JP5154777B2 - 研磨ブラシ、研磨方法、研磨装置及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、並びに磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

研磨ブラシ、研磨方法、研磨装置及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、並びに磁気ディスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨ブラシ、研磨部材、それを用いた研磨方法及び研磨装置に関し、特に小径磁気ディスク用ガラス基板の内周側端面の研磨に好適に使用できる研磨ブラシ、研磨部材、研磨方法及び研磨装置、並びに磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクの製造方法に関する。
今日、情報記録技術、特に磁気記録技術は、急速なIT産業の発達に伴い飛躍的な技術革新が要請されている。ハードディスクドライブ(HDD)等の情報記録装置に搭載される磁気ディスクでは、高容量化の要請により40Gbit/inch〜100Gbit/inch以上の情報記録密度を実現できる技術が求められている。
ところで、磁気ディスク等の磁気記録媒体用基板としては、従来はアルミニウム系合金基板が広く用いられていたが、最近では、高記録密度化に適した磁気ディスク用基板として、ガラス基板が注目されている。ガラス基板は、アルミニウム系合金基板に比べて剛性が高いので、磁気ディスク装置の高速回転化に適し、また、平滑な表面が得られるので、磁気ヘッドの浮上量を低下させることが容易となり、記録信号のS/N比を向上させることが出来るので好適である。
また、磁気ディスクの高記録密度化のためには、ガラス基板の加工精度にも高度なものが要求されており、それはガラス基板の主表面のみならず、端面形状においても同様である。
このようなガラス基板の端面研磨方法として、下記特許文献1には、中心部に円孔を有する円板状のガラス基板を遊離砥粒を含有した研磨液に浸漬し、このガラス基板の内周端面を上記研磨液を用いて研磨ブラシ又は研磨パッドと回転接触させて研磨する研磨方法が開示されている。
図10は、このような従来の研磨方法を説明するための研磨装置の一例の断面図である。図10において、60は研磨対象である磁気ディスク用ガラス基板、61は多数枚の上記ガラス基板60を研磨液中に浸漬させつつ収納する基板ケース、65は基板ケース61を回動自在に固定保持する回転保持台、62は多数枚積層された上記ガラス基板60の内周側円孔に挿入された研磨ブラシ、68は研磨液69を収容する研磨液収容部である。上記基板ケース61はその下方の適当な部位に、ケース内外部の研磨液が流通できるように研磨液流通孔70が設けてある。上記回転保持台65は、回転軸66に結合され、その回転軸66を正逆双方向に回転駆動する回転駆動装置67によって回転できるように構成されている。また、上記研磨ブラシ62は、回転駆動装置64の回転軸に接続されており、正逆双方向に回転可能に構成されている。さらに、当該研磨ブラシ62は、カム機構(図示せず)によって、上記ガラス基板60の内周側端面へのブラシ毛63の押し付けと同時にブラシの回転軸方向に沿って往復揺動できるように構成されている。従来は、このような研磨装置を用いて、上記回転保持台65と研磨ブラシ62とを例えば互いに逆方向に回転させた状態で研磨を行っていた。
特開平11−221742号公報
情報化社会の進展とともに、磁気ディスクの高記録密度化と低価格化の要求は日増しに高まってきている。磁気ディスクの端面形状においても、更なる平滑化、加工精度の向上及び加工時間の短縮や、副資材の寿命向上が求められてきている。
また、上述のハードディスクドライブは、従来のパーソナルコンピュータなどに搭載されるものだけでなく、近年は、携帯電話、携帯情報端末(PDAなど)、カーナビゲーションシステムなどに使用される、いわゆるモバイル用途が急速に広がっている。このようなモバイル用途を考えた場合、磁気ディスクの耐衝撃性だけでなく、ハードディスクドライブを搭載できる空間が極めて限定されることから、ハードディスクドライブ自体の小型化が要求されており、そのためハードディスクドライブに搭載される磁気ディスクについても小型化を要求されている。そこで、これらモバイル用途に好適な磁気ディスクとして、従来の磁気ディスクとしては比較的小型とされていた、いわゆる2.5インチディスクよりもさらに小径の磁気ディスク、例えば、外径が48mm、内径が12mmの1.8インチディスク、外径が27.4mm、内径が7mmの1インチディスク、外径が22mm、内径が6mmの0.85インチディスク等が提案されている。
そして、このような磁気ディスクの小径化に伴って、ディスク基板の板厚も薄型化されることになる。例えば、従来は0.635mmであったディスク基板の板厚は、磁気ディスクの小径化を図った場合、0.581mm、0.381mm、もしくはそれ以下とすることが求められている。
このように小径化、薄膜化された磁気ディスク用ガラス基板に対しても、内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げるとともに、その表面を平滑な鏡面状態に仕上げる必要がある。しかも基板間のばらつきをなくして、高品質に仕上げられた磁気ディスク用ガラス基板を低コストで安定して大量に提供することが要求される。
ところが、上記特許文献1に開示されているような従来の研磨方法を用いて多数枚の磁気ディスク用ガラス基板を製造した場合、ガラス基板間の内周側端面形状、寸法精度のばらつきがあり、また内周側端面の表面を高平滑に仕上げられない等の問題があり、再加工可能な基板は再加工するが、その他の不良品は廃棄処分せざるを得なく、いずれにしてもコスト高になってしまう問題がある。
そこで、本発明は、小径化が急務となっている磁気ディスクの高記録密度化と低価格化の要請に応える観点から、特に磁気ディスク用ガラス基板の内周側端面の表面状態を低コストで効率良く高品質に仕上げる研磨ブラシ、研磨部材、研磨方法及び研磨装置を提供することを第1の目的とする。また、この研磨方法を適用した研磨工程を有することにより、基板の内周側端面の表面状態が起因する障害の発生を防止し、高記録密度化を実現できる磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクの製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明者の検討によると、従来の研磨方法を用いてガラス基板の内周側端面加工を行った場合に、ガラス基板の内周側端面のうち、その主表面と直交する側壁面と、この側壁面と表裏の主表面との間にそれぞれ形成されている2つの面取面(中間面)の何れもが、或いは何れかが良好な形状に仕上がらず、しかもその端面を高平滑に仕上げることが困難であることが分かった。特に、ガラス基板の内径が小径になると、このような不具合が顕著になることも分かった。また、ガラス基板を多数枚重ねた状態で同時に研磨加工を行うと、基板間での内周側端面の表面状態のばらつきが大きいことも分かった。
また、前述の図10に示すような従来の研磨方法に用いられている研磨ブラシは、複数の毛材を並列させた状態で中央部分を折りたたみ、この折りたたみ部分を長尺状の金属部材に挟持したチャンネルブラシと呼ばれているブラシ毛を丸棒(細円柱)状の軸心に巻き付けて溶接した構造のものであるが、上記軸心には、チャンネルブラシの巻きつけが可能である程度の剛性が必要であるため、軸心をあまり細くすることができない。そのため、ガラス基板の内径が小径になると、ブラシ毛の長さを短くせざるを得なく、ブラシ毛の弾性力が不十分となり、端面を高平滑に仕上げることが困難になる。とくにガラス基板の内径が6〜7mm程度になると、この研磨ブラシでは対応できない。また、従来の研磨ブラシは、軸方向の外径が一様のものであるため、研磨ブラシの外径寸法をガラス基板の内径よりも大きくすると内径に対して研磨ブラシの占有体積が大きくなることから、ガラス基板に対して研磨ブラシを揺動させながら研磨加工を行っても、端面部分へ研磨剤が安定して供給され難くなり、加工品質のばらつきが発生しやすくなる。
そこで、本発明者は、このような一連の知見に基づき、鋭意検討の結果、本発明を完成するに到ったものである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成としている。
(構成1)中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給しつつ、前記ガラス基板の内周側端面に研磨ブラシを接触回転させて研磨する研磨方法に用いる研磨ブラシであって、前記研磨ブラシは、その軸心に対して毛材が略直交する方向に突設されてなり、2つの外径の異なる部分が配列されるとともに、その小径となされた部分が大径となされた部分よりも毛材の硬度を大きくしたことを特徴とする研磨ブラシである。
(構成2)前記研磨ブラシにおける小径となされた部分の毛材を樹脂で固めたことを特徴とする構成1に記載の研磨ブラシである。
(構成3)中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面を研磨する研磨方法であって、前記ガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給しつつ、構成1又は2に記載の研磨ブラシを用いて、この研磨ブラシを前記円孔内に略垂直に挿入し、この円孔の端面に対して前記研磨ブラシを相対的に移動させ且つ接触回転させることによって前記ガラス基板の内周側端面を研磨することを特徴とする研磨方法である。
(構成4)複数枚のガラス基板の内周側端面が同時に研磨されるようにガラス基板を複数枚重ねて研磨を行うことを特徴とする構成3に記載の研磨方法である。
(構成5)前記ガラス基板は、中心部の円孔の内径が12mm以下とされるガラス基板であることを特徴とする構成3又は4に記載の研磨方法である。
(構成6)中心部に円孔を有する円板状のガラス基板を複数枚重ねて収納する基板カセットを保持する基板カセット保持手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給する研磨液供給手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面に接触回転可能に保持された構成1又は2に記載の研磨ブラシと、該研磨ブラシを回転駆動する第1の駆動手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面に対して前記研磨ブラシを相対的に移動させる第2の駆動手段とを備えたことを特徴とする研磨装置である。
(構成7)中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面を構成3乃至5の何れか一に記載の研磨方法により研磨する工程を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成8)構成7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法である。
(構成9)ガラス基板の側壁面と、該ガラス基板の主表面と側壁面との間に存在する中間面との両方の面を研磨する端面研磨工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記側壁面を主として研磨する側壁面用研磨部と、前記中間面を主として研磨する中間面用研磨部とを有する研磨部材を用い、研磨砥粒を含む研磨液を前記側壁面および前記中間面に供給して前記端面研磨工程を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成10)前記研磨部材は、回転軸を有するとともに、前記側壁面用研磨部を前記ガラス基板の側壁面と接触させながら、および/または、前記中間面用研磨部を前記ガラス基板の中間面に接触させながら、回転することで研磨するものであることを特徴とする構成9に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成11)前記回転軸から前記側壁面用研磨部までの前記回転軸に対して直交する方向における長さが、前記回転軸から前記中間面用研磨部までの前記回転軸に対して直交する方向における長さよりも短くなっていることを特徴とする構成10に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成12)前記研磨部材は、回転軸を有するとともに、該回転軸を通る平面における前記研磨部材の断面形状が、積層されたガラス基板の端部形状と合致する形状であることを特徴とする構成9乃至11の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成13)複数枚のガラス基板の内周側端面が同時に研磨されるようにガラス基板を複数枚重ねて端面研磨を行うことを特徴とする構成9乃至12の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成14)前記側壁面用研磨部と前記中間面用研磨部とが、軸方向に向かって交互に配置されていることを特徴とする構成9乃至13の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成15)前記中間面用研磨部は、研磨ブラシであることを特徴とする構成9乃至14の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成16)前記側壁面用研磨部は、研磨パッドであることを特徴とする構成9乃至15の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成17)前記側壁面用研磨部は、研磨ブラシの毛を樹脂で固めたものであることを特徴とする構成9乃至16の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成18)前記研磨部材は回転軸を有し、該研磨部材を回転させる、および/または、前記回転軸方向に移動させることで、研磨を行うことを特徴とする構成9乃至17の何れか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。
(構成19)ガラス基板の側壁面と、該ガラス基板の主表面と側壁面との間に存在する中間面との両方の面を研磨する端面研磨工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において使用される研磨部材であって、前記側壁面を主として研磨する側壁面用研磨部と、前記中間面を主として研磨する中間面用研磨部とを有することを特徴とする研磨部材である。
(構成20)ガラス基板を保持する基板保持手段と、ガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給する研磨液供給手段と、回転軸を有するとともに、ガラス基板の側壁面を主として研磨する側壁面用研磨部と、該ガラス基板の主表面と側壁面との間に存在する中間面を主として研磨する中間面用研磨部とを有する研磨部材と、該研磨部材をガラス基板の内周側端面に接触させながら、回転させる、および/または、前記回転軸方向に移動させる駆動手段とを備えたことを特徴とする研磨装置である。
(構成21)前記研磨部材は、前記側壁面用研磨部を前記ガラス基板の側壁面と接触させながら、および/または、前記中間面用研磨部を前記ガラス基板の中間面に接触させながら、回転することを特徴とする構成20に記載の研磨装置である。
本発明に係る研磨ブラシ(研磨部材)、この研磨ブラシ(研磨部材)を用いた研磨方法及び研磨装置によれば、内径を例えば12mm以下とされる小径基板に対しても、内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げるとともに、その端面を超平滑な鏡面状態に仕上げることができる。そして、多数枚のガラス基板を重ね合わせて同時に内周側端面の研磨加工を行った場合にも、基板間の仕上がりのばらつきをなくして、高品質に仕上げられた磁気ディスク用ガラス基板を低コストで安定して大量に提供することが可能になる。
また、この研磨方法を適用した研磨工程を有する磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクの製造方法によれば、内径を例えば12mm以下とされる小径基板に対しても、基板の内周側端面を高品質に仕上げることができ、内周側端面の表面状態が起因する障害の発生を防止し、高記録密度化を実現できる磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は、本発明が適用される磁気ディスク用ガラス基板1の全体斜視図である。該ガラス基板1は、中心部に円孔を有する全体がディスク(円板)状に形成され、その表裏の主表面11,11と、これら主表面11,11間に形成される内周側の端面12と、外周側の端面13とを有する。
図2は、上記磁気ディスク用ガラス基板1の内周側端面12の形状を示す断面図である。図2に示すように、ガラス基板1の内周側の端面12は、その主表面11と直交する側壁面12aと、この側壁面12aと表裏の主表面11,11との間にそれぞれ形成されている2つの面取面(面取りした面)12b、12bとからなる形状に形成されている。なお、上記側壁面12aと表裏の主表面11,11との間に存在する面を面取りしていない場合もある。本発明では、上記側壁面12aと表裏の主表面11,11との間に存在する面を「中間面」と呼び、図2に示すような面取面とした場合を含むものとする。
そして小径磁気ディスク、例えば、1.8インチディスクの場合は、ガラス基板1の外径が48mm、内径が12mm、1インチディスクの場合は、外径が27.4mm、内径が7mm、0.85インチディスクの場合は、外径が22mm、内径が6mmに仕上げられる。ここで、内径とは、ガラス基板1の中心部の円孔の内径のことである。
また、このような磁気ディスクの小径化に伴って、ディスク基板の板厚も薄型化され、例えば、従来の2.5インチディスクの場合は0.635mmであったディスク基板の板厚は、磁気ディスクの小径化を図った場合、0.581mm、0.381mm、もしくはそれ以下とされる。
また、磁気ディスク用ガラス基板1の主表面11、内周側端面12、外周側端面13は、それぞれ所定の表面粗さとなるように研磨(鏡面研磨)仕上げされる。このうち、内周側端面12は、上述のような端面形状に仕上げられ、なお且つ、表面粗さが例えばRaで0.10nm以下の超平滑な鏡面状態に仕上げられることが求められる。
図3は、本発明に係る研磨ブラシの一実施の形態の構成を示す断面図である。
本発明に係る研磨ブラシは、中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給しつつ、前記ガラス基板の内周側端面に研磨ブラシを接触回転させて研磨する研磨方法に用いる磁気ディスク用ガラス基板を研磨するための研磨ブラシである。そして、本発明の一実施の形態に係る研磨ブラシ20は、図3に示すように、その軸心21に対して毛材22が略直交する方向に突設されてなり、2つの外径の異なる部分(D1,D2)が軸方向にわたって交互に配列されるとともに、その小径(D2)となされた部分が大径(D1)となされた部分よりも毛材の硬度を大きくしたことを特徴としている。このような研磨ブラシを用いてガラス基板の内周側端面の研磨を行うことにより、内径を例えば12mm以下とされる小径基板に対しても、内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げるとともに、表面粗さが例えばRaで0.10nm以下の超平滑な鏡面状態に仕上げることが可能になる。
上記研磨ブラシ20の軸心21は、例えば線径が数mm程度のステンレス製等のワイヤからなる複数の芯線を縒り合わせて互いに巻きつけた構造のものが好適である。このような軸心の構造とすれば、軸心をできるだけ細くすることができ、内径が6〜7mmといったディスク基板に対しても対応することが可能であり、しかも研磨ブラシの最低限の剛性を確保することができるからである。本発明に係る研磨ブラシは、複数本の芯線の間に毛材を挟み込んだ状態で、これら芯線を捻ることによって製造することができる。この場合、外径の異なる部分を作製するため、毛の長さの異なる毛材を使用してもよいし、同じ長さの毛材を使用して、ブラシの状態に作製してから、毛材を適宜切断して外径を調整するようにしてもよい。
毛材22の材質は、通常はナイロン繊維が好適に使用されるが、ナイロン繊維の代わりにポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、豚毛、ピアノ線、ステンレス製繊維などを使用してもよい。弾力性、湿潤下の機械的強度の低下防止、耐久性の観点からは、上記ナイロン繊維が好ましい。このナイロン繊維の中でも、耐水性に優れた、例えば66ナイロン、610ナイロン等が好適である。また、毛材の線径は、0.05〜0.15mm程度の範囲のものが望ましい。さらに、ナイロン繊維に研磨剤が混入された研磨剤入りナイロン繊維を用いてもよい。
このように2つの外径の異なる部分が交互に配列された研磨ブラシにあっては、ガラス基板1の内周側端面12において、その側壁面12aと面取面12b、12bの何れに対しても良好な研磨を行うことができる。すなわち、大径となされた第1の外径D1部分が、主に上記面取面12b、12bに対して良好な形状に且つ超平滑な鏡面に仕上げる研磨作用を発揮し、小径となされた第2の外径D2部分が、主に側壁面12aに対して良好な形状に且つ超平滑な鏡面に仕上げる研磨作用(研磨パッドとしての機能)を発揮する。ここで、第1の外径と第2の外径の大きさは、ディスク基板のサイズによっても異なるので一概には言えないが、第1の外径D1は、ガラス基板1の内径(仕上がり寸法)、すなわちガラス基板1の中心部の円孔の内径よりも1〜5mm程度大きく、第2の外径D2は、ガラス基板1の内径と略同じ(外径D2はガラス基板の内径よりも(若干)大きい)であることが好適である。
換言すると、上記研磨ブラシの面取面(中間面)研磨用の部分の外径D1はガラス基板の主表面に近い内周側の面取面まで届くだけの長さを有しており、側壁面研磨用の部分の外径D2はガラス基板における側壁面を確実に研磨できるようにガラス基板の内径よりも大きくかつ外径D1よりも小さい径になっている。
本実施の形態では、2つの外径の異なる部分(D1,D2)が軸方向にわたって交互に配列されているが、第1の外径D1となされた部分の長さL1と、第2の外径となされた部分の長さL2は、ディスク基板のサイズによっても異なるので一概には言えないが、ガラス基板1の内径が例えば7mmとする場合は、L1,L2はそれぞれ3mm程度であることが好ましい。
以上のように本実施の形態の研磨ブラシは、ガラス基板1の内周側端面においてその側壁面を主として研磨する側壁面用研磨部(本実施の形態では、小径となされた第2の外径D2部分)と、ガラス基板1の主表面と側壁面との間に存在する中間面を主として研磨する中間面用研磨部(本実施の形態では、大径となされた第1の外径D1部分)との両方を有している研磨部材である。なお、上記側壁面用研磨部は、側壁面を研磨するためのものであり、主として側壁面を研磨するものであるが、側壁面以外にも中間面を研磨するようになっていてもよい。また、上記中間面用研磨部は、中間面を研磨するためのものであり、主として中間面を研磨するものであるが、中間面以外にも側壁面を研磨するようになっていてもよい。
この研磨ブラシ(研磨部材)を使用することで、ガラス基板の端面における側壁面と中間面の研磨を一度に行うことができるとともに、これら両方の面を精度良く研磨することができる。また、この研磨ブラシを用いることにより、従来の構成では困難であった小径磁気ディスク用のガラス基板の端面を良好に研磨することができる。前にも説明したように、ハードディスクドライブ(HDD)のモバイル用途(携帯用途)が急速に広がっており、HDDの小型化が要求されている。そのためにはHDDに搭載される磁気ディスクについても小型化が要求されており、モバイル用途に好適な磁気ディスクとして磁気ディスクの小径化が急務となっている。ところで、一般に、HDDのスピンドルモータの金属加工精度に比べて、ガラス基板の内径加工精度が悪いため、特にモバイル用途でHDDを使用した場合、動作中の衝撃で「芯ずれ」を起こしてしまい、書き込んだデータを読みに行くときに、ヘッドが別のトラックにずれてエラーが発生する可能性がある。従って、特にモバイル用途のHDDに使用される小径磁気ディスクにとっては、磁気ディスクの小径化に伴いその内径が小径となっても内径加工精度を向上させることが極めて重要な課題である。本発明の研磨ブラシ(研磨部材)を用いた研磨方法を使用することで、小径磁気ディスク用のガラス基板の内周端面を精度良く研磨することができ、ID公差を小さくすることができるので、ガラス基板をスピンドルモータに精度良くクランプできるため、上述のようなエラーの発生を低減させることができる。
また、本実施の形態の研磨ブラシにおいては、その小径(D2)となされた部分が大径(D1)となされた部分よりも毛材の硬度を大きくした。小径(D2)となされた部分の硬度が足りないと、主に側壁面12aに対する研磨作用(研磨パッドとしての機能)が良好に発揮されず、端面形状が悪化する場合が生じるからである。
このように研磨ブラシの小径(D2)となされた部分の硬度を大径(D1)となされた部分よりも大きくするためには、例えば、研磨ブラシにおける小径となされた部分の毛材を適当な樹脂をしみこませて固める方法が好ましく挙げられる。この場合の樹脂としては、耐水性と適当な硬度を有するゴム系接着剤が好ましく挙げられ、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。小径(D2)となされた部分の硬度は適宜適当な大きさとなるように調整されればよい。なお、本実施の形態の研磨ブラシにおいては、その小径(D2)となされた部分が大径(D1)となされた部分よりも毛材の硬度を大きくしているが、硬度が大きいということは、剛性が大きいこと、或いは、弾性率が大きいことでもあるので、本発明において「硬度を大きくした」とは、剛性が大きくなるようにしたこと、或いは、弾性率が大きくなるようにしたことをも意味するものとする。
なお、研磨ブラシの小径となされた部分と大径となされた部分との硬度(弾性率)を異ならせるため、毛材の硬さの異なるものを用いて研磨ブラシを構成してもよい。
また、図3に示す研磨ブラシの一実施の形態においては、2つの外径の異なる部分(D1,D2)が軸方向にわたって交互に配列されるように構成されているが、本発明はこのような実施形態には限られない。要は、2つの外径の異なる部分が配列されていればよく、例えば、軸方向の左半分に大径(D1)となされた部分を、右半分に小径(D2)となされた部分を、というようにそれぞれ領域を分けて配列した構造であっても良い。また、研磨ブラシの円周方向に外径の異なる部分を交互に或いは領域を分けて配列した構造(つまり、軸方向に対する断面で見たときに半径方向で径の異なる部分を有する構造)であっても良い。
また、図9は本発明の研磨ブラシの他の実施の形態を示す断面図である。図9に示す研磨ブラシ25は、側壁面用研磨部24(本実施の形態では、小径となされた外径D2部分)と中間面用研磨部23(本実施の形態では、大径となされた外径D1部分)との両方を有する研磨部材である点は、前述の図3に示すものと同様であるが、当該研磨ブラシの回転軸を通る平面における上記中間面用研磨部23の断面形状が「山型」形状となっている点が特徴である。このような研磨ブラシ25は、当該研磨ブラシの回転軸を通る平面における当該研磨ブラシの全体の断面形状(図9)が、積層された状態のガラス基板の端面形状と合致する形状であるため、研磨ブラシが積層されたガラス基板の端面に沿うように好ましく接触し(或いは押し当てられ)、良好な端面研磨が行われる。
また、本発明の研磨ブラシは、側壁面用研磨部と中間面用研磨部の両方を有して構成されているが、上記側壁面用研磨部が研磨パッドであり、上記中間面用研磨部が研磨ブラシであるような、毛材部分とパッド部分とを組み合わせて構成してもよい。この場合、パッド部分は、例えばガラス基板の主表面の鏡面研磨に使用される研磨パッドと同様な材質(例えば、スウェードパッド等の軟質パッド、発泡ウレタン樹脂等の硬質パッドなど)を用いることができる。
本発明にかかる研磨方法は、上述のように中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面を研磨する研磨方法であって、前記ガラス基板1の内周側端面12部分に研磨液を供給しつつ、上述の本発明に係る研磨ブラシを用いて、この研磨ブラシを前記円孔内に略垂直に挿入し、この円孔の端面に対して前記研磨ブラシを回転軸方向に相対的に移動させ且つ接触回転させることによって前記ガラス基板の内周側端面を研磨する研磨方法である。
本発明に係る研磨方法は、複数枚のガラス基板の内周側端面が同時に研磨されるようにガラス基板を複数枚重ねて研磨を行う場合に特に好適である。すなわち、内径を例えば12mm以下とされる小径基板に対しても、内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げるとともに、表面粗さが例えばRaで0.10nm以下の超平滑な鏡面状態に仕上げることができ、しかも基板間のばらつきをなくして、高品質に仕上げられた磁気ディスク用ガラス基板を低コストで安定して大量に提供することが可能になる。
また、本発明に係る研磨方法は、中心部の円孔の内径が12mm以下とされる小径のガラス基板に対して好適に用いられる。つまり、磁気ディスクの小径化に伴いディスク基板の内径が小径化されても、その内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げ、しかも表面粗さが例えばRaで0.10nm以下の超平滑な鏡面状態に仕上げることができるからである。
また、前述の実施形態のような研磨ブラシを用いる代わりに、外径の異なる2種類の研磨ブラシ(各々の研磨ブラシにおいてはその外径は一様である)を基板内径に挿入して一緒に使用し、各々の研磨ブラシの回転数や基板内径に対する押付け力等を適宜調整して、研磨を行う研磨方法としてもよい。このような研磨方法においても、大径となされた研磨ブラシが、主に内径の面取面に対して良好な形状に且つ超平滑な鏡面に仕上げる研磨作用を発揮し、小径となされた研磨ブラシが、主に内径の側壁面に対して良好な形状に且つ超平滑な鏡面に仕上げる研磨作用(研磨パッドとしての機能)を発揮することにより、ガラス基板の内周側端面において、その側壁面と面取面の何れに対しても良好な研磨を行うことができる。
次に、本発明に係る研磨装置について説明する。
図4は、ガラス基板の内径中心を合わせて軸方向に複数枚重ねて基板カセットに収納するのに用いる治具の断面図、図5は、ガラス基板の内径中心を合わせて軸方向に複数枚重ねて基板カセットに収納した状態を示す断面図、図6は、ガラス基板を複数枚重ねて収納した基板カセットを研磨装置に装着した状態を示す断面図であり、図7は、本発明に係る研磨装置の一実施の形態の構成を示す側断面図である。
図4において、蓋31は、基板カセット34内に複数枚重ねて収納したガラス基板を固定するためのものである。蓋31の中心部には研磨装置に装着された際に研磨ブラシが挿入されるための円孔31aが開けられている。スペーサー32と33は、基板カセット34内に複数枚重ねて収納したガラス基板を保護するためのものであり、全体が円盤状に形成されている。これらスペーサー32と33の中心部にも研磨装置に装着された際に研磨ブラシが挿入されるための円孔32a、33aがそれぞれ開けられている。また、基板カセット34は全体が円筒状に形成されており、その上部はディスク状のガラス基板を装填するための開口部34aとなっており、下部は基板収納時には基板セット治具36の芯棒35が挿入され、研磨装置に装着された際には研磨ブラシが挿入されるための円孔34bが開けられている。さらに、基板セット治具36は、その中央に、ガラス基板中心部の円孔に挿入される芯棒35が立設されている。
かかる構成にあって、基板セット治具36の芯棒35に合わせて基板カセット34を上からセットし、基板カセット34内にまずスペーサー33を入れておく。そして、ガラス基板を例えば100枚重ねた状態のもの30を基板カセット34内に装填する。もちろん、ガラス基板を1枚ないしは複数枚ずつ装填してもよい。基板カセット34内に装填したガラス基板の上からスペーサー32をセットし、さらにその上に蓋31をセットする。これで、基板カセット内へのガラス基板の収納作業が完了する(図5を参照)。このような基板カセット34及び基板セット治具36を用いることにより、誰でも簡単に、短時間で、ガラス基板の内径中心を合わせて軸方向に複数枚(多数枚)を重ねて基板カセットに収納することができる。さらに、ガラス基板を収納した基板カセットの両端を研磨装置のプッシャー47,48で固定して(図6を参照)、基板カセットのまま研磨装置に装着することができる。つまり、内径中心を揃えて軸方向に複数枚(多数枚)を重ねて基板カセットに収納した状態のガラス基板を崩すことなく、そのまま研磨加工ができるため、真円度や円筒度のバッチ内あるいはバッチ間のばらつきを小さくすることができる。
次に、図7の研磨装置を説明する。
この研磨装置は、研磨対象である複数枚の磁気ディスク用ガラス基板1を収納する基板カセット34をそのまま装着できるように構成されている。基板カセット34は、上述したように、例えば、一度に50枚程度、100枚程度、或いは200枚程度のガラス基板を収納することができる。この基板カセット34は、軸方向からプッシャー(押しコック)47,48を締め込むことで、研磨装置に固定される。
この基板カセット34は、研磨装置40の回転保持台41上において、ハウジング44,45を介して、軸回りに回転自在に保持されている。そして、この基板カセット34は、図示しない駆動用モータによって、所定の回転速度にて軸回りに回転操作される。また、ハウジング44,45は、直動ガイドによって支持されており、図7中の矢印Aで示すように、基板カセット34の軸方向に往復移動することが可能になっている。図中、符号46で示すものはベアリングである。そして、この基板カセット34は、駆動用モータ42及びカム機構43によって、基板カセット34の軸方向に一定周期で往復移動操作される。
そして、この研磨装置40は、基板カセット34によって保持した複数枚のガラス基板30の中心部の各円孔内に、本発明に係る研磨ブラシ20を挿入させた状態において、この研磨ブラシ20を保持し、図示しない駆動用モータによって、ブラシ軸回転駆動用モータ軸49を介して回転操作できるようになっている。この研磨装置40において、研磨ブラシ20の回転方向は、何れの方向とすることもでき、また、この研磨ブラシ20の回転速度は、低速(4000rpm程度)より高速(7000rpm以上)まで可変することができる。ガラス基板の内径の小径化に伴い、研磨ブラシ20の外径が小さいものを使用する必要があるので、両端にブラシ把持部を設けて、ブラシ両端を保持するようにして、ブラシ剛性低下の影響を小さくするようにした。また、研磨ブラシ20を両端で保持した上に、さらにエアーシリンダー50でブラシ把持部をブラシ軸に平行外側に押付け、加工中のブラシ軸のフレを防止するための機構を設けている。なお、この研磨装置40は、研磨ブラシの回転数、基板カセットの回転数、基板カセットの揺動速度及び距離、基板内周側端面への研磨ブラシ押付け力等をそれぞれ独立して可変できるように構成されている。
研磨加工中は、多数枚重ねられたガラス基板1の内周側端面部分に研磨液を供給することが好ましい。研磨液供給手段としては、図7では、研磨液供給部(図示せず)からスラリー管51或いは53を通って研磨液を供給する態様を示している。研磨液の供給については、切替ソレノイド52或いは54により流れ方向をブラシ上方から、又はブラシ下方からへの切替を行う。研磨剤流動の経時変化防止のため、研磨液流路に水道水を流して、研磨加工後の研磨液流路を水洗する機能を持たせてもよい。
研磨剤としては、酸化セリウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン等の研磨剤を用いることが出来るが、特に、ガラス基板1に近い硬さの酸化セリウムを用いるのが好ましい。研磨剤が硬すぎるとガラス基板端面に傷を与えることになり、研磨剤が軟らかすぎるとガラス基板端面を鏡面にすることができなくなる。研磨液温度は、25℃〜40℃程度が好ましい。
以上説明した本発明に係る研磨ブラシを使用する研磨装置によれば、内径を例えば12mm以下とされる小径基板に対しても、内周側端面を良好な寸法精度で所定の端面形状に仕上げるとともに、表面粗さが例えばRaで0.10nm以下の超平滑な鏡面状態に仕上げることができ、しかも基板間のばらつきをなくして、高品質に仕上げられた磁気ディスク用ガラス基板を低コストで安定して大量に提供することが可能になる。また、本発明に係る研磨ブラシは、外径の異なる部分を有しているので、長い方の外径が基板の内径より大きくても、研磨液が基板の内周側端面部分に十分に供給される。
また、本発明に係る研磨装置は、基板カセットのまま研磨装置に装着することができるため、内径中心を揃えて軸方向に複数枚(多数枚)を重ねて基板カセットに収納した状態のガラス基板を崩すことなく、そのまま研磨加工ができるため、真円度や円筒度のバッチ内あるいはバッチ間のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明に係る研磨装置によれば、従来のガラス基板を研磨液中に浸漬させながら研磨加工を行う場合と比べると、使用する研磨液が少なく、そのため研磨液を貯留するタンクが小さくて済むため、研磨装置の設置スペースが少なくて済む。また研磨液の使用量が少ないと環境面での負荷も小さくなるため好ましい。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、上述の本発明の研磨方法によりガラス基板の内周側端面を研磨する工程を含むものである。
磁気ディスク用のガラス基板は、通常、ディスク状に成形したガラス基板に、研削、研磨、化学強化等の工程を順次施し、場合により更に、磁性層に磁気異方性を付与するためのテクスチャ加工を施して製造される。研磨工程は、上述のガラス基板端面の研磨工程と、ガラス基板の主表面の研磨工程を含む。
磁気ディスク用ガラス基板に用いる硝種としては特に限定を設けないが、ガラス基板の材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は結晶化ガラス等のガラスセラミックス等が挙げられる。なお、アルミノシリケートガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるための特に好ましい。アルミノシリケートガラスとしては、SiO2: 62〜75wt%、Al2O3:5〜15wt%、Li2O:4〜10wt%、Na2O: 4〜12wt%、ZrO2:5.5〜15wt%を主成分として含有すると共に、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0、Al2O3/ZrO2の重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラス等が好ましい。また、ZrO2の未溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起を無くすためには、モル%表示で、SiO2を57〜74%、ZnO2を0〜2.8%、Al2O3を3〜15%、LiO2を7〜16%、Na2Oを4〜14%含有するガラス等を使用することが好ましい。
このようなアルミノシリケートガラスは、化学強化することによって、ガラス基板表面に圧縮応力層を設けることができ、抗折強度や、剛性、耐衝撃性、耐振動性、耐熱性に優れ、高温環境下にあってもNaの析出がないとともに、平坦性を維持し、ヌープ硬度にも優れる。化学強化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特に限定されない。ガラス基板の化学強化は、加熱した化学強化溶融塩にガラス基板を浸漬し、ガラス基板表層のイオンを化学強化溶融塩中のイオンでイオン交換して行う。
なお、ガラス基板として上記の化学強化基板を用いる場合、テクスチャ加工は化学強化後に行うことが好ましい。化学強化においては、イオン交換の過程で、ガラス基板主表面形状が乱される場合がある。
ガラス基板の直径サイズついては特に限定はないが、実用上、モバイル用途のHDDとして使用されることの多い1.8インチサイズ以下の小型磁気ディスクに対しては、耐衝撃性が高く、高情報記録密度化を可能とする磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高く好適である。
また、ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.0mm程度が好ましい。特に、0.6mm以下程度の薄型基板により構成される磁気ディスクの場合では、特に内周側端面の表面粗さが大きいと、磁気ディスク装置に装着して使用された場合、スピンドルとの接触により内径にクラックが入り易く、発塵の原因となるため、薄型基板の耐衝撃性を高めるためには、内周側端面は鏡面に仕上げられる必要があり、内周側端面を超平滑な鏡面に仕上げられ、耐衝撃性が高い磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高く好適である。
本発明により得られる磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することにより磁気ディスクが得られる。通常は、ガラス基板上に、シード層、下地層、磁性層、保護層、潤滑層を設けた磁気ディスクとするのが好適である。
シード層としては、例えば、Al系合金、Cr系合金、NiAl系合金、NiAlB系合金、AlRu系合金、AlRuB系合金、AlCo系合金、FeAl系合金等のbccまたはB2結晶構造型合金等を用いることにより、磁性粒子の微細化を図ることができる。
下地層としては、Cr系合金、CrMo系合金、CrV系合金、CrW系合金、CrTi系合金、Ti系合金等の磁性層の配向性を調整する層を設けることができる。
磁性層としては、例えばCo系のhcp結晶構造をもつ合金などが挙げられる。
保護層としては、例えば、炭素系保護層などが好ましく挙げられる。また、保護層上の潤滑層を形成する潤滑剤としては、PFPE(パーフロロポリエーテル)化合物が挙げられる。
ガラス基板上に上記各層を成膜する方法については、公知のスパッタリング法などを用いることが出来る。
以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面研磨工程、(5)主表面第1研磨工程、(6)主表面第2研磨工程、(7)化学強化工程、を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(1)粗ラッピング工程
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径50mmφ、厚さ1.0mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有する化学強化ガラスを使用した。次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を100kg程度に設定して、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を48mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。なお、一般に、1.8インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が48mmの磁気ディスクを用いる。
(3)精ラッピング工程
次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
(4)端面研磨工程
次いで、従来の研磨ブラシ、研磨装置を用いて、ガラス基板の外周側端面の研磨を行った。この場合の研磨ブラシのブラシ毛の材質は6−6ナイロンを使用した。この研磨ブラシの回転数は1400rpm、また多数枚を積層したガラス基板の回転数は、研磨ブラシとは逆方向に60rpmとした。また、研磨剤は酸化セリウムを使用し、この酸化セリウムを含む約30℃の研磨液を研磨加工中供給した。研磨時間は約30分とした。
次いで、ガラス基板の内周側端面の研磨を、図7に示す研磨装置を用いて行った。この場合の研磨ブラシは図3に示す構造のものを使用し、その外径D1は14mm、D2は12mm、L1,L2はそれぞれ3mmのものとした。毛材の材質は6−6ナイロンとした。また、小径D2となされた部分の毛材はエポキシ樹脂で固めたものを使用した。この研磨ブラシの回転数は、1800〜2700rpm(好ましくは2200〜2400rpm)、また多数枚を積層したガラス基板を収納した基板カセットの回転数は、研磨ブラシとは逆方向に60rpmとした。基板カセットの揺動速度及び距離、基板内周側端面への研磨ブラシ押付け力は適宜調整した。また、研磨剤は酸化セリウムを使用し、この酸化セリウムを含む約30℃の研磨液を研磨加工中供給した。研磨時間は約8分〜16分とした。
こうして100枚積層研磨加工を終えたガラス基板の外周側端面の表面粗さは、平均値でRaが0.1μm程度であった。また、上記ガラス基板の内周側端面の表面粗さは、平均値でRaが0.05μm程度であり、内径の寸法ばらつきは10μm以内であった。そして、上記端面研磨加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
なお、研磨後のガラス基板の内周側端面形状をコントレーサーで測定したところ、図2に示すように、端面12が、2つの面取面12bとその間の側壁面12aとからなる形状に仕上がっていた。外周側端面についてもほぼ同様な形状に仕上がっていた。
(5)主表面第1研磨工程
次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去するため第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(6)主表面第2研磨工程
次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば表面粗さRaを1.0〜0.3μm程度以下まで低減させることを目的とするものである。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(7)化学強化工程
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次に、上記洗浄を終えたガラス基板表面の目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した。その結果、ガラス基板表面に付着物による突起や、傷等の欠陥は発見されなかった。また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Ra=0.20nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。また、ガラス基板の外径は48mm、内径は12mm、板厚は0.581mmに仕上がっていた。
以上の様にして磁気ディスク用ガラス基板を約1万枚製造してロングランテストを行った。その結果、1度目の端面研磨加工により、所定の端面形状、寸法精度、表面粗さをクリアした良品率は平均90%以上であり、不良となった基板についても再研磨により良品となったものがほとんどであった。
上記で得られた磁気ディスク用ガラス基板を使用し、その主表面上に、シード層2aと下地層2bからなる非磁性金属層2、磁性層3、炭素系保護層4、及び潤滑剤層5を以下のように形成して、図8に示すような磁気ディスク10を製造した。
すなわち、上記ガラス基板の主表面上に、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、AlRu合金からなるシード層2a、CrMo合金からなる下地層2b、CoCrPtB合金からなる磁性層3、及び炭素保護層4を順次成膜した。さらに、炭素保護層4上に、アルコール変性パーフルオロポリエーテル潤滑剤層5をディップ法で成膜した。このようにして磁気ディスク10を得た。
得られた磁気ディスクを、ロードアンロード(LUL)方式のHDD(ハードディスクドライブ)に搭載した。磁気ヘッドはGMR素子を用いた磁気ヘッドを使用し、磁気ヘッドの浮上量は10nmとした。こうしてロードアンロード動作を繰り返して行うLUL耐久試験を行ったところ、本実施例の磁気ディスクは、100万回のLUL動作に故障することなく耐久した。
(比較例)
本比較例は、ガラス基板の内周側端面の研磨を前記特許文献1に開示されたような従来の研磨方法を用いて行った点が前述の実施例とは相違する。すなわち、研磨ブラシには、金属製の軸心に前述のチャンネルブラシを巻き付けた構造のものを使用し、ブラシの外径は14mmで一様とし、ブラシ毛の材質は6−6ナイロンを使用した。実施例1と同一形状、大きさのガラス基板を100枚積層した状態で研磨液中に浸漬させ、内周側端面の研磨を行った。研磨剤は実施例1と同様、酸化セリウムを使用し、その他の研磨条件については適宜調整して行った。
こうして100枚積層研磨加工を終えたガラス基板の外周側端面の表面粗さは、平均値でRaが0.1μm程度であった。また、上記ガラス基板の内周側端面の表面粗さは、平均値でRaが0.20μm程度であり、内径の寸法ばらつきは20μm程度と大きかった。
端面研磨後のガラス基板の内周側端面形状をコントレーサーで測定したところ、端面が、図2に示すような2つの面取面とその間の側壁面とからなる形状に一応形成されてはいるものの、研磨ブラシの押し当て力が不安定のためと考えられる凹部や凹みがとくに側壁面に出来ていた。
そして、本比較例においても、上記1.8インチ磁気ディスク用ガラス基板を約1万枚製造してロングランテストを行ったところ、1度目の端面研磨加工により、所定の端面形状、寸法精度、表面粗さをクリアした良品率は平均70%以下であった。不良となった基板については再研磨可能なものもあるが、削られすぎて再研磨不能で廃棄せざるを得ないものの割合も50%程度と高かった。また、基板間のばらつきも大きかった。
なお、図10に示すような従来の端面研磨装置においても、従来の研磨ブラシ62の代わりに、本発明の研磨ブラシ(研磨部材)を適用することができる。従来の端面研磨装置において本発明の研磨ブラシ(研磨部材)を適用することにより、特に小径の磁気ディスク用ガラス基板の端面を精度良く研磨することができるという本発明の効果が得られる。
中心部に円孔を有する磁気ディスク用ガラス基板の全体斜視図である。 上記磁気ディスク用ガラス基板の内周側端面の形状を示す断面図である。 本発明に係る研磨ブラシの一実施の形態の構成を示す断面図である。 ガラス基板の内径中心を合わせて軸方向に複数枚重ねて基板カセットに収納するのに用いる治具の断面図である。 ガラス基板の内径中心を合わせて軸方向に複数枚重ねて基板カセットに収納した状態を示す断面図である。 ガラス基板を複数枚重ねて収納した基板カセットを研磨装置に装着した状態を示す断面図である。 本発明に係る研磨装置の一実施の形態の構成を示す側断面図である。 本発明に係る磁気ディスクの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る研磨ブラシの他の実施の形態を示す断面図である。 従来の研磨方法を説明するための研磨装置の一例の断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板
10 磁気ディスク
11 ガラス基板の主表面
12 ガラス基板の内周側端面
20,25 研磨ブラシ
22 毛材
34 基板カセット
40 研磨装置

Claims (8)

  1. 中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給しつつ、前記ガラス基板の内周側端面に研磨ブラシを接触回転させて研磨する研磨方法に用いる研磨ブラシであって、
    前記ガラス基板の内周側端面は、その主表面と直交する側壁面と、該側壁面と主表面との間に存在する中間面とからなる形状に形成されており、
    前記研磨ブラシは、その軸心に対して毛材が略直交する方向に突設されてなり、2つの外径の異なる部分が配列されるとともに、その小径となされた部分が大径となされた部分よりも毛材の硬度を大きくし
    前記研磨ブラシの小径となされた部分は前記側壁面を主として研磨し、前記研磨ブラシの大径となされた部分は前記中間面を主として研磨することを特徴とする研磨ブラシ。
  2. 前記研磨ブラシにおける小径となされた部分の毛材を樹脂で固めたことを特徴とする請求項1に記載の研磨ブラシ。
  3. 中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面を研磨する研磨方法であって、
    前記ガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給しつつ、請求項1又は2に記載の研磨ブラシを用いて、この研磨ブラシを前記円孔内に略垂直に挿入し、この円孔の端面に対して前記研磨ブラシを相対的に移動させ且つ接触回転させることによって前記ガラス基板の内周側端面を研磨することを特徴とする研磨方法。
  4. 複数枚のガラス基板の内周側端面が同時に研磨されるようにガラス基板を複数枚重ねて研磨を行うことを特徴とする請求項3に記載の研磨方法。
  5. 前記ガラス基板は、中心部の円孔の内径が12mm以下とされるガラス基板であることを特徴とする請求項3又は4に記載の研磨方法。
  6. 中心部に円孔を有する円板状のガラス基板を複数枚重ねて収納する基板カセットを保持する基板カセット保持手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面部分に研磨液を供給する研磨液供給手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面に接触回転可能に保持された請求項1又は2に記載の研磨ブラシと、該研磨ブラシを回転駆動する第1の駆動手段と、前記基板カセット内に複数枚重ねられたガラス基板の内周側端面に対して前記研磨ブラシを相対的に移動させる第2の駆動手段とを備えたことを特徴とする研磨装置。
  7. 中心部に円孔を有する円板状のガラス基板の内周側端面を請求項3乃至5の何れか一に記載の研磨方法により研磨する工程を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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