JP2014217208A - ブラシレスモータのステータ構造 - Google Patents

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貴之 山崎
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Abstract

【課題】インシュレータに保持した端子ピンの一方端を回路基板の孔部に挿入してハンダで電気的に接続する際にも端子ピンがインシュレータから脱落することを防止する。【解決手段】第1のインシュレータ6の突極装着部9間に端子ピン装着部10を設け、ステータコア2を介して対向する第2のインシュレータ7の突極装着部14間に端子ピン装着部15を設ける。第1と第2の端子ピン装着部10、15には、端子ピン8をインシュレータ6、7の径外方(A2方向)から嵌め込んで嵌着させる一対の爪部11,11、16,16を設け、該爪部11,11、16,16に、嵌着された端子ピン8が径外方(A1方向)へ抜けるのを止める返し12,12、17,17を設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、ブラシレスモータのステータ構造に関する。
ブラシレスモータとして、ステータコアと、ステータコアに装着される一対のインシュレータと、インシュレータ上に巻回されるコイルとを備え、インシュレータに端子ピンを装着する機構を備えたものが知られている。この種の従来のモータの一例として、下記特許文献1には、インシュレータに端子ピンを挿入固着し、この端子ピンの一方端にコイル端末を絡げて電気的に接続し、端子ピンの他方端を回路基板の孔部に挿入して電気的に接続する構成を有するファンモータが記載されている。
図6は特許文献1記載のファンモータにおけるインシュレータの平面図であり、特に、一対のインシュレータにおける一方のインシュレータの平面図を示している。図7は図6に示すインシュレータのA−O−B線による断面図を示している。このファンモータにおいて、ステータは、ステータコアと、軸方向の両側からステータコアに装着される一対のインシュレータと、ステータコアに装着された一対のインシュレータに巻回されたコイルとを備えている。
図6に示すように、一対のインシュレータの内、一方のインシュレータ115は、筒部121と、ステータコアに対応する壁部122と、壁部122から立設される立ち上り片部123と、壁部122の裏面外周側に垂下される垂下片124(図7参照)とを備えている。立ち上り片部123は、切欠き部129に位置し、外径方向へ突出する突出部125が設けられている。この突出部125は、その上面に、断面略Cの字状の包囲カバー突片127が設けられている。また、図7に示すように、上記突出部125には貫通孔126が設けられる。端子ピン128は、この貫通孔126に挿通され、インシュレータに保持されて一体化されている。
特許文献1記載のファンモータにおいて、一対のインシュレータをステータコアに装着すると、一方のインシュレータ115の突出部125から端子ピン128の一端部が軸方向下方に突出し、端子ピン128の他端部は他方のインシュレータの切欠き部を介して軸方向上方に突出する。そして、端子ピン128の他端部は上述したコイル端末が絡げられて電気的に接続される。端子ピン128の一端部は回路基板の孔部に挿入して電気的に接続される。
特開平6−253482号公報(特許第3459083号公報)
上述したように、特許文献1に記載されたファンモータにおいて、インシュレータは、立ち上り片部123に外径方向へ突出して設けられる突出部125に設けられる貫通孔126に端子ピンを圧入し、当該インシュレータ115に保持する構造となっている。この構造によれば、端子ピン128を貫通孔126に圧入する際、端子ピン128はインシュレータを削りながら挿通される。
このため、端子ピン128とインシュレータとの接触状態にバラツキが生じ易く、保持力もバラツキが生じる。その結果、端子ピン128の一端部を回路基板の孔部に挿入してハンダで電気的に接続する際、インシュレータの樹脂が軟化し、場合によっては端子ピン128がインシュレータから脱落する虞があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、インシュレータに保持した端子ピンの一方端を回路基板の孔部に挿入してハンダで電気的に接続する際にも端子ピンがインシュレータから脱落することを防止できるブラシレスモータのステータ構造を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明は、複数の突極を備えたコアを所定枚数、積層してなるステータコアと、前記ステータコアの一面側から軸方向に装着される第1のインシュレータと、前記ステータコアの他の面側から軸方向に装着される第2のインシュレータと、前記第1及び第2のインシュレータに装着され、一端部が、前記第1及び第2のインシュレータの上から巻回されるコイルの末端部に接続される端子ピンとを有するブラシレスモータのステータ構造において、前記第1のインシュレータに設けられ、前記ステータコアのそれぞれの突極を覆う突極装着部のうちの隣接する突極装着部間に設けられる第1の端子装着部と、前記第2のインシュレータに設けられ、前記ステータコアのそれぞれの突極を覆う突極装着部のうちの隣接する突極装着部間に設けられる第2の端子装着部とを具備し、前記第1の端子装着部と前記第2の端子装着部は、前記端子ピンを前記第1及び第2のインシュレータの半径方向から嵌め込んで嵌着させる一対の爪部と、前記一対の爪部に形成され、前記一対の爪部に嵌着された前記端子ピンが前記半径方向に抜けるのを止める抜け止め用突起部とをそれぞれ有することを特徴とする。
本発明によれば、インシュレータに保持した端子ピンの一方端を回路基板の孔部に挿入してハンダで電気的に接続する際にも端子ピンがインシュレータから脱落することを防止できるブラシレスモータのステータ構造を提供可能となる。
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータのステータ構造の断面図である。 図1に示すステータ構造の平面図である。 図1に示すステータ構造の底面図である。 図1に示す端子ピン装着部の詳細構成を示す要部拡大図である。 図1に示す端子ピンの構成を示す斜視図である。 従来のモータにおけるインシュレータの構造を示す平面図である。 図6に示すインシュレータのA−O−B線による断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(一実施形態の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るブラシレスモータのステータ構造1を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のブラシレスモータのステータ構造1は、ステータコア2と、このステータコア2に装着した絶縁材からなるインシュレータ5と、インシュレータ5の上から巻回されたコイル19とを備えている。ステータコア2は、軟磁性材料(例えば、ケイ素鋼板、電磁鋼板)からなるコアを所定枚数、積層したものである。
インシュレータ5は、ステータコア2の一面側から軸方向(ステータコア2の中心軸方向)に装着される第1のインシュレータ6と、ステータコア2の他の面側から上記軸方向に装着される第2のインシュレータ7とから構成されている。図1においては、第1のインシュレータ6はステータコア2の上面側に装着され、第2のインシュレータ6はステータコア2の下面側に装着されている。上記コイル19は、第1のインシュレータ6、第2のインシュレータ7の上からステータコア2の後述する突極3に対して巻回されている。
図2は、図1に示すステータ構造1の平面図であり、第1のインシュレータ6の外観構成を示した図である。図2においては、第1のインシュレータ6の環状部60の中心点Oを基準とし、該中心点Oから環状部60の半径方向(矢印A方向)に沿って外側に向く方向を径外方(矢印A1方向)とし、上記半径方向に沿って環状部60の中心点O側に向く方向を径内方(矢印A2方向)とするものとする。なお、図2では、便宜上、図1に開示したコイル19の図示を省略している。
図2に示すように、第1のインシュレータ6は、環状部60から該環状部60の径外方に放射状に延びる複数個、本実施形態では、例えば、9個の突極装着部9を備えている。この突極装着部9は、当該第1のインシュレータ6の裏面側(紙面の裏側)に当接されているステータコア2の上記一面側のうちの突極3を覆う部材、すなわち、ステータコア2の突極3に外側から装着される部材である。この突極装着部9の先端部は、上記ステータコア2の突極3の上部に設けられる極歯部4に対応する平面形状を有している。
図3は、図1に示すステータ構造1の底面図であり、第2のインシュレータ7の外観構成を示した図である。図3において、図2と同様、第2のインシュレータ7の環状部70の中心点Oを基準とし、該中心点Oから環状部70の半径方向(矢印A方向)に沿って外側に向く方向を径外方(矢印A1方向)とし、上記半径方向に沿って環状部60の中心点O側に向く方向を径内方(矢印A2方向)とするものとする。図2においても、便宜上、図1に開示したコイル19の図示を省略している。
図3に示すように、第2のインシュレータ7は、環状部70から当該環状部70の径外方に放射状に延びる複数個、本実施形態では、例えば、9個の突極装着部14を備えている。この突極装着部14は、当該第2のインシュレータ7の裏面側(紙面の裏側)に当接されているステータコア2の上記他の面側のうちの突極3を覆う部材、すなわち、ステータコア2の突極3に外側から装着される部材である。この突極装着部14の先端部も、上記ステータコア2の突極3の上部に設けられる極歯部4に対応する平面形状を有している。
図2、図3に示すように、ステータコア2(図1参照)に対して軸方向に一面側から装着する第1のインシュレータ6、及び他の面側から装着する第2のインシュレータ7は、その平面形状が、ステータコア2の第1のインシュレータ6が装着される側の面、あるいは第2のインシュレータ7が装着される側の面の平面形状にそれぞれ対応した形状を有する。
また、ステータコア2は、環状部(一端面と他の端面から上記環状部60、70によりそれぞれ覆われる)から径外方に向かって放射状に9個の突極3を有し、それぞれの突極3の先端には周方向に広がった極歯部4が形成される構造となっている。
図2に示すように、ステータコア2の突極3と極歯部4は、それぞれ、第1のインシュレータ6の突極装着部9の裏側に存在する(点線の引き出し線参照)。同様に、図3に示すように、ステータコア2の突極3と極歯部4(但し、第1のインシュレータ6の突極装着部9の装着面とは反対側の面)とが、それぞれ、第2のインシュレータ7の突極装着部14の裏側位置に存在する(点線の引き出し線参照)。
ステータコア2の9個の突極3のそれぞれには、該突極3の一面側に装着される第1のインシュレータ6、他の面側に装着される第2のインシュレータ7の上から上述したコイル19(図示省略)が巻回されている。特に、本実施形態のステータ構造1は、120度間隔で(2つおきに)同相のコイル19を設けた3相9スロット(コイルの数)のブラシレスモータに適用されている。
ここで第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7は、上記各スロットに対応する9個のコイル19とこれら各コイル19が巻回される各突極3との間をそれぞれ電気的に絶縁するものである。そして、第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7は、上記各コイル19に対応して端子ピン8の装着を受け入れる機構を有する。例えば、図1において、第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7は、ステータコア2に対して上面側と底面側とからそれぞれ装着され、この装着状態で、軸方向と平行に、第1のインシュレータ6の環状部60、第2のインシュレータ7の環状部70の径内方(矢印A2方向)に向けて移動してくる端子ピン8の装着をそれぞれ受け入れている。
なお、端子ピン8は、図5に示すように、例えば、長尺の角ピンで構成されている。この端子ピン8は、図1に示すように第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7とに装着された状態で、その一方の端部が、ステータコア2の突極3に突極装着部9、14の上から巻回された上記コイル19のコイル端末(コイルの末端)に絡げられて電気的に接続される。また、端子ピン8の他方の端部は、図示しない回路基板の貫通孔に挿通されて電気的に接続される。
次に、本実施形態に係るステータ構造1における端子ピン8の装着構造について説明する。図2に示す第1のインシュレータ6において、ステータコア2の突極3が装着される突極装着部9のうち、隣接する突極装着部9の間には、端子ピン8を装着する端子ピン装着部(特許請求の範囲における第1の端子装着部に相当する)10がそれぞれ設けられる。同様に、図3に示す第2のインシュレータ7において、ステータコア2の突極3が装着される突極装着部14のうち、隣接する突極装着部14の間には、端子ピン8を装着する端子ピン装着部(特許請求の範囲における第2の端子装着部に相当する)15がそれぞれ設けられる。また、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15とは、ステータコア2を挟んで互いに対向する位置に設けられている。
図4は、本実施形態に係る端子ピン装着部の詳細構成を示す要部拡大図である。具体的には、図2の平面図における第1のインシュレータ6の符号Cが付された円内の拡大図を示している。図4に示すように、第1のインシュレータ6は、隣接する突極装着部9間に端子ピン装着部10が設けられる。この端子ピン装着部10は、矩形の断面形状を有する(図5参照)端子ピン8を、ステータコア2の環状部、すなわち第1のインシュレータ6の環状部60、第2のインシュレータ7の環状部70の径内方(矢印A2方向)への端子ピン8の移動に合わせてその装着を受け入れるものである。
ここで、第1のインシュレータ6の突極装着部9は、その先端部に端子ピン8の装着方向(矢印A2方向)と直交する方向の幅より広い開口部を有する一対の爪部11,11と、上記開口部から奥側(端子ピン8の装着方向)に向かって次第に開口幅が小さくなるように上記爪部11,11に内設された返し(抜け止め用突起部)12,12とを形成して構成される。そして、上記一対の爪部11,11は、上記返し12,12の更に奥側に、該返し12,12により径外方(矢印A1方向)へ抜けることなくその内部に端子ピン8を収容する収容部が設けられている。
なお、図4において、第1のインシュレータ6の突極装着部9は、ステータコア2を挟んで第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15と互いに対向する位置に設けられ、突極装着部14と同一の形状を有している。すなわち、図4において、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10には、その裏面側に、ステータコア2を介して、第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15(端子ピン装着部10に関連付けて括弧書きの符号で示す)が対向して配置されている。
第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15もまた、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と同様、その先端部に端子ピン8の装着方向(矢印A2方向)と直交する方向の幅より広い開口部を有する一対の爪部16,16と、上記開口部から奥側(端子ピン8の装着方向)に向かって次第に開口幅が小さくなるように上記爪部16,16に内設された返し(抜け止め用突起部)17,17とを形成して構成される。そして、上記一対の爪部16,16は、上記返し17,17の更に奥側に、該返し17,17により径外方(矢印A1方向)へ抜けることなくその内部に端子ピン8を収容する収容部が設けられている。
図4に示した端子ピン装着部10、15の構成によれば、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と、第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15とは、ステータコア2の隣接する突極3の間に互いに対応して配置されることとなる。これにより、本実施形態では、端子ピン装着部10、15に対する端子ピン8の装着作業は、図2、図3に示すように、第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7が各面側から装着されたステータコア2の隣接する突極3の間において、端子ピン8を該ステータコア2の径内方(第1のインシュレータ6と第2のインシュレータ7の径内方)に向けて矢印A2方向に移動させることにより実施される。
図5は、端子ピン8の一構成例を示す斜視図である。図5に示すように、端子ピン8は角ピンで形成されており、断面形状は矩形形状となっている(図4参照)。端子ピン8の両端部から所定距離内側の位置には、それぞれ角ピンの一部を潰して形成された突起部18が設けられる。この突起部18は、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と、第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15のそれぞれに対応する位置(端子ピン装着部10の軸方向の外側位置、端子ピン装着部15の軸方向の外側位置)に設けられている。
次に、上記突起部18を有する端子ピン8を、ステータコア2の隣接する突極3間で、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15に装着するための作業について、図4を参照して詳細に説明する。なお、図4において、端子ピン8は本体部の断面構造が矩形で、装着方向(矢印A2方向)と直交する方向に上記突起部18が突出した材として示されている。
この端子ピン8の装着作業に際しては、まず、ステータコア2の隣接する突極3の間、すなわち、図4においては、第1のインシュレータ6の隣接する突極装着部9の間、並びに第2のインシュレータ7の隣接する突極装着部14の間に、端子ピン8をその長手方向がステータコア2の軸方向(第1のインシュレータ6、並びに第2のインシュレータ7の軸方向)に平行となるように保持する。
この状態から、端子ピン8を、ステータコア2の環状部(すなわち、第1のインシュレータ6の環状部60、並びに第2のインシュレータ7の環状部70)の径内方に向けて矢印A2方向に移動させていく。
端子ピン8は、上記移動の過程で、その移動方向先端部分(以下、単に先端部という)が端子ピン装着部10の一対の爪部11,11の開口部、並びに端子ピン装着部15の一対の爪部16,16の開口部に当接する。ここで、端子ピン装着部10の一対の爪部11,11の開口部、並びに端子ピン装着部15の一対の爪部16,16の開口部は、端子ピン8の矢印A2方向への移動に追従して端子ピン8の先端部の幅方向に押し広げられる。該端子ピン8は、更に上記矢印A2方向に移動させることにより、上記爪部11、11間、並びに爪部16、16間に嵌着される。
上記嵌着によって、端子ピン8が上記爪部11,11間、並びに爪部16,16間の収容部にそれぞれ収容されると、上記爪部11,11、並びに爪部16,16は、押し広げられていた状態から元の開口状態に復帰する。この時、上記爪部11,11に設けた返し12,12、並びに上記爪部16,16に設けられた返し17,17は、上記各収容部に収容された端子ピン8が第1のインシュレータ6の環状部60、並びに第2のインシュレータ7の環状部70の径外方(矢印A1方向)に移動できないように当該端子ピンの後端部に当接される。これにより、端子ピン装着部10、並びに端子ピン装着部15は、端子ピン8が、上記爪部11,11間、並びに爪部16,16間から上記径外方(矢印A1方向)に抜け落ちることを止めることができる。
ここで、上述した端子ピン8の装着状態を断面図で検証してみる。図1には、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10の爪部11,11間、並びに第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15の爪部16,16間に、端子ピン8が、第1のインシュレータ6の環状部60、並びに第2のインシュレータ7の環状部70の径外方(矢印A2方向)から嵌着されている状態が示されている。
この嵌着状態において、端子ピン8の両端近傍に設けられる突起部18(図5参照)は、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15のそれぞれの軸方向外側に位置することとなる(図1参照)。このように、端子ピン8の突起部18が第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15のそれぞれ軸方向外側に位置しているので、該突起部18は、軸方向での端子ピン8の抜け止めとして作用する。
また、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10の爪部11,11と第2のインシュレータの端子ピン装着部15の爪部16,16には、それぞれ返し12,12と17,17とが形成されている。前述したように、この返し12,12と17,17は、上記爪部11,11間、並びに上記爪部16,16間にそれぞれ嵌着された端子ピン8の上記径外方(矢印A1方向)への抜け止めとして作用する。このように、本実施形態に係るステータ構造1は、端子ピン8に対する軸方向での抜け止め機能と、上記径外方への端子ピン8の抜け止め機能を備えている。これにより端子ピン8は端子ピン装着部10、15から脱落することなく、コイル19のコイル末端を端子ピン8の一方端に絡げることができる。
(一実施形態の効果)
上述したように、本実施形態のステータ構造1は、第1のインシュレータ6に設けられ、ステータコア2の一面側のそれぞれの突極3を覆う突極装着部9のうちの隣接する突極装着部9間に設けられる端子ピン装着部10と、第2のインシュレータ7に設けられ、ステータコア2の他の面側のそれぞれの突極3を覆う突極装着部14のうちの隣接する突極装着部14間に設けられる端子ピン装着部15とを具備し、端子ピン装着部10と端子ピン装着部15は、端子ピン8を第1及び第2のインシュレータ6、7の半径方向(径外方)から嵌め込んで嵌着させる一対の爪部(11,11)、(16,16)と、上記一対の爪部(11,11)、(16,16)に形成され、一対の爪部(11,11)、(16,16)に嵌着された端子ピン8が上記半径方向(径外方)に抜けるのを止める抜け止め用突起部としての返し(12,12)、(17,17)をそれぞれ有することを特徴とする。
このように、第1のインシュレータ6の端子ピン装着部10と第2のインシュレータ7の端子ピン装着部15に、端子ピン8を、当該インシュレータ6、7の径外方から嵌め込んで嵌着させる本実施形態のステータ構造1によれば、端子ピン8とインシュレータ6、7との接触状態にバラツキが生じ難く、端子ピン8の保持力もバラツキが生じ難い。この結果、端子ピン8の一端部を回路基板の孔部に挿入し、ハンダで電気的に接続する際にも端子ピン8がインシュレータ6、7から脱落する虞がない。
また、本実施形態によれば、端子ピン8は、端子ピン装着部10と端子ピン装着部15間の軸方向の長さの外側位置にそれぞれ突起部18、18を形成した構造を有する。かかる構造によれば、突起部18、18が端子ピン8の軸方向への移動を規制する。これにより、端子ピン8の軸方向への抜け止めを図ることもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、本実施形態では、端子ピン8の径外方への抜け止めとして、図4に示すように、端子ピン装着部10、15の一対の爪部11,11、16,16に、互いに対向するように内側に向って返し12,12、17,17を形成し、この返し12,12、17,17が端子ピン8の角ピン部を止めることによって、端子ピン8の半径方向の抜け止めとして作用する例を挙げている。そこで、本実施形態の変形例としては、上記返し12,12、17,17に代えて、一対の爪部12,12、17,17にその軸方向に沿って返しを形成し、この軸方向に形成した返しが端子ピン8の突起部18を止めるようにすることによって、端子ピン8の半径方向の抜け止めとして作用させるような構成としても良い。
1 ステータ構造
2 ステータコア
3 突極
4 極歯部
5 インシュレータ
6 第1のインシュレータ
60 第1のインシュレータ6の環状部
7 第2のインシュレータ
70 第2のインシュレータ7の環状部
8 端子ピン
18 突起部
9、14 突極装着部
10、15 端子ピン装着部
11、16 爪部
12、17 返し
19 コイル

Claims (1)

  1. 複数の突極を備えたコアを所定枚数、積層してなるステータコアと、
    前記ステータコアの一面側から軸方向に装着される第1のインシュレータと、
    前記ステータコアの他の面側から軸方向に装着される第2のインシュレータと、
    前記第1及び第2のインシュレータに装着され、一端部が、前記第1及び第2のインシュレータの上から巻回されるコイルの末端部に接続される端子ピンと
    を有するブラシレスモータのステータ構造において、
    前記第1のインシュレータに設けられ、前記ステータコアのそれぞれの突極を覆う突極装着部のうちの隣接する突極装着部間に設けられる第1の端子装着部と、
    前記第2のインシュレータに設けられ、前記ステータコアのそれぞれの突極を覆う突極装着部のうちの隣接する突極装着部間に設けられる第2の端子装着部と
    を具備し、
    前記第1の端子装着部と前記第2の端子装着部は、
    前記端子ピンを前記第1及び第2のインシュレータの半径方向から嵌め込んで嵌着させる一対の爪部と、
    前記一対の爪部に形成され、前記一対の爪部に嵌着された前記端子ピンが前記半径方向に抜けるのを止める抜け止め用突起部と
    をそれぞれ有することを特徴とするブラシレスモータのステータ構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10523078B2 (en) 2016-10-31 2019-12-31 Nidec Corporation Motor and method of manufacturing motor
CN114696543A (zh) * 2022-04-25 2022-07-01 东莞市锦润电机科技有限公司 一种无刷电机的隔断方法

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