JP5161136B2 - インダクタおよびインダクタの製造方法 - Google Patents

インダクタおよびインダクタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インダクタおよびインダクタの製造方法に関するものである。
インダクタのコアに巻回される巻線の端末と端子とを接続する一般的な方法としては、端子の延出部に巻線の端末を数回程度の巻数で巻回して絡げる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、プレート状コアとポット状コアと巻線と端子とからなるインダクタでは、端子のワイヤ保持部に巻線をかしめて仮固定した上で、さらに半田処理を行う方法も知られている(特許文献2参照)。
特開2006−245271号公報(段落番号0025等) 特開2005−159006号公報(請求項1等)
上述したような巻線を絡げたり、かしめて仮固定する接続方法は、端末と端子との接続が外れてしまうことを阻止するという点では有効である。この理由は、コアに巻回された巻線が、巻き解けようとする力が作用することによって元の直線状の形状に戻ろうとする復元力が作用しても、強制的に接続された端末と端子との接続状態になんらの悪影響も受けないからである。しかし、インダクタの製造に際してこれらの接続方法を採用すると製造工程が複雑化してしまう。これに加えて、巻線を絡げて接続する方法では、ワイヤが太い事により絡げる事ができなくなる不具合や、端末の巻き太りによりインダクタの小型化を阻害してしまうことにもなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、巻線の端末と端子とを確実に接続でき、接続時の巻き太りによる大型化を抑制し、且つ、生産性の高いインダクタおよびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明のインダクタは、巻軸部を少なくとも有する第一のコアと、上記巻軸部に巻回された巻線と、上記第一のコアと組み合わせることで閉磁路を構成する第二のコアと、上記巻線と接続される巻線接続部を少なくとも1つ有する端子と、を有し、上記第一のコアおよび上記第二のコアの少なくとも一方のコアに、上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと上記巻線の端末を引き出すことが可能な凹部が少なくとも2つ設けられ、上記凹部は、この底部から離間する向きの上面開口部と、該上面開口部および上記底部の間に位置し開口面が上記上面開口部の開口面と略直交する側面開口部と、を有し、上記側面開口部及び上記上面開口部から選択されるいずれか一方の開口部に近接する位置に上記巻線接続部が配置され、少なくとも1つの巻線接続部には、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側の方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられ、且つ、上記端末の少なくとも一方の端末が、上記凹部と上記切欠け部とを経由して上記第一のコア側から外部側へと引き出されると共に、上記端末が上記巻線接続部に圧入されることなく、上記一方の端末の巻き解く力が作用するように上記切欠け部の切欠け面に一部接触した状態で固定されていることを特徴とする。
本発明のインダクタの一実施態様は、前記切欠け部の切欠き方向が、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側方向に対して、170度〜180度の範囲内であることが好ましい。
本発明のインダクタの他の実施態様は、前記切欠け部の切欠き方向が、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側方向に対して、80度〜100度の範囲内であることが好ましい。
本発明のインダクタの他の実施態様は、前記第一のコアと前記第二のコアとの組み合わせが、ドラム型コアとリング型コアの組み合わせ、および、T字型コアとポット型コアとの組み合わせ、から選択されるいずれか一方の組み合わせであることが好ましい。
本発明のインダクタの他の実施態様は、前記端子が、前記巻線接続部とインダクタを基板に固定する際に上記基板と接触する実装部とを有することが好ましい。
本発明のインダクタの他の実施態様は、前記切欠け部がU字状であり、且つ、上記U字状切欠け部の最大深さが、前記巻線の直径以上であることが好ましい。
本発明のインダクタの製造方法は、(1)金属の板状部材を型抜きすることにより、平板状の実装部、および、該実装部の少なくとも一方の端部に巻線と接続される巻線接続部を有する2つ以上の端子部と、フレーム部と、上記2つ以上の端子部と上記フレーム部とを接続する接続部とを備え、上記2つ以上の端子部の1つ以上の端子部が、巻線接続部の末端側から巻線接続部と実装部とが接続された部分へと伸びる方向と平行で、且つ、巻線接続部の末端側方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられた巻線接続部を1つ以上有するプレート部材を形成するプレート部材形成工程と、(2)上記巻線接続部を、上記実装部に対して略垂直を成すように折り曲げる巻線接続部折り曲げ工程と、(3)巻軸部を少なくとも有する第一のコアの上記巻軸部に巻線を巻回する巻線巻回工程と、(4)上記巻線が巻回された第一のコアを、上記プレート部材の上記実装部上に配置して上記端子部と接着する端子部接着工程と、(5)上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと、上記巻軸部から引き出された上記巻線の端末を、上記端末が上記巻線接続部に圧入されることなく、上記切欠け部を有する巻線接続部の切欠け部に、該切欠け部の切欠け面に対して上記巻線の端末の巻き解く力が作用するように一部接触させて係止させる端末係止工程と、(6)上記巻線が巻回された第一のコアに対して、閉磁路を構成するように第二のコアを配置する第二のコア配置工程と、(7)上記接続部を切断して、上記プレート部材から上記端子部を分離する端子部分離工程と、を少なくとも経てインダクタを作製し、上記巻線巻回工程で用いられる第一のコア、および、上記第二のコア配置工程に用いられる第二のコアの少なくとも一方のコアに、上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと上記巻線の端末を引き出すことが可能な凹部が少なくとも2つ設けられ、上記インダクタの作製に際して、上記切欠け部を有する巻線接続部が、上記凹部の側面開口部及び上面開口部から選択されるいずれか一方の開口部に近接する位置に配置されることが好ましい。
本発明によれば、巻線の端末と端子とを確実に接続でき、接続時の巻き太りによる大型化を抑制し、且つ、生産性の高いインダクタおよびその製造方法を提供することができる。
本実施形態のインダクタの一例を示す斜視図であり、面実装されない面を上方にした状態を示す図である。 図1に示すインダクタを分解して示した状態を示す斜視図である。 巻線接続部への端末の係止めの一例を示す斜視図である。 隅面の形状の一例を示す斜視図である。 凹部の側面開口部の形状の一例を示す模式図である。ここで、図5(A)は、側面開口部が方形状である場合の一例を示す模式図であり、図5(B)は、側面開口部が、図5(A)に示す側面開口部が方形状の凹部の底面側を更にV字状に切欠いた形状である場合の一例を示す模式図であり、図5(A)は、側面開口部が半円形状である場合の一例を示す模式図である。 切欠け部の形状の一例を示す斜視図である。ここで、図6(A)は、切欠け部がU字形状である場合について示す図であり、図6(B)は、切欠け部が切欠き方向の先端部分でV字形状となっている場合について示す図であり、図6(C)は、切欠け部が方形状である場合について示す図である。 切欠け部の形状の他の例を示す斜視図である。 切欠け部46の開口部両端48A、48Bと凹部28の側面開口部との位置関係の一例を示す模式図である。 本実施形態のインダクタの他の例を示す模式図である。ここで、図9(A)は、上鍔部の直径よりも下鍔部の直径が大きいドラム型コアと、リング型コアとを組み合わせたインダクタの一例を示す図であり、図9(B)は、上鍔部の直径と下鍔部の直径とが同一のドラム型コアと、リング型コアとを組み合わせたインダクタの一例を示す図であり、図9(C)は、上鍔部の直径よりも下鍔部の直径が小さいドラム型コアと、リング型コアとを組み合わせたインダクタの一例を示す図である。 本実施形態のインダクタの他の例を示す模式図である。ここで、図10(A)は、鍔部の直径がポット型コアの直径と等しいT字型コアと、ポット型コアとを組み合わせたインダクタの一例を示す図であり、図10(B)は、鍔部の直径がポット型コアの中空部の内径よりも若干小さいT字型コアと、ポット型コアとを組み合わせたインダクタの一例を示す図である。 本実施形態のインダクタの他の例を、インダクタを分解して示した状態を示す斜視図である。ここで、図11(A)はインダクタを構成する第一のコアについて示した図であり、図11(B)はインダクタを構成する第二のコアおよび端子について示した図である。 図11に示すインダクタにおける凹部および切欠け部近傍の端末の配置状態について説明する模式図である。
<インダクタ>
図1は、本実施形態のインダクタの一例を示す斜視図であり、面実装されない面を上方にした状態を示す図である。また、図2は、図1に示すインダクタを分解して示した状態を示す斜視図である。図1および図2に示すインダクタ1は、ドラム型コア(第一のコア)10Aと、リング型コア(第二のコア)20Aと、巻線30と、2つの端子40A、40Bとを備える。
ドラム型コア10Aは、巻線30が巻回される巻軸部(図1,2中、不図示)と、この巻軸部の両端にそれぞれ設けられた円盤状の上鍔部12Aおよび下鍔部14Aから構成されている。この下鍔部14Aは、その直径が上鍔部12Aの直径よりも大きい。また、巻線30は、上鍔部12Aの直径と略一致する程度に巻軸部に巻回されている。なお、以下の説明において、巻軸部の軸線方向であって、下鍔部14Aに対して上鍔部12Aが位置する側を「上方向」又は「上側」と称し、上鍔部12Aに対して下鍔部14Aが位置する側を「下方向」又は「下側」と称し、巻軸部の軸線方向と略直交する方向を「左(右)方向」又は「左(右)側」と称し、上下方向を「縦方向」と称し、左右方向を「横方向」と称す場合がある。また、図1中、矢印Aは、巻軸部の軸線と平行、且つ、下鍔部14A側から上鍔部12A側へと伸びる方向を意味する。
リング型コア20Aは、内径が上鍔部12Aよりも若干大きく、軸線と直交する面が円形状の中空部22を有しており、その外形は下鍔部14Aの直径と略同程度の略正方形状である。このリング型コア20Aは、中空部22に上鍔部12Aと巻線30が巻回された巻軸部とが位置するように、ドラム型コア10Aの下鍔部14Aの上面に配置される。そして、リング型コア20Aの高さはドラム型コア10Aの巻軸部の高さと上鍔部12Aの厚みとを足し合わせたものと略同一である。
また、リング型コア20Aの外周面は、その外周面を構成する平面同士が直交し且つ互いに対向する平面同士は平行を成す4つの平面24から構成されている。そして、これらの互いに隣接する2つの平面24により構成される4隅部分は、当該2つの平面24と略45度の角度で交差するようにカットされている(以下、当該カットされた面を「隅面」と称す)。そして、リング型コア20Aの下面側には、4つの隅面26から中空部22へと貫通するように4つの凹部28が設けられている(但し、図2中では、4つのうち、1つの凹部28は不図示)。この凹部28は、この底部から離間する向きの上面開口部(図2中では、下側を向いて開口している部分)と、上面開口部および底部の間に位置し開口面が上面開口部の開口面と略直交する側面開口部(例えば、図2中の凹部28Aでは、紙面手前側と奥側(図中不図示)とを向いて開口している部分)と、を有している。
端子40A、40Bは、長手方向の長さが隣接する2つの隅面26間の距離と略同程度の帯状の平板からなる実装部42と、この実装部42の一方の端から実装部42に対して垂直に折り曲げられた平板状の巻線接続部44とから構成されている。そして、巻線接続部44には、末端側44Aから実装部42側へと切欠くように切欠け部46が設けられている。この切欠け部46の幅は、端末32A、32Bの直径と同等か、当該直径よりもやや大きくなるように設けられる。
この端子40A、40Bは、ドラム型コア10Aの下鍔部14Aの下面と実装部42の巻線接続部44が突出している側の面とを貼り合わせるようにしてドラム型コア10Aに2つ取り付けられる。この際、凹部28の側面開口部(図2中において、隅面26側の開口部)に近接する位置に巻線接続部44が配置される。また、巻線接続部44は、その末端側44Aが、凹部28の底面よりも上側に位置するように側面開口部に近接して配置される。これにより、巻線接続部44に設けられた切欠け部46と、リング型コア20Aの凹部28の側面開口部とが、巻軸部の軸線方向と略直交する方向と平行な直線上に位置することになる。なお、実装部42の巻線接続部44が突出している側の面と反対側の面は、インダクタ1を基板に実装して固定する際の接合面として利用される。
ここで、ドラム型コア10Aの巻軸部に巻回された巻線30の両端末32A、32Bは、リング型コア20Aの凹部28A、28Bと、巻線接続部44の切欠け部46とを通して、巻軸部側からインダクタ1の外側へと、巻軸部の軸線に対して略直交する方向に引き出される。それゆえ、端末32A、32Bは、その左右方向と下方向とが切欠け部46の切欠け面により囲まれ、上方向が凹部28A、28Bの底面により囲まれることになる。
一方、端末32Aおよび端末32Bの少なくとも一方には、巻線30が巻軸部に対して巻回される方向と反対側の方向(図1、図2中の矢印R1方向および/またはR2方向)へと巻き解く力が常に作用している。例えば、巻線30の長手方向の中央部近傍を始点として、巻軸部に対して端末32A側を時計回りに巻回させると共に、端末32Bを反時計回りに巻回させて、巻軸部に巻線30を巻回させた場合(いわゆる「α巻」の場合)、端末32Aには矢印R1方向へと巻き解く力が作用し、端末32Bには矢印R2方向へと巻き解く力が作用する。
しかし、端末32A、32Bの巻き解く力が作用するR1、R2方向には、切欠け部46の切欠け面の側壁側の部分が存在する。このため、端末32A、32Bは、切欠け部46の切欠け面の側壁側の部分と接触した状態で安定して固定されることになる。これに加えて、端末32A、32Bの周囲は、その3方(左右および下方向)が切欠け部46の切欠け面に囲まれ、残りの一方(上方向)が凹部28の底面に囲まれている。
このため、インダクタ1に、端末32A、32Bを上下左右方向に移動させるような何がしかの外力が加った場合でも、端末32A、32Bが切欠け部46の外部へと逸脱して、巻線接続部44と端末32A、32Bとの接続が恒久的に断絶するのを防止できる。具体的には、ドラム型コア10Aに巻線30を巻回し、リング型コア20Aを組み付つけた後に、端子32A、32Bと巻線接続部44との溶接又は半田接続までの間の仮固定が可能となる。あるいは、ドラム型コア10Aに巻線30を巻回した後に、端子32A、32Bと巻線接続部44との溶接又は半田接続までの間の仮固定が可能となる。それゆえ、図1および図2に示すインダクタ1は、特許文献1、2等に示される従来のインダクタのように巻線の端末を絡げたり、端子のワイヤ保持部にかしめて仮固定する必要が無く、製造工程の工程数を少なくする事ができる。従って、図1および図2に示すインダクタ1は、従来のインダクタよりも生産性が高い。また、接続のために端末32A、32Bを絡げる必要が無いため、接続時の巻き太りによるインダクタ1の大型化を抑制することもできる。また、インダクタ1では、上述したように端末32A、32Bの巻き解ける力を利用して、巻線接続部44に対して端末32A、32Bが安定的に固定される。
なお、巻線30の長手方向の端末32A近傍側を始点として、端末32A近傍側の巻線30部分を覆うように巻軸部に対して端末32B側を反時計回りに巻回させて巻軸部に巻線30を巻回させた場合、端末32Bにのみ矢印R2方向へと巻き解く力が作用する。逆に、巻線30の長手方向の端末32B近傍側を始点として、端末32B近傍側の巻線30部分を覆うように巻軸部に対して端末32A側を時計回りに巻回させて巻軸部に巻線30を巻回させた場合、端末32Aにのみ矢印R1方向へと巻き解く力が作用する。これら2つの態様のうちのいずれか一方の態様で巻軸部に巻線30を巻回させた場合には、少なくとも巻き解く力が作用する端末側に、切欠け部46が設けられた巻線接続部44を有する端子を用いればよい。
また、図3に例示するように、端末32Aは、その末端部分が巻線接続部44の外面(巻線接続部44の実装部42側と反対側の面)と接触するように折り曲げてもよい。これにより、巻線接続部44と端末32Aとの接続をより安定且つ確実なものとすることができる。なお、端末32Bについても図3に例示するように同様に折り曲げることができる。
また、隅面26の形状は、図1および図2に示す態様に限定されず、種々の形状とすることができ、例えば、図4に示すように、隅面26は、この隅面26に隣接する一方の平面24Aと平行で且つ他方の平面24Bに直交する第一の面26Aと、両平面26A、24Aに対して例えば45度程度の角度で斜めに交差する第二の面26Bとから構成されていてもよい。この場合、第一の面26Aの下部に側面開口部が位置するように凹部28(図中不図示す)を設けることができる。また、端子40(図4中では、端子40A)は、その巻線接続部44が、第一の面26Aと対向するように設けられる。
凹部28の数は、図2に示すように4つでもよいが、少なくとも2つ以上であればよい。なお、凹部28を2つ設ける場合は、巻軸部の軸線(中空部22の中心軸)を起点として90度の角度を成す位置(例えば、図2中の凹部28A、28B)であってもよいし、180度の角度を成す位置(例えば、図2中の凹部28A、28C)であってもよい。なお、凹部28が巻軸部の軸線を起点として180度の角度を成す位置に配置される場合は、図1および図2に示すように端子40Aと端子40Bとを組み合わせて使用するのでは無く、端子40Aを2つ使用(あるいは、端子40Bを2つ使用)する。この場合、各々の端子40A(あるいは端子40B)の巻線接続部44を、巻軸部の軸線を起点として180度の角度を成す位置に配置することができる。従って、凹部28が巻軸部の軸線を起点として180度の角度を成す位置に配置される場合は、1種類の端子を準備するだけでよい。また、凹部28の数を、図2に示すように巻軸部の軸線を起点として90度毎に4つの凹部28を設けた場合は、端末32A、32Bを、巻軸部側からインダクタ1の外部へと引き出す位置を、これら4つの凹部28の中から2つを選択できることになる。このため、インダクタ1の組み立てに際して、巻線30の巻数を、0.25回転単位で微調整することができる。
凹部28の側面開口部の形状は特に限定されず、図5に示すように、種々の形状を選択できる。例えば、側面開口部の形状は、図5(A)に示す凹部28Dのように方形であってもよく、図5(B)に示す凹部28Eのように方形の凹部の底面側を更にV字状に切欠いた形状(5角形)であってもよく、図5(C)に示す凹部28Fのように半円形であってもよい。
切欠け部46の形状は、常に巻き解く力が作用している端末32A、32Bの外周面が切欠け面に接触した状態で、端末32A、32Bが安定して同じ位置に固定できる形状であれば特に限定されない。例えば、図6(A)に示す端子40Cのように、切欠け部46AがU字形状を有していてもよいし、図6(B)に示す端子40Dのように、切欠け部46Bが、切欠き方向の先端部分でV字形状となっているものでもよいし、図6(C)に示す端子40のように、切欠け部46Cが方形を有していてもよい。なお、端末32A、32Bの断面形状と同一形状又は相似形状の部分を有するという点では、U字形状の切欠け部46Aが好適である。
なお、図6に示す切欠け部46A、46B、46Cの切欠き方向(図6中、一点鎖線で示される矢印C)と、巻軸部(図6中不図示)の軸線と平行で且つ巻線接続部44の末端部44Aの方向(図6中、実線で示される矢印A(図1中に示す矢印Aと同じ))との成す角度θ(以下、「切欠き角θ」と称す場合がある)は、180度である。しかしながら、切欠け部46A、46B、46Cは、切欠き角θが45度〜180度の範囲で巻線接続部44に設けることができる。なお、切欠き角θは、切欠け部46の形状加工の容易さ等の実用上の観点から、170度〜180度または80度〜100度が好ましく、180度または90度がより好ましい。なお、「切欠き方向」とは、より正確には、切欠け部46の開口部側から底部側へと最短距離で向かう方向を意味する。
なお、切欠き角θが45度以上135度未満の場合は、切欠き方向Cと端末32A、32Bの巻き解ける方向との成す角度が45度以内となるように、端子40が取り付けられる。これにより、端末32A、32Bに作用する巻き解く力を、切欠け部46の底部近傍側の切欠け面で確実に受け止めることができる。従って、巻線30と端子40とを確実に接続できる。例えば、図7に示すように、切欠き角θが90度で、図7中、右側から左側へU字状に切欠いた切欠け部46Dを有する端子40Fであれば、この端子40Fは、図1または図2中の左側の端子40Bの代わりに取り付けることができる。この場合は、U字状の切欠け部46Dの半円状を成す底部側の切欠け面に、図1中、右側から左側方向(矢印R2方向)へと巻き解く力が作用する端末32Bが接触した状態で安定して固定される。
また、切欠き角θが45度以上135度未満の場合は、切欠き角が135度以上180度以下の場合と比べて、切欠き方向Cと、端末32A、32Bの巻き解ける方向との成す角度が0度〜45度程度と小さい。このため、インダクタ1に振動や外力が加わった際に、仮に、端末32A、32Bが切欠け部46から飛び出る方向に移動しようとしても、端末32A、32Bは確実に切欠け部46内に保持される。このような効果が得られる理由は以下の2つである。すなわち、第一の理由として、端末32A、32Bが、横方向に飛び出るように切欠け部46内からジャンプした場合は、そのジャンプ方向が巻き解ける方向と逆方向であるため、ジャンプ力が、巻き解ける方向に作用する力と相殺されることが挙げられる。また、第二の理由として、端末32A、32Bが、縦方向に飛び出ようとした場合は、切欠け部46の側壁側の切欠け面に端末32A、32Bが衝突し、端末32A、32Bの移動が阻害されてしまうことが挙げられる。
これに対して、切欠き角が135度以上180度以下の場合は、切欠き方向Cと、端末32A、32Bの巻き解ける方向との成す角度が45度〜90度程度と大きい。このため、端末32A、32Bが、縦方向に飛び出るように切欠け部46内からジャンプした場合は、そのジャンプ方向が巻き解ける方向と直交する方向であるため、ジャンプ力が、巻き解ける方向に作用する力と相殺され無い。これに加えて、縦方向の一方側は、切欠け部46の開口部側となっている。このため、インダクタ1に加わる外力や衝撃が大きい場合には、切欠け部46の外部へと端末32A、32Bが飛び出易くなる。このような事態を確実に防ぐためには、巻線接続部44が、その末端側44Aが凹部28の底面よりも上側に位置するように凹部28の側面開口部に近接して配置されることが好ましい。
また、切欠け部46外へと端末32A、32Bが逸脱するのを防止するためには、巻線接続部44を、凹部28の側面開口部が設けられた面と平行な面において、切欠け部46の開口部両端が凹部28の側面開口部外に位置するように配置することも好適である。図8は、切欠け部46の開口部両端48A、48Bと凹部28の側面開口部との位置関係の一例を示す模式図である。なお、図中、端末32については記載を省略してある。開口部両端48A、48Bは、例えば、図6(A)に示すように切欠き角θが180度となるように設けられた切欠け部46Aを有する巻線接続部44では、図8(A)に示すように凹部28の側面開口部の底面28Xよりも上方側に位置させることができる。また、開口部両端48A、48Bは、例えば、図7に示すように切欠き角θが90度となるように設けられた切欠け部46Dを有する巻線接続部44では、図8(B)に示すように凹部28の側面開口部の側壁面28Yに対して、側面開口部と反対側に位置させることができる。これにより、端末32の周囲は、切欠け部46の切欠き面と、側壁面28Yとによって囲まれることになる。従って、このような場合は、本来であれば切欠け部46外へと逸脱するように端末32がジャンプした場合でも、ジャンプした端末32は、切欠け部46の切欠き面か、側壁面28Yと必ず衝突することになるため、切欠け部46外へと飛び出すことができない。
なお、図1および図2に示すインダクタ1では、第一のコアとしてドラム型コア10Aが用いられており、第二のコアとしてリング型コア20Aが用いられているが、第一のコアおよび第二のコアの形状やこれら2つのコアの組み合わせは、閉磁路が構成できるものであれば特に限定されない。例えば、第一のコアと第二のコアとの組み合わせとしては、図1等に例示したドラム型コアとリング型コアとの組み合わせの他に、後述するT字型コアとポット型コアとの組み合わせなども一例として挙げることができる。なお、第一のコアと第二のコアとの組み合わせにより形成される閉磁路とは、第一のコアと第二のコアとの間にギャップが無く、完全に閉磁路となっている状態のみならず、第一のコアと第二のコアとの間に微小なギャップがあるものの実質的に閉磁路となっている状態も意味する。以下、第一のコアと第二のコアとの組み合わせや形状のバリエーションについて説明する。
図9は、本実施形態のインダクタの他の例を示す模式図であり、具体的には、ドラム型コア(第一のコア)と、リング型コア(第二のコア)との組み合わせたインダクタのバリエーションを示したものである。また、図10は、本実施形態のインダクタの他の例を示す模式図であり、具体的には、T字型(第一のコア)とポット型コア(第二のコア)とを組み合わせたインダクタのバリエーションを示したものである。ここで、図9(A)〜図9(C)および図10(A)〜図10(B)中、図面の左半分は、インダクタの模式断面図を示したものであり、図面の右半分は、インダクタの側面外観図を示したものである。
図9(A)は、図1および図2にも斜視図および分解図として示したインダクタ1について示したものである。これに対して図9(B)に示すインダクタ2および図9(C)に示すインダクタ3は、インダクタ1に用いたドラム型コア10Aの上鍔部又は下鍔部の直径を変えたものである。具体的には、インダクタ1が、上鍔部よりも下鍔部の直径が大きいドラム型コア10Aを用いているのに対して、インダクタ2では、上鍔部の直径と下鍔部の直径とが同一のドラム型コア10Bを用いており、インダクタ3では、上鍔部よりも下鍔部の直径が小さいドラム型コア10Cを用いている。なお、インダクタ2では、ドラム型コア10Bは、これと高さが等しいリング型コア20Bの中空部に配置される。また、インダクタ3では、ドラム型コア10Cの下鍔部の厚みと巻軸部の高さとの総和に等しい高さを有するリング型コア20Cの中空部に、ドラム型コア10Cの上鍔部によりリング型コア20Cの上部に蓋をするようにドラム型コア10Cが配置される。なお、図9中に示すリング型コア20A、20B、20Cとしては、例えばこれを2分割して半円形状にしたものを組み合わせて用いることもできる。
図10(A)に示すインダクタ4は、図9(A)に示すインダクタ1と比較して、インダクタ1のドラム型コア10Aの上鍔部を取り除いた形状からなるT字型コア10Dと、インダクタ1のリング型コア20Aの上面に蓋をした形状のポット型コア20Dとを組み合わせたところに特徴があり、その他の構成はインダクタ1と実質的に同一である。図10(B)に示すインダクタ5は、T字型コア10Eとポット型コア20Eとを組み合わせたものであり、基本的な構成は図10(A)に示すインダクタ4と同様である。但し、インダクタ5は、インダクタ4と比較して、T字型コア20Eの鍔部の直径をポット型コア20Eの中空部に収まる程度に小さくし、且つ、ポット型コア20Eの中空部内にT字型コア20Eがその鍔部も含めて配置されているところに特徴がある。
次に、図1および図2に示すインダクタ1とは異なり、凹部を第二のコア側では無く第一のコア側に設けた態様のインダクタの一例について説明する。図11は、本実施形態のインダクタの他の例を示す斜視図であり、面実装されない面を上方にし、且つ、インダクタを分解して示した状態を示す図である。なお、図11中、巻線については記載を省略してある。図11に示すインダクタ6は、ドラム型コア(第一のコア)10Fと、リング型コア(第二のコア)20Fと、巻線(図11中不図示)と、2つの端子40G、40Hとを備える。
ドラム型コア10Fは、不図示の巻線が巻回される巻軸部16と、この巻軸部の両端にそれぞれ設けられた円盤状の上鍔部12Bおよび下鍔部14Bから構成されている。この下鍔部14Bは、その直径が上鍔部12Bの直径よりも小さい。また、巻線は、下鍔部14Bの直径と略一致する程度に巻軸部16に巻回される。なお、以下の説明において、巻軸部16の軸線方向であって、下鍔部14Bに対して上鍔部12Bが位置する側を「上方向」又は「上側」と称し、上鍔部12Bに対して下鍔部14Bが位置する側を「下方向」又は「下側」と称し、軸線方向と直交する方向を「左(右)方向」又は「左(右)側」と称す場合がある。また、上下方向を「縦方向」と称し、左右方向を「横方向」と称す場合がある。
リング型コア20Fは、内径が下鍔部14Bの直径よりも若干大きく、軸線と直交する面の形状が円形状の中空部22を有しており、リング型コア20Fの外形は上鍔部12Bの直径と略同程度の略正方形状である。このリング型コア20Fの中空部22には、下鍔部14Bと巻線が巻回された巻軸部16とが位置し、中空部22を上方側から上鍔部12Bが蓋をするように、ドラム型コア10Fが配置される。そして、リング型コア20Fの高さはドラム型コア10Fの巻軸部16の高さと下鍔部14Bの厚みとを足し合わせたものと略同一である。また、このリング型コア20Fは、凹部28を有しない点を除けば、リング型コア20Aと略同一の形状を有するものである。
なお、図1および図2に示すインダクタ1では、凹部28は、第二のコア20A側に設けられていたが、図11に示すインダクタ6では、凹部18は、第一のコア10F側に設けられている点で異なっている。この凹部18は、図11に示すように、側面開口部(なお、当該「側面」とは、上鍔部12Bの上面および下面と一致する面をいう)の形状がU字状となるように上鍔部12Bの側面側から切欠くように設けられている。凹部18は、巻軸部16の軸線を起点として、180度の角度を成す位置(図11中の凹部18A、18B)に2つ設けられている。そして、2つの凹部18A、18Bがリング型コア20Fの互いに対向する隅面(図11中において符号26で示される隅面に対して、リング型コア20Fの周方向に90度の位置にある隅面)と一致するように、ドラム型コア10Fがリング型コア20Fの中空部22に配置される。なお、凹部18は、上鍔部12Bの円周方向に沿って等間隔に4つ設けてもよい。また、凹部18の側面開口部の形状は、図5に例示したように種々の形状が適宜選択できる。
端子40G、40Hは、平板状の実装部(図11中不図示)と、この実装部の端部から実装部に対して垂直に折り曲げられた平板状の1つの巻線接続部44とから構成されている。そして、巻線接続部44の末端部分には、末端側44Aから実装部側へと切欠くように切欠け部46が設けられている。この切欠け部46の幅は、巻線の端末(図11中不図示)の直径と同等か、当該直径よりもやや大きくなるように設けられる。また、巻線接続部であって巻軸の軸線方向と平行な方向の長さは、リング型コア20Fの高さよりもやや長くなるように設けられている。
端子40Gおよび端子40Hは、リング型コア20Fの互いに対向する2つの隅面26部分に、巻線接続部44と隅面26とが対向すると共に、切欠け部46が、リング型コア20Fの上面よりも上側に位置するように配置される。また、これら端子40G、40Hの実装部は、リング型コア20Fの下面と貼り合わせて固定されている。この際、凹部18の上面開口部(当該「上面」とは、上鍔部12Bの側面と一致する面をいう)に近接する位置に巻線接続部44が配置される。また、巻線接続部44は、その末端側44Aが、上鍔部12Bの上面よりもやや高くなる位置に、凹部18の上面開口部に近接して配置される。これにより、巻線接続部44に設けられた切欠け部46と、ドラム型コア10Fの凹部18の上面開口部とが、巻軸部の軸線方向と略直交する方向に位置することになる。
次に、図11に示すインダクタ6における凹部18および切欠け部46近傍の端末の配置状態について説明する。図12は、インダクタ6における凹部18および切欠け部46近傍の端末32の配置状態について説明する模式図であり、図12(A)が、図11に示すインダクタを上方から見た上面図を示し、図12(B)が、図12(A)中、一点鎖線で示されるX1−X2間で切断した面を、矢印X3方向側から見た模式図である。
巻線30の端末32は、上鍔部12Bの下面に沿って巻軸部(図12中不図示)側から巻線接続部44側へと引き出された後、凹部18の底面に沿うように上方に略直角に折り曲げられ(以下、当該折り曲げを「第一の折り曲げ」と称す)、凹部18の底面側から上面開口部、切欠け部46を通過してインダクタ6の外部へと引き出されるように凹部18底面の中央で再び横方向に略直角に折り曲げられている(以下、当該折り曲げを「第二の折り曲げ」と称す)。なお、図12中、α1は、第一の折り曲げにおける折り曲げ角度を表し、α2は、第二の折り曲げにおける折り曲げ角度を表す。
このようにしてインダクタ6の外部に引き出された端末32には、左右方向に巻き解く力が作用している(図12中では、矢印Rで示される方向に巻き解く力が作用している)。しかしながら、この巻き解く力は切欠け部46の側壁側の切欠け面で受け止められるように端末32が切欠け部46の切欠け面に接触した状態で安定して固定される。なお、インダクタ6に対して強い外力や衝撃が加わることで、切欠け部46内に位置する端末32に対して上方にジャンプする力が作用する場合、端末32が切欠け部46外へと逸脱する可能性がある。このような事態の発生を確実に防止するためには、端末32が下側に移動するような力(図12中の矢印D方向)を作用させてもよい。これにより、切欠け部46内に位置する端末32に対して上方にジャンプする力が作用した場合でも、このジャンプ力を相殺することができるため、端末32が切欠け部46外へと逸脱することをより確実に抑制できる。
なお、端末32に対して下側に移動するように作用する力を付与する方法としては、例えば、第一の折り曲げにおける折り曲げ角度α1が90度である場合に、第二の折り曲げにおける折り曲げ角度α2を90を超えるようにする方法や、第二の折り曲げにおける折り曲げ角度α2が90度である場合に、第一の折り曲げにおける折り曲げ角度α1を90未満とする方法が挙げられる。また、このような方法で端末32に付与された下側に移動するように作用する力は、巻線30が巻き解く方向に作用する力と同様に半恒久的なものである。これは、第一の折り曲げも第二の折り曲げも、金属を主材とする巻線30が可逆的に変形可能な弾性変形の限界を超える折り曲げ角度である略直角に巻線30を折り曲げるため、一旦折り曲げた後は、折り曲げた状態が維持されるためである。
また、切欠け部46内に位置する端末32に対して上方にジャンプする力が作用した場合に、端末32が切欠け部46外へと逸脱するのを抑制するその他の方法としては、端子40Gの切欠け部46の切欠き角θを、図7に一例を示したように80度〜100度とすることも好適である。さらに、図3に例示したように、端末32を下方向に折り曲げることで矢印D方向に作用する力を加えてもよい。
以上の図1〜図12に例を挙げて説明した本実施形態のインダクタに用いられる巻線30の太さは特に限定されるものではなく、一般的なインダクタに用いられる巻線の太さが採用できる。一方、本実施形態のインダクタにおける巻線接続部44と端末32との接続安定性は、端末32の巻き解く力を利用することで実現されることを考慮すれば、端末32の巻き解く力は強い程好ましいと考えられる。この点を考慮すれば、巻線30の直径としては0.07mm以上であることが好ましく、0.50mm以上であることがより好ましい。
<インダクタの製造方法>
以上に説明した本実施形態のインダクタの製造方法は特に限定されるものではないが、生産性を確保する観点からは、インダクタの端子となり得る端子部がフレーム部分に2つ以上接続されたプレート部材を用いた製造方法を利用することが好適である。この場合、少なくとも1つの端子部が、巻線接続部の末端側から巻線接続部と実装部とが接続された部分へと伸びる方向と平行で、且つ、巻線接続部の末端側方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられた巻線接続部を1つ以上有していることが好ましい。なお、このようなプレート部材を用いたインダクタの製造方法としては、具体的には以下の(1)〜(7)に示す工程を有することが好ましい。
(1)金属の板状部材を型抜きすることにより、平板状の実装部、および、該実装部の少なくとも一方の端部に巻線と接続される巻線接続部を有する2つ以上の端子部と、フレーム部と、上記2つ以上の端子部と上記フレーム部とを接続する接続部とを備え、上記2つ以上の端子部の1つ以上の端子部が、巻線接続部の末端側から巻線接続部と実装部とが接続された部分へと伸びる方向と平行で、且つ、巻線接続部の末端側方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられた巻線接続部を1つ以上有するプレート部材を形成するプレート部材形成工程。
なお、「巻線接続部の末端側から巻線接続部と実装部とが接続された部分へと伸びる方向と平行で、且つ、巻線接続部の末端側方向」とは、後述する(2)巻線接続部折り曲げ工程において、巻線接続部が実装部に対して略垂直を成すように折り曲げられ、端子が、インダクタ本体に取り付けられた際に、図1や図6に示す矢印Aで示される方向に相当する方向を意味する。
(2)上記巻線接続部を、上記実装部に対して略垂直を成すように折り曲げる巻線接続部折り曲げ工程。
(3)巻軸部を少なくとも有する第一のコアの上記巻軸部に巻線を巻回する巻線巻回工程。
(4)上記巻線が巻回された第一のコアを、上記プレート部材の上記実装部上に配置して上記端子部と接着する端子部接着工程。
(5)上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと、上記巻軸部から引き出された上記巻線の端末を、上記切欠け部を有する巻線接続部の切欠け部に、該切欠け部の切欠け面に対して上記巻線の端末の巻き解く力が作用するように接触させて係止させる端末係止工程。
(6)上記巻線が巻回された第一のコアに対して、閉磁路を構成するように第二のコアを配置する第二のコア配置工程。
(7)上記接続部を切断して、上記プレート部材から上記端子部を分離する端子部分離工程。
但し、(3)巻線巻回工程で用いられる第一のコア、および、(6)第二のコア配置工程に用いられる第二のコアの少なくとも一方のコアに、上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと上記巻線の端末を引き出すことが可能な凹部が少なくとも2つ設けられる。また、上記(1)〜(7)に示す工程によるインダクタの作製に際して、上記切欠け部を有する巻線接続部が、上記凹部の側面開口部及び上面開口部から選択されるいずれか一方の開口部に近接する位置に配置される。
また、上記(1)〜(7)に示す各工程の他にも、他の工程を必要に応じて実施することができる。例えば、(5)端末係止工程を実施した後の任意のタイミングで、切欠け部に係止された端末と、巻線接続部とを半田づけする半田付け工程を実施することができる。また、上記(1)〜(7)に示す各工程は、この順に順次実施することもできるが、一部の工程についてはその実施順を入れ替えることもできる。例えば、(6)第二のコア配置工程は、工程(7)の後に実施してもよい。また、(2)巻線接続部折り曲げ工程は、工程(1)を終えた後から工程(4)の開始前のいずれかのタイミングで実施してもよい。また、工程(1)と工程(3)とは、実施順を入れ替えてもよいし、同時に実施してもよい。
1,2,3,4,5,6 インダクタ
10A、10B、10C、10F ドラム型コア(第一のコア)
10D、10E T字型コア(第一のコア)
12A、12B 上鍔部
14A、14B 下鍔部
16 巻軸部
18、18A、18B 凹部
20A、20B、20C、20F リング型コア(第二のコア)
20D、20E ポット型コア(第二のコア)
22 中空部
24、24A、24B 平面
26 隅面
26A 第一の面
26B 第二の面
28、28A、28B、28C、28D、28E、28F 凹部
28X 底面
28Y 側壁面
30 巻線
32、32A、32B 端末
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G、40H 端子
42 実装部
44 巻線接続部
44A 末端側
46、46A、46B、46C、46D 切欠け部
48A、48B 開口部端

Claims (5)

  1. 巻軸部を少なくとも有する第一のコアと、
    上記巻軸部に巻回された巻線と、
    上記第一のコアと組み合わせることで閉磁路を構成する第二のコアと、
    上記巻線と接続される巻線接続部を少なくとも1つ有する端子と、
    を有し、
    上記第一のコアおよび上記第二のコアの少なくとも一方のコアに、上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと上記巻線の端末を引き出すことが可能な凹部が少なくとも2つ設けられ、
    上記凹部は、この底部から離間する向きの上面開口部と、該上面開口部および上記底部の間に位置し開口面が上記上面開口部の開口面と略直交する側面開口部と、を有し、
    上記側面開口部及び上記上面開口部から選択されるいずれか一方の開口部に近接する位置に上記巻線接続部が配置され、
    少なくとも1つの巻線接続部には、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側の方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられ、且つ、
    上記端末の少なくとも一方の端末が、上記凹部と上記切欠け部とを経由して上記第一のコア側から外部側へと引き出されると共に、上記端末が上記巻線接続部に圧入されることなく、上記一方の端末の巻き解く力が作用するように上記切欠け部の切欠け面に一部接触した状態で固定されていることを特徴とするインダクタ。
  2. 前記切欠け部の切欠き方向が、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側方向に対して、170度〜180度の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記切欠け部の切欠き方向が、上記軸線と平行で且つ上記巻線接続部の末端側方向に対して、80度〜100度の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  4. 前記第一のコアと前記第二のコアとの組み合わせが、ドラム型コアとリング型コアの組み合わせ、および、T字型コアとポット型コアとの組み合わせ、から選択されるいずれか一方の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のインダクタ。
  5. (1)金属の板状部材を型抜きすることにより、
    平板状の実装部、および、該実装部の少なくとも一方の端部に巻線と接続される巻線接続部を有する2つ以上の端子部と、フレーム部と、上記2つ以上の端子部と上記フレーム部とを接続する接続部とを備え、
    上記2つ以上の端子部の1つ以上の端子部が、
    巻線接続部の末端側から巻線接続部と実装部とが接続された部分へと伸びる方向と平行で、且つ、巻線接続部の末端側方向に対して、その切欠き方向が45度〜180度の範囲を成すように切欠け部が設けられた巻線接続部を1つ以上有するプレート部材を形成するプレート部材形成工程と、
    (2)上記巻線接続部を、上記実装部に対して略垂直を成すように折り曲げる巻線接続部折り曲げ工程と、
    (3)巻軸部を少なくとも有する第一のコアの上記巻軸部に巻線を巻回する巻線巻回工程と、
    (4)上記巻線が巻回された第一のコアを、上記プレート部材の上記実装部上に配置して上記端子部と接着する端子部接着工程と、
    (5)上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと、上記巻軸部から引き出された上記巻線の端末を、上記端末が上記巻線接続部に圧入されることなく、上記切欠け部を有する巻線接続部の切欠け部に、該切欠け部の切欠け面に対して上記巻線の端末の巻き解く力が作用するように一部接触させて係止させる端末係止工程と、
    (6)上記巻線が巻回された第一のコアに対して、閉磁路を構成するように第二のコアを配置する第二のコア配置工程と、
    (7)上記接続部を切断して、上記プレート部材から上記端子部を分離する端子部分離工程と、を少なくとも経てインダクタを作製し、
    上記巻線巻回工程で用いられる第一のコア、および、上記第二のコア配置工程に用いられる第二のコアの少なくとも一方のコアに、上記巻軸部の軸線と略直交する方向であって上記第一のコアから離れる方向へと上記巻線の端末を引き出すことが可能な凹部が少なくとも2つ設けられ、
    上記インダクタの作製に際して、上記切欠け部を有する巻線接続部が、上記凹部の側面開口部及び上面開口部から選択されるいずれか一方の開口部に近接する位置に配置されることを特徴とするインダクタの製造方法。
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