JP3713565B2 - 金属の精製装置 - Google Patents

金属の精製装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3713565B2
JP3713565B2 JP19987895A JP19987895A JP3713565B2 JP 3713565 B2 JP3713565 B2 JP 3713565B2 JP 19987895 A JP19987895 A JP 19987895A JP 19987895 A JP19987895 A JP 19987895A JP 3713565 B2 JP3713565 B2 JP 3713565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling fluid
cooling
hollow
metal
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19987895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0948608A (ja
Inventor
良達 大塚
進 張
孝司 富田
徹 布居
智弘 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Sharp Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK, Sharp Corp filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP19987895A priority Critical patent/JP3713565B2/ja
Priority to DE69616686T priority patent/DE69616686T2/de
Priority to EP96112391A priority patent/EP0757013B1/en
Priority to NO19963234A priority patent/NO315268B1/no
Priority to US08/691,320 priority patent/US5736096A/en
Priority to KR1019960032492A priority patent/KR100419489B1/ko
Publication of JPH0948608A publication Critical patent/JPH0948608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3713565B2 publication Critical patent/JP3713565B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、偏析凝固の原理を利用し、共晶不純物を含むアルミニウム、ケイ素等の金属を精製してより高純度の金属を製造する精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
たとえばアルミニウムの精製装置として、るつぼと、垂直状中空回転軸と、中空回転軸の下端に固定状に設けられた中空回転冷却体と、中空回転軸内に配された冷却流体供給管と、回転冷却体内に配置されかつ冷却流体供給管に連通させられた中空筒状冷却流体吹出し部材とを備えており、冷却流体吹出し部材の周壁に多数の冷却流体吹出し口が形成されたものが知られている(特公平3−65415号公報参照)。上記公報には記載されていないが、このような精製装置は、上方に開口しかつ加熱手段を備えているとともにるつぼを収容する溶解炉、および中空回転軸を回転駆動する回転駆動手段を備えており、中空回転軸の上端部および冷却流体供給管の上端部がロータリジョイントに接続され、冷却流体供給管の上端部がロータリジョイントのボディに形成された冷却流体導入口に接続させられている。このロータリジョイントは、ボディに冷却流体導入口のみを有する、いわば単穴式である。中空回転軸の長さの中間部には隔壁が設けられ、冷却流体供給管は隔壁を気密状に貫通している。また、隔壁よりも下方において、中空回転軸の周壁に冷却流体送出口が形成されている。さらに、隔壁よりも下方において、中空回転軸の内周面と冷却流体供給管の外周面との間の部分が冷却流体通路となされている。そして、るつぼ内に入れられた溶融金属中に中空回転冷却体を浸漬し、回転駆動手段により中空回転軸を回転させることによって中空回転冷却体を回転させるとともに、冷却流体供給管により冷却流体吹出し部材内に冷却流体を供給し、冷却流体吹出し部材の冷却流体吹出し口から中空回転冷却体の周壁に向かって冷却流体を吹出しながら、中空回転冷却体の外周面により純度の高い金属を晶出させるようになっている。吹出し部材から吹出された冷却流体は、冷却流体通路を通って冷却流体送出口から大気中に放出される。
【0003】
しかしながら、このような精製装置では、溶解炉が上方に開口しているので、大気中のほこり等によりるつぼ内の溶融金属の汚染が発生し、高純度、たとえば99.9999wt%以上の純度の金属を得ることができないという問題があった。
【0004】
また、たとえばケイ素の精製装置として、加熱手段を備えた密閉状溶解炉、溶解炉内に配置された溶融ケイ素保持るつぼ、溶解炉の頂壁を貫通して配された垂直状中空回転軸、中空回転軸の下端に一体に設けられた中空回転冷却体、および中空回転軸内に配されかつ下部が中空回転冷却体内に位置している冷却流体供給管を備えており、冷却流体供給管における中空回転冷却体内に存在する部分の周壁に多数の冷却流体吹出し口が形成されたものが知られている(特開昭63−45112号公報参照)。上記公報には記載されていないが、このような精製装置は、中空回転軸を回転駆動する回転駆動手段を備えており、中空回転軸の上端部および冷却流体供給管の上端部がロータリジョイントに接続され、冷却流体供給管の上端部がロータリジョイントのボディに形成された冷却流体導入口に接続させられている。このロータリジョイントは、ボディに冷却流体導入口のみを有する、いわば単穴式である。中空回転軸の長さの中間部には隔壁が設けられ、冷却流体供給管は隔壁を気密状に貫通している。また、隔壁よりも下方において、中空回転軸の周壁に冷却流体送出口が形成されている。さらに、隔壁よりも下方において、中空回転軸の内周面と冷却流体供給管の外周面との間の部分が冷却流体通路となされている。そして、溶解炉内をケイ素の酸化を防止するために不活性ガス雰囲気または真空雰囲気とし、るつぼ内に入れられた溶融ケイ素中に中空回転冷却体を浸漬し、回転駆動手段により中空回転軸を介して中空回転冷却体を回転させるとともに、冷却流体供給管の冷却流体吹出し口から中空回転冷却体内に冷却流体を吹出しながら、その外周面により純度の高いケイ素を晶出させるようになっている。冷却流体供給管の冷却流体吹出し口から中空回転冷却体内に吹出された冷却流体は、冷却流体通路を通って上方に流れ、冷却流体送出口から大気中に放出される。
【0005】
ところで、特開昭63−45112号公報には、溶解炉の頂壁と中空回転軸の外周面との間のシール装置について何ら開示されていないが、このような部分には、コストの面からもオイルシールとして公知の合成ゴムを使用したパッキンを用いることが一般的であると考えられる。しかしながら、この場合次のような問題がある。すなわち、冷却流体供給管の吹出し口から中空回転冷却体内に吹出された冷却流体は、るつぼ内の溶融ケイ素の有する熱により200℃を越える温度まで加熱され、このように高温に加熱された冷却流体が、冷却流体通路を上方に流れる。したがって、溶解炉の頂壁と中空回転軸の外周面との間に設けられたパッキンが、高温の冷却流体の有する熱により加熱されて損傷し、短期間でシール機能を失うという問題がある。
【0006】
この発明の目的は、上記問題を一挙に解決した金属の精製装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による金属の精製装置は、溶融金属が入れられるるつぼが溶解炉内に配置され、前記溶解炉の頂壁に垂直状中空回転軸が貫通させられ、前記中空回転軸の下端に、前記溶融金属中に浸漬される中空回転冷却体が設けられており、前記中空回転冷却体を回転させるとともに、その内部に冷却流体を供給しながら、前記中空回転冷却体の外周面に金属を晶出させる金属の精製装置であって、
前記中空回転軸内に、下端が前記中空回転冷却体内に位置する冷却流体排出管が配置され、前記中空回転軸の内周面と前記冷却流体排出管の外周面との間の部分が冷却流体通路となされ、前記冷却流体排出管の下部における前記中空回転冷却体内に存在する部分に拡開部が形成されており、これにより前記中空回転冷却体の周壁と前記拡開部の外周面との間の部分の横断面積が、前記冷却流体通路の横断面積よりも小さくなっているとともに、前記中空回転冷却体の周壁と前記拡開部の外周面との間の部分を通過する冷却流体の流速が増すようになされているものである。
【0008】
請求項2の発明による金属の精製装置は、請求項1の発明において、前記冷却流体通路の上端部および前記冷却流体排出管の管路が、それぞれロータリジョイントのボディに形成された冷却流体導入口および同送出口に連通させられているものである。
請求項3の発明による金属の精製装置は、請求項1または2の発明において、前記ロータリジョイントが、上端が閉鎖されるとともに下端が開口した筒状ボディと、前記ボディ内に回転自在に支持された回転管とを備えており、前記回転管の上端が前記ボディの上端閉鎖壁の下面よりも下方に位置するとともに、同下端が前記ボディよりも下方に突出しており、前記ボディの周壁における前記回転管よりも上方の部分に前記冷却流体導入口が形成され、前記ボディの上端閉鎖壁に前記冷却流体送出口が形成され、
前記中空回転軸の上端部が前記回転管の下端部に接続されるとともに、前記冷却流体排出管の上端部が前記冷却流体送出口に接続されているものである。
上記の金属の精製装置によれば、ロータリジョイントの冷却流体導入口から冷却流体通路内に送り込まれた冷却流体は、中空回転軸内部における冷却流体通路を通って下方に流れ、回転冷却体内に至ってその外周面を冷却する。ついで、るつぼ内に保持されているるつぼ内の溶融金属の有する熱により加熱された冷却流体は、冷却流体排出管の下端開口からその内部に入り、冷却流体排出管内を上方に流れ、ロータリジョイントの冷却流体送出口を通って外部に送出される。したがって、中空回転軸の外周面と頂壁における回転軸貫通部の周囲の部分との間に設けられたパッキンは、高温に加熱された冷却流体の有する熱の影響を受けない。
【0009】
また、冷却流体排出管の下部における中空回転冷却体内に存在する部分に拡開部が形成されていると、中空回転冷却体内に入った冷却流体が流れる部分の断面積が小さくなるので、この部分での冷却流体の流速が大きくなる。
【0010】
上記金属の精製装置において、ロータリジョイントが、上端が閉鎖されるとともに下端が開口した筒状ボディと、ボディ内に回転自在に支持された回転管とを備えており、回転管の上端がボディの上端閉鎖壁の下面よりも下方に位置するとともに、同下端がボディよりも下方に突出しており、ボディの周壁における回転管よりも上方の部分に冷却流体導入口が形成され、ボディの上端閉鎖壁に冷却流体送出口が形成され、中空回転軸の上端部が回転管の下端部に接続されるとともに、冷却流体排出管の上端部が冷却流体送出口に接続されていることがある。
【0011】
請求項4の発明による金属の精製方法は、請求項1〜3のうちのいずれかに記載された装置を用いた金属の精製方法であって、
るつぼ内に入れられた溶融粗製金属内に中空回転冷却体を浸漬し、冷却流体を冷却流体通路に送り込んで中空回転冷却体の内部に供給しながら、中空回転軸を介して中空回転冷却体を回転させ、これにより中空回転冷却体の外周面に高純度の精製金属を晶出させ、中空回転冷却体内に供給されてその外周面を冷却した冷却流体を、冷却流体排出管を通して排出することを特徴とするものである。
請求項5の発明による金属は、請求項4記載の方法により精製されたものである。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施形態は、この発明による精製装置を、粗製ケイ素を精製して純度が99.9wt%以上の高純度ケイ素を製造する方法に適用したものである。
【0013】
図1はこの発明による金属の精製装置の全体構成を示し、図2および図3はその要部の構成を示す。
【0014】
図1〜図3において、金属の精製装置は、密閉状溶解炉(1) と、溶解炉(1) 内に配置された溶融ケイ素保持るつぼ(2) と、溶解炉(1) の頂壁(1a)を貫通して配された垂直状中空回転軸(3) と、中空回転軸(3) の下端に、固定状にかつ内部空間が中空回転軸(3) の内部空間と連通するように設けられた中空回転冷却体(4) とを備えている。
【0015】
溶解炉(1) は耐火物により形成されている。溶解炉(1) の周壁(1b)内周面に沿ってヒータ(5) (加熱手段)が配置されている。溶解炉(1) の頂壁(1a)の中央部には貫通穴(6) が形成されている。また、溶解炉(1) の頂壁(1a)には、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを溶解炉(1) 内に供給する不活性ガス供給管(7) 、および溶解炉(1) 内を真空引きする真空排気管(30)が、それぞれ貫通状に取付けられている。
【0016】
溶融ケイ素保持るつぼ(2) は、黒鉛またはアルミナのようなケイ素とほとんど反応せず、溶融ケイ素を汚染しない物質により形成されている。るつぼ(2) は、溶解炉(1) の底壁(1c)上に置かれた耐火物からなる載置台(8) 上に載せられている。
【0017】
中空回転軸(3) は、たとえば黒鉛により形成されている。中空回転軸(3) は、頂壁(1a)に形成された貫通穴(6) に通されている。中空回転軸(3) の外周面と貫通穴(6) の内周面との間は、たとえばオイルシールとして用いられる合成ゴムを用いたパッキン(9) により密封されている。中空回転軸(3) の下端部に下拡がり状のテーパ部(3a)が形成され、テーパ部(3a)よりも下方の部分におねじ部(3b)が形成されている。また、中空回転軸(3) は、溶解炉(1) の上方において、固定部(10)に対して上下動自在に設けられた保持部材(11)に、図示しない軸受を介して回転自在に支持されている。そして、中空回転軸(3) は回転駆動手段(12)により回転させられるようになっている。回転駆動手段(12)は、保持部材(11)に上向きに取付けられた電動機(13)と、電動機(13)の軸(13a) の周囲に固定されたベルト車(14)と、中空回転軸(3) の周囲に固定されたベルト車(15)と、両ベルト車(14)(15)に掛け渡されたベルト(16)とよりなる。
【0018】
中空回転冷却体(4) は、有底でかつ下方に向かって狭くなったテーパ筒状である。中空回転冷却体(4) は、溶融ケイ素と反応することによりこれを汚染することが少なく、かつ熱伝導性のよい材料、たとえばチッ化ケイ素や黒鉛等により形成されている。中空回転冷却体(4) の内周面の上部に段部を介して大径部が形成されており、この大径部にめねじ部(4a)が形成されている。そして、中空回転軸(3) のおねじ部(3b)が、中空回転冷却体(4) のめねじ部(4a)にねじ嵌められることにより、中空回転冷却体(4) が中空回転軸(3) に固定されている。なお、中空回転冷却体(4) の上端部の外径は、中空回転軸(3) のテーパ部(3a)の大端径と等しくなっており、中空回転軸(3) の下端面が中空回転冷却体(4) の段部上面に接しているとともに、中空回転冷却体(4) の上端面が中空回転軸(3) のテーパ部(3a)下端面に接している。
【0019】
中空回転軸(3) 内に、下端が中空回転冷却体(4) 内に位置するとともに、上端が中空回転軸(3) の上端よりも上方に突出した冷却流体排出管(17)が配置されている。中空回転軸(3) の内周面と冷却流体排出管(17)の外周面との間の部分が冷却流体通路(18)となされている。冷却流体排出管(17)の下端部における中空回転冷却体(4) 内に存在する部分に下狭まりテーパ状の拡開部(17a) が形成され、この部分において、中空回転冷却体(4) の周壁と拡開部(17a) の外周面との間の部分の横断面積が、冷却流体通路(18)の横断面積よりも小さくなっている。これは、中空回転冷却体(4) の外周面を冷却する冷却流体の流速を増し、乱流を起こすことにより冷却流体の伝熱効果を高め、中空回転冷却体(4) の外周面の冷却効果を高めるためである。中空回転冷却体(4) の周壁と拡開部(17a) の外周面との間隙の大きさは、5mm以下であれば、冷却流体の吹き込み流量を過大にすることなく、経済的に中空回転冷却体(4) の外周面に高純度ケイ素を晶出させうることが実験的に見出だされている。
【0020】
中空回転軸(3) の上端部および冷却流体排出管(17)の上端部はロータリジョイント(19)に接続されており、冷却流体通路(18)の上端部および冷却流体排出管(17)の管路は、それぞれロータリジョイント(19)のボディ(20)に形成された冷却流体導入口(21)および同送出口(22)に連通させられている。ロータリジョイント(19)は、上端が閉鎖されるとともに下端が開口した筒状ボディ(20)と、ボディ(20)内に軸受(23)により回転自在に支持された、たとえばステンレス鋼よりなる垂直状回転管(24)とを備えている。なお、図示は省略したが、ボディ(20)の内周面と回転管(24)の外周面との間は、たとえばベローズを用いたメカニカルシールのような運動面密封シール装置により密封されている。回転管(24)の上端はボディ(20)の上端閉鎖壁(20a) の下面よりも下方に位置するとともに、同下端がボディ(20)よりも下方に突出しており、回転管(24)のボディ(20)よりも下方に突出した部分の外周面におねじ部が形成され、このおねじ部が中空回転軸(3) の上端部内周面に形成されためねじ部にねじ嵌められることにより、中空回転軸(3) の上端部が回転管(24)の下端部に接続されている。ボディ(20)の周壁(20b) における回転管(24)よりも上方の部分に冷却流体導入口(21)が形成され、ボディ(20)の上端閉鎖壁(20a) に冷却流体送出口(22)が形成されている。このロータリジョイント(19)は、ボディ(20)に冷却流体導入口(21)および同送出口(22)を有する、いわば複穴式である。冷却流体排出管(17)の上端部は冷却流体送出口(22)に差し込まれている。ロータリジョイント(19)のボディ(20)の上端には、冷却流体送出口(22)に連通するエルボ(25)が取付けられている。図示は省略したが、ロータリジョイント(19)のボディ(20)の冷却流体導入口(21)に冷却流体導入管が接続され、エルボ(25)に冷却流体送出管が接続されている。
【0021】
このような精製装置を用いてのケイ素の精製は、次のようにして行われる。
【0022】
予めるつぼ(2) 内に、精製すべき粗製ケイ素を入れておき、真空排気管(30)により溶解炉(1) 内を真空引きした後、不活性ガス供給管(7) から溶解炉(1) 内に不活性ガスを供給して溶解炉(1) 内を不活性ガス雰囲気とする。こうすると、溶解炉(1) 内を完璧な不活性ガス雰囲気とすることができる。そして、ヒータにより粗製ケイ素を加熱し溶解させて溶融粗製ケイ素(S) とし、これを凝固温度を越えた温度に加熱保持しておく。溶融粗製ケイ素(S) は不活性ガス雰囲気下におかれる。溶融粗製ケイ素(S) は、別途溶解してからるつぼ(2) 内に入れてもよい。
【0023】
ついで、冷却流体導入管からロータリジョイント(19)のボディ(20)に形成された冷却流体導入口(21)、およびボディ(20)内を経て中空回転軸(3) の冷却流体通路(18)に冷却流体を送り込み、中空回転冷却体(4) の内部に冷却流体を供給しながら、回転駆動手段(12)により中空回転軸(3) を介して中空回転冷却体(4) を回転させ、偏析凝固の原理により中空回転冷却体(4) の外周面に高純度の精製ケイ素(S1)を晶出させる。このとき、中空回転冷却体(4) の回転により、凝固界面から液相中に排出された不純物を凝固界面から遠ざける液相全体に分散させながら凝固を進めることができる。したがって、平衡偏析係数に近い値の偏析係数で支配されて凝固が進行し、中空回転冷却体(4) の外周面に、短時間に高純度の精製ケイ素が晶出する。なお、中空回転冷却体(4) の回転時の周速は、500〜6000mm/sec、特に500〜4000mm/secであることが好ましい。下限値未満であれば、精製の効果が少なく、上限値を越えるとケイ素の固相が中空回転冷却体(4) の外周面に付着しにくくなるおそれがあるからである。
【0024】
上記において、冷却流体排出管(17)の下部における中空回転冷却体(4) 内に存在する部分に拡開部(17a) が形成されていると、中空回転冷却体(4) 内に入った冷却流体が流れる部分の横断面積が、冷却流体通路(18)の横断面積よりも小さくなるので、この部分での冷却流体の流速が大きくなる。したがって、中空回転冷却体(4) の外周面の冷却効率が向上する。回転冷却体(4) 内に至ってその外周面を冷却し、るつぼ(2) 内に保持されている溶融粗製ケイ素(S) の有する熱により加熱された冷却流体は、冷却流体排出管(17)の下端開口からその内部に入り、冷却流体排出管(17)内を上方に流れ、ロータリジョイント(19)のボディ(20)の冷却流体送出口(22)を通り、エルボ(25)を経て冷却流体送出管に送出される。したがって、中空回転軸(3) の外周面と溶解炉(1) の頂壁(1a)における貫通孔(6) の周囲の部分との間を密封するパッキン(9) は、高温に加熱された冷却流体の有する熱の影響を受けない。
【0025】
上記実施形態においては、溶解炉(1) 内が不活性ガス雰囲気となされているが、これに代えて、真空雰囲気としてもよい。この場合、溶解炉(1) の蓋に、不活性ガス供給管(7) の代わりに真空引き管を貫通状に固定しておき、適当な真空ポンプにより溶解炉(1) 内を真空引きして真空雰囲気とする。
【0026】
また、上記実施形態においては、この発明による精製装置が、ケイ素の精製に適用されているが、たとえば99.9999wt%の純度を有する超高純度アルミニウムを製造するためのアルミニウムの精製に適用することもできる。
【0027】
【発明の効果】
この発明の金属の精製装置によれば、上述のように、中空回転軸の外周面と溶解炉の頂壁における回転軸貫通部の周囲の部分との間を密封するパッキンは、高温に加熱された冷却流体の有する熱の影響を受けないので、パッキンの性能が長期間にわたって維持される。
【0028】
また、溶解炉が密閉状であるので、大気中のほこり等によるるつぼ内の溶融金属の汚染が防止される。
【0029】
さらに、冷却流体排出管の下部における中空回転冷却体内に存在する部分に拡開部が形成されていると、中空回転冷却体内に入った冷却流体が流れる部分の断面積が小さくなるので、この部分での冷却流体の流速が大きくなる。したがって、中空回転冷却体の外周面の冷却効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による金属の精製装置の全体構成を示す一部を切欠いた正面図である。
【図2】この発明による金属の精製装置の下部の構成を示す垂直断面図である。
【図3】この発明による金属の精製装置の上部の構成を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
(1) 溶解炉
(1a) 頂壁
(2) るつぼ
(3) 中空回転軸
(4) 中空回転冷却体
(9) パッキン
(12) 回転駆動手段
(17) 冷却流体排出管
(17a) 拡開部
(18) 冷却流体通路
(19) ロータリジョイント
(20) ボディ
(21) 冷却流体導入口
(22) 冷却流体送出口
(S) 溶融粗製ケイ素
(S1) 精製ケイ素

Claims (5)

  1. 溶融金属が入れられるるつぼが溶解炉内に配置され、前記溶解炉の頂壁に垂直状中空回転軸が貫通させられ、前記中空回転軸の下端に、前記溶融金属中に浸漬される中空回転冷却体が設けられており、前記中空回転冷却体を回転させるとともに、その内部に冷却流体を供給しながら、前記中空回転冷却体の外周面に金属を晶出させる金属の精製装置であって、
    前記中空回転軸内に、下端が前記中空回転冷却体内に位置する冷却流体排出管が配置され、前記中空回転軸の内周面と前記冷却流体排出管の外周面との間の部分が冷却流体通路となされ、前記冷却流体排出管の下部における前記中空回転冷却体内に存在する部分に拡開部が形成されており、これにより前記中空回転冷却体の周壁と前記拡開部の外周面との間の部分の横断面積が、前記冷却流体通路の横断面積よりも小さくなっているとともに、前記中空回転冷却体の周壁と前記拡開部の外周面との間の部分を通過する冷却流体の流速が増すようになされている金属の精製装置。
  2. 前記冷却流体通路の上端部および前記冷却流体排出管の管路が、それぞれロータリジョイントのボディに形成された冷却流体導入口および同送出口に連通させられている請求項1記載の金属の精製装置。
  3. 前記ロータリジョイントが、上端が閉鎖されるとともに下端が開口した筒状ボディと、前記ボディ内に回転自在に支持された回転管とを備えており、前記回転管の上端が前記ボディの上端閉鎖壁の下面よりも下方に位置するとともに、同下端が前記ボディよりも下方に突出しており、前記ボディの周壁における前記回転管よりも上方の部分に前記冷却流体導入口が形成され、前記ボディの上端閉鎖壁に前記冷却流体送出口が形成され、
    前記中空回転軸の上端部が前記回転管の下端部に接続されるとともに、前記冷却流体排出管の上端部が前記冷却流体送出口に接続されている請求項1または2記載の金属の精製装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれかに記載された装置を用いた金属の精製方法であって、
    るつぼ内に入れられた溶融粗製金属内に中空回転冷却体を浸漬し、冷却流体を冷却流体通路に送り込んで中空回転冷却体の内部に供給しながら、中空回転軸を介して中空回転冷却体を回転させ、これにより中空回転冷却体の外周面に高純度の精製金属を晶出させ、中空回転冷却体内に供給されてその外周面を冷却した冷却流体を、冷却流体排出管を通して排出することを特徴とする金属の精製方法。
  5. 請求項4記載の方法により精製された金属。
JP19987895A 1995-08-04 1995-08-04 金属の精製装置 Expired - Lifetime JP3713565B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19987895A JP3713565B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 金属の精製装置
DE69616686T DE69616686T2 (de) 1995-08-04 1996-07-31 Vorrichtung zum Reinigen von Metallen
EP96112391A EP0757013B1 (en) 1995-08-04 1996-07-31 Apparatus for purifying metal
NO19963234A NO315268B1 (no) 1995-08-04 1996-08-02 Anordning for rensing av metall
US08/691,320 US5736096A (en) 1995-08-04 1996-08-02 Apparatus for purifying metal
KR1019960032492A KR100419489B1 (ko) 1995-08-04 1996-08-03 금속의정제장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19987895A JP3713565B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 金属の精製装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0948608A JPH0948608A (ja) 1997-02-18
JP3713565B2 true JP3713565B2 (ja) 2005-11-09

Family

ID=16415125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19987895A Expired - Lifetime JP3713565B2 (ja) 1995-08-04 1995-08-04 金属の精製装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3713565B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5187819B2 (ja) * 2007-11-01 2013-04-24 シャープ株式会社 シリコン精製装置およびシリコン精製方法
JP5594953B2 (ja) * 2007-11-16 2014-09-24 昭和電工株式会社 冷却体、金属精製装置及び方法
JP5179674B1 (ja) * 2012-02-14 2013-04-10 シャープ株式会社 シリコン精製装置およびシリコン精製方法
CN115747515B (zh) * 2022-11-25 2023-07-14 宁波锦越新材料有限公司 一种高纯铝连续提纯设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0948608A (ja) 1997-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4747906A (en) Process and apparatus for purifying silicon
US2882570A (en) Continuous vacuum casting
KR100419489B1 (ko) 금속의정제장치
JP3713565B2 (ja) 金属の精製装置
JP3713564B2 (ja) 金属の精製装置
JP4187892B2 (ja) 金属の精製装置及び精製方法
JP2007326749A (ja) シリコン精製装置およびシリコン精製方法
JP4094785B2 (ja) 金属の精製装置
JP3809544B2 (ja) 金属の精製装置
JP4365480B2 (ja) 高純度シリコンの製造方法
JP2001107153A5 (ja)
JP3814697B2 (ja) 金属の精製装置
JP2000264776A (ja) シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法
JP2000351616A5 (ja)
JP3873177B2 (ja) 金属の精製装置およびこれを用いた金属の精製方法
JPH0432526A (ja) 電子材料用アルミニウム材の製造方法
JPH092892A (ja) 半導体単結晶引き上げ装置
JP2008100857A (ja) 金属の精製装置および金属の精製方法
KR900007075B1 (ko) 규소의 정제방법 및 장치
JPH11100620A (ja) 金属の精製装置
JPH10102158A (ja) アルミニウムの精製方法
JPH0365415B2 (ja)
JPH039171B2 (ja)
JPS6138912Y2 (ja)
JPH0217260B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130902

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term