JP2001107153A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 金属の精製装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 解炉内に配置されて溶融金属を保持する坩堝と、上記溶解炉壁を貫通して配された中空回転軸と、上記中空回転軸を回転させる回転駆動手段と、上記中空回転軸の下端に固定されて、上記中空回転軸の内部空間と内部空間が連通する中空回転冷却体とを備えて、上記坩堝内の溶融金属中に上記中空回転冷却体を浸漬して、上記回転駆動手段により上記中空回転冷却体を回転させると共に、上記中空回転冷却体の内部に冷却流体を供給して、上記中空回転冷却体の溶融金属中に位置する部分の外周面に、より純度の高い金属を晶出させる金属の精製装置において、
上記中空回転軸内に配置されて、下端部が中空回転冷却体内に位置して開口を有する一方、上端部が中空回転軸に固定された冷却流体排出管と、
上記中空回転軸の内周面と冷却流体排出管の外周面との間に形成されて、冷却流体を中空回転冷却体の内部に供給する冷却流体供給通路と、
上記中空回転軸の外周面に摺接するオイルシールによって密封されると共に、上記冷却流体供給通路と冷却流体導入管に連通する冷却流体導入部と、
上記冷却流体排出管の上端の開口に連通すると共に、冷却流体送出管に連通する冷却流体排出部と、
上記冷却流体排出部と上記オイルシールを嵌め込んだ嵌め込み部を覆う水冷機構と
を備えることを特徴とする金属の精製装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属シリコンやアルミニウム等の金属の精製装置に関し、より詳しくは、偏析凝固の原理を利用して、例えば、太陽電池等に用いられる高純度シリコンを得る金属の精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に使用されるシリコンは、含有するFe(鉄)やAl(アルミニウム)等の不純物は少ないほどよく、一般に、純度99.9999%以上という高純度が要求されている。
【0003】
従来、金属の精製装置としては、図4に示すようなものがある(特開平9−48608号公報)。この金属の精製装置は、不活性ガス雰囲気下で粗製溶融シリコンS中に中空回転冷却体4を浸漬し、この中空回転冷却体4の外周面27にシリコン6を晶出させることにより、純度99.9%以上の高純度シリコン6を得るようにしている。より詳しくは、この金属の精製装置は、溶解炉1、坩堝2、溶解炉1の頂壁1aを貫通して配置した中空回転軸3、この中空回転軸3の外周面と溶解炉1の頂壁1aにおける中空回転軸3の周囲の部分26との間を密封するパッキン9、および、中空回転軸3の下端に固定した中空回転冷却体4を備えている。そして、上記中空回転軸3内に、下端が中空回転冷却体4内に位置する冷却流体排出管17を配置して、中空回転軸3の内周面と冷却流体排出管17の外周面との間に冷却流体供給通路18を形成している。図4,5に示すように、上記中空回転軸3の上端部および冷却流体排出管17の上端部をロータリージョイント19に接続して、冷却流体供給通路18の上端部および冷却流体排出管17の内部を、ロータリージョイント19のボディ20に形成された冷却流体導入口21および冷却流体排出口22aに夫々連通させている。一方、図4に示すように、上記冷却流体排出管17の下部における中空回転冷却体4内に存在する部分に下狭まりテーパ状の拡開部17aを形成して、中空回転冷却体4の内周面を冷却流体で効果的に冷却するようにしている。
【0004】
また、特開平9―48607号公報には、特開平9−48608号公報の金属の精製装置と類似した金属の精製装置において、溶解炉1の頂壁1aを貫通して配された中空回転軸3の外周面と溶解炉1の頂壁1aにおける中空回転軸3の周囲の部分26との間を密封するパッキン9を長期間に渡って維持させる手段を開示している(なお、特開平9―48607号公報の金属の精製装置において、特開平9―48608号公報の金属の精製装置と同一構成部は図4,5を援用する。)。この金属の精製装置では、中空回転軸3内に、下端が冷却体4内に位置する冷却流体排出管17を配置している。上記中空回転軸3の下端に、中空回転冷却体4内に位置するように、有底筒状でかつ周壁に多数の冷却流体吹出口を形成した冷却流体吹出し部材(特開平9―48607号公報の図2を参照)を取り付けている。上記冷却流体排出管17の下端部を、吹出し部材の底壁に形成した貫通穴内に回転自在に嵌合して、中空回転軸3および吹出し部材の内周面と、冷却流体排出管17の外周面との間に冷却流体供給通路18を形成している。一方、上記冷却流体供給通路18の上端部および冷却流体排出管17の内部を、図5に示すように、ロータリージョイント19のボディ20に形成された冷却流体導入口21および冷却流体排出口22aに夫々連通させている。
【0005】
上記特開平9―48608号公報および特開平9―48607号公報に記載の金属の精製装置では、凝固温度を越えた状態で保持した溶融シリコンS中に中空回転冷却体4を浸漬し、この中空回転冷却体4中に冷却流体を送り込みながら、この中空回転冷却体4を回転駆動手段12により中空回転軸3を介して回転させると、偏析凝固の原理により、中空回転冷却体4の外周面27に元の粗製シリコンよりもはるかに高純度なシリコン6が晶出する。その理由は次の通りである。すなわち、シリコンと共晶反応を呈する共晶不純物を含むシリコンを溶解し、これを平衡凝固させると、まず高純度の初晶シリコンが晶出するが、そのときの固相の不純物濃度Csと液相の不純物濃度CLとの比(Cs/CL)は、平衡偏析係数Koで示される。シリコン中の各種不純物の平衡偏析係数は、既に実験的に求められている。このとき、凝固界面近傍には、排出された不純物によって、他の部分の不純物濃度よりも高濃度の不純物濃化層が形成される。そして、極めてゆっくりと時間をかけて、上記不純物濃化層中の不純物を液相全体に拡散させつつ凝固を進めれば、この凝固の進行も上記平衡偏析係数によって支配される。ところが、工業的生産性を考えれば、上述のように多くの時間をかけて凝固を進行させることはできず、より短時間で行なう必要がある。短時間で凝固を進行させれば、その凝固は上記平衡偏析係数よりも大きな値を取る実効偏析係数で支配されるので、その結果得られた固相は、平衡偏析係数で支配された凝固で得られた固相に比べて不純物濃度が高くなる。そこで、中空回転冷却体4を回転させながらその外周面27にシリコン6を晶出させると、凝固界面近傍に排出された不純物を液相全体に分散混合して液相中における凝固界面近傍の不純物濃化層の厚さを薄くし、その結果、上記不純物濃化層での温度勾配を大きくしながらシリコンSの凝固を進めることができるので、凝固時の偏析係数の値が平衡偏析係数の値に近づき、元の粗製シリコンSよりもはるかに高純度な精製シリコン6を得ることができるのである。上述のように、不純物濃化層での温度勾配が大きいほど高純度なシリコン6が得られるが、中空回転冷却体4と溶融シリコンSとの温度勾配を大きくするには、中空回転冷却体4の内壁を冷却させる冷却流体をさらに大量に流すことが必要となる。中空回転冷却体4の内壁を冷却した冷却流体は、坩堝2内に保持されている溶融シリコンSの有する熱により加熱されて、高温の冷却流体は、冷却流体排出管17の下端開口部17bからその内部に入り、冷却流体排出管17内を上方に流れて、ロータリージョイント19のボディ20の冷却流体送出口22を通り、エルボ25を経て冷却流体排出口22aより排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特開平9−48607号公報の金属の精製装置では、図5に示すように、中空回転軸3に固定した回転管24をロータリージョイント19の回転自在な内輪29に固定する一方、冷却流体排出管17の上端をロータリージョイント19の外輪23を支持するボディ20に固定していて、冷却流体排出管17に対して中空回転軸3が回転する構成になっている。このように、上記冷却流体排出管17は上端がボディ20に固定されているので、冷却流体排出管17の中心軸と中空回転軸3の回転中心とがずれていると、中空回転軸3に固定した図示しないフランジの中心に嵌合した黒鉛リングに大きな負荷がかかって、中空回転軸3が回転しないという問題があった(特開平9−48607号公報の図4参照)。
【0007】
また、上記従来の金属の精製装置では、冷却流体排出管17から排出される冷却流体は、溶融シリコンSの有する熱で加熱されていて、冷却流体排出口22aから排出されるときには、300〜350℃になっているため、このような高温の排気を直接大気中に放出するのは、環境上、好ましくなかった。また、このような金属の精製装置を屋内に設置した場合、高温の排気を屋外に排出する排気ダクトを熱排気用にしなければならなくて、設備コストが嵩むという問題があった。
【0008】
なお、本発明者は、冷却流体排出口22aより排出する高温の冷却流体を冷却するために、ロータリージョイント19のボディ20を覆う水冷機構の設置を試みたが、排出される冷却流体の冷却効果は殆どない上に、その水冷機構がロータリージョイントを取り囲むため寸法が大きくなるという問題があった。さらに、冷却流体排出口22aに熱交換器を接続して冷却流体の冷却を試みたが、熱交換器側の負荷が大き過ぎて冷却水が沸騰して、熱水が噴出す等の危険が伴った。
【0009】
そこで、この発明の目的は、中空回転軸が確実にかつスムーズに回転でき、かつ、排出される高温の冷却流体をコンパクトな構造で確実かつ効果的に冷却できる金属の精製装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を一挙に解決すべく、前述の金属の精製装置に改良を加えて鋭意検討した結果、下記の構成の如き発明を創出した。
【0011】
この発明の金属の精製装置は、
解炉内に配置されて溶融金属を保持する坩堝と、上記溶解炉壁を貫通して配された中空回転軸と、上記中空回転軸を回転させる回転駆動手段と、上記中空回転軸の下端に固定されて、上記中空回転軸の内部空間と内部空間が連通する中空回転冷却体とを備えて、上記坩堝内の溶融金属中に上記中空回転冷却体を浸漬して、上記回転駆動手段により上記中空回転冷却体を回転させると共に、上記中空回転冷却体の内部に冷却流体を供給して、上記中空回転冷却体の溶融金属中に位置する部分の外周面に、より純度の高い金属を晶出させる金属の精製装置において、
上記中空回転軸内に配置されて、下端部が中空回転冷却体内に位置して開口を有する一方、上端部が中空回転軸に固定された冷却流体排出管と、
上記中空回転軸の内周面と冷却流体排出管の外周面との間に形成されて、冷却流体を中空回転冷却体の内部に供給する冷却流体供給通路と、
上記中空回転軸の外周面に摺接するオイルシールによって密封されると共に、上記冷却流体供給通路と冷却流体導入管に連通する冷却流体導入部と、
上記冷却流体排出管の上端の開口に連通すると共に、冷却流体送出管に連通する冷却流体排出部と、
上記冷却流体排出部と上記オイルシールを嵌め込んだ嵌め込み部を覆う水冷機構と
を備えることを特徴としている。
【0012】
この発明の金属の精製装置によると、冷却流体排出管の上端部が中空回転軸に固定されていて、冷却流体排出管に対して中空回転軸が回転しないので、それらの芯合わせを考慮する必要がなくて、中空回転軸は冷却流体排出管と一体になってスムーズに回転する。
【0013】
また、上記中空回転軸の外周面に摺接するオイルシールによって密封されると共に、上記冷却流体供給通路と冷却流体導入管に連通する冷却流体導入部は、従来例の如きロータリージョイントに比べて、構造が簡易かつコンパクトである。このように冷却流体導入部を簡易かつコンパクトな構造にできるのは、冷却流体排出管が中空回転軸に固定されて一体に回転し、かつ、中空回転軸の外周面を、その外周面に摺接すると共に、嵌め込み部に嵌め込んだオイルシールで密封しているからである。
【0014】
また、従来例のロータリージョイント19の上端閉鎖壁20aに形成される冷却流体送出口22ではロータリージョイント19の寸法に拘束されて大きくできないのに対して、この発明の金属の精製装置の冷却流体排出部は、ロータリージョイントがないから大きな寸法に構成することができる。この大きな寸法に構成でき、かつ、内部に高温に加熱された冷却流体が流れる冷却流体排出部を水冷機構が覆っているから、高温の冷却流体を直接的にかつ効果的に冷却することができる。水冷機構が従来例のロータリージョイントを介して冷却流体を冷却する場合は、複雑なロータリージョイントおよび低温の冷却流体が流れる外側の冷却流体供給通路を介して、内側の冷却流体排出管内の高温の冷却流体を間接的に冷却することになるから、冷却効果が小さいのである。
【0015】
また、上記水冷機構が、オイルシールを嵌め込んだ嵌め込み部を覆っているから、オイルシールを効果的に冷却でき、オイルシールの耐久性を向上できる。また、上記オイルシールは、上記嵌め込み部に嵌め込まれて、冷却流体排出管と一体に回転する中空回転軸の外周面に摺接しているから、冷却流体導入部と中空回転軸を分離して、オイルシールのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】
この実施の形態の金属の精製装置の下部構造は、特開平9−48607号公報に記載のものと基本的に同じで、図1,2に示すように、密閉状の溶解炉1と、この溶解炉1内に配置されて溶融シリコンSを収容する坩堝2と、上記溶解炉1の頂壁1aの貫通穴26を貫通する垂直状の中空回転軸34と、この中空回転軸34の下端に固定されると共に内部空間が上記中空回転軸34の内部空間と連通する中空回転冷却体4とを備えている。
【0018】
上記溶解炉1は耐火物により形成し、その溶解炉1の頂壁1aには、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを溶解炉1内に供給する不活性ガス供給管7と、溶解炉1内を真空引きする真空排気管30とを夫々貫通させて取り付けている。また、上記溶解炉1の頂壁1aの貫通穴26と中空回転軸34の外周面との間は、例えば、オイルシールとして用いられている合成ゴムを用いたパッキン9により密封している。
【0019】
上記坩堝2は、石英、黒鉛あるいはアルミナのようなシリコンとの反応が少なくて、溶融シリコンSに対する汚染が少ない物質により形成している。上記坩堝2は、溶解炉1の底壁1c上に置かれた耐火物からなる坩堝台8上に載置している。上記坩堝2の外周面に沿って加熱手段の一例としてのヒーター5を配置している。
【0020】
上記中空回転軸34は、例えば、黒鉛により形成している。この中空回転軸34は、溶解炉1の上方において、固定部10に対して上下動自在な回転軸保持アーム11に、図示しない軸受けを介して回転自在に支持している。そして、上記中空回転軸34は回転駆動手段12により回転させるようにしている。上記回転駆動手段12は、回転軸保持アーム11に取り付けられたモーター13と、このモータ13の出力軸13aに固定したベルト車14と、中空回転軸34に固定したベルト車15と、このベルト車14,15に掛け渡したベルト16とから構成していて、中空回転軸34を所定の速度で回転させることができるようになっている。
【0021】
上記中空回転冷却体4は、図2に示すように、有底の筒状であり、熱伝導性が良く、しかも溶融シリコンSと反応しないで、これを汚染することの無い材料、たとえば窒化シリコンや黒鉛等により形成している。上記中空回転軸34の内部には、筒状の金属、セラミックスあるいは黒鉛から形成された冷却流体排出管37を配置して、この中空回転軸34の内周面と冷却流体排出管37の外周面との間に冷却流体供給通路38を形成している。さらに、上記冷却流体排出管37の下端外周に、逆円錐台筒状の冷却流体吹出し部材58の下端を連結する一方、上記冷却流体吹出し部材58の上端を中空回転軸34の下端の内周面に連結している。上記冷却流体排出管37の下端部の外周面と冷却流体吹出し部材58の内周面との間に導かれた冷却流体を、冷却流体吹出し部材58の周囲に設けた複数の吹出し口58aから中空回転冷却体4の内壁に向けて吹き付けて、中空回転冷却体4の内壁を冷却して、中空回転冷却体4の外周面27に高純度シリコン6を晶出させるようにしている。
【0022】
一方、上記金属の精製装置の上部構造は、図3に示すようになっている。すなわち、上記中空回転軸34の上端に、冷却流体排出管37の上端に形成したフランジを重ね合わせて、そのフランジと中空回転軸34とをボルト67で固定して、冷却流体排出管37に対して中空回転軸34が回転しないようにしている。こうすることによって、上記冷却流体排出管37と中空回転軸34が同心でなくても、中空回転軸34がスムーズに回転できるようにしている。また、上記中空回転軸34の上部の外周面に面する冷却流体導入部41を形成し、この冷却流体導入部41に例えば窒素ガス等の冷却流体を冷却流体導入管31から供給している。上記冷却流体導入部41内の冷却流体は、上記中空回転軸34の上部に設けた複数の冷却流体導入口40から冷却流体供給通路38に供給するようにしている。上記冷却流体導入部41は、嵌め込み部33に嵌め込まれて中空回転軸34の外周面に摺接するオイルシール36,36,36によって密封している。このオイルシール36は例えばフッ素ゴム(耐熱温度200℃)製である。
【0023】
一方、上記冷却流体排出管37の上方に、冷却流体排出部42を形成し、この冷却流体排出部42に、冷却流体排出管37の内部の冷却流体排出通路39から高温の冷却流体を排出するようにしている。上記冷却流体排出部42内の高温の冷却流体は後述するように冷却して、冷却流体送出管35を通して図示しない熱交換器に導いてさらに冷却するようにしている。上記冷却流体排出部42と、上記オイルシール36,36,36を嵌め込んだ嵌め込み部33,33を覆う水冷機構43を設けている。この水冷機構43は、下端には冷却水導入口44を有し、上端に冷却水排出口45を有する。
【0024】
上記構成の金属の精製装置を用いてシリコンの精製を次のように行う。まず、図1,2に示すように、予め、坩堝2内に、精製すべき粗製シリコン(金属級シリコン、純度2-Nine)6.0kgを入れておき、真空排気管30から溶解炉1内を真空引きした後、不活性ガス供給管7から溶解炉1内に不活性ガスを供給して溶解炉1内を不活性ガス雰囲気にする。こうすると、溶解炉1内を完璧な不活性ガス雰囲気とすることができる。そして、ヒーター5により粗製シリコンを加熱して溶解させて溶融シリコンSとし、この溶融シリコンSの融液温度を凝固温度を超えた温度に加熱しながら保持する。この溶融シリコンSは不活性ガス雰囲気下におかれている。なお、溶融粗製シリコンは別途溶解してから、坩堝2内へ入れてもよいし、溶解炉1に原料投入口を別途設置し、その原料投入口から原料シリコンを坩堝2内へ入れてもよい。
【0025】
次いで、図3に示す冷却流体導入管31から、オイルシール36,36,36で密封された冷却流体導入部41に窒素ガスからなる冷却流体を供給する。この冷却流体導入部41に供給された冷却流体は、複数の冷却流体導入口40を通って中空回転軸34の内側の冷却流体供給通路38に導かれ、さらに、図2に示すように、冷却流体排出管37の下端部の外周面と冷却流体吹出し部材58の内周面との間に導かれた冷却流体は、冷却流体吹出し部材58の複数の吹出し口58aから中空回転冷却体4の内壁に向けて吹き付けられて、中空回転冷却体4の内壁が冷却される。このように中空回転冷却体4は内側から冷却されながら、回転駆動手段12により中空回転軸34を介して回転させられる。そうすると、偏析凝固の原理により、中空回転冷却体4の外周面27に高純度の精製シリコン6が晶出する。上記中空回転冷却体4の回転により、凝固界面から液相中に排出された不純物を凝固界面から遠ざけて液相全体に分散させながら凝固を進めることができる。したがって、平衡偏析係数に近い値の偏析係数で支配されて凝固が進行し、中空回転冷却体4の外周面27に、短時間に高純度の精製シリコン6が晶出させられる。
【0026】
一方、上記中空回転冷却体4によって加熱された高温の冷却流体は、図2に示すように、冷却流体排出管37の下端の開口17bを通って、冷却流体排出管37の内側の冷却流体排出通路39に流入して上昇する。そして、図3に示すように、上記冷却流体排出通路39から高温の冷却流体が冷却流体排出部42に排出される。この冷却流体排出部42は直接水冷機構43で覆われているから、冷却流体排出部42内の高温の冷却流体は直接的かつ効果的に冷却される。さらに、上記冷却流体排出部42内の冷却流体は、冷却流体送出管35を通して図示しない熱交換器に導かれてさらに冷却される。例えば、冷却流体導入管31より導入される冷却流体の流量が1000L/分の時、冷却流体送出管35より排出される冷却流体は160〜180℃であった。さらに、冷却流体送出管35に接続した図示しない熱交換器を通過後の冷却流体は30〜50℃にまで冷却できることが分かった。
【0027】
また、上記冷却流体排出部42において、高温の窒素ガスからなる冷却流体が水冷機構43によって効果的に冷却されることに加えて、この水冷機構43が、オイルシール36,36,36が嵌め込まれた嵌め込み部33,33を覆って、水冷機構43の冷却水導入口44から流入した冷却水が嵌め込み部33,33の周囲を回流しながら上方の冷却水排出口45から排出されて、オイルシール36,36,36を冷却するので、オイルシール36,36,36の温度上昇が防止されて、オイルシール36,36,36が熱によって劣化させられることなく、長期に渡って使用できた。もし、このような水冷機構43を設けないとするならば、高温の冷却流体から冷却流体排出管37および中空回転軸34を介して伝導される熱によって、オイルシール36,36,36が加熱されて、オイルシール36,36,36の機能が劣化して、早期に使えなくなるのである。
【0028】
上記実施の形態では、オイルシール36の材料はフッ素ゴム(耐熱温度200℃)であるが、この他にシリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムあるいは四フッ化エチレン樹脂などであっても構わない。
【0029】
また、上記実施の形態では、冷却流体として窒素ガスを用いたが、冷却流体は窒素ガスに限定されなくて、中空回転冷却体4を酸化させない不活性ガス、例えば、アルゴン、ヘリウム等を用いてもよい。また、単体ガスを用いてもよく、2種類以上の混合ガスを用いても良い。
【0030】
また、上記実施の形態の金属の精製装置は、シリコンの精製に適用されているが、この発明は、例えば、99.9999wt%の純度を有する超高純度アルミニウムの精製に適用することもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の金属の精製装置によれば、冷却流体排出管の上端部を中空回転軸に固定して、冷却流体排出管に対して中空回転軸が回転しないようにしているので、中空回転軸は冷却流体排出管と一体になってスムーズに回転できる。
【0032】
また、この発明の金属の精製装置によれば、上記中空回転軸の上端部の外周面に摺接するオイルシールによって密封されて、上記中空回転軸の内側の冷却流体供給通路と連通する冷却流体導入部を設けているので、冷却流体排出管が中空回転軸に固定されて一体に回転することと相俟って、従来例の如きロータリージョイントを用いる場合に比べて、構造が簡易かつコンパクトにできる。
【0033】
また、この発明の金属の精製装置によれば、従来例の如きロータリージョイントを用いることなく、冷却流体排出管の上端の開口に連通する冷却流体排出部を設けると共に、この冷却流体排出部と、オイルシールが嵌め込まれた嵌め込み部を覆う水冷機構を設けたので、冷却流体排出部を大きな寸法に構成して、この冷却流体排出部において高温の冷却流体を直接的にかつ効果的に冷却できると共に、オイルシールを効果的に冷却して、オイルシールの耐久性を向上できる。
【0034】
また、この発明の金属の精製装置によれば、上記オイルシールは嵌め込み部に嵌め込まれて、冷却流体排出管と一体に回転する中空回転軸の外周面に摺接しているから、従来例の如きロータリージョイントを用いる場合に比べて、オイルシールのメンテナンスを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態の金属の精製装置の下部構造を示す断面図である。
【図2】 上記実施の形態の金属の精製装置における溶解炉の断面図である。
【図3】 上記実施の形態の金属の精製装置の上部構造の断面図である。
【図4】 従来の金属の精製装置の断面図である。
【図5】 上記従来の金属の精製装置の上部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 溶解炉
1a 頂壁
2 坩堝
3,34 中空回転軸
4 中空回転冷却体
5 ヒータ
6 高純度シリコン
9 パッキン
12 回転駆動手段
17,37 冷却流体排出管
S 溶融シリコン
31 冷却流体導入管
33 嵌め込み部
35 冷却流体送出管
36 オイルシール
39 冷却流体排出通路
40 冷却流体導入口
41 冷却流体導入部
42 冷却流体排出部
43 水冷機構
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