JP5289293B2 - 単結晶引上げ用石英ルツボ - Google Patents

単結晶引上げ用石英ルツボ Download PDF

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本発明は、シリコン単結晶を製造する際に用いられるルツボであって、特に、チョクラルスキー法で用いられ、長時間シリコン単結晶の引き上げが行われるように、石英ルツボ内へシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給される単結晶引上げ用ルツボ、及び、そのルツボを用いた単結晶引上げ方法に関するものである。
従来、シリコン単結晶の作製には、大型結晶が育成できる、結晶成長のスピードが速い等の利点から、チョクラルスキー法(以下「CZ法」という)が用いられている。近年、シリコン単結晶を大量に製造することを目的として、シリコン単結晶引上げルツボへ、シリコン原料融液を連続的又は断続的に外部から供給することで、長時間連続してシリコン単結晶の引き上げを可能とするシリコン単結晶の引上げ方法が開発されている。
上記の長時間連続したシリコン単結晶の引上げ方法の一例としては、図1に示すように、融液供給ルツボ3で固体シリコン原料2を溶融させ、溶融したシリコン原料融液5を、融液供給管4を通して、シリコン単結晶引上げ用ルツボ10へ供給し、該シリコン単結晶引上げルツボ内でシリコン単結晶を引き上げる方法が挙げられる。例えば、特許文献1に開示されているような結晶原料の溶解装置を用いたシリコン単結晶の引上げである。
しかしながら、これらの引上げ方法によってシリコン単結晶の引上げを行った場合、多くのシリコン単結晶を連続して引き上げることができる点で有効であるものの、前記石英ルツボ内に供給されたシリコン融液の液面が一定の高さ位置範囲で推移する結果、前記石英ルツボの前記シリコン融液面の高さ位置範囲に対応する内壁部分が侵食される(溶損する)という問題があった。
シリコン単結晶の引上げは、およそ1500℃という高温環境で行われ、前記石英ルツボの軟化する温度が1150℃程度であるため、引上げが長時間(例えば200時間以上)継続した場合、上述の石英ルツボの溶損は、石英ルツボの内倒れや座屈等を引き起こし、石英ルツボの使用期間の短縮を招くことになる。そのため、シリコン原料融液が連続的又は断続的に供給され、前記シリコンルツボ内でシリコン原料融液の液面高さ位置が実質的に一定の状態となる場合であっても、石英ルツボの溶損に起因した石英ルツボの破損を抑制できる技術の開発が望まれている。
ここで、特許文献2では、内倒れや座屈を抑制するため、黒鉛ルツボのストレート部の内面が下部から上部に向かって順次その口径が大きくなるように傾斜することを特徴とするルツボが開示されている。しかしながら、前記石英ルツボの前記シリコン融液面の高さ位置に対応する内壁部分が侵食される(溶損する)ことに起因した内倒れや座屈については、十分に解決することはできない。
特開平10−25190号公報 特開2007−76974号公報
本発明の目的は、石英ルツボ形状の適正化を図ることにより、石英ルツボにシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給された場合であっても、内壁の侵食に起因した石英ルツボの破損を抑制できる単結晶引上げ用ルツボ及び単結晶引上げ方法を提供することにある。
本発明者らは、シリコン原料融液を収容する石英ルツボ及び該石英ルツボの外側を覆う黒鉛ルツボの二重構造からなり、前記石英ルツボ内で長時間シリコン単結晶の引上げが行われるように、前記石英ルツボ内へシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給されるシリコン単結晶引上げ用ルツボについて、上記課題を解決するべく検討を重ねた結果、前記石英ルツボを、側壁の外周に、石英材料からなり、その上端部の高さ位置が、前記石英ルツボの側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の60〜90%の範囲にあり、その下端部の高さ位置が、前記石英ルツボの側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の5〜30%の範囲にある側壁補強部を設けて前記側壁部分を厚肉側壁部とすることにより、該厚肉側壁部が、シリコン単結晶引上げ時、石英ルツボが加熱されて軟化し、前記黒鉛ルツボの内壁面形状に対応して変形し、石英ルツボの前記厚肉側壁部が内面側に部分的に迫り出してなるため、前記シリコン融液面の高さ位置範囲に対応する内壁部分が侵食される場合であっても、それに起因した石英ルツボの破損を有効に抑制できることを見出した。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)シリコン原料融液を収容する石英ルツボ及び該石英ルツボの外側を覆う黒鉛ルツボの二重構造からなり、前記石英ルツボ内で長時間シリコン単結晶の引上げが行われるように、前記石英ルツボ内へシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給されるシリコン単結晶引上げ用ルツボであって、前記石英ルツボは、側壁の外周に、石英材料からなり、その上端部の高さ位置が、前記石英ルツボの側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の60〜90%の範囲にあり、その下端部の高さ位置が、前記石英ルツボの側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の5〜30%の範囲にある側壁補強部を設けて前記側壁部分を厚肉側壁部とし、シリコン単結晶引上げ時に、石英ルツボが加熱されて軟化し、前記厚肉側壁部が前記黒鉛ルツボの内壁面形状に対応して変形することで、石英ルツボの前記厚肉側壁部が内面側に部分的に迫り出してなることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用ルツボ。
(2)前記厚肉側壁部は、前記石英ルツボの側壁補強部を除いた側壁の厚さに対して、110〜140%の厚さを有する上記(1)記載のシリコン単結晶引上げ用ルツボ。
(3)前記石英ルツボは、胴部上端の外径が、胴部下端の外径よりも0.1%以上大きい上記(1)又は(2)記載のシリコン単結晶引上げ用ルツボ。
(4)前記石英ルツボは、胴部上端の外径が、700〜1120mmの範囲である上記(1)〜(3)のいずれか1項記載のシリコン単結晶引上げ用ルツボ。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載されたシリコン単結晶引上げ用ルツボを用いて、直径が300mm以上のシリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とするシリコン単結晶引上げ方法。
(6)前記単結晶の引上げは、複数の単結晶インゴットを連続的に引き上げることを特徴とする上記(5)記載のシリコン単結晶引上げ方法。
この発明によれば、石英ルツボにシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給された場合であっても、内壁の侵食に起因した石英ルツボの破損を抑制できる単結晶引上げ用ルツボ及び単結晶引上げ方法を提供することが可能になった。
単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図である。 本発明の石英ルツボを模式的に示した側断面図である。 本発明の単結晶引上げ用ルツボを模式的に示した側断面図であり、(a)はシリコン融液ができた直後の状態、(b)は(a)のルツボにシリコン原料融液の供給を連続的又は断続的に行いながら引上げを長時間継続した時の状態を示したものである。
以下、本発明の構成と限定理由を、図1〜3を用いて説明する。
図1は、本発明の単結晶引上げ装置について模式的に示した側断面図であり、図2は、本発明の石英ルツボの一実施形態について模式的に示した側断面図であり、図3は、本発明の単結晶引上げ用ルツボを模式的に示した側断面図であり、(a)はシリコン融液ができた直後の状態、(b)は(a)のルツボにシリコン原料融液の供給を連続的又は断続的に行いながら引上げを長時間継続した時の状態を示したものである。
本発明に従う単結晶引上げ用ルツボは、図1に示すように、シリコン原料融液5を収容する石英ルツボ20及び該石英ルツボ20の外側を覆う黒鉛ルツボ30の二重構造からなり、前記石英ルツボ20内で長時間シリコン単結晶6の引上げが行われるように、前記石英ルツボ20内へシリコン原料融液5が連続的又は断続的に供給されるシリコン単結晶引上げ用ルツボ20である。そして、前記石英ルツボ20は、図2に示すように、その上端部の高さ位置H1が、前記石英ルツボの側壁の下端Uから測定して、前記側壁の上端Tまでの距離の60〜90%の範囲にあり、その下端部の高さ位置H3が、前記石英ルツボの側壁の下端Uから測定して、前記側壁の上端Tまでの距離の5〜30%の範囲に対応した側壁21の外周に、石英材料からなる側壁補強部22を設けて前記側壁部分を厚肉側壁部23とし、図3(a)及び(b)に示すように、シリコン単結晶5の引上げ時、石英ルツボ20が加熱されて軟化し、前記厚肉側壁23部が前記黒鉛ルツボ30の内壁面30a形状に対応して変形することで、石英ルツボ20の前記厚肉側壁部23が内面側に部分的に迫り出してなる(図3(b))ことを特徴とする。
上記構成を採用することによって、前記シリコン融液5a面の高さ位置範囲(図2では、H1〜H3)に対応する内壁部分21が侵食される場合であっても、厚肉側壁部23が内面側へ肉厚となるため、内壁部分21の侵食に起因した石英ルツボ20の破損(座屈や内倒れ等)を有効に抑制することができる。
また、従来の技術では、前記側壁補強部22を、あらかじめ前記石英ルツボ20の内壁に設け、石英ルツボ20の前記厚肉側壁部23が内面側に部分的に迫り出してなるようにすることは、製造上困難である。石英ルツボは、回転するルツボ形状のモールド(型)に、遠心力を利用して石英原料粉を密着させ、その内部でアークを発生させ石英粉を溶融する、いわゆるアーク溶融法で製造するため、原料石英粉は、内面から外面に向かって溶融し、その温度は外側より内面側が高くなり、逆に溶融した石英ガラスの粘度は、内面側が低くなる。その結果、前記側壁補強部22を前記石英ルツボ20の内面側に設けた場合、溶融中の石英ルツボ内面は重力により少しずつ下方にたれ落ちるため、石英原料粉をモールドに密着させる際、前記側壁補強部22を凸状に成形しても、凸状に成形した部分も平坦化し下方に流れ、部分的に内面に迫り出す形状を実現することは難しい。そのため、本発明では、前記側壁補強部22を、一旦外側に設け、その後の熱による石英ルツボ20の軟化を利用することで、前記厚肉側壁部23を石英ルツボ20の内面側に部分的に迫り出す形状とすることが可能となる。
なお、前記厚肉側壁部23を構成する側壁補強部22については、石英材料からなるものであれば特に限定はしないが、前記石英ルツボ20との接着性の点から、石英ルツボ20の材料と同じ材料からなることが好ましい。
また、前記側壁補強部22は、図2に示すように、前記シリコン原料融液5の液面高さ位置が変動する範囲(H1〜H3)に対応して設ける必要がある。前記石英ルツボ20を構成する石英ガラスは、溶融したシリコンと反応してシリコン原料融液5中へ溶解後、前記融液5中を循環した後、一部がガスとなって蒸発する。しかし、前記融液の液面付近では、雰囲気ガスと接した状態にあるため、石英ガラスが溶解した後、溶解した石英ガラスのほとんどが、すぐにガスとなって蒸発するため、前記石英ガラスのシリコン融液中への溶解反応が激しく起こる結果、前記シリコン原料融液5の液面5aと接する内壁部分の侵食量が大きくなり、引上げによる融液の液面高さ位置の変動(H1〜H3)に伴ってその侵食位置が変動するからである。
また、前記側壁補強部22は、図2に示すように、前記石英ルツボ20の内壁の侵食を有効に抑制し、さらに、不要な前記側壁補強部22を防止する点から、その上端部23aの高さ位置H1が、前記石英ルツボ20の側壁の下端Uから測定して、前記側壁の上端Tまでの距離Xの60〜90%の範囲にあり、その下端部23bの高さ位置H3が、前記石英ルツボ20の側壁の下端Uから測定して、前記側壁の上端Tまでの距離Xの5〜30%の範囲にあることが必要である。前記上端部23aの高さ位置H1が距離Xの60%未満の場合、及び、前記下端部23bの高さ位置H2が距離Xの30%超えの場合、実際の前記シリコン原料融液5の液面高さ変動位置に対応できていないため、範囲外の部分については石英ルツボの破損を抑制することができず、一方、前記上端部23aの高さ位置H1が距離Xの90%超えの場合、及び、前記下端部23bの高さ位置H2が距離Xの5%未満の場合、実際の前記シリコン原料融液5の液面高さ変動位置範囲を超えて前記側壁補強部22が設けられているため、製造コストが高騰するためである。
また、図2に示すように、前記厚肉側壁部23は、前記石英ルツボ30の側壁補強部22を除いた側壁の厚さA2に対して、110〜140%の厚さA1を有することが好ましい。前記厚肉側壁部23の厚さA1が側壁補強部22を除いた側壁の厚さA2に対して110%未満の場合、前記厚肉側壁部23が薄すぎるため、前記シリコン融液5a面に対応する内壁部分21の侵食による前記石英ルツボ20の破損を十分に抑制できないからであり、一方、前記厚さA1が厚さA2に対して140%を超えると、前記厚肉側壁部23が厚すぎるため、該厚肉側壁部23の自重によって、石英ルツボ20の座屈や内倒れを引き起こす恐れがあるからである。なお、図2及び図3では、前記厚肉側壁部23をわかりやすく説明するため、実際よりも誇張した状態で、前記側壁補強部22及び前記厚肉側壁部23が示されている。
さらに、前記石英ルツボ20は、図2に示すように胴部の外径Wが、下部から上部に向かって漸増してなることが好ましく、具体的には、胴部上端20aの外径W1が、胴部下端20cの外径W2よりも0.1%以上大きいことがより好適である。石英ルツボ20の側壁21の内倒れ及び座屈を抑制する効果が向上するためであり、胴部上端20aの外径W1が胴部下端20cの外径W2よりも0.1%以上大きくなければ、石英ルツボ20の側壁21の内倒れ及び座屈の抑制効果が十分に発揮できない恐れがあるためである。一方、胴部上端20aの外径W1が、胴部下端20cの外径W2の差が大きくなりすぎる(例えば、10mmを超える)と、シリコン原料融液5の液面5aの直上位置と直下位置におけるルツボ20の内径差が大きくなるため、当該位置が座屈の起点になる恐れがある。
さらにまた、前記石英ルツボは、胴部上端の外径が、700〜1120mmの範囲であることが好ましい。本発明のシリコン単結晶引上げ用ルツボ10は、大口径のウェーハを対象としており、上記範囲が700mm以下の小口径ルツボに比べ、より高温での使用となるため、従来のルツボと比べて、顕著に、内壁の侵食に起因した石英ルツボの破損の抑制効果を奏することができるためである。
なお、本発明のシリコン単結晶引上げ用ルツボ10を構成する黒鉛ルツボ30の構成については、特に限定することはなく、通常用いられる黒鉛ルツボを用いればよい。
なお、本発明のシリコン単結晶引上げ用ルツボのサイズについては、引き上げるシリコン単結晶インゴットのサイズ等によって、種々の大きさのルツボを必要とするため、特に限定はしない。
また、前記石英ルツボ20内へシリコン原料融液5を、連続的又は断続的に供給する方法としては、特に限定することはなく、任意の供給方法を用いればよい。例えば、図1に示すように、単結晶引上げ用ルツボ10の外部に配設された固体シリコン原料2を溶融するための融液供給ルツボ3、及び、該融液供給ルツボ3によって溶融されたシリコン原料融液5を搬送するための融液供給管4を用いることによって、シリコン原料融液5を、前記石英ルツボ20内に供給することができる。
前記石英ルツボの製造方法としては、特殊な形状である側壁補強部22を精度よく製造できれば特に限定はしないが、アーク法によって製造することが好ましい。アーク溶融によって製造すれば、広範囲の高温炎により短時間で製造できるためコスト的に有利であり、加えて、坩堝型の形状どおり製造することができるためである。一方、その他の製造方法、例えば、酸水素バーナーにて製造する場合、従来の石英ルツボ20に対して厚肉補強部22を溶接する形になるため、炎の範囲が小さいこともあり、作業時間が長く、生産性・コストが大きくなり、さらに、炎中の水酸基が多くガラス中に取り込まれ、粘度低下を引き起こす恐れがあるからである。また、酸水素バーナーでは局所加熱になるため、溶接部にひずみが残り、溶接後ルツボ全体をひずみ点以上の高温でアニーリング処理しないと、ルツボが破損する。
次に、本発明のシリコン単結晶引上げ方法について説明する。本発明によるシリコン単結晶引上げ方法は、上述した本発明による単結晶引上げ用ルツボ10を用いて、直径が300mm以上の大口径シリコン単結晶インゴットを引き上げることを特徴とする。このシリコン単結晶引上げ方法を用いれば、内壁の侵食に起因した石英ルツボの破損を有効に抑制しつつ、長時間に渡って単結晶シリコンインゴットの引上げが可能となるためである。
さらに、前記単結晶の引上げは、複数の単結晶インゴットを連続的に引き上げることが好ましい。本発明の石英ルツボ20は、変動する前記シリコン原料融液の液面高さ範囲に対応しており、前記シリコン原料融液の液面高さが一定の場合に限らず、液面高さが変動する傾向にある複数の単結晶インゴットを連続的に引き上げた場合は、より有効に本発明の効果を奏することができるからである。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(実施例1〜3)
実施例1〜3は、外径が810mm、高さが500mmの石英ルツボ20と、その外側を覆う、内径が815mm、深さが480mmの黒鉛ルツボ30との二重構造からなるシリコン単結晶引上げ用ルツボ10を、それぞれサンプルとして作製した。
なお、各サンプルの石英ルツボ20は、図2に示すように、側壁21の外周の所定の高さ位置に、石英ルツボと同じ材料からなる側壁補強部22を設けて前記側壁部分を厚肉側壁部23を形成し、図3(a)及び(b)に示すように、シリコン単結晶5の引上げ時、石英ルツボ20が加熱されて軟化し、前記厚肉側壁23部が前記黒鉛ルツボ30の内壁面30a形状に対応して変形することで、石英ルツボ20の前記厚肉側壁部23が内面側に部分的に迫り出すように構成されており、厚肉側壁部23の厚さA1(側壁補強部22を除いた側壁21の厚さA2に対しての割合(%)で表示)及び上端23a・下端23bの高さ位置H1、H3(石英ルツボ20の側壁21の下端Uから測定して、前記側壁21の上端Tまでの距離Xにおける相対位置(%)で表示)については、表1に示す。また、胴部上端20aの外径W1が、胴部下端20cの外径W2よりも6mm大きい。
また、前記石英ルツボ20にシリコン原料融液は、図1に示すように、融液供給ルツボ3で固体シリコン原料2を溶融させ、溶融したシリコン原料融液5を、融液供給管4を通して、前記石英ルツボ20内に供給した。
比較例
比較例は、前記石英ルツボ20の側壁21の外周に、前記側壁補強部22を設けず、前記側壁部分を厚肉側壁部23を形成しないこと以外は、実施例1と同様の条件によって、シリコン単結晶引上げ用ルツボを作製した。
また、前記石英ルツボ20にシリコン原料融液は、図1に示すように、融液供給ルツボ3で固体シリコン原料2を溶融させ、溶融したシリコン原料融液5を、融液供給管4を通して、前記石英ルツボ20内に供給した。
(評価方法)
各実施例及び比較例のルツボを、それぞれ、図1に示すような単結晶引上げ装置に用いて、シリコン融液の温度1500℃という引き上げ条件で、5本のシリコン単結晶インゴットの引上げ(260時間連続)を行った。その後、石英ルツボを回収し、石英ルツボ内壁の侵食に起因した内倒れ及び座屈の有無について確認することで評価を行った。
Figure 0005289293
表1の結果から、実施例のシリコン単結晶引上げ用ルツボは、石英ルツボの座屈及び内倒れのいずれについても発生しておらず、有効に石英ルツボの破損を抑制できていることがわかる。一方、比較例のシリコン単結晶引上げ用ルツボについては、石英ルツボ内壁の侵食に起因した石英ルツボの内倒れ及び座屈が発生していた。
この発明によれば、石英ルツボにシリコン原料融液が連続的又は断続的に供給された場合であっても、内壁の侵食に起因した石英ルツボの破損を抑制できる単結晶引上げ用ルツボ及び単結晶引上げ方法を提供することが可能になった。
1 単結晶引き上げ装置
2 固体シリコン原料
3 融液供給ルツボ
4 融液供給管
5 シリコン原料融液
6 シリコン単結晶インゴット
10 シリコン単結晶引上げ用ルツボ
20 石英ルツボ
21 側壁
22 側壁補強部
23 厚肉側壁部
30 黒鉛ルツボ

Claims (5)

  1. シリコン原料融液を収容する石英ルツボであって、
    円筒状の側壁からなる胴部を有し、
    前記胴部は、前記側壁の所定の高さ位置に設けられた厚肉側壁部を有し、
    前記厚肉側壁部は、前記側壁の外周よりも外側に迫り出すように設けられた側壁補強部を有し、
    前記厚肉側壁部は、その上端部の高さ位置が、前記側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の60〜90%の範囲に設けられ、その下端部の高さ位置が、前記側壁の下端から測定して、前記側壁の上端までの距離の5〜30%の範囲に設けられることを特徴とするシリコン単結晶引上げ用石英ルツボ。
  2. 前記厚肉側壁部は、シリコン単結晶の引上げ時に加熱されて軟化し、前記石英ルツボの外側を覆う黒鉛ルツボの内壁面形状に対応して変形したとき、内面側に迫り出すように形成されている請求項1記載のシリコン単結晶引上げ用石英ルツボ。
  3. 前記厚肉側壁部は、前記側壁補強部を除いた前記側壁の厚さに対して、110〜140%の厚さを有する請求項1又は2記載のシリコン単結晶引上げ用石英ルツボ。
  4. 前記胴部の上端の外径が、前記胴部の下端の外径よりも0.1%以上大きい請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコン単結晶引上げ用石英ルツボ。
  5. 前記胴部の上端の外径が、700〜1120mmの範囲である請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコン単結晶引上げ用石英ルツボ。
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