JP2007100870A - 転動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水が侵入しても発錆が生じにくい転動装置を提供する。
【解決手段】円すいころ軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に転動自在に配された複数の転動体3と、を備えている。そして、内輪1,外輪2及び転動体3は、その表面の少なくとも一部に、亜鉛粉末のショットピーニングにより形成された亜鉛被膜を備えている。この亜鉛被膜の厚さは、0.5μm以上8μm以下であることが好ましい。また、内輪1の表面,外輪2の表面,及び転動体3の表面のうち少なくとも亜鉛被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを設けることが好ましい。さらに、亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaは、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受,リニアガイド装置,ボールねじ,直動ベアリング等のような転動装置に係り、特に、内部に発錆が生じにくい転動装置に関する。
例えば、鉄鋼製造設備の圧延機の圧延ロールを支持する圧延機ロールネック軸受は、ハウジングシールが装着されていても、軸受内部に圧延水や冷却水が侵入することが多い。また、ロール交換等のために数時間にわたって停止することや、定期的なロール研磨のために圧延機から軸受が取外されることがあり、その停止期間中に軸受内部で錆(いわゆる置き錆)が生じやすい。このような使用環境では、軸受寿命は、内部剥離による転動疲労寿命ではなく、錆を起点とした剥離等の損傷も含めて発錆により支配されている場合がある。
従来、この置き錆の発生を抑える手段としては、転動疲労寿命の主要因となる軸受の負荷容量を犠牲にして、水の侵入を防ぐためにシールを取り付ける手段や、軸受全面にリン酸塩被膜処理等の化成処理を施す手段等がある。
特開2002−106588号公報 特開2003−239992号公報 特開平9−329147号公報
しかしながら、過酷な条件で運転される圧延機ロールネック軸受の場合は、水の侵入を防ぐシールを取り付けたとしても完全に水の侵入を防げるとは限らないので、水が侵入しても発錆しないことが求められている。
また、リン酸マンガン被膜等の化成処理膜は腐食被膜であるため、母材を若干侵食する。そのため、軸受の軌道面に化成処理を施した場合は、侵食の程度によってはその部分を起点とした剥離が生じ、化成処理を施していない場合の発錆寿命よりも短い時間で寿命に至る場合があった。
さらに、母材の侵食の程度を少なくしようとすると被膜の結晶サイズに影響し、転動によって化成処理膜が脱落しやすくなる。その結果、転動後の油保持力の低下等が起き、発錆寿命を延長させることができないという問題があった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、水が侵入しても発錆が生じにくい転動装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも一つは、その表面の少なくとも一部に、機械的エネルギーにより形成された亜鉛被膜を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも一つは、その表面の少なくとも一部に、亜鉛粉末のショットピーニングにより形成された亜鉛被膜を備えていることを特徴とする。
内方部材,外方部材,転動体を構成する金属材料(以降は母材と記すこともある)の主成分である鉄よりも卑な金属である亜鉛を表面に被覆することにより、錆が発生しやすいような環境下でも亜鉛が優先的に溶け出すので(自己犠牲型防錆作用)、内方部材,外方部材,転動体の発錆が抑制される。また、亜鉛被膜を機械的エネルギーを利用して形成したので、従来の被膜形成方法である化成処理において問題となる侵食が生じることがない。機械的エネルギーを利用した亜鉛被膜の形成方法としては、亜鉛粉末を吹き付けるショットピーニングが、亜鉛被膜を短時間且つ容易に形成できるため好ましい。
さらに、本発明に係る請求項3の転動装置は、請求項1又は請求項2に記載の転動装置において、前記亜鉛被膜の厚さが0.5μm以上8μm以下であることを特徴とする。
亜鉛被膜の厚さが0.5μm未満であると、十分且つ持続的な防錆効果が得られないおそれがある。一方、亜鉛被膜の厚さが8μm超過であると、亜鉛被膜の脱落が生じやすくなり、転動装置にとって異物となるおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項4の転動装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転動装置において、前記内方部材の表面,前記外方部材の表面,及び前記転動体の表面のうち少なくとも前記亜鉛被膜が備えられた部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを設けたことを特徴とする。
ディンプルにより亜鉛被膜と母材との密着性が向上する。また、転動装置の駆動時に脱落した亜鉛被膜がディンプル内にトラップされるので、防錆効果が長く維持される。このような効果を得るためには、ディンプルの深さを0.1μm以上とすることが好ましい。ただし、ディンプルの深さを5μm超過としても、それ以上の効果は期待できないので、ディンプルの深さは5μm以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項5の転動装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転動装置において、前記亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
このような構成であれば、防錆効果が得られるとともに、転動装置の音響特性が良好である。特に、内方部材の軌道面,外方部材の軌道面,及び転動体の転動面に亜鉛被膜を形成する場合には、亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaを上記範囲内とすることが好ましい。亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.5μm超過であると、音響特性が不十分となるおそれがある。一方、中心線平均粗さRaを0.1μm未満とすると、転動装置が高価となってしまうおそれがある。
亜鉛被膜は潤滑性も有しているので、内方部材の軌道面,外方部材の軌道面,及び転動体の転動面のうち少なくとも一つに亜鉛被膜を形成すると、転動装置の潤滑性が向上し長寿命となる。これらの面に亜鉛被膜を形成する場合には、該面に面積率で75%以上の亜鉛被膜を形成することが好ましい。亜鉛被膜が被覆されている部分の面積率が75%未満であると、転動装置の寿命向上効果が不十分となるおそれがある。
なお、本発明は種々の転動装置に適用することができる。例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。また、本発明における内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じくリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニアガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリングの場合には外筒をそれぞれ意味する。
本発明の転動装置は、発錆が生じにくい。
本発明に係る転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る転動装置の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。
図1の円すいころ軸受は、図示しない軸に固定される内輪1(内方部材)と、図示しないハウジングに固定される外輪2(外方部材)と、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に転動自在に配された複数の転動体3と、複数の転動体3を両輪1,2の間に保持する保持器4と、を備えている。そして、内輪1,外輪2及び転動体3は、その表面の少なくとも一部に、亜鉛粉末のショットピーニングにより形成された亜鉛被膜(図示せず)を備えている。
この亜鉛被膜の厚さは、0.5μm以上8μm以下であることが好ましい。また、内輪1の表面,外輪2の表面,及び転動体3の表面のうち少なくとも亜鉛被膜が被覆された部分には、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを設けることが好ましい。さらに、前記亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaは、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
このような円すいころ軸受は、錆が発生しやすいような環境下でも亜鉛被膜の亜鉛が優先的に溶け出すので、内輪1,外輪2,及び転動体3の発錆が抑制される。また、亜鉛被膜を機械的エネルギーを利用して形成したので、従来の被膜形成方法である化成処理において問題となる侵食が生じることがない。
亜鉛被膜を形成する箇所は、内輪1,外輪2,及び転動体3の表面であれば特に限定されるものではなく、亜鉛被膜を形成した箇所の発錆を抑制することができるが、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び転動体3の転動面3aのうち少なくとも一つに亜鉛被膜を形成すれば、これらの面の発錆を抑制することができるので、円すいころ軸受を長寿命とすることができる。また、亜鉛被膜は潤滑性を有しているので、円すいころ軸受の潤滑性を向上させてより長寿命とすることができる。内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び転動体3の転動面3aに亜鉛被膜を形成する場合には、該面に面積率が75%以上の亜鉛被膜を形成することが好ましい。
なお、本実施形態においては、転動装置の例として円すいころ軸受をあげて説明したが、転がり軸受の種類は円すいころ軸受に限定されるものではなく、本発明は様々な種類の転がり軸受に対して適用することができる。例えば、深溝玉軸受,アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,針状ころ軸受,円筒ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。さらに、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。圧延機ロールネック用円すいころ軸受を用意して、その寿命を評価した。この円すいころ軸受の諸元は次の通りである。
呼び番号:HR32017XJ
軸受内径:85mm
軸受外径:130mm
組立幅 :29mm
基本動定格荷重:143000N
また、内輪,外輪,及び転動体はSUJ2鋼で構成されており、その性状は次の通りである。
表面硬さ:HRC58〜64
表面の残留オーステナイト量:20〜45体積%
表面の炭素濃度:0.8〜1.1質量%
表面の窒素濃度:0.05〜0.3質量%
なお、本実施例においては、内輪,外輪,及び転動体には浸炭窒化処理が施されているが、浸炭窒化処理は施さずにズブ焼入れ及び高周波焼入れ処理を施したものでもよい。また、SUJ2鋼に代えて、SCM420,SCr420に浸炭処理又は浸炭窒化処理を施したものを用いてもよい。
さらに、転動体の転動面には、亜鉛粉末のショットピーニングによる亜鉛被膜が形成されており、内輪及び外輪の表面には亜鉛被膜は形成されていない。ただし、転動体の表面には亜鉛被膜を形成せず、内輪の表面又は外輪の表面に亜鉛被膜を形成してもよく、同様の効果が得られる。あるいは、内輪の表面,外輪の表面,転動体の表面のうちいずれか2つ以上に、亜鉛被膜を形成してもよい。また、これら表面の一部に亜鉛被膜を形成してもよい。
亜鉛被膜の形成にはショットピーニング装置を用い、投射材としては平均粒径45μm(JIS R6001の規定による)の亜鉛粉末を用いた。噴射圧力は0.196〜0.882MPa、噴射時間10〜20minである。1回の処理に用いる転動体の質量は1〜20kgとした。亜鉛粉末の純度は95%以上が好ましく、98%以上がより好ましい。
転動体の転動面に被覆された亜鉛被膜の厚さ及び中心線平均粗さRa、並びに転動体の転動面に形成されたディンプルの深さは、表1に示す通りである。
Figure 2007100870
一部の転動体の転動面には、亜鉛被膜を形成する前に前処理を施して、ディンプルが形成してある。この前処理(ディンプルの形成方法)は特に限定されるものではないが、本実施例においてはショットピーニング処理を採用した。ショットピーニング処理は、ショットピーニング装置を用いて行った。投射材にはJIS R6001に規定された平均粒径45μmの鋼球,SiC,SiO2 ,Al2 3 ,ガラスビーズ等を用い、前述のショットピーニング条件と同様の条件で投射材を転動体の転動面に噴射した。
なお、バレル処理によりディンプルを形成してもよいし、ショットピーニング処理とバレル処理の両方を用いてディンプルを形成してもよい。バレル処理は、種々のメディアや添加剤を配合したものを用いて転動体の転動面に大きな凹凸を形成する粗加工と、プラトー部の粗さを整える仕上げ加工とを行う。
ショットピーニング処理のショット材は、被処理表面の硬さよりも硬いものを使用することが好ましい。例えば、セラミック系のショット材が好ましい。また、ショット材の形状は多少の角があるものが、良好なトラップ効果又はアンカー効果が得られるため、好ましい。
ディンプルの深さを測定する方法は、以下の通りである。三次元非接触表面形状計測機により、転動体の転動面を100倍の倍率で30視野観察し、得られた画像を断面プロファイルに変換した。そして、X方向及びY方向それぞれの5つの断面において、ディンプルの深さを測定し、その結果を平均した。
また、亜鉛被膜の厚さを測定する方法は、以下の通りである。まず、亜鉛被膜を備えた転動体の表面に、熱硬化性樹脂であるポリアミドイミドのピロリドン溶液を塗布し、175℃で2時間加熱して硬化させ、亜鉛被膜の保護膜を形成した。この転動体を切断してエポキシ樹脂に埋め込み、転動体の断面をバフ研磨で鏡面仕上げした。さらに、凹凸を付けるために、3%ピクラール溶液で5秒間腐食した後、スパッタによりナノオーダーのクロム層を表面に被覆して通電性を付与した。
電子顕微鏡(SEM)により、断面を5000倍の倍率で30視野観察した。各視野において亜鉛被膜の厚さを5点測定し、これら5点の平均値を求め、この平均値をその視野の亜鉛被膜の厚さとした。そして、30視野の亜鉛被膜の厚さの平均値を求めた。
このような円すいころ軸受を図2に示すような寿命試験機に装着して回転させ、寿命を測定した。ただし、寿命試験機に装着する前に、軸受の内部に0.5質量%NaCl水溶液を10ml滴下し、約28℃で3時間放置した。
図2において符号Wは被試験体の円すいころ軸受(ワーク)であり、符号11は内輪、符号12は外輪、符号13は円すいころ、符号14は保持器である。寿命試験機の回転軸16の一端の軸受座16aに内輪11を嵌合することによりワークWを装着し、軸受外輪12は試験機のハウジン17の外輪嵌合部材18に嵌合して固定する。回転軸16には、図示しないラジアル荷重負荷手段によってラジアル荷重Frを加え、これによりワークWにラジアル荷重を負荷する。また、外輪嵌合部材18には図示しない油圧シリンダによりアキシャル荷重Fsを加え、これによりワークWにアキシャル荷重を負荷する。
寿命試験の条件は、下記の通りである。
ラジアル荷重 :35750N
アキシャル荷重:15680N
内輪回転速度 :1500rpm
潤滑剤 :純グリース潤滑(グリース量60g)
上記のような条件で回転試験を行い、振動値が初期値の5倍となるか、又は、内輪11が160℃となった時点で回転を停止した。振動値が5倍となった場合は、実体顕微鏡を用いて損傷の有無を確認し、損傷がある場合は寿命とし、損傷がない場合は回転試験を再開した。また、内輪11が160℃となった場合は、焼付きが生じたと判断し、寿命とした。
寿命試験の結果(寿命)を表1に示す。また、実施例1〜10及び比較例1,2の結果を図3のグラフに示す。なお、表1及び図3のグラフにおける寿命の数値は、従来の化成処理膜(リン酸塩被膜)を備える比較例1の軸受の寿命を1とした場合の相対値で示してある。
実施例1〜18は、転動体の転動面に亜鉛被膜が形成されているので、錆が生じにくく長寿命であった。特に、前処理により転動体の転動面にディンプルを形成した実施例6〜10は、前処理がなくディンプルを有していない実施例1〜5と比べて、長寿命であった。また、実施例6〜10と実施例15〜18との比較から、ディンプルの深さは0.1〜5μmとすることが好ましいことが分かる。さらに、実施例11〜14から、亜鉛被膜の厚さは0.5〜8μmとすることが好ましいことが分かる。
本発明に係る転動装置の一実施形態である円すいころ軸受の構造を示す部分縦断面図である。 寿命試験機の断面図である。 寿命試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 転動体
3a 転動面

Claims (5)

  1. 外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、
    前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも一つは、その表面の少なくとも一部に、機械的エネルギーにより形成された亜鉛被膜を備えていることを特徴とする転動装置。
  2. 外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える転動装置において、
    前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも一つは、その表面の少なくとも一部に、亜鉛粉末のショットピーニングにより形成された亜鉛被膜を備えていることを特徴とする転動装置。
  3. 前記亜鉛被膜の厚さが0.5μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転動装置。
  4. 前記内方部材の表面,前記外方部材の表面,及び前記転動体の表面のうち少なくとも前記亜鉛被膜が備えられた部分に、深さ0.1μm以上5μm以下のディンプルを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転動装置。
  5. 前記亜鉛被膜の表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転動装置。
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