JP5179674B1 - シリコン精製装置およびシリコン精製方法 - Google Patents

シリコン精製装置およびシリコン精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却体の破損を抑制してシリコンを安定して精製する。
【解決手段】溶融シリコン1を保持する坩堝2と、浸漬部3およびこの浸漬部3の上部に接続された回転軸部7を有し、坩堝2内の溶融シリコン1中に浸漬部3が回転軸部7の軸中心に回転しつつ浸漬されることにより浸漬部3の周面に固体シリコン5が析出した状態で坩堝2内から引き上げられる冷却体とを備える。また、浸漬部3の周面に析出した固体シリコン5の第1側部5aに向かって接近し、その先端が固体シリコン5の第1側部5aに接触する係止部材を有し、浸漬部3を側方から係止する側方係止機構70を備える。さらに、側方係止機構70により浸漬部3が側方から係止された状態で、固体シリコン5の第1側部5aとは反対側に位置する第2側部5bに向かって接近し、その先端が固体シリコン5の第2側部5bに衝突する衝突部材を有し、固体シリコン5を浸漬部3から剥離させる剥離機構40とを備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、シリコン精製装置およびシリコン精製方法に関し、特に、凝固偏析現象を利用してシリコンを精製するシリコン精製装置およびシリコン精製方法に関する。
凝固偏析現象を利用してシリコンを精製するシリコン精製装置およびシリコン精製方法を開示した先行文献として、特開2009−113997号公報(特許文献1)がある。
特許文献1に記載されたシリコン精製装置においては、溶融シリコンを保持する坩堝と、略鉛直方向に延びる軸を回転中心軸として回転駆動可能かつ溶融シリコン内外へ移動可能に構成された回転冷却体と、回転冷却体の周面に析出した固体シリコンの側面に向かって前進してその先端が固体シリコンの側面に衝突可能な衝突部材を有する剥離装置とを備えている。
特開2009−113997号公報
冷却体の浸漬部の周面に析出した固体シリコンの側面に衝突部材を衝突させた際、浸漬部に衝撃力が作用することがある。特に、衝突部材を一方向から固体シリコンの側面に接近させて衝突させた場合、浸漬部が衝突部材から受ける衝撃力によって生ずる曲げモーメントにより、浸漬部自身、または浸漬部の上部に接続されている回転軸部が破損する可能性がある。
また、2つの衝突部材を対向配置して、各衝突部材を両方向から固体シリコンの側面に接近させて衝突させた場合、2つの衝突部材を同時に固体シリコンの側面に衝突させることが難しいため、各衝突部材が時間差を有して固体シリコンの側面に衝突しやすい。この場合、浸漬部または回転軸部が2つの衝突部材から受ける衝撃力によって生ずる振動および曲げモーメントにより破損する可能性がある。また、各衝突部材が時間差を有して固体シリコンの側面に衝突すると、固体シリコンの側面に加わるべき衝撃力の一部が他に分散して、固体シリコンの剥離成功率が低下する。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、冷却体の破損を抑制してシリコンを安定して精製できる、シリコン精製装置およびシリコン精製方法を提供することを目的とする。
本発明に基づくシリコン精製装置は、溶融シリコンを保持する坩堝と、浸漬部およびこの浸漬部の上部に接続された回転軸部を有し、坩堝内の溶融シリコン中に浸漬部が回転軸部の軸中心に回転しつつ浸漬されることにより浸漬部の周面に固体シリコンが析出した状態で坩堝内から引き上げられる冷却体とを備える。また、シリコン精製装置は、浸漬部の周面に析出した固体シリコンの第1側部に向かって接近し、その先端が固体シリコンの第1側部に接触する係止部材を有し、浸漬部を側方から係止する側方係止機構を備える。さらに、シリコン精製装置は、側方係止機構により浸漬部が側方から係止された状態で、固体シリコンの第1側部とは反対側に位置する第2側部に向かって接近し、その先端が固体シリコンの第2側部に衝突する衝突部材を有し、固体シリコンを浸漬部から剥離させる剥離機構とを備える。
好ましくは、係止部材の先端は、固体シリコンの第1側部と面接触する。
本発明の一形態においては、係止部材は第1棒状部材からなり、衝突部材は第2棒状部材からなり、第1棒状部材の長軸の軸線方向は、第2棒状部材の長軸の軸線方向と一致している。
本発明に基づくシリコン精製方法は、坩堝内の溶融シリコン中に冷却体を回転させつつ浸漬することにより冷却体の浸漬部の周面に固体シリコンを析出させた状態で、冷却体を坩堝内から引き上げる析出工程と、浸漬部の周面に析出した固体シリコンの第1側部に向かって係止部材を接近させ、係止部材の先端を固体シリコンの第1側部に接触させて浸漬部を側方から係止する係止工程と、係止工程の後、固体シリコンの第1側部とは反対側に位置する第2側部に向かって衝突部材を接近させ、衝突部材の先端を固体シリコンの第2側部に衝突させて固体シリコンを浸漬部から剥離させる剥離工程とを備える。
好ましくは、係止工程において、係止部材の先端を固体シリコンの第1側部に面接触させる。
本発明の一形態においては、剥離工程における衝突部材の接近方向を、係止工程における係止部材の接近方向に対して同一直線上の反対向きとする。
本発明によれば、冷却体の破損を抑制してシリコンを安定して精製できる。
本発明の一実施形態に係るシリコン精製装置の構成を示す一部断面図である。 同実施形態に係る側方係止機構の構成を示す側面図である。 側方係止機構により冷却体を側方から係止した状態を示す側面図である。 同実施形態に係る剥離装置の構成を示す側面図である。 同実施形態の剥離装置の変形例の構造を示す側面図である。 第1棒状部材と第2棒状部材との位置関係を示す平面図である。 冷却体を坩堝内の溶融シリコン中に浸漬させる前の状態を示す一部断面図である。 冷却体の浸漬部を坩堝内の溶融シリコン中に浸漬させた状態を示す一部断面図である。 冷却体の浸漬部を坩堝内の溶融シリコン中から引き上げて、第1棒状部材の先端を固体シリコンの第1側部に接触させた状態を示す一部断面図である。 第2棒状部材の先端を固体シリコンの第2側部に衝突させた状態を示す一部断面図である。 第2棒状部材の先端を固体シリコンの第2側部に衝突させた状態を示す横断面図である。 比較例において、冷却体を坩堝内の溶融シリコン中から引き上げ、第1棒状部材の先端および第2棒状部材の先端を固体シリコンに同時に接近させ始める状態を示す一部断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るシリコン精製装置およびシリコン精製方法について説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係るシリコン精製装置の構成を示す一部断面図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシリコン精製装置100は、溶融シリコン1を保持する坩堝2と、冷却体と、側方係止機構70と、剥離機構40とを有している。
坩堝2は、密閉可能なチャンバ6の内部に収納されている。チャンバ6の内部には、ヘリウム、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスが導入される。坩堝2は、石英、黒鉛またはアルミナなど、シリコンとの反応が少なく、溶融シリコン1に対する汚染が少ない材料で構成されている。
また、溶融シリコン1を溶融状態に維持、または、固体状態の原料シリコンを加熱溶融するための図示しない加熱装置が、坩堝2の近傍に配置されている。加熱装置としては、高周波誘導加熱装置または抵抗加熱装置などを使用できる。
冷却体は、浸漬部3および浸漬部3の上部に接続された回転軸部7を有している。冷却体の内部には、冷却流体の流路となる図示しない冷却流体供給管が設けられている。冷却流体供給管の下端部には複数の開口が設けられている。その複数の開口から冷却流体が浸漬部3の内壁に吹き付けられるように、冷却流体供給管が構成されている。
冷却体は、坩堝2内の溶融シリコン1中に浸漬部3が回転軸部7の軸中心に回転しつつ浸漬されることにより、浸漬部3の周面に固体シリコンが析出した状態で坩堝2内から引き上げられる。
浸漬部3は、溶融シリコン1と反応して溶融シリコン1を汚染することが少なく熱伝導性のよい材料、たとえば、窒化シリコンまたは黒鉛などで構成される。浸漬部3の周面は、下端が閉じた円筒形状をなすが、面取りが行なわれていてもよい。また、浸漬部3の周面に、下端から上方に向かって徐々に大径となったテーパ状部位が設けられていてもよい。
浸漬部3は、回転軸部7と内部空間が連通するように接続されている。回転軸部7の上端において、冷却流体供給管と冷却流体供給装置30とが接続されている。冷却流体供給管を経由して、不活性ガスまたは空気などの冷却流体を冷却流体供給装置30から浸漬部3に供給することにより、浸漬部3を冷却することができる。
回転軸部7には、回転機構50が接続されている。回転機構50は、モータ51と、モータ51の駆動力を回転軸部7に伝えるベルト52とを有している。モータ51を駆動すると、モータ51の駆動力がベルト52により伝達され、回転軸部7が回転する。
回転軸部7が回転機構50により回転中心軸8を中心に回転させられることにより、浸漬部3が回転中心軸8を中心に回転する。ただし、回転機構50の構成は上記に限られず、浸漬部3を回転駆動できるものであればよい。
さらに、回転軸部7は、チャンバ6の上部に設けられた貫通部6aを通して移動可能にされている。回転軸部7が下降することにより、浸漬部3が坩堝2内の溶融シリコン1中に浸漬され、回転軸部7が上昇することにより、浸漬部3が坩堝2内から引き上げられる。
具体的には、回転軸部7には、昇降駆動機構60が接続されている。昇降駆動機構60は、回転軸部7が貫通し、回転軸部7を回転自在に保持する一対の軸受部材61と、軸受部材61,61を連結し、外面にラックギアが設けられた上下方向に延びる連結部材62と、ラックギアに噛合する駆動ギア63と、駆動ギア63を駆動するモータ64とを有している。
モータ64の駆動力によって駆動ギア63を介して連結部材62および軸受部材61を上下方向に移動させることにより、軸受部材61に保持された回転軸部7を上下に昇降させることができる。ただし、昇降駆動機構60の構成は上記に限られず、冷却体を上下に移動させられるものであればよい。
図2は、本実施形態に係る側方係止機構の構成を示す側面図である。図3は、側方係止機構により冷却体を側方から係止した状態を示す側面図である。図2,3においては、浸漬部3が坩堝2内から引き上げられた状態を示している。なお、坩堝2内から引き上げられた状態において、冷却体は回転していない。
図1に示すように、側方係止機構70は、チャンバ6の上方に配置されている。図2,3に示すように、側方係止機構70は、チャンバ6上に固定されて床部および壁部を含むL字状の台座72と、台座72の床部上をスライド移動可能な可動ステージ73とを有している。
台座72の壁部には、図示しない貫通孔が設けられている。また、台座72の壁部には、開口を有するフランジ72aが溶接で固定されている。フランジ72aは、中心軸が壁部の貫通孔の中心軸と同一直線状に位置するように固定されている。また、フランジ72aの側面には、図示しない雌螺子部が設けられている。
フランジ72aには、ベローズ75の一端部75aがボルトで締結されている。ベローズ75の一端部75aには、ボルトが挿通される貫通孔が設けられている。このボルトは、フランジ72aの雌螺子部と螺合している。ベローズ75は、中心軸が壁部の貫通孔の中心軸と同一直線状に位置するように取り付けられている。
ベローズ75の他端部75bは、後述する第1棒状部材71の中間部に溶接されたフランジ71aにボルトで締結されている。このボルトは、フランジ71aのベローズ75と接する側の側面に設けられた図示しない雌螺子部と螺合している。ベローズ75の他端部75bには、ボルトが挿通される貫通孔が設けられている。
また、フランジ71aのベローズ75と接する側とは反対側の側面に、図示しない複数の雌螺子部が設けられている。さらに、フランジ71aの下部に、突起部71cが設けられている。
可動ステージ73は、後述する第1棒状部材71を保持する保持部を有している。保持部は、互いに所定の間隔を置いて位置する第1保持部73aと第2保持部73bとから構成されている。可動ステージ73には、フランジ71aの突起部71cと接触可能な位置検出センサ73cが設けられている。
第1保持部73aには、第1棒状部材71の横断面積より僅かに大きな開口面積の図示しない第1開口部が設けられている。第2保持部73bには、第1棒状部材71の横断面積より僅かに大きな開口面積の図示しない第2開口部が設けられている。第1開口部および第2開口部は、同一直線上に中心軸を有し、略同一の開口面積を有している。
また、第2保持部73bには、第2開口部の周囲に複数の貫通孔が設けられている。この複数の貫通孔は、フランジ71aの複数の雌螺子部とそれぞれ対向する位置に設けられている。
側方係止機構70は、後述するように浸漬部3の周面に析出した固体シリコン5の第1側部5aに向かって接近し、その先端71bが固体シリコン5の第1側部5aに接触する係止部材である第1棒状部材71を有している。
第1棒状部材71は、台座72の壁部の貫通孔およびベローズ75に挿通されている。また、第1棒状部材71は、第1保持部73aの第1開口部内、および、第2保持部73bの第2開口部内に遊挿されることにより、保持部により保持されている。
フランジ71aと第2保持部73bとの間には、複数のばね74が配置されている。複数のばね74の各々は、軸部74aに挿通されて支持されている。
具体的には、軸部74aは、一端に雄螺子部が形成され、他端に鍔状の抜け止め部が形成されている。複数の軸部74aは、第2保持部73bの複数の貫通孔にそれぞれ一端側から挿通されている。軸部74aの雄螺子部とフランジ71aの雌螺子部とが締結されることにより、軸部74aが第2保持部73bに対してスライド移動可能な状態でフランジ71aに取り付けられている。
側方係止機構70により浸漬部3を側方から係止する際には、可動ステージ73が図2中の矢印で示す方向に移動する。第1保持部73aの第1開口部および第2保持部73bの第2開口部と、第1棒状部材71との間には摩擦抵抗が生ずるため、可動ステージ73の移動に伴って第1棒状部材71も矢印で示す方向に移動する。
このとき、ベローズ75は、圧縮されて弾性変形する。ベローズ75の弾性変形量は、第1棒状部材71の移動量と同一である。よって、第1棒状部材71の移動によりベローズ75に反力が生じ、その反力は第1棒状部材71および複数のばね74に作用する。そのため、ベローズ75の反力から複数のばね74の反力を差し引いた力が第1棒状部材71に作用し、その力により第1棒状部材71の移動が妨げられて、可動ステージ73の移動距離より第1棒状部材71の移動距離の方が短くなる。
上記の状態で可動ステージ73が移動し続けると、第1棒状部材71の先端71bが固体シリコン5の第1側部5aに接触し、第1棒状部材71は、これ以上移動することができない。
さらに、可動ステージ73が移動すると、第1棒状部材71は停止しているため、フランジ71aの突起部71cに位置検出センサ73cが接近して、図3に示すように突起部71cと位置検出センサ73cとが接触する。
可動ステージ73は、位置検出センサ73cが突起部71cとの接触を検出した時点で移動を停止するように構成されている。この構成により、第1棒状部材71の先端71bを固体シリコン5の第1側部5aに確実に接触させて、側方係止機構70により浸漬部3を側方から係止することができる。かつ、側方係止機構70による浸漬部3への負荷を抑制することができる。
本実施形態においては、第1棒状部材71の先端71bは、固体シリコン5の第1側部5aと面接触している。具体的には、第1棒状部材71の先端71bに、後述する第1棒状部材71の接近方向に対して直交する平面部が形成されている。この平面部と第1側部5aとは互いに、線接触に近い面接触している。これにより、第1棒状部材71の先端71bと固体シリコン5の第1側部5aとが点接触している場合と比較して、浸漬部3と第1棒状部材71との接触面積を広くして、側方係止機構70により浸漬部3を安定して係止することができる。なお、第1棒状部材71の先端71bに、固体シリコン5の第1側部5aの外形に沿うような曲面部が形成されていてもよい。この場合にも、側方係止機構70により浸漬部3を安定して係止することができる。
なお、図3に示す状態から、可動ステージ73を図2中の矢印で示す方向とは反対方向に移動させる際には、台座72の床部上に設けられた図示しない他の位置検出センサと可動ステージ73とが接触した時点で、可動ステージ73の移動を停止させる。このように、2つの位置検出センサにより、可動ステージ73の可動範囲が規定されている。
ただし、側方係止機構70の構成は上記に限られず、浸漬部3を側方から係止できるものであればよい。
図4は、本実施形態に係る剥離装置の構成を示す側面図である。剥離機構40としては、衝突部材としての第2棒状部材41を備えているものを用いることができる。図4に示すように、第2棒状部材41は、浸漬部3の周面に析出した固体シリコン5の側面の第1側部5aとは反対側に位置する第2側部5bに衝突させるものである。
剥離機構40においては、第2棒状部材41の他に、第2棒状部材41を摺動自在に保持する一対の保持部材42と、保持部材42を支持するステージ43とを備えている。
剥離機構40は、カム機構とばねとを有する駆動機構を含んでいる。駆動機構は、第2棒状部材41の一端部に設けられたばね44と、第2棒状部材41の上面に設けられた突起41aと、突起41aに接触するカム45と、カム45に接続された従動ギア46と、従動ギア46を駆動する駆動ギア47と、駆動ギア47に接続されたモータ48とを有している。
駆動機構を動作させるときには、モータ48を駆動し、駆動ギア47および従動ギア46により駆動力を伝達してカム45を駆動する。このとき、カム45が突起41aに接触している。モータ48は、カム45および第2棒状部材41を図4における右向きに駆動する。第2棒状部材41が、モータ48により駆動されると、第2棒状部材41の一端に設けられたばね44が圧縮され、反発力がばね44に蓄積される。
さらに、カム45を駆動すると、カム45と突起41aとの係合が外れる。このとき、ばね44に蓄積された反発力により、第2棒状部材41は固体シリコン5の第2側部5bに向かって強く押し出され、第2棒状部材41の先端41bを固体シリコン5に衝突させることができる。
この駆動機構においては、ばね44を用いているので、異なるばね定数のばね44に取替えることで、剥離工程の最適化を図ることが容易となっている。棒状部材の材質は、固体シリコン5に衝突しても破損しにくい材料で構成されていれば特に限定されないが、たとえば炭化タングステンを用いることができる。
本実施形態の第2棒状部材41においては、先端部と本体部とを異なる材料で構成している。さらに、先端部を取替え可能に構成しており、先端部に炭化タングステンを用い、それ以外の部分をステンレス鋼、鉄などの安価な材料により構成している。これにより装置価格をより安価にすることができるばかりでなく、第2棒状部材41を消耗品として交換する際の製造価格を下げることが可能となる。
第2棒状部材41の一端部には、外向きに広がった鍔状の抜け止め部41cが設けられている。抜け止め部41cが保持部材42に当接することにより、第2棒状部材41の先端41bの突出量が規制される。
図5は、本実施形態の剥離装置の変形例の構造を示す側面図である。図5に示す変形例においては、棒92の一端に球状またはクサビ状の重り91からなる衝突部材を有する振り子により剥離機構90を構成している。この剥離機構90は、棒92の上端を中心に振り子運動をすることができる。
剥離工程においては、剥離機構90の重り91を駆動して図5中の二点鎖線で示すように振り上げた後、重り91を開放することで重り91を固体シリコン5の第2側部5bに衝突させることができる。
図6は、第1棒状部材と第2棒状部材との位置関係を示す平面図である。図6に示すように、第1棒状部材71の長軸の軸線方向611は、第2棒状部材41の長軸の軸線方向611と一致している。言い換えると、第2棒状部材41の接近方向を、第1棒状部材71の接近方向に対して同一直線上の反対向きとする。
また、軸線方向611が浸漬部3の回転中心軸8に交差するように、第1棒状部材71および第2棒状部材41が配置されていることが好ましい。
図6に示すように第1棒状部材71および第2棒状部材41を配置することにより、第2棒状部材41により浸漬部3に加えられた衝撃力を第1棒状部材71により確実に受け止めることができるため好ましい。
仮に、第1棒状部材71の長軸の軸線方向と、第2棒状部材41の長軸の軸線方向とが一致していない場合、第2棒状部材41により浸漬部3に加えられた衝撃力の少なくとも一部によって曲げモーメントが生ずる。同様に、軸線方向611が浸漬部3の回転中心軸8に交差していない場合、第2棒状部材41により浸漬部3に加えられた衝撃力の少なくとも一部によって曲げモーメントが生ずる。これらの場合、曲げモーメントにより浸漬部3および回転軸部7に負荷が生じるため好ましくない。
ただし、本実施形態においては、第1棒状部材71の先端71bを固体シリコン5の第1側部5aと面接触させるため、第1棒状部材71の長軸の軸線方向と第2棒状部材41の長軸の軸線方向とのずれの影響を低減することができる。
なお、第2棒状部材41の材質、形状または第2棒状部材41に与える力の大きさによっては、浸漬部3との衝突により浸漬部3の表面が欠損する恐れがある。これを避けるためには、第2棒状部材41が浸漬部3の周面にもっとも近づいた際にも浸漬部3に触れないように、第2棒状部材41を配置しておけばよい。
本実施形態においては、図4に示したように、第2棒状部材41の一端部に抜け止め部41cを設けることで第2棒状部材41の最大の突出量が規制されている。第2棒状部材41の突出量が最大のときでも第2棒状部材41の先端41bが浸漬部3の周面に届かないような位置にステージ43を配置することで、第2棒状部材41と浸漬部3とが直接接触することを防止している。
上記の本実施形態に係るシリコン精製装置を用いたシリコン精製方法においては、坩堝2内の溶融シリコン1中に冷却体を回転させつつ浸漬することにより冷却体の浸漬部3の周面に固体シリコン5を析出させた状態で、冷却体を坩堝2内から引き上げる析出工程と、浸漬部3の周面に析出した固体シリコン5の第1側部5aに向かって第1棒状部材71を接近させ、第1棒状部材71の先端71bを固体シリコン5の第1側部5aに接触させて浸漬部3を側方から係止する係止工程と、係止工程の後、固体シリコン5の第1側部5aとは反対側に位置する第2側部5bに向かって第2棒状部材41を接近させ、第2棒状部材41の先端41bを固体シリコン5の第2側部5bに衝突させて固体シリコン5を浸漬部3から剥離させる剥離工程とを備える。
以下、本実施形態に係るシリコン精製装置を用いたシリコン精製方法の実施例について図を参照して説明する。
(実施例)
図7は、冷却体を坩堝内の溶融シリコン中に浸漬させる前の状態を示す一部断面図である。図8は、冷却体の浸漬部を坩堝内の溶融シリコン中に浸漬させた状態を示す一部断面図である。図9は、冷却体の浸漬部を坩堝内の溶融シリコン中から引き上げて、第1棒状部材の先端を固体シリコンの第1側部に接触させた状態を示す一部断面図である。図10は、第2棒状部材の先端を固体シリコンの第2側部に衝突させた状態を示す一部断面図である。図11は、第2棒状部材の先端を固体シリコンの第2側部に衝突させた状態を示す横断面図である。
図7に示すように、チャンバ6内に配置した外径630mmの黒鉛製の坩堝2内に、原料シリコンを430kg入れて溶解させた。溶融シリコン1の温度は、シリコンの融点+10℃に保持した。
次に、図8に示すように、溶融シリコン1内に直径300mmの黒鉛製の浸漬部3を浸漬し、浸漬部3の内部に回転軸部7を介して窒素ガスからなる冷却流体を6000L/分の流速で供給しつつ、冷却体を30回転/分の回転速度で回転させた。これにより、凝固偏析現象を生じさせて、浸漬部3の周面に溶融シリコン1よりも高純度の固体シリコン5を析出させた。
図9に示すように、固体シリコン5の析出後、冷却体を溶融シリコン1から引き上げた。このとき、浸漬部3の回転は停止させている。その後、浸漬部3の周面に析出した固体シリコン5の第1側部5aに向かって第1棒状部材71を接近させ、第1棒状部材71の先端71bを固体シリコン5の第1側部5aに接触させて浸漬部3を側方から係止した。
次に、図10,11に示すように、固体シリコン5の第2側部5bに向かって第2棒状部材41を接近させ、第2棒状部材41の先端41bを固体シリコン5の第2側部5bに衝突させて固体シリコン5を浸漬部3から剥離させて回収した。
上記のように行なった一連の高純度の固体シリコン5の析出から回収までの作業を本精製作業と称する。この本精製作業を複数回行なって、高純度の固体シリコン5の回収量が160kgに達すると、同量の原料シリコンを坩堝2内に補充して溶融させた。上記原料シリコンの補充を適宜行ないつつ、上記の本精製作業を486回繰り返し行なった。
以下、比較例に係るシリコン精製方法について図を参照して説明する。なお、比較例のシリコン精製方法は、冷却体を引き上げた後で、係止工程と剥離工程とを同時に行なった点のみ実施例1に係るシリコン精製方法と異なるため他の工程については説明を繰り返さない。
(比較例)
図12は、比較例において、冷却体を坩堝内の溶融シリコン中から引き上げ、第1棒状部材の先端および第2棒状部材の先端を固体シリコンに同時に接近させ始める状態を示す一部断面図である。図12に示すように、比較例においては、浸漬部3が側方係止機構70により側方から係止されていない状態で剥離機構40,90が動作し始める。
そのため、第1棒状部材71の先端71bが固体シリコン5の第1側部5aに接触するタイミングと、第2棒状部材41の先端41bが固体シリコン5の第2側部5bに衝突するタイミングとに時差が生じることがある。
上記のように行なった一連の高純度の固体シリコン5の析出から回収までの作業を比較精製作業と称する。この比較精製作業を複数回行なって、高純度の固体シリコン5の回収量が160kgに達すると、同量の原料シリコンを坩堝2内に補充して溶融させた。上記原料シリコンの補充を適宜行いつつ、上記の比較精製作業を150回繰り返し行なった。
上記の実施例および比較例において、固体シリコン5の剥離成功率および冷却体の損傷の有無を確認した。表1は、その確認結果をまとめたものである。なお、剥離成功とは、浸漬部3から固体シリコン5を剥離可能であったことをいう。
Figure 0005179674
表1に示すように、実施例においては、冷却体に損傷は認められず、剥離成功率は100%であった。比較例においては、比較精製作業を150回繰り返した段階で、冷却体に損傷が発生した。また、剥離成功率は、77%であった。
上記の結果から、本発明のシリコン精製装置およびシリコン精製方法により、冷却体の破損を抑制してシリコンを安定して精製できることが確認された。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 溶融シリコン、2 坩堝、3 浸漬部、5 固体シリコン、5a 第1側部、5b 第2側部、6 チャンバ、6a 貫通部、7 回転軸部、8 回転中心軸、30 冷却流体供給装置、40,90 剥離機構、41 第2棒状部材、41a 突起、41b,71b 先端、41c 抜け止め部、42 保持部材、43 ステージ、44,74 ばね、45 カム、46 従動ギア、47,63 駆動ギア、48,51,64 モータ、50 回転機構、52 ベルト、60 昇降駆動機構、61 軸受部材、62 連結部材、70 側方係止機構、71 第1棒状部材、71a,72a フランジ、71c 突起部、72 台座、73 可動ステージ、73a 第1保持部、73b 第2保持部、73c 位置検出センサ、74a 軸部、75 ベローズ、75a 一端部、75b 他端部、91 重り、92 棒、100 シリコン精製装置、611 軸線方向。

Claims (6)

  1. 溶融シリコンを保持する坩堝と、
    浸漬部および該浸漬部の上部に接続された回転軸部を有し、前記坩堝内の前記溶融シリコン中に前記浸漬部が前記回転軸部の軸中心に回転しつつ浸漬されることにより前記浸漬部の周面に固体シリコンが析出した状態で前記坩堝内から引き上げられる冷却体と、
    前記浸漬部の前記周面に析出した固体シリコンの第1側部に向かって接近し、その先端が前記固体シリコンの前記第1側部に接触する係止部材を有し、前記浸漬部を側方から係止する側方係止機構と、
    前記側方係止機構により前記浸漬部が側方から係止された状態で、前記固体シリコンの前記第1側部とは反対側に位置する第2側部に向かって接近し、その先端が前記固体シリコンの前記第2側部に衝突する衝突部材を有し、前記固体シリコンを前記浸漬部から剥離させる剥離機構と
    を備える、シリコン精製装置。
  2. 前記係止部材の先端は、前記固体シリコンの前記第1側部と面接触する、請求項1に記載のシリコン精製装置。
  3. 前記係止部材は第1棒状部材からなり、
    前記衝突部材は第2棒状部材からなり、
    前記第1棒状部材の長軸の軸線方向は、前記第2棒状部材の長軸の軸線方向と一致している、請求項1または2に記載のシリコン精製装置。
  4. 坩堝内の溶融シリコン中に冷却体を回転させつつ浸漬することにより前記冷却体の浸漬部の周面に固体シリコンを析出させた状態で、前記冷却体を前記坩堝内から引き上げる析出工程と、
    前記浸漬部の前記周面に析出した前記固体シリコンの第1側部に向かって係止部材を接近させ、前記係止部材の先端を前記固体シリコンの前記第1側部に接触させて前記浸漬部を側方から係止する係止工程と、
    前記係止工程の後、前記固体シリコンの前記第1側部とは反対側に位置する第2側部に向かって衝突部材を接近させ、前記衝突部材の先端を前記固体シリコンの前記第2側部に衝突させて前記固体シリコンを前記浸漬部から剥離させる剥離工程と
    を備える、シリコン精製方法。
  5. 前記係止工程において、前記係止部材の先端を前記固体シリコンの前記第1側部に面接触させる、請求項4に記載のシリコン精製方法。
  6. 前記剥離工程における前記衝突部材の接近方向を、前記係止工程における前記係止部材の接近方向に対して同一直線上の反対向きとする、請求項4または5に記載のシリコン精製方法。
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