JP2015127287A - 石英ガラスルツボ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下での変形が抑制された石英ガラスルツボ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】石英ガラスルツボ1は、上端に開口部を有する円筒状の直胴部10aと、直胴部10aの下端に形成されたコーナー部10cと、コーナー部10cを介して直胴部10aに接続された底部10bとを有している。また、石英ガラスルツボ1は、ルツボの外層を構成する気泡を内包する不透明層11と、ルツボの内層を構成する気泡が除去された透明層12とを備えている。不透明層11は、外表面Soから内表面Siに向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、石英ガラスルツボ及びその製造方法に関し、特に、シリコン単結晶引き上げ用石英ガラスルツボ及びその製造方法に関する。
チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の製造では石英ガラスルツボが用いられている。CZ法では、シリコン原料を石英ガラスルツボに入れて加熱溶融し、このシリコン融液に種結晶を浸漬し、ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引き上げて単結晶を成長させる。半導体デバイス用の高品質なシリコン単結晶を低コストで製造するためには、一回の引き上げ工程での単結晶収率を高めることが必要であり、そのためには長時間の操業中に変形することのない形状が安定したルツボが必要となる。
ルツボの変形では、ルツボの直胴部がシリコン融液側に倒れ込む、いわゆる内倒れが特に問題となる。シリコン融液の液面近くのインゴットの周囲には、いわゆるホットゾーンと呼ばれる熱遮蔽板が設けられているが、ルツボの直胴部が内倒れした場合、この内倒れした部分が熱遮蔽板に接触してしまうおそれがある。単結晶引き上げ中においてルツボは回転しているので、ルツボの直胴部は回転しながら熱遮蔽板に接触することになり、ルツボのさらなる変形、熱遮蔽板の破損、ルツボ片がシリコン融液に混入することによる製造歩留まりの低下等の不具合が発生する。
高温下でのルツボの変形を防止するため、ルツボ外層のAl濃度を高めて高粘性にする方法が知られている(特許文献1参照)。また、ルツボの直胴部の向きを外開きにして内倒れを防止する方法も知られている(特許文献2参照)。さらに、ルツボの外層部の気泡のサイズを従来よりも大きく且つ高密度とすることで、シリコン原料を溶融する際にルツボの肉厚を大きく膨張させて機械的強度を増大させる方法も知られている(特許文献3参照)。
特開2000−247778号公報 国際公開第2009/099084号パンフレット 特開2007−8746号公報
しかしながら、Alはシリコン単結晶に対する不純物であり、Al濃度を高めるにしてもおのずと限界があり、ルツボの変形を十分に抑制することはできない。また、外開き構造のルツボは内倒れこそ抑制できるものの、ルツボ底部とサセプタとの密着性が十分でなく座屈や沈み込みが発生しやすい。
したがって、本発明の目的は、高温下での変形を抑制することが可能な石英ガラスルツボ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による石英ガラスルツボは、上端に開口部を有する円筒状の直胴部と、前記直胴部の下端に形成されたコーナー部と、前記コーナー部を介して前記直胴部に接続された底部とを有する石英ガラスルツボであって、ルツボの外表面側に設けられた気泡を内包する不透明層と、ルツボの内表面側に設けられた気泡が除去された透明層とを備え、少なくとも前記直胴部における前記不透明層は、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有することを特徴とする。
本発明によれば、不透明層内の気泡のサイズが外側から内側に向かって徐々に小さくなることから、優れた靭性を持たせることができ、高温下での内倒れ等の変形を抑制することができる。
本発明において、前記直胴部及び前記コーナー部における前記不透明層が、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有することが好ましい。この構成によれば、ルツボの変形をさらに抑制することができる。
本発明において、前記不透明層の厚さ方向の中点よりも前記外表面側に位置する外側領域内における気泡の平均直径は0.3〜0.5mmであり、前記中点よりも前記内表面側に位置する内側領域内における気泡の平均直径は0.1〜0.3mmであって前記外側領域内における気泡の平均直径よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、外表面から内表面までの厚さ方向にかけて適切なサイズの気泡分布させることができる。したがって、高温加熱時のルツボの変形を抑制することができる。
また、本発明による石英ガラスルツボの製造方法は、上端に開口部を有する円筒状の直胴部と、前記直胴部の下端に形成されたコーナー部と、前記コーナー部を介して前記直胴部に接続された底部とを有する石英ガラスルツボの製造方法であって、前記石英ガラスルツボの外形に合わせた形状を有するモールドを回転させながらその内表面に石英粉を堆積させる工程と、前記石英粉の堆積層をアーク溶融によりガラス化するとともに、前記モールドに設けられた通気孔から脱気することにより、ルツボの外表面側に設けられた気泡を内包する不透明層と、ルツボの内表面側に設けられた気泡が除去された透明層とを有する石英ガラスルツボを形成する工程とを備え、前記石英粉を堆積させる工程は、前記モールドの表面に第1の平均粒径を有する第1の天然石英粉を堆積させる工程と、前記第1の天然石英粉の堆積層の表面に前記第1の平均粒径よりも小さい第2の平均粒径を有する第2の天然石英粉を堆積させる工程と、前記第2の天然石英粉の堆積層の表面に前記第2の平均粒径よりも小さい第3の平均粒径を有する第3の天然石英粉を堆積させる工程を含み、前記不透明層は、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有することを特徴とする。
本発明によれば、不透明層内の気泡の平均直径がルツボの外表面から内表面に向かって徐々に小さくなる気泡分布を有し、これにより優れた靭性を持った石英ガラスルツボを製造することができる。
本発明において、前記第1の平均粒径は200〜400μmであり、前記第2の平均粒径は100〜200μmであり、前記第3の平均粒径は50〜150μmであることが好ましい。各石英粉の粒径がこのような数値範囲内にある場合には、気泡の平均直径がルツボの外表面から内表面に向かって徐々に小さくなる気泡分布を有する石英ガラスルツボの製造歩留まりを高めることができる。
本発明によれば、不透明層の厚さ方向に対する気泡の直径分布に勾配を持たせているので、高温時の変形を抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による石英ガラスルツボの構造を示す略側面断面図である。 図2は、石英ガラスルツボ1の製造方法について説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による石英ガラスルツボの構造を示す略側面断面図であり、(a)はルツボ全体の構成図、(b)は(a)におけるB部の部分拡大図である。
図1(a)に示すように、本実施形態による石英ガラスルツボ1は、上端に開口部10dを有する円筒状の直胴部10aと、直胴部10aの下端に形成された底部10bとを有している。直胴部10aと底部10bとの間にはコーナー部10cが設けられている。
直胴部10aはコーナー部10cの上端から真っ直ぐ上方に延びているが、完全に垂直でなくてもよく、上方に向かって徐々に広がるように傾斜した外開き形状であってもよい。また、直胴部10aは直線的であってもよく、緩やかに湾曲していてもよい。底部10bは湾曲面からなる丸底であるが、平坦面からなる平底であってもよい。直胴部10aと底部10bとを連結するコーナー部10cの曲率(第2の曲率)は、底部10bの曲率(第1の曲率)よりも大きい。
開口部10dの直径(口径)は32インチ(約800mm)以上であることが好ましい。このような大口径のルツボは直径300mm以上の大口径シリコン単結晶インゴットの引き上げに用いられ、長時間の引き上げ工程中に変形しにくいことが強く求められるからである。ルツボの肉厚Hは10mm以上であることが好ましく、13mm以上であることがより好ましい。通常、口径32インチ(約800mm)以上の大型ルツボの肉厚Hは10mm以上、40インチ(約1000mm)以上の大型ルツボの肉厚Hは13mm以上であり、これらの大型で大容量のルツボにはシリコン融液の圧力によって変形することがない十分な厚さが必要だからである。
石英ガラスルツボ1は二層構造であって、外層を構成する不透明層11と、内層を構成する透明層12とを備えている。不透明層11及び透明層12は共にルツボの直胴部10aから底部10bにわたるルツボ全体に設けられている。
不透明層11は、多数の微小な気泡を内包することにより白濁して見える石英ガラス層である。不透明層11は、シリコン単結晶の引き上げ時においてルツボの外周に配置されたヒータからの熱をルツボ内のシリコン融液に均一に伝達する役割を果たす。不透明層11は、透明層12に比べて熱容量が大きいことから、シリコン融液の温度を安定的に制御することができる。
不透明層11の気泡含有率は透明層12の気泡含有率よりも大きく、その機能を発揮できる限りにおいて特に限定されないが、0.1%よりも大きく5.0%以下であることが好ましい。不透明層11の気泡含有率が0.1%以下では不透明層11の機能を発揮できず、保温性が不十分となるからである。また、不透明層11の気泡含有率が5.0%を超える場合には気泡の膨張に起因してルツボが変形する可能性が高く、単結晶化率が低下するおそれがあるからであり、さらに伝熱性が不十分となるからである。不透明層11の気泡含有率は、1.0%以上4.0%以下であることが特に好ましい。1.0%以上4.0%以下であれば、ルツボの変形をさらに防止することができ、また伝熱性をさらに高めることができる。
なお石英ガラスの気泡含有率は、比重測定により求めることができる。ルツボから単位体積(1cm)の石英ガラス片を切り出し、その質量をAとし、気泡を含まない石英ガラスの比重B=2.21g/cmとするとき、気泡含有率P(%)は、P=(1−A/B)×100となる。
不透明層11は天然石英からなることが好ましい。天然石英とは、天然水晶、ケイ石等の天然質原料を意味する。一般に天然石英は合成石英に比べて金属不純物の濃度が高く、OH基の濃度が低い。例えば、天然石英に含まれるAlの含有量は1ppm以上、アルカリ金属(Na,K及びLi)の含有量はそれぞれ0.05ppm以上、OH基の含有量は60ppm未満である。なお天然石英か否かは複数の要素から総合的に判断することができる。天然石英は合成石英に比べて高温における粘性が高いことから、ルツボ全体の耐熱強度を高めることができる。また天然石英は合成石英に比べて安価であり、コスト面でも有利である。
透明層12は、一見して透明に見える程度まで気泡が除去された石英ガラス層である。透明層12によれば、ルツボ内表面からの石英小片の剥離を防止することができ、シリコン単結晶収率を高めることができる。透明層12は、少なくとも気泡が原因で単結晶収率が低下しない程度の気泡含有率及び気泡サイズであればよく、特に限定されるものではないが、気泡含有率が0.1%以下であり、気泡の平均直径が100μm以下であることをいう。
不透明層11から透明層12への気泡含有率の変化は比較的急峻であり、透明層12の気泡含有率が増加し始めた位置からルツボの外表面側に向かって数十μm程度進んだところでほぼ不透明層11の気泡含有率に達する。したがって、肉眼では不透明層11と透明層12との境界は明確である。
透明層12は合成石英からなることが好ましい。合成石英とは、例えばケイ素アルコキシドの加水分解により合成されたシリカ原料を意味する。一般に合成石英は天然石英に比べて金属不純物の濃度が低く、OH基の濃度が高い。例えば、合成石英に含まれる各金属不純物の含有量は0.05ppm未満であり、OH基の含有量は30ppm以上である。ただし、Al等の金属不純物が添加された合成石英も知られていることから、合成石英か否かを一つの要素から判断することは難しいが、複数の要素から総合的に判断することができる。このように、合成石英は天然石英と比べて不純物が少ないことから、ルツボからシリコン融液中へ溶出する不純物の増加を防止することができ、シリコン単結晶化率を高めることができる。
透明層12の厚さHは0.5mm以上であることが好ましい。透明層12が0.5mmよりも薄い場合には、シリコン単結晶の引き上げ中に透明層12が溶損して不透明層11が露出するおそれがあるからである。不透明層11の厚さHは、ルツボの肉厚Hから透明層12の厚さHを差し引いた値であるため、ルツボの肉厚Hが一定であるとき透明層12を厚くすれば不透明層11は薄くなり、透明層12を薄くすれば不透明層11は厚くなる。
図1(b)に示すように、不透明層11中の気泡の平均直径は、ルツボの外表面Soから内表面Siに向かって徐々に小さくなる分布を有している。不透明層11をその厚さ方向の中点よりも外表面So側の領域(外側領域)11aと内表面Si側の領域(内側領域)11bとに分けるとき、外側領域11a内の気泡の平均直径は0.3〜0.5mmであり、内側領域11b内の気泡の平均直径は0.1〜0.3mmであることが好ましい。このような気泡分布によれば、ルツボの外表面Soから内表面Siまでの肉厚方向の適切な位置に適切なサイズの気泡を内包させることができ、これにより高温加熱時のルツボの変形を抑制することができる。
不透明層11中の気泡の平均直径の分布は、ルツボの外表面Soから内表面Siに向かって徐々に小さくなることが好ましい。気泡の平均直径がある位置で急激に変わる場合、その位置で亀裂が発生しやすく、ルツボが変形する可能性が高い。しかし、平均直径が徐々に変化させて気泡の熱膨張の不均一性をできるだけ抑えることにより、そのような不具合を抑えることができる。
上記のような不透明層11中の気泡分布は、直胴部10aから底部10bまでのルツボ全体に対して適用されていてもよいが、直胴部10aとコーナー部10cに適用されていることが好ましく、直胴部10aだけに適用されていてもよい。すなわち、ルツボの底部10bにおいては気泡の平均直径が不透明層11の厚さ方向に対してほぼ均一に分布していてもよい。少なくともルツボの直胴部10aに対して上記のような不透明層11の気泡の直径分布が適用されていれば、高温加熱時のルツボの変形を抑制することが可能である。
上記のような不透明層11中の気泡の直径分布は、その製造時に用いる石英粉の平均粒径を調整することにより実現することができる。すなわち、気泡の平均直径を大きくしたい外側領域には平均粒径が大きな石英粉を用い、気泡の平均粒径を小さくしたい内側領域では平均粒径が小さな石英粉を用いる。このように平均粒径が異なる複数種類の石英粉をモールド内に堆積させた後、これをアーク溶融すると共に、ルツボの外表面側から吸引して脱気することにより、気泡の直径分布がその厚さ方向に勾配をもつ不透明層と、気泡が除去された透明層とを有する石英ガラスルツボが完成する。こうして製造されたルツボは上記のように高温下でも靱性が高いので、ルツボの内倒れを抑制することができる。
図2は、石英ガラスルツボ1の製造方法について説明するための模式図である。
本実施形態による石英ガラスルツボ1は回転モールド法によって製造することができる。回転モールド法では、一定速度で回転しているグラファイトモールド21の内表面に石英粉20を所定の厚さにて堆積させる。モールド21は回転しているので、モールド21内に充填された石英粉20は遠心力によって内壁面に張り付いたまま一定の位置に留まり、その形状が維持される。
石英粉20としては、平均粒径が異なる2種類の天然石英粉20a,20bと合成石英粉20cからなる3種類の石英粉を用いることが好ましい。すなわち、まず平均粒径が相対的に大きな天然石英粉(第1の天然石英粉)20aをモールド21の内表面に所定の厚さにて堆積させ、次いで第1の天然石英粉20aの堆積層の内表面に平均粒径が相対的に小さな天然石英粉(第2の天然石英粉)20bを所定の厚さにて堆積させる。さらに、第2の天然石英粉20bの堆積層の内表面に合成石英粉20cを所定の厚さにて堆積させる。
ここで、第1の天然石英粉20aの平均粒径は200〜400μmであることが好ましく、第2の天然石英粉20bの平均粒径は100〜200μmであることが好ましく、合成石英粉20cの平均粒径は50〜150μmであることが好ましい。また、石英粉20の堆積層全体に対する合成石英粉20cの堆積層の厚さの比は0.1〜0.2であることが好ましく、第1の天然石英粉20aの堆積層と第2の天然石英粉20bの堆積層の厚さの比は6:4から4:6までの範囲内であることが好ましい。したがって、例えば平均粒径が400μmの第1の天然石英粉20aを5mm堆積し、平均粒径が200μmの第2の天然石英粉20bを5mm堆積し、平均粒径が100μmの合成石英粉20cを2mm堆積すればよい。
不透明層11中の気泡の直径分布の勾配をルツボの直胴部10aだけに適用する場合には、直胴部10aの全体と直胴部10aに連結するコーナー部10cの一部に対してのみ3種類の石英粉を用い、残りのコーナー部10cと底部10bに対しては第1及び第2の天然石英粉20a,20bのどちらか一方と合成石英粉20cからなる2種類の石英粉を用いればよい。
その後、モールド21内にアーク電極22を設置し、石英粉20の堆積層の内側からアーク放電を行い、石英粉を1700℃以上に加熱してアーク溶融する(ステップS13)。加熱時間、加熱温度等の具体的条件は原料やルツボのサイズなどの条件を考慮して適宜定められる。
また、この加熱と同時にモールド21側から減圧し、モールド21に設けた通気孔23を通じて溶融石英内の気体を外側に吸引し、通気孔23を通じて外部に排出することにより、ルツボ内表面近傍の気泡を部分的に除去し、実質的に気泡のない透明層12を形成する。その後、すべての通気孔23の吸引力を弱め(又は停止し)、さらに加熱を続けて気泡を残留させることにより、多数の微小な気泡を含む不透明層11を形成する。以上により、多数の気泡を含む天然石英ガラスからなる不透明層11と、気泡が除去された合成石英ガラスからなる透明層12とを有する石英ガラスルツボ1が完成する。
以上説明したように、本実施形態による石英ガラスルツボの製造方法は、平均粒径が異なる3種類の石英粉を用いて石英ガラスルツボを回転モールド法により製造するので、不透明層11中の気泡の直径分布に勾配を持たせることができる。したがって、シリコン単結晶引き上げ中の高温下において変形しにくい石英ガラスルツボを製造することができる。
1 石英ガラスルツボ
10a 直胴部
10b 底部
10c コーナー部
10d 開口部
11 不透明層
11a 不透明層の外側領域
11b 不透明層の内側領域
12 透明層
20 石英粉
20a 第1の天然石英粉
20b 第2の天然石英粉
20c 合成石英粉
21 モールド
22 アーク電極
23 通気孔
Si ルツボの内表面
So ルツボの外表面

Claims (5)

  1. 上端に開口部を有する円筒状の直胴部と、前記直胴部の下端に形成されたコーナー部と、前記コーナー部を介して前記直胴部に接続された底部とを有する石英ガラスルツボであって、
    ルツボの外表面側に設けられた気泡を内包する不透明層と、ルツボの内表面側に設けられた気泡が除去された透明層とを備え、
    少なくとも前記直胴部における前記不透明層は、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有することを特徴とする石英ガラスルツボ。
  2. 前記直胴部及び前記コーナー部における前記不透明層が、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有する、請求項1に記載の石英ガラスルツボ。
  3. 前記不透明層の厚さ方向の中点よりも前記外表面側に位置する外側領域内における気泡の平均直径は0.3〜0.5mmであり、前記中点よりも前記内表面側に位置する内側領域内における気泡の平均直径は0.1〜0.3mmであって前記外側領域内における気泡の平均直径よりも小さい、請求項1又は2に記載の石英ガラスルツボ。
  4. 上端に開口部を有する円筒状の直胴部と、前記直胴部の下端に形成されたコーナー部と、前記コーナー部を介して前記直胴部に接続された底部とを有する石英ガラスルツボの製造方法であって、
    前記石英ガラスルツボの外形に合わせた形状を有するモールドを回転させながらその内表面に石英粉を堆積させる工程と、
    前記石英粉の堆積層をアーク溶融によりガラス化するとともに、前記モールドに設けられた通気孔から脱気することにより、ルツボの外表面側に設けられた気泡を内包する不透明層と、ルツボの内表面側に設けられた気泡が除去された透明層とを有する石英ガラスルツボを形成する工程とを備え、
    前記石英粉を堆積させる工程は、
    前記モールドの表面に第1の平均粒径を有する第1の天然石英粉を堆積させる工程と、前記第1の天然石英粉の堆積層の表面に前記第1の平均粒径よりも小さい第2の平均粒径を有する第2の天然石英粉を堆積させる工程と、前記第2の天然石英粉の堆積層の表面に前記第2の平均粒径よりも小さい第3の平均粒径を有する第3の天然石英粉を堆積させる工程を含み、
    前記不透明層は、前記外表面から前記内表面に向かって気泡の平均直径が徐々に小さくなる気泡分布を有することを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
  5. 前記第1の平均粒径は200〜400μmであり、前記第2の平均粒径は100〜200μmであり、前記第3の平均粒径は50〜150μmである、請求項4に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
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