含まれていることを特徴とするエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  2. 水銀圧入法で前記正極活物質を測定して得られる細孔分布の微分曲線のグラフにおいて、細孔容積には孔径0.7μm〜0.9μmの範囲内でピークが現れることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  3. 前記正極活物質の総細孔容積は0.090〜0.110cm3/gであることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  4. 前記負極活物質には、0.3〜2.0質量%のアセチレンブラックが含まれていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  5. 前記負極活物質には、0.1〜2.0質量%のリグニン系界面活性剤がさらに含まれていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  6. 前記正極活物質に対する前記負極活物質の重量比即ち負極活物質/正極活物質は0.7〜0.95であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  7. 少なくとも前記正極格子にはエキスパンド格子が用いられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  8. 前記セパレータは、親水化処理を施した合成繊維からなる袋状セパレータと、ガラス繊維からなるチップ状セパレータとを備え、
    前記袋状セパレータには前記正極が収容されており、
    前記チップ状セパレータは前記袋状セパレータと前記負極との間に挟まれていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  9. 前記合成繊維には、直径0.5μm〜2.0μmのアクリロニトリル系細繊維が少なくとも含まれていることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  10. 前記合成繊維には、直径2.5μm〜8.0μmのアクリロニトリル系太繊維がさらに含まれていることを特徴とする、請求項に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
  11. 前記アクリロニトリル系細繊維の含有量は、前記アクリロニトリル系太繊維の含有量より多いことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵用鉛蓄電池。
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