JP2007327632A - 転がり摺動部材及び転動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな接触応力が作用するような条件下、無潤滑下、異物侵入環境下においても好適に使用可能な転がり摺動部材及び転動装置を提供する。
【解決手段】スラスト玉軸受の内輪1,外輪2と玉3との接触面においては、内輪1,外輪2,玉3の母材に、等価弾性定数100〜280GPaのDLC層Dが被覆されている。母材のうちDLC層Dが被覆されている部分の表面粗さRaは0.03〜0.2μmである。DLC層Dは、炭素からなるカーボン層Cと、タングステン及び炭素からなる複合カーボン層FCと、タングステンからなる第一金属層M1と、タングステン及びクロムからなる複合金属層FMと、クロムからなる第二金属層M2と、で構成され、これら5層はDLC層Dの表面側から上記の順に配されている。複合カーボン層FCが形成された後には、平均粒径3〜150μmの投射材を噴射して複合カーボン層FCに吹き付ける密着化処理が施されている。
【選択図】図1
【解決手段】スラスト玉軸受の内輪1,外輪2と玉3との接触面においては、内輪1,外輪2,玉3の母材に、等価弾性定数100〜280GPaのDLC層Dが被覆されている。母材のうちDLC層Dが被覆されている部分の表面粗さRaは0.03〜0.2μmである。DLC層Dは、炭素からなるカーボン層Cと、タングステン及び炭素からなる複合カーボン層FCと、タングステンからなる第一金属層M1と、タングステン及びクロムからなる複合金属層FMと、クロムからなる第二金属層M2と、で構成され、これら5層はDLC層Dの表面側から上記の順に配されている。複合カーボン層FCが形成された後には、平均粒径3〜150μmの投射材を噴射して複合カーボン層FCに吹き付ける密着化処理が施されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑性に優れる転がり摺動部材及び該転がり摺動部材で構成された転動装置に係り、特に、大きな接触応力が作用するような条件下、無潤滑下、及び異物侵入環境下においても好適に使用可能な転がり摺動部材及び転動装置に関する。
ダイヤモンドライクカーボン(以降はDLCと記すこともある)は、その表面がダイヤモンドに準ずる硬さを有し、摺動抵抗も摩擦係数が0.2以下と二硫化モリブデンやフッ素樹脂と同様に小さいことから、従来から潤滑性材料として使用されている。
例えば、磁気ディスク装置においては、磁気素子又は磁気ディスクの表面に数十オングストロームのDLC膜を形成することにより、磁気素子と磁気ディスクとの間の潤滑性を高めて磁気ディスクの表面を保護している。
例えば、磁気ディスク装置においては、磁気素子又は磁気ディスクの表面に数十オングストロームのDLC膜を形成することにより、磁気素子と磁気ディスクとの間の潤滑性を高めて磁気ディスクの表面を保護している。
一方、上記のような特異な表面の性質から、DLCは転がり摺動部材の新たな潤滑性材料として注目されており、近年、軸受への潤滑性の付与に利用されている。
例えば、特許文献1には、軌道輪の軌道面や転動体の表面に金属を含有するDLC膜を備えた転がり軸受が開示されている。この転がり軸受においては、前記DLC膜により接触応力が緩和される。
また、CVD法,プラズマCVD法,イオンビーム形成法,イオン化蒸着法,非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリング法等によって、軌道輪の軌道面や転動体の表面にDLC膜を形成した転がり軸受等の転動装置が知られている(例えば、特許文献2〜7を参照)。
例えば、特許文献1には、軌道輪の軌道面や転動体の表面に金属を含有するDLC膜を備えた転がり軸受が開示されている。この転がり軸受においては、前記DLC膜により接触応力が緩和される。
また、CVD法,プラズマCVD法,イオンビーム形成法,イオン化蒸着法,非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリング法等によって、軌道輪の軌道面や転動体の表面にDLC膜を形成した転がり軸受等の転動装置が知られている(例えば、特許文献2〜7を参照)。
特許文献7に記載の技術によれば、繰り返し応力によるDLC膜の破損や母材からのDLC膜の剥離が生じにくいので、転がり軸受等の転動装置は、大きな接触応力が作用するような条件下や無潤滑下においても使用可能であるが、さらに大きな接触応力が作用するような条件下での使用を考えると、さらなる改良が望まれる。また、転動装置の内部に異物が侵入するような使用環境(本明細書においては、このような環境を異物侵入環境と記す)においては、DLC膜の破損や母材からのDLC膜の剥離が生じやすくなるので、さらなる改良が必要である。
上記のような破損が起きる原因としては、以下の2点が考えられる。
まず、1点目は、鋼とDLC膜との密着性を向上させるために介在された金属中間層の脆性化の問題である。すなわち、金属中間層を構成する金属とDLC膜を構成する炭素とが結合して脆さを有する金属カーバイドが生成するため、金属中間層が脆性化して、DLC膜が破損しやすくなるのである。
まず、1点目は、鋼とDLC膜との密着性を向上させるために介在された金属中間層の脆性化の問題である。すなわち、金属中間層を構成する金属とDLC膜を構成する炭素とが結合して脆さを有する金属カーバイドが生成するため、金属中間層が脆性化して、DLC膜が破損しやすくなるのである。
2点目は、DLC膜は、応力が作用しても非常に変形しにくい性質を有しているという問題である。DLCは硬く高弾性であるので、ステンレス鋼や軸受鋼等のような等価弾性定数の小さい金属材料に被覆されていると、両者の等価弾性定数の違いから、母材の変形にDLCが追従することができずに、DLC膜が破損する場合がある。
また、母材とDLC膜の界面における密着力が不十分であると、DLC膜全体が母材から剥離するおそれもある。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、大きな接触応力が作用するような条件下、無潤滑下、及び異物侵入環境下においても好適に使用可能な転がり摺動部材を提供することを課題とする。また、このような転がり摺動部材を備える、潤滑性に優れた転動装置を提供することを併せて課題とする。
また、母材とDLC膜の界面における密着力が不十分であると、DLC膜全体が母材から剥離するおそれもある。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、大きな接触応力が作用するような条件下、無潤滑下、及び異物侵入環境下においても好適に使用可能な転がり摺動部材を提供することを課題とする。また、このような転がり摺動部材を備える、潤滑性に優れた転動装置を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転がり摺動部材は、相手部材との間で相対的な転がり接触又はすべり接触が生じる転がり摺動部材において、下記の6つの条件を満足することを特徴とする。
条件1:前記相手部材との接触面においては、鋼製の母材に潤滑性を有するダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている。
条件2:前記母材のうち前記ダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている部分は、表面粗さRaが0.03μm以上0.2μm以下である。
条件1:前記相手部材との接触面においては、鋼製の母材に潤滑性を有するダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている。
条件2:前記母材のうち前記ダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている部分は、表面粗さRaが0.03μm以上0.2μm以下である。
条件3:前記ダイヤモンドライクカーボン層は、炭素からなるカーボン層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属及び炭素からなる複合カーボン層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属からなる第一金属層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属及びクロムからなる複合金属層と、クロムからなる第二金属層と、の5層で構成されている。
条件4:前記5層は、前記ダイヤモンドライクカーボン層の表面側から前記カーボン層,前記複合カーボン層,前記第一金属層,前記複合金属層,前記第二金属層の順に配されている。
条件5:前記母材の上に前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層が形成された後且つ前記カーボン層が形成される前に、平均粒径3μm以上150μm以下の投射材を噴射して前記複合カーボン層に吹き付け、前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層と前記母材との密着性を向上させる密着化処理が施されている。
条件6:前記ダイヤモンドライクカーボン層の等価弾性定数は、100GPa以上280GPa以下である。
条件5:前記母材の上に前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層が形成された後且つ前記カーボン層が形成される前に、平均粒径3μm以上150μm以下の投射材を噴射して前記複合カーボン層に吹き付け、前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層と前記母材との密着性を向上させる密着化処理が施されている。
条件6:前記ダイヤモンドライクカーボン層の等価弾性定数は、100GPa以上280GPa以下である。
このような転がり摺動部材は、母材である鋼と前記カーボン層との間に前記複合カーボン層,前記第一金属層,前記複合金属層,及び前記第二金属層が介在しているので、潤滑性に優れた前記ダイヤモンドライクカーボン層(以降においてはDLC層と記すこともある)と母材である鋼との密着性が優れている。また、DLC層を構成する前記5層同士の密着性も優れている。
さらに、前述のような密着化処理が施されているため、前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層と前記母材との密着性が高められている。なお、前記投射材の平均粒径が3μm未満であると、密着力を向上させるに十分な衝突エネルギーが得られないおそれがある。一方、前記投射材の平均粒径が150μm超過であると、衝突エネルギーが大きすぎるため、前記複合カーボン層に損傷が生じるおそれがある。
さらに、母材である鋼よりもDLCの方が小さい等価弾性定数を有することとなるので、繰り返し応力が作用した際にDLC層が変形することが可能となる。その結果、母材の変形にDLC層が追従することが可能となるので、DLC層の破損が生じにくい。
前記DLC層の等価弾性定数が280GPa超過であると、前記鋼よりもDLC層の方が大きい等価弾性定数を有することとなるので、繰り返し応力が作用した際の母材の変形にDLC層が追従することが困難となって、DLC層の破損が生じやすくなる。一方、100GPa未満であると、DLC層の硬さが低くなって、摩耗が生じやすくなる。
前記DLC層の等価弾性定数が280GPa超過であると、前記鋼よりもDLC層の方が大きい等価弾性定数を有することとなるので、繰り返し応力が作用した際の母材の変形にDLC層が追従することが困難となって、DLC層の破損が生じやすくなる。一方、100GPa未満であると、DLC層の硬さが低くなって、摩耗が生じやすくなる。
さらに、母材のうちDLC層が被覆されている部分の表面粗さRaが0.2μm超過であると、前記相手部材との接触面の粗さが大きくなるので、音響の問題が生じるおそれがある。一方、0.03μm未満であると、母材と第二金属層との接触面積が小さくなるため、DLC層と母材との密着力が十分に確保できなくなるおそれがある。なお、本発明の転がり摺動部材は、DLC層の潤滑性により無潤滑下においても問題なく使用可能であり、潤滑性の面からは表面粗さRaは何ら限定されない。
また、本発明に係る請求項2の転がり摺動部材は、請求項1に記載の転がり摺動部材において、前記複合カーボン層中の炭素の割合が、前記第一金属層側から前記カーボン層側に向かって徐々に増加していることを特徴とする。このような構成であれば、DLC層と鋼製の母材との密着性がより優れたものとなる。
さらに、本発明に係る請求項3の転がり摺動部材は、請求項1又は請求項2に記載の転がり摺動部材において、前記ダイヤモンドライクカーボン層は、非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングにより形成されたものであることを特徴とする。
このような物理的成膜法は、CVD法,プラズマCVD法,イオンビーム形成法,イオン化蒸着法等と比較して、好適な等価弾性定数及び強度を有するDLC層が得られやすいので、転動装置のような大きな接触応力が作用する装置を構成する部品に対して好適である。
このような物理的成膜法は、CVD法,プラズマCVD法,イオンビーム形成法,イオン化蒸着法等と比較して、好適な等価弾性定数及び強度を有するDLC層が得られやすいので、転動装置のような大きな接触応力が作用する装置を構成する部品に対して好適である。
さらに、本発明に係る請求項4の転がり摺動部材は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり摺動部材において、前記投射材の噴射圧力が0.1MPa以上0.8MPa以下であることを特徴とする。
噴射圧力が0.1MPa未満であると、密着性を高める作用が不十分となるおそれがあり、0.8MPa超過であると、前記複合カーボン層に損傷が生じるおそれがある。なお、前記投射材の噴射速度は50m/s以上であることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項5の転がり摺動部材は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり摺動部材において、前記投射材は、軟質金属,軟質合金,樹脂,ガラス,セラミックス,又は鋼で構成されていることを特徴とする。
噴射圧力が0.1MPa未満であると、密着性を高める作用が不十分となるおそれがあり、0.8MPa超過であると、前記複合カーボン層に損傷が生じるおそれがある。なお、前記投射材の噴射速度は50m/s以上であることが好ましい。
さらに、本発明に係る請求項5の転がり摺動部材は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり摺動部材において、前記投射材は、軟質金属,軟質合金,樹脂,ガラス,セラミックス,又は鋼で構成されていることを特徴とする。
以上のように、本発明の転がり摺動部材は、大きな接触応力が作用しても破損しにくい潤滑膜(DLC層)を備えているので、大きな接触応力が作用する装置(例えば、転がり軸受等のような転動装置)を構成する部材等に好適に適用することが可能である。また、優れた潤滑性を有しているので、無潤滑下においても好適に使用することが可能である。そして、摩耗や発熱が少ない上、繰り返し応力に対して強く長寿命である。さらに、転がり摺動部材の前記接触面と相手部材との間に異物が侵入したとしても、DLC膜の破損や母材からのDLC膜の剥離が生じにくいので、焼付きや摩耗が生じにくい。
なお、DLC層のような薄膜については、通常の方法では弾性定数を測定することはできないため、本発明においては以下の方法により測定された、弾性定数に準拠する等価弾性定数を用いる。すなわち、押し込み深さを少なくともDLC層の厚さ内として微小硬度計による測定を行い、得られた荷重−除荷曲線により等価弾性定数を求める。表面に位置しない複合カーボン層,第一金属層,複合金属層,及び第二金属層については、成膜工程を中断して各層が表面に位置するサンプルを作製することにより、各層の等価弾性定数を求める。
例えば、DLC層の厚さが2μmである場合は、押し込み荷重を0.4〜50mNの間で適宜設定して測定を行う。本発明においては、エリオニクス社製の微小硬度計を使用し、押し込み荷重を50mNとして測定した等価弾性定数を用いる。
この他の等価弾性定数の測定方法としては、フィッシャー社製の微小硬度測定装置を用いる方法がある。この方法においては、(マイクロ)ビッカース硬度計は使用せず、静電容量で制御できる微小硬度計又はナノインデンテータを用いることが望ましい。なおかつ、押し込み深さはDLC層の厚さ内とする必要がある。そして、前記微小硬度計又はナノインデンテータにより得られた荷重−除荷曲線の弾性変形量から、等価弾性定数を求める。
この他の等価弾性定数の測定方法としては、フィッシャー社製の微小硬度測定装置を用いる方法がある。この方法においては、(マイクロ)ビッカース硬度計は使用せず、静電容量で制御できる微小硬度計又はナノインデンテータを用いることが望ましい。なおかつ、押し込み深さはDLC層の厚さ内とする必要がある。そして、前記微小硬度計又はナノインデンテータにより得られた荷重−除荷曲線の弾性変形量から、等価弾性定数を求める。
なお、HRC60の高炭素クロム鋼(SUJ2)の表面の等価弾性定数を上記の方法により求めると250GPaとなり、通常カタログ等に記載されている210GPaよりも大きい結果となる。これは、上記の方法が微小な押し込み領域における測定であることから、SUJ2の表面の加工硬化層の影響を受けるためである。
さらに、本発明に係る請求項6の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外側に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも1つを、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり摺動部材としたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項6の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外側に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも1つを、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり摺動部材としたことを特徴とする。
このような構成であれば、転動装置を構成する転がり摺動部材のDLC層は大きな接触応力が作用しても破損しにくいので、大きな接触応力が作用するような条件下や無潤滑下において使用されても長寿命である。また、転動装置の内部に異物が侵入しても、DLC膜の破損や母材からのDLC膜の剥離が生じにくいので、焼付きや摩耗が生じにくく長寿命である。
なお、本発明の転動装置としては、転がり軸受,直動案内軸受(リニアガイド装置),ボールねじ,直動ベアリング等があげられる。
そして、前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は内輪、同じく直動案内軸受の場合は案内レール、同じくボールねじの場合はねじ軸、同じく直動ベアリングの場合は軸を、それぞれ意味する。また、前記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は外輪、同じく直動案内軸受の場合はスライダ、同じくボールねじの場合はナット、同じく直動ベアリングの場合は外筒を、それぞれ意味する。
そして、前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は内輪、同じく直動案内軸受の場合は案内レール、同じくボールねじの場合はねじ軸、同じく直動ベアリングの場合は軸を、それぞれ意味する。また、前記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合は外輪、同じく直動案内軸受の場合はスライダ、同じくボールねじの場合はナット、同じく直動ベアリングの場合は外筒を、それぞれ意味する。
本発明の転がり摺動部材及び転動装置は、大きな接触応力が作用するような条件下、無潤滑下、及び異物侵入環境下においても好適に使用可能である。
本発明に係る転がり摺動部材及び転動装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る転動装置の一実施形態であるスラスト玉軸受の構成を示す縦断面図であり、図2は、図1のA部分を拡大して示した部分拡大断面図である。
図1のスラスト玉軸受は、軌道面1aを有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の玉3と、両軌道面1a,2a間に複数の玉3を軸受の円周方向にわたって等配に保持する保持器4と、を備えている。
図1のスラスト玉軸受は、軌道面1aを有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の玉3と、両軌道面1a,2a間に複数の玉3を軸受の円周方向にわたって等配に保持する保持器4と、を備えている。
内輪1,外輪2,及び玉3は、SUJ2等の鋼製である。また、内輪1及び外輪2の寸法は内径25mm、外径52mm、厚さ18mmで、軌道面1a,2aの横断面形状は、玉3の直径の54%の曲率半径を有する円弧状である。
内輪1,外輪2と玉3とは相互に転がり接触又はすべり接触し、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び玉3の転動面3aがその接触面に相当する。これらの接触面においては、内輪1,外輪2,玉3の母材に、潤滑性を有し且つ等価弾性定数が100GPa以上280GPa以下であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)層Dが被覆されている。そして、母材のうちDLC層Dが被覆されている部分の表面粗さRaは、0.03μm以上0.2μm以下とされている。
内輪1,外輪2と玉3とは相互に転がり接触又はすべり接触し、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び玉3の転動面3aがその接触面に相当する。これらの接触面においては、内輪1,外輪2,玉3の母材に、潤滑性を有し且つ等価弾性定数が100GPa以上280GPa以下であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)層Dが被覆されている。そして、母材のうちDLC層Dが被覆されている部分の表面粗さRaは、0.03μm以上0.2μm以下とされている。
さらに、DLC層Dは、図2に示すように、炭素からなるカーボン層Cと、タングステン(W),シリコン(Si),チタン(Ti),モリブデン(Mo)のうちの1種の金属及び炭素からなる複合カーボン層FCと、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属からなる第一金属層M1と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属及びクロムからなる複合金属層FMと、クロムからなる第二金属層M2と、の5層で構成されていて、該5層はDLC層Dの表面側からカーボン層C,複合カーボン層FC,第一金属層M1,複合金属層FM,第二金属層M2の順に配されている。
さらに、母材の上に第二金属層M2,複合金属層FM,第一金属層M1,及び複合カーボン層FCが形成された後且つカーボン層Cが形成される前には、平均粒径3μm以上150μm以下の投射材を噴射して複合カーボン層FCに吹き付け、第二金属層M2,複合金属層FM,第一金属層M1,及び複合カーボン層FCと母材との密着性を向上させる密着化処理が施されている。
ここで、DLC層Dを形成する方法について、外輪2を例に説明する。まず、外輪2の表面のうち軌道面2aとなる部分の表面粗さRaを、ショットブラスト処理により調整した。使用した装置は、株式会社不二製作所製のFD−4LD−501型であり、投射材は粒径20〜30μmのスチール製ビーズである。また、ショット条件は、投射圧力が0.4MPa、投射距離が150mmである。そして、処理時間を適宜設定することによって、表面粗さRaの調整を行った。なお、表面粗さRaを0.03μm以上0.2μm以下に調整可能であれば、ショットブラスト処理に限らず、バレル処理等の他の方法を採用することも可能である。
次に、油分を脱脂した外輪2を株式会社神戸製鋼所製のアンバランスドマグネトロンスパッタリング装置504(以降はUBMS装置と記す)に設置し、アルゴンプラズマによるスパッタリングを用いて、母材の表面のうち軌道面2aとなる部分にボンバード処理を15分間施した。
そして、クロムをターゲットとして、母材の表面のうち軌道面2aとなる部分にクロムをスパッタリングして成膜し、クロムからなる第二金属層M2を形成した。次に、クロムのスパッタリングを続けながら、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属(以降は、タングステンを使用した場合を例にして説明する)をターゲットとしたスパッタリングを開始した。
そして、クロムをターゲットとして、母材の表面のうち軌道面2aとなる部分にクロムをスパッタリングして成膜し、クロムからなる第二金属層M2を形成した。次に、クロムのスパッタリングを続けながら、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属(以降は、タングステンを使用した場合を例にして説明する)をターゲットとしたスパッタリングを開始した。
このようなスパッタリングによって、タングステン及びクロムからなる複合金属層FMを第二金属層M2の上に形成した。このスパッタリングの際には、クロムのスパッタ効率を徐々に減少させながら、タングステンのスパッタ効率を徐々に増加させた。そして、クロムのスパッタリングを終了し、タングステンのスパッタリングのみとして、複合金属層FMの上にタングステンからなる第一金属層M1を形成した。
次に、タングステンのスパッタリングを続けながら、カーボンをターゲットとした炭素のスパッタリングを開始した。このようなスパッタリングによって、タングステンと炭素とが結合した金属カーバイドからなる複合カーボン層FCを、第一金属層M1の上に形成した。さらに、タングステンのスパッタ効率を徐々に減少させながら、炭素のスパッタ効率を徐々に増加させた。そして、タングステンのスパッタリングを終了し、炭素のスパッタリングのみとして、複合カーボン層FCの上にカーボン層Cを形成した(DLC層D全体の厚さは2.2μm)。
ただし、複合カーボン層FCの形成が終了した時点で、タングステンのスパッタリングの終了とともに炭素のスパッタリングも一時中断して、前述の密着化処理を施した。すなわち、ショットピーニング装置を用いて、平均粒径3μm以上150μm以下の投射材を噴射圧力0.1MPa以上0.8MPa以下で噴射して、複合カーボン層FCに吹き付けた。そして、この密着化処理が終了したら、炭素のスパッタリングにより、複合カーボン層FCの上にカーボン層Cを形成した。
この密着化処理においては、コンプレッサーを用いて噴射圧力を調整することが好ましい。また、投射材の噴射には、エアードライヤーによる乾燥空気を用いることが好ましく、密着性をより向上させるためにはアルゴン,窒素等の不活性ガスを用いることがより好ましい。さらに、投射材を所定の温度に加熱したり、投射材が吹き付けられる部分を加熱したりすると、密着性をさらに向上させることができる。
前記投射材の材質は特に限定されるものではないが、軟質金属,軟質合金,樹脂や、ガラス,セラミックス(炭化ケイ素,ジルコニア等),鋼等の硬質材料が好ましい。軟質金属の例としては、亜鉛,錫,銅,アルミニウム,ニッケル,チタンがあげられる。また、軟質合金の例としては、亜鉛合金,錫合金,銅合金があげられる。さらに、樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリプラス(商品名)や、ウォルナッツ(クルミ)の殻,アプリコット(杏)の種,ピーチ(桃)の種があげられる。ただし、投射材の硬さは、投射材が吹き付けられる部分よりも軟らかい(硬さが低い)ことが好ましい。
なお、上記の説明においては、複合金属層FM,第一金属層M1,複合カーボン層FCを構成する金属としてタングステンを使用した例を示したが、シリコン,チタン,又はモリブデンを使用してもよいことは勿論である。また、複合金属層FM,第一金属層M1,複合カーボン層FCに全て同種の金属を使用する必要はなく、これらの層のうち1層に別の金属を使用してもよいし、3層にそれぞれ異なる金属を使用してもよい。
このようなスパッタリングにより成膜を行えば、第二金属層M2からカーボン層Cに向かって、層の組成が連続的に徐々に変化していくDLC層Dを形成することができる。このような構成のDLC層Dは、各層(第二金属層M2,複合金属層FM,第一金属層M1,複合カーボン層FC,及びカーボン層C)の間の密着性が非常に優れているとともに、潤滑性に優れたカーボン層Cと母材である鋼との密着性が非常に優れている。
UBMS装置は、スパッタリングに用いるターゲットを複数装着でき、各ターゲットのスパッタ電源を独立に制御することにより、各成分のスパッタ効率を任意に制御することができるので、上記のような成膜に好適である。例えば、上記の場合の複合カーボン層FC及びカーボン層Cを成膜する工程においては、金属ターゲットのスパッタ電源(DC電源)の電力を低減させながら、同時にカーボンターゲットのスパッタ電源(DC電源)の電力を増加させればよい(このとき、外輪2には負のバイアス電圧を印加する)。
ここで、グロー放電発光分析装置(島津製作所株式会社製のGDLS−9950)を使用して、DLC層Dを形成する元素を分析した結果を、図3の測定チャートに示す。図3のチャートは、複合金属層FM,第一金属層M1を構成する金属としてタングステンを使用し、複合カーボン層FCを構成する金属としてシリコンを使用したDLC層Dのチャートである。チャートの横軸は表面からの深さを示し、0μmがDLC層の表面を意味している。また、縦軸は、その深さ位置における各元素の含有量を示している。
なお、アルゴンガスを使用した放電によって深さ方向の情報を得ているため、母材である鋼とDLC層Dとの界面において、各元素の含有量を示す曲線がブロードとなっている。また、鋼とDLC層Dとの界面が8000nm付近に位置していることから、このチャートからはDLC層Dの厚さは約8μmであることが読み取れるが、この分析法は直径2mmの円形部分について放電発光により分析するため、深さ方向の精度上約8μmとなって現れるものであって、実際のDLC層Dの厚さは2.2μmである。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングによりDLC層を成膜したが、パルスレーザーアーク蒸着法やプラズマCVD法等を用いることもできる。ただし、等価弾性定数及び塑性変形硬さ等を独立に制御することが容易な非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングが最も好適である。
例えば、本実施形態においては、非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングによりDLC層を成膜したが、パルスレーザーアーク蒸着法やプラズマCVD法等を用いることもできる。ただし、等価弾性定数及び塑性変形硬さ等を独立に制御することが容易な非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングが最も好適である。
また、本実施形態においては、スラスト玉軸受を例示して説明したが、本発明の転動装置は様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、深みぞ玉軸受,アンギュラ玉軸受,円筒ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
さらに、本実施形態においては、転動装置として転がり軸受を例示して説明したが、本発明の転動装置は、他の様々な種類の転動装置に対して適用することができる。例えば、直動案内軸受,ボールねじ,直動ベアリング等の他の転動装置にも、好適に適用可能である。
さらに、本実施形態においては、転動装置として転がり軸受を例示して説明したが、本発明の転動装置は、他の様々な種類の転動装置に対して適用することができる。例えば、直動案内軸受,ボールねじ,直動ベアリング等の他の転動装置にも、好適に適用可能である。
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。軌道溝を有していない平板状部材を外輪の代わりに用いたことを除いては、図1のスラスト玉軸受とほぼ同様の構成の軸受において、母材のうちDLC層が被覆されている部分の表面粗さRa、DLC層の等価弾性定数、並びに、密着化処理における投射材(ガラスビーズ)の平均粒径及び噴射圧力を種々変更したものを用意して(表1,2を参照)、回転試験により耐久性(寿命)を調査した。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。軌道溝を有していない平板状部材を外輪の代わりに用いたことを除いては、図1のスラスト玉軸受とほぼ同様の構成の軸受において、母材のうちDLC層が被覆されている部分の表面粗さRa、DLC層の等価弾性定数、並びに、密着化処理における投射材(ガラスビーズ)の平均粒径及び噴射圧力を種々変更したものを用意して(表1,2を参照)、回転試験により耐久性(寿命)を調査した。
なお、この回転試験においては、DLC層は平板状部材の軌道部分(玉と接触する部分)のみに形成し、内輪及び玉には形成しなかった。また、内外輪間に配した玉の数は6個とした。さらに、回転試験は、ISO粘度グレードがISO VG10である鉱油中で行い、回転試験の条件は、アキシアル荷重が8918N、回転速度が2500rpmである。さらに、面圧は3.0GPaである。
回転時の振動値が回転初期の3倍となった場合、又は、軸受温度が150℃以上となった場合(150℃になった場合は、DLC層が破壊して下地である母材が露出し、金属同士の直接接触が生じたと考えられる)に、焼付きが生じたと判断し、寿命とした。回転試験は、1種の軸受につき10個ずつ行って、その平均値を表1,2に示した。また、投射材の平均粒径と寿命との関係を、図4のグラフに示す。なお、表1,2及び図4の寿命の数値は、比較例1の寿命を1とした場合の相対値で示してある。
図4のグラフから、投射材の平均粒径が3μm以上150μm以下であると軸受が長寿命であり、30μm以上100μm以下であるとさらに長寿命であることが分かる。
図4のグラフから、投射材の平均粒径が3μm以上150μm以下であると軸受が長寿命であり、30μm以上100μm以下であるとさらに長寿命であることが分かる。
本発明の転がり摺動部材及び転動装置は、例えば、自動車,農業機械,建設機械,鉄鋼機械等に好適に使用可能である。特に、前記機械に備えられるトランスミッションやエンジンの部品として好適である。
1 内輪
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 玉
3a 転動面
C カーボン層
D ダイヤモンドライクカーボン層
FC 複合カーボン層
FM 複合金属層
M1 第一金属層
M2 第二金属層
1a 軌道面
2 外輪
2a 軌道面
3 玉
3a 転動面
C カーボン層
D ダイヤモンドライクカーボン層
FC 複合カーボン層
FM 複合金属層
M1 第一金属層
M2 第二金属層
Claims (6)
- 相手部材との間で相対的な転がり接触又はすべり接触が生じる転がり摺動部材において、下記の6つの条件を満足することを特徴とする転がり摺動部材。
条件1:前記相手部材との接触面においては、鋼製の母材に潤滑性を有するダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている。
条件2:前記母材のうち前記ダイヤモンドライクカーボン層が被覆されている部分は、表面粗さRaが0.03μm以上0.2μm以下である。
条件3:前記ダイヤモンドライクカーボン層は、炭素からなるカーボン層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属及び炭素からなる複合カーボン層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属からなる第一金属層と、タングステン,シリコン,チタン,モリブデンのうちの1種の金属及びクロムからなる複合金属層と、クロムからなる第二金属層と、の5層で構成されている。
条件4:前記5層は、前記ダイヤモンドライクカーボン層の表面側から前記カーボン層,前記複合カーボン層,前記第一金属層,前記複合金属層,前記第二金属層の順に配されている。
条件5:前記母材の上に前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層が形成された後且つ前記カーボン層が形成される前に、平均粒径3μm以上150μm以下の投射材を噴射して前記複合カーボン層に吹き付け、前記第二金属層,前記複合金属層,前記第一金属層,及び前記複合カーボン層と前記母材との密着性を向上させる密着化処理が施されている。
条件6:前記ダイヤモンドライクカーボン層の等価弾性定数は、100GPa以上280GPa以下である。 - 前記複合カーボン層中の炭素の割合が、前記第一金属層側から前記カーボン層側に向かって徐々に増加していることを特徴とする請求項1に記載の転がり摺動部材。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン層は、非平衡型マグネトロンを用いたスパッタリングにより形成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり摺動部材。
- 前記投射材の噴射圧力が0.1MPa以上0.8MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり摺動部材。
- 前記投射材は、軟質金属,軟質合金,樹脂,ガラス,セラミックス,又は鋼で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり摺動部材。
- 外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外側に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材,前記外方部材,及び前記転動体のうち少なくとも1つを、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり摺動部材としたことを特徴とする転動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006161321A JP2007327632A (ja) | 2006-06-09 | 2006-06-09 | 転がり摺動部材及び転動装置 |
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Publications (1)
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JP2007327632A true JP2007327632A (ja) | 2007-12-20 |
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ID=38928223
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2007327632A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-06-09 JP JP2006161321A patent/JP2007327632A/ja active Pending
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