JP5354384B2 - 硬質金属材料の平滑研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バレル研磨装置を用いて炭素工具鋼や高炭素クロム軸受鋼などの硬質金属材料からなる被研磨加工物(以下「ワーク」という)の平滑研磨加工を行う研磨方法に関するものである。
バレル研磨装置には、研磨槽内に投入されたワークと該ワーク同士の間に介在させるワークの分離・緩衝作用と研磨・艶出し作用を兼ね備える媒体(以下「メディア」という)が互に擦れ合い研磨作用を生み出す研磨機構(=研磨力)が異なる機種が4機種あって、その機種名を研磨力が「大」から「小」の順に列挙すると、1)遠心バレル研磨装置、2)流動バレル研磨装置、3)振動バレル研磨装置、4)回転バレル研磨装置、となる。
前記各研磨装置の研磨力とその研磨加工時間、および研磨後のワークの表面粗さの関係については、研磨するワークの種類と選定するメディアにより異なるものであるが、一般的に研磨力が「大」である機種を選定すれば研磨加工時間を短くすることができるがワークの表面粗さが荒れて小さくすることができず、ワークの表面粗さを小さくするために研磨力が「小」である機種を選定すればその研磨加工時間は長くなる。
ワークの表面粗さを小さくする平滑研磨加工において、算術平均粗さ:Ra0.05μm以下(JISB0601−2001)に研磨する平滑研磨加工における研磨加工時間は、バリ取り、エッジ部のR付け加工、面粗し等のような通常の研磨における加工時間の4〜5倍を必要とされるものであるが、近年、外形寸法・形状が異なる多品種のワークの平滑研磨加工が容易にでき、且つ、前記研磨工程の後工程となるワークの洗浄工程およびワークとメディアの選別工程の省力化を図ることができて生産効率を向上させた研磨方法の開発が望まれている。
本発明に係る平滑研磨加工の先行技術に、振動バレル研磨装置を用いた特許文献1が開示されている。
特許文献1の発明は、高炭素軸受鋼からなるワークの平滑研磨加工を、研磨装置に振動バレル研磨装置を採用し、メディアに非球形研磨石と砥粒にアルミナを用いて4時間研磨加工し、水洗後にメディアのみで2時間研磨して表面粗さをRz0.37μm(≒Ra0.09μm)としたもので、その研磨加工時間を、従来の回転バレル研磨装置により加工時間を22時間要していたものを6時間に短縮改善したものである。
特許第3791837号公報
バレル研磨装置を用いた平滑研磨方法は、前記特許文献1のように、その研磨工程時間を6時間に短縮して作業改善はされたが、表面粗さがRz0.37μm(≒Ra0.09μm)であって、近年、その表面粗さをさらに小さくする要求がある。
通常のバレル研磨において、該バレル研磨装置の研磨槽へ投入されるメディアとワークの比率は「ワーク:1」に対し「メディア:1〜5」であって、該研磨槽内のワークとメディアの全容積の1/2〜5/6をメディアが占めた状態で研磨加工が行われているから、前記メディアの投入量を減らしてワークの投入量(=処理量)を増大することができる研磨方法の開発が望まれている。
前記研磨工程の後工程に、研磨を終了したワークとメディア、および研磨槽内の研磨屑などを洗浄し研磨槽外へ排出する洗浄工程と、該洗浄工程後のワークは製品ラインへ移送しメディアは再利用ラインまたは廃棄ラインへ移送するために、該ワークとメディアの仕分けをする選別工程があるが、前記各工程における各装置にワークとメディアなどを移し変える手間を必要としている。
また、前記選別工程においては、研磨に使用されたメディアは、加工条件、或いは再利用などによる使用条件によって摩滅する量が異なりサイズが徐々に小さくなり、時には、ワークサイズと略同一になり、ワークとメディアの仕分けが困難となる場合があるため、選別工程を必要としない平滑研磨方法が望まれている。
前記、課題を解決するために成された本発明は、研磨装置に、研磨槽が円筒形状の固定槽と該固定槽の下端開口内周部に摺接隙間を形成して水平回転する皿盤状の回転盤とから構成される流動バレル研磨装置を用い、前記研磨槽内に、ワークと研磨の進行に伴い粉砕される砥粒Aとワークの容積(100)に対し75〜150容積%に相当する水を投入し、メディアを使用せず前記回転盤の回転速度と研磨加工時間を変更した複数の研磨加工条件を組合せて研磨する研磨工程Aと、前記研磨槽内に洗浄水を給水して貯留し回転盤を一定時間回転させて停止したのち、研磨使用済みの砥粒Aと水と研磨中に発生した研磨屑を前記洗浄水とともに研磨槽外に排出し、研磨構内に洗浄されたワークのみを残留させる洗浄工程Aと、を備えた硬質金属材料の平滑研磨方法を請求項1の発明とする。
また、前記請求項1の発明に記載の洗浄工程Aを終了した後に、前記研磨槽内に硬さが砥粒Aと同等もしくは砥粒Aより軟質で平均粒径が小さい砥粒Bと平滑用および光沢用の混合コンパウンドとワークの容積(100)に対し75〜150容積%に相当する水を投入し、前記回転盤の回転速度と研磨加工時間を変更してなる複数の研磨加工条件を組合せて研磨する研磨工程Bと、前記研磨槽内に洗浄水を給水して貯留し回転盤を一定時間回転させて停止したのち、研磨使用済みの砥粒Bと平滑用および光沢用の混合コンパウンドと水と研磨中に発生した研磨屑を前記洗浄水とともに研磨槽外に排出し、研磨構内に洗浄されたワークのみを残留させる洗浄工程Bと、を備えた硬質金属材料の平滑研磨方法を請求項2の発明とする。
また、前記請求項1または請求項2の発明に記載の砥粒Aに、平均粒径が1〜6μmである珪石粉末を用い、前記研磨工程Aにおいて、ワークの表面を2μm以上研削して表面粗さをRa0.05μm以下(JISB0601−2001)に研磨する硬質金属材料の平滑研磨方法を請求項3の発明とする。
また、前記請求項2の発明に記載の砥粒Bに、平均粒径が0.2〜0.6μmであるセリウム、またはクロム、または鉄の酸化物の少なくとも1つを用い、前記研磨工程Bにおいて、ワークの表面粗さをRa0.03μm以下(JISB0601−2001)に研磨する硬質金属材料の平滑研磨方法を請求項4の発明とする。
また、前記請求項1乃至請求項4のいずれかの発明に記載のワークの硬さが、HRc55以上(JISZ2245−2005)である硬質金属材料の表面研磨方法を請求項5の発明とする。
前記、請求項1の発明によれば、研磨装置に、研磨槽が円筒形状の固定槽と該固定槽の下端開口内周部に摺接隙間を形成して水平回転する皿盤状の回転盤とから構成され、該回転盤の水平回転によりワークに与える研磨作用(=研磨力)が遠心バレル研磨装置に次いで大である流動バレル研磨装置を採用し、その研磨工程Aにおいて、メディアを使用しないワーク同士が直接擦れ合う「共摺り」によりワーク表面が平滑に研磨されるとともに、砥粒に、研磨の進行に伴い粉砕される砥粒Aを採用したことによりワーク表面に研磨痕が付き難くし、水を投入する量を、ワークの容積(100)に対し75〜100容積%相当量にしたことにより、ワークに対する砥粒Aの緩衝作用および洗浄作用の働きが付与されて表面粗さを小さくした良好な平滑研磨加工ができるものである。
さらに、前記研磨工程Aにおいては、前記回転盤の回転速度を、研磨力を「大」とするために「速く」し、表面粗さを「小さく」するために「遅く」した研磨加工条件を複数組み合わせることにより研磨効率を向上させて表面粗さを小さくする平滑研磨加工が容易にできるとともに、前記研磨加工条件を変更することによりワークの外形寸法の調製が容易にできる。
さらに、前記研磨工程Aではメディアを使用しないから、従来の研磨加工において使用されているメディアの1バッチあたりの投入量(通常研磨においては、研磨槽内の有効容積の1/2〜5/6)に相当するワークの1バッチあたりの投入量を増やすことができ処理能力を向上させることができるとともに、メディアの材料費に相当するランニングコストを削減することができる。
また、洗浄工程Aは、研磨槽内に洗浄水を給水し本研磨装置の回転盤を回転させてワークと使用済みの砥粒Aと水を流動させて洗浄し、前記使用済みの砥粒Aと水、及びワークと砥粒Aの磨耗粉を洗浄水とともに研磨槽と回転盤の摺接隙間および回転盤に設けた孔より研磨槽外へ排出し、研磨槽内に洗浄されたワークのみを残留させることができるから、従来、必要としていた洗浄装置と選別装置を別に設ける必要がなく研磨済みのワークを製品ラインへ直接仕分け移送することができて設備費用の削減が可能となる。
請求項2の発明によれば、研磨工程Bにより前記研磨工程Aと洗浄工程Aを終了したワークの表面粗さが最終製品の規格より大きい場合に、当該ワークを研磨槽外へ排出することなく継続して容易に研磨加工ができるものであって、ワークが残留されている研磨槽内に、硬さが前記砥粒Aと同等もしくは砥粒Aより軟質で平均粒径が小さい砥粒Bと平滑用および光沢用の混合コンパウンドと水を新たに投入し、回転盤の回転速度と研磨加工時間を変更した複数の加工条件を組合せて、ワーク同士が直接擦れ合う「共摺り」の状態で流動化させることにより、前記研磨工程Aで得られなかったワークの表面粗さをさらに小さくすることができるものである。
さらに、研磨工程Bにおいてもメディアを使用しないから、前記研磨工程Aと同様に、従来の研磨加工において使用されているメディアの1バッチあたりの投入量に相当するワークの1バッチあたりの投入量を増やすことができ処理能力を向上させることができるとともに、メディアの材料費に相当するランニングコストを削減することができる。
また、洗浄工程Bは、前記洗浄工程Aと同様に、研磨槽内に洗浄水を給水し本研磨装置の回転盤を回転させてワークと使用済みの砥粒Bと水を流動させて洗浄し、前記使用済みの砥粒Bと水、及びワークと砥粒Bの磨耗粉を洗浄水とともに研磨槽と回転盤の摺接隙間および回転盤に設けた孔より研磨槽外へ排出し、研磨槽内に洗浄されたワークのみを残留させることができるから、前記請求項1の発明と同様に、従来、必要としていた洗浄装置と選別装置を別に設ける必要がなく研磨済みのワークを製品ラインへ直接仕分け移送することができて設備費用の削減が可能となる。
請求項3の発明によれば、表面粗さをRa0.05μm以下(JISB0601−2001)に研磨できるようにした前記研磨工程Aに用いる砥粒Aは、ワークの表面を2μm以上研削する必要があって、その粒子径は、大きすぎると研磨痕が大きくなり、小さすぎると研磨力が低下して加工時間が長くなるから、平均粒径が6μm以下であり1μm以上である、珪石粉末を用いると好適である。
請求項4の発明によれば、前記研磨工程Aで研磨されたワークの表面粗さを、必要に応じてさらにRa0.03μm以下(JISB0601−2001)に研磨できるようにした前記研磨工程Bに用いる砥粒Bは、平均粒径を前記砥粒Aより小さくして0.2〜0.6μmとし、材質を前記砥粒Aより軟質のセリウム、またはクロム、または鉄の酸化物のいずれかの砥粒を用いると好適である。
請求項5の発明によれば、本発明に適用するワークの硬さをHRc55以上(JISZ2245−2005)とすることにより、その研磨方法にメディアを使用しないワーク同士が直接擦れ合う「共摺り」による研磨方法を採用することができるから、ワークの表面にメディアによる研磨痕を無くし且つ表面粗さを小さくした平滑研磨を行うことができるものである。
本発明に用いる流動バレル研磨装置の研磨中における研磨槽内を示す断面図である。 本発明の研磨工程の実施例を示す工程説明図である。 本発明の研磨工程の他の変更例を示す工程説明図である。 本発明に用いる流動バレル研磨装置の全体を示す正面図である。
本発明に係る研磨装置の構成と研磨加工の各工程について、図を用いて説明する。
図1は、本発明に用いる流動バレル研磨装置の研磨槽(1)の詳細を示す正面から見た断面図であって、ワークの研磨を行う研磨槽(1)が円筒形状に形成された固定槽(2)と、該固定槽(2)の下端開口内周部に摺接隙間(3)を形成して水平回転する皿盤状の回転盤(4)を備えている。回転盤(4)と固定槽(2)の底板(5)との間には、摺接隙間(3)と回転盤(4)の回転中心部に形成した孔(8)が連通する通路(6)が形成されており、通路(6)には開閉弁付きの排水手段(7)が接続されている。
図2は、請求項1の発明に記載の研磨工程A(16)と洗浄工程A(17)の実施例を示す工程説明図であって、回転盤(4)の回転速度と研磨加工時間を変更したその一例として3稼動条件を組合せて研磨するようにした研磨工程A(16)と、該研磨工程A(16)終了後に、研磨工程A(16)で使用した砥粒A、水、ワークと砥粒Aの磨耗粉、を研磨槽(1)の固定槽(2)と回転盤(4)の摺接隙間(3)より研磨槽(1)外へ排出し、研磨槽(1)内に洗浄されたワークのみを残留させるための洗浄工程A(17)と、から構成されている。
前記研磨工程A(16)において、研磨加工に使用する砥粒Aおよび水とともに消石灰を研磨槽(1)内に適量投入すれば、該消石灰が研磨中に発生する研磨屑を粒状化して洗浄工程A(17)の洗浄水とともに研磨槽(1)外へ排出し易くすることができ、該研磨屑が研磨槽(1)の流路途中に堆積して固化することを防止できる。さらに、該消石灰はワークの洗浄作用、防錆作用を兼ね備えているから、水を投入して研磨する場合には、欠かせないものである。なお、前記した消石灰の適量投入とは、その投入量に比例して消石灰が研磨槽内に泡立ちする量が増減することとなるが、前記洗浄工程A(17)において「研磨槽内に発泡した泡の排出が困難にならない範囲で前記ワークの洗浄作用、防錆作用の効果が発揮できる投入量」をいう。
図3は、前記研磨工程A(16)と洗浄工程A(17)の後に、研磨工程B(18)と洗浄工程B(19)を追加し、研磨工程を2工程にした請求項2の発明に記載の他の変更例を示す工程説明図であって、回転盤(4)の回転速度と研磨加工時間を変更したその一例として2稼動条件を組合せて研磨し該ワークの表面粗さを前記研磨工程A(16)で得られなかった表面粗さに小さくするための研磨工程B(18)と、その洗浄工程B(19)と、から構成されている。
図4は、洗浄工程A(17)および洗浄工程B(19)において、研磨槽(1)内に洗浄水を給水する給水手段(9)と、該研磨槽(1)内に乾燥気体を供給する乾燥手段(15)と、前記洗浄水および乾燥気体を研磨槽(1)外に排出するための排出手段(7)を設けた流動バレル研磨装置の全体を示すもので、以下に給水手段(9)と乾燥手段(15)、および排出手段(7)の構成を詳細に説明する。
給水手段(9)は、洗浄水を貯留する洗浄水槽(10)と、該洗浄水槽(10)および前記研磨槽(1)を接続する給水用配管(11)とから構成され、ポンプ駆動により洗浄水槽(10)内の洗浄水が研磨槽(1)内に給水されるようになっている。
洗浄工程A(17)および洗浄工程B(19)における前記給水手段(9)の給水と回転盤(4)を回転させる設定方法には、a)洗浄水を研磨槽(1)内に一旦溜めたのち、回転盤(4)を一定時間回転させて停止させ、排水手段(7)の開閉弁を「開」にして新たに洗浄水を給水して使用済みの砥粒と研磨屑と水を研磨槽(1)外へ排出する方法、b)排水手段(7)の開閉弁を「開」にし一定時間に回転盤(4)を回転させるとともに研磨槽(1)内に洗浄水を給水して洗浄しながら使用済みの砥粒と研磨屑と水を研磨槽(1)外へ排出する洗浄方法、の二通りがあるが、ワークの表面粗さをRa0.05μm以下に研磨する本発明に用いる方法は、前者a)洗浄水を研磨槽(1)内に一旦溜めた状態で回転盤(4)を一定時間回転させて洗浄する方法、が好適である。後者b)の洗浄方法では、連続して給・排水されている洗浄水の研磨槽(1)内に貯留される量が少なくなり回転盤(4)の回転により流動しているワークへの緩衝作用が少なくなり、研磨加工により小さくなったワークの表面粗さが逆に荒れて大きくなる傾向となることが考えられるからである。
乾燥手段(15)は、乾燥気体を生成する気体生成装置(13)と該乾燥気体を研磨槽(1)に供給する給気用配管(14)とから構成され、前記洗浄工程Aあるいは洗浄工程Bを終了した研磨槽(1)内に残留されたワークは、前記気体生成装置(13)より給気用配管(14)を介して供給される乾燥気体によって容易に乾燥することができ、乾燥終了後のワークは、研磨槽(1)を反転して製品ラインへ直接移送できるようになっている。
排出手段(7)は、一方に開閉弁を取付けてその開口が研磨槽(1)を構成する固定槽(2)の底板(5)に接続され、他方に前記洗浄水の排液と乾燥気体の排気を切換える切換弁(12)を取付けて該切換弁(12)以降の一方の開口が排水溝へ接続されるとともに他方の開口が前記気体生成装置(13)の除湿器(21)に接続される排出管(20)により構成されていて、洗浄工程における洗浄液、および乾燥工程における乾燥気体の排出が容易に行えるようになっている。
本発明を具体的にするために、研磨加工を研磨工程A(16)のみとした実施例1と、研磨加工を研磨工程A(16)および研磨工程B(18)とした実施例2について、以下に説明する。
実施例1および実施例2に用いた<研磨装置>は、図1および図4に示す流動バレル研磨装置(新東工業株式会社製:EVF−04)を使用した。該流動バレル研磨装置の研磨槽(1)の全容量は40リットルであるが、研磨時に流動させてワークへ与える研磨作用を最良にする適正投入量は、ワーク、研磨材、水等を合計した容量が前記研磨槽(1)の全容量の約50%相当量であって、その適正投入量は、15〜20リットルとされた流動バレル研磨装置である。
実施例1および実施例2に用いた<ワーク>は、材質が焼入れをした高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)からなり、硬さがHRc60以上、外形寸法がφ2.5mm×L10mm、その1バッチあたりの処理量として40.0kg(=9.3リットル)を研磨槽(1)内に投入した。前記ワークの研磨加工前の表面粗さは、Ra0.0955μmであった。
実施例1および実施例2の各研磨工程の加工条件は、下記表1に示すとおりとし、その<研磨工程A(16)>に使用する砥粒Aに通常のバレル研磨に使用されるアルミナや炭化珪素に比べて柔らかく研磨の進行に伴い粉砕される珪石粉末を採用し、その平均粒径が1.6μmである砥粒A:2000gと、水:8.0リットル(ワーク:40kgの容積9.3リットルに対する容積比率が約85%に相当する量)を、既にワークが投入されている研磨槽(1)内へ投入した後、図2(研磨工程の実施例を示す工程説明図)に示すように、回転盤(5)の回転速度と研磨加工時間を3段階に変更して研磨工程A−a(16a):300min−1×120min、研磨工程A−b(16b):200min−1×60min、研磨工程A−c(16c):100min−1×60min、の順に研磨加工し、合計研磨加工時間を4Hrとして研磨工程A(16)を終了した。
回転盤(5)の回転速度と研磨加工時間を3段階に変更して研磨加工をした前記研磨工程A(16)の加工結果は、下記表2(各研磨工程の研磨粗さおよび研削代の結果)に示すとおりであって、研磨加工前の表面粗さがRa0.0955μmであったワークを、研磨工程A−a(16a):300min−1×120minにより1.7μm研削して表面粗さRa0.0790μmとし、次いで研磨工程A−b(16b):200min−1×60minにより0.7μm研削して表面粗さRa0.0679μmとし、次いで、研磨工程A−c(16c):100min−1×60minにより0.4μm研削して表面粗さRa0.0379μmにすることができ良好な平滑研磨加工をすることができた。その最終合計研削代は、2.8μmであった。
次に、給水手段(9)のポンプを駆動させて、洗浄水槽(10)の洗浄水を給水用配管(11)より研磨槽(1)内に10リットル給水して溜めたのち、回転盤(4)を100min−1の回転速度で2min間回転させて研磨槽(1)の内容物を流動させ停止し、排水手段(7)の開閉弁を「開」にすると同時に、新たに洗浄水を給水して使用済みの砥粒Aと研磨屑と水を研磨槽(1)外へ排出し<洗浄工程A>を終了した。
次に、研磨槽(1)内の洗浄されたワークを乾燥するために、該研磨槽(1)内に前記乾燥手段(15)の気体生成装置(13)より給気用配管(14)を介して乾燥気体を供給して乾燥させた後、研磨槽(1)を反転してワークを製品ラインへ排出・移送し、実施例1を終了した。なお、前記ワークの乾燥に要した乾燥時間は5minであった。
最終製品の表面粗さが、前記研磨工程A(16)終了後の表面粗さ(例えば、Ra0.03μm)以下にする必要がある場合は、前記研磨工程A(16)により研磨され洗浄工程A終了したワーク:40.0kg(=9.3リットル)を乾燥せずに研磨槽(1)内へ残留させて、次に説明する実施例2の<研磨工程B(18)>により研磨加工を継続する。
<研磨工程B(18)>は、ワークの表面粗さをさらに小さくするために、前記研磨工程A(16)を終了したワークが残留されている研磨槽(1)内へ、平均粒径が砥粒Aより細かい平均粒径が1.0μmである酸化鉄(=ベンガラ)からなる砥粒Bを40gと、平滑用15gおよび光沢用100gの2種類の混合コンパウンドと、水8.0リットルを新たに投入して、図3に示すように回転盤(5)の回転速度と研磨加工時間を変更した研磨工程B−a(18a):140min−1×30min、研磨工程B−b(18b):100min−1×60min、の順に研磨加工し、合計研磨加工時間を1Hr30minとして研磨工程B(18)を終了した。前記酸化鉄(=ベンガラ)は市販品を使用したが、平滑用コンパウンドは商品名:パナクリーンA(新東工業株式会社製)、光沢用コンパウンドは商品名:ラスタオールG(新東工業株式会社製)、を使用した。
回転盤(5)の回転速度と研磨加工時間を2段階に変更して研磨加工をした前記研磨工程B(18)の加工結果は、前記表2(各研磨工程の研磨粗さおよび研削代の結果)に示すとおりであって、研磨加工前の表面粗さがRa0.0379μmであったワークを、研磨工程B−a(18a):140min−1×30minにより0.3μm研削して表面粗さRa0.0334μmとし、次いで研磨工程B−b(18b):100min−1×60minにより0.1μm研削して表面粗さRa0.0224μmにすることができ、ワークの表面粗さをさらに小さくした良好な平滑研磨加工をすることができた。
前記のように、合計研削代が0.3μmであった研磨工程B(18)において、ワーク表面を削り取る作用が殆んど無い状態で表面粗さをさらに小さくすることができたのは、メディアを使用せずワーク同士が擦れあう「共摺り」にするとともに、平滑用と光沢用の混合コンパウンドを組み合わせた新しい試みにより得られたものである。
前記研磨工程B(18)を終了後、研磨装置を前記の洗浄工程Aと同様に操作して、研磨使用済みの砥粒Bとコンパウンドと水を研磨槽(1)外へ排出するとともにワークを洗浄して研磨槽(1)に残留させた<洗浄工程B>と、研磨槽(1)内のワークを乾燥した後、研磨槽(1)を反転してワークを製品ラインへ排出・移送した。前記洗浄工程Bと乾燥に要した時間は、前記研磨工程A(16)終了後に要した時間と同様(2minと5minの合計7min)に終了することができた。
なお、研磨工程において、水の投入量は、ワークに対して75容積%より少ないと、ワークに対する砥粒の緩衝作用がなくなり、表面粗さの小さな平滑研磨加工ができなくなる。また、150容積%より多いと回転盤(4)を回転させるモータの容量が大きくなり、コストがかかる。
以上の実施例に用いたワークは、HRc60以上の焼入れをした高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)について説明したが、本発明を適用できるワークは、前記高炭素クロム軸受鋼に限定されるものでなく、研磨装置をバレル研磨装置とし、メディアを使用せずにワーク同士が擦れ合って研磨される「共摺り」により表面が平滑にできる硬さ(例えば、HRc55以上の炭素工具鋼など)を有する硬質金属材料であれば好適に用いることができるものである。また、本発明の研磨方法について、研磨工程を研磨工程Aと研磨工程Bの2工程にしてワークの表面粗さをRa0.0955μmから0.0224μmに小さくした実施例を用いて説明したが、本発明の研磨方法による研磨工程とその洗浄工程をさらに追加すれば、前記実施例に示したワークの表面粗さ(Ra0.0224μm)をさらに小さくすることができるものである。
1 研磨槽
2 固定槽
3 摺接隙間
4 回転盤
5 底板
6 通路
7 排水手段
8 孔
9 給水手段
10 洗浄水槽
11 給水用配管
12 切換弁
13 気体生成装置
14 給気用配管
15 乾燥手段
16 研磨工程A
17 洗浄工程A
18 研磨工程B
19 洗浄工程B
20 排水管
21 除湿器

Claims (5)

  1. 研磨装置に、研磨槽が円筒形状の固定槽と該固定槽の下端開口内周部に摺接隙間を形成して水平回転する皿盤状の回転盤とから構成される流動バレル研磨装置を用い、前記研磨槽内に、ワークと研磨の進行に伴い粉砕される砥粒Aとワークの容積(100)に対し75〜150容積%に相当する水を投入し、メディアを使用せず前記回転盤の回転速度と研磨加工時間を変更した複数の研磨加工条件を組合せて研磨する研磨工程Aと、前記研磨槽内に洗浄水を給水して貯留し回転盤を一定時間回転させて停止したのち、研磨使用済みの砥粒Aと水と研磨中に発生した研磨屑を前記洗浄用水とともに研磨槽外に排出し、研磨構内に洗浄されたワークのみを残留させる洗浄工程Aと、を備えることを特徴とした硬質金属材料の平滑研磨方法。
  2. 前記洗浄工程Aを終了した後に、前記研磨槽内に硬さが砥粒Aと同等もしくは砥粒Aより軟質で平均粒径が小さい砥粒Bと平滑用および光沢用の混合コンパウンドとワークの容積(100)に対し75〜150容積%に相当する水を投入し、前記回転盤の回転速度と研磨加工時間を変更してなる複数の研磨加工条件を組合せて研磨する研磨工程Bと、前記研磨槽内に洗浄水を給水して貯留し回転盤を一定時間回転させて停止したのち、研磨使用済みの砥粒Bと平滑用および光沢用の混合コンパウンドと水と研磨中に発生した研磨屑を前記洗浄用水とともに研磨槽外に排出し、研磨構内に洗浄されたワークのみを残留させる洗浄工程Bと、を備えることを特徴とした請求項1記載の硬質金属材料の平滑研磨方法。
  3. 前記砥粒Aに、平均粒径が1〜6μmである珪石粉末を用い、前記研磨工程Aにおいて、ワークの表面を2μm以上研削して表面粗さをRa0.05μm以下(JISB0601−2001)に研磨することを特徴とした請求項1または請求項2記載の硬質金属材料の表面研磨方法。
  4. 前記砥粒Bに、平均粒径が0.2〜0.6μmであるセリウム、またはクロム、または鉄の酸化物の少なくとも1つを用い、前記研磨工程Bにおいてワークの表面粗さをRa0.03μm以下(JISB0601−2001)に研磨することを特徴とした請求項2記載の硬質金属材料の表面研磨方法。
  5. 前記ワークの硬さが、HRc55以上(JISZ2245−2005)であることを特徴とした請求項1乃至請求項4のいずれか記載の硬質金属材料の表面研磨方法。
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