JP5187819B2 - シリコン精製装置およびシリコン精製方法 - Google Patents

シリコン精製装置およびシリコン精製方法

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この発明は、シリコン精製装置およびシリコン精製方法に関し、特に偏析凝固の原理を利用して不純物を含むシリコンを精製するシリコン精製装置およびシリコン精製方法に関する。
昨今、地球温暖化等により環境意識が高まり、クリーンなエネルギー源として太陽電池がますます注目されるようになり、その市場が急拡大している。
太陽電池用原料シリコンとしては、これまでシリコンウェハ製造などの半導体製造プロセスで発生するスクラップシリコンが主に用いられてきた。しかしながら、太陽電池市場の急拡大により、スクラップシリコンの供給が追いつかず、太陽電池用原料シリコンの不足が起きている。
このような太陽電池用原料シリコンの製造技術の1つとして、比較的安価に得られる純度99%レベルの金属級シリコン(Metallurgical Grade Silicon 以下、MG―Siという)を冶金プロセスによって精製して純度99.9999%レベルの太陽電池用シリコン(Solar Grade Silicon 以下、SOG−Siという)を製造しようという試みがある。
その様な試みのひとつとして、たとえば偏析凝固の原理を利用した精製装置および精製方法が知られている(特許文献1(特開2000−351616号公報)参照)。具体的には、不純物を含む溶融シリコン中に回転冷却体を浸漬し、この回転冷却体の内部に冷却流体を供給しながら回転冷却体を回転させる。この回転冷却体の周面に溶融シリコンよりも高純度の固体シリコンを晶出させる。
このような回転冷却体を用いる精製装置において、その周面に晶出した固体(晶出物)を回収する装置や方法として、以下の2つが知られている。
1つは特許文献2(特開昭60−190533号公報)に開示された、下方に回転する掻き落し爪を用いた方法であり、もう1つは特許文献3(特開平4−17629号公報)に開示された、加熱溶融による方法である。
特開2000−351616号公報 特開昭60−190533号公報 特開平4−17629号公報
これらのうち、特許文献2に開示された方法においては、晶出物の外径が小さい場合に掻き落し爪の先端が晶出物にとどかず、回収できないという問題がある。また、晶出物の回転冷却体周面への付着力が大きい場合には、掻き落し爪の回転力を大きくしなければ回収できず、この回転力を大きくすると、回転冷却体の周面に剥離が生じたり、回転冷却体が破損したりするおそれがあるという問題がある。
また、特許文献3に開示された加熱溶融による方法においては、加熱溶融のために時間を要する。そのため、大量生産による安価な太陽電池用シリコンの製造を目的とした場合には、より高速に大量の固体シリコンを回収できる装置や方法が好ましい。
したがって、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、晶出物である固体シリコンの大きさによらず、従来よりも高速な回収が可能なシリコン精製装置および精製方法を提供することを目的とする。
この発明に基づいたシリコン精製装置に従えば、溶融シリコンを保持する坩堝と、略鉛直方向に延びる軸を回転中心軸として回転駆動可能かつ上記溶融シリコン内外へ移動可能に構成された回転冷却体と、上記回転冷却体の周面に晶出した固体シリコンの側面に向かって前進してその先端が該固体シリコンの側面に衝突可能な衝突部材を有する剥離装置とを有している。
上記、シリコン精製装置において好ましくは、上記衝突部材は棒状部材からなり、該棒状部材は、その長軸の軸線方向が上記回転冷却体の周面に向かうように配置されている。
上記シリコン精製装置において好ましくは、上記棒状部材の上記回転冷却体に向かう先端部は、先端に向かって徐々に細くなるように構成されている。
上記シリコン精製装置において好ましくは、上記棒状部材は、その長軸の軸線方向が上記回転冷却体の回転中心軸と交差するように配置されている。
上記シリコン精製装置において好ましくは、上記棒状部材は、その長軸の軸線が、上記回転冷却体の周面と直交するように配置されている。
上記シリコン精製装置において好ましくは、上記剥離装置は、1つの上記回転冷却体に対して複数の上記棒状部材からなる衝突部材を有している。このとき上記複数の棒状部材のうち2本の棒状部材が、その長軸方向が相互に重なると共に上記回転冷却体の回転中心軸と交差する位置に配置されていてもよい。
上記シリコン精製装置において好ましくは、上記棒状部材は、上記回転冷却体に向かって前進しても、その先端が上記回転冷却体の周面には接触しないように配設されている。
この発明に基づいたシリコン精製方法に従えば、溶融シリコンを保持した坩堝内に回転冷却体を浸漬し、上記回転冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ該回転冷却体を鉛直方向に延びる回転中心軸にて回転させることにより、上記回転冷却体の周面に固体シリコンを晶出させる晶出工程と、上記のシリコン精製装置を用いて、上記回転冷却体から上記固体シリコンを剥離させる剥離工程とを有している。
本発明によると、回転冷却体の周面に晶出した固体シリコンの側面に対して衝突部材を衝突させる剥離装置を用いることにより、従来よりも高速に回転冷却体から固体シリコンを剥離し、回収することができる。
以下、この発明に基づいた各実施の形態におけるシリコン精製装置およびシリコン精製方法について、図1から図7を参照して説明する。図1は、本実施の形態におけるシリコン精製装置の構造を示す縦断面図である。
図1に示すように、本実施の形態のシリコン精製装置100は、溶融シリコン1を保持する坩堝2と、回転冷却体3と、回転冷却体3の周面に晶出した固体シリコン5の側面に対して棒状部材を衝突させる剥離装置40,90とを有している。
ここで、坩堝2は密閉可能なチャンバ6の内部に収納されている。チャンバ6の内部にはヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスを導入して使用されるのが一般的である。
坩堝2は、石英、黒鉛あるいはアルミナなど、シリコンとの反応が少なく、溶融シリコン1に対する汚染が少ない材料で構成されている。また、溶融シリコン1を溶融状態に維持したり、または固体状態の原料シリコンを加熱溶融したりするための加熱装置(図示せず)が、坩堝2の近傍に配置されるのが一般的である。固体状態の原料シリコンとしてはMG−Siが好ましく使用される。加熱装置としては、高周波誘導加熱装置、抵抗加熱装置などが好ましく使用される。
回転冷却体3は、熱伝導性が良く、しかも溶融シリコン1と反応や汚染することが少ない材料、たとえば窒化シリコンや黒鉛などで構成される。また、回転冷却体3の周面は、通常下端が閉じた円筒形状をなすが、面取りが行われていてもよく、下端から上方に向かって徐々に大径となったテーパ状部位を有していてもよい。
また、回転冷却体3は冷却流体供給管7と内部空間が連通するように接続されている。冷却流体供給管7の上端には、冷却流体供給装置30が接続されている。冷却流体供給管7の内部空間を経由して、不活性ガスや空気などの冷却流体を冷却流体供給装置30から回転冷却体3に供給することにより、回転冷却体3を冷却することができる。冷却流体供給管7を、回転機構50を用いて回転中心軸8を中心に回転することにより回転冷却体3を回転することができる。
あくまでも一例であるが、回転機構50の構造を図1に模式的に示している。回転機構50は、モータ51と、モータ51の駆動力を冷却流体供給管7に伝えるベルト52とを有している。モータ51を駆動すると、モータ51の駆動力がベルト52により伝達され、冷却流体供給管7が回転駆動される。
さらに冷却流体供給管7をチャンバ6の一部に開けた貫通部6aを通して動かすことにより、回転冷却体3を溶融シリコン1内へ浸漬することができ、また、そこから引き出すことができる。
図1には、冷却流体供給管7および回転冷却体3を上下に駆動する昇降駆動機構60の一例を模式的に示している。昇降駆動機構60は、冷却流体供給管7が貫通し、冷却流体供給管7を回転自在に保持する一対の軸受部材61と、軸受部材61,61を連結し、外面にラックギアが設けられた上下方向に延びる連結部材62と、ラックギアに噛合する駆動ギア63と、駆動ギア63を駆動するモータ64とを有している。
モータ64を駆動することにより、駆動ギア63を介して連結部材62および軸受部材61が上下方向に駆動され、軸受部材61に保持された冷却流体供給管7を上下に昇降させることができる。
図2は、本実施の形態の剥離装置の構造を示す側面図である。剥離装置40としては、衝突部材としての棒状部材41を備えているものを用いることができる。衝突部材としての棒状部材41は、図2に示すような、回転冷却体3の周面に晶出した固体シリコン5の側面に衝突させるものである。
図2に示す剥離装置においては、棒状部材41の他に、棒状部材41を摺動自在に保持する一対の保持部材42と、保持部材42を支持するステージ43とを備えている。
棒状部材41を水平方向に駆動する機構としては、たとえば図2に示すように、カム機構とバネとを有する駆動機構を用いることができる。図2に示す駆動機構は、棒状部材41の後端部に設けられたバネ44と、棒状部材41の上面に設けられた突起41aと、突起41aに接触するカム45と、カム45に接続された従動ギア46と、従動ギア46を駆動する駆動ギア47と、駆動ギア47に接続されたモータ48とを有している。
駆動機構を動作させるときには、モータ48を駆動し、駆動ギア47および従動ギア46により駆動力を伝達してカム45を駆動する。このときカム45が突起41aに接触している。モータ48は、カム45および棒状部材41が後退する方向(図2における右向き)に駆動する。棒状部材41が、モータ48により後退する方向に駆動されると、棒状部材41の後端に設けられたバネ44が圧縮され、反発力がバネ44に蓄積される。
さらに、カム45を駆動すると、カム45と突起41aとの係合が外れる。このときバネ44に蓄積された反発力により、棒状部材41は固体シリコン5の側面に向かって強く押し出され、棒状部材41の先端41bを固体シリコン5に衝突させることができる。
この駆動機構においては、バネ44を用いているので、異なるばね定数のバネ44に取替えることで、剥離工程の最適化を図ることが容易となっている。棒状部材の材質は固体シリコン5に衝突しても破損しにくい材料で構成されていれば特に限定されないが、たとえば炭化タングステンを用いることができる。
ここでは棒状部材41は、先端部と本体部とを異なる材料で構成している。さらに、先端部を取替え可能に構成しており、先端部に炭化タングステンを用い、それ以外の部分をステンレス鋼、鉄などの安価な材料により構成している。これにより装置価格をより安価にすることができるばかりでなく、棒状部材41を消耗品として交換する際の製造価格を下げることが可能となる。
棒状部材41の後端部には、外向きに広がった鍔状の抜け止め部41cが設けられている。抜け止め部41cが保持部材42に当接することにより、棒状部材41の先端41bの突出量が規制される。
図3は、本実施の形態の剥離装置の変形例の構造を示す側面図である。図3に示す変形例においては、棒92の一端に球状またはクサビ状の重り91からなる衝突部材を有する振り子により剥離装置90を構成している。この剥離装置90は、棒92の上端を中心に振り子運動をすることができる。
剥離工程においては、剥離装置90の重り91を駆動して後退させ(その状態を図3に二点鎖線で示す)、重り91を開放することで重り91を固体シリコン5の側面に衝突させることができる。
本実施の形態においては、棒状部材41や、重り91などの衝突部材を固体シリコン5の側面に衝突させている。特許文献2に開示されたような、下方に回転する掻き落し爪を晶出物の上部に当接してこれを下方へ押す構成からなる従来の装置では、晶出物が小さい場合、その回収できないという問題があったが、本実施の形態によるとこのような不具合を回避することができる。
また棒状部材41の先端や重り91の先端を、図2および図3に示すように尖らせることで、小さな接触領域を固体シリコン5の側面に対して衝突させることができる。ここでは、先端を、たとえば直径10mm以下、好ましくは直径5mm以下の円形領域としている。直径が10mmを超えると接触領域が大きくなり、衝撃力を集中して与えることが出来ないという問題がある。
衝突部材の先端を尖らせることにより、棒状部材41や重り91に、大きな力を加えなくても固体シリコン5を破砕し、剥離させることができる。したがって、棒状部材41に強力なモータを設けたり、重り91として過大な重量を持つものを用いたりする必要がなくなる。
このように棒状部材41および重り91の先端部は先端に向かうに従って細くなる構造を採用することが、より小さな接触領域を生じる点において好ましい。
さらに棒状部材41および重り91の先端形状は半径1mmから10mmの円弧を描くように丸みを持たせることが好ましい。これは先端を針状にした場合、固体シリコン5と接触する部分のみが削れ、穴が開いたような状態となる恐れがある。この場合、固体シリコン5の一部が回転冷却体3の周面から剥離せずに残り、固体シリコン5の剥離不良となる。棒状部材41および重り91の先端形状を半径1mmから10mmの円弧を描くように丸みを持たせることで、剥離不良を抑制することができる。
次に図4および図5を用いて、棒状部材41の配置について説明する。図4は、本実施の形態の棒状部材と回転冷却体の位置を示す平面図、図5は、同側面図である。
棒状部材41に駆動装置により加えた力を固体シリコン5に加わる力へと有効に転換するためには、図4に示すように、棒状部材41の長軸方向411が回転冷却体3の回転中心軸8と交差する位置に棒状部材41を配置することが好ましい。
このような配置とすることで、棒状部材41の力を回転冷却体3の中心に向かって加えることができるので、棒状部材41の力を逃がさずに、回転冷却体3に保持された固体シリコン5に加えることができる。
また、図5に示すように、棒状部材41の長軸方向511を回転冷却体3の周面に直交する位置に配置することが好ましい。棒状部材41の長軸方向511が、回転冷却体3の周面に直交する方向に棒状部材41を配置することにより、棒状部材41からの衝撃力を、固体シリコン5の周面に偏りなく加えることができ、固体シリコン5を均等に剥離させることができる。
また、棒状部材41を1つの回転冷却体3に対して複数個設けてもよい。これにより固体シリコン5の複数個所に同時に、または連続して力を加えることができ、固体シリコン5の剥離不良を抑制することができる。
図6は、棒状部材を複数個配置した場合を示す平面図である。棒状部材41が1つの回転冷却体3に対して複数個設けられている場合には、それらのうち少なくとも2本の棒状部材の長軸方向611が重なると共に回転冷却体3の回転中心軸8に交差するように、2本の棒状部材41を配置することが好ましい。
図6に示すように棒状部材41を配置することにより、棒状部材41に加えた力を固体シリコン5に加える力へと有効に転換できる。特にそれぞれの棒状部材41によって回転冷却体3に加えられる力が、回転冷却体3の回転中心軸8上で打ち消しあうように配置されることが好ましい。
棒状部材からの力が回転冷却体3の回転中心軸上で打ち消しあうことにより、回転冷却体3の振動を抑えることができ、回転冷却体3や冷却流体供給管7などの破損を抑制することができる。
また、棒状部材41の材質や形状または棒状部材に与える力の大きさによっては、回転冷却体3との衝突により回転冷却体3の表面が欠損する恐れがある。これを避けるためには棒状部材41が回転冷却体3の周面にもっとも近づいた際にも回転冷却体3に触れない位置に配置しておけばよい。
具体的には、本実施の形態においては、図2に示したように、棒状部材41の後端部に抜け止め部41cを設けることで棒状部材41の最大の突出量が規制されている。棒状部材41の突出量が最大のときでも棒状部材41の先端41bが回転冷却体3の周面に届かないような位置にステージ43を配置することで、棒状部材41と回転冷却体3とが直接接触することを防止することができる。
以下、本実施の形態に係るシリコン精製装置を用いたシリコン精製方法の実施例について図7から図10を用いて説明する。
図7に示すようにチャンバ6内に配置した内径600mmの黒鉛製坩堝2内に、MG−Siからなる原料シリコンを200kg程度入れ、チャンバ6内を10Pa程度に減圧した後にアルゴンガスを毎分300L流して不活性ガス雰囲気とした。次に、高周波誘導加熱装置10により黒鉛製坩堝2を5時間で1600℃に加熱し内部の原料シリコン(MG−Si)を溶融させ、溶融シリコン1とし、この融液の温度を1414〜1600℃の範囲に保持した。
図8に示すように、この溶融シリコン1内に直径300mmの黒鉛製回転冷却体3を浸漬し、回転冷却体3の内部に冷却流体供給管7を介して窒素ガスからなる冷却流体を供給しつつ、回転冷却体3を回転させた。これにより、偏析凝固の原理により、回転冷却体3の周面に溶融シリコン1よりも高純度の固体シリコン5を晶出させた。
ここで、回転冷却体3の回転時の周面の周速度は0.004m/秒以上とするのが好ましく、0.1m/秒以上、2.20m/秒以下とするのがより好ましい。
また、回転冷却体3に供給する窒素ガスからなる冷却流体の流量は、回転冷却体3の溶融シリコン1に浸漬している領域の単位面積に対する流量が、0.001〜4.0(m3/秒)/m2とするのが好ましく、0.6〜3.8(m3/秒)/m2とするのがより好ましい。
図9に示すように、固体シリコン5の晶出後、回転冷却体3を溶融シリコン1から引き上げた。この際、回転冷却体3から剥離した固体シリコン5を確実に回収できるように回転冷却体3を坩堝2の上方から横移動することが好ましい。
回転冷却体3を横移動させる代わりに、図10に示すように、溶融シリコン1から引き上げた回転冷却体3と坩堝2との間に仕切り11を設けて、固体シリコン5の回収ルートを形成してもよい。
次に、溶融シリコン1から引き上げた回転冷却体3を剥離機構4の近傍(剥離位置)まで移動させる。その後、回転冷却体3を10〜50rpmにて回転させながら、棒状部材41を固体シリコン5に衝突させることにより、固体シリコン5を回転冷却体3の周面から剥離させ回収した。
本実施例においては、1度の回収において得られる固体シリコンは10kgから20kg程度であり、回転冷却体3の剥離位置への移動終了から固体シリコン5の剥離完了までに要した時間は5〜10秒程度であった。
なお、本実施例および後記の比較例に用いたMG−SiのFe濃度は約450ppmw、Al濃度は約5ppmwであった。また、本実施例および比較例において、回転冷却体3から回収した固体シリコンのFe濃度は約0.5ppmw、Al濃度は約0.8ppmwであった。
<比較例>
晶出した固体シリコン5を加熱溶融することにより回収する従来方法を比較例として説明する。実施例と同様の工程により溶融シリコン1から引き上げた回転冷却体3を、高周波誘導加熱装置(印加周波数1kHz、出力100kW、到達温度1600℃)によって加熱し、固体シリコン5の溶融による回収を試みた。
上記実施例と同程度の10kgから20kg程度の固体シリコン5を回収するのに要した時間は、比較例においては、回転冷却体3の剥離位置への移動終了から最短で3分程度、最も長いもので20分程度を要した。
この比較例と比較すれば、上記本発明の実施例は、従来の方法に比べて極めて短時間で固体シリコン5を剥離回収することができることが分かる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
この発明に基づいた実施の形態におけるシリコン精製装置の構造を示す縦断面図である。 この発明に基づいた実施の形態の剥離装置の構造を示す側面図である。 この発明に基づいた実施の形態の剥離装置の変形例の構造を示す側面図である。 この発明に基づいた実施の形態の棒状部材と回転冷却体の位置を示す平面図である。 この発明に基づいた実施の形態の棒状部材と回転冷却体の位置を示す側面図である。 この発明に基づいた実施の形態において棒状部材を複数個配置した場合を示す平面図である。 この発明に基づいたシリコン精製方法の実施例の一工程を示す図である。 この発明に基づいたシリコン精製方法の実施例の一工程を示す図である。 この発明に基づいたシリコン精製方法の実施例の一工程を示す図である。 この発明に基づいたシリコン精製方法の実施例の一工程を示す図である。
符号の説明
1 溶融シリコン、2 坩堝、3 回転冷却体、4 剥離機構、5 固体シリコン、6 チャンバ、6a 貫通部、7 冷却流体供給管、8 回転中心軸、10 高周波誘導加熱装置、30 冷却流体供給装置、40,90 剥離装置、41 棒状部材、42 保持部材、43 ステージ、44 バネ、45 カム、46 従動ギア、47,63 駆動ギア、48,51,64 モータ、50 回転機構、52 ベルト、60 昇降駆動機構、61 軸受部材、62 連結部材、91 重り、92 棒、100 シリコン精製装置。

Claims (11)

  1. 溶融シリコンを保持する坩堝と、
    略鉛直方向に延びる軸を回転中心軸として回転駆動可能かつ前記溶融シリコン内外へ移動可能に構成された回転冷却体と、
    前記回転冷却体の周面に晶出した固体シリコンの側面に向かって前進してその先端が該固体シリコンの側面に衝突可能な衝突部材を有する剥離装置と、を備えたシリコン精製装置。
  2. 前記衝突部材の前記回転冷却体に向かう先端部は、先端に向かって徐々に細くなるように構成されている、請求項1に記載のシリコン精製装置。
  3. 前記衝突部材は、棒状部材、球状の重りおよびクサビ状の重りのいずれかにより構成されている、請求項1または2に記載のシリコン精製装置。
  4. 前記衝突部材は棒状部材からなり、該棒状部材は、その長軸の軸線方向が前記回転冷却体の周面に向かうように配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のシリコン精製装置。
  5. 前記棒状部材は、その長軸の軸線方向が前記回転冷却体の回転中心軸と交差するように配置されている、請求項に記載のシリコン精製装置。
  6. 前記棒状部材は、その長軸の軸線が、前記回転冷却体の周面と直交するように配置されている、請求項4または5に記載のシリコン精製装置。
  7. 前記剥離装置は、1つの前記回転冷却体に対して複数の前記棒状部材からなる衝突部材を有している、請求項からのいずれか1項に記載のシリコン精製装置。
  8. 前記複数の棒状部材のうち2本の棒状部材が、その長軸方向が相互に重なると共に前記回転冷却体の回転中心軸と交差する位置に配置されている、請求項に記載のシリコン精製装置。
  9. 前記棒状部材は、前記回転冷却体に向かって前進しても、その先端が前記回転冷却体の周面には接触しないように配設されている、請求項からのいずれか1項に記載のシリコン精製装置。
  10. 溶融シリコンを保持する坩堝と、
    略鉛直方向に延びる軸を回転中心軸として回転駆動可能かつ前記溶融シリコン内外へ移動可能に構成された回転冷却体と、
    前記回転冷却体の周面に晶出した固体シリコンの側面に向かって前進してその先端が該固体シリコンの側面に衝突可能な衝突部材、および、前記回転冷却体を挟んで前記衝突手段の先端と対向可能な位置に配置された部材を有する剥離装置と、を備えたシリコン精製装置。
  11. 溶融シリコンを保持した坩堝内に回転冷却体を浸漬し、前記回転冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ該回転冷却体を鉛直方向に延びる回転中心軸にて回転させることにより、前記回転冷却体の周面に固体シリコンを晶出させる晶出工程と、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の精製装置を用いて、前記回転冷却体から前記固体シリコンを剥離させる剥離工程と、を有する、シリコン精製方法。
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