JP4187892B2 - 金属の精製装置及び精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属シリコンやアルミニウム等の金属の精製装置および精製方法に関し、より詳しくは、不純物を含む金属から高純度の金属を得る精製装置および精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属の精製装置として、例えば図13に示すようなものが知られている(特開平9−48607号公報)。この金属の精製装置は、不活性ガス雰囲気下で溶融粗製シリコンS中に中空回転冷却体4を浸漬し、この中空回転冷却体4の外周面27に、純度99.9%以上の高純度シリコン6を晶出させて得るものである。上記精製装置は、溶解炉1、この溶解炉1の底壁1c上の坩堝台8に載せた坩堝2、この坩堝2を加熱するヒータ5、溶解炉1の頂壁1aを貫通して配置された中空回転軸3,不活性ガス供給管7,真空排気管30、中空回転軸3と溶解炉1の頂壁1aにおける中空回転軸3の周囲の部分26との間を密封するパッキン9、および中空回転軸3の下端に設けられた中空回転冷却体4を備えている。そして、上記中空回転軸3内に、テーパ状の拡開部17aと下端17bが中空回転冷却体4内に位置する冷却流体排出管17を配置して、中空回転軸3の内周面と冷却流体排出管17の外周面との間に冷却流体供給通路18を形成している。
中空回転軸3は、溶解炉1の上方において、固定部10に対して上下動自在なアーム11に図示しない軸受を介して支持され、アーム11上のモータMによりベルト車とベルトからなる伝動機構12を介して所定速度で回転させられる。
こうして、中空回転冷却体4内に図中の矢印の如く冷却流体を供給しつつ、中空回転軸3を回転させながら、坩堝2内に入れられた溶融シリコンS中に中空回転冷却体4を浸漬し、その外周面27に純度の高いシリコンを晶出させるのである。
【0003】
また、特公平3−65415号公報には、アルミニウムの精製装置として、坩堝と、垂直状の中空回転軸と、中空回転軸の下端に固定された中空回転冷却体と、中空回転軸内に配された冷却流体供給管と、回転冷却体内に配置され、上記冷却流体供給管に連通させられた中空筒状冷却流体吹出し部材とを備え、この冷却流体吹出し部材の周壁に多数の冷却流体吹出口が形成されたものが知られている。この精製装置は、加熱手段を備えて坩堝を収容する上方に開口する溶解炉と、回転駆動手段により回転駆動される中空回転軸とを備えていて、先に述べた特開平9−48607号公報と同様の偏析凝固の原理を利用した手法で、坩堝内の溶融シリコン中に浸漬した中空回転冷却体の外周面に純度のより高いシリコンを晶出させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特開平9−48607号公報に記載の精製装置では、坩堝2から引き上げた中空回転冷却体4と坩堝2とを遮断する仕切板がないため、中空回転冷却体4の外周に晶出させた精製シリコンを回収するには、坩堝2内の溶融金属を一旦冷却、凝固させた後に頂壁1aを取り外して、中空回転冷却体4を中空回転軸3と共に溶解炉1外に引き上げて取り出さなければならず、これに伴って、溶融シリコンの凝固・冷却に要する待ち時間と溶解・凝固の繰返しによるヒータの電力ロスの問題を回避することができないという問題がある。
また、この精製装置によるシリコン精製は、原料仕込・溶解・精製・冷却・精製塊回収(頂壁取外し作業含む)までの一連の作業に12時間を要し、1日に2回の精製処理しかできず生産性に劣るという問題がある。
【0005】
一方、上記特公平3−65415号公報に記載の精製装置では、溶解炉が上方に開口しているので、大気中のほこり等により坩堝内の溶融シリコンが汚染され、高純度のシリコンを得ることができないという問題がある。また、坩堝が大気と接しているため、坩堝中の溶融金属の湯面が酸化被膜で覆われ、中空回転冷却体を溶融金属中に浸漬できないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、溶融金属を入れて溶解炉に収容された坩堝および高純度金属が外周に晶出した冷却体を大気から遮断する手段を工夫することによって、より高純度の金属を効率良く精製することができる金属の精製装置および精製方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の金属の精製装置は、溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬して、この冷却体の外周面に高純度金属を晶出させる精製装置において、上記溶解炉の上方に、外周面に高純度金属が晶出した上記冷却体を収納する取出し部が設けられ、上記溶解炉の上端面にこの溶解炉内を密閉するゲート弁が設けられたことを特徴とする。
【0008】
本発明の精製装置によれば、溶解炉の上方に、外周面に高純度金属が晶出した上記冷却体を収納する取出し部が設けられ、上記溶解炉の上端面にこの溶解炉内を密閉するゲート弁が設けられているので、外周面に高純度金属が晶出した冷却体を坩堝から引き上げて取出し部に収納した後、溶解炉の上端面のゲート弁を閉じて溶解炉内を大気から遮断することができる。従って、溶解炉内の坩堝に入った溶融金属を常時溶融させたままでも、溶融金属に大気からほこりが入ったり、湯面が酸化被膜で覆われたりすることなく、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を取り出すことができ、取り出しの際に坩堝中の溶融金属を冷却・凝固させる必要がないからエネルギロスなく高純度の金属を効率良く精製することができる。
【0009】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、上記取出し部の下端面にこの取出し部内を密閉するゲート弁が設けられたことを特徴とする。
【0010】
上記精製装置によれば、取出し部の下端面にこの内部を密閉するゲート弁が設けられているので、外周面に高純度金属が晶出した冷却体を取出し部に収納した後、上記ゲート弁を閉じて冷却体を大気から遮断することができる。従って、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を、回収するまでの間、大気から遮断して、高純度金属のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度の金属を精製することができる。
【0011】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、上記取出し部の下部に、この取出し部内を噴出ガスによりシールする少なくとも1つのガス吹出口が設けられたことを特徴とする。
【0012】
上記精製装置によれば、取出し部の下部にその内部を噴出ガスによりシールする少なくとも1つのガス吹出口が設けられているので、外周面に高純度金属が晶出した冷却体を取出し部に収納した後、上記ガス吹出口からガスを噴出させて冷却体を大気から遮断することができる。従って、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を、回収するまでの間、大気から遮断して、高純度金属のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度の金属を精製することができる。
【0013】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、上記取出し部の内壁の上部に、少なくとも1つのガス吹出口が設けられたことを特徴とする。
【0014】
上記精製装置によれば、取出し部の内壁の上部に少なくとも1つのガス吹出口が設けられているので、外周面に高純度金属が晶出した冷却体を取出し部に収納した後、上記ガス吹出口からガスを噴出させて、取出し部の下端開口から取出し部内への大気の侵入を防ぐことができる。従って、冷却体の外周面に晶出した高純度金属の大気との接触を防止して、高純度金属のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度の金属を精製することができる。
【0015】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、精製装置の上記取出し部の壁面を貫通して、この取出し部内を真空状態に保持する真空排出管が取り付けられたことを特徴とする。
【0016】
上記精製装置は、下端面にゲート弁をもつ取出し部の壁面を貫通して、その内部を真空状態に保持する真空排出管が設けられているので、外周面に高純度金属が晶出した冷却体を取出し部に収納した後、上記ゲート弁を閉じるとともに、密閉された取出し部内を上記真空排気管により真空状態に保持することができる。従って、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を、回収するまでの間、大気から遮断して、高純度金属のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度の金属を精製することができる。一方、シリコン等の金属では、坩堝内の溶融粗製金属中に多量の酸素が含まれていて、その金属酸化物のガスが溶解炉や取出し部の内壁に付着するという問題がある。しかし、この精製装置では、取出し部内を真空排気管により真空状態に排気するので、取出し部内の金属酸化物を除去して、この金属酸化物の付着による冷却体外周の高純度金属の汚染を防止することができる。
【0017】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、上記冷却体が回転することを特徴とする。
【0018】
上記精製装置によれば、外周面に高純度金属が晶出する冷却体が回転するので、冷却体外周の凝固界面から坩堝内の溶融金属に排出された不純物を凝固界面から遠ざけ、溶融金属全体に分散させながら高純度金属の凝固を進行させることができる。従って、平衡偏析係数に近い値の偏析係数に支配されて凝固が進行し、冷却体の外周面に短時間に高純度の金属を晶出させることができる。
【0019】
本発明の実施形態の金属の精製装置は、上記取出し部内に上記冷却体の外周面に晶出した高純度金属を加熱するヒータが設けられたことを特徴とする。
【0020】
上記精製装置によれば、外周面に高純度金属が晶出した冷却体をヒータを内蔵する上記取出し部に収容した後、この取出し部を例えば精製金属回収用の溶湯保持槽上に接続し、ヒータで冷却体外周の高純度金属を加熱、溶解することにより、高純度金属を機械的に剥ぎ取る際に生じる冶具からの不純物の混入を回避して、かかる不純物のない高純度金属を上記溶湯保持槽に回収することができる。
【0021】
本発明の金属の精製方法は、上記いずれか1つに記載の金属の精製装置を用いて、上記溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ外周面に純度のより高い金属を晶出させる第1工程と、上記冷却体の外周面に所定量の精製金属を晶出させた後、上記冷却体内への冷却流体の供給を停止し、次いで上記冷却体を坩堝から取出し部へ引上げ、上記冷却体を収納した取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽上に移動させる第2工程と、上記冷却体の外周面に晶出した精製金属を上記精製金属回収用の溶湯保持槽内で加熱溶解して回収した後、上記冷却体を精製金属回収用の溶湯保持槽から上昇させて上記取出し部に収納する第3工程と、上記取出し部を上記溶解炉上に移動させる第4の工程を経て上記第1工程に戻ることを特徴とする。
【0022】
本発明の精製方法によれば、上記金属の精製装置、つまり溶解炉の上端面に炉内を密閉するゲート弁を少なくとも有する金属の精製装置を用いることにより、溶解炉内の坩堝に入った溶融金属を常時溶融させたままでも、溶融金属に大気からほこりが入ったり、湯面が酸化被膜で覆われたりすることなく、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を取り出すことができ、取り出しの際に坩堝中の溶融金属を冷却・凝固させる必要がないからエネルギロスなく高純度の金属を効率良く精製することができる。
【0023】
本発明の実施形態の金属の精製方法は、上記いずれか1つの金属の精製装置を少なくとも1つ配列し、上記第1乃至第4の工程を繰り返すことを特徴とする。
【0024】
上記精製方法によれば、例えば1つの精製金属回収用の溶湯保持槽と冷却体および取出し部付きの2つの溶解炉とを配列すれば、上述の作用効果に加えて、一方の溶解炉で冷却体外周への高純度金属の晶出を行ないつつ、他方の取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽に接続して他方の溶解炉で既に晶出した高純度金属を回収する一連の工程を繰り返すことができる。従って、高純度金属を一層効率良く連続的に精製することができる。
【0025】
本発明の実施形態の金属の精製方法は、上記金属の精製装置を用いて、上記溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ外周面に純度のより高い金属を晶出させる第1工程と、上記冷却体の外周面に所定量の精製金属を晶出させた後、上記冷却体内への冷却流体の供給を停止し、次いで上記冷却体を坩堝から取出し部へ引上げ、上記冷却体を収納した取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽上に移動させる第2工程と、上記冷却体の外周面に晶出した精製金属を上記取出し部内に設けられたヒータによって溶解し、精製金属回収用の溶湯保持槽に回収した後、上記冷却体を精製金属回収用の溶湯保持槽から上昇させて上記取出し部に収納する第3工程と、上記取出し部を上記溶解炉上に移動させる第4の工程を経て上記第1工程に戻ることを特徴とする。
【0026】
上記精製方法によれば、溶解炉の上端面に炉内を密閉するゲート弁を少なくとも有し、取出し部内にヒータを有する金属の精製装置を用いることにより、上述と同様の作用効果に加えて、既述のように、高純度金属を機械的に剥ぎ取る際に生じる冶具からの不純物の混入を回避して、かかる不純物のない高純度金属を上記溶湯保持槽に回収することができる。
【0027】
本発明の実施形態の金属の精製方法は、上記金属の精製装置を少なくとも1つ配列し、上記第1乃至第4の工程を繰り返すことを特徴とする。
【0028】
上記精製方法によれば、上述の作用効果に加えて、既述のように、例えば一方の溶解炉で高純度金属の晶出を行ないつつ、他方の溶解炉の取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽に接続して高純度金属を回収する一連の工程を繰り返すことができ、高純度金属を一層効率良く連続的に精製することができる。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(実施形態1)
図1〜図3は、第1の実施形態である金属の精製装置の縦断面図を示している。この精製装置は、溶解炉1の上端面に炉内を密閉するゲート弁13を設け、溶解炉1の上方に中空回転冷却体4を収容する取出し部14を設けた点を除いて、図13で述べた精製装置と同じ構造であり、同じ部材には同一番号を付して説明を簡略する。
耐火物からなる溶解炉1は、底壁1c上の坩堝台8に載せられ、溶融金属としての溶融シリコンSが入った坩堝2と、この坩堝2を加熱するヒータ5とを収容し、溶解炉の側壁1bには、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを炉内に供給する不活性ガス供給管7と、溶解炉内を真空引きする真空排気管30が取り付けられている。上記坩堝2は、シリコンと反応しにくく、それ故これを汚染しにくい石英,黒鉛またはアルミナのような物質からなる。
【0030】
上記ゲート弁13は、溶解炉1の上端開口を開閉する一方、上記取出し部14は、下端開口をゲート弁13上に載せて溶解炉1に接続されるとともに、頂壁14aの貫通穴14bにオイルシールとしての合成ゴム製のパッキン9を装着し、このパッキン9に黒鉛製の中空回転軸3を鉛直に挿通して、中空回転軸3の下端の中空回転冷却体4を坩堝2内の溶融シリコンSに浸漬している。なお、中空回転軸3のパッキン9との摺接部は、摺動により黒鉛の粉塵が発生して落下し、坩堝2内の溶融シリコンSを汚染する虞があるので、ステンレス鋼製にするのが好ましい。
【0031】
上記中空回転軸3は、内部中心に金属,セラミックスまたは黒鉛からなる冷却流体排出管17を軸方向に延在して配置し、この冷却流体排出管17の下端外周に冷却流体吹出し部材16の下端を連結する一方、冷却流体吹出し部材16の上端を中空回転軸3の内周面に連結している。そして、冷却流体排出管17の外側の冷却流体供給通路18を下向き矢印の如く導かれた冷却流体を、下端の冷却流体吹出し部材16の吹出口16aから外方へ吹き出して、中空回転冷却体4の内壁を冷却して、中空回転冷却体4の外周面27に高純度シリコン6を晶出させるようにしている。上記中空回転冷却体4は、熱伝導性の良い有底の筒状をなし、溶融シリコンSと反応しにくく、それ故これを汚染しにくい炭化ケイ素(SiC),窒化ケイ素(SiN),黒鉛等からなる。なお、内壁を冷却した後の冷却流体は、冷却流体排出管17の下端から管内側の冷却流体排出通路15に入り、上向き矢印の如く排出される。
【0032】
上記構成の精製装置を用いてシリコンの精製を次のように行なう。
まず、図1に示す溶融炉1内の坩堝2に、予め精製すべき粗製シリコン(純度99%の金属級シリコン)6.0kgを入れ、溶解炉1の上端の開いたゲート弁13上に取出し部14の下端開口を気密に接続し、この状態で溶解炉1内を真空排気管30を介して真空引きし、次いで不活性ガス供給管7から不活性ガスを供給して溶解炉1内を完全な不活性ガス雰囲気とする。続いて、ヒータ5により坩堝2内の粗製シリコンを加熱,溶解させ、溶融シリコンSの融液温度を1414〜1600℃の範囲に加熱保持する。なお、溶融シリコンSは別途溶解したものを坩堝2内へ入れてもよいし、溶解炉1に別途設置した原料投入口を経て坩堝2内へ入れてもよい。
【0033】
次に、冷却流体を、中空回転軸3内の外側の冷却流体供給通路15を経て下向き矢印の如く送り込み、下端の冷却流体吹出し部材16の吹出口16aから中空回転冷却体4の内壁に向かって吹き出しながら、モータMおよび伝動機構12(図13参照)により中空回転軸3を介して中空回転冷却体4を回転させ、偏析凝固の原理によって中空回転冷却体4の外周面27に高純度の精製シリコン6を晶出させる。
中空回転冷却体4を回転させることにより、上記外周面27の高純度シリコンの凝固界面から溶融シリコンS中へ排出された不純物を凝固界面から遠ざけ、溶融シリコンS中全体に分散させながら凝固を進めることができる。従って、平衡偏析係数に近い値の偏析係数で支配されて凝固が進行し、中空回転冷却体4の外周面27に、短時間に高純度の精製シリコン6を晶出させることができる。
【0034】
上記中空回転冷却体4の回転時の周速度は、0.004m/秒以上の任意の周速度に設定し、中空回転冷却体4に導入される冷却流体の流量は、溶融シリコンSに浸漬している晶出部の表面積1m2につき0.001〜3.8m3/秒の範囲内に設定した。冷却流体は、窒素ガスを用いたが、これに限定されず、中空回転冷却体4を酸化させないアルゴン,ヘリウム等の不活性ガスを用いてもよい。なお、中空回転冷却体4に晶出させた高純度シリコン6を坩堝2から引き上げる際の速度は、5cm/分以上の適切な値とした。
【0035】
中空回転冷却体4の外周面27に所定量の高純度シリコン6が晶出すると、図2に示すように、中空回転軸3と一体の中空回転冷却体4を取出し部14内に引き上げて収納し、ゲート弁13を内側ヘスライドして閉じ、溶解炉1の上端面を密閉する。次に、図3に示すように、取出し部14を中空回転軸3と共に上昇させて溶解炉1から分離する。その後、中空回転冷却体4の外周面27に凝固した高純度シリコン6は、機械的に剥ぎ取られて回収される。
【0036】
このように、第1の実施形態では、溶解炉1の上端面にゲート弁13を設け、このゲート弁13に接離して中空回転冷却体4を収容する取出し部14を設けているので、外周面27に高純度シリコン6が凝固した中空回転冷却体4を坩堝2から引き上げて取出し部14に収納した後、溶解炉1の上端面のゲート弁13を閉じて溶解炉1内を大気から遮断することができる。従って、溶解炉1内の坩堝2に入った溶融シリコンSを常時溶融させたままでも、溶融シリコンSに大気からほこりが入ったり、湯面が酸化シリコン膜で覆われたりすることなく、中空回転冷却体4の高純度シリコンを取り出すことができ、取り出しの際に坩堝2中の溶融シリコンSを冷却・凝固させる必要がないから、冷却・凝固に伴うなうヒータの電力ロスもなく高純度シリコンを効率良く精製することができる。
【0037】
こうして得られた高純度シリコン6は、重量が約600gであり、不純物濃度をICP(Inductively Coupled Plasma)質量分析法により測定したところ表1に示すような結果となった。
Figure 0004187892
Figure 0004187892
表1から明らかなように、Al(アルミニウム)以外の不純物濃度は、いずれも<0.1ppmとなっている。Alについては、その平衡分配係数が0.0028であることから、原料中のAlの初期濃度が2100ppmのとき、精製塊中のAl濃度が6.0ppmであることは、平衡分配係数が略達せられていることを意味し、1回の精製処理では6.0ppmが限界である。しかし、精製処理を繰り返せば、精製塊中のAl濃度も他の不純物元素と同様に0.1ppm以下にすることができる。
【0038】
(実施形態2)
図4は、第2の実施形態である金属の精製装置の縦断面図を示している。この精製装置は、溶解炉1から引き上げた中空回転冷却体4を収容する取出し部14の下端面にも、取出し部14の内部を密閉するゲート弁19を設けた点を除いて、図1〜3で述べた第1の実施形態と同じ構造であるので、異なる点のみを説明する。
上記ゲート弁19は、図3に示すように、取出し部14内に中空回転冷却体4を収納したとき閉じて、内部を外気から遮断し、取出し部14の下端が溶解炉1の上端の開いたゲート弁13上に載って接続されたとき(図1参照)開いて、内部を溶解炉1内に連通するようになっている。
【0039】
上記第2の実施形態の精製装置を用いたシリコンの精製は、図4に示す工程が加わる他は、第1の実施形態で述べた方法と同じである。
即ち、下端のゲート弁19を開いた取出し部14を、溶解炉1の上端の開いたゲート弁13に接続して、内部を真空引きし、不活性ガス雰囲気で満たした図1に類似の状態で、坩堝2に浸漬した中空回転冷却体4の外周面27に所定量の高純度シリコン6を晶出させた後、中空回転冷却体4を取出し部14内に引き上げ、次いで両ゲート弁13,19を閉じて、内部空間を上下に分離する。次に、中空回転冷却体4を収納し、下端のゲート弁19を閉じた取出し部14を、図4の如く上昇させて溶解炉1から切り離し、中空回転冷却体4の外周の高純度シリコン6が完全に凝固するまでこの状態を維持する。最後に、凝固した高純度シリコン6を中空回転冷却体4と共にゲート弁19を開いて取り出し、この高純度シリコン6を機械的に剥ぎ取って回収する。
【0040】
このように、第2の実施形態では、取出し部14の下端面にもゲート弁19を設けているので、第1の実施形態で述べた作用効果に加えて、外周面27に高純度シリコン6が晶出した中空回転冷却体4を取出し部14に収納した後、ゲート弁19を閉じてこれを大気から遮断することができる。従って、高純度シリコン6を完全に凝固するまでの間、大気から遮断して、高純度シリコン6のほこり等の付着による汚染や大気による酸化を防ぐことができ、より高純度のシリコンを精製することができる。
【0041】
(実施形態3)
図5,図6は、第3の実施形態である金属の精製装置の縦断面図を示している。この精製装置は、取出し部14の下部に、この取出し部内を噴出ガスによりシールするガス吹出口22を設けた点を除いて、図1〜3で述べた第1の実施形態と同じ構造であるので、異なる点のみを説明する。
上記ガス吹出口22は、図5に示すように、ガス導入口20に矢印の如く供給される窒素ガス等の不活性ガスを、取出し部14の下端周縁に沿って延びるガス導入管21を経て取出し部14内に矢印の如く吹き出して、このガス噴出により内部を大気から遮断するようになっている。
【0042】
上記第3の実施形態の精製装置を用いたシリコンの精製は、図5に示す工程が加わる他は、第1の実施形態で述べた方法と同じである。
即ち、第3の実施形態では、所定量の高純度シリコン6を外周に晶出した中空回転冷却体4を取出し部14に収納した後、ガス吹出口22から不活性ガスを吹き出して、取出し部内を大気から遮断する。従って、第3の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた作用効果に加えて、完全凝固後の機械的剥ぎ取り等による回収までの間、中空回転冷却体4の外周面に晶出した高純度シリコン6と大気との接触を防止して、高純度シリコン6のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度のシリコンを精製することができる。
【0043】
図6は、ガス吹出口22を上下2段に設けた変形例を示しており、このようにすれば、高純度シリコン6のほこり等の付着による汚染および大気による酸化をより確実に防ぐことができる。
なお、精製した高純度シリコンに多少酸化被膜ができても問題がない場合は、第2の実施形態のように取出し部14の下端にゲート弁19を設けなくても、このようにガスシールすることで足り、これによって精製装置を構造上コンパクトにできる。また、中空回転冷却体4から高純度シリコン6を機械的剥ぎ取り等で回収する際には、ガスシールを動作または停止のいずれにしてもよい。
【0044】
(実施形態4)
図7は、第4の実施形態である金属の精製装置の縦断面図である。この精製装置は、図5,6で述べたガス吹出口22を、取出し部14の下端に代えて、取出し部14の内壁の上部に設けた点を除いて、図5,6で述べた第3の実施形態と同じ構造である。
即ち、上記取出し部14の頂壁14aの内部に全長に亘ってガス吹出口23を設け、ガス導入口24から窒素ガスを供給して、取出し部14の下方に向けて矢印の如く吹き出して、取出し部14内への大気の侵入を防止する。従って、第4の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた作用効果に加えて、第3の実施形態と同様に完全凝固後の機械的剥ぎ取り等による回収までの間、中空回転冷却体4の外周面に晶出した高純度シリコン6と大気との接触を防止して、高純度シリコン6のほこり等の付着による汚染および大気による酸化を防ぐことができ、より高純度のシリコンを精製することができる。なお、中空回転冷却体4から高純度シリコン6を機械的剥ぎ取り等で回収する際には、ガスのダウンフローを動作または停止のいずれにもできる。
【0045】
(実施形態5)
図8は、第5の実施形態である金属の精製装置の縦断面図である。この精製装置は、図4で述べた第2の実施形態のゲート弁19をもつ取出し部14に、真空排気管25を付加したものである。
上記真空排気管25は、取出し部14の頂壁14aを貫通して設けられ、ゲート弁19が閉じられて密閉された取出し部14内を真空排気するようになっている。
【0046】
ところで、精製の原料である粗製シリコン中には、酸素が多く含まれているので、これを坩堝2(図1参照)で溶解する際、酸化ケイ素SiOxがガスとして発生し、溶解炉1および取出し部14の内壁全面に薄黄色の粉末となって付着し、これが高純度シリコン6に付着するという問題があった。しかし、この精製装置では、中空回転冷却体4を収納した取出し部14のゲート弁19を閉じた後、真空排気管25を介して取出し部14内を真空排気することにより、取出し部14の内壁に付着した酸化ケイ素を排除できるので、高純度シリコン6への酸化ケイ素の付着を防止して、高純度シリコン6の汚染を防止できる。なお、この精製装置が図4の第2の実施形態で述べた作用効果を奏するのはいうまでもない。
【0047】
(実施形態6)
図9は、第6の実施形態である金属の精製装置の縦断面図である。この精製装置は、図1〜3で述べた第1の実施形態の取出し部14内に、中空回転冷却体4の外周面に晶出した高純度シリコン6を加熱するヒータ28を付加したものである。
上記ヒータ28は、誘導加熱コイルなどからなり、取出し部14が、図10(C)に示すような精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ別の溶解炉1の上端に接続されたとき、上記高純度シリコン6を加熱して溶解させ、溶湯保持槽29に落下させて回収するものである。
【0048】
ところで、中空回転冷却体4の外周の高純度シリコン6を、機械的に剥ぎ取って回収しようとすると、ブレードなどの冶具を高純度シリコン6に接触させなければならず、回収される高純度シリコンに冶具から不純物が混入するのを防ぐことができなかった。しかし、この精製装置では、取出し部14内のヒータ28によって、機械的剥ぎ取りでなく再溶解によって高純度シリコンを溶湯保持槽29内に回収できるので、回収される高純度シリコンへの冶具からの不純物の混入を防ぐことができる。
また、中空回転冷却体4に黒鉛などを用いた場合、大気中のガスや湿気が黒鉛中に吸収されるが、ガスや湿気を吸収した中空回転冷却体4を、溶解炉1内の坩堝2の溶融シリコンSに浸漬する前に、上記ヒータ28でベーキングすることにより、中空回転冷却体4から上記ガスや湿気を除去することができので、溶融シリコンSを上記ガスや湿気による汚染の少ない状態に維持することができる。なお、この精製装置が図1〜3の第1の実施形態で述べた作用効果を奏するのはいうまでもない。
【0049】
(実施形態7)
図10は、第7の実施形態の手順を示す縦断面図である。この精製方法は、一例として図1〜3で述べた精製装置(図10(A)参照)と、図10(C)に示す精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ第2の溶解炉1とを用いて、次に述べる第1〜第4の工程を経て高純度シリコンを精製、回収するものである。なお、上記第2の溶解炉1は、図10(A)の精製装置から上部の取出し部14を取り除いた溶解炉1と同じ構造を有する。
【0050】
上記第1の工程は、図10(A)に示す坩堝2内の溶融シリコンS中に中空回転冷却体4を浸漬し、この中空回転冷却体4を回転させつつその内部に第1の実施形態と同様に冷却流体を供給して、その外周面27に高純度のシリコン6を晶出させるステップである。
第2の工程は、中空回転冷却体4の外周面27に所定量の高純度シリコン6を晶出させた後、中空回転冷却体4への冷却流体の供給および回転駆動を停止し、次いで図10(B)に示すように、中空回転冷却体4を坩堝2から取出し部14内へ引き上げ、溶解炉1上端面のゲート弁13を全閉にして、溶解炉1を密閉する。次いで、中空回転冷却体4を収納した取出し部14を、精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ第2の溶解炉1上に移動させ、その上端面を覆うゲート弁13上に載置、接続した後、図10(C)の如くゲート弁13を全開するステップである。
【0051】
第3の工程は、中空回転冷却体4の外周面に晶出した高純度シリコンを、溶湯保持槽29内に浸漬し、ヒータ5で加熱溶融した精製シリコン融液S'によって溶解して回収する。高純度シリコン6を回収した後、中空回転冷却体4を精製金属回収用の溶湯保持槽29上に上昇させて取出し部14に収納し、ゲート弁13を全閉にして第2の溶解炉1を密閉するステップである。この工程では、中空回転冷却体4から高純度シリコン6を溶解、回収するだけなので、第1の工程の場合と異なり中空回転冷却体4に冷却流体を流す必要はない。また、中空回転冷却体4を第1の工程の場合ほど高速回転させる必要もない。
第4の工程は、取出し部14を、図10(A)の状態に戻すべく溶解炉1上へ逆方向に移動させ、閉じたゲート弁13に載置、接続してから、ゲート弁13を全開して、上記第1工程を再開するステップである。
【0052】
上記第7の実施形態による精製方法によれば、坩堝2をもつ溶解炉1および精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ第2の溶解炉1の各上端面を密閉するゲート弁13を夫々有する精製装置を用いているので、溶解炉1内の坩堝2に入った溶融シリコンSおよび溶湯保持層29に入った精製シリコン融液S'を夫々常時溶融させたままでも、溶融シリコンSおよび精製シリコン融液S'に大気からほこりが入ったり、湯面が酸化シリコン膜で覆われたりすることなく、粗製シリコンから高純度シリコンを精製することができ、中空回転冷却体4の取り出しの際に溶融シリコンSおよび精製シリコン融液S'を冷却・凝固させる必要がないから、冷却・凝固に伴なうヒータの電力ロスもなく高純度シリコンを効率良く精製することができる。
また、高純度シリコン6の回収に機械的な剥ぎ取りを用いないので、剥ぎ取り用の冶具から不純物が混入するのを防ぐことができる。
【0053】
(実施形態8)
図11は、第8の実施形態の手順を示す縦断面図である。この精製方法は、図9で述べた精製装置(図11(A)参照)と、図11(C)に示す精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ第2の溶解炉1とを用いて、次に述べる第1〜第4の工程を経て高純度シリコンを精製、回収するものである。なお、上記第2の溶解炉1は、図11(A)の精製装置から上部の取出し部14を取り除いた溶解炉1と同じ構造を有する。
【0054】
上記第1,第2,第4の工程は、図10の第7の実施形態で述べた工程と同じであり、唯一異なる第3の工程は、次のとおりである。
即ち、上記第3の工程は、図11(C)に示すように、中空回転冷却体4の外周面27に晶出した高純度シリコンを、取出し部14内のヒータ28によって溶解し、第2の溶解炉1内の溶解溶湯保持槽29に溶滴31として落下させ精製シリコン融液S'中に回収する。高純度シリコン6を回収した後、中空回転冷却体4を精製金属回収用の溶湯保持槽29上に上昇させて取出し部14に収納し、ゲート弁13を全閉にして第2の溶解炉1を密閉するステップである。この実施形態では、ヒータ28に誘導加熱コイルを使用し、高純度シリコン6(Φ150×100mm)の溶解時に20〜40kWの電力を投入して、約1〜2分で中空回転冷却体4から溶解し、溶湯保持槽29に回収した。この工程では、第7の実施形態で述べたと同様の理由から、中空回転冷却体4に冷却流体を流す必要もなく、中空回転冷却体4を第1の工程のように回転させる必要もない。
【0055】
上記第8の実施形態による精製方法によれば、溶解炉1の上端面にゲート弁13を有することにより、第7の実施形態で述べたと同様の作用効果が奏され、取出し部14内にヒータ28を有することにより、高純度シリコン6の回収に機械的な剥ぎ取りを用いないので、剥ぎ取り用の冶具から不純物が混入するのを防ぐことができる。
【0056】
(実施形態9)
図12は、第9の実施形態の手順を示す縦断面図である。この精製装置は、図1〜3で述べた精製装置を2基(図12(A),(C)参照)と、図12(B)に示す精製シリコン回収用の溶湯保持槽29をもつ第3の溶解炉1とを用いて、図10で述べたと同じ第1〜第4の工程を左右の溶解炉1,1(精製用)と中央の第3の溶解炉1(回収用)間で交互に繰り返して、高純度シリコンを連続的に精製、回収するものである。各溶解炉の構造は、図10で述べたと同じであるので、これを用いた精製方法のみを説明する。
【0057】
図12では、左右の溶解炉1,1の各坩堝2,2に、中空回転冷却体3,3'が浸漬されている状態が描かれているが、実際は、一方の中空回転冷却体3が坩堝2に浸漬しているときに、他方の中空回転冷却体3'が中央の溶解炉の溶湯保持槽29に浸漬されるようになっている。
即ち、一方の溶解炉で坩堝2内の溶融シリコンSから中空回転冷却体外周面27への高純度シリコン6の晶出が行なわれている間に、他方の溶解炉で既に中空回転冷却体外周面に晶出した高純度シリコンの溶湯保持槽29内における再溶解、回収が行なわれ、次いで、他方の溶解炉で坩堝2内における高純度シリコン6の晶出と同時に、一方の溶解炉で既に晶出した高純度シリコンの溶湯保持槽29内における再溶解、回収が行なわれ、これらの工程が交互に繰り返されるのである。
【0058】
この第9の実施形態は、左右の各溶解炉における所定量の高純度シリコンの晶出と中空回転冷却体の溶湯保持槽への移送に要する合計時間が、中央の溶湯保持槽における高純度シリコンの再溶融、回収に要する時間に等しい場合の例であり、この場合、高純度シリコンの上記晶出と再溶融、回収の交互の繰り返しにより、高純度シリコンの精製工程を間断なく連続的に行なうことができる。従って、高純度シリコンを一層効率良く精製することができる。
なお、上記晶出等に要する合計時間と再溶融、回収に要する時間に差があれば、時間を要する方の溶解炉を差に応じて増設するなどして、間断のない連続的な高純度シリコンの精製を行なうことができる。
【0059】
以上の実施形態では、精製すべき金属がシリコンである場合について述べたが、本発明は、シリコン以外のアルミニウム等の金属の精製に適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、溶解炉の上方に、外周面に高純度金属が晶出した上記冷却体を収納する取出し部が設けられ、上記溶解炉の上端面にこの溶解炉内を密閉するゲート弁が設けられているので、ゲート弁により溶解炉内を大気から遮断することができて、溶解炉内の坩堝に入った溶融金属を常時溶融させたままでも、溶融金属に大気からほこりが入ったり、湯面が酸化被膜で覆われたりすることなく、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を取り出すことができ、取り出しの際に坩堝中の溶融金属を冷却・凝固させる必要がないから高純度の金属をエネルギロスなく効率良く精製することができる。
【0061】
本発明の実施形態の精製装置は、取出し部の下端面にこの内部を密閉するゲート弁が設けられているので、このゲート弁により取出し部に収容した中空回転冷却体外周面に晶出した高純度金属を大気から遮断することができて、この高純度金属を回収するまでの間、ほこり等の付着や大気による酸化から守って、より高純度の金属を精製することができる。
【0062】
本発明の実施形態の精製装置は、取出し部の下部にその内部を噴出ガスによりシールする少なくとも1つのガス吹出口が設けられているので、取出し部に収納した冷却体の表面に晶出した高純度金属を噴出ガスにより大気から遮断でき、この高純度金属を回収するまでの間、ほこり等の付着や大気による酸化から守って、より高純度の金属を精製することができる。
【0063】
本発明の実施形態の精製装置は、取出し部の内壁の上部に少なくとも1つのガス吹出口が設けられているので、上記精製装置と同様に、高純度金属を回収するまでの間、ほこり等の付着や大気による酸化から守って、より高純度の金属を精製することができる。
【0064】
本発明の実施形態の精製装置は、下端面にゲート弁をもつ取出し部の壁面を貫通して、その内部を真空状態に保持する真空排出管が設けられているので、ゲート弁で密閉された取出し部内を真空状態に保持して、高純度金属を回収するまでの間、ほこり等の付着や大気による酸化から守って、より高純度の金属を精製することができるうえ、金属がシリコン等である場合、この金属酸化物を真空排気と共に外部へ除去して、溶解炉や取出し部の内壁および冷却体外周の高純度金属への金属酸化物の付着を防止することができる。
【0065】
本発明の実施形態の精製装置は、外周面に高純度金属が晶出する冷却体が回転するので、凝固界面から坩堝内の溶融金属に排出された不純物を遠ざけ、溶融金属全体に分散させながら高純度金属の凝固を進行させることができて、平衡偏析係数に近い値の偏析係数に支配された凝固が進行し、冷却体の外周面に短時間に高純度の金属を晶出させることができる。
【0066】
本発明の実施形態の精製装置は、外周面に高純度金属が晶出した冷却体をヒータを内蔵する取出し部に収容した後、この取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽上に接続して、ヒータで高純度金属を加熱,溶解することにより、高純度金属を機械的に剥ぎ取る際に生じる冶具からの不純物の混入を回避して、かかる不純物のない高純度金属を上記溶湯保持槽に回収することができる。
【0067】
本発明の金属の精製方法は、上記いずれかの金属の精製装置、つまり溶解炉の上端面に炉内を密閉するゲート弁を少なくとも有する金属の精製装置を用いることにより、既述と同様に、溶解炉内の坩堝に入った溶融金属を常時溶融させたままでも、溶融金属に大気からほこりが入ったり、湯面が酸化被膜で覆われたりすることなく、冷却体の外周面に晶出した高純度金属を取り出すことができ、取り出しの際に坩堝中の溶融金属を冷却・凝固させる必要がないから高純度の金属を効率良く精製することができる。
【0068】
本発明の実施形態の精製方法は、1つの精製金属回収用の溶湯保持槽と冷却体および取出し部付きの2つの溶解炉とを配列する等により、既述の作用効果に加えて、一方の溶解炉で冷却体外周への高純度金属の晶出を行ないつつ、他方の取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽に接続して他方の溶解炉で既に晶出した高純度金属を回収する一連の工程を繰り返すことができて、高純度金属を一層効率良く連続的に精製することができる。
【0069】
本発明の実施形態の精製方法は、溶解炉の上端面に炉内を密閉するゲート弁を少なくとも有し、取出し部内にヒータを有する上記金属の精製装置を用いることにより、上述と同様の作用効果に加えて、既述のように、高純度金属を機械的に剥ぎ取る際に生じる冶具からの不純物の混入を回避して、かかる不純物のない高純度金属を上記溶湯保持槽に回収することができる。
【0070】
本発明の実施形態の精製方法は、上記作用効果に加えて、既述と同じく、一方の溶解炉で高純度金属の晶出を行ないつつ、他方の溶解炉の取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽に接続して高純度金属を回収する一連の工程を繰り返すことができ、高純度金属を一層効率良く連続的に精製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属精製装置の第1の実施形態の全体を示す縦断面図である。
【図2】 中空回転冷却体を坩堝から引き上げた状態の図1の金属精製装置の縦断面図である。
【図3】 中空回転冷却体を収容した取出し部を溶解炉から分離した状態の図1の金属精製装置の縦断面図である。
【図4】 本発明の金属精製装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の金属精製装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】 図5の実施形態の変形例を示す縦断面図である。
【図7】 本発明の金属精製装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。
【図8】 本発明の金属精製装置の第5の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】 本発明の金属精製装置の第6の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】 本発明の金属精製方法の一例としての第7の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】 本発明の金属精製方法の一例としての第8の実施形態を示す縦断面図である。
【図12】 本発明の金属精製方法の一例としての第9の実施形態を示す縦断面図である。
【図13】 従来の金属精製装置を示す一部破断正面図である。
【符号の説明】
1 溶解炉
1a 頂壁
1b 側壁
1c 底壁
2 坩堝
3 中空回転軸
4 中空回転冷却体
5 ヒータ
6 高純度シリコン
7 不活性ガス供給管
8 坩堝台
9 パッキン
10 固定部
11 アーム
12 伝動機構
M モータ
13,19 ゲート弁
14 取出し部
14a 頂壁
14b 貫通穴
15 冷却流体排出通路
16 冷却流体吹出し部材
16a 吹出口
17 冷却流体排出管
18 冷却流体排出通路
20,24 ガス導入口
21 ガス導入管
22,23 ガス吹出口
25 真空排気管
27 外周面
29 溶湯保持槽
S 溶融シリコン
S' 精製シリコン融液

Claims (11)

  1. 溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬して、この冷却体の外周面に高純度金属を晶出させる精製装置において、
    上記溶解炉の上方に、外周面に高純度金属が晶出した上記冷却体を収納する取出し部が設けられ、上記溶解炉の上端面にこの溶解炉内を密閉するゲート弁が設けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  2. 請求項1に記載の金属の精製装置において、上記取出し部の下端面にこの取出し部内を密閉するゲート弁が設けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  3. 請求項1に記載の金属の精製装置において、上記取出し部の下部に、この取出し部内を噴出ガスによりシールする少なくとも1つのガス吹出口が設けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の金属の精製装置において、上記取出し部の内壁の上部に、少なくとも1つのガス吹出口が設けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  5. 請求項2に記載の金属の精製装置において、上記取出し部の壁面を貫通して、この取出し部内を真空状態に保持する真空排出管が取り付けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の金属の精製装置において、上記冷却体が回転することを特徴とする金属の精製装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の金属の精製装置において、上記取出し部内に上記冷却体の外周面に晶出した高純度金属を加熱するヒータが設けられたことを特徴とする金属の精製装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の金属の精製装置を用いて、上記溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ外周面に純度のより高い金属を晶出させる第1工程と、
    上記冷却体の外周面に所定量の精製金属を晶出させた後、上記冷却体内への冷却流体の供給を停止し、次いで上記冷却体を坩堝から取出し部へ引上げ、上記冷却体を収納した取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽上に移動させる第2工程と、
    上記冷却体の外周面に晶出した精製金属を上記精製金属回収用の溶湯保持槽内で加熱溶解して回収した後、上記冷却体を精製金属回収用の溶湯保持槽から上昇させて上記取出し部に収納する第3工程と、
    上記取出し部を上記溶解炉上に移動させる第4の工程を経て上記第1工程に戻ることを特徴とする金属の精製方法。
  9. 請求項8に記載の金属の精製方法において、請求項1乃至6のいずれか1つの金属の精製装置を少なくとも1つ配列し、上記第1乃至第4の工程を繰り返すことを特徴とする金属の精製方法。
  10. 請求項7に記載の金属の精製装置を用いて、上記溶解炉内に収容された坩堝内の溶融金属中に冷却体を浸漬し、この冷却体の内部に冷却流体を供給しつつ外周面に純度のより高い金属を晶出させる第1工程と、
    上記冷却体の外周面に所定量の精製金属を晶出させた後、上記冷却体内への冷却流体の供給を停止し、次いで上記冷却体を坩堝から取出し部へ引上げ、上記冷却体を収納した取出し部を精製金属回収用の溶湯保持槽上に移動させる第2工程と、
    上記冷却体の外周面に晶出した精製金属を上記取出し部内に設けられたヒータによって溶解し、精製金属回収用の溶湯保持槽に回収した後、上記冷却体を精製金属回収用の溶湯保持槽から上昇させて上記取出し部に収納する第3工程と、
    上記取出し部を上記溶解炉上に移動させる第4の工程を経て上記第1工程に戻ることを特徴とする金属の精製方法。
  11. 請求項10に記載の金属の精製方法において、請求項7に記載の金属の精製装置を少なくとも1つ配列し、上記第1乃至第4の工程を繰り返すことを特徴とする金属の精製方法。
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