JP5424073B2 - ころ軸受の加工方法及びころ軸受 - Google Patents

ころ軸受の加工方法及びころ軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP5424073B2
JP5424073B2 JP2007293038A JP2007293038A JP5424073B2 JP 5424073 B2 JP5424073 B2 JP 5424073B2 JP 2007293038 A JP2007293038 A JP 2007293038A JP 2007293038 A JP2007293038 A JP 2007293038A JP 5424073 B2 JP5424073 B2 JP 5424073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
fluid
roller bearing
component
abrasive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007293038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009119535A (ja
Inventor
隆昌 大平
貞幸 田中
啓之 内田
靖 天野
精介 竹田
政秀 東村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2007293038A priority Critical patent/JP5424073B2/ja
Publication of JP2009119535A publication Critical patent/JP2009119535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5424073B2 publication Critical patent/JP5424073B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、ころ軸受の加工方法及びころ軸受に関し、特に粒状体を吹き付けることにより、ころ軸受の構成要素の表面を加工する加工方法及びころ軸受に関する。
従来、転がり軸受の構成要素である軌道輪(レース)等には、バレルによる加工処理を施す場合がある。バレル加工とは、一般的には、バレル漕中にメディア、コンパウンドおよび被加工部材(ここでは軌道輪)を入れ、回転、振動などにより被加工部材とメディアに相対摺動を生じさせ、被加工部材の表面を研磨する加工をいう。
ところで、このようなバレル加工においては、軌道輪の熱処理によるスケール除去、バリ取り、粗さの向上等を目的として、バレル時の砥粒(メディア)に酸化アルミナ(Al23)、酸化ケイ素(Si23)等を用いており、一般的にはチップと呼ばれる小石のようなメディアと、コンパウンドと呼ばれる粉状のメディアを混在させて加工を行っている。しかしながら、この加工によると、バレル 後の洗浄工程が不十分であった場合、バレル時の砥粒が完全に除去できず残ってしまうことがあった。
これに対し、以下の特許文献1においては、ころ軸受の構成要素であるころやレースより低硬度のクルミ材に、ころやレースより高硬度のアルミナをコーティングしたメディアを用いて、バレル研削加工を行う加工方法が開示されている。かかる加工によれば、アルミナによりころやレースの効率的な加工(バリ取り等)を行うことができ、且つ加工後の洗浄が不十分でメディアが残留した場合に、転がり軸受の動作時に、ころやレースの間にメディアが噛み込まれても、クルミ材を母材としているため容易に潰れ、噛み込んだ部分への転写や傷付きが抑制される。
特開2004−337990号公報
ところで、バレル加工における一つの問題は、生産性を高めるために、メディアと共に、複数のころ軸受の構成要素をバレル漕中に挿入し、回転、振動などを付与したときに、構成要素同士が接触し合い、加工面に圧痕を生じさせたりする恐れがあることである。又、適切な表面加工を行うためには、バレル漕中に挿入可能な比較的小型のころ軸受の構成要素(例えばころの場合、ころ径がφ40mm以下)に適用する必要があり、大型のころ軸受の構成要素については、バレル加工が困難であるというサイズ上の制約がある。更に、転がり軸受を構成する転動体が軌道輪表面を転動する際に、接触し合う両部品間の油膜形成において、研磨目方向を転動方向に対して垂直とすることが理想的であるが、バレル加工では、部品表面がメディアによってあらゆる方向から削られる為に、研磨目の方向を任意の方向に定めることができないという問題もある。
一方、大型のころ軸受の構成要素については、砥石を用いて研磨することが行われている。これは、回転する構成要素に対して、揺動や回転をさせながら砥石を押し付けて研磨を行うというものである。しかるに、一般的には、研磨加工の際に、研磨対象となるころ軸受の構成要素の回転速度は、砥石の揺動速度すなわち軸線方向の砥石の進行速度より相対的に速いので、研磨方向は回転方向とほぼ平行となり、バレル加工と同様に、転動方向に対して理想的な方向に研磨目を形成することは困難である。
これに対し、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体を、気体と共に被加工物に吹き付けて研磨する加工方法が開発されている。かかる加工方法によれば、砥粒が被加工物の表面に噛み込むことが抑制され、且つ被加工物同士の接触を回避して圧痕等の発生を抑制できる。しかるに、本発明者らは、流体の吹き付け方向によっては、潤滑特性など、ころ軸受に要求される特性が大きく異なることを発見した。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体を、流体と共に吹き付けることにより、ころ軸受の特性を任意に調整できる加工方法を提供することを目的とする。
本発明のころ軸受の加工方法は、ロールネック又はバックアップロールに用いるころ軸受の内輪、外輪、ころ及び保持器の少なくとも1つである構成要素に対して、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体を含む流体を吹き付けることにより表面を研磨するころ軸受の加工方法であって、
前記流体の吹き付け方向を、前記構成要素の回転軸線に対して略平行に設定し、
前記構成要素を前記回転軸線の回りに回転しながら前記流体を吹き付ける際に、前記構成要素のサイズ、前記構成要素の回転速度、前記流体の吹き付け速度のうち少なくとも一つを調整し、前記構成要素の周面に、前記回転軸線に対して略平行である、潤滑油を保持するための研磨目を形成することを特徴とする。
本発明によれば、ころ軸受の構成要素に対して、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体を含む流体を吹き付けることにより、母材に弾性を持たせることで、砥粒が研磨面に衝突する際の衝撃エネルギーを吸収し、それにより深い研磨傷の発生を抑制できる。又、粒状体の吹き付け速度を、加工対象とする構成要素の回転速度又は吹きつけノズルの移動速度より相当に速くすることで、加工面にはほぼ吹き付け方向の研磨目が形成されるため、例えば転動体の転動方向に対し垂直方向から流体を吹き付けて研磨目を形成することで、加工された転動面を油膜の切れにくい理想的な状態にすることができる。但し、構成要素の回転方向に対して垂直な方向、つまり回転軸方向に流体を吹き付けることで、真円度など部品形状の精度低下が懸念される場合には、複数の吹き付けノズルを用意して、異なる方向から流体の吹き付けを組み合わせて用いることで、部品形状の精度向上を図ることもできる。又、砥石の消費や加工時間を節約することで、製造コストの低減を図ることができる。尚、「構成要素」とは、ころ、外輪、内輪、保持器の少なくとも一つをいう。
前記構成要素を前記回転軸線の回りに回転しながら前記流体を吹き付ける際に、前記構成要素のサイズ(ころであれば外径、内輪であれば外周径、外輪であれば内周径など)、前記構成要素の回転速度、前記流体の吹き付け速度、前記回転軸線に対する前記流体の吹き付け角度のうち少なくとも一つを調整することにより、前記構成要素の表面に形成される研磨目の方向を制御すると好ましい。「研磨目」とは、砥粒が加工面に対して相対的に当接することで形成される加工痕をいう。
ノズルNZより、構成要素の一例としてころRLの表面に流体を吹き付ける場合について考察する。図8に示すように、ノズルNZからの吹き付け方向を、ころRLの回転軸線と平行にして、流体を吹き付けるものとする。ここで、ころRLの外径をφD、回転数をN(min-1)とすると、ころRLの周速はV1=π・N・D/60で表せる。一方、ノズルNZの吹き付け速度がV2であるとすれば、ころRLの周面に当たった砥粒は、ベクトルV1とV2とを合成した方向に相対速度を持っているので、砥粒により表面に形成される研磨目の、軸線に対する角度θは、tan-1(V1/V2)=tan-1((π・N・D)/(60・V2))で表せる。従って、V1,V2を任意に選択することによって、研磨目の角度θを、0度、90度を含む任意の角度に決定することができる。又、図8では、流体の吹き付け角度を、ころRLの軸線と平行にしたが、これを傾けることでも、研磨目の方向を変更することが可能である。
前記流体の吹き付け方向を、前記構成要素の回転軸線に対して略平行に設定すると、前記構成要素を回転軸線回りに回転させながら加工を続行することにより、前記構成要素の全周の鏡面化を図りつつ、かかる周面に微小な研磨目を回転軸線に平行に形成することができる。この研磨目内に潤滑油を保持することで、潤滑油の保持性能を高めることができる。「回転軸線に対して略平行」とは、前記構成要素の回転軸線に対して、±20度以内で傾けた場合も含む。
前記流体の吹き付け方向を、前記構成要素の接線方向に略平行に設定すると、前記構成要素を回転軸線回りに回転させながら加工を続行することにより、前記構成要素の全周の鏡面化を図りつつ、かかる周面に微小な研磨目を周方向に沿って形成することができるので、機械研磨した場合に比べて前記構成要素の真円度を高めることができる。これによりころ軸受の動作時の振動や騒音を抑制することができる。「接線方向に略平行」とは、前記構成要素の周面の接線方向に対して、±20度以内で傾けた場合も含む。
前記流体の吹き付け方向を交差する少なくとも2方向とすると、前記構成要素の周面の鏡面化を図りつつ、かかる周面に微小な研磨目を交差する方向に形成することで、例えばころが、外輪もしくは内輪上を転動する際に、形成した研磨目を介して、ころの両端側から内側に潤滑油が侵入し易くなり、潤滑性を高めることができる。
複数の前記構成要素をガイドに沿って転動させながら、前記流体を吹き付けると好ましい。
複数の前記構成要素を直列に保持して回転させながら、前記流体を吹き付けると好ましい。
前記流体を吹き付ける吹き付け部(例えばノズル)を複数設けると、効率よい加工を行うことができる。
前記砥粒の材質、形状、硬さ、密度、吹き出し時の圧力、吹き出し速度、前記流体の吹き出し位置から前記構成要素までの距離のうち少なくとも一つを変更可能となっていると好ましい。
前記流体を吹き付けられることにより、前記構成要素の表面の防錆効果を得られると好ましい。
前記構成要素はころであり、前記ころのクラウニング部に前記流体を吹き付けると、前記ころの端面又は周面とクラウニング部との境のつながりを滑らかにすることができ、転動性能を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる軸受装置を用いた連続鋳造設備の概略を示す斜視図である。
図1において、溶融した鋳片FEが上部の導入部1から供給され、二列になった排出部2より鉛直方向可能に向かって板状に排出されるようになっている。板状の鋳片FEは、対向して配置されたローラユニット3の間を通過し、ローラにより徐々に板厚を調整され且つ徐々に水平になるよう方向付けされる。鋳片FEの両側に配置されたローラユニット3は、点線で概略図示されるようにチャンバ9により遮蔽されており、その内部は鋳片FEの高温と冷却用の水とに曝された劣悪な環境条件となっている。
ローラユニット3は、鋳片FEの圧延用のローラ(ガイドロールともいう)4、4’と、ローラ4、4’の両端を支持する軸受装置10、10’とからなるセグメントを組み合わせて用いている。ローラ4の全長は、ローラ4’の全長より短くなっている。
図2は、鋳片FEを圧延する1本の短いローラ4を支持する軸受装置10、10の断面図である。本実施の形態においては、軸受装置10,10は同じものを使用するが、反転して用いており、よって片方についてのみ説明する。図2において、ローラ4は、鋳片FEを圧延する圧延部4aの軸線方向両側において、圧延部4aより小径であって同軸に配置された第1円筒部4bと、第2円筒部4cと、第3円筒部4dとを、この順序で圧延部4a側から設けている。
図2において、下面を固定されたハウジング本体11の内部には、円筒部11aとシール保持部11bとが同軸に形成されている。円筒部11a内には、円筒ころ軸受12が配置されている。シール保持部11bには、シール13が配置されており、そのリップは第1円筒部4bに嵌合したラビリンス環14の外周に当接して密封している。ラビリンス環14は、周方向断面が略コ字状であって、対応する形状のハウジング本体11と微小隙間を持って組み合わせることで、非接触シールとしてのラビリンスシールを形成している。但しシール構造はこれに限定されるものではない。
図3は、円筒ころ軸受12を拡大して示す図である。図3において、円筒ころ軸受12は、ハウジング本体11の内周に嵌合した外輪12aと、ローラ4の第2円筒部4cに嵌合した内輪12bと、外輪12aと内輪12bとの間に配置された複数の円筒ころ12cとからなる。外輪12aは、円筒ころ12cを間に挟むようにして、半径方向内方に延在する鍔部12d、12dを軸線方向両端に一体的に形成してなる。又、内輪12bは、半径方向外方に延在する鍔部12eを軸線方向の一方の端部(ここでは円筒ころ12cに対してローラ4の外側に近い端部)にのみ一体的に形成してなる。尚,12eと12c間には、わずかなすきまを与えることもある。又、内輪12bの鍔部が設けられていない方の端部外周は、外方に向かうにつれて縮径するテーパ面12gとなっており、円筒ころ12cの挿入時における引っ掛かり等を抑制するようにしている。
図2において、ハウジング本体11の第3円筒部4dの外周には、第2円筒部4cの端面に突き当てるようにして、環状部材15が嵌合配置され、ボルトBにより固定されている。固定方法はこれに限定されるものではなく、軸ナットによる固定する方法も取られる。円筒ころ軸受12の内輪12bは、第1円筒部4bの端面と、環状部材15とにより挟持されるローラ4に対して一体的に回転するように固定されている。尚、ハウジングの取り付け精度の関係でわずかに環状部材15と内輪12bの端面にすきまを与える構造をとることもある。
ハウジング本体11に、ボルトBを用いてドーナツ板状の蓋部材16が取り付けられ外輪12aを固定している。蓋部材16の中央開口16aに配置されたシール17が、環状部材15に当接して密封している。ハウジング本体11と蓋部材16とで、ハウジングを構成する。尚、図示していないが、潤滑はグリースを給脂して使用する場合が多いがオイルエア潤滑装置から配管を介して、ハウジング内に潤滑油を含んだ適量の潤滑油が圧送され、円筒ころ12cを潤滑することが望ましい。
図4は、鋳片FEを圧延する比較的撓みが大きいロール4’を支持する軸受装置10’、10’の断面図である。本実施の形態においては、軸受装置10’,10’は同じものを使用するが、反転して用いており、よって片方についてのみ説明する。軸受装置10’は、上述した軸受装置10に対して、円筒ころ軸受12’の構成のみが異なっているため、共通する構成については説明を省略する。但し、蓋部材16は、調心輪12fをハウジング本体11に固定している。
図5は、円筒ころ軸受12’を拡大して示す図である。図5において、円筒ころ軸受12’は、ハウジング本体11の内周に嵌合した調心輪12fと、調心輪12fの内周に嵌合した外輪12aと、ローラ4の第2円筒部4cに嵌合した内輪12bと、外輪12aと内輪12bとの間に配置された複数の円筒ころ12cとからなる。調心輪12fの外周は円筒面であるが、その内周は球面となっている。一方、外輪12aの軌道面は円筒面であるが、その外周は、調心輪12fの内周面に対応した球面となっている。よって、ハウジング本体11に嵌合固定された調心輪12fに対して、外輪12aは球面に沿って摺動し傾き可能となっており、これにより調心機能を実現している。
上述した円筒ころ軸受12と同様に、円筒ころ軸受12’において、外輪12aは、半径方向内方に延在する鍔部12d、12dを軸線方向両端に一体的に形成してなる。又、内輪12bは、半径方向外方に延在する鍔部12eを軸線方向の一方の端部(ここではローラ4に対して外側の端部)にのみ一体的に形成してなる。
本実施の形態の動作について説明する。図1に示す連続鋳造設備において、鋳片FEの供給に応じて、ローラ4が毎分2〜3回転程度の極低速で回転する。ローラユニット3に設けられた軸受装置10、10’は、ハウジング本体11に対して円筒ころ軸受12、12’がローラ4、4’を回転自在に支持する。
次に、ころ軸受の加工方法について説明する。図6は、本実施の形態にかかるころの加工方法を実施するための加工装置を示す図である。図6において、モータと減速器からなる駆動源DSの出力軸STにテーブルTLが連結され、回転自在に支持されている。テーブルTL上には、ころ軸受の構成要素の一つであるころ12cが間隔をあけて載置されている。ころ12cの周面に対して、ノズルNZが配置されている。
ノズルNZは、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体の貯留部(不図示)と、空気源(不図示)とにホース又はパイプを介して接続され、かかる粒状体を空気と共に吹き出せるように構成されている。又、ノズルNZは、ころ12cの回転軸線Xに対して三次元的に吹き出し方向を変更可能となっている。ここでは、円筒ころ軸受12のころ12cを構成要素の例に取り説明するが、外輪12a、内輪12b、或いは保持器を用いる場合は保持器も、本実施の形態の加工方法により同様に加工でき、更に自動調心ころ軸受12’の構成要素も同様に加工できる。
本実施の形態においては、砥粒及び弾性体を含む流体を吹き付けて研磨加工を行う。より具体的には、研磨材として、母材となる弾性体に研削能力を有する砥粒を分散し,これを気体もしくは液体内に混入して吹き付けるようにする。本実施の形態によれば、母材の弾性力を利用して,研磨材が構成要素の加工表面に衝突した際に該加工表面に打痕が形成されるのを好適に防止することを可能とするほか,研磨材における砥粒の含有率を所定範囲内として該研磨材の反発弾性率を抑えることにより,加工表面に衝突した研磨材が前述する母体の弾性力によって反跳するのを防止できるものであり,前記加工表面との衝突時に発生する衝撃を吸収しつつ該加工表面を滑走させて,前記加工表面に梨地状の凹凸が形成されることを防ぎつつ研磨や切削等のブラスト加工を施すことを可能とするものである。
また,研磨材と被加工物との衝突部分において,研磨材との衝突部分における被加工物の表面のうち,母材と衝突した部分には,母材の持つ前述の弾性力によって衝突の影響は与えられず,切削等の作用はこの母材中に分散された砥粒との衝突部分によって発揮される。これにより母材中に分散された砥粒を単体で噴射した場合と同様のブラスト加工を,全体として比較的粒径が大きく,取り扱い等に便利な研磨材によって可能とするものである。
研磨材の粒度は特に限定されるものではなく,研磨材や加工対象となる被処理物の材質,加工目的等に応じて適宜変更可能であるが,一例として粒径を3mmから0.02mmとすることができる。特に,微小領域の切削,研磨においては,粒径の小さい微細な研磨材を使用することが有効である。
また,研磨材に含まれる砥粒として平均粒径1μm(#8000)以下の微粒子を使用する場合には,研磨材の粒径も小さくすることによって,該研磨材表面の単位面積あたりの前記砥粒の密度を高めることができるため,砥粒を有効に利用することができるという利点がある。
以下,研磨材を構成する母材及び砥粒,これらの配合割合,及び前記研磨材の製造方法について説明する。
〔母材〕
母材は,本発明の研磨材において研削能力を有する砥粒をその内部及び表面に担持する担体となるものであり,前記研磨材が被加工物の加工表面に対して噴射され前記加工表面に衝突した際,該加工表面に食い込む等の影響を与えることを防止する観点から,弾性体から成るものとし,表1に示す原料ポリマーに各種配合剤を配合して構成される。
(原料ポリマー)
主原料となる原料ポリマーは、各種添加剤を加えることによりゴム,熱可塑性エラストマー等の弾性体を成すもので,固体のほか,液状ゴムやエマルジョン等のラテックスの形態のものが使用できる。また,前記母材並びに該母材を含む前記研磨材の反発弾性率を抑える観点から,その特性上,低反発弾性であるものが好ましい。
前記ゴムとしては,表1に示すように、天然ゴムのほか,各種合成ゴムも使用できる。また,前記熱可塑性エラストマーとしては,表1に示すものを好適に用いることができる。
これらの原料ポリマーであるゴム,熱可塑性エラストマーは,単独で用いるほか,複数種を混合(併用)して用いても良い。
また,回収廃棄製品や製造工程において排出される廃棄物をリサイクルして得られたゴムや熱可塑性エラストマーを使用しても良い。
(配合剤)
前記原料ポリマーは,表1に示す各種の配合剤と混合された上で母材を成す弾性体として加工される。
なお,以下,原料ポリマーとしてゴムを使用する場合について説明すると,ゴムポリマーに混合される前記配合剤としては,ゴム分子間を架橋するための加硫剤,前記加硫剤による架橋反応を促進するための加硫促進剤のほか,ゴムに可塑性を与えて配合剤の混合・分散を助け,圧延や押出等の加工性をよくするための可塑剤,ゴム製造時に要求される粘着性を与えて加工性を良くするための粘着付与剤,増量によって製品コストを低下させるほか,ゴムの物性(引っ張り強さや弾性等の機械的特性等)や加工性を向上させるための充填剤,また,安定剤,分散剤等,一般にゴム成形に用いられている各種の配合剤が挙げられる。
前記充填剤としては,研磨材に重量を付与する目的から,例えば,砥粒の硬度より低い金属,セラミックス,無機物樹脂等を使用することができ,これらを配合することによってブラスト加工に適した研磨材密度となるように調整することができる。また,静電防止のため,カーボンブラックや金属粒子等の導電性を有する物質を使用することもできる。
上記実施形態にあっては,原料ポリマーをゴムポリマーとしたが,上述するように原料ポリマーとして熱可塑性エラストマーを用いてもよく,この場合には熱可塑性エラストマーの成形に一般に用いられる各種の配合剤が使用可能である。
〔砥粒〕
砥粒は,被加工物に施す加工の目的に応じて,被加工物との接触により研削,表面の平滑化等の一又は複数の作用を及ぼす能力を有し,本発明の研磨材において被加工物を研磨,切削,クリーニング,摩擦抵抗の減少,疲労強度の向上等をもたらす役割を担うもので,前述した原料ポリマー及び配合剤から成る母材に分散される。
前記砥粒としては,前記母材に分散することができると共に,ブラスト加工によって被加工物を所望状態に加工することが可能な材質であれば特に限定はなく,一般に研磨材として使用される各種の材質を使用可能であり,ホワイトアランダム(WA)やアランダム(A)等のアルミナ,グリーンカーボランダム,ダイヤモンド等,一例として下記の表1に示すようなものを使用することができる。また,これらを1種以上混合したものを使用してもよい。
〔流体〕
流体としては、表1に示すような気体又は液体が好適に用いられる。
前記砥粒の粒度についても限定はなく,母材と共に製造される最終的な研磨材の粒径等に応じて適宜選択可能であるが,例えば1mmから0.1μmの範囲のものを使用できる。なお,被加工物の加工表面を光沢化する鏡面加工等を行なう場合には,6μm以下(#2000以上)の細砥粒を使用することが好ましい。本発明の研磨材にあっては,平均粒径が1μm以下(#8000以上)の細砥粒を用いることも可能である。
また,被加工物の加工表面を所望の形状に切削加工する場合には,30μm以上(#400以下)の粗砥粒を使用することが好ましい。本発明においては1mmの砥粒の使用もできる。
切削加工に使用する研磨材に分散する砥粒の粒度は,切削速度により適宜選定すればよい。一般的なブラスト加工では加工工具による切削痕を消失させる事はできず,その切削痕の段差を概略保持しながら,本加工法を用いればその加工痕を消失させることも可能である。
前記砥粒の形状についても,被加工物の材質や,ブラスト加工を行う目的(例えば,被加工物の加工表面にどの程度の光沢を与える研磨を行なうか)やブラスト加工条件等によって適宜変更可能であり,球形のみならず,多角形,円柱状,薄片状,針状及びこれらが混在した状態等,各種形状を広く使用することができる。
〔配合割合〕
前記研磨材における前記砥粒の配合割合(含有率)は,研磨材を100wt%とした場合,10〜90wt%の範囲とすることが好ましい。
これは,研磨材の重量を100wt%とした場合,該研磨材に占める前記砥粒の含有率が10wt%以下であると,弾性体である母材の影響により研磨材の反発弾性率が大きくなり,被加工物の加工表面へと噴射された研磨材は,加工表面に衝突後,該加工表面を滑走することなく反跳するか,あるいは前記加工表面を滑る距離が少なくなってしまうという問題があり,また,研磨材の表面に存在する砥粒の密度が小さくなりすぎることから,研削力が低下し,加工能力が低下するという問題も生じるためである。
一方,前記砥粒の含有率が90wt%を超えると,砥粒が支配的となり,砥粒と母材の結合度が弱くなるため,噴射により被加工物の加工表面に衝突した際,衝突エネルギーによって研磨材が著しく破砕してしまうほか,破砕した前記研磨材によって前記被加工物の切削面,研磨面(加工表面)は梨地状となってしまうという問題が生じるためである。
なお,研磨材中の前記砥粒の配合割合は,好ましくは,研磨材を100wt%として砥粒を60〜90wt%とすることができ,これによって前記反発弾性率及び研削力を維持しつつ,研磨材が破砕することをさらに好適に防止することができる。
特に,研磨材中の砥粒含有率が70wt%を超える場合には,母材が粉塵爆発を起すおそれのある材質であっても,砥粒に粉塵爆発を起さない材質を用いることにより,研磨材が微粒子化しても粉塵爆発を防止することが可能である。
さらに,本発明の研磨材にあっては,砥粒が母材表面に付着されているのではなく,母材内にも分散されていることから,被加工物への噴射,該被加工物の加工表面の研磨や切削,前記研磨材の回収や分流等,ブラスト加工工程において生じる種々の衝撃や摩擦等により前記研磨材の前記母材表面に存在する砥粒が抜脱,剥離したり,破砕,摩耗等した場合であっても,前述するブラスト加工工程内の衝撃や摩擦によって前記母材も摩耗,破砕することによって該母材内の新たな砥粒が表面へと出現するため,研磨材の研削能力を保持することができる。
したがって,本発明の研磨材は耐久性に優れると共に研磨材再生工程が必要なく,長時間,複数回にわたって使用することができ,研磨材循環型の加工ラインにも好適に使用可能である。なお,前述するような新たな砥粒の出現は,前記母材の材質や,研磨材における砥粒の配合割合(含有量),生産プロセス等を適宜変更して,前記母材の摩耗,破砕割合,研磨材の脆さ等を調整することにより,好適に実現することができる。
なお,目視で研磨材の砥粒の粒径等を判断するため,例えば酸化チタン,酸化亜鉛,カーボンブラック,ホワイトカーボン,シリカ,マイカ,アルミ粉末,金属フレーク,酸化鉄,アゾ系染料,アントラキノン系染料,インジゴ染料,硫化染料,フタロシアニン染料等,無機顔料,有機顔料の着色材を添加配合して使用する。また,これらの蛍光着色剤を研磨材に添加配合し,さらに芳香剤,抗菌剤を添加配合しても良い。
〔製造方法〕
本発明の研磨材は,原料ポリマーとして上述のゴム(原料ゴム)を用いる場合,既知のゴム製造の加工工程を経ることにより製造することができる。
一般にゴム製品は,混練工程,圧延・押出工程,成形工程,加硫工程の4工程を経て製造されるため,以下,上記4工程に沿って本発明の研磨材を製造する方法について述べる。
まず,混練工程において,原料ゴムの素練り(原料ゴムに機械的剪断力を加え,分子の凝集をほぐしたり分子鎖を切断する等して,配合剤の混合や成形加工をしやすいレベルまでゴムの可塑性,流動性を調整する)を行なった後,混練り(素練りした原料ゴムと配合剤(軟化剤,充填剤,分散剤,安定剤,活性剤,補強剤,粘着剤,酸化防止剤,オゾン劣化防止剤,難燃剤,発泡剤,着色剤,紫外線吸収剤,滑剤,加硫剤,加硫促進剤,加硫促進助剤等)とを混合し,機械的な剪断力を加えてゴムに可塑性を付与すると共に,配合剤をゴム中に分散させる)を行なう。本発明では,母材中に砥粒を分散して研磨材を構成することから,前記混練り工程において,配合剤のほか,前記砥粒も加えて混練りを行なう。
前記混練工程の素練り,混練りには,公知の各種混練機を使用することができ,例えば,バンバリーミキサーに代表される密閉型混練機や,オープンロール,ニーダー,剪断力を利用しつつ混練を行なうことが可能な攪拌機等を挙げることができる。
次に,圧延・押出工程へと進み,前記配合剤や砥粒と共に混練され可塑性の調整された前記原料を,平板状やシート状,塊状等に加工し,後続する成形工程において成形可能な状態にする。
この工程において使用する装置としては,複数個のロールを配列して成るカレンダーや,スクリューを備えた押出機等を挙げることができる。
前述のように圧延・押出工程において適当な形状に加工された原料は,成形工程において,所定の大きさ,形状に成形される。本発明にあっては,研磨材を製造することから,平板状やシート状,塊状となっている前記原料を細粒化するため,ペレット状に粉砕し,規定の粒度となるように篩い分ける。粉砕には公知の各種粉砕機を使用することができる。
その後,前記成形工程で得られた粒状体は,加硫工程にて加熱され,該粒状体内に含まれる加硫剤によって架橋反応を起こして,砥粒を除く母材が弾性体に加工される。前記加硫工程においても既知の各種装置を使用することができ,例えば,プレス,加硫缶,押出型の連続加硫機等を挙げることができる。
なお,前記粒状体への成形(成形工程)と加硫による架橋(加硫工程)は,順番を逆にすることもでき,例えば圧延・押出工程において適当な形状に加工された原料をそのまま加硫工程へと移行して弾性体へと加工した後,これを成形工程において粉砕して粒状体とすることとしてもよい。
また,前記原料ポリマーとして熱可塑性エラストマーを用いた場合には,既知の熱可塑性エラストマーの加工工程を経ることにより製造することができ,原料ポリマーの素練りと,配合剤及び砥粒を添加した上での混練を行なう混練工程,混練した原料を融点以上に加熱し,溶融した原料を押出・射出等する成形工程,このように成形された弾性体を粉砕し,規定の粒度となるように篩い分ける粉砕工程を経て所望の粒度の研磨材を製造することができる。なお,前記混練工程においては,ロール,加圧ニーダー,インターナルミキサー等を一例として使用することができる。
図6に示す加工装置を用いて、ころ12cの加工を行う場合、窒化処理後のころ12cをテーブルTL上に載置して、駆動源DSによりテーブルTLを回転させながら、ノズルNZより粒状体を吹き出して、ころ12cの周面の研磨を行う。一定時間吹き付けたら、テーブルTL上でころ12cを回転軸線X回りに自転させ、再び粒状体を吹き付けて、ころ12cの周面の研磨を行い、ころ12cが360度回転するまで同じ動作を繰り返す。例えば、遊星歯車機構などを用いて、テーブルTLの公転に応じて、ころ12cを自転させるようにしても良い。
図7は、ころ12cとノズルNZとの位置関係を変えて示す図である。図7(a)においては、ころ12cの回転軸線Xに対して、流体の吹き付け方向がころ12cの回転軸線Xに対して略平行になるように、ノズルNZを設置した状態を示している。かかる状態で加工を行うと、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面は、非常に細かい研磨目が形成されるため肉眼では鏡面状となり、外観品質が向上する。また、この研磨目は、機械加工で研磨することによって得られた研磨目よりも小さいため、ころ12cの挿入時に外輪や内輪を傷付ける恐れが低いというメリットもある。又、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面に微小な研磨目を回転軸線Xに略平行に形成する(矢印で図示)ことができるため、この研磨目内に潤滑油を保持することで、潤滑油の保持性能を高めることができる。
図7(b)においては、流体の吹き付け方向がころ12cの接線方向に略平行になるように、ノズルNZを設置した状態を示している。かかる状態で加工を行うと、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面は、非常に細かい研磨目が形成されるため肉眼では鏡面状となる。又、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面に微小な研磨目を周方向に沿って形成する(矢印で図示)ことで、機械研磨する場合に比べ、ころ12cの真円度を高めることができる。これによりころ軸受の動作時の振動や騒音を抑制することができる。
図7(c)においては、流体の吹き付け方向を交差する少なくとも2方向とし、ころ12cの両端側から中央に向かって吹き付けるように、ノズルNZを設置した状態を示している。図7(d)においては、流体の吹き付け方向を交差する少なくとも2方向とし、ころ12cの一方の端部側から軸線Xを挟んで互いに所定の角度で中央に向かって吹き付けるように、ノズルNZを設置した状態を示している。かかる状態で加工を行うと、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面は、非常に細かい研磨目が形成されるため肉眼では鏡面状となる。又、空気と共に吐出される粒状体により、ころ12cの周面に微小な研磨目を交差する方向に形成する(矢印で図示)ことができるので、例えばころ12cが、外輪もしくは内輪上を転動する際に、形成した研磨目を介して、ころ12cの両端側から中央側に潤滑油を取り入れ易くなり、潤滑性を高めることができる。
図9に示す例によれば、複数のころ12cをガイドGWに沿って転動させ、ガイドGWの上方に設けた複数のノズルNZより、下方を通過するころ12cに対して砥粒を含む流体を吹き付けることで、効率的な加工を行うことができる。
図10に示す例によれば、複数のころ12cを直列に連結し、両端を心棒状の保持具HLで保持して一体的に回転可能な状態として、その上方に設けた複数のノズルNZより、下方で自転するころ12cに対して砥粒を含む流体を吹き付けることで、効率的な加工を行うことができる。
以上の実施の形態において、ころ軸受の構成要素を回転軸線の回りに回転しながら流体を吹き付ける場合、実験やシミュレーションで最適な研磨目の方向を求め、かかる方向の研磨目を形成できるように、加工対象とする構成要素のサイズに応じて、構成要素の回転速度、流体の吹き付け速度、回転軸線に対する流体の吹き付け角度を決定することが望ましい。
更に、流体に含まれる砥粒の材質、形状、硬さ、密度、吹き出し時の圧力、吹き出し速度、流体の吹き出し位置から構成要素までの距離のうち少なくとも一つを変更することにより、研磨目の深さを所望の値に調整することもできる。例えば、その他の条件を同じにしても、流体の吹き出し位置から構成要素までの距離が長ければ浅い研磨目が形成され、流体の吹き出し位置から構成要素までの距離が短ければ深い研磨目が形成されることとなる。
尚、ころによっては中央に孔を有するものもあり、そのようなころは加工時に孔に粘土を詰めて、加工時に生じる異物が入り込まないようしているが、本実施の形態によれば、このような粘土詰めが不要となり、加工容易性が向上する。又、円錐ころなどは、加工時に軸線を傾けて回転させると好ましい。
(実施例)
本発明者らは、大型円筒ころ軸受のころを加工対象に、実施例として砥粒及び弾性体を含む流体を吹き付けて行う研磨加工と、比較例として従来の砥石を用いた研磨加工とで研磨を行って比較試験を行った。表2に、実施例の供試条件を示す。実施例の加工は、図7(a)に示すように、ころ12cの軸線方向に流体を吹き付けて行い、比較例の加工は、図11に示すように、砥石GRを回転するころ12cに押し当てて行った。
図12は、実施例による研磨面を1000倍、3000倍に拡大して示し、図13は、比較例による研磨面を1000倍に拡大して示すものである。図12,13の拡大倍率1000倍同士の面状を比較すると明瞭であるが、比較例の砥石研磨の場合、ころ12cの周方向(転動方向)に深い研磨目が生じていることがわかる。一方、実施例の流体研磨面では、研磨目が1000倍ではわからず、3000倍でようやく確認できるほど浅い。又、実施例の場合、吹き付け方向に沿って、ころ12cの軸線方向に研磨目が形成されている。かかる方向の研磨目により、潤滑油の保持性が高まるが、研磨目が浅いためにころ12cの真円度を損なうことがない。
更に、本発明者らは、小型自動調心ころ軸受のころを加工対象に、実施例として砥粒及び弾性体を含む流体を吹き付けて行う研磨加工したものと、比較例として特許文献1に示すバレル加工したものとを、耐久試験に供試して比較を行った。図14に示すように、実施例のころは、比較例のころに対し寿命が45%向上することが確認された。
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば連続鋳造設備に用いる円筒ころ軸受のみならず、円錐ころ軸受、球面ころ軸受、ロールネック軸受装置、センジマ用バックアップロール軸受等に用いるころ軸受の構成要素について、本発明の加工方法を用いて同様に加工可能である。ノズルは3本以上設けても良い。又、砥粒と弾性体とを別々にして、流体と共に吹き付けても良い。
第1の実施の形態にかかる軸受装置を用いた連続鋳造設備の概略を示す斜視図である。 鋳片FEを圧延する1本の短いローラ4を支持する軸受装置10、10の断面図である。 円筒ころ軸受12を拡大して示す図である。 鋳片FEを圧延する1本の長いローラ4’を支持する軸受装置10’、10’の断面図である。 円筒ころ軸受12’を拡大して示す図である。 本実施の形態にかかるころの加工方法を実施するための加工装置を示す図である。 ころ12cとノズルNZとの位置関係を変えて示す図である。 ころRLの回転速度と流体の吹き付け速度とに基づく研磨目の方向を説明する図である。 複数のころに流体を吹き付けて加工する例を示す図である。 複数のころに流体を吹き付けて加工する例を示す図である。 砥石GRを用いてころ12cを研磨する比較例の加工態様を示す図である。 実施例による研磨面の拡大図である。 比較例による研磨面の拡大図である。 実施例と比較例の耐久試験結果を示す図である。
符号の説明
1 導入部
2 排出部
3 ローラユニット
4、4’ ローラ
4a 圧延部
4b 第1円筒部
4c 第2円筒部
4d 第3円筒部
10、10’ 軸受装置
11 ハウジング本体
11a 円筒部
11b シール保持部
12、12’ 円筒ころ軸受
12a 外輪
12b 内輪
12c ころ
12d 鍔部
12e 鍔部
12f 調心輪
13 シール
14 ラビリンス環
15 環状部材
16 蓋部材弁
17 シール
B ボルト
DS 駆動源
FE 鋳片
NZ ノズル
ST 出力軸
TL テーブル
X 回転軸線

Claims (6)

  1. ロールネック又はバックアップロールに用いるころ軸受の内輪、外輪、ころ及び保持器の少なくとも1つである構成要素に対して、弾性のある母材に砥粒を分散させた粒状体を含む流体を吹き付けることにより表面を研磨するころ軸受の加工方法であって、
    前記流体の吹き付け方向を、前記構成要素の回転軸線に対して略平行に設定し、
    前記構成要素を前記回転軸線の回りに回転しながら前記流体を吹き付ける際に、前記構成要素のサイズ、前記構成要素の回転速度、前記流体の吹き付け速度のうち少なくとも一つを調整し、前記構成要素の周面に、前記回転軸線に対して略平行である、潤滑油を保持するための研磨目を形成することを特徴とする加工方法。
  2. 複数の前記構成要素をガイドに沿って転動させながら、前記流体を吹き付けることを特徴とする請求項1に記載のころ軸受の加工方法。
  3. 複数の前記構成要素を直列に保持して回転させながら、前記流体を吹き付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のころ軸受の加工方法。
  4. 前記流体を吹き付ける吹き付け部を複数設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のころ軸受の加工方法。
  5. 前記構成要素はころであり、前記ころのクラウニング部に前記流体を吹き付けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のころ軸受の加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の加工方法により加工された、ロールネック又はバックアップロールに用いるころ軸受であって、内輪、外輪、ころ及び保持器の少なくとも1つである前記構成要素の周面には、少なくとも回転軸線に対して略平行である、潤滑油を保持するための研磨目が形成されていることを特徴とするころ軸受。
JP2007293038A 2007-11-12 2007-11-12 ころ軸受の加工方法及びころ軸受 Expired - Fee Related JP5424073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007293038A JP5424073B2 (ja) 2007-11-12 2007-11-12 ころ軸受の加工方法及びころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007293038A JP5424073B2 (ja) 2007-11-12 2007-11-12 ころ軸受の加工方法及びころ軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009119535A JP2009119535A (ja) 2009-06-04
JP5424073B2 true JP5424073B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=40812279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007293038A Expired - Fee Related JP5424073B2 (ja) 2007-11-12 2007-11-12 ころ軸受の加工方法及びころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5424073B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012200838A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Toyota Industries Corp マグネシウム合金およびその製造方法
CN107303652B (zh) * 2016-04-22 2019-05-21 上银科技股份有限公司 具有开阖功能的载具
CN113245956B (zh) * 2021-06-11 2022-08-02 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 一种具备公自转的主动射流抛光方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000158344A (ja) * 1998-11-25 2000-06-13 Nsk Ltd 機械部品の加工方法
JP4901184B2 (ja) * 2004-11-11 2012-03-21 株式会社不二製作所 研磨材及び該研磨材の製造方法,並びに前記研磨材を用いたブラスト加工方法
JP2006326762A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Fuji Xerox Co Ltd 円筒状基体表面処理方法および円筒状基体表面処理装置
JP2007100870A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Nsk Ltd 転動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009119535A (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4901184B2 (ja) 研磨材及び該研磨材の製造方法,並びに前記研磨材を用いたブラスト加工方法
JP5148183B2 (ja) ブラスト加工用研磨材及び前記研磨材を使用したブラスト加工方法
US7695346B2 (en) Abrasive, a method for manufacturing the abrasive, and a method for blast processing with the use of the abrasive
EP2463392A1 (en) Instantaneous heat treatment method for metal product
JP5424073B2 (ja) ころ軸受の加工方法及びころ軸受
US20160184969A1 (en) Abrasive article and method for making same
CN101844320B (zh) 一种曲面零件的精密高效抛光方法及装置
KR20080086820A (ko) 도막 형성부의 하지처리방법
CN102483093A (zh) 滚子轴承及其制造方法
JP2009202307A (ja) 転動摺動装置部材の研磨方法及び転動摺動装置部材
JP2015068330A (ja) 摺動部材
JP5354384B2 (ja) 硬質金属材料の平滑研磨方法
US20070238397A1 (en) Finishing process
JP5181727B2 (ja) 転動摺動装置部材の研磨方法及び転動摺動装置部材
KR20180120297A (ko) 재활용 고마찰 우레탄 고무롤 및 이의 제조방법
WO2020044585A1 (ja) 金属製品表面部材及びそのバニシング加工方法
JP5311764B2 (ja) ブラスト媒体の製造装置
RU2458777C2 (ru) Способ упрочняющей обработки поверхностей деталей выглаживанием
Ansari et al. Development and characterization of fly ash-ground tire rubber-based abrasive flow finishing media and its performance assessment
RU115706U1 (ru) Инструмент для формирования на деталях трибосопряжений поверхностей с нанокристаллической структурой
KR101739435B1 (ko) 회전 금형을 이용한 고마찰 우레탄 롤 제조방법
Chen et al. A study on the spiral polishing of the inner wall of stainless bores
KR101900531B1 (ko) 강재의 제조 방법
JP5211958B2 (ja) 加工液供給装置
KR102179251B1 (ko) 자동차용 브레이크 디스크의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131001

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees