JP5171082B2 - 被膜形成部の下地処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は,処理対象とする製品のうち,被膜の形成が行われる部分(本発明において,「被膜形成部」という。)の下地処理方法に関し,例えば摺動部品の表面に,高硬度化,摩擦係数の低減,耐食性の向上,耐高温酸化性の向上,装飾,その他の各種目的で被膜を形成する際に,前記摺動部品等である処理対象の被膜形成部に対してブラスト加工方法により下地処理を行う方法に関する。
なお,本発明における「ブラスト加工方法」は,圧縮空気等の圧縮流体を利用して研磨材を噴射する乾式ブラストや湿式ブラスト等の流体式のブラスト加工方法の他,羽根車を回転させて研磨材に遠心力を与えて噴射する遠心式(インペラ式)や,打出しロータを用いて研磨材を叩きつけて噴射する平打式等,処理対象の被膜形成部に対して所定の噴射速度や噴射圧力で研磨材を噴射することが可能なブラスト加工方法を広く含む。
切削工具等の切削刃等,他の部材等との摺動が行われる部分には,その高硬度化,摩擦係数の低減,耐食性の向上,耐高温酸化性の向上等を目的として,DLC(Diamond Like Carbon),TiAlN,TiN,TiC等の被膜を形成することが一般に行われている。
このような被膜を処理対象の表面に形成する場合には,形成された被膜が処理対象の表面に確実に付着するよう,被膜形成部を所定の表面粗さに粗す,下地処理が行われ,これにより被膜形成部に形成された凹凸内に被膜の一部が入り込むことで,所謂「アンカー効果」によって形成された被膜の剥離強度が向上し,これにより耐久性が向上する。
このように,被膜を形成する際に行われる前述の下地処理において,処理対象の被膜形成部を所定の表面粗さとする方法としては,一例として研削や,ケミカルエッチング,反応性イオンエッチング,レーザービーム法,ブラスト加工法等がある。
このうちのブラスト加工法は,砥粒を処理対象の被膜形成部に噴射するという比較的簡単な方法により行うことができ,比較的低コストで前記下地処理を行うことができることから特に注目されている。
ところで,前記ブラスト加工法によって処理対象の被膜形成部の下地処理を行う場合,衝突時における砥粒の速度は,一例として200m/sec以上にも達する場合がある。
そして,ここで使用される砥粒は,処理対象の表面を好適に切削等することができるように,通常,処理対象とする処理対象よりも高硬度の材質のものが使用されるため,前述したような高速で砥粒を処理対象に衝突させると,砥粒は処理対象の表面に突き刺さり,このようにして突き刺さった砥粒に更に後続の砥粒が衝突する等して,砥粒が処理対象の表面に埋め込まれる現象が生じることが確認されている。
このような砥粒の埋め込みは,処理対象が比較的硬度の低いアルミニウム,銅,真鍮,亜鉛などの展延性のある材質である場合には特に顕著であるが,このような材質のみならず,ガラスやセラミックス等の硬脆性材料を除き,金属,金属複合体である超硬合金,シリコン等の半導体,エンジニアリングプラスチック等の各種材料のものを対象とした場合において発生する。
なお,出願人は,被膜形成部の下地処理に関するものではないが,サンドブラストによって処理対象の表面を鏡面等の光沢面とすることができるように,圧縮流体と共に砥粒を次式,
式 : 0 < V・sinθ ≦ 1/2・V
V=噴射方向における砥粒の速度
θ=被加工物の加工表面に対する砥粒の入射角
で示す条件を満たす入射角θで噴射して,被加工物の加工表面に沿った砥粒の噴流を生じさせるようにしたブラスト加工法を提案している(特許文献1参照)。
この発明の先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2005−22015号公報
以上で説明したように,形成された被膜の耐剥離性等を改善し得るアンカー効果を得るための下地処理をブラスト加工法によって行うと,処理対象の表面に対して砥粒の埋め込みが生じる。
そして,このような砥粒の埋め込みが生じると,その後に行われる被膜形成工程に支障が生じるものとなっている。
例えばその後に行われる被膜形成がPVD(物理的気相蒸着法)やCVD(化学的気相蒸着法)等の蒸着によるものである場合には,砥粒の埋め込みによって生じている突出部分の周辺が膜成長の際に影となり,この部分には被膜が形成されず,膜厚の均一性が低下すると共に,膜の薄い部分ができる。
また,埋め込みにより生じた突出部分を含めてかりに均一な厚みの被膜が形成できたとしても,この場合には下地である処理対象表面に生じた凸部に対応して,形成された被膜の表面にも凸部が生じる。
そのため,切削工具等の摺動部分にこのような被膜を形成すると,切り屑がこの膜の薄くなった部分や凸部に衝突して,被膜がこの部分を基点として破壊されて剥離し始める等して,被膜がその機能を失う。
また,PVD法により被膜を形成する場合や,電気メッキにより被膜を形成する場合等,処理対象に対する電圧の印加を伴う被膜の形成を行う場合には,被膜形成部に埋め込まれた砥粒がカーボランダム,グリーンカーボランダム,アルミナ等の絶縁性のものである場合(本明細書において,このような絶縁性を有する砥粒を「絶縁性砥粒」という。)には,このような絶縁性砥粒が埋め込まれた部分とその周辺とで電圧の印加状態に違いが生じて,膜質の一定した被膜を形成できず,場合によっては研磨材の埋め込み部分に被膜が形成されない等,被膜形成に際して障害ともなり得る。
なお,特許文献1として説明したブラスト加工法では,処理対象の表面が梨地状となることを防止するために,処理対象に対して噴射する砥粒の入射角θを所定の傾斜された角度とし,これにより砥粒に対して垂直方向に作用する力の成分を減少させていることから,処理対象の表面に対して砥粒を埋め込む方向に作用する力についても低減できるものと考えられる。
しかも,本発明の発明者による実験の結果,前記特許文献1に記載の方法に倣って砥粒を所定の傾斜した入射角θで噴射しても,処理対象の表面に対する砥粒の埋め込み発生を防止できないことが確認されており,前記特許文献1に記載の方法をそのまま被膜形成部の下地処理に適用しても,残留した砥粒により引き起こされる前述した問題点を解消することはできない。
さらに,ブラスト加工によって処理対象の表面に埋め込まれた砥粒を除去するために,ブラスト加工後に処理対象の表面をブラスト以外の方法で研磨したり,又は化学的に腐蝕させて除去したりすることも考えられるが,これらの方法を行う場合,ブラスト加工によって処理対象表面に形成された凹凸を維持しつつ,砥粒の埋め込みが行われた表層部分のみを除去することが難しく,最終的に得られた処理対象の被膜形成部を,前記アンカー効果が生じ得る表面粗さに調整することは極めて困難である。
また,前述のようにブラスト加工以外の方法によって埋め込まれた砥粒を除去しようとすれば,工程が複雑となると共に別途加工装置を準備する必要がある等,下地処理のコストアップとなることが避けられない。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,ブラスト加工という比較的簡単な方法により,処理対象の被膜形成部に,アンカー効果を発生し得る状態の下地処理を行うことができ,しかも,ブラストにより下地処理を行うものでありながら,処理対象の被膜形成部に対して砥粒の埋め込みを生じさせない下地処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の被膜形成部の下地処理方法は,処理対象の被膜形成部の表面に,砥粒を弾性体である母材に配合分散し,又は砥粒を弾性体である母材の表面に担持させた,前記砥粒が表面に存在する弾性研磨材を直接噴射することにより,前記被膜形成部に対する砥粒の埋め込みを生じさせることなく,前記被膜形成部の表面を切削して,該被膜形成部上に形成される被膜にアンカー効果を生じさせる所定の表面粗さで凹凸を形成することを特徴とする(請求項1)。
前記被膜形成部の下地処理方法において,前記砥粒の粒径を変更することにより,前記被膜形成部の表面粗さを調整することができ(請求項2),又は,前記砥粒の粒径の調整と共に,又は粒径の調整に代えて前記砥粒の噴射条件を変更することにより,前記被膜形成部の表面粗さを調整しても良い(請求項3)。
また,上述の絶縁性砥粒による電気的障害を回避するため,前記砥粒を平均粒子径0.5〜230μmの絶縁性砥粒とし,この絶縁性砥粒の粒子径に対応して平均粒子径10〜2000μmの範囲から選択した前記弾性研磨材を,噴射圧力0.01MPa〜0.5MPa,噴射距離10mm〜200mm,入射角度30〜75°において噴射すれば,好適である(請求項4)。
研磨材噴射手段は、直圧式、重力式、サクション式、ブロワー方式による直圧加工を用いることができる。
上述のように,被膜形成,例えば,電気メッキは,処理対象をメッキ浴中に浸漬させ,電極に電気を流す事により浴中の溶液に溶けた金属を被加工物の表面に電気化学的に析出させる方法で,処理対象は通電性のない加工物ではメッキできない。このため処理対象表面上に絶縁物がある場合はこの部分に被膜形成ができないこととなる。このため被膜に剥離の欠陥を生じる。
絶縁物が微小の場合は周辺の電界の印加状態により膜が形成される場合があるが,膨れ状態となり,かつ下地との密着性は悪く,電気メッキ膜としては欠陥を有する被膜となる。
かような絶縁材料を含む弾性研磨材により,前記被膜形成部に対する砥粒の埋め込みを生じないようにするため,下記の加工条件が好適である。
(1)加工圧力は、0.01MPa〜0.5MPaの範囲である。0.01MPa未満の圧力ではノズルより噴射する研磨材の噴射速度が小さく、被加工物の表面を加工する加工速度(切削速度)が小さく、工業的利用には適さない。0.5MPaを越える加工圧力では噴射したメディアが被加工物の表面に衝突した時、その加工速度が大きいため、メディアに大きな力が負荷される。このためメディアを構成している砥粒が脱落する。このためメディアの寿命が短くなる。また砥粒の脱落により加工速度が小さくなる。また脱落した砥粒が、循環し再度ノズルより噴射され、砥粒の埋め込みを起す欠陥が生じる。より好ましくは、0.02〜0.4MPaの範囲である。
(2)噴射距離は、10mm〜200mmである。10mm未満では基板と噴射ノズル間の距離が小さいため、噴射されたメディアの被加工物の噴射点が選択的に加工されるためムラが発生する。200mmを越えるとノズルより噴射されたメディアの広がりが大きくなり、所望の加工部位を効率的に加工することはできない。好ましくは50mm〜150mmである。
(3)研磨材を噴射するノズルの先端形状は、丸型、矩形、多角形、楕円など被加工物の表面状態に適したものを用いれば良い。丸型のノズルチップ径は、0.5mm〜20mmを使用する。径0.5mm未満では、配管での運動エネルギーの損失、ノズル内壁面のエネルギー損失により噴射エネルギーは小さく加工能力が低くなる。
(4)また,砥粒の平均粒子径は、0.5〜230μmを用いるのが良い。噴射圧力、噴射距離、噴射角度、弾性研磨材砥粒の平均粒子径の噴射条件が同じであれば、砥粒の平均粒子径が小さくなるに従い表面粗さが小さい加工面の下地処理ができる。また砥粒の平均粒子径は、各噴射条件によりその砥粒が脱落することなく、弾性体に担持される事が必要である。粒子径が小さい砥粒は、大きなものに比較し、その表面積が大きく、弾性体との結着性が良い。このため最小粒子径は、0.5μm(#20000)から用いることができる。砥粒の最大粒子径は、230μmまで使用できる。この砥粒径を越えると弾性体との結着性が劣化し、噴射条件によっては、砥粒が脱落し、所望の表面状態をることができなくなる。また脱落した砥粒が循環し、ノズルより噴射され、研磨材が被加工物に埋め込まれる。好ましくは0.5(#20000)〜140μm(#90)である。
(5)弾性研磨材の平均粒子径は、被加工物の形状および表面粗さにより決定される。溝形状の底部の表面粗さを調整する場合には、溝寸法より大きな研磨材では溝の底部を充分に加工する事ができない。溝部に研磨材が複数個入り表面を加工する必要がある。このため少なくとも溝寸法の1/3以下の研磨材径が必要である。このため最小の研磨材の平均粒子径は10μmが良い。
平坦状の被加工物の表面を調整するには、研磨材の粒径が大きなものが加工効率が良く2000μmまで用いられる。これを越える研磨材の径では、加工効率が劣化する。これは、単位時間当たりに噴射される粒子数が減少するためと推定している。好ましくは20〜1500μmが使用される。なお,詳細は,後述表2のとおりであるが,平均粒子径10μm及び,2000μmの最小及び最大径は,それぞれ,最小で,5μmと1800μm,最大で,20μmと2200μmである。
以上説明した本発明の構成により,本発明の被膜形成部の表面処理方法によれば以下の顕著な効果を得ることができた。
ブラスト法という比較的簡単な方法により,処理対象表面を所望の表面粗さとすることができると共に,処理対象の表面に対する砥粒の埋め込みの発生を好適に防止することができた。
その結果,砥粒の埋め込みによって生じる膜厚の不均一性や,PVDや電気メッキ等の電圧の印加を伴う方法によって被膜を形成する場合においても製膜不良等が生じることを好適に防止しながら,形成する被膜の付着強度等を向上させることができた。
被膜形成部に形成する凹凸による表面粗さの程度は,噴射する砥粒の粒径及び/又は噴射条件の調整により容易に調整可能であった。
次に,本発明の実施形態について以下説明する。
〔全体構成〕
本発明の被膜形成部の表面処理方法は,砥粒を弾性体である母材内に配合分散した弾性研磨材,又は砥粒を弾性体である母材表面に粘着剤等によって担持させた弾性研磨材を処理対象の表面に噴射することで,被膜形成部の表面に砥粒の埋め込みを生じさせることなく,形成される被膜にアンカー効果を生じさせることができる所定の表面粗さで凹凸を形成するものである。
〔処理対象〕
本発明の被膜形成部の下地処理方法は,被膜の形成が行われる製品であると共に,ブラスト法により砥粒を直接噴射すると,砥粒の埋め込みが生じ得るものであれば如何なるものであっても対象とすることができる。
比較的軟質であり,延展性があるために砥粒の埋め込みが生じやすいアルミニウム,銅,真鍮,亜鉛等は勿論,その他の金属,金属複合体である超硬合金,シリコン等の半導体,エンジニアリングプラスチック等の各種材質の製品が,本発明による処理対象となり得る。
もっとも,セラミックスやガラス等,高硬度の脆性材料から成る処理対象にあっては,これに対してブラスト加工を施しても研磨材の埋め込みが生じないことから,本発明の処理対象とすることを要しない。
〔形成する被膜の種類〕
本発明の方法による下地処理は,前述したCVD法や,PVD法によって被膜を形成する場合の下地処理のみならず,電気メッキや溶射等によって被膜を形成する場合の下地処理として利用することもでき,また,例えばフッ素樹脂加工等を行う場合のように,塗布等によって樹脂被膜を形成する際の下地処理として使用しても良く,被膜の形成方法は特に限定されない。
また,形成する被膜の材質についても,例えばDLC,TiC,TiCN,TiCrN,TiALN,TiSiN,CrSiN,CrALN,CrN,CrVN等の硬質被膜を形成する際の下地処理に対して本発明の方法による下地処理を行うものとしても良く,さらには電気メッキや溶射による各種金属の被膜を形成する際の下地処理としても良く,また,前述したフッ素樹脂被膜等の樹脂被膜を形成する際の下地処理としても良く,その後に形成する被膜の材質により制限されることなく,各種材質の被膜を形成する際の下地処理として,本発明の方法を適用可能である。
〔弾性研磨材〕
本発明で使用する弾性研磨材は,母材となる弾性体に研削能力を有する砥粒を配合分散し,又は同弾性体の表面に砥粒を担持させたもので,前記母材の弾性力を利用して,前記研磨材が被加工物の加工表面に衝突した際に,該加工表面に弾性研磨材の形状に対応した打痕が形成されることを防止すると共に,砥粒が埋め込まれることを好適に防止することを可能とし,衝突時に発生する衝撃を吸収して砥粒が埋め込まれることを防ぎつつ,弾性研磨材中の砥粒と直接接触した部分では,この砥粒が被膜形成部の表面を切削して所定の表面粗さを有する凹凸形状に加工するものである。
また,本発明の弾性研磨材と被加工物との衝突部分を見た場合,弾性研磨材との衝突部分における被加工物の表面のうち,母材と衝突した部分には,母材の持つ前述の弾性力によって衝突の影響は与えられず,切削等の作用はこの母材中に分散された砥粒との衝突部分によって発揮される。これにより母材中に分散された砥粒を単体で噴射した場合と同様のブラスト加工を,全体として比較的粒径が大きく,取り扱い等に便利な本発明の研磨材によって,砥粒の埋め込みを生じさせることなく可能とするものである。
また,前記弾性研磨材の粒度は特に限定されるものではなく,弾性研磨材や加工対象となる被処理物の材質,加工目的等に応じて適宜変更可能であるが,一例として粒径を3mmから0.02mmとすることができる。特に,微小領域の切削,研磨においては,粒径の小さい微細な弾性研磨材を使用することが有効である。
また,前記弾性研磨材に含まれる砥粒として平均粒径1μm(#8000)以下の微粒子を使用する場合には,弾性研磨材の粒径も小さくすることによって,該弾性研磨材表面の単位面積あたりの前記砥粒の密度を高めることができるため,砥粒を有効に利用することができるという利点がある。
以下,弾性研磨材を構成する母材及び砥粒,これらの配合割合,及び前記研磨材の製造方法について説明する。
母材
母材は,本発明の弾性研磨材において研削能力を有する砥粒をその内部及び表面に担持する担体となるものであり,前記弾性研磨材が被膜形成部に対して噴射され被膜形成部に衝突した際,該被膜形成部に食い込む等の影響を与えることを防止する観点から,弾性体から成るものとし,後述するような原料ポリマーに各種配合剤を配合して構成される。
原料ポリマー
主原料となる原料ポリマーは後述する各種添加剤を加えることによりゴム,熱可塑性エラストマー等の弾性体を成すもので,固体のほか,液状ゴムやエマルジョン等のラテックスの形態のものが使用できる。また,前記母材並びに該母材を含む前記研磨材の反発弾性率を抑える観点から,その特性上,低反発弾性であるものが好ましい。
前記ゴムとしては,天然ゴムのほか,各種合成ゴムも使用でき,例えば,イソプレンゴム,スチレンブタジエンゴム,ブタジエンゴム,アクリロニトリルブタジエンゴム,クロロプレンゴム,エチレンプロピレンゴム,クロロスルフォン化ポリエチレン,塩素化ポリエチレン,ウレタンゴム,シリコンゴム,エピクロルヒドリンゴム,ブチルゴム等を挙げることができる。
また,低反撥弾性ゴムの一つとして,ノルボルネンポリマーのノーソレックス(フランスAtochem社)を用いることができる。
また,前記熱可塑性エラストマーとしては,スチレンブロックコポリマー,塩素化ポリエチレン系エラストマー,ポリエステル系エラストマー,ニトリル系エラストマー,フッ素系エラストマー,シリコン系エラストマー,エステルハロゲン系ポリマーアロイ,オレフィン系エラストマー,塩ビ系エラストマー,ウレタン系エラストマー,ポリアミド系エラストマー,エステルハロゲン系ポリマーアロイ等がある。
また,特に低反撥性の材料としては,ポリノルボルネン(商品名ノーソレックス),ソルボセイン,ポリシロキサン構造のシリコーンゲル,エチレン−アクリルエラストマー,を用いても良い。ノーソレックスに芳香族系あるいは,ナフテン系オイルを添加し,補強材として例えばカーボンブラックを添加し,低反撥性を得ている。
これらの原料ポリマーであるゴム,熱可塑性エラストマーは,単独で用いるほか,複数種を混合(併用)して用いても良い。
また,回収廃棄製品や製造工程において排出される廃棄物をリサイクルして得られたゴムや熱可塑性エラストマーを使用しても良い。
配合剤
前記原料ポリマーは,各種の配合剤と混合された上で母材を成す弾性体として加工される。
なお,以下,原料ポリマーとしてゴムを使用する場合について説明すると,ゴムポリマーに混合される前記配合剤としては,ゴム分子間を架橋するための加硫剤,前記加硫剤による架橋反応を促進するための加硫促進剤のほか,ゴムに可塑性を与えて配合剤の混合・分散を助け,圧延や押出等の加工性をよくするための可塑剤,ゴム製造時に要求される粘着性を与えて加工性を良くするための粘着付与剤,増量によって製品コストを低下させるほか,ゴムの物性(引っ張り強さや弾性等の機械的特性等)や加工性を向上させるための充填剤,また,安定剤,分散剤等の一般にゴム成形に用いられている各種の配合剤が挙げられる。
前記充填剤としては,弾性研磨材に重量を付与する目的から,例えば,砥粒の硬度より低い金属,セラミックス,無機物樹脂等を使用することができ,これらを配合することによってブラスト加工に適した弾性研磨材の密度となるように調整することができる。また,静電防止のため,カーボンブラックや金属粒子等の導電性を有する物質を使用することもできる。
上記実施形態にあっては,原料ポリマーをゴムポリマーとしたが,上述するように原料ポリマーとして熱可塑性エラストマーを用いてもよく,この場合には熱可塑性エラストマーの成形に一般に用いられる各種の配合剤が使用可能である。
砥粒
砥粒は,被加工物との接触により研削作用を及ぼす能力を有し,本工程において処理対象の被膜形成部の表面を切削して所定の表面粗さの凹凸を形成する役割を担うもので,前述した原料ポリマー及び配合剤から成る母材に分散され,又は所定形状に形成された母材表面に粘着剤等を介して担持される。
前記砥粒としては,前記母材に分散又は担持することができると共に,ブラスト加工によって被加工物を所望状態に加工することが可能な材質であれば特に限定はなく,既知の各種のものを使用することができる。
一例として本発明において使用可能な砥粒の材質を示せば,下記の表1の通りである。
切削性の点からは,使用する砥粒の硬度は,処理対象とする処理対象の被膜形成部の母材に対して同等以上の硬度を有するものを使用することが好ましいが,処理対象の材質,加工条件等によっては,必ずしも砥粒の硬度は被膜形成部の母材に対し,同等以上であることは必要ではない。
被膜形成部を切削して形成する凹凸は,その後に形成される被膜の材質,厚み,形成方法等において前記アンカー効果を生じ得る表面粗さとなるように形成し,砥粒の粒径は,このようにして形成される凹凸(表面粗さ)の程度に応じて適宜選択することができる。
砥粒の粒度についても特に限定はなく,母材と共に製造される最終的な研磨材の粒径等に応じて適宜選択可能であり,例えば♯20〜20000(930〜0.5μm)の範囲のものを使用でき,表面を粗くするためには粒径の大きいもの(番手の小さいもの)を使用する。
前記砥粒の形状についても,被加工物の材質や,ブラスト加工条件等によって適宜変更可能であり,球形のみならず,多角形,円柱状,薄片状,針状及びこれらが混在した状態等,各種形状を広く使用することができる。
配合割合
前記弾性研磨材における前記砥粒の配合割合(含有率)は,弾性研磨材を100wt%とした場合,10〜90wt%の範囲とすることが好ましい。
これは,弾性研磨材の重量を100%とした場合,該弾性研磨材に占める前記砥粒の含有率が10wt%未満であると,弾性体である母材の影響により弾性研磨材の反発弾性率が大きくなり,衝突時の衝撃が吸収されて母材内に配合分散された砥粒が切削能力を発揮し難くなるためであり,また,弾性研磨材の表面に存在する砥粒の密度が小さくなりすぎることから,研削力が低下し,加工能力が低下するという問題も生じるためである。
一方,前記砥粒の含有率が90wt%を超えると,砥粒が支配的となり,砥粒と母材の結合度が弱くなるため,噴射により被加工物の加工表面に衝突した際,衝突エネルギーによって研磨材が著しく破砕してしまうほか,破砕した前記研磨材によって前記被加工物の被膜形成部に砥粒の埋め込みが生じるおそれがあるためである。
なお,研磨材中の前記砥粒の配合割合は,好ましくは,研磨材を100wt%として砥粒を60〜90wt%とすることができ,これによって前記反発弾性率及び研削力を維持しつつ,弾性研磨材が破砕することをさらに好適に防止することができる。
特に,弾性研磨材中の砥粒含有率が70wt%を超える場合には,母材が粉塵爆発を起こすおそれのある材質であっても,砥粒に粉塵爆発を起こさない材質を用いることにより,弾性研磨材が微粒子化しても粉塵爆発を防止することが可能である。
さらに,砥粒が母材表面に付着されているだけではなく,母材内にも分散されている弾性研磨材にあっては,被加工物への噴射,該被加工物の加工表面の研磨や切削,前記弾性研磨材の回収や分等,ブラスト加工工程において生じる種々の衝撃や摩擦等により前記弾性研磨材の前記母材表面に存在する砥粒が抜脱,剥離したり,破砕,磨耗等した場合であっても,前述するブラスト加工工程内の衝撃や摩擦によって前記母材も摩耗,破砕することによって該母材内の新たな砥粒が表面へと出現するため,弾性研磨材の研削能力を保持することができる。
したがって,本発明の研磨材は耐久性に優れると共に弾性研磨材の再生工程が必要なく,長時間,複数回にわたって使用することができ,研磨材循環型の加工ラインにも好適に使用可能である。なお,前述するような新たな砥粒の出現は,前記母材の材質や,弾性研磨材における砥粒の配合割合(含有量),生産プロセス等を適宜変更して,前記母材の磨耗,破砕割合,研磨材の脆さ等を調整することにより,好適に実現することができる。
製造方法
本発明の弾性研磨材は,原料ポリマーとして上述のゴム(原料ゴム)を用いる場合,既知のゴム製造の加工工程を経ることにより製造することができる。
一般にゴム製品は,混練工程,圧延・押出工程,成形工程,加硫工程の4工程を経て製造されるため,以下,上記4工程に沿って本発明の弾性研磨材を製造する方法について述べる。
まず,混練工程において,原料ゴムの素練り(原料ゴムに機械的剪断力を加え,分子の凝集をほぐしたり分子鎖を切断したりする等して,配合剤の混合や成形加工をしやすいレベルまでゴムの可塑性,流動性を調整する)を行なった後,混練り(素練りした原料ゴムと配合剤とを混合し,機械的な剪断力を加えてゴムに可塑性を付与すると共に,配合剤をゴム中に分散させる)を行なう。本発明では,母材中に砥粒を分散して研磨材を構成することから,前記混練り工程において,加硫剤や充填剤等の配合剤のほか,前記砥粒も加えて混練りを行なう。
前記混練工程の素練り,混練りには,公知の各種混練機を使用することができ,例えば,バンバリーミキサーに代表される密閉型混練機や,オープンロール,ニーダー,剪断力を利用しつつ混練を行なうことが可能な攪拌機等を挙げることができる。
次に,圧延・押出工程へと進み,前記配合剤や砥粒と共に混練され可塑性の調整された前記原料を,平板状やシート状,塊状等に加工し,後続する成形工程において成形可能な状態にする。
この工程において使用する装置としては,複数個のロールを配列して成るカレンダーや,スクリューを備えた押出機等を挙げることができる。
前述のように圧延・押出工程において適当な形状に加工された原料は,成形工程において,所定の大きさ,形状に成形される。本発明にあっては,研磨材を製造することから,平板状やシート状,塊状となっている前記原料を細粒化するため,ペレット状に粉砕し,規定の粒度となるように篩い分ける。粉砕には公知の各種粉砕機を使用することができる。
その後,前記成形工程で得られた粒状体は,加硫工程にて加熱され,該粒状体内に含まれる加硫剤によって架橋反応を起こして,砥粒を除く母材が弾性体に加工される。前記加硫工程においても既知の各種装置を使用することができ,例えば,プレス,加硫缶,押出型の連続加硫機等を挙げることができる。
なお,前記粒状体への成形(成形工程)と加硫による架橋(加硫工程)は,順番を逆にすることもでき,例えば圧延・押出工程において適当な形状に加工された原料をそのまま加硫工程へと移行して弾性体へと加工した後,これを成形工程において粉砕して粒状体とすることとしてもよい。
また,前記原料ポリマーとして熱可塑性エラストマーを用いた場合には,既知の熱可塑性エラストマーの加工工程を経ることにより製造することができ,原料ポリマーの素練りと,配合剤及び砥粒を添加した上での混練を行なう混練工程,混練した原料を融点以上に加熱し,溶融した原料を押出・射出等する成形工程,このように成形された弾性体を粉砕し,規定の粒度となるように篩い分ける粉砕工程を経て所望の粒度の研磨材を製造することができる。なお,前記混練工程においては,ロール,加圧ニーダー,インターナルミキサー等を一例として使用することができる。
なお,製造する研磨材が,前記母材の表面に砥粒を担持したものである場合には,砥粒の配合分散を行っていない状態の母材を所定の形状に成形し,この母材の表面に粘着剤等を介して砥粒を付着させたものとしても良い。
〔噴射方法〕
上記砥粒は,例えば圧縮空気等の圧縮粒体と共に処理対象の表面に噴射することにより噴射するものとしても良く,又は前述したように回転する羽根車の遠心力によって噴射するものとしても良く,更には打出しロータにより叩くことで噴射するものとしても良く,砥粒を所望の条件で噴射することができるものであれば,その噴射方法は特に限定されない。
本実施形態にあっては,研磨材の噴射速度等の制御が比較的容易であることから,圧縮流体,特に圧縮空気等の圧縮ガスと共に研磨材を噴射する方法により砥粒の噴射を行った。
この砥粒の噴射は,処理対象の被膜形成部に対して入射角度が鋭角(90°未満)となるように行うことが好ましく,より好ましくは60°以下,更に好ましくは45°以下の入射角となるように行う。
このように,処理対象に対する砥粒の入射角を傾斜させているのは,図1に示すように,処理対象の表面に衝突した砥粒を,処理対象の表面に埋め込む方向に作用する力の成分であるV・sinθは,処理対象の表面に衝突する砥粒の入射角θが小さくなるに従って減少するためであり,従って,前述のように入射角θを所定の小さな値に調整することで,弾性体である母材に砥粒を担持させたこととの相乗効果により処理対象の表面に対する砥粒の埋め込みをより確実に防止することができる。
次に,本発明の方法により下地処理を行うと共に,被膜の形成を行ったものを,既知のブラスト加工により下地処理を行ったもの,及びこれに対して被膜の形成を行ったものと比較した比較試験の結果を示す。
1.砥粒の埋め込み発生確認試験
次に,各種材質の処理対象に対し,本発明の方法により下地処理を行った試料と,未処理の試料,又は一般的なブラスト加工を行った試料における砥粒の埋め込み状態の有無を確認した結果を以下に示す。
(1)冷間圧延鋼板(SPCC)に対する処理試験
(1−1)加工条件:
(a)実施例
本願発明の下地処理方法(実施例)を,下記の表2に示す条件により行った。
(b)比較例
比較例として,砥粒単体を下記の表3に示す条件でブラスト加工した。
(1−2)試験方法
それぞれ上記表2に示す加工条件でブラスト加工が行われた処理対象の表面に圧縮空気を吹き付けて付着物を除去し,その後IPA(イソプロピルアルコール)に浸漬して10分間,超音波洗浄を行った後,各試料の表面を電子顕微鏡により観察すると共に,X線解析を行った。
電子顕微鏡による表面観察は,走査型電子顕微鏡SEM「S-3400N」(日立製作所製)を用いて行い,X線解析は,EDX(エネルギー分散型X線分析法,オックスフォード・インストゥルメンツINCA ENERGY7021)により電子ビームを試料に照射し,試料から発生した種々のX線を検出し,波高分析器で区分けしてスペクトルを表示し,そのスペクトルより元素の同定と定量を行った。
加速電圧はSEM,EDXともに15eVで観察し,EDXは,元素マッピング法により試料表面の元素分析を実施し,その物質を同定した。
元素の同定はGC(グリーンカーボランダム)砥粒(材質:SiC)の存在を評価するために素材のSPCCの構成元素である鉄とGC(SiC)の構成元素である珪素(Si)と炭素(C)の3元素を選択した。
(1−3)試験結果
100×100mm,板厚3mmのSPCC(冷間圧延鋼板)を処理対象とし,この表面に,弾性研磨材によるブラスト処理(表2参照)を行って得た試料(実施例1),未処理の試料(比較例1),及び砥粒によるブラスト処理(表3参照)を行った試料〔比較例2(θ=90°),比較例4(θ=45°),比較例5(θ=30°)〕,並びに前記比較例2(θ=90°)の試料表面を切削した試料(比較例3)をそれぞれ得た。
実施例1の試料におけるSEM像およびEDXのマッピング像を図2に,比較例1〜3のSEM像およびEDXのマッピング像をそれぞれ図3〜5に示す。
なお,各試料と図2〜5の対応関係は,下記の表4に示す通りである。
図2(B)〜(D)に示す実施例1のEDX像(元素マッピング像)より,実施例1の試料表面では鉄(Fe),珪素(Si),炭素(C)の各元素が均等に分布しており局在的な珪素(Si)および炭素(C)の分布は確認されていない。
図3(B)〜(D)に未加工のSPCC材である比較例1のEDX像を示す。この像では,鉄(Fe),珪素(Si)と炭素(C)の各元素が均等に分布している。
このことから,実施例1のEDX像において珪素(Si)が均質に分布している状態が確認されたのは,処理対象としたSPCC材が本来有している珪素(Si)が確認されたものであることは明らかである。そのため,局在的な珪素(Si)および炭素(C)の分布が確認できなかった実施例1の試料にあっては,弾性研磨材中に配合分散した砥粒は,処理対象としたSPCC材の表面に対する埋め込みが生じていないことが確認された。
これに対し,砥粒であるGC(グリーンカーボランダム)#1000を直接噴射するブラスト加工を行った比較例の試料のうち,入射角θを90°とした比較例2では,図4(C)に示すように珪素(Si)のEDX像より,珪素(Si)が局在的に存在し(図中に○で囲んだ領域内),またこのように珪素(Si)が局在していることに対応して,鉄(Fe)のEDX像〔図4(D)参照〕では,珪素(Si)の局在部分に対応した部位に鉄(Fe)の存在が示されていない(○で囲んだ領域内)。
このことから,比較例2の試料では,砥粒の噴射後に圧縮空気の吹き付けによるクリーニング,超音波洗浄を行った後においても加工面に砥粒の成分であるSiCが存在しており,砥粒の埋め込みが生じていることが確認できた。なお,炭素(C)は,処理対象とした鉄(SPCC材)も含有しているのでほぼ均一に存在している。
この比較例2の表面を,ダイヤモンド砥粒#10000(砥粒径:1μm)を用いて研磨した試料(比較例3)のSEM像,EDX像を図5に示す。
図5から判るように,比較例2の試料表面を研磨することで,試料表面に埋め込まれていた砥粒のSiCが表面に露出した状態が確認され,このことからも砥粒を直接噴射した場合には,処理対象表面に砥粒の埋め込みが生じることは明らかである。
なお,前記ダイヤモンド砥粒による表面研磨は,噴射装置として(株)不二製作所製「LDQSR-3」を用いて行い,噴射圧力0.06MPa,ノズルチップ径で行った。
さらに,EDXによる珪素(Si)元素の原子数濃度(%)は,それぞれ,実施例1が0.29%,未加工のSPCC(比較例1)が0.31%,比較例2が7.5%であり,この結果から,原子数濃度においても本願実施例1の試料では,砥粒の埋め込みが生じていないことが確認できる。
なお,入射角θを45°として砥粒を噴射した試料(比較例4),入射角θを30°として砥粒を噴射した試料(比較例5)についても,SEM像,EDX像(いずれも図示せず)において確認した結果,砥粒の成分であるSiCの存在,即ち研磨材の埋め込みが生じていることが確認されており,処理対象に対する砥粒の入射角θの調整のみでは,砥粒の埋め込みを防止できなかった。
(2)合金工具鋼(SKD11)に対する処理試験
(2−1)加工条件及び試験方法
合金工具鋼(SKD11)に対し,本願発明の方法により下地処理を行って得た試料(実施例2),未処理のSKD11鋼(比較例6),及びSKD11鋼に対して砥粒の噴射によるブラスト加工を行った試料(比較例7)を得,それぞれの表面に対する砥粒の埋め込みの有無を確認した。
なお,処理対象とした製品の材質が異なる点を除き,上記実施例2に対する加工条件は,表2のとおり,試験方法は前掲の実施例1と,比較例7に対する加工条件及び試験方法は前掲の比較例2と同一である。
(2−2)試験結果
EDXにより各試料における珪素(Si)の原子数濃度(%)を測定した結果,砥粒を噴射して処理が行われた比較例7における珪素(Si)の原子数濃度(%)が11.8%であるのに対し,本発明の方法で下地処理して得た試料(実施例2)の珪素(Si)原子数濃度(%),及び未処理の試料(比較例6)の珪素(Si)原子数濃度(%)は,共に0.6%であった。
このように,実施例2の試料では,未処理の試料(比較例6)と珪素(Si)の原子数濃度(%)に変化がなく,この珪素(Si)原子数濃度の値によってGC(グリーンカーボランダム)砥粒(材質:SiC)の埋め込みが生じていないことが確認された。
また,図6(A)に示す実施例2のSEM像および図6(B)〜(D)に示すEDX像から,珪素(Si)元素の分布状態は,未処理のSKD11鋼(比較例6)のEDX像(図示せず)と同様なマップが得られた。
これにより実施例2の試料表面は,未処理のSKD11鋼(比較例6)と同様の状態,すなわち砥粒の埋め込みが生じていないことが判る。
一方,砥粒の噴射を行って得た比較例7の試料にあっては,図7(A)に示すSEM像および図7(B)〜(D)に示すEDX像からも判るように珪素(Si)元素が局在しており,噴射された砥粒が処理対象としたSKD11鋼の表面に埋め込まれている事を確認した。
(3)超硬合金(住友電工株式会社製「KH03」)に対する処理試験
(3−1)加工条件及び試験方法
超硬合金(住友電工株式会社製「KH03」)に対し,本願発明の方法により下地処理を行って得た試料(実施例3),未処理の前記超硬合金(比較例8),及び前記超硬合金に対して砥粒の噴射によりブラスト加工を行った試料(比較例9)を得,それぞれの表面に対する砥粒の埋め込みの有無を確認した。
なお,実施例3の加工条件及び試験方法は,表2のとおりである。
また,比較例9に対する加工条件については,処理対象とした製品の材質が異なる点,及びフジランダムWA#320(材質:ホワイトアランダム,株式会社不二製作所製)を砥粒として噴射した点を除き,その他の加工条件及び試験方法については前述した比較例2と同様である。
(3−2)試験結果
炭化タングステン(WC)である前述の超硬合金に対して,ホワイトアランダム(材質:Al23)製の砥粒を噴射して得た比較例9の試料におけるSEM像及びEDX像を図8に示す。
図8において,砥粒である酸化アルミニウム(Al23)の構成元素であるアルミニウム(Al),酸素(O)の元素像のマッピングよりSEM像に対応したEDX像が観測され,表面に砥粒が残留していることが確認できた。
さらに,この比較例9の試料表面を,弾性体である母材に砥粒としてダイヤモンド#10000を配合分散した弾性研磨材を使用して微量の研磨を行ったところ,処理対象とした超硬合金の表面に砥粒が埋め込まれていることが確認された。
なお,前述した超硬合金に対して本発明の方法により下地処理を行って得た実施例3の試料では,SEM像,EDX像(いずれも図示せず)の観測から,砥粒の埋め込みを確認することはできなかった。
2.被膜形成試験
被膜形成試験として,SKD11製の処理対象に硬質コーティング膜であるTiAlN被膜をプラズマ法にて製膜した。
前記被膜の形成に先立ち,実施例2の試料ではSKD11製の基材に対し,#320のGC(グリーンカーボランダム)砥粒を,弾性体である母材に配合分散した弾性研磨材を使用して,前掲の表2の条件でブラスト加工を行った。
比較例10では,#320のGC(グリーンカーボランダム)砥粒を,入射角θが90°となるように処理対象の表面に直接噴射した後,被膜を形成したものであり,噴射条件は表3に示す通りである。
以上のようにしてTiAlN被膜の形成が完了した後の試料表面を,#10000のダイヤモンド砥粒を弾性体である母材に配合分散させた弾性研磨材を使用して微量研磨し,被膜のドロップレット(溶滴)を除去する等して,表面を調整した。
以上のようにして得られた各試料中,実施例の試料表面をSEM像及びEDX像に基づいて表面状態,及び元素分析を実施したところ,実施例2の試料では,EDX像(図示せず)より,形成された被膜の表面からは,元素としてTi,Al,Nのみが検出され,表面にTiAlNの被膜が均質にできていることが確認できた。
一方,砥粒を直接噴射することにより下地処理を行った比較例10の試料では,図9に示すように,形成された被膜から,図9(B)〜(G)に示すEDX像より研磨材の成分である珪素(Si)元素が強く出ている〔図9(G)の○印参照〕。
この珪素(Si)元素が強く検出された部分では,被膜の元素であるTi,Al,N元素の検出量が低くなっており〔図9(B)〜(D)〕,砥粒の成分である珪素(Si)元素が検出された部分,すなわち,ブラスト加工によって砥粒の埋め込みが生じた部分には,被膜が形成されていないことが確認できた。
このように,部分的の被膜を形成することができない部分が生じる理由は,基材上に絶縁性のGC(グリーンカーボランダム)砥粒(材質:SiC)が埋め込まれ,印加される電圧の状態が他とは電圧の印加状態が異なるものとなるためであると考えられる。
なお,このように珪素(Si)元素が検出されている部分には,TiAlN被膜が形成されていないことは,SEM像によっても確認されている。
以上の結果から,砥粒を直接処理対象に対して噴射する既知のブラスト加工法によって下地処理を行う場合に比較して,弾性体である母材に砥粒を分散配合して噴射する本発明の方法による下地処理を行うことが,均一な被膜を形成する上で有効であることが確認できた。
3.摩擦試験
以上のようにして得られた,SKD11製基材の表面にTiAlN被膜が形成された前記実施例2の試料,及び比較例10の試料に対し,摩擦試験を行い,両試料の耐久性を比較した。
この摩擦試験は,ボールオンディスク法〔(株)レスカ製の装置を使用〕によってい,摩擦相手材となるボール試験片として,3/16インチのSUS304ボールを使用した。
なお,実験の開始に先立ち,試験片と,摩擦相手となるボールとを共にアセトン内に浸漬して超音波洗浄により汚れの除去を行った。
以上の摩擦試験の結果,摩擦係数が安定した状態を維持している経過時間を測定したところ,比較例10の試料における経過時間を1としたとき,実施例2の試料における経過時間は20であり(比較例10:実施例2=1:20),比較例10の試料に対し,実施例の試料では,20倍も長い時間の摩擦係数が得られることが確認された。
また,実施例2の試料では,摩擦試験後も被膜が安定した状態で付着していることが確認でき,被膜の付着強度においても良好な結果が得られたが,比較例10の試料では被膜が剥離していることが確認されており,被膜としての役割を果たせないものとなっていた。
砥粒に作用する力の説明図。 実施例1(材質:SPCC)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は鉄(Fe)のEDX像,(D)は珪素(Si)のEDX像。 比較例1(材質:SPCC,未加工)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は珪素(Si)のEDX像,(C)は炭素(C)のEDX像,(D)は鉄(Fe)のEDX像。 比較例2(材質:SPCC,θ=90°)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は珪素(Si)のEDX像,(D)は鉄(Fe)のEDX像。 比較例3の試料(比較例2の試料表面を研磨したもの)の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は珪素(Si)のEDX像,(D)は鉄(Fe)のEDX像。 実施例2(材質:SKD11)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は珪素(Si)のEDX像,(D)は鉄(Fe)のEDX像。 比較例7(材質:SKD11,θ=90°)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は珪素(Si)のEDX像,(D)は鉄(Fe)のEDX像。 比較例9(材質:超硬合金,θ=90°)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は炭素(C)のEDX像,(C)は酸素(O)のEDX像,(D)はアルミニウム(Al)のEDX像,(E)はタングステン(W)のEDX像。 比較例10(材質:SKD11にTiAlN被膜形成)の試料の電子顕微鏡写真であり,(A)はSEM像,(B)は窒素(N)のEDX像,(C)はアルミニウム(Al)のEDX像,(D)はチタン(Ti)のEDX像,(E)は鉄(Fe)のEDX像,(F)は炭素(C)のEDX像,(G)は珪素(Si)のEDX像。

Claims (4)

  1. 処理対象の被膜形成部の表面に,砥粒を弾性体である母材に配合分散し,又は砥を弾性体である母材の表面に担持させた,前記砥粒が表面に存在する弾性研磨材を直接噴射することにより,前記被膜形成部に対する砥粒の埋め込みを生じさせることなく前記被膜形成部の表面を切削して,該被膜形成部上に形成される被膜にアンカー効果を生じさせる所定の表面粗さで凹凸を形成することを特徴とする被膜形成部の下地処理方法。
  2. 前記砥粒の粒径を変更することにより,前記被膜形成部の表面粗さを調整することを特徴とする請求項1記載の被膜形成部の下地処理方法。
  3. 前記弾性研磨材の噴射条件を変更することにより,前記被膜形成部の表面粗さを調整することを特徴とする請求項1又は2記載の被膜形成部の下地処理方法。
  4. 前記砥粒が平均粒子径0.5〜230μmの絶縁性砥粒であり,この絶縁性砥粒の粒子径に対応して平均粒子径10〜2000μmの範囲から選択した前記弾性研磨材を,噴射圧力0.01MPa〜0.5MPa,噴射距離10mm〜200mm,入射角度30〜75°において噴射することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の被膜形成部の下地処理方法。
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