JP2008303113A - 珪素の一方向凝固方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明によれば、生産性が高い状態を維持しつつ、効率良く珪素中の不純物を除去することができる。
【選択図】なし
Description
(1)るつぼ内で溶融させた珪素の下部から上部に向けて一方向凝固させるに際し、凝固方向の固相−液相界面の移動と、この移動距離より短い距離で凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動とを繰り返すことを特徴とする珪素の一方向凝固方法。
(2)凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動前及び/又は移動後に、固相−液相界面の静置時間を取ることを特徴とする(1)記載の珪素の一方向凝固方法。
(3)凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動速度は、凝固方向の固相−液相界面の移動速度の2倍以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の珪素の一方向凝固方法。
(4)凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動距離は、凝固方向の固相−液相界面の移動距離の1/2乃至1/20であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の珪素の一方向凝固方法。
(5)凝固方向の固相−液相界面の移動速度が、1mm/hr〜50mm/hrであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の珪素の一方向凝固方法。
(6)固相−液相界面の移動が、るつぼの移動によることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の珪素の一方向凝固方法。
(7)固相−液相界面位置を、液相に浸漬した耐火性材料で確認することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の珪素の一方向凝固方法。
金属珪素2種類を弗硝酸で溶解し、ICP−AES((株)Perkin Elmer製)にて金属不純物濃度を測定した。結果を表1に示す。
MG−1 10kgを石英製の内寸190角×300D(mm)のるつぼに入れ、図1に示すような抵抗加熱式の電気炉中にセットした。電気炉を真空排気した後にArを導入して大気圧まで戻し、そのままArを導入し続けた。電気炉の設定温度を1500℃として通電し、炉の温度が1500℃に達した後も2時間その温度に放置した。その後、るつぼを10mm/hrで降下させてSiを全量凝固させた。
得られたSiインゴットの各部を分析したところ、表2の様にインゴット中間部ですでに不純物排除が阻害されており、組成的過冷却が起こっていることが示唆された。なお、インゴットの頂部、中頂部、中部、低中部及び底部とは、インゴットの上端を0mmとするとそれぞれ5〜15mm、30〜40mm、55〜65mm、80〜90mm、105〜115mmの範囲からのサンプリングを示す。
比較例1と同様に、MG−1 10kgをるつぼに入れて炉を1500℃まで昇温し、2時間放置後にるつぼを5mm/hrで降下させてSiを全量凝固させた。
得られたSiインゴットの各部を分析したところ、表3の様にインゴット上部に金属不純物が濃縮していた。凝固組織を光学顕微鏡観察すると、インゴット頂部1ミリメートルの範囲には、不純物の凝集体である第2相が図5のように集中していることが観察されたが、この最頂部分以外には第2相は観察されなかった。
表3のインゴット頂部の分析サンプルは、この第2層析出部分を避けてサンプリングしておるので、分析結果は珪素のバルク分析である。以下、各分析値の「インゴット頂部」は第2相の析出個所である最頂部を避けた部分をサンプリングしている。
MG−2 10kgをるつぼに入れて比較例1と同様に炉を1500℃まで昇温し、2時間放置後にるつぼを10mm/hrで降下させてSiを全量凝固させた。
得られたSiインゴットの各部を分析したところ、表4の様にインゴット中間部ですでに不純物排除が阻害されており、組成的過冷却が起こっていることが示唆された。
MG−2 10kgをるつぼに入れて比較例1と同様に炉を1500℃まで昇温し、2時間放置後にるつぼを5mm/hrで降下させてSiを全量凝固させた。
得られたSiインゴットの各部を分析したところ、表5の様にインゴット上部に金属不純物が濃縮していた。
比較例1で使用したるつぼと同様のるつぼにMG−1 10kgを入れ、比較例1と同様の方法で1500℃まで昇温した後に、その温度で2時間放置した。
放置後10mm/hrの速度でるつぼを12mmの距離だけ降下させ、その直後に5cm/minの速度でるつぼを2mmだけ上昇させ、再び10mm/hrの速度でるつぼを降下させた。この方法で降下、上昇を繰り返しながら比較例1の凝固終了点までるつぼを降下させることでSiを全量凝固させた。
得られたインゴットの各部を分析したところ、表6のようにインゴット上部に金属不純物が濃縮しており、本発明の方法で組成的過冷却を防止できたことがわかった。
比較例1で使用したるつぼと同様のるつぼにMG−2 10kgを入れ、比較例1と同様の方法で1500℃まで昇温した後に、その温度で2時間放置した。
放置後10mm/hrの速度でるつぼを12mmの距離だけ降下させ、その直後に5cm/minの速度でるつぼを2mmだけ上昇させ、再び10mm/hrの速度でるつぼを降下させた。この方法で降下、上昇を繰り返しながら比較例1の凝固終了点までるつぼを降下させることでSiを全量凝固させた。
得られたインゴットの各部を分析したところ、表7のようにインゴット上部に金属不純物が濃縮しており、本発明の方法で組成的過冷却を防止できたことがわかった。
実施例1と同様の珪素、るつぼ、装置で一方向凝固を実施した。るつぼの降下は10mm/hrの速度でるつぼを10mmの距離だけ降下させ、その直後に5cm/minの速度でるつぼを2mmだけ上昇させて、その位置で10分間るつぼの移動を停止した後に、再び10mm/hrの速度でるつぼを降下させた。この方法で降下、上昇、停止を繰り返しながら比較例1の凝固終了点までるつぼを降下させることでSiを全量凝固させた。
得られたインゴットの各部を分析したところ、表8のようにインゴット上部に金属不純物が濃縮しており、本発明の方法で組成的過冷却を防止できたことがわかった。
2 断熱材
3 断熱材
4 遮熱板
5 ヒーター
6 るつぼ台
7 昇降シャフト
8 棒
10 溶融珪素
Claims (7)
- るつぼ内で溶融させた珪素の下部から上部に向けて一方向凝固させるに際し、凝固方向の固相−液相界面の移動と、この移動距離より短い距離で凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動とを繰り返すことを特徴とする珪素の一方向凝固方法。
- 凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動前及び/又は移動後に、固相−液相界面の静置時間を取ることを特徴とする請求項1記載の珪素の一方向凝固方法。
- 凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動速度は、凝固方向の固相−液相界面の移動速度の2倍以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の珪素の一方向凝固方法。
- 凝固方向とは逆方向の固相−液相界面の移動距離は、凝固方向の固相−液相界面の移動距離の1/2乃至1/20であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の珪素の一方向凝固方法。
- 凝固方向の固相−液相界面の移動速度が、1mm/hr〜50mm/hrであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の珪素の一方向凝固方法。
- 固相−液相界面の移動が、るつぼの移動によることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の珪素の一方向凝固方法。
- 固相−液相界面位置を、液相に浸漬した耐火性材料で確認することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の珪素の一方向凝固方法。
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